JP2009139584A - シャッタ装置およびカメラ - Google Patents
シャッタ装置およびカメラ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009139584A JP2009139584A JP2007315102A JP2007315102A JP2009139584A JP 2009139584 A JP2009139584 A JP 2009139584A JP 2007315102 A JP2007315102 A JP 2007315102A JP 2007315102 A JP2007315102 A JP 2007315102A JP 2009139584 A JP2009139584 A JP 2009139584A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shutter
- arm member
- arm
- curtain
- shutter blade
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Shutters For Cameras (AREA)
Abstract
【課題】露光ムラの発生を防止したシャッタ装置およびこれを搭載したカメラを提供する。
【解決手段】先シャッタ羽根を有する先幕と後シャッタ羽根を有する後幕とを備え、第1位置から第2位置に向けて前記先シャッタ羽根と前記後シャッタ羽根とを移動させるシャッタ装置において、前記先シャッタ羽根に接続する第1アーム部材と、前記第1アーム部材より前記第1位置側で前記先シャッタ羽根に接続する第2アーム部材と、前記後シャッタ羽根に接続する第3アーム部材と、前記第3アーム部材より前記第1位置側で前記後シャッタ羽根に接続する第4アーム部材とを有し、前記第1アーム部材から駆動力を伝達させて前記先シャッタ羽根を移動させるとともに、前記第3アーム部材から駆動力を伝達させて前記後シャッタ羽根を移動させる。
【選択図】図2
【解決手段】先シャッタ羽根を有する先幕と後シャッタ羽根を有する後幕とを備え、第1位置から第2位置に向けて前記先シャッタ羽根と前記後シャッタ羽根とを移動させるシャッタ装置において、前記先シャッタ羽根に接続する第1アーム部材と、前記第1アーム部材より前記第1位置側で前記先シャッタ羽根に接続する第2アーム部材と、前記後シャッタ羽根に接続する第3アーム部材と、前記第3アーム部材より前記第1位置側で前記後シャッタ羽根に接続する第4アーム部材とを有し、前記第1アーム部材から駆動力を伝達させて前記先シャッタ羽根を移動させるとともに、前記第3アーム部材から駆動力を伝達させて前記後シャッタ羽根を移動させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、シャッタ装置およびカメラに関し、より詳細には、露光ムラの発生を抑制したシャッタ装置およびカメラに関する。
カメラ等に搭載されるシャッタ装置としては、撮影前の待機状態において露光面を覆う先幕と、撮影後の露光面を覆う後幕と、これらのシャッタ幕に接続されたアーム等によって構成されるものが知られている。このようなシャッタ装置では、シャッタ幕を移動させる際に、各部品の連結部に存在するわずかな隙間(ガタ)によってシャッタ幕が振動し、露光ムラが発生するという問題が発生していた。
シャッタ幕の振動による露光ムラを抑制するための従来技術としては、例えばアームに偏倚バネを設置するものが知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、従来技術では、バネを設置するためにシャッタ装置の構造が複雑になるうえに、アームとシャッタ幕との連結部に存在するガタによって発生する振動に関しては、これを抑制することはできなかった。
実公昭61−31305号公報
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、その目的は、露光ムラの発生を抑制したシャッタ装置およびこれを搭載したカメラを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係るシャッタ装置(20)は、
先シャッタ羽根(42a〜42d)を有する先幕(42)と後シャッタ羽根(44a〜44d)を有する後幕(44)とを備え、第1位置から第2位置に向けて前記先シャッタ羽根(42a〜42d)と前記後シャッタ羽根(44a〜44d)とを移動させるシャッタ装置(20)において、
前記先シャッタ羽根(42a〜42d)に接続する第1アーム部材(32)と、前記第1アーム部材(32)より前記第1位置側で前記先シャッタ羽根(42a〜42d)に接続する第2アーム(34)部材と、
前記後シャッタ羽根(44a〜44d)に接続する第3アーム部材(36)と、前記第3アーム部材(36)より前記第1位置側で前記後シャッタ羽根(44a〜44d)に接続する第4アーム部材(38)とを有し、
前記第1アーム部材(32)から駆動力を伝達させて前記先シャッタ羽根(42a〜42d)を移動させるとともに、前記第3アーム部材(36)から駆動力を伝達させて前記後シャッタ羽根(44a〜44d)を移動させることを特徴とする。
先シャッタ羽根(42a〜42d)を有する先幕(42)と後シャッタ羽根(44a〜44d)を有する後幕(44)とを備え、第1位置から第2位置に向けて前記先シャッタ羽根(42a〜42d)と前記後シャッタ羽根(44a〜44d)とを移動させるシャッタ装置(20)において、
前記先シャッタ羽根(42a〜42d)に接続する第1アーム部材(32)と、前記第1アーム部材(32)より前記第1位置側で前記先シャッタ羽根(42a〜42d)に接続する第2アーム(34)部材と、
前記後シャッタ羽根(44a〜44d)に接続する第3アーム部材(36)と、前記第3アーム部材(36)より前記第1位置側で前記後シャッタ羽根(44a〜44d)に接続する第4アーム部材(38)とを有し、
前記第1アーム部材(32)から駆動力を伝達させて前記先シャッタ羽根(42a〜42d)を移動させるとともに、前記第3アーム部材(36)から駆動力を伝達させて前記後シャッタ羽根(44a〜44d)を移動させることを特徴とする。
また、例えば、本発明に係るシャッタ装置(20)は、前記第1アーム部材(32)を回動駆動させるための先幕駆動部(58)と、
前記第3アーム部材(36)を回動駆動させるための後幕駆動部(59)とを、さらに有していてもよい。
前記第3アーム部材(36)を回動駆動させるための後幕駆動部(59)とを、さらに有していてもよい。
また、例えば、前記第2アーム部材(34)は、前記第1アーム部材(32)と協働して前記先シャッタ羽根(42a〜42d)を移動させる先幕従動アーム部材であり、
前記第4アーム部材(38)は、前記第3アーム部材(36)と協働して前記後シャッタ羽根(44a〜44d)を移動させる後幕従動アーム部材であってもよい。
前記第4アーム部材(38)は、前記第3アーム部材(36)と協働して前記後シャッタ羽根(44a〜44d)を移動させる後幕従動アーム部材であってもよい。
また、例えば、本発明に係るシャッタ装置(20)は、前記第1アーム部材(32)を係止するための先幕係止部材(94)と、前記第1アーム部材(32)を駆動させる駆動力を発生させる先幕用弾性部材(92)と、
前記第3アーム部材(36)を係止するための後幕係止部材と、前記第3アーム部材(36)を駆動させる駆動力を発生させる先幕用弾性部材とをさらに有していてもよい。
前記第3アーム部材(36)を係止するための後幕係止部材と、前記第3アーム部材(36)を駆動させる駆動力を発生させる先幕用弾性部材とをさらに有していてもよい。
また、例えば、前記第1アーム部材(32)から前記先シャッタ羽根(42a〜42d)に伝達される前記駆動力は、
前記第3アーム部材(36)から前記後シャッタ羽根(44a〜44d)に伝達される前記駆動力と、略同一であってもよい。
前記第3アーム部材(36)から前記後シャッタ羽根(44a〜44d)に伝達される前記駆動力と、略同一であってもよい。
また、例えば、本発明に係るカメラ(2)は、いずれかに記載のシャッタ装置(20)を備える。
また、例えば、本発明に係るカメラ(2)において、前記シャッタ装置(20)は、前記第1位置から前記第2位置に向けて前記先シャッタ羽根(42a〜42d)と前記後シャッタ羽根(44a〜44d)とを移動させる際に露光を行ってもよい。
また、例えば、本発明に係るカメラ(2)は、露光時間が1/2000秒以下で動作可能なカメラであってもよい。
なお上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタを搭載したカメラの概略断面図、
図2は、本発明の実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタの平面図、
図3は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタの分解斜視図、
図3Aは、本発明のその他の実施形態に係るフォーカルプレーンシャッタの基板を表した斜視図、
図4は、図2または図3に示すフォーカルプレーンシャッタの記録媒体側からかの平面図、
図5は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタにおける先幕の拡大図、
図6は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタにおける後幕の拡大図、
図7は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタの露光動作直後の状態を示した平面図、
図8は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタの露光動作中の状態を表した要部平面図
図9は、本発明の比較例にかかるフォーカルプレーンシャッタの平面図、
図10は、図9に示すフォーカルプレーンシャッタの露光動作中の状態を示した要部平面図。
第1実施形態
図1は、本発明の実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタを搭載したカメラの概略断面図、
図2は、本発明の実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタの平面図、
図3は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタの分解斜視図、
図3Aは、本発明のその他の実施形態に係るフォーカルプレーンシャッタの基板を表した斜視図、
図4は、図2または図3に示すフォーカルプレーンシャッタの記録媒体側からかの平面図、
図5は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタにおける先幕の拡大図、
図6は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタにおける後幕の拡大図、
図7は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタの露光動作直後の状態を示した平面図、
図8は、図2に示すフォーカルプレーンシャッタの露光動作中の状態を表した要部平面図
図9は、本発明の比較例にかかるフォーカルプレーンシャッタの平面図、
図10は、図9に示すフォーカルプレーンシャッタの露光動作中の状態を示した要部平面図。
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係るフォーカルプレーンシャッタ20が搭載された一眼レフカメラ2を示したものである。カメラボディ4の筐体6には開口部8が形成されており、開口部8の周辺にはレンズマウント10が形成されている。レンズマウント10を介して、開口部8を覆うようにレンズ鏡筒11が設置されており、レンズ鏡筒11に備えられた撮影レンズ9によって導かれた撮影光が、筐体6内部に導入される。
筐体6内部には、クイックリターンミラー12、ファインダスクリーン14、ペンタプリズム16、接眼レンズ18、フォーカルプレーンシャッタ20、光学ローパスフィルタ22および記録媒体30等が具備してある。撮影の際には、クイックリターンミラー12がはねあがることにより撮影光の光路上から退避し、さらに、フォーカルプレーンシャッタ20を開くことによって、撮影光が記録媒体30上に導かれる。なお、本実施形態の一眼レフカメラは、記録媒体30として撮像素子を使用したデジタルカメラであるが、本願発明はこれに限られず、フィルム式カメラであっても良い。なお、実施形態では、撮影時の撮影光の進行方向をZ軸の正方向、図2に示すフォーカルプレーンシャッタ20の移動方向をY軸の負方向、Y軸およびZ軸と直交する方向をX軸方向として説明を行う。
図2は、図1のカメラに搭載されたフォーカルプレーンシャッタ20の露光動作前における羽根と開口の位置関係を示した概略平面図である。フォーカルプレーンシャッタ20は、先幕42および後幕44が、開口62aが形成された第2基板62等に対して開閉自在に配置してある。図2に示す露光動作前の状態では、先幕42は、開口62aを遮蔽するように展開しているのに対して、後幕44は、開口62aに対してY軸正方向側の位置に退避して折り畳まれている。
図3は、フォーカルプレーンシャッタ20の各構成部品の位置関係を示した分解斜視図である。フォーカルプレーンシャッタ20は、中間体40を挟んで、撮影レンズ9側(Z軸負方向側)に位置する第1基板60と、記録媒体30側(Z軸正方向側)に位置する第2基板62とを有する。中間体40、第1基板60および第2基板62は、光軸(Z軸)に沿って配置されている。なお、中間体40と各基板60,62の間には、スペーサ63を配置してもよい。
本実施形態の中間体40は、遮蔽板40cと中間板40bの2部品から構成されているが、遮蔽板40cと中間板40bは一体となっていても良い。中間体40の開口40aと、第1基板60の開口60aと、第2基板62の開口62aとは、光軸(Z軸)方向に略一致して重なるように配置される。
中間体40と第2基板62との間には、4枚の先シャッタ羽根42a〜42dによって構成されている先幕42と、第1アーム32および第2アーム34とが配置されている。先シャッタ羽根42a〜42dは、図5に示す羽根ダボ72〜79を介して、第1アーム32および第2アーム34に対して回動自在に取り付けられている。
さらに、図2または図5に示すように、第1アーム32および第2アーム34は、第2基板62に植設された軸X1,X2に対して、回動可能に連結されている。さらに第1アーム32の孔32aには、第1駆動ピン58が回動可能に取り付けられている。第1駆動ピン58は、図4に示す先幕駆動レバー90を介して先幕駆動バネ92からの駆動力を受け、第2基板62のガイド孔62bに沿って移動できる。
図4は、第2基板62を、記録媒体30側(Z軸正方向側)から見た概略平面図である。第2基板62の記録媒体30側の表面には、先幕駆動バネ92、先幕駆動レバー90、先幕係止レバー94等が配置されている。先幕駆動レバー90は、先幕駆動バネ92からの駆動力を受けて、回転軸91を中心に回動し、先幕駆動レバー90を図中矢印方向に移動させることができる。先幕係止レバー94は、先幕駆動レバー90を係止することによって、第1駆動ピン58を介して駆動レバー90に接続されている第1アーム32が回動することを係止している。先幕係止レバー94は、不図示のレリーズボタンからの信号を受けて、回転軸95を中心に回動し、当該先幕係止レバー94と先幕駆動レバー90との係合を解除することができる。
また、図3に示す第1基板60と中間体40との間には、4枚の後シャッタ羽根44a〜44dによって構成されている後幕44と、第3アーム36および第4アーム38とが配置されている。後シャッタ羽根44a〜44dは、図6に示す羽根ダボ80〜87を介して、第3アーム36および第4アーム38に対して回動自在に取り付けられている。
さらに、図2または図6に示すように、第3アーム36および第4アーム38は、第1基板60に植設された軸X3,X4に対して、回動可能に連結されている。さらに第3アーム36の孔36aには、第2駆動ピン59が、回動可能に取り付けられている。第2駆動ピン59は、図3に示す第1基板60の撮影レンズ側(Z軸負方向側)の表面に取り付けられている不図示の後幕駆動バネからの駆動力を受け、第1基板60のガイド孔60bに沿って移動できる。
なお、図示しないが、図4に示す第2基板62の記録媒体30側の表面と同様に、図3に示す第1基板60の撮影レンズ側(Z軸負方向側)の表面には、後幕駆動バネ、後幕駆動レバー、後幕係止レバー等が配置されている。ここで、図4に示す先幕駆動バネ92によって発生し、第1駆動ピン58から第1アーム32に伝えられる駆動力と、後幕駆動バネによって発生し、第2駆動ピン59から第3アーム36に伝えられる駆動力とは、略同一であることが好ましい。図2に示す先幕42の先シャッタ羽根42dと、図7に示す後幕44の後シャッタ羽根44aとを、略同一駆動で駆動させることによって、略同一速度で移動させることができ、露光時間をより正確に制御できるからである。
フォーカルプレーンシャッタ20の先幕42を構成する各先シャッタ羽根42a〜42dと、後幕44を構成する各後シャッタ羽根44a〜44dとは、露光動作を行う際、図2に示す第1位置から、図7に示す第2位置までを移動する。
すなわち、図2に示すように、先幕42が、開口62aを遮蔽するように展開している状態における各先シャッタ羽根42a〜42dの位置が、各先シャッタ羽根42a〜42dの第1位置である。それに対して、図7に示すように、先幕42が、開口62aに対してY軸負方向側に退避して折り畳まれている状態における各先シャッタ羽根42a〜42dの位置が、各先シャッタ羽根42a〜42dの第2位置である。また、図2に示すように、後幕44が、開口62aに対してY軸正方向側に退避して折り畳まれている状態における各後シャッタ羽根44a〜44dの位置が、各後シャッタ羽根44a〜44dの第1位置である。それに対して、図7に示すように、後幕44が、開口62aを遮蔽するように展開している状態における各後シャッタ羽根44a〜44dの位置が、各後シャッタ羽根44a〜44dの第2位置である。
露光動作では、図4に示す先幕駆動バネ92からの駆動力を受けた第1駆動ピン58が、図5の矢印で示す方向に移動することによって、第1駆動ピン58から第1アーム32に駆動力が伝達し、第1アーム32が軸X1を中心に回動を始める。第1アーム32の移動によって、第1アーム32と羽根ダボ72〜75との間に存在する僅かな隙間(ガタ)が寄せられる。第1アーム32に対して羽根ダボ72〜75が押し付けられる状態となり、羽根ダボ72〜75に固定されている先シャッタ羽根42a〜42dが、第1アーム32によって第2位置側に引っ張られる。
第1アーム32に引っ張られることによって、先シャッタ羽根42a〜42dは、図2示す第1位置から、図7に示す第2位置に向かって移動を開始する。ここで各先シャッタ羽根42a〜42dは、第1アーム32より第1位置側で、各羽根ダボ76〜79を介して第2アーム34に接続されている。したがって、図5に示す第2アーム34と、羽根ダボ76〜79との間に存在する僅かな隙間(ガタ)が、先シャッタ羽根42a〜42dの移動によって寄せられる。第2アーム34に対して羽根ダボ76〜79を押し付ける状態となり、先シャッタ羽根42a〜42dによって第2アーム34が第2位置側方向に向かって引っ張られ、第2アーム34が軸X2を中心に回動を始める。
このように、本実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタ20では、第1および第2アーム32,34と、各先シャッタ羽根42a〜42dとは、平行リンク機構を構成している。また、露光動作において、先シャッタ羽根42a〜42dを移動させる駆動力は、先幕42を含むリンク機構の第1アーム32から伝達される。したがって、露光動作において、先シャッタ羽根42a〜42dを移動させる駆動力は、第1アーム32、各先シャッタ羽根42a〜42d、第2アーム34の順番に伝達する。
図2に示す後幕44は、先幕42を構成する各先シャッタ羽根42a〜42dが第1位置から、図7に示す第2位置に移動を開始してから所定時間の後に、図2に示す第1位置から、図7に示す第2位置に移動を開始する。後幕44の移動では、まず、図6に示すように、不図示の駆動部からの駆動力を受けた第2駆動ピン59が、矢印で示す方向に移動を開始する。次に、第2駆動ピン59から第3アーム36に駆動力が伝達し、第3アーム36が、軸X3を中心に回動を始める。
第3アーム36の移動によって、第3アーム36と羽根ダボ80〜83との間に存在する僅かな隙間(ガタ)が寄せられる。第3アーム36に対して羽根ダボ80〜83が押し付けられる状態となり、羽根ダボ80〜83に固定されている後シャッタ羽根44a〜44dに駆動力が伝達する。
後シャッタ羽根44a〜44dに伝達した駆動力によって、後シャッタ羽根44a〜44dは、図2示す第1位置から、図7に示す第2位置に向かって移動を開始する。ここで各後シャッタ羽根44a〜44dは、第3アーム36より第1位置側で、各羽根ダボ84〜87を介して第4アーム38に接続されている。したがって、図6に示す第4アーム38と、羽根ダボ84〜87との間に存在する僅かな隙間(ガタ)が、後シャッタ羽根44a〜44dの移動によって寄せられる。第4アーム38に対して羽根ダボ84〜87を押し付ける状態となり、各後シャッタ羽根44a〜44dから第4アーム38に駆動力が伝達し、第4アーム38が、軸X4を中心に回転を始める。
このように、本実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタ20では、第3および第4アーム36,38と、各後シャッタ羽根44a〜44dとは、平行リンク機構を構成している。また、露光動作において、後シャッタ羽根44a〜44dを移動させる駆動力は、後幕44を含むリンク機構の第3アーム36から伝達される。したがって、後シャッタ羽根44a〜44dを移動させる駆動力は、第3アーム36、各後シャッタ羽根44a〜44d、第4アーム38の順番に伝達する。
すなわち、本実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタ20では、シャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dに接続されているアーム32〜38のうち、第2位置側に接続されている第1および第3アーム32,36から駆動力を伝達させて、先シャッタ羽根42a〜42dおよび後シャッタ羽根44a〜44dを移動させる。
したがって、本実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタ20では、露光動作において、先シャッタ羽根42a〜42dおよび後シャッタ羽根44a〜44dを、第2位置側に向かって引っ張る方向に駆動力を伝達させて移動させるため、各シャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dの移動時における振動が小さい。また、本実施形態にかかるフォーカルプレーンシャッタ20では、各シャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dの移動時における振動が小さいため、開口62aに対して均一に露光が行われ、露光ムラを抑制することができる。
ここで、本発明の比較例に係るフォーカルプレーンシャッタ100と、本発明の実施例に係るフォーカルプレーンシャッタ20とをカメラに搭載し、それぞれの露光動作について行った分析結果について説明する。
比較例
比較例
図9に示す比較例に係るフォーカルプレーンシャッタ100では、後幕124を構成する後シャッタ羽根124a〜124dに接続する第3アーム106および第4アーム108のうち、第1位置側に接続されている第4アーム108から駆動力を伝達させて、後シャッタ羽根124a〜124dを移動させる。すなわち、第4アーム108の孔108aには、不図示の駆動部からの駆動力を受けて後シャッタ羽根124a〜124を移動させる駆動ピン130が回動可能に取り付けられている。なお、図9に示す先幕122を構成する先シャッタ羽根122a〜122dについては、図2に示す本実施形態にかかる先シャッタ羽根42a〜42dと同様に、第2位置側に接続されている第1アーム102から駆動力が伝達される。
比較例では、図9に示すフォーカルプレーンシャッタ100を、本実施形態に係るフォーカルプレーンシャッタ20の代わりに、図1に記載のカメラに搭載し、露光動作について分析を行った。
図10は、比較例に係るフォーカルプレーンシャッタ100の高シャッタ速度での露光動作中における開口101aとシャッタ羽根の位置関係を表した概略図である。なお、図10では、先幕122の先シャッタ羽根122a〜122dのうち、図9に示す露光前の状態で最も後幕124に近接して配置されているシャッタ羽根122dのみを示しており、他のシャッタ羽根は図示を省略している。また、後幕124についても、露光動作時において、始めに開口101aを遮蔽し始めるシャッタ羽根124aのみを示しており、他のシャッタ羽根は図示を省略している。
高シャッタ速度での露光動作においては、先幕122が開口101aから完全に退避する前に、後幕124が開口101aを遮蔽し始める。すなわち、図10に示すように、先幕122および後幕124は、先幕122の先シャッタ羽根122dと、後幕124の後シャッタ羽根124dとの間に、スリットS2を形成しながら、第1位置から第2位置に移動する。
この際、比較例の後幕124では、後シャッタ羽根124aの第1位置側(Y軸負方向)に接続されている第4アーム108から駆動力を伝達させて、後シャッタ羽根124aを移動させている。
ここで、本願の発明者は、比較例に係る後幕124の後シャッタ羽根124aには、第1位置側から第2位置側へ押す方向に駆動力を伝達させることになり、第2位置側に向かって引っ張る方向に駆動力を伝達させる先シャッタ羽根122aに比べて、移動時における振動が比較的大きいことを見出した。
また、後シャッタ羽根124aの移動時における振動が大きいと、露光動作時に形成されるスリットS2の形状が不安定となり、開口101aに対して均一に露光がされず、露光ムラが発生する確率が本発明の実施例(後述)に比べて高いという知見を得た。図9および図10に示す比較例にかかるフォーカルプレーンシャッタ100では、特に、後幕124の後シャッタ羽根124aが急加速される際に、後シャッタ羽根124aの振動が比較的大きくなり、開口100aにおける露光開始側(Y軸負方向側)において露光ムラが発生する確率がより高いという分析結果を得た。
さらに、このような露光ムラは、スリットS2の幅D2の小さい高シャッタ速度での露光動作において顕著であり、特に、露光時間が1/2000秒以下で動作する場合に顕著であった。
実施例
実施例
実施例では、実施形態で係るフォーカルプレーンシャッタ20を搭載した図1に示すカメラ2を用いて、露光動作の分析を行った。
図8は、実施例に係るフォーカルプレーンシャッタ20の高シャッタ速度での露光動作中における開口62aとシャッタ羽根の位置関係を表した概略図である。なお、図8では、先幕42の先シャッタ羽根42a〜42dのうち、図2に示す露光前の状態で最も後幕44に近接して配置されている先シャッタ羽根42dのみを示しており、他のシャッタ羽根は図示を省略している。また、後幕44についても、露光動作時において、始めに開口62aを遮蔽し始める後シャッタ羽根44aのみを示しており、他のシャッタ羽根は図示を省略している。
高シャッタ速度での露光動作においては、先シャッタ羽根42dおよび後シャッタ羽根44aは、比較例と同様に、スリットS1を形成しながら、第1位置から第2位置に移動する。
この際、実施例の後幕44では、比較例と異なり、後シャッタ羽根44aの第2位置側(Y軸負方向側)に接続されている第3アーム36から駆動力を伝達させて、後シャッタ羽根44aを移動させている。したがって、後幕44の後シャッタ羽根44aには、先幕42の先シャッタ羽根42dと同様に、第2位置側に向かって引っ張る方向に駆動力を伝達させるため、比較例の後シャッタ羽根124aに比べて移動時における振動が小さい。
また、後シャッタ羽根44aの移動時における振動が小さいと、露光動作時に形成されるスリットS2の形状が安定し、開口62aに対して均一に露光が行われるため、露光ムラが抑制された。実施例にかかるフォーカルプレーンシャッタ20では、特に、後幕44の後シャッタ羽根44aが急加速される際に、比較例のシャッタ羽根124aに対して振動が抑制され、開口62aにおける露光開始側(Y軸負方向側)において露光ムラの発生を抑制することができた。
さらに、実施例に係るフォーカルプレーンシャッタ20によれば、スリットS1の幅D1の小さい高シャッタ速度での露光動作においても、露光ムラが効果的に抑制できた。特に、露光時間が1/2000秒以下で動作する場合でも、露光ムラが効果的に抑制できた。
その他の実施形態
その他の実施形態
本願発明の第1実施形態では、第1アーム32を駆動させる先幕駆動バネ92等は、第2基板62の記録媒体30側の表面に取り付けられ、第3アーム36を駆動させる後幕駆バネ等は、第1基板60の撮影レンズ9側の表面に取り付けられているが、本願発明の形態としては、これに限定されない。例えば、図3Aに示す第1基板602を用いて、先幕駆動部材および後幕駆動部材を両方とも第1基板602の撮像レンズ9側の表面に配置してもよい。
第1基板602では、露光動作時における第1アームの軸X1を中心とする回動方向が、第3アームの軸X3を中心とする回動方向に対して反対方向となるように、ガイド孔60b,62bが形成されている。このような構成とすることにより、第1基板602の表面に、各シャッタ羽根を駆動させる駆動バネ等を密集させて配置することができるため、シャッタ装置を小型化することができる。
また、本発明に係るシャッタ装置を搭載する装置としては、カメラに限定されず、カメラ以外の光学機器または他の装置であってもよい。
2… カメラ
20… フォーカルプレーンシャッタ
30… 記録媒体
32… 第1アーム
34… 第2アーム
36… 第3アーム
38… 第4アーム
42… 先幕
42a〜42d… 先シャッタ羽根
44… 後幕
44a〜44d… 後シャッタ羽根
58… 第1駆動ピン
59… 第2駆動ピン
60… 第1基板
62… 第2基板
72〜87… 羽根ダボ
20… フォーカルプレーンシャッタ
30… 記録媒体
32… 第1アーム
34… 第2アーム
36… 第3アーム
38… 第4アーム
42… 先幕
42a〜42d… 先シャッタ羽根
44… 後幕
44a〜44d… 後シャッタ羽根
58… 第1駆動ピン
59… 第2駆動ピン
60… 第1基板
62… 第2基板
72〜87… 羽根ダボ
Claims (8)
- 先シャッタ羽根を有する先幕と後シャッタ羽根を有する後幕とを備え、第1位置から第2位置に向けて前記先シャッタ羽根と前記後シャッタ羽根とを移動させるシャッタ装置において、
前記先シャッタ羽根に接続する第1アーム部材と、前記第1アーム部材より前記第1位置側で前記先シャッタ羽根に接続する第2アーム部材と、
前記後シャッタ羽根に接続する第3アーム部材と、前記第3アーム部材より前記第1位置側で前記後シャッタ羽根に接続する第4アーム部材とを有し、
前記第1アーム部材から駆動力を伝達させて前記先シャッタ羽根を移動させるとともに、前記第3アーム部材から駆動力を伝達させて前記後シャッタ羽根を移動させることを特徴とするシャッタ装置。 - 前記第1アーム部材を回動駆動させるための先幕駆動部と、
前記第3アーム部材を回動駆動させるための後幕駆動部とを、さらに有する請求項1に記載のシャッタ装置。 - 前記第2アーム部材は、前記第1アーム部材と協働して前記先シャッタ羽根を移動させる先幕従動アーム部材であり、
前記第4アーム部材は、前記第3アーム部材と協働して前記後シャッタ羽根を移動させる後幕従動アーム部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシャッタ装置。 - 前記第1アーム部材を係止するための先幕係止部材と、前記第1アーム部材を駆動させる駆動力を発生させる先幕用弾性部材と、
前記第3アーム部材を係止するための後幕係止部材と、前記第3アーム部材を駆動させる駆動力を発生させる先幕用弾性部材とをさらに有する請求項1から3のいずれかに記載のシャッタ装置。 - 前記第1アーム部材から前記先シャッタ羽根に伝達される前記駆動力は、
前記第3アーム部材から前記後シャッタ羽根に伝達される前記駆動力と、略同一であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシャッタ装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載のシャッタ装置を備えるカメラ。
- 前記シャッタ装置は、前記第1位置から前記第2位置に向けて前記先シャッタ羽根と前記後シャッタ羽根とを移動させる際に露光を行うことを特徴とする請求項6に記載のカメラ。
- 露光時間が1/2000秒以下で動作可能な請求項6または7に記載のカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007315102A JP2009139584A (ja) | 2007-12-05 | 2007-12-05 | シャッタ装置およびカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007315102A JP2009139584A (ja) | 2007-12-05 | 2007-12-05 | シャッタ装置およびカメラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009139584A true JP2009139584A (ja) | 2009-06-25 |
Family
ID=40870258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007315102A Pending JP2009139584A (ja) | 2007-12-05 | 2007-12-05 | シャッタ装置およびカメラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009139584A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101189258B1 (ko) | 2009-12-18 | 2012-10-09 | 삼성전자주식회사 | 포컬 플레인 셔터 및 이를 구비하는 영상촬영장치 |
-
2007
- 2007-12-05 JP JP2007315102A patent/JP2009139584A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101189258B1 (ko) | 2009-12-18 | 2012-10-09 | 삼성전자주식회사 | 포컬 플레인 셔터 및 이를 구비하는 영상촬영장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8500343B2 (en) | Imaging apparatus | |
US20120128345A1 (en) | Shutter device | |
US8511917B2 (en) | Shutter device | |
JP2020101645A (ja) | シャッタユニットおよび撮像装置 | |
JP7418082B2 (ja) | 撮像装置 | |
JP2014228709A (ja) | シャッタ装置、撮像装置およびカメラシステム | |
JP2009139584A (ja) | シャッタ装置およびカメラ | |
US11418721B2 (en) | Image pickup apparatus | |
JP2016200683A (ja) | フォーカルプレンシャッタおよび撮像装置 | |
JP2019113594A (ja) | シャッタ装置および撮像装置 | |
JP2014235241A (ja) | シャッタ装置、撮像装置およびカメラシステム | |
JP6207332B2 (ja) | 撮像装置 | |
JP2002107602A (ja) | レンズ鏡筒 | |
JP2010160211A (ja) | デジタルカメラ | |
JP2011118315A (ja) | 撮像装置 | |
JP5470795B2 (ja) | シャッタ装置および撮影装置 | |
JP2007139849A (ja) | 交換レンズおよびカメラボディ | |
JP2020101643A (ja) | シャッタユニットおよび撮像装置 | |
JP2015148780A (ja) | フォーカルプレンシャッタユニットおよび撮像装置 | |
JP2014089264A (ja) | 光学防振装置および光学機器 | |
JP2009186845A (ja) | シャッタ装置 | |
WO2013129511A1 (ja) | ミラーユニットおよび撮像装置 | |
JP2009139420A (ja) | シャッタ装置およびカメラ | |
JP4589816B2 (ja) | 鏡筒駆動機構 | |
JP5458831B2 (ja) | 可動ミラーの保持機構 |