JP2009138565A - 内燃機関の点火制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、火花点火式内燃機関の点火時期を調整することによりトルクダウンを図る内燃機関の点火制御システムにおいて、エネルギの可及的な有用を図りつつ内燃機関の発生トルクを目標値に近似させることができる技術の提供を課題とする。
【解決手段】本発明は、火花点火式内燃機関の発生トルクに相関する物理量が目標値と一致するように点火時期を制御する内燃機関の点火制御システムにおいて、前記物理量を目標値まで低下させるトルクダウン要求が発生した時に、内燃機関の燃焼安定性を確保可能な限りは点火時期をMBTより遅角させることによりトルクダウンを図り、内燃機関の燃焼安定性を確保しつつトルクダウンを図ることができない場合のみ点火時期をMBTより進角させてトルクダウンを図るようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、火花点火式内燃機関の点火制御システムに関する。
従来、内燃機関のトルクを低下させるトルクダウン条件が成立した時に、スロットル弁の開度を減少させるとともに点火時期をMBT(Minimum spark advance for Best Torque)より進角させる技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平5−302535号公報 特開2007−40259号公報 特許第2825164号公報 特開昭61−34358号公報
ところで、トルクダウン条件成立時に常に点火時期がMBTより進角されると、内燃機関の発生トルクや排気温度等に有用されないエネルギが多くなるという問題がある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、火花点火式内燃機関の点火時期を調整することによりトルクダウンを図る内燃機関の点火制御システムにおいて、エネルギの可及的な有用を図りつつ内燃機関の発生トルクを目標値に近似させることができる技術の提供にある。
本発明は、上記した課題を解決するために、火花点火式内燃機関の発生トルクに相関する物理量が目標値と一致するように点火時期を制御する内燃機関の点火制御システムにおいて、前記物理量を目標値まで低下させるトルクダウン要求が発生した時に、内燃機関の燃焼安定性を確保可能な限りは点火時期をMBTより遅角させることによりトルクダウンを図り、内燃機関の燃焼安定性を確保しつつトルクダウンを図ることができない場合のみ点火時期をMBTより進角させてトルクダウンを図るようにした。
点火時期がMBTより遅角される場合は、点火時期の遅角量が多くなるほど内燃機関の発生トルクが小さくなる傾向がある。ただし、点火時期が圧縮上死点(TDC)後へ大幅に遅角されると、燃焼安定性の低下による失火や排気温度の過剰な上昇を招く虞がある。このため、点火時期の制御ロジックには、遅角ガードが設定される。
従って、大幅なトルクダウン要求が発生した場合(実際の発生トルクと目標値との差が大きくなる場合)は、内燃機関の発生トルクを目標値まで低下させることができない可能性がある。
これに対し、点火時期がMBTより進角された場合は、混合気の燃焼によって発生するエネルギの一部が内燃機関を逆転させるように作用する。このため、比較的少ない進角量によって大幅なトルクダウンを図ることが可能である。また、点火時期がMBTより前へ進角される場合は筒内圧の上昇途中で点火が行われることになるため、点火時期がMBT後に遅角される場合に比して不完全燃焼が起こり難くなるとともに排気温度の上昇を招き難いという利点もある。
但し、内燃機関を逆転させるように作用するエネルギは、内燃機関の発生トルクや排気
温度に寄与しないため、内燃機関の運転効率の低下や燃料消費量の不要な増加を招くことになる。
そこで、本発明は、火花点火式内燃機関の発生トルクに相関する物理量が目標値と一致するように点火時期を制御する内燃機関の点火制御システムにおいて、
MBTより遅角側の範囲で前記目標値を達成し得る点火時期である第1点火時期を取得する第1取得手段と、
MBTより進角側の範囲で前記目標値を達成し得る点火時期である第2点火時期を取得する第2取得手段と、
前記第1点火時期が予め定められた遅角ガードより早い又は同等のタイミングである場合は前記第1点火時期を目標点火時期に定め、前記第1点火時期が前記遅角ガードより遅いタイミングである場合は前記第2点火時期を目標点火時期に定める制御手段と、
を備えるようにした。
かかる発明によれば、第1点火時期が遅角ガードより遅くなる場合に限り、第2点火時期が目標点火時期に設定されることになる。その結果、エネルギを可及的に有用しつつ内燃機関の発生トルクを目標値に近づけることが可能になる。
ところで、第1点火時期が目標点火時期としての条件(遅角ガードと同等若しくは遅角ガードより早いタイミングであること)を満たしていても、内燃機関の使用環境によっては燃焼安定性が低下してトルクや機関回転数の変動量が過大になる可能性がある。
これに対し、本発明にかかる内燃機関の点火制御システムは、第1点火時期が目標点火時期に設定された時に前記した物理量の変動量が許容量を超えると、目標点火時期を第1点火時期から第2点火時期へ変更するようにしてもよい。
かかる内燃機関の点火制御システムによれば、内燃機関の発生トルクを同等に保ちつつ燃焼安定性の低下をより確実に抑制することが可能となる。
一方、第2点火時期が目標点火時期に設定されている場合においても、内燃機関の使用環境等の影響により燃焼安定性が低下したり失火が発生したりする可能性がある。そこで、本発明の内燃機関の点火制御システムは、第2点火時期が目標点火時期に設定されている時に失火が検出されると、目標点火時期を第2点火時期からMBT以降の第3点火時期へ変更するようにしてもよい。
このように目標点火時期が設定されると、失火の継続的な発生が抑制されるため、内燃機関のストールを予防することができる。
尚、前記した第3点火時期は、第2点火時期が目標点火時期に設定された時に内燃機関が発生し得るトルクと極力近似したトルクを内燃機関が発生するように定められてもよい。このような条件を満たす第3点火時期としては、遅角ガードと同時期の点火時期を例示することができる。第3点火時期が遅角ガードと同時期に設定されると、内燃機関の発生トルクを過剰に増加させることなく燃焼安定性を向上させることができる。
本発明が有効に活用される場合としては、(1)機関回転数を目標機関回転数に収束させるための点火時期フィードバック制御において機関回転数が目標機関回転数を上回っている場合、或いは(2)内燃機関が搭載される車両の姿勢安定制御において駆動輪に伝達されるトルクを低下させる必要が生じた場合等を例示することができる。
上記した(1)の場合において、点火時期の遅角量が遅角ガードによって制限されると
、内燃機関の発生トルクが目標値まで低下しないため機関回転数を目標機関回転数まで低下させることができない可能性がある。また、上記した(2)の場合においても、点火時期の遅角量が遅角ガードによって制限されると、駆動輪に伝達されるトルクを所望のトルクまで低下させることができない可能性がある。
これらの場合に本発明が適用されると、点火時期の遅角量が遅角ガードによって制限される状況下においても点火時期をMBTより前へ進角させることにより内燃機関の発生トルクを目標値まで低下させることが可能になる。更に、目標値を達成し得る点火時期が遅角ガードより遅いタイミングとなる場合に限り点火時期がMBTより前へ進角されるため、燃焼エネルギの無用な消費を最小限に抑えることも可能である。
本発明において、内燃機関の発生トルクと相関する物理量としては、クランクシャフトの回転角加速度、膨張行程の気筒の筒内圧、或いは機関回転数などを例示することができる。
本発明によれば、火花点火式内燃機関の点火時期を調整することによりトルクダウンを図る内燃機関の点火制御システムにおいて、エネルギの可及的な有用を図りつつ内燃機関の発生トルクを目標値に近似させることが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
<実施例1>
先ず、本発明の第1の実施例について図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本発明にかかる内燃機関の点火制御システムの概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、複数の気筒2を有する4ストローク・サイクルの火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。
内燃機関1の各気筒2は、吸気ポート3を介して吸気通路30に接続されるとともに、排気ポート4を介して排気通路40に接続される。
吸気ポート3には、気筒2内へ向かって燃料を噴射する燃料噴射弁5が設けられる。吸気通路30には、該吸気通路30内を流通する空気量を制御するスロットル弁6が設けられる。
スロットル弁6より下流の吸気通路30には、該吸気通路30内の圧力(吸気圧)を測定する吸気圧センサ7が設けられる。スロットル弁6より上流の吸気通路30には、該吸気通路30を流れる空気量を測定するエアフローメータ8が設けられる。
排気通路40には、排気浄化装置9が配置される。排気浄化装置9は、三元触媒や吸蔵還元型NOx触媒等を具備し、所定の活性温度域にある時に排気を浄化する。
排気浄化装置9より下流の排気通路40には、該排気通路40内を流れる排気の空燃比と相関する信号を出力する空燃比センサ41が配置される。
また、内燃機関1には、気筒2内に臨む吸気ポート3の開口端を開閉する吸気弁10と、気筒2内に臨む排気ポート4の開口端を開閉する排気弁11が設けられる。これら吸気弁10と排気弁11は、吸気側カムシャフト12と排気側カムシャフト13によりそれぞ
れ開閉駆動される。
気筒2の上部には、該気筒2内の混合気に点火する点火プラグ14が配置される。気筒2内には、ピストン15が摺動自在に挿入される。ピストン15は、コネクティングロッド16を介してクランクシャフト17と接続される。
クランクシャフト17近傍の内燃機関1には、クランクシャフト17の回転角度を検出するクランクポジションセンサ18が配置される。更に、内燃機関1には、該内燃機関1を循環する冷却水の温度を測定する水温センサ19が取り付けられる。
このように構成された内燃機関1には、ECU20が併設される。ECU20は、CPU、ROM、RAM等を備えた電子制御ユニットである。ECU20は、前述した吸気圧センサ7、エアフローメータ8、クランクポジションセンサ18、水温センサ19、空燃比センサ41等の各種センサと電気的に接続され、各種センサの測定値を入力する。
ECU20は、前記した各種センサの測定値に基づいて燃料噴射弁5、スロットル弁6、及び点火プラグ14を電気的に制御する。
例えば、ECU20は、内燃機関1の発生トルクと相関する物理量が目標値と一致するように点火プラグ14の作動時期(点火時期)を制御する。このような制御が必要になる場合としては、機関回転数を目標機関回転数に収束させるための点火時期フィードバック制御の実行時や、内燃機関1を搭載した車両の姿勢安定制御の実行時などを例示することができる。以下では、点火時期フィードバック制御を例に挙げて点火時期の制御方法について説明する。
点火時期フィードバック制御は、例えば、内燃機関1の始動時に機関回転数の吹き上がりを防止することを目的として実行される。図2は、内燃機関1の始動時における機関回転数及び排気空燃比の測定結果を示す図である。
図2において、内燃機関1のクランキングが開始(図示しないスタータモータが起動)されると、機関回転数Neは所定のクランキング回転数Necrk(例えば、200rpm)で回転する。
内燃機関1のある気筒2において混合気が燃焼(初爆)すると、機関回転数Neはクランキング回転数から上昇し始める(図2中のt1)。その後、内燃機関1の全気筒2において混合気が燃焼(完爆)すると、機関回転数Neが目標機関回転数Netrgを超えて吹き上がる(図2中のt2)。
機関回転数Neが目標機関回転数Netrgを超えて吹き上がると、振動や騒音が増大する可能性がある。振動や騒音の増加は、機関回転数Neの吹き上がり量(機関回転数Neと目標機関回転数Netrgとの差)が増加するほど顕著になる傾向がある。
一方、排気の空燃比は、初爆が発生したタイミングt1に対して若干の遅れを伴って低下し始める。この遅れは、気筒2から排出されたガス(排気)が空燃比センサ41に到達するまでに時間(輸送遅れ)を要するためである。
内燃機関1が完爆すると、上記同様の理由による輸送遅れを伴って目標空燃比A/Ftrgに到達する。そして、機関回転数Neが目標機関回転数Netrgを超えて吹き上がると、吸気の流速増加やスロットル弁6下流の圧力低下によって吸気ポート3の内壁面や気筒2の内壁面等に付着していた未燃燃料が前記内壁面等から離脱する。前記内壁面等か
ら離脱した未燃燃料は、気筒2内で燃焼に供されることなく排気ポート4へ排出され易い。このため、排気空燃比は、目標空燃比A/Ftrgよりも更に低い空燃比へ低下する。その際の低下量は、機関回転数Neの吹き上がり量が増加するほど多くなる傾向がある。尚、内燃機関1が冷間始動された場合等は、排気浄化装置9の温度が活性温度域に達していない可能性が高いため、上記した未燃燃料が浄化されずに大気中へ排出されることも懸念される。
従って、機関回転数Neの吹き上がりが発生すると、振動や騒音が増加するとともに、内燃機関1から大気中へ排出される未燃燃料も増加する虞がある。
これに対し、内燃機関1の始動時に点火時期フィードバック制御が実行されると、実際の機関回転数Neと目標機関回転数Netrgとの差dne(=Ne−Netrg)や、当該差dneの積分値等に基づいて点火時期が補正されることになる。
ところで、コンベンショナルな点火時期フィードバック制御によれば、機関回転数Neが目標機関回転数Netrgより高くなった場合は、内燃機関1の発生トルクを低下させるために点火時期がMBTより遅角されることになる。
しかしながら、点火時期がMBTから大幅に遅角されると、点火時期が圧縮上死点(TDC)より遅くなるため、着火不良や不完全燃焼が発生し易くなる。このような問題を予防するために、点火時期フィードバック制御のロジックには遅角ガードが設定される。
従って、機関回転数Neと目標機関回転数Netrgとの差が大きい場合(言い換えれば、内燃機関1の発生トルクを大幅に低下させる必要がある場合)は、点火時期の遅角量が遅角ガードにより制限される。
点火時期の遅角量が遅角ガードによって制限されると、内燃機関1の発生トルクを目標値まで低下させることができない場合がある。そのような場合は、機関回転数Neの吹き上がりを抑制しきれないため、振動の増加、騒音の増加、未燃燃料の排出量増加等を十分に抑えることができないこととなる。
これに対し、点火時期をMBTより前へ進角させることにより内燃機関1の発生トルクを低下させる方法が考えられる。点火時期がMBTより前へ進角された場合は、混合気の燃焼によって発生したエネルギの一部がクランクシャフト17を逆転させるように作用する。このため、比較的少ない進角量によって大幅なトルクダウンを図ることが可能である。また、点火時期がMBTより前へ進角される場合は筒内圧の上昇途中で点火が行われることになるため、点火時期がMBT後に遅角される場合に比して着火不良や不完全燃焼が起こり難くなるという利点もある。
但し、クランクシャフト17を逆転させるように作用するエネルギは、内燃機関1の発生トルクや排気温度に寄与しないため、内燃機関1の運転効率の低下や燃料消費量の無用な増加を招くことになる。
そこで、本実施例における点火時期フィードバック制御では、ECU20は、MBTより遅角側の範囲において前記目標値を達成し得る点火時期が遅角ガード以前のタイミングとなる場合は点火時期をMBTより遅角させることによりトルクダウンを図り、MBTより遅角側の範囲において前記目標値を達成し得る点火時期が遅角ガードより遅くなる場合に限り点火時期をMBTより進角させることによりトルクダウンを図るようにした。
以下、本実施例における点火時期の制御手順について図3に沿って説明する。図3は、
トルクダウン要求が発生した時にECU20が実行する処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理ルーチンは、点火時期フィードバック制御実行途中におけるトルクダウン要求の発生をトリガにして実行される割り込み処理ルーチンである。
図3の処理ルーチンでは、ECU20は、先ずS101においてトルクダウン要求が発生したか否かを判別する。S101において否定判定された場合は、ECU20は本ルーチンの実行を終了する。一方、S101において肯定判定された場合は、ECU20はS102へ進む。
S102では、ECU20は、点火時期フィードバック制御のメインルーチンにおいて機関回転数Neと目標機関回転数Netrgとの差dneや当該差dneの積算値などから算出された点火時期SA1を取得する。
尚、前記S102においてECU20が取得する点火時期SA1は、遅角ガードksaとの比較がなされる前の計算値であり、本発明にかかる第1点火時期に相当する。以下では、前記S102において取得された点火時期SA1を第1点火時期SA1と称する。
S103では、ECU20は、前記S102で取得された第1点火時期SA1が遅角ガードksa以前のタイミングであるか否かを判別する。
前記S103において肯定判定された場合は、ECU20は、S104へ進む。S104では、ECU20は、前記S102で取得された第1点火時期SA1を目標点火時期SAtrgに設定する。
この場合、ECU20は、前記S104で設定された目標点火時期SAtrgに従って点火プラグ14を作動させることになる。すなわち、点火プラグ14はMBTより遅いタイミングで作動することになる。その結果、エネルギを排気温度の上昇や排気浄化装置9の昇温に有用させつつ内燃機関1の発生トルクを目標値Tetrgまで低下させることが可能となる。
一方、前記S103において否定判定された場合は、ECU20は、S105へ進む。S105では、ECU20は、前記S102で取得された第1点火時期SA1に従って点火プラグ14が作動した時に内燃機関1が発生し得るトルクTetrgを演算する。
その際、ECU20は、図4に示すようなマップを利用してもよい。図4のマップは、点火時期とトルクとの相関関係を示すマップである。これら点火時期とトルクとの相関関係は、予め実験的に求めておくようにしてもよい。
尚、前記S105において求められるトルクTetrgは、本発明にかかる目標値に相当する。以下では、S105において求められるトルクTetrgを目標値Tetrgと称する。
S106では、ECU20は、MBTより進角側の範囲において前記S105で求められた目標値Tetrgを達成し得る点火時期SA2を演算する。その際、ECU20は、前述した図4のマップを利用することができる。このようにして求められる点火時期SA2は、本発明にかかる第2点火時期に相当する。以下では、S106において求められた点火時期SA2を第2点火時期SA2と称する。
S107では、ECU20は、前記S106において求められた第2点火時期SA2を目標点火時期SAtrgに設定する。
この場合、ECU20は、前記S107で設定された目標点火時期SAtrgに従って点火プラグ14を作動させることになる。すなわち、点火プラグ14はMBTより早いタイミングで作動することになる。その結果、目標値Tetrgを達成し得る第1点火時期SA1が遅角ガードksaによって制限されてしまう状況下においても内燃機関1の発生トルクを目標値Tetrgまで低下させることが可能となる。
このようにECU20が図3の処理ルーチンを実行することにより、本発明にかかる第1取得手段、第2取得手段、及び制御手段が実現される。
従って、内燃機関1の発生トルクを目標値Tetrgまで低下させる必要がある時に、該目標値Tetrgを達成しうる点火時期が遅角ガード以前のタイミングとなる限り、目標点火時期がMBTより遅角されるため、混合気の燃焼等によって発生するエネルギを可及的に有用することができる。
また、前記目標値を達成し得る点火時期が遅角ガードより遅くなる時は、目標点火時期をMBTより進角させることによってトルクダウンが図られるため、内燃機関1の発生トルクを可及的に目標値Tetrgに近似させることができる。その結果、機関回転数Neの吹き上がりに起因した振動の増加、騒音の増加、及び未燃燃料の排出量増加は、可及的に低減される。
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について図5に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例では、第1点火時期SA1が遅角ガードksaより遅くなる場合に限り、目標点火時期SAtrgをMBTより進角させる例について述べたが、本実施例では第1点火時期SA1が遅角ガードksaより遅くなる場合に加え、機関回転数Neの変動量が許容値を超える場合にも目標点火時期SAtrgをMBTより進角させる例について述べる。
第1点火時期SA1が遅角ガードksa以前のタイミングであることを条件に該第1点火時期SA1が目標点火時期SAtrgに設定された場合であっても、内燃機関1の使用環境によっては失火を生じる可能性がある。例えば、内燃機関1が極低温下で使用される場合は筒内圧が上昇し難いため、点火時期SAが圧縮上死点より遅角されると失火を発生し易い。失火の発生後に目標点火時期SAtrgがMBTより遅角された状態が続くと、内燃機関1がストールする可能性もある。
そこで、本実施例では、ECU20は、第1点火時期SA1が目標点火時期SAtrgに設定された時の機関回転数Neの変動量を検出し、検出された変動量が許容値を超えている場合には目標点火時期SAtrgを第1点火時期SA1から第2点火時期SA2へ切り換えるようにした。このようにして目標点火時期SAtrgが定められると、失火の発生や内燃機関1のストールを抑制することができる。
以下、本実施例における点火時期の制御手順について図5に沿って説明する。図5は、トルクダウン要求が発生した時にECU20が実行する処理ルーチンを示すフローチャートである。図5において、前述した第1の実施例の処理ルーチン(図3を参照)と同様のステップには同一の符号を付してある。
図5の処理ルーチンにおいて、ECU20は、S104を実行した後にS201へ進む
。S201では、ECU20は、クランクポジションセンサ18の出力信号に基づいて機関回転数Neの変動量△Neを演算する。
S202では、ECU20は、前記S201で算出された機関回転数Neの変動量△Neが許容値△Neall未満であるか否かを判別する。許容値△Neallは、例えば失火が発生した時の機関回転数Neの変動量より少なく設定された値である。
前記S202において肯定判定された場合(△Ne<△Neall)は、ECU20は、本ルーチンの実行を終了する。一方、前記S202において否定判定された場合(△Ne≧△Neall)は、ECU20は、S105〜S107の処理を実行することにより、目標点火時期SAtrgを第1点火時期SA1から第2点火時期SA2へ変更する。この場合、失火やストールを抑制しつつ内燃機関1のトルクダウンを図ることができる。
従って、本実施例の内燃機関の点火制御システムによれば、内燃機関1の燃焼安定性を確保することが困難な場合のみ目標点火時期SAtrgがMBTより進角されることになる。その結果、内燃機関1の燃焼安定性を確保可能な限りはエネルギを有用することができる。
<実施例3>
次に、本発明の第3の実施例について図6に基づいて説明する。ここでは前述した第2の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第2の実施例では、第1点火時期SA1が目標点火時期SAtrgに設定された時に機関回転数Neの変動量△Neが許容値△Neallを超えると目標点火時期SAtrgを第1点火時期SA1から第2点火時期SA2へ変更する例について述べたが、本実施例では第2点火時期SA2が目標点火時期SAtrgに設定された時に機関回転数Neの変動量△Neが許容値△Neallを超えると目標点火時期SAtrgを第2点火時期SA2からMBT以降の点火時期へ変更する例について述べる。
図6は、トルクダウン要求が発生した時にECU20が実行する処理ルーチンを示すフローチャートである。図6において、前述した第2の実施例の処理ルーチン(図5を参照)と同様のステップには同一の符号を付してある。
図6の処理ルーチンにおいて、ECU20は、S107を実行した後にS301へ進む。S301では、ECU20は、前記S107で設定された目標点火時期SAtrg(=SA2)に従って点火プラグ14が作動した時に失火判定処理を行う。失火判定処理の実行方法としては、従来より既知の種々の方法を採用することができる。例えば、ECU20は、点火プラグ14作動後のクランクシャフト17の角加速度や筒内圧の変化に基づいて失火の発生を検出することができる。ECU20がS301の処理を実行することにより本発明にかかる検出手段が実現される。
S302では、ECU20は、前記S301において失火の発生が検出されたか否かを判別する。S302において否定判定された場合は、ECU20は本ルーチンの実行を終了する。一方、S302において肯定判定された場合は、ECU20はS303へ進む。
S303では、ECU20は、目標点火時期SAtrgをMBTより遅い点火時期に変更する。その際、内燃機関1の発生トルクを目標値Tetrgに極力近づけるためには目標点火時期SAtrgを遅角ガードksaと同等のタイミングに設定することが望ましい。
尚、ECU20は、前記S302において肯定判定された場合に直ちにS303の処理を実行せずに少なくとも1回の再点火を試行し、再点火実行後も失火が検出された場合にS303へ進むようにしてもよい。再点火は、失火が検出されたサイクルにおいて試行されてもよく、次サイクル以降において試行されてもよい。
以上述べたように、第2点火時期SA2が目標点火時期SAtrgに設定された時の失火の発生をトリガにして目標点火時期SAtrgの変更が行われるロジックが処理ルーチンに組み込まれると、燃焼安定性を確保可能な限り目標点火時期SAtrgを進角させることができる。すなわち、内燃機関1の発生トルクを目標値Tetrgと同等にすることができる確率が高くなる。
尚、本実施例と前述した第2の実施例は組み合わせて実行することができる。その場合は、失火やストールをより確実に抑制しつつ内燃機関1のトルクダウンを図ることが可能となる。
内燃機関の点火制御システムの概略構成を示す図である。 内燃機関の始動時における機関回転数と排気空燃比の測定結果を示す図である。 第1の実施例における処理ルーチンを示すフローチャートである。 内燃機関のトルクと点火時期との相関関係を示す図である。 第2の実施例における処理ルーチンを示すフローチャートである。 第3の実施例における処理ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・・・内燃機関
2・・・・・気筒
3・・・・・吸気ポート
4・・・・・排気ポート
5・・・・・燃料噴射弁
6・・・・・スロットル弁
7・・・・・吸気圧センサ
8・・・・・エアフローメータ
9・・・・・排気浄化装置
10・・・・吸気弁
11・・・・排気弁
12・・・・吸気側カムシャフト
13・・・・排気側カムシャフト
14・・・・点火プラグ
15・・・・ピストン
16・・・・コネクティングロッド
17・・・・クランクシャフト
18・・・・クランクポジションセンサ
19・・・・水温センサ
20・・・・ECU
30・・・・吸気通路
40・・・・排気通路
41・・・・空燃比センサ

Claims (5)

  1. 火花点火式内燃機関の発生トルクに相関する物理量が目標値と一致するように点火時期を制御する内燃機関の点火制御システムにおいて、
    MBTより遅角側の範囲で前記目標値を達成し得る点火時期である第1点火時期を取得する第1取得手段と、
    MBTより進角側の範囲で前記目標値を達成し得る点火時期である第2点火時期を取得する第2取得手段と、
    前記第1点火時期が予め定められた遅角ガードより早い又は同等のタイミングである場合は前記第1点火時期を目標点火時期に定め、前記第1点火時期が前記遅角ガードより遅いタイミングである場合は前記第2点火時期を目標点火時期に定める制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  2. 請求項1において、前記第1点火時期が目標点火時期に定められている時に前記物理量の変動量が許容量を超えると、前記制御手段は、目標点火時期を前記第1点火時期から前記第2点火時期へ変更することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  3. 請求項1又は2において、前記内燃機関における失火を検出する検出手段を更に備え、
    前記第2点火時期が目標点火時期に定められている時に前記検出手段が失火を検出すると、前記制御手段は、目標点火時期を前記第2点火時期からMBT以降の第3点火時期へ変更することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  4. 請求項3において、前記第3点火時期は、前記遅角ガードと同時期の点火時期であることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  5. 請求項1〜4の何れか一において、前記物理量は、前記内燃機関の機関回転数であること特徴とする内燃機関の点火制御システム。
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