JP2009138978A - 超高純度空気の調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クリーンルーム等からの排気を取入れて分子状汚染物質と粒子状汚染物質を除去する清浄化を行って当該クリーンルーム等に長期に亘り連続して循環供給を可能とする方法を提供する。
【解決手段】 クリーン作業空間の排気を取入れて、処理空気とし、その清浄化と調温調湿を行って、前記クリーン作業空間に循環供給するにあたり、処理空気を加湿冷却装置に取入れて、次いで、回分式温度スイング吸着装置に通じた後、さらに、調温調湿装置に導入して、調温調湿と分子状汚染物質及び粒子状汚染物質の除去を実施すると共に、当該回分式温度スイング吸着装置の再生空気は、再生空気冷却加熱部を流下させた後、再生モードにある吸着材ユニットに通じることを特徴とする超高純度空気の調製方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体製造や液晶ディスプレイ製造の様々な加工工程で稼動させる機器や装置を収容したクリーンルーム、クリーンチャンバ、又はミニエンバイロメント等のクリーン作業空間からの排気を、処理空気として取入れて、処理空気中の粒子状汚染物質を清浄度クラスに応じた粒子濃度以下にまで除去して、塩基性分子状汚染物質と有機性分子状汚染物質と酸性分子状汚染物質をいずれもppbオーダ乃至それ以下に除去して、更に調温調湿を行って、クリーン作業空間に長期に亘り、連続安定的に循環供給する超高純度調温調湿空気の調製方法に関する。
従来から半導体製造において使用されている高純度空気は、大気を除塵した後、2.5〜5.1MPaに圧縮して、断熱膨張操作によって、−191℃以下まで深冷して液体空気を得、これを精分留して液体窒素と液体酸素に分留した後、さらに、それぞれを気化させてから、窒素ガス対酸素ガスの体積比で約4対1の割合に混合して、15.2MPaに再度圧縮して高圧容器に充填したものである。
この様に、圧縮と深冷と精分留の各工程を経る過程で不純物は逐次除去されているから、混合される際には高純度となっている。又、深冷されているから、当然水分は除去されており、ドライエア(乾き空気)である。したがって、クリーン作業空間の作業が調温調湿した高純度空気を必要とする場合は、さらに、調温調湿してクリーン作業空間に供給することになる。
しかしながら、従来から使用されている高純度空気は、多額の設備投資を必要とする高圧設備を用い、高圧に圧縮して、さらに調温調湿するという大量のエネルギを消費して製造されているから、極めて高価である。したがって、大量に消費することは、製品の製造コスト上昇を招来するだけでなく、省エネの観点からも到底許容されるものではない。つまり、消費量が少なくて済むごく限定した箇所乃至超低露点ドライエアを必要とする工程にだけ使用される。
それゆえ、従来からクリーンルーム等のクリーン作業空間に供給する調温調湿空気は、系外から取入れた空気中のダストやミスト等の粒子状汚染物質を除去する清浄化と、エネルギを印加して調温調湿を行って当該クリーンルーム等のクリーン作業空間に連続的に供給するとともに、その供給量と同量のクリーンルーム内の空気を系外へ排出する1パス使い捨て方式の空調装置が用いられていた。しかしながら、系外へ排出される空気は、前述のようにエネルギを用いて調温調湿したものであり、省エネルギの観点からは系外へ排出する空気量をできるだけ少なくして、クリーンルーム内の空気を清浄化して、循環使用可能な構成にすることが好ましい。
また、クリーン作業空間内において、被加工物に対して薬剤を使用する様々な加工作業が行われる際には、加工作業に伴って分子状汚染物質が発生するため、近年ではクリーン作業空間内の空気を循環させる際に、粒子状汚染物質だけでなく分子状汚染物質も好適に除去できるように構成した空気清浄化装置乃至高純度空気調製装置も開発されている。
このうち粒子状汚染物質は、クリーン作業空間内の空気を循環供給させる管路中の随所に高性能フィルタを設置して清浄度クラスに応じた除去が行われている。例えば、図5は、従来技術による清浄化装置の説明図であるが、処理空気取入れ口1付近乃至従来の調温調湿装置65の上流側に高性能フィルタ(3)66及び/又は下流側(図示せず)に設置され、乃至は、従来技術によるクリーン作業空間100内の超高純度調温調湿空気吹出し口105に高性能フィルタ(4)115が設置されている。
特に、超高純度調温調湿空気吹出し口105に設置する高性能フィルタ(4)115は、フィルタファン(2)114と一体化したファンフィルタユニット(FFU)110の中に配設されている。
なお、図5に示した従来の調温調湿装置65は高性能フィルタ(3)66と従来の冷却除湿器67と従来の調温器68と従来の調湿器69から構成されており、超高純度調温調湿空気は超高純度調温調湿空気送風機(2)101で昇圧されて超高純度調温調湿空気供給口2に流入する。
一方、分子状汚染物質は、当該クリーン作業空間への超高純度調温調湿空気吹出し口105付近及び循環空気ダクト104に設置したケミカルフィルタ(A1)61、ケミカルフィルタ(B1)62、ケミカルフィルタ(C1)63に通じて除去している。特に超高純度調温調湿空気吹出し口105付近の天井に設置するケミカルフィルタ(A2)111、ケミカルフィルタ(B2)112及びケミカルフィルタ(C2)113は、フィルタファン(2)114と粒子状汚染物質を除去する高性能フィルタ(4)115とを一体化した前述のファンフィルタユニット(FFU)110の中に組込まれている。
しかしながら、近時は、半導体製造用のシリコン基板、液晶ディスプレイ(LCD)製造用のガラス基板は共に大型化して、それに伴いクリーンルーム等のクリーン作業空間も大容量のものとなっている。従って、循環供給する超高純度調温調湿空気の絶対量も増大しており、循環空気ダクトは大口径となり、当該循環空気ダクトに設置するケミカルフィルタも、当該クリーン作業空間への吹出し口に設置するファンフィルタユニット(FFU)に組込まれるケミカルフィルタも大型となっている。又、当然、粒子状汚染物質を除去する高性能フィルタも、フィルタファンも大型となっている。即ち、FFUが大型となっている。
加えて、高性能フィルタによる粒子状汚染物質の除去率向上はフィルタ材の厚みを増加させ、通過する処理空気の圧力損失を増大させることにより行われるから、必然的にフィルタファンのパワーも増大している。
しかして、大型のFFUを設置すると当然重量増となり、クリーン作業空間を構築している構造部材の強度を増加させねばならないから、それら部材も今までよりも大きく太くする必要がある。同時にパワーの増大したフィルタファンを内蔵させることになるため、加振力が増加する。それゆえ、クリーン作業空間に設置した装置、例えば、半導体製造におけるパターン形成工程の塗布装置や露光装置等の振動も増大させることになるから、パターン形成に支障を来たすという問題が発生する。このように、FFUを大型にする方法には限界があり、ケミカルフィルタを大型にしないで設置数を増やす方法も併用せざるを得ない。
薬剤の使用に伴って発生する分子状汚染物質は、塩基性のアンモニア、酸性のCl-、F-、SOx、極く稀にH2S、トリメチルアミン(TMA)、トリエチルアミン(TEA)、N−メチルピロリドン(NMP)等の塩基性であって且つ有機性のアミン類、シランカップリング剤やシリル化剤等の有機珪素化合物、シンナ類、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGMBE)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ディメチルスルホキシド(DMSO)等の有機性の物質である。
この他の分子状汚染物質は環境大気や、人体に由来して常に存在する塩基性のアンモニア、並びに、環境大気に由来している酸性のNOx、SOx、Cl-、及びそれぞれは微量ではあるが環境大気に由来する極めて多種類の有機性物質、及び、クリーン作業空間の構築部材や製造設備の構成部材であるシリコーン樹脂、シリコーンゴム材、シリコーン接着剤等に由来する有機珪素化合物である。
したがって、処理空気中には、塩基性のアンモニアと塩基性且つ有機性であるアミン類、シランカップリング剤やシリル化剤等の有機珪素化合物、芳香族系、グリコールエーテル類、エステル類、ケトン類その他炭化水素系の有機性の物質と酸性のNOx、SOx、塩素イオン(Cl- )、フッ素イオン(F-)が混在している。
(ケミカルフィルタ)
従来、処理空気中のこれらの分子状汚染物質を捕集・除去するためには、一般的にケミカルフィルタ(化学吸着フィルタ)が使用されている。
ケミカルフィルタは、上記汚染物質の特性に応じて、塩基性物質を捕集・除去するケミカルフィルタ(B)、有機性物質を捕集・除去するケミカルフィルタ(C)、及び酸性物質を捕集・除去するケミカルフィルタ(A)の3種類が使用されている。
このうち、ケミカルフィルタ(B)は 、フィルタ材に酸性薬剤を含浸させたもの、繊維状フィルタ材に陽イオン交換基を付加したもの又は布状フィルタ材にプリーツを付けて袋状に縫製してその袋の中に陽イオン交換樹脂を充填したものが用いられる。
したがって、ケミカルフィルタ(B)の捕集・除去の原理は、フィルタ材上で酸と塩基の中和反応を生起させて不揮発性の中和物に転化させることである。それゆえ、フィルタ材に含浸させた酸性物質量と反応する塩基性物質の化学当量以上の塩基性汚染物質は捕集・除去が不可能となるゆえ、必然的に寿命が存在するという問題がある。そのため、寿命となったケミカルフィルタ(B)は新品と取替えるという大懸りな作業が不可避となる。
一方、有機性物質を捕集・除去するケミカルフィルタ(C)は、布状フィルタ材にプリーツを付けて袋状に縫製して、その袋中に粒状活性炭を充填したもの、又は、活性炭繊維をフィルタ材としたものが用いられている。
したがって、ケミカルフィルタ(C)の捕集・除去の原理は、有機性物質を選択率良く物理吸着することであるから、充填した活性炭の飽和吸着量以上の有機性汚染物質量は捕集・除去が不可能となるゆえ、これまた寿命が存在するという問題がある。なお、アミン類のうち、強塩基性のアミンはケミカルフィルタ(B)で、弱塩基性のアミンはケミカルフィルタ(C)で捕集・除去される。
このように、前述のケミカルフィルタ(B)の場合と同様に、寿命となったケミカルフィルタ(C)は新品と取替えるという大懸りな作業が不可避となる。
さらに、酸性物質を捕集・除去するケミカルフィルタ(A)は、布状フィルタ材に塩基性薬剤を含浸させたもの、繊維状フィルタ材に陰イオン交換基を付加したもの又は布状フィルタ材にプリーツを付けて袋状に縫製してその袋の中に陰イオン交換樹脂を充填したものが用いられる。
したがって、ケミカルフィルタ(A)の捕集・除去の原理は、フィルタ材上で塩基と酸の中和反応を生起させて不揮発性の中和物に転化させることである。それゆえ、フィルタ材に含浸させた塩基性物質量と反応する酸性物質の化学当量以上の酸性汚染物質量は捕集・除去は不可能となるゆえ、必然的に寿命が存在するという問題がある。
すなわち、前述のケミカルフィルタ(B)(C)の場合と同様に寿命となったケミカルフィルタ(A)は新品と取替えるという大懸りな作業が不可避となる。
この様に、ケミカルフィルタ(A)、(B)、(C)はいずれも寿命があり、取替え作業によって産業廃棄物となり、又、取替え作業時には、それを取付けていたクリーン作業空間での製造工程は操業を停止することになる。そして、近時の半導体並びにLCD基板の大型化は使用する薬剤量を増加させ、それに伴って発生する分子状汚染物質量を増加させる。その結果、産業廃棄物量を増大させることになり、又、取替え頻度も増加させることになる。
さらに又、取替え時には、当該クリーン作業空間や超高純度空気管路やそれの関連機器は、その工程設備の外側にある雰囲気に曝すことになる。そして、その雰囲気は明らかに0.05ppbを越えるアンモニア、2ppbを越える有機物を含有する空気であるから、超高純度空気の雰囲気下にあったクリーン作業空間や超高純度空気管路やそれが接続している関連機器、当該設備の内側も確実に汚染される。特にアンモニアと水の分子は金属表面に吸着付着しやすい。
それゆえ、取替え作業は終了しても、クリーン作業空間や超高純度空気管路やそれの関連機器を超高純度空気の雰囲気下に復旧させるのに長時間のクリーンアップ作業を要することになる。この間の操業停止による損失は莫大となる問題を誘起している。
又、段落〔0025〕で記したように、取替え作業時に、例えば、3〜5ppbのアンモニアを含有する屋内空気に曝したとすると、金属表面に吸着付着したアンモニアは、復旧後に超高純度空気の流れによって、少しずつ脱離して超高純度空気流中に混入する。例えばこの脱離によりアンモニアの濃度が0.1ppbとなったとすると、クリーン作業空間内にあるシリコン基板、ガラス基板を汚染する確率が倍増することになると考えられる。又、超高純度空気中の水分子が分子運動で金属表面等に凝縮するとき、アンモニア分子がその凝縮熱を奪って気化する精留効果によっても、超高純度空気中のアンモニア濃度は0.1ppb以上となる。つまりこのような現象が発現するため、長時間のクリーンアップ作業を実施しても調温調湿した空気中から低分子量であって且つ、低沸点のアンモニアを0.05ppb以下にすることは極めて困難であるとされていた。
又、前述したように、取入れたクリーン作業空間の排気、即ち、処理空気中には、塩基性のアンモニアと塩基性であって且つ有機性であるアミン類と有機珪素化合物の分子状汚染物質、及び様々な分子量を有する有機性分子状汚染物質及びNOx、SOx、Cl- 、F-の酸性分子状汚染物質が混在している。加えて、それぞれの分子状汚染物質の発生状況はその成分を含有している薬剤を使用した瞬間や化学反応によってその分子状汚染物質を発生させるような薬剤を使用した瞬間に発生するから、その分子状汚染物質の濃度は数ppmから1ppbの変動幅で脈動状に急変動している。
その様な分子状汚染物質の濃度の変動状態が処理空気導入口においてはいくらか平準化された状態となってはいるが、図5に示すケミカルフィルタ(A1)61、ケミカルフィルタ(B1)62、ケミカルフィルタ(C1)63に流入した場合、それぞれのケミカルフィルタの吸着容量に充分余裕のある時点では、化学吸着するNOx、SOx、Cl- 、F-はケミカルフィルタ(A1)61で捕集・除去され、又、アンモニアとTMAはケミカルフィルタ(B1)62で捕集・除去され、物理吸着されるTEA、NMP、シンナ類、EGMBE、PGMEA、MIBK、乳酸エチル、シクロヘキサノン等はケミカルフィルタ(C1)63で捕集・除去される。
ところが、例えば、NMP(分子量:99.1)とPGMEA(分子量:132.2)をクリーン作業空間内の加工作業で使用する場合、ケミカルフィルタの吸着容量に充分余裕のある時点では、ケミカルフィルタ(C1)63でそれらの分子状汚染物質は捕集・除去される。しかしながら、そのケミカルフィルタ(C1)63の吸着容量の余裕が僅かになってきた時点で、PGMEAを使用する加工作業が行われ、最高値がppmとなる脈動状でケミカルフィルタ(C1)63に流入すると、NMPがそのケミカルフィルタ(C1)63からPGMEAによって追い出される現象が発生する。同時に、ケミカルフィルタ(C1)63に吸着していた大気由来のNMPよりも分子量の小さい汚染物質がPGMEAによって追い出され、下流に漏出する。以上の現象が発生することを本発明者らは見いだした。
下流の超高純度調温調湿空気吹出し口105(図5)に設けFFU110に組み込まれているケミカルフィルタ(C2)113の吸着容量に余裕のある時点では、ケミカルフィルタ(C1)63から漏出したNMPとNMPよりも分子量の小さい分子状汚染物質はケミカルフィルタ(C2)113で捕集・除去される。しかしながら、吸着容量の余裕が僅かになってきた時点では、前記同様にNMPによって、それよりもさらに分子量の小さい汚染物質が追い出され、従来技術のクリーン作業空間を汚染する現象が発生することを本発明者らは見いだした。
又、有機珪素化合物であるシランカップリング剤乃至シリル化剤をクリーン作業空間内の加工作業で使用した場合、これらの有機珪素化合物はケミカルフィルタ(C1)63で捕集・除去される。しかしながら、有機珪素化合物はケミカルフィルタ(C1)63の吸着サイトで加水分解され、そのサイトにシリカ(SiO2)を残留させて、そのサイトを失活させる。そのため、その後に流入するアミン類、有機珪素化合物、炭化水素系の有機性汚染物質の吸着・除去率は失活したサイト数に見合って低下して、下流に漏出する。
特に、シリコン基板、ガラス基板のレジスト処理工程で多用されるヘキサメチルジシラザン(HMDS)は加水分解されてアンモニアとシリカ(SiO2)とメタン(CH4)を発生させる。又、トリメチルシリルクロライドを使用した場合は、加水分解されて塩酸とシリカとエタンを発生させる。
ケミカルフィルタ(C1)63で捕集・除去されなかった有機珪素化合物は、下流に設置されているケミカルフィルタ(C2)113で捕集・除去されるが、前述した様に吸着サイトで加水分解され、そのサイトにシリカを残留させる。そのため、予想寿命を大幅に短縮させ、クリーン作業空間にアミン類、有機珪素化合物、炭化水素系の分子状汚染物質を漏出させることになる。特にHMDSが使用された場合、HMDSはケミカルフィルタ(C2)113で捕集・除去されるが、加水分解されてアンモニアとトリメチルシラノール(TMS)を発生する。発生したアンモニアは図5に示すようにケミカルフィルタ(C2)113より下流にケミカルフィルタ(B2)112が配置されていない場合は、従来技術によるクリーン作業空間100中に漏出して当該クリーン作業空間を汚染する。一方のTMSは図5に示すようにケミカルフィルタ(C2)113より下流にケミカルフィルタ(C)が配置されていない場合は、従来技術によるクリーン作業空間100中に漏出して当該クリーン作業空間を汚染するという問題があることを本発明者らは見いだした。
このように、分子状汚染物質の除去装置としてケミカルフィルタが広く用いられているが、ケミカルフィルタ(A)、(B)、(C)はいずれも吸着容量が限られており、定期的に交換する必要がある。又、寿命となっていなくても、前述したように有機物やアンモニアを漏出させるから、交換する必要がある。そして寿命となったケミカルフィルタは吸着能力を再生することが困難であるため、最終的には廃棄せざるを得ない。即ち、産業廃棄物となる。しかし、最近の環境保全の観点からは産業廃棄物の削減が強く社会から要請されているゆえ、ケミカルフィルタのような使い捨てタイプのものから、繰返し再生使用できて超高純度空気に調整可能な装置の開発が強く求められている。
そのため、最近では、ケミカルフィルタを用いない再生可能な吸着材を用いて吸着と再生が同時に行えて、半永久的に使用可能な空気清浄化装置乃至高純度空気調製装置が提案されるに至っている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2001―141274号公報 特許第3320730号公報 特許第3078697号公報 特許第3744614号公報 特開2004−223488公報 2005年度半導体製造装置技術ロードマップ報告書(日本半導体製造装置協会発行)
この空気清浄化装置はゼオライトを主成分とするハニカム状積層体を円筒上に形成して、その軸線方向に空気が通過するように構成したハニカム積層体ロータと、当該ロータをその軸線周りに回転する駆動手段を備えたものである。そしてハニカム状積層体ロータが回転する空間は、軸線周りに吸着部、再生部、冷却部に区分されている。つまり、吸着部、再生部、冷却部が順次移動していくことになり、これが連続的に繰返されるようになっている。
この空気清浄化装置において、処理空気をハニカム状積層体の吸着部に通じて清浄化してクリーンルームに供給すると同時に加熱した空気を再生空気としてハニカム状積層体の再生部に送り、吸着部で吸着させた分子状汚染物質を加熱空気中に脱離して排出させている。
処理空気は送風機を稼動させて、クリーンルーム内空気を装置内に導入している。そして導入した空気(処理空気)は、処理空気ダクト内を流下して、ハニカム状積層体ロータへ送られ清浄化されてクリーンルームに循環供給される。この空気清浄化装置においては、外気供給手段から一部の外気が取入れられ、処理空気に混入されている。
つまり、一部の外気を導入させた処理空気がハニカム状積層体ロータの軸線方向の一方向側から他方側に通過する間で分子状汚染物質が吸着部で吸着除去される。そして吸着材によって清浄化された処理空気は、除塵フィルタを通過して粒子状汚染物質を除去してクリーンルームに循環供給されている。
ところで、段落〔0014〕に記したとおり、処理空気中には、塩基性のアンモニアと塩基性且つ有機性であるアミン類、有機珪素化合物と芳香族系、グリコールエーテル類、エステル類、ケトン類その他の炭化水素系の有機物と酸性のNOx、SOx、Cl-、F-が混在している。
したがって、それらの分子状汚染物質を効率良く吸着除去するためには、ハニカム状積層体に担持させる吸着部材であるゼオライトの弱疎水性と強疎水性の割合を変える必要があるだけでなく、ハニカム状積層体ロータの吸着部で吸着除去が困難な分子状汚染物質が存在する際には、その空気清浄化装置とクリーンルームとの間にさらにケミカルフィルタを設置して除去することが記載されている。このように特許文献1に記載の空気清浄化装置は吸着ロータと産業廃棄物となるケミカルフィルタ(化学吸着フィルタ)を併用する装置である。
他方、クリーンルーム排ガスを導入して分子状汚染物質を吸着除去する吸着材として従来から知られている活性炭、シリカゲル、モレキュラシーブ、ゼオライト等の吸着材を用いて、排ガス中の非メタン系炭化水素を0.2ppm以下まで吸着除去する清浄気体の調製方法及び調製装置が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。
この特許文献2に記載のクリーンルーム排ガスからの清浄気体の調製方法には、非メタン系炭化水素系の分子状汚染物質の吸着除去には有効であることが記載されているが、排ガス中に混在している塩基性分子状汚染物質の除去並びに酸性分子状汚染物質、塩基性且つ有機性のアミン類の分子状汚染物質、さらに有機珪素化合物の分子状汚染物質の除去に適用できる吸着材に関する記載はなく、さらには、有機性分子状汚染物質をppbオーダまで除去可能であることを明確にしていない。
又、半導体やLCD基板の処理工程で必要とする機器を収容したクリーンルームに循環供給する清浄空気の調製方法として、ゼオライトや活性炭を添加した吸着材で構成されるロータ式空気清浄化装置を用いて処理空気中の有機性分子状汚染物質であるオレフィン、パラフィン、芳香族、ジオレフイン類の炭化水素を0.1ppm以下に除去する方法がに開示されている(例えば、特許文献3を参照。)。
当該文献は吸着材ロータ式であるから、吸着と再生を同時並行して繰返し操作できる。しかしながら、環境大気中に有機性分子状汚染物質と共に混在している塩基性分子状汚染物質や酸性分子状汚染物質およびクリーン作業空間の加工作業に使用されて有機性分子状汚染物質と共に清浄空気中に混入する塩基性分子状汚染物質及び塩基性且つ有機性であるアミン類の分子状汚染物質及び有機珪素化合物の分子状汚染物質の除去に適用できる繰返し吸着と再生が可能な吸着材や装置及び連続安定に除去可能な方法に関する言及はない。さらには、炭化水素を数ppbまで除去可能であることを明確にしていない。
特に、ドライな高純度空気を必要とする最先端の半導体製造においては、代表的な塩基性分子状汚染物質であるアンモニアは濃度0.1ppb以下即ち0.1μg/m3以下、有機性分子状汚染物質はヘキサデカン換算で22ppb以下即ち22μg/m3以下、又代表的な酸性分子状汚染物質であるSOxはSO4換算で0.1ppb以下即ち0.1μg/m3以下が要求されている(例えば、非特許文献1を参照。)。
すなわち、代表的な塩基性分子状汚染物質であるアンモニアの除去に関しては特許文献1に記されている清浄化空気中の濃度よりさらに低減させられる高選択率をもった吸着材が必要であり、又有機性分子状汚染物質の除去に関しては、特許文献3に記されている清浄化方法よりも一層除去率を向上させて確実にヘキサデカン換算で22ppb以下を達成させられる清浄化方法の開発、即ち、超高純度空気に調製する方法の開発が必要である。 さらに環境大気由来の有機性分子状汚染物質と共に混在している塩基性及び酸性の分子状汚染物質についても又、加工作業に使用されて清浄空気中に混入する有機性、塩基性、又は、塩基性且つ有機性の分子状汚染物質についても繰返し再生可能な吸着材を用いた長期間に亘って連続安定に循環供給可能な超高純度空気に調製する方法の開発が望まれている。さらに又、Cl-、F-、極く稀にH2S、有機珪素化合物をも除去して超高純度空気に調製する方法の開発が望まれている。
又、再生可能な吸着材としては、陽イオン交換フィルタと陰イオン交換フィルタと両イオン交換フィルタを設置した超高純度気体供給設備が開示されている(例えば、特許文献4を参照。)。
イオン性の汚染物質の除去には有効な方法であるが、通常、イオン性の汚染物質とともに混在する非イオン性の汚染物質が除去できる再生可能な吸着材とその再生方法については言及されていない。さらに、陽イオン交換フィルタと陰イオン交換フィルタの再生は薬液を用いる湿式再生であるから、処理空気を流す管路であるイオン除去ライン以外に、再生ライン、洗滌ライン、乾燥ラインの計4ラインの管路を設ける必要がある。加えて、連続してクリーンルームに超高純度の空気を供給するためには、陽イオン交換フィルタ、陰イオン交換フィルタそれぞれを複数系統設置せざるを得ないから、極めて複雑な管路と多数の分岐/合流箇所を備えた超高純度気体供給設備となる。のみならず、薬液を用いる再生であるため、再生後のイオン除去ラインと陽イオン交換フィルタと陰イオン交換フィルタの乾燥に長時間に亘る大量のエネルギが必要となるのは回避できない。
さらに又、ケミカルフィルタの再生方法としてに有機物や酸やアルカリの汚染物質を、多孔質材とその表面に薬剤を添着した添着層に吸着させ、純水を用いて調整したアルカリ性水溶液、酸性水溶液、オゾン水溶液の3種の再生用水溶液を用いて再生する通液工程と有機物のみの脱離は加熱空気で再生する加熱パージ工程で行う方法が提案されている(例えば、特許文献5を参照。)。
この方法によると、再生時には、被吸着物質を脱離させるだけでなく、添着層も脱離して、添着し直す添着層再形成工程が必要である。添着層再形成にも水溶液を使用するから、装置内を乾燥させるため、乾燥(エア)工程が必要となる。つまりこの方法も4工程の操作と工程毎に管路を切換える煩雑な作業が必要である。さらに、装置内の乾燥に長時間に亘る大量のエネルギを必要とすることは避けられない。
(回分式温度スイング吸着装置)
次に、処理空気を本発明の加湿冷却装置に通じた後、従来技術よる回分式温度スイング吸着装置(以下、回分式TSA装置ということがある。)に通じた際に生起する技術課題について図を用いて説明する。図6は従来技術による回分式TSA装置120の構成図である。図6には吸着モードが(A)系統、したがって再生モードが(B)系統の場合を示した。
処理空気は、処理空気取入れ口1から流入して高性能フィルタ(1)75を流下した後、分岐/合流継手T1から開閉弁V1、分岐/合流継手T2を経て吸着材ユニット(A)13Aに流入する。吸着材ユニット(A)13Aにて塩基性分子状汚染物質や有機性分子状汚染物質及び又は酸性分子状汚染物質が吸着除去される。
即ち、処理空気は吸着材ユニット(A)13Aを通過する間で塩基性、有機性、酸性の分子状汚染物質が除去され、分岐/合流継手T3、開閉弁V2、分岐/合流継手T4を経て超高純度空気送出口16に流入する。このとき開閉弁V1、V2は開弁状態であるが、開閉弁V4、V5、V6、V3は閉弁状態である。
一方、再生空気は屋内又は屋外の空気を再生空気導入口26から取入れて、再生空気加熱部28に流入させる。即ち、再生空気は、再生空気フィルタ21を経て再生空気送風機22、再生空気冷却器23、再生空気予熱器24、再生空気加熱器25を流下する。ついで分岐/合流継手T8、開閉弁V7、分岐/合流継手T5を経て吸着材ユニット(B)13Bに流入する。再生モードの加熱時間帯においては再生空気冷却器23に使用する伝熱媒体の冷媒は流通させず、再生空気加熱器25には通電させる。
したがって、吸着材ユニット(B)13Bは再生空気によって加熱されるから吸着モード時に吸着した塩基性分子状汚染物質や有機性分子状汚染物質及び又は酸性分子状汚染物質を脱離する。吸着材ユニット(B)13Bを流出した再生空気は、分岐/合流継手T6、開閉弁V8、分岐/合流継手T7を経て再生空気予熱器24に流入する。再生空気予熱器24では高温の再生空気のもつ余剰熱で低温の再生空気を予熱する。そして高温の再生空気は冷却されて排出空気となって再生空気排出口27から排出される。
又、再生モードの冷却時間帯において、再生空気冷却器23には伝熱媒体の冷媒を流通させ、再生空気加熱器25には通電しない。したがって、吸着材ユニット(B)13Bは再生空気によって冷却されて、処理空気の温度に近づけて吸着モードの切換えに備える。再生モードが(B)系統の場合、開閉弁V7、V8は開弁状態にある。
このように、吸着材ユニットを2系統備える従来の回分式TSA装置においては、吸着と再生のモードを同時に実行して連続的に超高純度空気を供給しようとすると、処理空気,再生空気、超高純度空気、排出空気相互の混入を防止して(A)系統吸着材ユニット(A)13A、(B)系統吸着材ユニット(B)13Bのそれぞれと、それらの空気の流れるダクトを接続する必要がある。そのため吸着材ユニットの上流側には処理空気又は排出空気が流れる2系統のダクト並びに処理空気を取入れて(A)系統と(B)系統のそれぞれの吸着材ユニットへ分岐する分岐/合流継手T1、排出空気を(A)系統と(B)系統から再生空気排出口27へ導くダクトに接続するダクトの分岐/合流継手T7及びそれぞれの両側にダクト回路を開閉するためのV1、V1、V5及びV8を配置する必要がある。
又、吸着材ユニットの下流側には超高純度空気又は再生空気が流れる2系統のダクト並びに超高純度空気を取出す(A)系統ダクトと(B)系統ダクトから超高純度空気送出口16へ導くダクトに接続するダクトの分岐/合流継手T4、再生空気を導き(A)系統と(B)系統のそれぞれの吸着材ユニットへ送出する分岐/合流継手T8及びそれぞれの分岐/合流継手の両側に設置してダクトを開閉するための開閉弁V2、V3、V6及びV7を配置する必要がある。
さらに、(A)系統ダクトから排出空気ダクトへ、又は(B)系統ダクトから排出空気ダクトへ再生空気が流れるように分岐/合流継手T2、T6が、再生空気ダクトから(A)系統ダクトへ、又は再生空気ダクトから(B)系統ダクトへ再生空気が流れるように分岐/合流継手T3、T5が必要である。結局、吸着材ユニット(A)13A及び吸着材ユニット(B)13Bの上流側と下流側のそれぞれに2系統、計4系統のダクトと計8基の開閉弁と計8基の分岐/合流継手が必要である。
このため、極めて複雑で長いダクトの「引きまわし」が必要となる。ここで、本発明が対象としているクリーン作業空間で使用されるダクトは、径が50mm程度の小配管ではない。例えば、500mmの正方形の断面ダクト(処理空気量500m3/minの場合、約8m/sの流速で流すためには正方形断面のダクトの寸法は1000mmとなる。)したがって、仮にこの「引きまわし」が30mであったならば、ダクトのみで30m3の占有空間が必要となる。処理空気量が40m3/minの場合は同じく約8m/sの流速、且つ30mの引きまわしでは、ダクトのみで8.7m3の占有空間が必要となる。
つまり、常圧下にある空気が流れるダクトの占有空間は、実際は莫大なものであって、これにダクトの分岐/合流継手や、ダクトの重なり、交叉、曲がり、拡大(縮小)、開閉弁、断熱材の装着等のために必要な空間が加わるから、装置全体としての占有空間は極めて大きなものとなる。
これが吸着材ユニットを2系列備える回分式TSA装置をコンパクトにするのを困難にしている第1の理由である。
吸着モードを(A)系統から(B)系統へ、再生モードを(B)系統から(A)系統へ切換える場合は、開弁状態にある開閉弁V1、V2、V7及びV8を閉弁状態へ、閉弁状態にある開閉弁V4、V5、V3及びV6を開弁状態に切換えることになる。逆に吸着モードを(B)系統から(A)系統へ、再生モードを(A)系統から(B)系統へ切換える際は、開閉弁V1、V2、V7及びV8を閉弁状態から開弁状態へ、開閉弁V4、V5、V3及びV6開弁状態から閉弁状態に切換えることになる。
さらに、吸着モードと再生モードの切換えは、処理空気と超高純度空気の流れを停止させることなく、圧力損失が小さくて口径の大きい開閉バルブ8基を同時に動作を開始させ、且つ、同時に動作を停止させる必要があり、しかも動作時間を可能な限り短時間とする必要がある。
しかしながら、8基全ての開閉弁を同時に動作を開始させて、同時に動作を停止させ、且つ、短時間で動作させることは極めて困難である。いずれかの開閉弁にわずかな遅れがあると、超高純度空気の流量と圧力が変動する大きな問題がある。
もしも、上記したような切換え時において、超高純度空気の流量と圧力が変動することになった場合は、加工製品の歩留まりを著しく低下させる大きな要因となる。
さらに他の問題は、図6の従来技術による回分式TSA装置において、吸着モードと再生モードの切換えの際には、8基の分岐/合流継手と8基の開閉弁との間にあるダクト内の空気はその開閉弁を閉弁状態とした場合はその流れが停止するから、次の開弁となるまでの間はそのまま滞留する淀み箇所となることである。図6には淀み箇所となるダクトを破線で示した。
例えば、開閉弁V4と分岐/合流継手T6との間のダクトは再生開始直後の高濃度の脱離した汚染物質を含む排出空気が滞留する淀み箇所となるから、切換え後の超高純度空気中の汚染物質濃度に影響するという問題がある。又、分岐/合流継手T1と開閉弁V4との間のダクトも開閉弁V4の開閉動作に遅れがあると再生開始直後の高濃度の脱離した汚染物質を含む排出空気が滞留する淀み箇所となる。
さらに又、図6の再生モードの冷却時間帯においては、屋内又は屋外の空気を取入れた再生空気にはアンモニアが3〜5ppb含まれているから、アンモニアは金属壁面に付着する。再生空気中のアンモニアは当然、0.05ppb以下とならない。又、アンモニアは金属壁面に付着する。したがって、分岐/合流継手T5と吸着材ユニット13Bとの間のダクトは、再生空気中のアンモニアによって汚染され、切換え後の超高純度空気中のアンモニア濃度が変動することになる。
以上の説明から明らかに、ドライな高純度空気は、大量のエネルギを消費して製造された極めて高価な空気であり、又、図5に示したように高純度空気調製装置としてケミカルフィルタを用いると、定期的に新品に取替えるという大懸りな取替え作業が発生する。加えて、その作業を行う際には必然的にクリーンルーム等のクリーン作業空間内の加工作業を停止せざるを得ないという問題が発生し、さらに産業廃棄物が発生するという環境問題が生じている。さらに、取替え作業終了後、高純度空気の雰囲気下となるように復旧させるクリーンアップ作業が必要であるから加工作業の停止はなお継続させる必要がある。この間の経済的損失とエネルギの浪費問題も同時に発生する。
又、ケミカルフィルタ(C)の吸着容量が僅かとなった時点で処理空気中に混在している分子量の大きい有機性分子状汚染物質が吸着する際、吸着サイトに先に吸着している分子量がそれより小さい有機性分子状汚染物質を追い出す現象、及び有機珪素化合物がケミカルフィルタ(C)の吸着サイトで加水分解され、シリカ(SiO2)を残留させて失活させるため予定寿命を大幅に短縮させる現象、によってもケミカルフィルタ(C)の取替え作業が発生する。
他方、一定の加工量を維持しようとすると、予備のクリーン作業空間を設置せざるを得ず、設備投資が増大するという問題がある。加えて、塩基性、有機性、酸性の分子状汚染物質の捕集・除去率は製品の歩留まりに大きな影響を及ぼすため、常時モニタする必要がある。クリーン作業空間の大きさにもよるが、ケミカルフィルタは多数箇所に設置されており、個々のケミカルフィルタの管理とモニタ要員の確保とモニタ装置の導入と設置は不可欠となる。これによる加工製品のコストアップも不可避である。
又、以上の説明から明らかなように、空気清浄化装置乃至高純度空気調製装置としてケミカルフィルタを用いた場合、加工製品のコストアップと環境問題とエネルギ浪費とを誘発している。それゆえ、ケミカルフィルタを用いる方法を改変する方法、即ち、ケミカルフィルタを用いない方法の開発が不可避である。
他方、特許文献1及び特許文献3で提案されているケミカルフィルタを使用せず再生可能な吸着材を用いて吸着と再生が同時に行えて、半永久的に使用可能な吸着材ロータによる空気清浄化装置には次の問題がある。
第1に、長いダクトの引きまわしが必要であると同時に吸着材ロータの断面とダクトの断面の形状が全く相違するため複雑な構造形状の継手が多数必要となる。したがって、コンパクトな装置とすることが困難である。
第2に、それらの継手端面と吸着材ロータ端面の摺動箇所からの処理空気、再生加熱空気、再生冷却空気の漏洩を防止できない。
第3に、吸着材ロータは吸着、再生、冷却の3区域に区画する必要があり、それらの区域に流速乃至流量、温度、圧力、流れ方向、汚染物質の質(有機性、塩基性、酸性)と濃度の各々が相違する処理空気、再生加熱空気、再生冷却空気の混入を防止することは極めて困難である。即ち、非特許文献1に記載されている高純度空気に調製することは困難である。
第4に、再生加熱空気、再生冷却空気も連続して流すためエネルギ消費量が多い。さらに第5に、処理空気中に確実に存在する塩基性のアンモニア、薬剤の使用に伴って混入する塩基性且つ有機性であるアミン類、シランカップリング剤やシリル化剤である有機珪素化合物、Cl-、F-、H2S等の酸性物質が混在する場合の除去・清浄化に関する言及はない。
又、特許文献4で開示されている超高純度気体供給設備は、イオン性の分子状汚染物質の除去に対してのみ再生可能な吸着材とその再生方法は有効であるが、混在する非イオン性のシンナ類、EGMBE、PGMEA、MIBK、乳酸エステル等の様に炭化水素系有機物に対しては、従来のケミカルフィルタ(C)を使用せざるを得ないという問題がある。
加えて、陽イオン交換フィルタ、陰イオン交換フィルタ、両イオン交換フィルタそれぞれにイオン除去ライン、再生ライン、洗浄ライン、乾燥ラインの計4ラインの管路を必要とするから、極めて複雑な管路を配設することになる。そして、それぞれのフィルタ内を4つの区域から構成される複雑な構造にせざるを得ないという問題がある。
又、超高純度空気を断続させることなく連続的に供給する場合、陽イオン交換フィルタ、陰イオン交換フィルタ、両イオン交換フィルタは複数系統設置せざるを得ない。さらに、薬液、水、排液、乾燥空気等に様々な設備が必要となるから、設備投資の増大は避けられない。
加えて、湿式再生を行うから、再生・洗浄後にフィルタ内に残留する水分を蒸発させ、乾燥させ、冷却させる必要があるから、これら一連の操作にも莫大なエネルギを要すると共に、蒸発と乾燥と冷却に長時間を要するという問題がある。
一方、特許文献5で開示されているケミカルフィルタの再生方法は、多孔質材の表面に薬剤を添着させて形成した添着層に汚染物質を吸着させ、飽和後の添着層の再生は吸着した汚染物質が有機物の場合は、加熱空気を使用して脱離するが、吸着した汚染物質が酸性やアルカリ性の場合は、それぞれアルカリ水溶液、酸性水溶液、オゾン水溶液の3種の薬剤水溶液を使用して汚染物質を脱離した後、さらに添着層も脱離して、再生時に添着層を再形成する必要がある。結局、吸着除去、加熱パージ、被吸着物脱離、添着層再形成、装置内乾燥の5工程からなる煩雑な操作を行う装置である。
以上の様に、特許文献5では言及されていないが、冷却まで含めると6工程の操作と3種の薬剤水溶液と加熱空気が必要である。それゆえ、明確な記述はなされていないがケミカルフィルタを取付けた場所で再生まで行うとすると、極めて複雑な管回路を形成させる必要があり、さらに、連続的に清浄化空気を供給しようとすると、ケミカルフィルタを複数系列以上設置する必要がある。又、吸着除去以外の5工程の操作を1基のケミカルフィルタで実行しようとすると、ケミカルフィルタの構造が複雑となることは避けられない。又、当然、廃液処理設備も必要となることは明らかである。
すなわち、特許文献5で開示されたケミカルフィルタの再生方法も特許文献4と同様、多額の投資は避けられず、又、エネルギ消費量の多い乾燥工程が存在するという問題がある。
しかしながら、前述したように吸着材ユニットを単に従来技術による回分式TSA装置に適用したのでは、きわめて複雑で長い引きまわしダクトが必要となり、装置をコンパクトにするのを阻むため、莫大な設備投資が避けられない。加えて、4個の大口径の開閉弁を開から閉へ、他の4個の大口径の開閉弁を閉から開へ同時に作動させる困難性とそれに伴う流量変動と圧力変動は避けられず、さらに吸着モード切換え後には、淀み箇所からの高濃度の分子状汚染物質の超高純度空気中への混入問題、即ち、分子状汚染物質の濃度変動問題も発生する。
本発明は前述の事実に鑑みてなされたものであって、調温調湿されたクリーンルームやクリーンチャンバやミニエンバイロメント等のクリーン作業空間からの排気を処理空気として取入れて、その処理空気中の粒子状汚染物質、塩基性分子状汚染物質、有機性分子状汚染物質、酸性分子状汚染物質が混在する排気を超高純度空気に調製するに際して、当該クリーン作業空間の製造作業を停止させることなく、加湿冷却装置と吸着材を用いてアンモニアは0.05ppb以下、窒素酸化物(NOx)は0.1ppb以下、硫黄酸化物(SOx)は0.1ppb以下、塩素イオン(Cl-)及び弗素イオン(F-)は0.01ppb以下、アミン類及び有機珪素化合物を含む有機性分子状汚染物質はヘキサデカン換算で2ppb以下まで除去した後、さらに、調温調湿して超高純度調温調湿空気に調製して、当該クリーン作業空間に長期間に亘って連続安定に循環供給する方法を提供して、前述の問題を解決しようとするものである。
〔1〕本発明は前述した課題を解決すべく開発されたものであり、そのための具体的手段として、本発明の方法によれば、クリーン作業空間の排気を取入れて、処理空気とし、当該処理空気の清浄化と調温調湿を行って、前記クリーン作業空間に循環供給するにあたり、当該処理空気を加湿冷却装置に取入れて、次いで、回分式温度スイング吸着装置に通じた後、さらに、調温調湿装置に導入して、調温調湿と分子状汚染物質及び粒子状汚染物質の除去を実施すると共に、当該回分式温度スイング吸着装置の再生空気は、再生空気冷却加熱部を流下させた後、再生モードにある吸着材ユニットに通じることを特徴とする超高純度空気の調製方法が提供される。
また、本発明によれば、クリーン作業空間の排気を取入れて、処理空気とし、当該処理空気の清浄化と調温調湿を行って、前記クリーン作業空間に循環供給する装置であって、当該処理空気を加湿冷却装置に取入れて、次いで、回分式温度スイング吸着装置に通じた後、さらに、調温調湿装置に導入して、調温調湿と分子状汚染物質及び粒子状汚染物質の除去を実施すると共に、当該回分式温度スイング吸着装置の再生空気は、再生空気冷却加熱部を流下させた後、再生モードにある吸着材ユニットに通じることを特徴とする超高純度空気の調製装置が提供される。
〔2〕また、本発明の方法によれば、〔1〕において、前記加湿冷却装置は、処理空気導入口における処理空気の流速乃至流量、温度及び関係湿度を計測する計測手段、前記計測手段を用いて得られる計測値を入力して加湿断熱冷却によりその処理空気を水分で飽和させるに必要な加湿水量を演算させる演算手段、その処理空気が流れる管路中に設置してその流れと同方向に加湿水と空気とを噴出させる2流体ノズル、その2流体ノズルの下流に設置した冷却器、その冷却器の下流に設置した加温器並びに当該管路外に設置した加湿水槽と空気圧縮機と凝縮水槽と冷凍機ユニット、前記演算手段を用いて得られる演算値を変換した制御信号により作動する加湿水ポンプ及びそれらを接続する配管から構成された装置であって、純水乃至超純水を用いたことを特徴とする〔1〕記載の超高純度空気の調製方法が提供される。
また、本発明によれば、前置装置において、前記加湿冷却装置は、処理空気導入口における処理空気の流速乃至流量、温度及び関係湿度を計測する計測手段、前記計測手段を用いて得られる計測値を入力して加湿断熱冷却によりその処理空気を水分で飽和させるに必要な加湿水量を演算させる演算手段、その処理空気が流れる管路中に設置してその流れと同方向に加湿水と空気とを噴出させる2流体ノズル、その2流体ノズルの下流に設置した冷却器、その冷却器の下流に設置した加温器並びに当該管路外に設置した加湿水槽と空気圧縮機と凝縮水槽と冷凍機ユニット、前記演算手段を用いて得られる演算値を変換した制御信号により作動する加湿水ポンプ及びそれらを接続する配管から構成された装置であって、純水乃至超純水を用いたことを特徴とする超高純度空気の調製装置が提供される。
〔3〕また、本発明の方法によれば、〔1〕または〔2〕において、前記加湿冷却装置において処理空気に含まれる汚染物質である酸性分子状汚染物質及び又はシランカップリング剤やシリル化剤等の有機珪素化合物を2流体ノズルから噴出させた加湿水により捕集し、冷却器にて凝縮して除去することを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の超高純度空気の調製方法が提供される。
また、本発明によれば、前記装置において、前記加湿冷却装置において処理空気に含まれる汚染物質である酸性分子状汚染物質及び又はシランカップリング剤やシリル化剤等の有機珪素化合物を2流体ノズルから噴出させた加湿水により捕集し、冷却器にて凝縮して除去することを特徴とする超高純度空気の調製装置が提供される。

〔4〕また、本発明の方法によれば、〔1〕において、前記回分式温度スイング吸着装置は処理空気中の塩基性分子状汚染物質及び有機性分子状汚染物質及び又は酸性分子状汚染物質を吸着材で除去する吸着モードにある吸着材ユニットの系統と、並びに前記した塩基性、有機性及び又は酸性の分子状汚染物質を吸着した吸着材ユニットに、前記吸着モードにある吸着材ユニットを通過させた超高純度空気を分配器に通じて分岐した再生空気を流下させることにより冷却・加熱する再生モードにある吸着材ユニットの系統とを、並列に配置した(A)、(B)の2系統を備え、更に再生空気を冷却・加熱する再生空気冷却・加熱部、並びに、吸着モードと再生モードを交互に繰返す(A)系統と(B)系統の切換え手段である第1バルブ及び第2バルブを備えたことを特徴とする〔1〕記載の超高純度空気の調製方法が提供される。
また、本発明によれば、前記装置において、前記回分式温度スイング吸着装置は処理空気中の塩基性分子状汚染物質及び有機性分子状汚染物質及び又は酸性分子状汚染物質を吸着材で除去する吸着モードにある吸着材ユニットの系統と、並びに前記した塩基性、有機性及び又は酸性の分子状汚染物質を吸着した吸着材ユニットに、前記吸着モードにある吸着材ユニットを通過させた超高純度空気を分配器に通じて分岐した再生空気を流下させることにより冷却・加熱する再生モードにある吸着材ユニットの系統とを、並列に配置した(A)、(B)の2系統を備え、更に再生空気を冷却・加熱する再生空気冷却・加熱部、並びに、吸着モードと再生モードを交互に繰返す(A)系統と(B)系統の切換え手段である第1バルブ及び第2バルブを備えたことを特徴とする超高純度空気の調製装置が提供される。
〔5〕また、本発明の方法によれば、〔4〕において、前記吸着材ユニットは、第1層に有機性分子状汚染物質及び酸性分子状汚染物質を選択的に吸着する活性炭を含むものを用いた吸着材層a、第2層に塩基性分子状汚染物質を選択的に吸着する固体酸性物質を含むものを用いた吸着材層b及び第3層に有機性分子状汚染物質及びNOx、SOxを含む酸性分子状汚染物質を選択的に吸着する活性炭を含むものを用いた吸着材層cから構成されていることを特徴とする〔4〕記載の超高純度空気の調製方法が提供される。
このように、本発明で用いる吸着材ユニットは、第1層として有機性分子状汚染物質及び酸性分子状汚染物質を選択的に吸着する活性炭と固体塩基性物質を含むものを用いた吸着材層aを、第2層として塩基性分子状汚染物質を選択的に吸着する固体酸性物質を含むものを用いた吸着材層bを、及び第3層として有機性分子状汚染物質を選択的に吸着する活性炭を含むものを用いた吸着材層cから構成されているが、本発明においては上記a、b、c以外にゼオライト、シリカゲル、活性炭、活性炭繊維、イオン交換樹脂(カチオン、アニオン)等の公知の吸着剤も使用可能である。
また、本発明によれば、前記装置において、前記吸着材ユニットは、第1層に有機性分子状汚染物質及び酸性分子状汚染物質を選択的に吸着する活性炭を含むものを用いた吸着材層a、第2層に塩基性分子状汚染物質を選択的に吸着する固体酸性物質を含むものを用いた吸着材層b及び第3層に有機性分子状汚染物質及びNOx、SOxを含む酸性分子状汚染物質を選択的に吸着する活性炭を含むものを用いた吸着材層cから構成されていることを特徴とする超高純度空気の調製装置が提供される。
〔6〕また、本発明の方法によれば、〔4〕において、前記分配器は、前記吸着材ユニットを流下させた超高純度空気を供給空気と再生空気とに所定流量比で分岐するものであって、前記吸着材ユニットと前記第2バルブとの間に設置したことを特徴とする〔4〕記載の超高純度空気の調製方法が提供される。
また、本発明によれば、前記装置において、前記分配器は、前記吸着材ユニットを流下させた超高純度空気を供給空気と再生空気とに所定流量比で分岐するものであって、前記吸着材ユニットと前記第2バルブとの間に設置したことを特徴とする超高純度空気の調製装置が提供される。
〔7〕また、本発明の方法によれば、〔4〕において、前記第1バルブ及び第2バルブは内部が枠型仕切板により4つの小室に区画されており板状回動弁体の回動によって各小室の開放と閉鎖を繰返して、前記(A)系統と(B)系統を切換える4ポート自動切換えバルブであることを特徴とする〔4〕記載の超高純度空気の調製方法が提供される。
また、本発明によれば、前記装置において、前記第1バルブ及び第2バルブは内部が枠型仕切板により4つの小室に区画されており板状回動弁体の回動によって各小室の開放と閉鎖を繰返して、前記(A)系統と(B)系統を切換える4ポート自動切換えバルブであることを特徴とする超高純度空気の調製装置が提供される。
〔8〕また、本発明の方法によれば、〔4〕において、前記調温調湿装置は、超高純度空気送出口における供給空気の流速乃至流量、静圧、温度及び関係湿度、並びに、超高純度調温調湿空気供給口における超高純度調温調湿空気の流速乃至流量、静圧、温度、関係湿度及び環境の全圧力(大気圧)を計測する計測手段、前記計測手段を用いて得られる計測値を入力して必要な加湿水量を演算させる演算手段、15〜30℃の範囲で制御する調温器、その演算値を変換した制御信号により作動する調湿水ポンプ及びその水量を全量水蒸気とするミニボイラを備える関係湿度35〜50%の範囲で制御する調湿器、純水乃至超純水を調湿水取入口から取入れて貯留する調湿タンクから構成されていることを特徴とする〔1〕記載の超高純度空気の調製方法が提供される。
また、本発明によれば、前記装置において、前記調温調湿装置は、超高純度空気送出口における供給空気の流速乃至流量、静圧、温度及び関係湿度、並びに、超高純度調温調湿空気供給口における超高純度調温調湿空気の流速乃至流量、静圧、温度、関係湿度及び環境の全圧力(大気圧)を計測する計測手段、前記計測手段を用いて得られる計測値を入力して必要な加湿水量を演算させる演算手段、15〜30℃の範囲で制御する調温器、その演算値を変換した制御信号により作動する調湿水ポンプ及びその水量を全量水蒸気とするミニボイラを備える関係湿度35〜50%の範囲で制御する調湿器、純水乃至超純水を調湿水取入口から取入れて貯留する調湿タンクから構成されていることを特徴とする超高純度空気の調製装置が提供される。
本発明のクリーンルーム排気を超高純度空気に調製する方法は、ケミカルフィルタを使用せずに、処理空気中の分子状汚染物質であるアンモニアは0.05ppb以下、窒素酸化物(NOx)は0.1ppb以下、硫黄酸化物(SOx)は0.1ppb以下、塩素イオン(Cl-)及び弗素イオン(F-)は0.1ppb以下、アミン類及び有機珪素化合物を含む各種有機物をヘキサデカン換算で2ppb以下まで長期に亘り連続安定に除去できる。したがって、産業廃棄物の大幅削減と云う環境改善に貢献することができる。
又、本発明の方法は、ミカルフィルタを使用しないため、寿命となったケミカルフィルタを新品と取替えるという大懸りな作業が無用となり、クリーンルーム内に設置されている装置の操業を停止させる必要もなく、又、特許文献5記載のケミカルフィルタを薬剤水溶液によって再生する際に不可避である長時間に亘る莫大な乾燥エネルギは無用となり、汚染されたクリーン作業空間を超高純度空気の雰囲気下に回復させるために要していたクリーンアップエネルギも無用となるという製品の製造コストに占める変動費を低減させる経済効果をもたらすことができる。
又、本発明の方法は、ケミカルフィルタを使用しないため、予備のクリーン作業空間即ち予備のクリーンルーム等は無用となり、アンモニアをはじめとする分子状汚染物質をモニタする必要はなくなり、モニタ装置と要員が不要となるという製品の製造コストに占める固定費を低減させる大きな経済的効果をもたらすことができる。
さらに、本発明のクリーンルーム排気を超高純度空気に調製する方法は、半永久的に連続安定して調温調湿した超高純度空気が供給できるので操業度の向上と製品の歩留まり向上に寄与することができる。したがって、製品の製造コストの大幅低減に貢献することができる。加えて、クリーン作業空間からの排気を処理空気として取入れて粒子状汚染物質と分子状汚染物質の除去を行い、調温調湿を行って、そのクリーン作業空間に循環供給するから、その供給量と同量のクリーン作業空間内の空気を系外へ排出した1パス使い捨て方式に要した莫大なエネルギに比べ本発明のクリーンルーム等のクリーン作業空間向けの調温調湿エネルギは格段に削減できる。
本発明の方法は、クリーン作業空間からの排気中に混在している塩基性、有機性、酸性の分子状汚染物質のうちCl-、F-、極く稀にH2S等の酸性分子状汚染物質、及びシランカップリング剤やシリル化剤などの有機珪素化合物、及びクリーン作業空間構造部材や収容されている装置機器の部材から発生する有機珪素化合物は、処理空気を水分で飽和させるに必要な加湿水量の1.0〜1.2倍の加湿水と圧縮空気を噴出させる2流体ノズルを用いて20μm以下の多数の霧滴を発生させ、霧滴と衝突させて水の溶解性乃至水との反応性を利用して捕集する。霧滴を発生させることによって処理空気は断熱冷却され、水分の過飽和状態が実現できる。次いで冷却器に通じて凝縮させる方法により高効率で連続安定に除去できる。
本発明の方法においては、霧滴によって捕集されなかったアンモニア、アミン類、各種の有機物、NOx、SOx等は本発明の回分式TSA装置において連続安定に除去される。
又、本発明の方法においては、循環空気ダクト55(図1)に高性能フィルタ(1)75(図1及び図4)を設置したのに加え、クリーン作業空間からの排気を処理空気としたから、粒子状汚染物質の濃度は既に極めて低減されており一旦取付けた高性能フィルタ(2)53(図1)は長期に亘り連続して安定に使用できる。さらに、たとえ高性能フィルタ(1)75や除塵フィルタ(1)54(図1)を取替えるとしてもクリーン作業空間内の操業を停止する必要はない。
本発明の方法によれば、使用する吸着材は、従来から知られている薬液を担持した吸着材やイオン交換樹脂と異なり、清浄な加熱空気と接触させることにより、既に吸着されている汚染物質を脱着して再生することが出来る。
また、これは繰返し再生使用可能であって、且つ、塩基性分子状汚染物質を高選択率で吸着する固体酸層と有機性分子状汚染物質及び酸性分子状汚染物質を高選択率で吸着する活性炭層と固体塩基性物質を含有する吸着材層をその固体酸層の上流側に、さらに、有機性分子状汚染物質を高選択率で吸着する活性炭層をその固体酸層の下流側に設けた3層からなる吸着材ユニットを用いたから、塩基性汚染物質であるアンモニアは0.05ppb以下、窒素酸化物(NOx)は0.1ppb以下、硫黄酸化物(SOx)は0.1ppb以下、塩素イオン(Cl-)は0.01ppb以下、アミン類を含む有機性分子状汚染物質はヘキサデカン換算で2ppb以下まで長期に亘り連続安定に除去できる。
従来の酸性汚染物質吸着材の場合、活性炭が元来持っている有機物の吸着能は塩基性物質の含浸により消失する。しかしながら、固体酸性物質は活性炭の有機物質の吸着能を阻害しないので、両者を混合使用しても、固体塩基性物質による酸性汚染物質の除去と活性炭による有機物の除去とが同時に可能となる。
又、本発明の方法においては、ケミカルフィルタ(C)を使用した場合に発生していた分子量の大きな有機性分子状汚染物質が脈動的に流入した際に、先に吸着していた分子量がそれより小さい有機性分子状汚染物質を追い出す現象は、本発明においては吸着材層cを設けたことによって吸着容量を増加させたことに加え、その処理空気と再生空気を用いる吸着/再生試験を行って吸着容量に余裕のある状態にあることを事前に確認した上で吸着モードから再生モードへ、さらに、再生モードから吸着モードへの切換えサイクル時間を設定しているから、本発明においては発生しない。
本発明における回分式TSA装置は、吸着材ユニットを並列に(A)、(B)2系統と再生機能を備えているから、(A)系統と(B)系統を交互に吸着モードと再生モードを繰返し切換えることによって半永久的に連続して安定にクリーンルーム排気を超高純度空気に調製することが可能である。
本発明における吸着材ユニットに流入する処理空気中には、活性炭及び固体酸の吸着サイトを失活させる有機珪素化合物は微量であるから、吸着材ユニットは長期に亘って連続して安定に塩基性分子状汚染物質及び有機性分子状汚染物質を吸着・除去する性能を有する。
本発明における回分式TSA装置で用いる再生空気は、吸着モードにある吸着材ユニットを通過した超高純度空気を分岐して、しかも200〜250℃に加熱しているから、脱離後に吸着材に残留しているアンモニアに対する吸着平衡分圧は0.05ppb以下、窒素酸化物(NOx)に対する平衡分圧は0.1ppb以下、硫黄酸化物(SOx)に対する吸着平衡分圧は0.1ppb以下、塩素イオン(Cl-)に対する吸着平衡分圧は0.01ppb以下、アミン類を含む有機性分子状汚染物質に対する吸着平衡分圧は2ppb以下に相当するレベルとなる。
本発明における回分式TSA装置は4ポート自動切換えバルブである第1バルブと第2バルブを備えているから、吸着モードと再生モードを交互に切換える際、クリーン作業空間への流れは断続することがなく、圧力変動は発生しない。したがって、超高純度空気と再生空気の流量比を1:1とするときは流量変動は発生しない。
又、本発明における回分式TSA装置は、ダクトの複雑な引きまわしがないから、装置がコンパクトになり、しかも、ダクトとバルブの間に滞留・淀み箇所が生じないから、吸着モードと再生モードの切換え時においても、定常時においても超高純度空気中の分子状汚染物質濃度が増加したり、変動することはなく安定している。
本発明における回分式TSA装置は、吸着材ユニットを並列に(A)、(B)2系統と再生機構を備えているから、(A)系統と(B)系統を交互に吸着モードと再生モードを繰返し切換えることによって長期に亘って連続して安定にクリーンルーム排気を超高純度空気に調製できる。
又、本発明における加湿冷却装置、回分式TSA装置及び調温調湿装置に通じて得られる超高純度空気は非特許文献1に記載の厳しい不純物要求値以下まで除去でき、しかも高圧ガス設備を用いない、圧縮エネルギを必要としない低コスト、省エネ且つ大量の排気を超高純度とする全く新規な調製方法である。
本発明における調温調湿装置は、供給空気の流速乃至流量、静圧、温度及び関係湿度、並びに超高純度調温調湿空気の流速乃至流量、静圧、温度及び関係湿度、環境の全圧力(大気圧)を計測する計測手段と、その計測手段を用いて得られる計測値を入力してクリーン作業空間で要求される温度と関係湿度に調整するに必要な調温熱量、必要な調湿水量、必要な調湿熱量を算出させられる演算手段を備え、それらの演算値を変換した制御信号により作動する調温器、調湿水ポンプ、ミニボイラを備えているから、大気圧の変動にも追随して無駄なエネルギ消費を抑制しつつ、精度よく調温調湿できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は、クリーン作業空間50からの排気を処理空気として処理空気導入口1から取入れて、処理空気中の粒子状汚染物質及び分子状汚染物質の除去と調温調湿を行って、超高純度調温調湿空気供給口2から超高純度調温調湿空気をクリーン作業空間50に供給する本発明の実施形態の構成図である。
この図1において、処理空気導入口1と超高純度調温調湿空気供給口2の間には、処理空気が流下する順に高性能フィルタ(1)75、加湿冷却装置70、回分式TSA装置10、調温調湿装置30が配置されている。
さらに、加湿冷却装置70の構成を図2に示した。加湿冷却装置においては、処理空気の加湿冷却を行う。同図において、屋内空気流入口71から流入させた屋内空気、又は必要に応じ外気を、除塵フィルタ(1)72に通じて除塵した後、空気圧縮機73により加圧した空気と、半導体製造に適合する純水乃至超純水を加湿水として加湿水取入れ口74から取入れて、加湿水槽83に貯留させ、加湿水ポンプ82により加圧した加湿水とを、処理空気導入口1から導入して、高性能フィルタ(1)75を通過させた処理空気が流れる管路中に設置した2流体ノズル81から処理空気流と同方向に噴出させ、当該加湿水を微粒化させる。本実施の形態においては、加湿水は、体面積平均径20μm以下の霧滴となる様に操作する。
このとき、処理空気導入口1における流速乃至流量と処理空気の温度と関係湿度とを計測手段によって計測して、その計測値を入力して、処理空気を加湿断熱冷却により飽和させるに必要な加湿水量の1.0〜1.2倍量の水量を演算手段によって求め、その演算値を変換した制御信号によって作動させる加湿水ポンプ82を用いて、自動的に送水できるように設備する。2流体ノズル81から霧滴を噴出させて加湿した途端に処理空気は断熱冷却されるから、処理空気導入口1における温度以下に低下して飽和状態の温度になる。そして処理空気中の水分は過飽和状態にあるから、過飽和状態にある霧滴は消滅しないで処理空気流に随伴して、管路中に設置した冷却器85まで到達する。
本発明の加湿冷却装置70において使用する加湿水には、最低限純水を用いるが、半導体製造の分野では超純水が必要とされ、不純物含有量がppbオーダ又はそれ以下が必要となる場合もある。水質もその分野に要求される水質を選ぶことになる。半導体製造では、集積度に応じて抵抗率に直接関係する電解質以外に微粒子、生菌、有機炭素、シリカ等を十分除去した純度の高い超純水を使用する。なお、後述する調温調湿装置30(図1又は図4)で使用する調湿水の水質も加湿水のそれと同様である。
本発明の実施の形態においては、加湿断熱冷却により処理空気を水分で飽和させるに必要な水量の1.0〜1.2倍を用いて霧滴を発生させるから、不飽和条件の水量による霧滴数よりは、はるかに多数の霧滴を発生させ、しかも、霧滴発生時点の不飽和から飽和するまでに霧滴から水が蒸発するから霧滴径は減少する。したがって、個々の霧滴は、不飽和条件の時よりも大きな比表面積を保有することになり、霧滴全数の表面積は莫大となる。したがって、当該多数の霧滴は、2流体ノズル81と冷却器85までの間で、処理空気中の汚染物質の分子と衝突して、それを当該霧滴の中へ取り込み、効率よく捕集できる状態が実現できる。特に、水に溶解するアンモニア、Cl-、F-、H2S、有機珪素化合物は衝突と共に霧滴中に溶解し、霧滴に溶解した状態で冷凍機ユニット84と接続されている冷却器21に到達する。
冷却器85に到達した霧滴と過飽和状態の処理空気は、さらに冷却されて4〜17℃の範囲から選ばれた設定温度となる。このため、冷却器85に到達した霧滴と処理空気中の水分の過飽和分は凝縮して凝縮水となって凝縮水槽80に貯留される。
このときアンモニアは水よりは、揮発性が高い(アンモニアの沸点:−33℃、水の沸点:100℃)ため、水が凝縮してアンモニアが気化する精留効果が起こり、アンモニアは処理空気と共に冷却器85を通過して、加温器86に到達する。それゆえ、アンモニアの冷却器85での除去率は、Cl-、F-、H2S、有機珪素化合物のそれと比べると低い。又、水に不溶性の有機物は、アンモニアと同様に加温器31に到達する。
水が冷却器85において凝縮する際にも、アンモニア、Cl-、F-、H2S、シランカップリング剤、シリル化剤等の有機珪素化合物は水に捕集されて凝縮水槽80に貯留される。したがってアンモニア、有機珪素化合物は霧滴によって捕集された分と合わせて凝縮水槽80に貯留される。
このうちアンモニアは、前述の通り精留効果によって気化(揮発)する。一方、Cl-、F-、H2S、有機珪素化合物は凝縮水中に溶解した状態にある。しかしながら、シランカプリング剤としてヘキサメチレンジシラザン(HMDS)を用いた場合は加水分解を受けて、アンモニアとトリメチルシラノール(TMS)又はアンモニアとメタンとシリカに分解される。他方のTMSも凝縮水槽中で加水分解を受けてメタンとシリカに分解される。加水分解反応は冷却器85の伝熱表面でも進行する。
このようにHMDS、TMSに限らず有機珪素化合物は加水分解によりシリカを生成するから、本発明の清浄化装置を長期に亘って操業させた場合、シリカはスケールとなって冷却器85の伝熱表面や凝縮水槽80の内面に付着して、伝熱速度を低下させたり、凝縮水の排出口を閉塞させるゆえ、本発明の実施ではそれらの箇所を例えばフッ素樹脂コーティングすることによりスケール付着を防御することが好ましい。同時に、それらの箇所のフッ素樹脂コーティングは捕集・除去するCl-、F-、H2Sによる金属腐食も防御できる。
冷却器85を流出する処理空気は、4〜17℃の範囲から選ばれた設定温度を露点とする水分で飽和されており、又、いくらかミストを含有している。次の加温器86に当該処理空気を流入させて昇温することによりミストを消滅させる。一般的に吸着材の性能は低温程向上するから、加温器86では処理空気の温度を大幅に上昇させる必要はなく、このようにミストを消滅させる程度で昇温させればよい。それゆえ、温度上昇分として1〜5℃の範囲となる様に本発明では選定することが好ましい。
加温器86を流出した処理空気は、処理空気送風機87で分配器を備える回分式TSA装置10を通過するに必要な圧力まで昇圧して、処理空気取入れ口88に流す。次いで、処理空気は図3に示す回分式TSA装置10の第1バルブ12を経て、吸着モードにある(A)系統の吸着材ユニット(A)13Aに流入させる。
吸着材ユニット(A)13Aで分子状汚染物質を吸着除去した後の処理空気は、超高純度空気となり、分配器(A)14Aに流入させる。分配器(A)により超高純度空気の一部を分岐せしめ、これを再生空気として使用する。再生空気とは、吸着モードが終了した吸着材ユニットに加熱空気(再生空気)を送って吸着した不純物を脱離させる工程(再生工程)に使用する空気である。
図3に示すように分配器14は、吸着材ユニット13と第2バルブ15の管路中に設置されており、分配器(A)14Aにおいて、吸着モードが(A)系統の場合は、再生モードは(B)系統となるから、(A)系統から第2バルブ15を通って超高純度空気送出口16へ流れる供給空気と再生空気加熱部28を経て第2バルブ15から(B)系統へ流れる再生空気を1:1から1:0.05の範囲の所定流量比に分岐され分配される。なお、分配器を使用しないで、直接再生用空気導入ファンに大気を導入してもよい。
分配器(A)14Aを通過した供給空気は、超高純度空気ダクト(A)18A内を流れて第2バルブ15を経て超高純度空気送出ダクト19を流れて超高純度空気送出口16に流入する。一方の再生空気は再生空気加熱部28に流入して再生空気3方弁20から再生空気送風機22に流入して昇圧され、再生空気予熱器24と再生空気加熱器25を流下して第2バルブ15を経て分配器(B)14Bを通過して吸着材ユニット(B)13Bに流入する。
(吸着材ユニットa、b、c)
本発明において、吸着材ユニット(A)13A、吸着材ユニット(B)13Bは各々a〜cの3層の吸着材層が直列に配列され一体化されている。
第1層は有機性物質及び酸性物質を選択的に吸着する活性炭と固体塩基性物質を含有し、通気時に圧力損失が僅少になるようにハニカム状、コルゲート状又はプリーツ状に加工して、更に焼成した成型物を積層した吸着材層aよりなる。活性炭としては活性コークス、グラファイト、カーボン、活性炭素繊維等が挙げられ、固体塩基性物質としては酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、セピオライト、アルミナ、ゼオライト等が使用可能である。
第2層は塩基性物質を選択的に吸着する固体酸性物質であるチタンと珪素等の複合酸化物さらには酸化バナジウム等を含有し通気時に圧力損失が僅少になるようにハニカム状、コルゲート状又はプリーツ状に加工して、更に焼成して調製した成形物を積層した吸着材層bよりなる。
又、第3層は有機性物質を主に吸着する活性炭を含有し、通気時に圧力損失が僅少になるようにハニカム状、コルゲート状又はプリーツ状に加工して、更に焼成して調製した成形物を積層した吸着材層cよりなる。
吸着材ユニット(A)13Aに流入した処理空気からは、吸着材層aを通過する間において、比較的分子量の大きな有機性分子状汚染物質と環境大気に由来するCl-、NOx、SOxの酸性分子状汚染物質が除去される。次いで吸着材層bを通過する間において、アンモニア並びに塩基性且つ有機性の分子状汚染物質であるアミン類が除去され、さらに吸着材層cを通過するにおいて、吸着材層aで吸着除去されないで、なお処理空気中に残存している有機性分子状汚染物質や酸性分子状汚染物質及び吸着材層bで吸着除去されなかったアミン類が除去される。
吸着材ユニット(A)13Aから流出した処理空気は、アンモニアは0.05ppb以下、窒素酸化物(NOx)は0.1ppb以下、硫黄酸化物(SOx)は0.1ppb以下、塩素イオン(Cl-)は0.1ppb以下、アミン類を含む有機性分子状汚染物質はヘキサデカン換算で2ppb以下まで除去された超高純度空気となる。特に第3層で、有機性分子状汚染物質、酸性分子状汚染物質を選択的に除去するため、活性炭と固体塩基性物質を含む吸着材aと同様に構成すれば、第1層で除去されなかった低分子の窒素酸化物であるNOxも確実に除去される。
次に本発明においては、超高純度空気を、超高純度空気送出口16から図1又は図4の調温調湿装置30に流入させて、当該超高純度空気の温度、湿度の条件がクリーン作業空間50の要求条件を満たすように調整する。
即ち、図4の調温器33に流入させて温度調整する。調温器33は15〜30℃の範囲にある設定温度に精度よく制御して調整することができ、通常は23±0.1℃に調整される。さらに、図4の調湿器34に流入させて、湿度調整される。調湿器34は関係湿度35〜50%の範囲にある設定関係湿度に精度よく制御して調整することができ、通常は40±0.5%に調整される。本実施の形態においては調湿器34は、僅かな湿度変動に対応できるように必要水量を入力信号として作動させる調湿水ポンプ37とその水量を全量水蒸気とするミニボイラ36を備えており、必要な水分量を蒸発させ、水蒸気の状態で調湿する。又、半導体製造に適合する純水乃至超純水を調湿水取入れ口3から取入れて、調湿水タンク38に貯留した後、使用する。
従来の調温調湿装置においては、環境の全圧(通常、大気圧)は天候や季節の変化のいかんに関わらず、又、海抜600mの位置にこの装置が設置されていても、標準大気圧であるとして関係湿度を制御する方法によって調湿が行われている。そのため、大気圧の変動に伴う必要エネルギ量の変動と絶対湿度の変動には追随できていない。それゆえ、関係湿度は一定であっても絶対湿度は変動している。本発明が対象とする超クリーン作業空間内の加工作業には、関係湿度よりもむしろ絶対湿度を一定にした清浄化調温調湿空気を供給する必要があるから、本実施の態様においては前記した調温調湿装置を適用する。
すなわち、クリーン作業空間で要求される温度を関係湿度に調整するために、図4に示すように、超高純度空気送出口16における供給空気の流速、静圧、温度及び関係湿度、超高純度調温調湿空気供給口2における流速、静圧、温度及び関係湿度並びに環境の全圧を計測する計測手段である流速センサ(1)41、静圧センサ(1)42、温度センサ(1)43、関係湿度センサ(1)44、流速センサ(2)45、静圧センサ(2)46、温度センサ(2)47、関係湿度センサ(2)48、大気圧(全圧)センサ49を設置し、得られる計測値を入力して必要な調温熱量、必要な調湿水量、必要な調湿熱量を演算させる演算手段40、その加湿水量の演算値を変換した制御信号により作動する調湿水ポンプ37及びその水量を全量蒸発させるミニボイラ36を備えた調温調湿装置である。
図4に示した調温調湿装置30で、温度及び湿度の調整を行った超高純度調温調湿空気は超高純度調温調湿空気送風機35で昇圧して、図1又は図4に示す超高純度調温調湿空気供給口2に送気して、クリーン作業空間50に供給する。
なお、図1に示す様に、通常、超高純度調湿調温空気吹き出し口56付近には、清浄度クラスを最終調節する高性能フィルタ(2)53が設置されており、又、空気取入れ口(1)57付近には除塵フィルタ(2)54、取入れ空気ファン(1)58、さらに、クリーン作業空間50からの排気を一連の処理装置70、10、30へ循環させるための循環送風機51、循環空気ダクト55が設置されている。
本発明における回分式TSA装置で用いられる第1バルブと第2バルブとしては、本発明の出願人が、特開2006−300394号において、すでに詳細に記載している4ポート自動切換えバルブを使用することが望ましい。以下、その内容を、図7−8を用いて説明する。
本発明の実施の態様において使用する4ポート自動切換えバルブ90は、基本的に、内部に空間を有する筐体部91、当該空間部を4つの小室に区画する開口部92を有する枠形仕切板93、当該枠形仕切板93の開口部92を開放又は閉鎖する板状回動弁体94並びに当該4つの小室に区画されて存在する気体を常に流入させる流入ポートL1、流体の流入と流出を交互に行う流入/出ポート(1)L2、気体を常に流出させる流出ポートL3及び気体の流入と流出を交互に行う流入/出ポート(2)L4並びに前記板状回動弁体94を回転軸95周りに回動させる駆動手段96を備えるものである。
なお、前記筐体部91を構成する部材、及び前記枠形仕切板93、前記回転軸95、前記板状回動弁体94は断熱機能を備えることが好ましく、且つ、いずれも同形状、同サイズ又は同機能を有する4ポート自動切換えバルブであることが望ましい。又、(A)系統と(B)系統の吸着モード、再生モードの切換えは第1バルブと第2バルブを同時に作動させることによって行う。
ここで本発明の実施の態様において、回分式TSA装置の再生操作について、図3を用いて説明する。前述したとおり、図3に示した分配器(A)14Aにおいて、吸着モードが(A)系統の場合は、再生モードは(B)系統となるから、(A)系統から第2バルブ15を通って超高純度空気送出口16へ流れる供給空気と再生空気加熱部28を経て第2バルブ15から(B)系統へ流れる再生空気を1:1から1:0.05の範囲の流量比で清浄空気と再生空気に分配される。
再生モードは、加熱時間帯と冷却時間帯とから構成される。再生モードが加熱時間帯で有る場合において、図3の分配器(A)14Aで分岐された再生空気は、再生空気3方弁20を経て再生空気送風機22で昇圧されて再生空気予熱器24に流入して高温の再生空気のもつ廃熱を回収する。それによって、再生空気自身は常温から150〜200℃まで予熱昇温される。次いで再生空気は再生空気加熱器25に流入して200〜250℃に加熱されて流出して第2バルブ15から超高純度空気ダクト(B)18Bと分配器(B)14Bを経て吸着材ユニット(B)13Bに流入する。
200〜250℃に加熱された再生空気が、吸着材ユニット(B)13Bに流入することによって吸着材は加熱され、前回のサイクルにおいて(B)系統が吸着モードのとき常温状態おいて吸着材に吸着されていたアンモニアが脱離され、高温状態の再生空気の気流中に混入する。この際、アンモニア、TMA、TEA、NMP等のアミン類は、固体酸性物質を含むものからなる吸着材層bに、PGMEA、EGMBE、MIBK、シンナ類等と一部のTMA、TEA、NMPとCl-、NOx、SOxは活性炭を含むものからなる吸着材層a及びcに、それぞれ吸着されていたものが加熱により脱離される。
本発明において用いる再生空気中のアンモニア、アミン類、その他の有機物、NOx、SOx、Cl-等の濃度は、分配器(A)14Aから分岐したから超高純度空気中のそれらと同等である。しかも、これを高温に加熱して脱離に用いるから、それぞれの吸着平衡分圧は常温時の吸着平衡分圧より格段に低下させることができる。又、200〜250℃に加熱したから、熱膨張により再生空気の体積流量は常温の清浄空気のそれの0.64倍から1.77倍となり、被吸着物質の脱離に必要な熱エネルギはもとより吸着材層中を流れる再生空気量として充分な流速を与えることができる。このようにして、本発明の脱離条件によって、吸着材層中の分子状汚染物質は徹底的に脱離されて吸着材ユニットから排出される。それゆえ、吸着材ユニット(B)13Bが吸着モードになったときは、処理空気中のアンモニアは0.05ppb以下、窒素酸化物(NOx)は0.1ppb以下、硫黄酸化物(SOx)は0.1ppb以下、塩素イオン(Cl-)は0.1ppb以下、アミン類を含む有機性分子状汚染物質はヘキサデカン換算で2ppb以下となる超高純度空気に繰返し調製できる。
吸着材ユニット(B)13Bを流出した再生空気は、第1バルブ12を経て再生空気予熱器24で60〜70℃まで冷却されると同時に常温の再生空気を予熱する熱交換が行われて再生空気排出口27から系外に排出される。通常は、再生空気排出口27は集合排ガス処理装置(図示せず)に接続され、処理される。
次に、再生モードが冷却時間帯となったとき、再生空気送風機22で昇圧された再生空気は、再生空気予熱器24と再生空気加熱器25を流れて第2バルブ15から超高純度空気ダクト(B)18Bと分配器(B)14Bを経由して吸着材ユニット(B)13Bに流入する。再生モードが冷却時間帯である場合においては、再生空気加熱器25には通電しないから、流入した再生空気は常温のまま吸着材ユニット(B)13B、第1バルブ12、再生空気予熱器24、再生空気排出口27を流れる。
当然のことながら、加熱時間帯から冷却時間帯に切替わった時点においては、常温の再生空気は、再生空気予熱器24、再生空気加熱器25、第2バルブ15、超高純度空気ダクト18B、分配器(B)14B、吸着材ユニット(B)13B、再生空気予熱器24、再生空気排出口27を冷却しながら流れる。
吸着モードにある(A)系統が再生モードに切替った時点は、加熱時間帯となり、再生空気加熱器25に通電されるから、再生空気は、超高純度空気ダクト(A)18A、 分配器(A)14A、吸着材ユニット(A)13A、再生空気予熱器24、再生空気排出口27を、加熱しながら流れる。
吸着モードが(B)系統となった時、再生モードは(A)系統となるから、処理空気は第1バルブ12、吸着材ユニット(B)13Bを流れて超高純度空気となり、分配器(B)14B、第2バルブ15、超高純度空気送出口16の順に流れ、分配器(B)14Bで分岐された再生空気は、再生空気3方弁20、再生空気送風機22、再生空気予熱器24、再生空気加熱器25、第2バルブ15、超高純度空気ダクト(A)18A、吸着材ユニット(A)13A、第1バルブ12、再生空気予熱器24、再生空気排出口27の順に流れ排出される。
前記分配器(A)と前記分配器(B)と前記第2バルブ、の各内面及び前記分配器(A)と前記第2バルブとを繋いでいる高純度ダクト(A)、前記分配器(B)と前記第2バルブとを繋いでいる高純度空気ダクト(B)、前記第2バルブから前記超高純度空気送出口までの高純度空気送出ダクトの各内面は、例えばフッ素樹脂コーティングすることが好ましい。また、図3における供給空気と再生空気が流れる分配器(A)14A、分配器(B)14B、第2バルブ15、超高純度空気ダクト(A)18A、超高純度空気ダクト(B)18B、超高純度空気送出ダクト19、超高純度空気送出口16の内面をも、例えばフッ素樹脂でコーティングすることが望ましい。
このように、フッ素樹脂等でコーティングを施すことによって、アンモニアや有機物の金属表面への付着が防止できるから、イニシャルスタート時や操業休止後の再スタート時のクリーンアップ作業を行う際には、第1バルブ12と第2バルブ15の同時作動と再生空気送風機22と循環送風機51の作動を定常状態の条件から変更して、加熱した再生空気を第2バルブ15から超高純度空気ダクト(A)18を経て分配器(A)14Aに通じることによって、又、第2バルブ15から超高純度空気送出ダクト19を経て、超高純度空気送出口16に通じることによって、さらに又、第2バルブ15から超高純度空気ダクト(B)18を経て分配器(B)14Bに通じることによってクリーンアップできる。それゆえ、定常状態に入った時点では吸着材ユニットを流出した超高純度空気にアンモニア及び又は有機物の混入をなくすことができ、かつ、短時間でクリーンアップ作業が終了する。
本発明のクリーンルーム排気を超高純度空気に調製する方法は、ケミカルフィルタを使用せずに、処理空気中のアンモニア、硫黄酸化物(SOx)、アミン類を含む各種有機物を高純度空気に関する不純物要求値以下に長期に亘り連続安定に除去でき、又、窒素酸化物(NOx)、塩素イオン(Cl-)のいずれについても0.1ppb以下まで長期に亘り連続安定に除去できるので、産業廃棄物の大幅削減と云う環境改善に貢献することができる。
また、ケミカルフィルタを使用しないため、ケミカルフィルタを新品と取替えるという大懸りな作業が無用となり、半導体製造コストに占める変動費を低減させる大きな経済効果をもたらすことができるため、産業上の利用可能性は極めて大きい。
本発明の実施の態様における超高純度調温調湿空気調製装置の構成図である。 本発明における加湿冷却装置の説明図である。 本発明における回分式TSA装置の構成図である。 本発明における調温調湿装置の説明図である。 従来技術による超高純度調温調湿空気調製装置の説明図である。 従来技術による回分式TSA装置の説明図である。 4ポート自動切換えバルブの説明図である。 4ポート自動切換えバルブの説明図である。
符号の説明
1:処理空気導入口
2:超高純度調温調湿空気供給口
3:調湿水取入れ口
10:回分式温度スイング吸着装置
12:第1バルブ
13:吸着材ユニットA、B
14:分配器A、B
15:第2バルブ
16:超高純度空気送出口
18:超高純度空気ダクト
19:超高純度空気送出ダクト
20:再生空気3方弁
21:再生空気フィルタ
22:再生空気送風機
23:再生空気冷却器
24:再生空気予熱器
25:再生空気加熱器
26:再生空気導入口
27:再生空気排出口
28:再生空気加熱部
29:超高純度空気送出ダクト
30:調温調湿装置
33:調温器
34:調湿器
35:超高純度調温調湿空気送風機(1)
36:ミニボイラ
37:調湿ポンプ
38:調湿水タンク
40:演算手段
41:流速センサ(1)
42:静圧センサ(1)
43:温度センサ(1)
44:関係湿度センサ(1)
45:流速センサ(2)
46:静圧センサ(2)
47:温度センサ(2)
48:関係湿度センサ(2)
49:大気圧(全圧)センサ
50:クリーン作業空間
51:循環送風機
52:フィルタファン(1)
53:高性能フィルタ(2)
54:除塵フィルタ(2)
55:循環空気ダクト
56:超高純度調温調湿空気吹出し口
57:空気取入れ口(1)
58:取入れ空気ファン(1)
60:ケミカルフィルタユニット
61:ケミカルフィルタ(A1)
62:ケミカルフィルタ(B1)
63:ケミカルフィルタ(C1)
64:超高純度空気送風機
65:従来の調温調湿装置
66:高性能フィルタ(3)
67:従来の冷却除湿器
68:従来の調温器
69:従来の調湿器
70:加湿冷却装置
71:屋内空気流入口
72:除塵フィルタ(1)
73:空気圧縮機
74:加湿水取入れ口
75:高性能フィルタ(1)
80:凝縮水槽
81:2流体ノズル
82:加湿水ポンプ
83:加湿水水槽
84:冷凍機ユニット
85:冷却器
86:加温器
87:処理空気送風機
88:処理空気取入れ口
90:4ポート自動切換えバルブ
91:筐体部
92:開口部
93:枠形仕切板
94:板状回動弁体
95:回転軸
96:駆動手段
100:従来技術によるクリーン作業空間
101:超高純度調温調湿空気送風機(2)
102:除塵フィルタ(3)
103:循環空気送風機
104:循環空気ダクト
105:超高純度調温調湿空気吹出し口
107:空気取入れ口(2)
108:取入れ空気ファン(2)
110:ファンフィルタユニット(FFU)
111:ケミカルフィルタ(A2)
112:ケミカルフィルタ(B2)
113:ケミカルフィルタ(C2)
114:フィルタファン(2)
115:高性能フィルタ(4)
120:従来技術の回分式TSA装置
L1:流入ポート
L2:流入/出ポート(1)
L3:流出ポート
L4:流入/出ポート(2)
R1〜R4:小室
T1〜T8:分岐/合流点
V1〜V8:開閉弁

Claims (8)

  1. クリーン作業空間の排気を取入れて、処理空気とし、当該処理空気の清浄化と調温調湿を行って、前記クリーン作業空間に循環供給するにあたり、当該処理空気を加湿冷却装置に取入れて、次いで、回分式温度スイング吸着装置に通じた後、さらに、調温調湿装置に導入して、調温調湿と分子状汚染物質及び粒子状汚染物質の除去を実施すると共に、当該回分式温度スイング吸着装置の再生空気は、再生空気冷却加熱部を流下させた後、再生モードにある吸着材ユニットに通じることを特徴とする超高純度空気の調製方法。
  2. 前記加湿冷却装置は、処理空気導入口における処理空気の流速乃至流量、温度及び関係湿度を計測する計測手段、前記計測手段を用いて得られる計測値を入力して加湿断熱冷却によりその処理空気を水分で飽和させるに必要な加湿水量を演算させる演算手段、その処理空気が流れる管路中に設置してその流れと同方向に加湿水と空気とを噴出させる2流体ノズル、その2流体ノズルの下流に設置した冷却器、その冷却器の下流に設置した加温器並びに当該管路外に設置した加湿水槽と空気圧縮機と凝縮水槽と冷凍機ユニット、前記演算手段を用いて得られる演算値を変換した制御信号により作動する加湿水ポンプ及びそれらを接続する配管から構成された装置であって、純水乃至超純水を用いたことを特徴とする請求項1記載の超高純度空気の調製方法。
  3. 前記加湿冷却装置において処理空気に含まれる汚染物質である酸性分子状汚染物質及び又はシランカップリング剤やシリル化剤等の有機珪素化合物を2流体ノズルから噴出させた加湿水により捕集し、冷却器にて凝縮して除去することを特徴とする請求項1又は2記載の超高純度空気の調製方法。
  4. 前記回分式温度スイング吸着装置は処理空気中の塩基性分子状汚染物質及び有機性分子状汚染物質及び又は酸性分子状汚染物質を吸着材で除去する吸着モードにある吸着材ユニットの系統と、並びに前記した塩基性、有機性及び又は酸性の分子状汚染物質を吸着した吸着材ユニットに、前記吸着モードにある吸着材ユニットを通過させた超高純度空気を分配器に通じて分岐した再生空気を流下させることにより冷却・加熱する再生モードにある吸着材ユニットの系統とを、並列に配置した(A)、(B)の2系統を備え、更に再生空気を冷却・加熱する再生空気冷却・加熱部、並びに、吸着モードと再生モードを交互に繰返す(A)系統と(B)系統の切換え手段である第1バルブ及び第2バルブを備えたことを特徴とする請求項1記載の超高純度空気の調製方法。
  5. 前記吸着材ユニットは、第1層に有機性分子状汚染物質及び酸性分子状汚染物質を選択的に吸着する活性炭を含むものを用いた吸着材層a、第2層に塩基性分子状汚染物質を選択的に吸着する固体酸性物質を含むものを用いた吸着材層b及び第3層に有機性分子状汚染物質及びNOx、SOxを含む酸性分子状汚染物質を選択的に吸着する活性炭を含むものを用いた吸着材層cから構成されていることを特徴とする請求項4記載の超高純度空気の調製方法。
  6. 前記分配器は、前記吸着材ユニットを流下させた超高純度空気を供給空気と再生空気とに所定流量比で分岐するものであって、前記吸着材ユニットと前記第2バルブとの間に設置したことを特徴とする請求項4記載の超高純度空気の調製方法。
  7. 前記第1バルブ及び第2バルブは内部が枠型仕切板により4つの小室に区画されており板状回動弁体の回動によって各小室の開放と閉鎖を繰返して、前記(A)系統と(B)系統を切換える4ポート自動切換えバルブであることを特徴とする請求項4記載の超高純度空気の調製方法。
  8. 前記調温調湿装置は、超高純度空気送出口における供給空気の流速乃至流量、静圧、温度及び関係湿度、並びに、超高純度調温調湿空気供給口における超高純度調温調湿空気の流速乃至流量、静圧、温度、関係湿度及び環境の全圧力(大気圧)を計測する計測手段、前記計測手段を用いて得られる計測値を入力して必要な加湿水量を演算させる演算手段、15〜30℃の範囲で制御する調温器、その演算値を変換した制御信号により作動する調湿水ポンプ及びその水量を全量水蒸気とするミニボイラを備える関係湿度35〜50%の範囲で制御する調湿器、純水乃至超純水を調湿水取入口から取入れて貯留する調湿タンクから構成されていることを特徴とする請求項1記載の超高純度空気の調製方法。
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