JP2009141697A - D級アンプ - Google Patents
D級アンプ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009141697A JP2009141697A JP2007316256A JP2007316256A JP2009141697A JP 2009141697 A JP2009141697 A JP 2009141697A JP 2007316256 A JP2007316256 A JP 2007316256A JP 2007316256 A JP2007316256 A JP 2007316256A JP 2009141697 A JP2009141697 A JP 2009141697A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- output
- class
- amplifier
- transistors
- pwm
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Amplifiers (AREA)
Abstract
【課題】ミュート回路を必要とすることなく、起動/停止時、及びスタンバイからの復帰時に発生するノイズを抑制することができるD級アンプを提供すること。
【解決手段】D級アンプ100は、起動及び停止の際に、起動/停止制御回路103からのイネーブル信号OE1を受けてオンする第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)と、起動及び停止以外の通常動作時に、第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)と共に能動状態となる第2の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)とからなるPWM出力バッファ110を備える。
【選択図】図1
【解決手段】D級アンプ100は、起動及び停止の際に、起動/停止制御回路103からのイネーブル信号OE1を受けてオンする第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)と、起動及び停止以外の通常動作時に、第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)と共に能動状態となる第2の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)とからなるPWM出力バッファ110を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、入力されたPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号をデジタル変調して電力増幅するD級アンプに関し、詳細には、起動/停止時、及びスタンバイ状態からの復帰時に、発生するポップノイズを防止する対策を施したD級アンプに関する。
D級アンプは、AB級アンプ等のアナログ線形アンプと比較して、極めて良好な電力変換効率が得られ、故に放熱量も少ないことから、スピーカ駆動用アンプとして採用されることが多い。D級アンプは、音声信号などの入力信号をトランジスタ等の増幅能動素子によってスイッチング動作を行うことによってなされる。D級アンプは、入力音声信号に基づくPWM信号をデジタル変調し、そのPWM信号についての電力増幅を行い、電力増幅がなされたPWM信号を、スピーカ部に供給する。
また近年、携帯情報機器は、音声だけでなく、音楽再生機能に対応したものが多く、その信号再生部には、より高音質・低ノイズ特性が求められるようになっている。高性能なイヤホン等を接続して音楽再生をする場合には、音楽再生のアプリケーションを開始・停止する瞬間の音声、又はオーディオ再生アンプの起動・停止音が聴感上、「耳障りな音」として感じられることが多い。
従来のD級アンプは、起動/停止、及びスタンバイからの復帰時の過渡状態において、出力信号に急激な変動が起こる。特に、オーディオアンプでは、この急激な変動によりポップノイズと呼ばれるノイズが発生する。
このノイズを抑制するために、以下の方法が採用される。
図12は、従来のミュート回路を使用したD級アンプの構成を示す回路図である。
図12において、D級アンプ10は、ΔΣ変調回路及びPWM変調回路11、ドライバ回路12、インダクタL、キャパシタC1,C2、ミュート回路を構成するスイッチSWを備える。D級アンプ10の出力は、スピーカ13に入力される。インダクタL及びキャパシタC1は、LPFを構成する。また、キャパシタC2は、直流を遮断する。
D級アンプ10は、増幅器の出力とスピーカ13等のデジタル信号を音響信号に変換する装置との間にミュート回路(スイッチSW)を備える。ミュート回路(スイッチSW)は、起動/停止時、及びスタンバイからの復帰時に増幅器が定常状態になるまでの期間オンして、ノイズを遮断する。
また、上記ミュート回路を使用せず、トランジスタのゲート電圧を前段で調整することでトランジスタのオン抵抗を増加させ、このゲート電圧を徐々に上げて通常のインバータとして動作する状態まで遷移させることで、ノイズを抑制するという制御方法がある(特許文献1参照)。
特開2006−217106号公報
しかしながら、このような従来のポップノイズを防止する対策を施したD級アンプにあっては、以下のような問題点があった。
(1)図12のD級アンプでは、ミュートスイッチ自体が追加コストとなり、かつ実装面積を増加させる。加えてミュートスイッチのインピーダンスは、非常に低いものであることが要求されるために、次のような課題がある。
a)まず、リレーのような機械式のスイッチは、抵抗は低いが実装面積の点で携帯機器には適していない。
b)MOS−FETを用いてスイッチを構成する場合は、比較的低いオン抵抗が得られる。しかし、寄生ダイオードを通る経路が存在するため、出力電圧が寄生ダイオードの順方向電圧を超える回路では使用できない。
c)バイポーラトランジスタを用いてスイッチを構成する場合は、ミュート回路で言及される電圧では低いオン抵抗が得られず、ミュートスイッチとしての効果が低い。それに加えて極性があるために、2個使ってコレクタ・エミッタを逆に接続するような使い方を要求される。
(2)ミュート回路を使用しない特許文献1のようなポップノイズ抑制方法では、所要の時定数が、デジタルLSIに組み込めるかどうかが課題となってくる。
例えば、1μAの定電流回路で100pFのキャパシタを充電する場合の充電時間は、充電完了電圧を2Vとすれば200μsである。この速度でD級アンプ出力電位が上昇するとノイズが発生する。イヤフォンで気にならないレベルにするためには、50ms程度かけて緩やかに立ち上げる必要があるが、500pF程度の容量に抑えようとすると電流値は20nAになる。よって、最低限外付けのキャパシタが必要になる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ミュート回路を必要とすることなく、起動/停止時、及びスタンバイからの復帰時に発生するノイズを抑制することができるD級アンプを提供することを目的とする。
本発明のD級アンプは、入力信号をPWM変調するPWM変調回路と、前記PWM変調回路からのPWM出力を、電源電圧VDDを用いて増幅するバッファとを備えるD級アンプであって、前記バッファは、前記電源電圧VDDに並列に接続された複数の出力トランジスタを有し、前記複数の出力トランジスタは、起動及び停止の際に能動状態となる第1の出力トランジスタと、前記起動及び停止以外の通常動作時に、前記第1の出力トランジスタと共に能動状態となる第2の出力トランジスタとから構成される。
本発明によれば、ミュート回路を必要とすることなく起動/停止時、及びスタンバイからの復帰時に発生するノイズを抑制することができる。ミュート回路を省略できることから、コストや実装面積の増加を回避できる。また、容易にデジタルLSIへの組み込むことができ、かつ特殊なアナログ回路を搭載することなく実現することができる。
また、並列接続されている出力トランジスタのオン/オフ制御だけで実現できるため、デジタルLSIに搭載することが容易である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るD級アンプの構成を示す回路図である。本実施の形態は、スピーカ等のインダクタ性負荷に供給するPMW信号を出力するオーディオ用途に好適なD級アンプに適用した例である。
図1は、本発明の実施の形態1に係るD級アンプの構成を示す回路図である。本実施の形態は、スピーカ等のインダクタ性負荷に供給するPMW信号を出力するオーディオ用途に好適なD級アンプに適用した例である。
図1において、D級アンプ100は、ΔΣ変調回路101、データテーブル102、起動/停止制御回路103、増幅器104、PWM変調回路105、NANDゲート106,107、NORゲート108,109、PchMOSトランジスタPT0〜PTn、NchMOSトランジスタNT0〜NTn、インダクタL、及びキャパシタC1,C2を備えて構成される。D級アンプ100の出力は、負荷となるスピーカ又はイヤフォン120に入力される。インダクタL及びキャパシタC1は、LPFを構成する。また、キャパシタC2は、直流を遮断する。
図1中、PWMはPWM変調回路より出力される信号、OE1,OE2は起動/停止制御回路103より出力されるPchMOSトランジスタPT0〜PTn及びNchMOSトランジスタNT0〜NTn制御用のイネーブル信号である。
PchMOSトランジスタPT0〜PTn及びNchMOSトランジスタNT0〜NTnは、出力トランジスタからなるPWM出力バッファ110を構成する。PWM出力バッファ110は、オン抵抗を下げるために、多数の出力トランジスタPT0〜PTn及びNT0〜NTnが、電源電圧(高電位側電源)VDDとVSS(ここでは接地)側から見て並列に接続された形で構成されている。PWM出力バッファ110は、複数の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0〜PTn、NchMOSトランジスタNT0〜NTn)のうち、第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)と、第2の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)とに分けられる。
第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)は、D級アンプ100の起動及び停止の際に、起動/停止制御回路103からのイネーブル信号OE1を受けてオンする。
第2の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)は、D級アンプ100の起動及び停止の以外の場合に、オン抵抗を下げるために、起動/停止制御回路103からのイネーブル信号OE2を受けて第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)と共にオンする。
起動/停止制御回路103は、PWM変調回路105の動作切り替え、PWM変調回路105への入力データの切り替え、データテーブル102の制御、複数の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0〜PTn、NchMOSトランジスタNT0〜NTn)の制御を司る。
起動/停止制御回路103より出力されるイネーブル信号OE1は、第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)のオン/オフ制御を行う信号であり、イネーブル信号OE2は、上記PT0とNT0以外の第2の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)のオン/オフ制御を行う信号である。
なお、D級アンプ100でステレオヘッドフォンを駆動する場合には、上記各構成要素は2個ずつ用意する。動作自体は、両チャネルとも同じである。
以下、上述のように構成されたD級アンプ100の動作について説明する。
まず、本発明の基本的な考え方について説明する。
図2は、D級アンプ100のPWMの出力波形を巨視的に示す図、図3は、D級アンプ100のPWMの実際の出力波形を示す図である。図2及び図3は、D級アンプ100により生成される信号波形図であり、D級アンプ100のPWM変調回路105に供給される入力信号が例えば−6から6まで変化した場合の、出力波形の一例である。
基本的には、結合キャパシタの充電電流を緩やかに変化させればよく、巨視的には図2のような形で出力電位を変化させればよい。
但し、PWM変調回路105のクロック周波数の制約があるため、実際には図3のような階段状の波形になる。これによるノイズを、PWM出力バッファ110のオン抵抗を上げることで抑圧する。
一般的にPWM出力バッファ110は、オン抵抗を下げるために多数の出力トランジスタが並列に接続された形で構成されているため、起動及び停止の際には、多数の出力トランジスタのうちの一部だけを能動状態にする。これによりオン抵抗を上昇させると、階段状の変化が負荷に現れるのを抑圧することができる。
起動処理が終わって所望の電位まで到達した後は、残りの出力トランジスタ全てを能動状態にして大電流を流せる状態に切り替える。
停止のときは、上記と逆に動作させればよい。停止処理に入る前に、一部の出力トランジスタだけを残して大部分の出力トランジスタを非能動状態にする。その後、出力電位を下げるよう動作させればよい。
次に、本実施の形態の通常状態での動作について説明する。
D級アンプ100は、あらかじめ決められる時間間隔、つまりサンプリング周波数は製品の目標仕様にあわせて自由に設定可能であるが、いたずらな周波数の増大は消費電流の増加を引き起こすため、本実施の形態では、サンプリング周波数を例えば200kHzに、そしてPWM信号の分解能を示すPWM用クロック周波数は、更にその10倍の2MHzとする。
図4は、±6値に対応するPWM変調回路105の出力波形を示す図であり、サンプリングレートが16fsの時の起動時のPWM波が取りうる出力ステップを示す。ΔΣ変調回路101は、多値出力形式であって、ΔΣ変調回路101が±6すなわち13値に再量子化している。
入力されるPCMデータは、ΔΣ変調回路101により1ビットから4ビット程度のデータに変換される。この例ではΔΣ変調回路101の出力の範囲は、±6であるとする。通常動作状態のときは、このデータがPWM変調回路105に渡される。PWM変調回路105は、ΔΣ変調回路101からのデータを基に出力のハイ・ロウレベルの期間を変化させる。
通常状態では、起動/停止制御回路103は、複数の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0〜PTn、NchMOSトランジスタNT0〜NTn)を制御するイネーブル信号OE1,OE2を、ゲート回路106〜109を介してこれら出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0〜PTn、NchMOSトランジスタNT0〜NTn)に出力する。イネーブル信号OE1,OE2は共にハイレベルであり、このとき出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0〜PTn、NchMOSトランジスタNT0〜NTn)は全てオン状態となる。全ての出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0〜PTn、NchMOSトランジスタNT0〜NTn)がオン状態となることで、オン抵抗を下げることができ、PWM出力バッファ110は、大電流を流すことができる。
次に、起動及び停止処理での動作について説明する。
この起動及び停止動作のときは、データテーブル102は、前記図3のようなデータを発生する。この例では50msでPWM変調回路105入力が0になるようなデータとしている。
一方、PWM変調回路105は、起動及び停止処理の際には±24値に対応するよう動作モードを切り替える。このときのPWM変調回路105の出力について、0から±24に対応する波形を図5に示す。
図5は、0から±24値に対応するPWM変調回路105の出力波形を示す図である。図5は、サンプリングレートが8fsの時の起動時のPWM波が取りうる出力ステップを示し、ここでは0VからVDDまでの49ステップである。
図6は、サンプリングレートが8fsの時のPWM変調回路105への入力データを示す図である。
実際には、前記図3に示すように負の領域のデータだけがデータテーブル102から生成されるので、図6の0から−24の範囲だけが用いられる。
起動及び停止処理では、起動/停止制御回路103は、イネーブル信号OE1をハイレベル、イネーブル信号OE2をローレベルとする。これにより、第2の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)はオフ状態となり、第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)だけがオン状態となる。そのためPWM出力バッファ110は、オン抵抗が高い状態になる。
上記のように動作させた場合の、出力電位の遷移状態を図7に示す。
図7は、PWM変調回路105への入力データ・出力電位・負荷抵抗電圧の状態遷移を示す図である。
次に、起動処理を開始してから通常状態へ切り替える時の、イネーブル信号OE2の切り替えタイミング例を説明する。
図8は、D級アンプ100を起動から通常状態へ遷移させる時にイネーブル信号OE1,OE2を切り替えるタイミングを示す図である。
図8に示すように、24Tから1T(=1クロック)ずつパルス幅を減らしていき、パルス幅が1Tになってから、イネーブル信号OE2を切り替え、残り全ての出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)をオン状態にする。そして、1Tずつパルス幅を増やしていき、パルス幅を12Tの状態にする。
次に、通常状態から停止処理へ切り替える時の、イネーブル信号OE2の切り替えタイミング例を説明する。
図9は、D級アンプ100を通常状態から停止させる時にイネーブル信号OE1,OE2を切り替えるタイミングを示す図である。
通常動作のように出力抵抗値が低い状態であれば、正負のパルスの中間でインダクタLを流れる電流が零になる。ここでイネーブル信号OE2をローレベルに切り替え、第2の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)をオフ状態にする。
以上のように、実施の形態1によれば、D級アンプ100は、起動及び停止の際に、起動/停止制御回路103からのイネーブル信号OE1を受けてオンする第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)と、起動及び停止以外の通常動作時に、第1の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT0とNchMOSトランジスタNT0)と共に能動状態となる第2の出力トランジスタ(PchMOSトランジスタPT1〜PTn、NchMOSトランジスタNT1〜NTn)とからなるPWM出力バッファ110を備える。
これにより、PWMの出力電位がステップ状に遷移する際発生するノイズを、複数並列に接続している出力トランジスタの一部だけをオン状態にすることでオン抵抗を上昇させ、負荷抵抗と分圧することで抑圧し、出力電位の緩やかな上昇を実現する(図2参照)。一方、出力電位がVDD/2になっている通常動作時は、全ての出力トランジスタを有効にして大電流を流せる状態に切り替える(図3参照)。
さらに、起動時には、起動処理が完了して出力電位がVDD/2になったとき、PWM波がハイレベルからロウレベルに遷移するとき、又はロウレベルからハイレベルに遷移するときに合わせて、オフ状態になっている残りの出力トランジスタをオン状態に切り替えることで出力電位が緩やかに上昇する。停止時では、無音状態となって出力電位がVDD/2になったとき、PWM波がハイレベルからロウレベルに遷移するとき、又はロウレベルからハイレベルに遷移するときに合わせて、一部のトランジスタを残して他のトランジスタをオフ状態にすることで、出力電位が緩やかに下降する。例えば起動時に、ロウレベルからハイレベルへ、又はハイレベルからロウレベルへの切り替え途中で、オフ状態になっている残りの出力トランジスタをオン状態に切り替えた場合、切り替え直後に急激に電位が上昇するため、ノイズがのってしまう。停止時、スタンバイからの復帰時でも同様にノイズが発生する。本実施の形態では、D級アンプ100が、ハイレベル又はロウレベルに同期してイネーブル信号OE1,OE2を切り替える起動/停止制御回路103を備えることで、上記ノイズをほぼ完全に抑制することができる。レベル遷移後、残りのオフ状態のトランジスタをオン状態に、又は残りのオン状態のトランジスタをオフ状態に切り替え出力電位の緩やかな上昇/下降を実現することができる。
このように、D級アンプ100は、ミュート回路を必要とすることなく、起動/停止時、及びスタンバイからの復帰時に発生するノイズを抑制することがきる。したがって、面積・コストを軽減することができ、さらに、アナログ回路を使用しないため製造上のばらつき等に影響することもなく、また、デジタルLSIへの組込みが容易となる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るD級アンプの構成は、図1と同一構成であるため説明を省略する。また、本実施の形態のD級アンプの基本動作は、実施の形態1と同様である。
本発明の実施の形態2に係るD級アンプの構成は、図1と同一構成であるため説明を省略する。また、本実施の形態のD級アンプの基本動作は、実施の形態1と同様である。
図10は、起動時、出力電位を一度0VからVDDまで上昇させ、その後VDD/2まで戻したときの出力電位の遷移状態を示す図、図11は、負荷抵抗・カップリングキャパシタ容量・出力トランジスタのオン抵抗を調整した時の出力電位の遷移状態を示す図である。図10は前記図6に対応し、図11は前記図7に対応する。
本実施の形態では、図10に示すように、起動時のみ、PWM変調回路105に与えるデータを一旦最大値まで上昇させる。
この場合、負荷抵抗・カップリングキャパシタ容量・出力トランジスタのオン抵抗を適切に選択することで、図11と図7とを比較して明らかなように出力電位がVDD/2に安定するまでの時間を短縮することができる。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。例えば、上記各実施の形態は、各種の音響装置に適用した例であるが、音を増幅するものであればどのような機器にも同様に適用できる。
また、上記各実施の形態ではD級アンプという名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、電力増幅回路、D級スイッチングアンプ等であってもよいことは勿論である。
さらに、上記D級アンプを構成する各回路部、例えばMOSトランジスタ、ゲート回路等の種類、数及び接続方法などは前述した実施の形態に限られない。
本発明に係るD級アンプは、音声信号等に基づくPWM信号に応じたスイッチング動作により、PWM信号についての電力増幅を行い、それにより得られる出力信号を、スピーカ等を含む負荷に供給するオーディオ用途に有効である。また、各種の音響装置におけるD級アンプに適用して好適であるのみならず、音響装置以外の電子機器におけるD級アンプにも広く適用され得るものである。
100 D級アンプ
101 ΔΣ変調回路
102 データテーブル
103 起動/停止制御回路
104 増幅器
105 PWM変調回路
106,107 NANDゲート
108,109 NORゲート
110 PWM出力バッファ
120 スピーカ又はイヤフォン
PT0〜PTn PchMOSトランジスタ
NT0〜NTn NchMOSトランジスタ
L インダクタ
C1,C2 キャパシタ
101 ΔΣ変調回路
102 データテーブル
103 起動/停止制御回路
104 増幅器
105 PWM変調回路
106,107 NANDゲート
108,109 NORゲート
110 PWM出力バッファ
120 スピーカ又はイヤフォン
PT0〜PTn PchMOSトランジスタ
NT0〜NTn NchMOSトランジスタ
L インダクタ
C1,C2 キャパシタ
Claims (6)
- 入力信号をPWM変調するPWM変調回路と、前記PWM変調回路からのPWM出力を、電源電圧VDDを用いて増幅するバッファとを備えるD級アンプであって、
前記バッファは、前記電源電圧VDDに並列に接続された複数の出力トランジスタを有し、
前記複数の出力トランジスタは、起動及び停止の際に能動状態となる第1の出力トランジスタと、前記起動及び停止以外の通常動作時に、前記第1の出力トランジスタと共に能動状態となる第2の出力トランジスタとから構成されるD級アンプ。 - 起動及び停止の際に、前記第1の出力トランジスタに第1のイネーブル信号を出力し、前記起動及び停止以外の通常動作時に、前記第2の出力トランジスタに第2のイネーブル信号を出力して前記複数の出力トランジスタを制御する起動/停止制御回路を備える請求項1記載のD級アンプ。
- 前記起動/停止制御回路は、起動から通常動作開始までの時間内で、前記電源電圧VDDを、一度0VからVDDまで上昇させ、その後VDD/2まで戻す請求項2記載のD級アンプ。
- 前記起動/停止制御回路は、起動時は、起動処理が完了して出力電位がVDD/2になった場合に、PWM出力がハイレベルからロウレベルに遷移するとき、又はロウレベルからハイレベルに遷移するときに合わせて、オフ状態になっている前記第2の出力トランジスタをオン状態に切り替える請求項2記載のD級アンプ。
- 前記起動/停止制御回路は、停止時は、無音状態となって出力電位がVDD/2になった場合に、PWM出力がハイレベルからロウレベルに遷移するとき、又はロウレベルからハイレベルに遷移するときに合わせて、前記第1の出力トランジスタを残して前記第2の出力トランジスタをオフ状態にする請求項2記載のD級アンプ。
- 前記バッファは、前記第1の出力トランジスタが能動状態となる前記起動及び停止時のオン抵抗が、前記複数の出力トランジスタが全て能動状態となる前記通常動作時のオン抵抗より大きい請求項2記載のD級アンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007316256A JP2009141697A (ja) | 2007-12-06 | 2007-12-06 | D級アンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007316256A JP2009141697A (ja) | 2007-12-06 | 2007-12-06 | D級アンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009141697A true JP2009141697A (ja) | 2009-06-25 |
Family
ID=40871864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007316256A Pending JP2009141697A (ja) | 2007-12-06 | 2007-12-06 | D級アンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009141697A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014518491A (ja) * | 2011-06-28 | 2014-07-28 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | 改善されたノイズ低減を備えた増幅器 |
JPWO2013042754A1 (ja) * | 2011-09-23 | 2015-03-26 | 日本電気株式会社 | 電力増幅装置 |
-
2007
- 2007-12-06 JP JP2007316256A patent/JP2009141697A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014518491A (ja) * | 2011-06-28 | 2014-07-28 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | 改善されたノイズ低減を備えた増幅器 |
JPWO2013042754A1 (ja) * | 2011-09-23 | 2015-03-26 | 日本電気株式会社 | 電力増幅装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101933224B (zh) | 减少音频回放装置中的喀嗒声及砰声噪声的系统及方法 | |
CN100514842C (zh) | 信号输出电路、使用其的音频信号输出装置、电子设备 | |
US8433078B2 (en) | High perceived audio quality class D amplifier | |
US8284953B2 (en) | Circuit and method of reducing pop-up noise in a digital amplifier | |
US7071752B2 (en) | Amplifiers | |
KR100858292B1 (ko) | 기동소음을 감소시키는 스위칭 증폭 드라이버 및 상기스위칭 증폭 드라이버를 구비하는 오디오 증폭기 | |
CN111819789B (zh) | 开环脉冲宽度调制驱动器的双自举电路 | |
JP2009060361A (ja) | D級増幅回路 | |
JP2001223537A (ja) | D級アンプ | |
JP5156321B2 (ja) | 音声出力装置 | |
JP2009141697A (ja) | D級アンプ | |
JP6647932B2 (ja) | オーディオアンプ回路、それを用いたオーディオ出力装置、およびそれを用いた電子機器 | |
KR100770744B1 (ko) | 팝업 노이즈 방지 방법 및 팝업 노이즈 방지 회로를포함하는 디지털 앰프 | |
GB2593279A (en) | Dual bootstrapping for an open-loop pulse width modulation driver | |
JP2004304441A (ja) | 音声再生装置および基準電圧生成回路 | |
JP2004056211A (ja) | 半導体装置およびd級増幅器 | |
JP2007116532A (ja) | 音声ミュート回路および音声ミュート方法 | |
JP4105040B2 (ja) | デジタルアンプおよびその駆動方法 | |
CN219019013U (zh) | 一种用于音频模式切换的消音电路及芯片 | |
JP4027276B2 (ja) | ディジタルアンプ及びこれを用いたオーディオ再生装置 | |
US11190168B2 (en) | Dual bootstrapping for an open-loop pulse width modulation driver | |
JP2004135016A (ja) | オーディオ機器の出力ミュート回路 | |
JP2001244749A (ja) | ミュート回路およびオーディオ増幅回路 | |
JP5022840B2 (ja) | 増幅装置及びこれを用いた音響機器 | |
JP2006101022A (ja) | デジタルアンプ |