JP2009139180A - てんぷ構造体、これを備えた調速脱進器及び機械式時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 地板への組込みに際して、ひげぜんまいが伸びる虞れがなく、その組込みが容易に行われ得るてんぷ構造体、これを備えた調速脱進器及び機械式時計を提供すること
【解決手段】 機械式時計の調速脱進器を構成するてんぷ構造体1は、一端側でてんぷ受30に取付けられ他端側にてん輪26及びてん真20からなる中心側構造体5に取外し可能に係合される先端側係合部63を備えた保持具60を有し、該保持具60が中心側構造体5に係合された状態S1において、該保持具60は、中心側構造体5がてんぷ受30に対しててん真20の延在方向B1,B2に相対変位されるのを規制するように、中心側構造体5を支える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機械式時計のてんぷ構造体に係り、より詳しくは、てんぷ構造体、これを備えた調速脱進器及び機械式時計に係る。
機械式時計のてんぷ構造体では、渦巻状のひげぜんまいが全体をつないでいる(例えば、特許文献1)。すなわち、ひげぜんまいは、てん輪と一体的なてん真に装着されたひげ玉に渦巻状形状の内周端部で取付けられ、てんぷ受に装着されたひげ持に渦巻状形状の外周端部で取付けられている。てんぷ受はてん真の上端側に位置するてんぷ上軸受を支えているけれども、てん真やてん輪を直接的には支えていない。
従って、機械式時計の組立等を目的として、地板に予め配置されたてんぷ下軸受にてん真の下端が嵌合されるようにてんぷ構造体を組込もうとする際、てんぷ受を治具やピンセット等でつまむと、てん輪及びてん輪からなる中心側構造体が自重により垂れ下がってひげぜんまいに対して過度の伸張力を及ぼし、ひげぜんまいに対してその弾性限界を超える歪みを残す虞れがある。
また、てんぷ構造体を地板に組込むに際しては、てん真の振り座体に取付けられた振り石が、てんぷ構造体と協働して調速脱進器を構成するアンクルのハコ先の間に係合されるように、てんぷ構造体を組込む必要があり、従来、その組み込みが容易ではないか、熟練を要する。この組み込みに手間取ると、ひげぜんまいに残留歪みが生じる虞れが一層増大する。
特開2006−234528
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その第一の目的は、地板への組込みに際して、ひげぜんまいが伸びる虞れを避け得、その組込みが容易に行われ得るてんぷ構造体、これを備えた調速脱進器及び機械式時計を提供することにある。
本発明の別の目的は、アンクルとの係合が確実に行われ得るてんぷ構造体、これを備えた調速脱進器及び機械式時計を提供することにある。
本発明のてんぷ構造体は、前記第一の目的を達成すべく、一端側でてんぷ受に取付けられ他端側にてん輪及びてん真からなる中心側構造体に取外し可能に係合される先端側係合部を備えた保持具を有し、該保持具が前記中心側構造体に係合された状態において、該保持具は、中心側構造体がてんぷ受に対しててん真の延在方向に相対変位されるのを規制するように、中心側構造体を支える。
本発明のてんぷ構造体では、「一端側でてんぷ受に取付けられ他端側にてん輪及びてん真からなる中心側構造体に取外し可能に係合される先端側係合部を備えた保持具」が設けられ、「該保持具は、該保持具が前記中心側構造体に係合された状態において、中心側構造体がてんぷ受に対しててん真の延在方向に相対変位されるのを規制する」ので、保持具を中心側構造体に係合させた状態では、ひげぜんまいに過度なひずみを生じさせる虞れなく組立や修理の際にてんぷ受を治具等で掴んでてんぷ構造体を移動させ得る。即ち、組立作業性が高められ得る。従って、ひげぜんまいを伸ばす虞れがなくてんぷ構造体を地板等のてんぷ下軸受に容易且つ確実に組込み得る。従って、時計の組立や修理が容易になる。なお、分解の際にも、てんぷ構造体の保持具を中心側構造体に係合させておき、てんぷ受をつかんでてんぷ構造体を取り外し得るので、分解も容易に行われ得る。また、本発明のてんぷ構造体では、「保持具が中心側構造体に取外し可能に係合される」ので、てんぷ構造体を時計本体(素体)の所定箇所に組込んだ後、保持具と中心側構造体との係合を解除するだけで、てんぷ構造体を動作可能状態に設定し得る。
本発明のてんぷ構造体では、典型的には、保持具が、前記一端側においててん真と平行な中心軸線のまわりで回動可能にてんぷ受けに取付けられている。
その場合、回動を許容する単純な構造を備えるだけで、てん真の延在方向への中心側構造体の変位を保持具が確実に規制し得、且つ係合状態と係合解除状態とを確実に採らせ得る。また、保持具を係合解除位置に移動させるだけでてんぷ構造体の動作を許容し得る。従って、組み込み後の修理の際にも、保持具が同様に利用されて、てんぷ構造体の容易な組込みを可能にする。但し、所望ならば、てんぷ構造体の組込み完了後、保持具が該構造体から完全に分離ないし取外されるようになっていてもよい。
本発明のてんぷ構造体では、典型的には、保持具の前記他端側係合部が、てん真に係合可能なてん真係合部からなる。その場合、保持具の係合部と中心側構造体との係合が容易に行われ得る。但し、保持具の前記他端側係合部は、中心側構造体のうちてん真の代わりにてん輪に係合されるようになっていてもよい。
本発明のてんぷ構造体では、典型的には、保持具のてん真係合部が、てん真のうちてん輪の取付け部と振り座体の取付け部との間に位置する保持具係合部において、てん真に係合されるように構成されている。
その場合、保持具のてん真係合部とてん真の保持具係合部との係合が容易に行われ得る。なお、てん真のうちてん輪の取付け部と振り座体の取付け部との間には、従来から元々隙間があり得ることから、この隙間を保持具係合部として利用し得るので、従来の形状に対して実質的な変更を加えることなく、大きな改良が行われ得ることになる。
本発明のてんぷ構造体では、典型的には、てん真の保持具係合部の横断面が円形である。
その場合、保持具とてん真の保持具係合部との係合及び係合解除が容易に行われ得る。
本発明のてんぷ構造体では、典型的には、てん真の保持具係合部の横断面が非円形である。その場合、中心側構造体所定角度回転位置で保持し得る。
本発明のてんぷ構造体では、典型的には、てん真の保持具係合部の横断面が多角形状又は長円形状である。
本発明のてんぷ構造体では、典型的には、てん真の保持具係合部の非円形横断面の向きは、てん真の保持具係合部が保持具のてん真係合部に係合された際に、振り座がアンクルに対して相対的に採る回転位置に応じて規定されている。
その場合、振り石と係合可能な所定の位置にハコ先が位置するようにアンクルさおを所定の回動位置に設定しておくと共にひげぜんまいが歪みを蓄えるような回動中心側構造体を保持具に係合させておき、てんぷ構造体をてんぷ下軸受が装着された地板に組付けた後、保持具のてん真係合部とてん真の保持具係合部の係合を解除することにより、ひげぜんまいの歪みの開放に応じて中心側構造体が回動され、振り座の振り石が回転されて、アンクルさおの先端のハコ先に係合するようにする。これにより、てんぷ構造体の組み込みの際に面倒なアンクルと振り石との係合関係を容易且つ確実に実現し得る
本発明のてんぷ構造体では、典型的には、保持具のてん真係合部が、てん真の保持具係合部の横断面の半分と相補的形状の凹部を有する。
本発明の調速脱進器は、典型的には、上述のようなてんぷ構造体を備える。
本発明の機械式時計は、典型的には、上述のようなてんぷ構造体又は調速脱進器を備える。
この場合、機械式時計におけるてんぷ構造体の組付けや分解が容易になる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
図1から図4には、本発明の好ましい第一実施例のてんぷ構造体1、これを備えた調速脱進器2及び機械式時計3が示されている。
てんぷ構造体1は、図1〜図3からわかるように、ひげぜんまい10、てん真20、てん輪26、てんぷ受30、ひげ持構造体35及び緩急針構造体40を有する。
てん真20は、中央に大径軸部21を備えると共に、その上下に中径軸部22,23を備える。てん真20の大径軸部21にはてん輪26が嵌着され、上側中径軸部22にはひげ玉24が嵌着され、下側中径軸部23には振り座29の振り座体27が嵌着されている。ひげ玉ないしひげ受24の溶接部24aには、渦巻き状ひげぜんまい10が内周側端部11で取付けられている。
ひげ持構造体35は、てんぷ受30に支持されたひげ持受36と、該ひげ持受36の孔に嵌合されたひげ持37と、該ひげ持37をひげ持受36に固定するひげ持受ねじ38とを有する。ひげぜんまい10は、外周側端部12で、ひげ持構造体35のひげ持37の溶接部37aに取付けられている。
てんぷ受30は、周壁部31を備えた開口部32を有し、該周壁部31の外側にはひげ持受36及び緩急針構造体40が嵌合され、該開口部32内にはてんぷ上軸受33が嵌合されている。てんぷ上軸受33は、例えば、てんぷ上外枠33a、てんぷ可動穴石枠体33b、てんぷ上穴石33c、てんぷ上受石33d及びてんぷ上受石押えばね33eを有する。てん真20は、作動状態では、上端のほぞ部20aでてんぷ上軸受33のてんぷ上穴石33cの穴に回転自在に挿入されている。なお、てんぷ受30は、更に、円形孔部30aを備える。
緩急針構造体40は、ひげ棒41を備えた緩急針本体42や緩急針尾部43を有する。緩急針尾部43と係合する微動レバー44は、てんぷ受30の孔34に嵌合されている。
振り座体27は、てん真20の下側中径軸部23に嵌着された管状部27aと、該管状部27aの上端から径方向外向きに拡がったフランジ状部27bとを一体的に備える。振り座体27のフランジ状部27bの偏心位置には、振り石28が取付けられている。
てん真10のうちてん輪26が取付けられた大径部25と振り座体27が取付けられた下側中径軸部23との間には、保持具係合部50が形成されている。この例では、保持具係合部50は、横断面が円形の環状部からなる。
なお、てん真10のうちてん輪26が嵌着された大径部25と振り座体27が嵌着された下側中径軸部23との間には、従来から両部分25,23との中間的な太さの大径部がある。従って、ここでは、この大径部を保持具係合部50として利用することになる。但し、所望ならば、その軸方向長さや径や横断面形状を所望のものにすべく、従来とは異なる長さ及び形状のてん真を用いるようにしてもよい。
てんぷ構造体1は、更に、保持具ないし保持部品60を備える。保持具60は、円柱状の軸部61と、該軸部61に対して垂直な面内で径方向に延びた腕部62と、該腕部62の先端のてん真係合部63とを有する。保持具60の軸部61は、てんぷ受30の円形孔部30aに、中心軸線AのまわりでA1,A2方向に回動可能に嵌合されている。なお、軸部61がてんぷ受30に一体的で保持具60の腕部62が基端部で軸部61に対してA1,A2方向に回動可能に嵌合されていてもよい。
てん真係合部63は、U字状形状を有し、「U」の凹部64でてん真20の保持具係合部50に係合可能である。より詳しくは、凹部64は、てん真20の保持具係合部50の横断面の円の半分(半円)と相補的な半円形状の底壁部64aと、該底壁部64aの半円の直径と同じ間隔の平面状側壁部64b,64bとを有する。
なお、保持具60の軸部61の上端面には係合溝65が形成されている。従って、該係合溝65にドライバ等を係合させてA1,A2方向に軸部61を回動させることにより、保持具60の腕部62がA1,A2方向に回動されて、その先端のてん真係合部63が、係合保持位置P1(例えば、図1)を採って、てん真20の保持具係合部50に係合されて係合保持状態S1(例えば、図1)なったり、係合解除位置P2(例えば、図2)を採って、該係合が解除されて係合解除状態S2(例えば、図2)になったりする。保持具60がこの係合解除位置P2にある場合、中心側構造体5の中心軸線Cのまわりでの往復回動動作を妨げない。
図2に示した通り、保持具60がA2方向に回動されて該保持具60の先端の巻真係合部63とてん真20の保持具係合部50との係合が解除された係合解除状態S2になるように保持具60が係合位置P2を採ると、てんぷ受30を持った状態ででは、てん真20及びてん輪26を含む中心側構造体5がB1方向に垂下がるので、該垂下がりによってひげぜんまい10が延びる虞れがある。
ところが、図1に示した通り、保持具60がA1方向に回動されて該保持具60の先端の巻真係合部63の凹部64にてん真20の保持具係合部50が嵌り込んで保持具係合部50が巻真係合部63に係合する係合状態S1になるように保持具60が係合位置P1を採ると、てん真20及びてん輪26を含む中心側構造体5が保持具60によって支えられるので、該中心側構造体5がてんぷ受30に対してB1方向に垂下がるのを禁止し、該垂下がりによってひげぜんまい10が延びるのを防ぎ得る。
てんぷ構造体1が組込まれるべき時計本体は、図3の下部に示したような構造を有する。即ち、図3の下部には、てんぷ構造体1が組込まれる前の状態にある時計本体素体4aの調速脱進器素体2aを示し、てんぷ構造体1が調速脱進器素体2aに組込まれてなる調速脱進器2及び該調速脱進器2を含む時計本体4は図4に示す構造を採る。
時計本体素体4aは、図3の下部からわかるように、地板7や三番受8やアンクル受9を備える。地板7は、てんぷ下軸受39が取付けられたてんぷ下軸受取付部7aや、脱進器70を構成するアンクル71のアンクル真72の下側ほぞ部72aを支えるアンクル真下側ほぞ受72bを支持するほぞ受支持部7bや、脱進器70を構成するがんぎ車73のがんぎ真74の下側ほぞ部74aを支えるがんぎ真下軸受74bが取付けられたがんぎ真下軸受取付部7cを備える。一方、三番受8は、がんぎ車73のがんぎ真74の上側ほぞ部74cを支えるがんぎ真上軸受74dが取付けられたがんぎ真上軸受取付部8aを備える。また、アンクル受9は、アンクル71のアンクル真72の上側ほぞ部72cを支えるアンクル真上側ほぞ受72dを支持するほぞ受支持部9aを備える。
なお、図示しない入ツメ及び出ツメでがんぎ車73のがんぎ歯車73aに係合可能なアンクル71は、振り石28を抱え込み得るハコ先75,75及び剣先76をアンクルさお77の先端に備える。
ここで、アンクル71は、アンクル真72に沿った回転(回動)中心軸線Dを中心として、D1,D2方向に回動可能であり、がんぎ車73はがんぎ真74に沿った回転(回動)中心軸線Eを中心として、E1,E2方向に回動可能である。
以上の如く構成されたてんぷ構造体1では、前述の通り、てんぷ受30に対するB1,B2方向に相対変位が実際上禁止ないし規制されるように、てん真20及びてん輪26からなる中心側構造体5が保持具60によって支えられているので、てんぷ受30を持って該てんぷ受30を持ち上げれば、中心側構造体5がてんぷ受30と実際上一体的に持ち上げられる。従って、てんぷ受30を持っててんぷ構造体1を時計本体素体4aの調速脱進器素体2aのところに近づける際に、ひげぜんまい10にはB1,B2方向の力がかかる虞れがない。それ故、てんぷ受30を持って、てんぷ受30の穴30b,30cが地板7の対応する突起部7d,7eに嵌り且つてん真20の下側のほぞ部20bが時計本体素体4aの調速脱進器素体2aのてんぷ下軸受39のほぞ穴39aに嵌るように、且つ振り石28がアンクル71のハコ先75,75間に係合されるように、てんぷ構造体1(より詳しくはその素体1a)を、主としてB1方向に相対変位させて、時計本体素体4aの調速脱進器素体2aに取付ける。
この取付が、完了すると、図4に示したように完成状態のてんぷ構造体1を備え調速脱進器2を備えた時計本体4ができ上がる。
ここで、このてんぷ構造体1(より詳しくは、てんぷ構造体素体1a)では、てん輪26及びてん真20からなる中心側構造体5とてんぷ受30との間におけるB1,B2方向の相対変位が保持具60によって禁止ないし規制されているので、ひげぜんまい10に過度な引張り応力がかかることを危惧することなく、てんぷ構造体1(より詳しくは、てんぷ構造体素体1a)を時計本体素体4aの調速脱進器素体2aの所定部位に対して近づけて該調速脱進器素体2aに装着し得る。従って、その組み込みが、容易且つ確実に行われ得る。
すなわち、このてんぷ構造体1では、中心側構造体5が保持具60によっててんぷ受30に対してB1,B2方向に不動に保持されているので、てんぷ受30をピンセットその他の保持工具で保持し変位させるだけで、中心側構造体5や該中心側構造体5とてんぷ受30に取付けられたひげ持構造体35とをつなぐひげぜんまい10もてんぷ受30と一体的に保持され変位されるので、てんぷ構造体1のうちてんぷ受30以外の部品を保持することなくして、てんぷ構造体1を所定の配設位置に配設し得る。すなわち、このてんぷ構造体1では、上述のように、ひげぜんまい10に過度の張力がかかる虞れがないだけでなく、例えば、てん輪26を保持する必要がないから、高度に形状が設定されているてん輪26に変形を生じさせる虞れがなく、また、指等がてん輪26に触れててん輪26を汚損させて重量バランスを変動させたりする虞れもない。
更に、このてんぷ構造体1では、保持具60が保持位置P1にあって中心構造体5を保持している状態S1においては、中心側構造体5がひげぜんまい10を介しててん輪30にぶら下がるのを避け、ひげぜんまい10に過度の張力がかかるのを避けているので、てん輪30を所望の方向に高速で移動させたり加速度運動させることも可能である。また、このてんぷ構造体1の状態S1では、従来と異なり、ひげぜんまい10が中心側構造体5の重みで伸ばされているわけではないから、逆に、てん真20のほぞ部をてんぷ下軸受39の所定のほぞ穴に挿入すべく、ゆっくりとてんぷ構造体1を移動させることにより、てんぷ受30の保持時間が長くなっても、ひげぜんまい10に歪が残る虞れがない。
なお、実際の組立に際しては、アンクル71のハコ先75,75に対して振り座29の振り石28が丁度係合され得るようにアンクル71のアンクルさお77の中心軸線Dのまわりでの回動状態と中心軸線Cの回りでの中心側構造体5の回動状態とを適合させて、てんぷ構造体1のてん真20の下側ほぞ部を時計本体素体4aの地板7に装着されたてんぷ下軸受39の穴39aに挿設することにより、組立を行う。
時計本体素体4aの調速脱進器素体2aに対するてんぷ構造体1の組込みが、図4に示したように完了すると、軸部61の端面の溝65にマイナスドライバの如き工具を当てて軸部61をA2方向に回動させることにより、中心側構造体5のてん真20の保持具係合部50から保持具60の腕部62の先端のてん真係合部63を外し、保持具60の腕部62を図2に示したような係合解除位置P2に移動させる。なお、保持具60の腕部62の係合解除位置P2は、該腕部62が中心側構造体5の往復回動運動を妨げず、且つ他の時計部品の動作や着脱の邪魔にならず、更に、過度にスペースを占有しない限り、どのような位置でもよい。
なお、この保持具60は、てんぷ構造体1を最初に時計本体素体3aに組込む際に中心側構造体5をてんぷ受30に仮固定しておくために用いられ得るだけでなく、機械式時計の分解修理等の際にも、同様に用いられ得る。すなわち、分解修理の際における組付けは、最初の組立時とほぼ同様であるから繰り返しを避けるとして、分解の際には、保持具60をその係合解除位置P2から係合位置P1に移動させててんぷ構造体1の中心側構造体5をてんぷ受30に仮固定しておいて、てんぷ構造体1を時計本体素体4aの調速脱進器素体2aから取外せばよい。
以上のようなてんぷ構造体1では、従来のてんぷ構造体と比較してひげぜんまいに残留歪みを生じさせる虞れがはるかに低く、更に、組み込み途中でのひげぜんまいの伸びの虞れを配慮する必要がないことから、てんぷ構造体1の組込み作業性が高められることは上記のとおりであるけれども、上記のてんぷ構造体1においても、てんぷ構造体1の中心側構造体5の中心軸線Cのまわりでの回動位置は規定されていないので、該てんぷ構造体の振り座の振り石がアンクルに係合され得るようにてんぷ構造体1を配置することは必ずしも容易ではない。
例えば、てんぷ構造体1の組込みが完了して保持具60をその係合位置P1から係合解除位置P2に移動させた丁度そのとき、図7に示した状態であるとする。振り座27の振り石28が図7に示した位置CkからC1方向に回動するようにひげぜんまい10が弾性変形された状態にあるとする。一方、例えば、図7に示したように、アンクル71のアンクルさお77がD1方向に揺動してそのハコ先75の外側面75aでアンクル受9の凹部9cに当接している状態あるとする。この場合、振り座27の振り石28はアンクル71のアンクルさお77の先端のハコ先75,75にうまく係合しない。即ち、てんぷ構造体1では、該てんぷ構造体1の振り座27の振り石28のC1,C2方向の回動位置(回転位置ないし位相)が確定されていないので、アンクルさお77のD1,D2方向回動位置をどこに設定すべきかも確定できず、この点に、組込みの際の試行錯誤が残り、この試行錯誤の際にひげぜんまい10に不測の歪を生じさせる虞れもある。
次に、上記のような不具合の生じる虞れも回避し得るようにすべく、保持具及びてん真の相互に係合する部分の形状を異ならせるように更に改良した例について、図5〜図6及び図8に基づいて説明する。以下説明するこの図5〜図8に示した変形例のてんぷ構造体1A、該てんぷ構造体1Aを備えた調速脱進器2Aについて、図1〜図4に示したてんぷ構造体1を備えた調速脱進器2の部品や部分や要素と同様な部品や部分や要素には同一の符号を付し、部分的に異なるところのある部品や部分や要素には図1〜図4で用いた符号の後に符号「A」を付してある。
この変形例のてんぷ構造体1Aでは、てん真20Aの保持具係合部50Aは、横断面形状が円形の代わりに、非円形形状を有する。てん真20Aの保持具係合部50Aは、より詳しくは、この例では、円の直径方向に対向する二箇所が平行な平面51,52に沿って落とされ円の円弧状部分53,54が残った全体として概ね長円形状Fを有する。
また、この変形例のてんぷ構造体1Aでは、てん真20Aの保持具係合部50Aと係合する保持具60Aのてん真係合部63Aは、てん真20Aの保持具係合部50Aの横断面のうち一方の円弧状部分54又は53以外の部分51,52及び53又は54とほぼ相補的な形状を有する。より詳しくは、保持具60Aのてん真係合部63Aの凹部64Aは、円弧状の底壁部64aAに加えて平行な側壁部64bA,64bAを有する。側壁部64bA,64bA間の間隔は、てん真20Aの保持具係合部50Aの平行な平面51,52間の厚さとほぼ実質的に同じで厳密には該厚さよりも少し大きい。即ち、てん真20Aの保持具係合部50Aの側壁部64bA,64bAは、相互に平行な平面からなる点ではてん真20の保持具係合部50の側壁部64b,64bと同じであるけれども、側壁部64bA,64bA間の厚さは、側壁部64b,64b間の厚さ(断面が円形の保持具係合部50の直径にほぼ一致する大きさ)よりも小さい。この保持具60Aのてん真係合部63Aの凹部64Aのうち底壁部64aAの円弧の長さは、図1〜図4に示した実施例の保持具60のてん真係合部63の凹部64を構成する底壁部64aの円弧の長さよりも短い。なお、底壁部64aAは、典型的には円弧からなるけれども、その代わりに、任意の凹状の曲線(曲面)であってもよく、場合によっては直線状(平面状)又は凹部内に向かって突出した凸状の曲線(曲面)であってもよい。その場合、凹部64Aは、てん真20Aの係合部50Aと同様な厚さを有し平面部64bA,64bAにおいて係合部50Aの平面状側面51,52と係合する。
従って、保持具60Aは、てん輪26及びてん真20Aからなる中心側構造体5Aが特定の回転位置(回動位置)Cfにある場合に限って、てん真20Aの保持具係合部50Aと係合可能である。この回動位置Cfでは、ひげぜんまい10に歪が蓄えられ、保持具60Aのてん真係合部63Aによるてん真20Aの保持具係合部50Aとの係合が解除されると、てん輪26及びてん真20Aからなる中心側構造体5Aは、その回転中心軸線Cを中心にしてC1,C2方向に往復回動される。
保持具60Aは、中心側構造体5Aが特定の回動位置Cfにある場合に限って該中心側構造体5Aのてん真20Aの保持具係合部50Aに係合し得る限り、保持具60Aの係合部63Aの凹部64Aの形状及び構造や中心側構造体5Aのてん真20Aの保持具係合部50Aの形状及び構造は、他のどのようなものであってもよい。
なお、中心側構造体5Aが上記の特定の回動位置Cfにある場合、図8に示したように、振り石28がアンクル71のハコ先75,75から離れた回動位置にある。ここで、回動位置Cfは、最低限、ひげぜんまい10に対して、ある程度以上に巻き上げる方向の変形を与えるような回動位置であるか、ある程度以上に巻戻す方向の変形を与えるような回動位置であるかを規定するような位置であればよい。
変形例のてんぷ構造体1Aは、てん真20Aが上記のように非円形の横断面を備えた保持具係合部50Aを有し、保持具60Aのてん真係合部63Aが保持具係合部50Aに丁度係合する形状を有する点を除いて、てんぷ構造体1と実際上同一の形状及び構造を有する。
調速脱進器2では、アンクル71のアンクルさお77は、ハコ先75,75の外側面75a,75bがアンクル受9の対面する側面9c,9dに交互に当接する回動位置の間で、該側面9c,9dによって規定された凹部9e内で、D1,D2方向に回動可能である。なお、図8において、78は入ツメ、79は出ツメである。
以上の如く構成された機械式時計3Aにおけるてんぷ構造体1Aの組付けは、次のようにして行われる。
まず、てん輪26及びてん真20Aからなる中心側構造体5Aを所定の回転位置の近傍に回転させておいて、保持具60Aの腕部62を位置P1AまでA1方向に回動させることにより非円形のてん真係合部63Aを該中心側構造体5Aの非円形の保持具係合部50Aに係合させる。この係合状態S1Aでは、保持具60Aは、非円形係合部63A,50A間の係合により、中心側構造体5Aがてんぷ受30に対してB1,B2方向に相対移動されること及びC1,C2方向に相対回動されることの両方を規制ないし実際上禁止する。
従って、このてんぷ構造体1Aのてんぷ受30を保持して持ち上げた場合、中心側構造体5Aは、てんぷ受30に対して、B1,B2方向及びC1,C2方向のいずれについても、実際上一体的に移動され、ひげぜんまい10が伸びる等の事態が生じる虞れがない。
ここで、てんぷ受30の保持及び持上げを、自動組立機械の持上げ治具がてんぷ受30の保持及び持上げを行う場合でも、人が組立を行ってピンセットその他の保持及び持上げ具を操作しててんぷ受30の保持及び持上げを行う場合でも、実際上相違はなく、実質的に同じである。
てんぷ受30で保持され持上げられたてんぷ構造体1Aは、そのてん真20Aの下側ほぞ部が地板7側の時計本体素体4aのてんぷ下軸受39の穴石の穴に挿入され、てんぷ受30が止め穴で地板7に取付けられることにより、てんぷ構造体1Aが時計素体4aに取付けられる。
ここで、てんぷ下軸受39に対するてん真20Aの組付けの際、てん真20Aが、図8に示したような所定回動位置Cfにあり、振り座29の振り石28がアンクル71のアンクルさお77の先端のハコ先75,75から離れたところに位置するので、中心軸線Cのまわりの回動状態が地板7に対するてんぷ受30の取付けに適した所定の向きになるようにてんぷ構造体1Aをてんぷ下軸受39に組み付ける限り、てん真20Aに取付けられた振り座29がアンクル71と実際上接触したりぶつかったりする等の干渉が生じる虞れがない。
なお、この例では、図8に示したとおり、ひげぜんまい10がC2方向の反発ばね力を蓄えるように、ひげぜんまい10に弾性歪が残らない中立位置に対しててん真20A及びてん輪26からなる中心側構造体5AがC1方向に回転された回転位置P1A及び状態S1Aが、夫々、保持位置及び保持状態であると想定している。
その場合、図8に示したように、アンクル71は、ドテピンとして働くアンクル受9の凹部9eの内面75a,75bのうち、中心側構造体5AのC2方向回転の際に振り座29の振り石28が最初に近接する側の内面75aに対して、対応するハコ先75の一側75aが係合する回動位置G1に設定される。アンクル71の回動位置G1への位置決めは、てんぷ構造体1Aの時計素体4Aへの組込み前に行われても、組込み後に行われてもよい。
この状態において、次に、保持具60Aの軸61の一端の溝65にドライバの如き工具ないし治具の先端が係合されて、保持具60Aの腕部62がA1方向に回動され、保持具60Aのてん真係合部63Aとてん真20Aの保持具係合部50Aとの係合が解除される。この軸61のA1方向回転も、自動組立機械のような機械の制御動作によって行われても、人の操作で行ってもよい。
保持具60Aが保持位置P1Aから非保持位置P2AにA2方向に変位されると、中心側構造体5Aに対する回転規制が解除されるので、中心側構造体5Aは、ひげぜんまい10のバネ力に応じて、中心軸線CのまわりでC2方向に回転される。
従って、中心側構造体5Aのてん真20Aに取付けられた振り座29の振り石28が、回動位置G1において待受けているアンクル71のさお77の先端のハコ先75,75間に係合され、アンクル71をD2方向に回動させる。
すなわち、このてんぷ構造体1Aでは、中心側構造体5Aが所定の角度回転した状態で保持具60Aによって保持されているので、アンクル71を所定の回動位置G1に設定しておくだけで、ひげぜんまい10のバネ力により、振り座29の振り石28とアンクル71のさお77の先端のハコ先75,75との係合を必然的に生じさせ得る。
すなわち、このてんぷ構造体1Aでは、保持状態S1Aにおいては、中心側構造体5Aが所定の回転位置でてんぷ受30に取付けられているので、てん真20Aの下側ほぞ部のてんぷ下軸受39への組付けの際に必要となる振り座29の振り石28とアンクル71のハコ先75,75との係合を実際上自動的に達成させることが可能になり、組付けの際に、ひげぜんまい10が伸びたり、てん輪26が汚れたり歪んだりする等の損傷を受ける虞れを最低限に抑え得る。
以上においては、あたかも当初の組立であるかのごとく説明したけれども、当然ながら、修理等の際に、時計3を少なくとも部分的に一旦分解してその後組立てる場合にも、以上の説明は、実際上同様にそのまま当てはまる。
なお、逆に、てんぷ構造体1やてんぷ構造体1Aを時計本体素体4aから取外す場合、まず、保持具60,60Aの溝65に工具を係合させて保持具60,60AをA1方向に回動させて、保持具60,60Aのてん真係合部63,63Aを対応する中心側構造体5,5Aの保持具係合部50,50Aに係合させ、次に、てんぷ受30を地板7から外すと共に中心側構造体5,5Aのてん真20,20Aの下側ほぞ部をてんぷ下軸受39から外せばよい。
ここで、横断面が円形の係合部63,50間の係合は、保持具60の腕部62をA1方向に回動させるだけで達成される。一方、横断面が非円形の係合部63A,50A間の係合に際しては、係合部63Aが位置P1Aの近傍に達するまで保持具60Aの腕部62をA1方向に回動させておき、該係合部63Aの凹部64Aの向きに適合するように中心側構造体5Aを中心軸線Cのまわりで回動させることにより実現される。なお、凹部64Aの開口を先拡がりにしておいて、係合部63Aの凹部64Aの開口の先端にてん真20Aの係合部50Aが係合された後、保持具60Aの腕部62をA1方向に回動させることにより、保持具60Aの係合部63Aの凹部64Aの先拡がりの開口側縁に案内されて中心側構造体5Aの係合部50Aが中心軸線Cのまわりで回動されて、横断面が非円形の係合部63A,50A間の係合が達成されるようになっていてもよい。
保持状態にある本発明の好ましい一実施例のてんぷ構造体の底面(下面)説明図。 図1のてんぷ構造体が非保持状態(係合解除状態)にある場合についての図1と同様なの底面説明図。 図1のてんぷ構造体を時計本体素体に組込む直前の状態を示した断面説明図。 図1のてんぷ構造体を時計本体素体に組込んで形成された時計本体についての図3と同様な断面説明図。 変形例のてんぷ構造体についての図1と同様な平面説明図。 図5のてんぷ構造体が非保持状態(係合解除状態)にある場合についての図2と同様な平面説明図。 振り座の振り石とアンクルとがズレた相対位置にある場合の平面説明図。 図7の場合と異なり、アンクル及び振り石所定の相対位置関係を採るように、図5の保持具による振り石の保持位置を示した平面説明図。
符号の説明
1,1A てんぷ構造体
1a てんぷ構造体素体
2,2A 調速脱進器
2a 調速脱進器素体
3,3A 機械式時計
4 時計本体
4a 時計本体素体
5,5A 中心側構造体
7 地板
7a てんぷ下軸受取付部
7b ほぞ受支持部
7c がんぎ真下軸受取付部
8 三番受
8a がんぎ真上軸受取付部
9 アンクル受
9a ほぞ受支持部
10 ひげぜんまい
11 内周側端部
12 外周側端部
20,20A てん真
21 大径軸部
22,23 中径軸部
24 ひげ受
24a 溶接部
26 てん輪
27 振り座体
27a 管状部
27b フランジ状部
28 振り石
29 振り座
30 てんぷ受
30a 円形孔
31 周壁部
32 開口部
33 てんぷ上軸受
33a てんぷ上外枠
33b てんぷ可動穴石枠体
33c てんぷ上穴石
33d てんぷ上受石
33e てんぷ上受石押えばね
34 孔
35 ひげ持構造体
36 ひげ持受
37 ひげ持
38 ひげ持受ねじ
39 てんぷ下軸受
39a ほぞ穴
40 緩急針構造体
41 ひげ棒
42 緩急針本体
43 緩急針尾部
44 微動レバー
50,50A 保持具係合部
51,52 平面
53,54 円弧状部分
60,60A 保持具(保持部品)
61 円柱状軸部
62 腕部
63,63A てん真係合部
64,64A 凹部
64a 底壁部
64aA 底壁部
64b 平面状側壁部
64bA 平面状側壁部
65 係合溝
70 脱進器
71 アンクル
72 アンクル真
72a 下側ほぞ部
72b 下側ほぞ受
72c 上側ほぞ部
72d アンクル真上側ほぞ受
73 がんぎ車
74 がんぎ真
74a 下側ほぞ部
74b がんぎ真下軸受
74c 上側ほぞ部
74d がんぎ真上軸受
75 ハコ先
76 剣先
77 アンクルさお
78 入ツメ
79 出ツメ
A,C,D,E 中心軸線
A1,A2,C1,C2,D1,D2,E1,E2 回動方向
B1,B2 方向
Cf 回動位置
F 長円形状
P1,P1A 係合(保持)位置
P2,P2A 係合(保持)解除位置
S1,S1A 係合(保持)状態
S2,S2A 係合(保持)解除状態

Claims (11)

  1. 一端側でてんぷ受に取付けられ他端側にてん輪及びてん真からなる中心側構造体に取外し可能に係合される先端側係合部を備えた保持具を有し、
    該保持具が前記中心側構造体に係合された状態において、該保持具は、中心側構造体がてんぷ受に対しててん真の延在方向に相対変位されるのを規制するように、中心側構造体を支えるてんぷ構造体。
  2. 保持具が、前記一端側においててん真と平行な中心軸線のまわりで回動可能にてんぷ受けに取付けられている請求項1に記載のてんぷ構造体。
  3. 保持具の前記他端側係合部が、てん真に係合可能なてん真係合部からなる請求項2に記載のてんぷ構造体。
  4. 保持具のてん真係合部が、てん真のうちてん輪の取付け部と振り座体の取付け部との間に位置する保持具係合部において、てん真に係合されるように構成されている請求項3に記載のてんぷ構造体。
  5. てん真の保持具係合部の横断面が円形である請求項4に記載のてんぷ構造体。
  6. てん真の保持具係合部の横断面が非円形である請求項4に記載のてんぷ構造体。
  7. てん真の保持具係合部の横断面が多角形状又は長円形状である請求項6に記載のてんぷ構造体。
  8. てん真の保持具係合部の非円形横断面の向きは、てん真の保持具係合部が保持具のてん真係合部に係合された際に、振り座がアンクルに対して相対的に採る回転位置に応じて規定されている請求項6又は7に記載のてんぷ構造体。
  9. 保持具のてん真係合部が、てん真の保持具係合部の横断面の半分と相補的形状の凹部を有する請求項2から8までのいずれか一つの項に記載のてんぷ構造体。
  10. 請求項1から9までのてんぷ構造体を備えた調速脱進器。
  11. 請求項10の調速脱進器を備えた機械式時計。
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