JP2008202541A - 内燃機関の制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、可変圧縮比機構を備えた内燃機関の制御システムにおいて、始動期間中の排気温度を好適に高めて触媒の早期活性を図ることを課題とする。
【解決手段】本発明は、内燃機関の始動期間中において該内燃機関の慣性エネルギが所定値より高い時に、内燃機関の圧縮比を規定値より低い圧縮比まで低下させることにより、トルクの大幅な低下や機関回転速度の過剰な失速等を抑制しつつ、排気温度の上昇を図る。かかる発明によれば、内燃機関の排気通路に配置された触媒が排気の熱を受けて早期に活性する。その結果、内燃機関の排気エミッションを好適に低減させることが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、可変圧縮比機構を備えた内燃機関の制御技術に関する。
従来、可変圧縮比機構を備えた内燃機関の始動時に、圧縮比を低減させる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−197745号公報 特開2006−52682号公報
ところで、内燃機関から大気中へ放出される排気エミッションを低減させることを考慮すると、内燃機関の始動期間中に排気温度を可及的に高めて触媒の早期活性を図ることが有効である。
これに対し、内燃機関の始動期間中に該内燃機関の圧縮比を低下させることにより、排気温度の上昇を図る方法が考えられる。しかしながら、内燃機関の始動期間中に圧縮比が大幅に低くされると、混合気の燃焼安定性が低下してトルクの低下や機関回転速度の過剰な失速等が誘発される。
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、可変圧縮比機構を備えた内燃機関の制御システムにおいて、始動期間中の排気温度を好適に高めて触媒の早期活性を図る技術の提供にある。
本発明は、上記した課題を解決するために、可変圧縮比機構を備えた内燃機関の始動期間中において、該内燃機関の慣性エネルギが十分に高いことを条件に圧縮比の可及的な低下を図るようにした。
詳細には、本発明にかかる内燃機関の制御システムは、内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、内燃機関の始動期間中に該内燃機関の慣性エネルギを取得する取得手段と、前記取得手段により取得される慣性エネルギが所定値を超えている時に圧縮比を規定値より低下させる超低圧縮比処理を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする。
尚、ここでいう「規定値」とは、始動期間中の燃焼安定性を損ない最低の圧縮比に相当する値である。また、ここでいう「始動期間」とは、クランキング開始から機関回転数が目標アイドル回転数に収束するまでの期間を含む概念である。
本発明にかかる内燃機関の制御システムは、内燃機関の始動期間中において該内燃機関の慣性エネルギが所定値より高い時に限り超低圧縮比処理を実行する。超低圧縮比処理の実行により内燃機関の圧縮比が規定値より低下すると、混合気の燃焼が緩慢になる。その結果、排気温度が上昇する。排気温度が上昇すると、内燃機関の排気通路に配置された触媒が早期に活性する。
ところで、内燃機関の圧縮比が規定値より低下すると、混合気の燃焼安定性が低下してトルクの大幅な低下や機関回転速度の過剰な失速等を伴う可能性がある。しかしながら、本発明の内燃機関の制御システムは、内燃機関の慣性エネルギが十分に高い時に限り超低
圧縮比処理を行うため、トルクの低下や機関回転速度の失速を抑制することができる。
従って、本発明にかかる内燃機関の制御システムによれば、内燃機関の始動期間中にトルクの大幅な低下や機関回転速度の過剰な失速を伴うことなく、排気温度を上昇させることができる。その結果、触媒の早期活性が図られる。
本発明にかかる内燃機関の制御システムにおいて、所定値は、内燃機関の回転速度が目標アイドル回転速度に収束している時の慣性エネルギ(以下、「基準慣性エネルギ」と称する)以上の大きさに設定されるようにしてもよい。
この場合、超圧縮比制御は、内燃機関の慣性エネルギが基準慣性エネルギを上回っている時に実行されることになる。その結果、超圧縮比制御の実行により内燃機関の燃焼安定性が低下しても、機関回転数が目標アイドル回転数を下回り難くなる。
尚、可変圧縮比機構は、制御手段からの指示を受けた時点から指示通りの動作を完了する時点までに応答遅れを生じる。制御手段が可変圧縮比機構の応答遅れを考慮せずに超低圧縮比処理を行うと、慣性エネルギが所定値以下の時に内燃機関の圧縮比が規定値を下回る事態が発生し得る。
例えば、超低圧縮比処理の実行を終了させる場合に、慣性エネルギが所定値以下になった時点で制御手段から可変圧縮比機構に対する指示(内燃機関の圧縮比を規定値以上の圧縮比に復帰させるための指示)が行われると、慣性エネルギが所定値以下になった後に圧縮比が規定値未満となる期間が生じる。
これに対し、本発明にかかる内燃機関の制御システムは、可変圧縮比機構の応答遅れの長さを推定する推定手段を更に備え、制御手段が前記推定手段の推定値に応じて超低圧縮比処理の実行時期を変更してもよい。尚、ここでいう「実行時期」は、制御手段が可変圧縮比機構に対する指示を行う時期である。
かかる構成によれば、超低圧縮比処理が終了される場合に、慣性エネルギが所定値以下となった後に圧縮比が規定値未満となる期間が生じなくなる。
可変圧縮比機構の応答遅れの長さは、以下のような方法により推定されてもよい。
可変圧縮比機構が油圧により駆動される機構である場合は、推定手段は、油温が低くなるほど応答遅れが長くなるとともに、油温が高くなるほど応答遅れが短くなると推定する。
可変圧縮比機構が電力により駆動される機構である場合は、推定手段は、バッテリ電圧が低くなるほど応答遅れが長くなるとともに、バッテリ電圧が高くなるほど応答遅れが短くなると推定する。
また、本発明にかかる内燃機関の制御システムにおいて、制御手段は、推定手段の推定値に応じて超低圧縮比処理の実行時期を変更する代わりに、推定手段の推定値に応じて超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比を変更するようにしてもよい。
可変圧縮比機構の応答遅れは、該可変圧縮比機構の作動量が多くなるほど長くなる。このため、超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比が高くなるほど、可変圧縮比機構の作動量が少なくなるとともに応答遅れが短くなる。よって、油温やバッテリ電圧等から定まる可変圧縮比機構の応答遅れの長さに応じて超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比が変更されると
、超低圧縮比処理の実行時期が変更された場合と同様の効果を得ることができる。
尚、本発明にかかる内燃機関の制御システムは、推定手段の代わりに、油温或いはバッテリ電圧を検出する検出手段を備え、制御手段が検出手段の検出値に応じて超低圧縮比処理の実行時期或いは超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比を変更してもよい。
本発明によれば、可変圧縮比機構を備えた内燃機関において、始動期間中の排気温度を好適に高めることができる。その結果、触媒の早期活性が図られる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
<実施例1>
先ず、本発明の第1の実施例について図1〜図13に基づいて説明する。図1は、本発明にかかる内燃機関の制御システムの概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、複数の気筒2を有する4ストロークサイクルの火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。内燃機関1の気筒2は、吸気ポート3を介して吸気通路30に接続されるとともに、排気ポート4を介して排気通路40に接続されている。
吸気ポート3には、気筒2内へ向かって燃料を噴射する燃料噴射弁5が設けられている。吸気通路30には、該吸気通路30内を流通する空気量を制御するスロットル弁6が設けられている。スロットル弁6より上流の吸気通路30には、該吸気通路30を流れる空気量を測定するエアフローメータ8が設けられている。
一方、排気通路40には、排気浄化装置9が配置されている。排気浄化装置9は、三元触媒や吸蔵還元型NOx触媒等を具備し、所定の活性温度域にある時に排気を浄化する。
また、内燃機関1には、気筒2内に臨む吸気ポート3の開口端を開閉する吸気弁10と、気筒2内に臨む排気ポート4の開口端を開閉する排気弁11が設けられている。これら吸気弁10と排気弁11は、吸気側カムシャフト12と排気側カムシャフト13によりそれぞれ開閉駆動される。
気筒2の上部には、該気筒2内の混合気に点火する点火プラグ14が配置されている。また、気筒2内にはピストン15が摺動自在に挿入されている。ピストン15はコネクティングロッド16を介してクランクシャフト17と接続されている。
クランクシャフト17の近傍には、該クランクシャフト17の回転角度を検出するクランクポジションセンサ18が配置されている。更に、内燃機関1には、該内燃機関1を循環する冷却水の温度を測定する水温センサ19が取り付けられている。
また、吸気側カムシャフト12には、クランクシャフト17に対する該吸気側カムシャフト12の回転位相を変更する可変動弁機構120が取り付けられている。
このように構成された内燃機関1には、ECU20が併設されている。ECU20は、CPU、ROM、RAM等を備えた電子制御ユニットである。このECU20は、前述したエアフローメータ8、クランクポジションセンサ18、及び水温センサ19等の各種センサと電気的に接続され、各種センサの測定値を入力可能になっている。
ECU20は、前記した各種センサの測定値に基づいて燃料噴射弁5、スロットル弁6、点火プラグ14、及び可変動弁機構120を電気的に制御する。例えば、ECU20は、内燃機関1の始動期間中に排気温度を上昇させる昇温制御を行う。
以下、本実施例における昇温制御について述べる。
内燃機関1が冷間始動される場合等は、排気浄化装置9の温度が活性温度域に達していない。このため、内燃機関1の始動時および/または始動直後は、該内燃機関1の排気エミッションが排気浄化装置9で浄化されることなく大気中へ放出される。
よって、内燃機関1の始動時および/または始動直後の排気エミッションを低減させるためには、排気浄化装置9の早期活性が有効である。排気浄化装置9を早期に活性させる方法としては、内燃機関1の圧縮比を低下させる方法が考えられる。
内燃機関1の圧縮比が低下した場合は、混合気の燃焼速度が低下する。混合気の燃焼速度が低下すると、内燃機関1から排出される排気の温度が上昇する。排気温度が上昇すると、排気から排気浄化装置9へ伝達される熱量が増加するため、排気浄化装置9の昇温が促進される。
但し、内燃機関1の始動期間中に圧縮比が大幅に低下すると、混合気の燃焼安定性が損なわれ、トルクの低下や機関回転速度の過剰な失速等を招く虞がある。
図2は、圧縮比の変化に対するトルク変動の大きさと排気温度の変化を示す図である。内燃機関1の排気温度は、圧縮比が低くなるにつれて上昇してピーク値Temaxに達する。排気温度がピーク値Temaxに達した後は、圧縮比の低下に伴って排気温度が低下する。
排気温度がピーク値Temaxに達する時の圧縮比(以下、「ピーク時圧縮比」と称する)CRtrgは、トルク変動の大きさが許容限界値より大きくなる領域(トルク変動悪化領域)に属する。
従って、内燃機関1の始動期間中に該内燃機関1の圧縮比がピーク時圧縮比CRtrgまで低下させられると、トルクの大幅な低下によりトルク変動の大きさが許容限界値を超えるとともに、機関回転速度の大幅な失速により機関回転変動も過大になる虞がある。
これに対し、混合気の燃焼安定性が損なわれない範囲内に圧縮比を制限する方法が考えられる。例えば、図2においてトルク変動値が許容限界値と同等になる圧縮比(規定値)CRminを始動期間中の圧縮比に設定する方法が考えられる。
しかしながら、始動期間中の圧縮比が前記圧縮比CRminに制限されると、排気温度の上昇量が少なくなるため、排気浄化装置9を早期に活性させることは困難となる。
そこで、ECU20は、内燃機関1の始動期間中において該内燃機関1の慣性エネルギが十分に大きい時に限り、圧縮比をピーク時圧縮比CRtrgまで低下させる処理(超低圧縮比処理)を行うようにした。
図3は、内燃機関1の始動期間中における慣性エネルギEeの推移を示す図である。図3において、内燃機関1の始動開始から初爆発生までの期間(クランキング期間)は、慣性エネルギEeが非常に小さい。このため、クランキング期間中の圧縮比は、前記規定値
CRminに制限されることが好ましい。
初爆発生後の連爆期間は、慣性エネルギEeが徐々に上昇する。但し、連爆期間中は混合気の着火性及び燃焼安定性が低い。このため、連爆期間中の圧縮比も前記規定値CRminに制限されることが好適である。
内燃機関1が完爆した直後は、慣性エネルギEeが過大となり、機関回転数が目標アイドル回転数(この場合は、ファーストアイドル回転数の目標値)を超えて過上昇する期間(吹き上がり期間)が生じる。このため、内燃機関1の完爆直後の吹き上がり期間に超低圧縮比処理が行われると、超低圧縮比処理に起因したトルクの低下や機関回転速度の失速は余剰の慣性エネルギによって相殺される。
従って、内燃機関1が完爆した直後の慣性エネルギEeが過大となる時(吹き上がり期間)に超低圧縮比処理が実行されても前述したような不具合を発生することなく、排気温度を上昇させることができる。更に、超低圧縮比処理の実行により機関回転数の過上昇が軽減されるため、機関回転数の過上昇による振動や騒音の増加を低減することもできる。
内燃機関1が完爆した時期を判別する方法としては、内燃機関1の慣性エネルギEeが所定値を超えたことを条件に内燃機関1が完爆したと判定する方法を例示することができる。その際の所定値としては、機関回転数が目標アイドル回転数に収束している時の慣性エネルギ(基準慣性エネルギ)Ebaseを用いることができる。基準慣性エネルギEbaseは、予め実験的に求めておくようにしてもよい。
また、内燃機関1の圧縮比を変更する方法としては、燃焼室容積(ピストン15が上死点に位置する時の気筒2内の容積)とピストン15が下死点に位置する時の気筒2内の容積との比(機械圧縮比)を変更する方法、或いは燃焼室容積と吸気弁10が閉弁した時の気筒2内の容積との比(有効圧縮比)を変更する方法を例示することができる。
機械圧縮比を変更する方法としては、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置を変更する機構や、コネクティングロッドの長さを変更する機構等を利用する方法を例示することができる。
有効圧縮比を変更する方法としては、可変動弁機構を利用して吸気弁10の閉弁時期を変更する方法を例示することができる。
本発明の内燃機関の制御システムは、機械圧縮比を変更する方法と有効圧縮比を変更する方法との何れの方法も利用可能であるが、以下では可変動弁機構120を利用して有効圧縮比を変更する例について述べる。この場合、可変動弁機構120は、本発明にかかる可変圧縮比機構に相当する。
図4は、可変動弁機構120を利用して有効圧縮比を低下させる方法を模式化した図である。図4中の一点破線は圧縮比がピーク時圧縮比CRtrgに設定される時の吸気弁10の開弁期間を示し、図4中の破線は圧縮比が規定値CRminに設定される時の吸気弁10の開弁期間を示す。
吸気弁10の閉弁時期(IVC)が遅角された場合は、吸気弁10が閉弁した時の気筒2内の容積が減少する。その結果、内燃機関1の有効圧縮比が低下する。従って、ECU20は、内燃機関1の圧縮比をピーク時圧縮比CRtrgに低下させる場合は、圧縮比が規定値CRminに設定される場合より吸気弁10の閉弁時期(IVC)を遅角させればよい。
ところで、可変動弁機構120は、ECU20の指示を入力した時点から指示通りの動作を完了する時点までに応答遅れを生じる。ECU20が可変動弁機構120の応答遅れを考慮せずに超低圧縮比処理を行うと、慣性エネルギEeが基準慣性エネルギEbase以下の時に圧縮比が規定値CRmin未満となる事態が発生し得る。
例えば、ECU20が超低圧縮比処理を終了させる際に、慣性エネルギEeが基準慣性エネルギEbase以下に低下したことをトリガにしてECU20から可変動弁機構120へ指示信号が出力されると、慣性エネルギEeが基準慣性エネルギEbase以下になった後に圧縮比が規定値CRmin未満となる期間が生じる。
これに対し、本実施例の昇温制御では、可変動弁機構120の応答遅れの長さに応じて、超低圧縮比処理の実行終了時期(すなわち、有効圧縮比をピーク時圧縮比CRtrgから規定値CRminへ変更させる指示信号がECU20から出力される時期)が変更されるようにした。
具体的には、図5に示すように、超低圧縮比処理の実行終了時期は、慣性エネルギEeが判定基準値Ecr以下となった時期(図5中のt1)に定められる。判定基準値Ecr値は基準慣性エネルギEbaseに所定量αを加算した値(=Ebase+α)であり、前記所定量αは可変動弁機構120の応答遅れの長さに応じて増減される。
可変動弁機構120の応答遅れは、例えば、以下のような方法により推定される。
可変動弁機構120が油圧により駆動される機構である場合は、該可変動弁機構120の応答遅れは、図6に示すように、油温が低くなるほど長くなるとともに、油温が高くなるほど短くなる。
可変動弁機構120が電動モータにより駆動される機構である場合は、該可変動弁機構120の応答遅れは、図7に示すように、バッテリ電圧が低くなるほど長くなるとともに、バッテリ電圧が高くなるほど短くなる。
よって、所定量αは、図6或いは図7に基づいて推定された応答遅れの長さが長くなるほど大きな値になるとともに、前記応答遅れの長さが短くなるほど小さな値になる(図8を参照)。これは、可変動弁機構120の応答遅れが長くなるほど前記判定基準値Ecrが大きな値になるとともに、可変動弁機構120の応答遅れが短くなるほど前記判定基準値Ecrが小さな値になることを意味する。
その結果、超低圧縮比処理の実行終了時期は、可変動弁機構120の応答遅れが長くなるほど早い時期になるとともに、可変動弁機構120の応答遅れが短くなるほど遅い時期になる。
このように超低圧縮比処理の実行終了時期が調整されると、慣性エネルギEeが基準慣性エネルギEbaseより低くなる前に内燃機関1の圧縮比が規定値CRmin以上へ復帰可能となる。
尚、所定量αは、図9又は図10に示すように、油温或いはバッテリ電圧をパラメータとして定められてもよい。すなわち、所定量αは、油温或いはバッテリ電圧が低くなるほど大きな値にされるとともに、油温或いはバッテリ電圧が高くなるほど小さな値にされてもよい。
次に、本実施例における昇温制御の実行手順について図11のフローチャートに沿って説明する。図11は、本実施例における昇温制御ルーチンを示すフローチャートである。昇温制御ルーチンは、予めECU20のROMに記憶されており、ECU20によって周期的に実行される。
昇温制御ルーチンでは、ECU20は先ずS101において内燃機関1の始動期間中であるか否かを判別する。この判別方法としては、例えば、内燃機関1の始動開始時(クランキング開始時)に“0”がセットされ、内燃機関1の始動完了時に“1”へ書き換えられるフラグを利用する方法を例示することができる。
前記S101において否定判定された場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を終了する。一方、前記S101において肯定判定された場合は、ECU20は、S102へ進む。
S102では、ECU20は、目標アイドル回転数を演算する。具体的には、ECU20は、水温センサ19の測定値(冷却水温度thw)と図12に示すマップとに基づいて目標アイドル回転数を演算する。図12において、目標アイドル回転数は、冷却水温度thwが所定温度thw1以上となる領域(暖機完了領域)では一定値に固定される。一方、冷却水温度thwが前記所定温度thw1未満となる領域(暖機運転領域)では、冷却水温度thwが低くなるほど目標アイドル回転数が高く設定される。尚、所定温度thw1は、内燃機関1の暖機が完了したとみなすことができる冷却水温度である。
ここで図11に戻り、ECU20は、S103では、前記S102で求められた目標アイドル回転数に基づいて基準慣性エネルギEbaseを演算する。目標アイドル回転数と基準慣性エネルギEbaseとの関係は、予め実験的に求めておくようにしてもよい。
S104では、ECU20は、ピーク時圧縮比CRtrgを演算する。ピーク時圧縮比CRtrgは、気筒2内の温度に応じて変化するため、気筒2内の温度をパラメータとして演算されてもよい。その際、気筒2内の温度は冷却水温度thwと相関するため、ECU20は、冷却水温度thwとピーク時圧縮比CRtrgとの関係を定めたマップ(例えば、図13を参照)に基づいてピーク時圧縮比CRtrgを演算してもよい。
S105では、ECU20は、現在の内燃機関1の慣性エネルギEeを演算する。慣性エネルギEeは、以下の式に基づいて算出することができる。
F=1/2*I*ω
上記の式において、Iは内燃機関1の可動部の慣性質量であり、ωはクランクシャフト17の角速度である。
S106では、ECU20は、前記S103で求められた基準慣性エネルギEbaseと前記S105で求められた慣性エネルギEeとを比較する。すなわち、ECU20は、前記慣性エネルギEeが前記基準慣性エネルギEbaseより大きいか否かを判別する。
前記S106において否定判定された場合(Ee≦Ebase)は、ECU20は、前記S105へ戻る。前記S106において肯定判定された場合(Ee>Ebase)は、ECU20は、S107へ進む。
S107では、ECU20は、超低圧縮比処理の実行を開始する。すなわち、ECU20は、内燃機関1の有効圧縮比が前記S104で決定されたピーク時圧縮比CRtrgまで低下するように可変動弁機構120の制御を開始する。
尚、本ルーチンでは、超低圧縮比処理の実行開始時期は、可変動弁機構120の応答遅れを考慮せずに決定されている。これは、可変動弁機構120の応答遅れを考慮して超低圧縮比処理実行開始時期が決定されると、内燃機関1が完爆する前に超低圧縮比処理が開始され、それにより内燃機関1が完爆し難くなる可能性があるからである。
S108では、ECU20は、前述した図6〜図10の何れかのマップを用いて判定基準値Ecrを演算する。
S109では、ECU20は、現時点における内燃機関1の慣性エネルギEeを再度演算する。
S110では、ECU20は、前記S108で求められた判定基準値Ecrと前記S109で求められた慣性エネルギEeとを比較する。すなわち、ECU20は、前記慣性エネルギEeが前記判定基準値Ecr以下に低下したか否かを判別する。
前記S110において否定判定された場合は、ECU20は、前記S109以降の処理を再度実行する。一方、前記S110において肯定判定された場合は、ECU20は、S111へ進む。
S111では、ECU20は、超低圧縮比処理の実行を終了する。すなわち、ECU20は、内燃機関1の有効圧縮比を規定値CRminまで上昇させるべく、可変動弁機構120に対する指示信号を出力する。
この場合、内燃機関1の慣性エネルギEeが基準慣性エネルギEbase以下へ低下する前に、可変動弁機構120が動作し始めることになる。その結果、内燃機関1の慣性エネルギEeが基準慣性エネルギEbase以下へ低下する以前に、内燃機関1の有効圧縮比が規定値CRminに復帰する。
以上述べたようにECU20が図11の昇温制御ルーチンを実行すると、本発明にかかる取得手段、制御手段、及び推定手段が実現される。
従って、本実施例の内燃機関の制御システムによれば、内燃機関1の始動期間中においてトルクの大幅な低下や機関回転速度の過剰な失速を伴うことなく、排気温度を上昇させることができる。その結果、排気浄化装置9を早期に活性させることが可能となる。また、超低圧縮比処理の実行により排気温度が高められると、排気中の未燃燃料成分と酸素が排気浄化装置9に依存することなく反応することも期待できる。
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について図14〜図15に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例では可変動弁機構120の応答遅れの長さに応じて超低圧縮比処理の実行時期を変更する例について述べたが、本実施例では可変動弁機構120の応答遅れの長さに応じて超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比を変更する例について述べる。
可変動弁機構120の応答遅れは、該可変動弁機構120の作動量が多くなるほど長くなる。このため、超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比が高くなるほど可変動弁機構120の作動量が減少するとともに応答遅れが短くなる。
そこで、ECU20は、油温やバッテリ電圧等から定まる可変動弁機構120の応答遅れが長くなるほど、超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比を高くする。このように超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比が定められると、油温やバッテリ電圧等に起因した応答遅れの増減が可変動弁機構120の作動量の増減により相殺される。
以下、超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比を決定する方法について述べる。
前述した第1の実施例では、超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比は、ピーク時圧縮比CRtrgに固定される。これに対し、本実施例では、ピーク時圧縮比CRtrgから所定量βを減算した値(=CRtrg+β)が超低圧縮比処理実行時の目標圧縮比として設定される。
前記した所定量βは、図14又は図15に示すように、油温又はバッテリ電圧が低くなるほど大きくされるとともに、油温又はバッテリ電圧が高くなるほど小さくされる。
このように所定量βが定められると、油温やバッテリ電圧が低くなるほど目標圧縮比が高くなるとともに可変動弁機構120の作動量が少なくなる。その結果、油温やバッテリ電圧等に起因した応答遅れの増減が作動量の増減により相殺される。
本発明にかかる内燃機関の制御システムの概略構成を示す図である。 内燃機関の圧縮比の変化に対するトルク変動と排気温度の変化を示す図である。 内燃機関の始動期間における慣性エネルギの推移を示す図である。 可変動弁機構を利用して内燃機関の圧縮比を変更する方法を示す図である。 超低圧縮比処理の実行終了時期を示す図である。 可変動弁機構の応答遅れの長さと油温との関係を示す図である。 可変動弁機構の応答遅れの長さとバッテリ電圧との関係を示す図である。 所定量αと可変動弁機構の応答遅れの長さとの関係を示す図である。 所定量αと油温との関係を示す図である。 所定量αとバッテリ電圧との関係を示す図である。 実施例1における昇温制御ルーチンを示すフローチャートである。 目標アイドル回転数と冷却水温度との関係を示す図である。 ピーク時圧縮比と冷却水温度との関係を示す図である。 所定量βと油温との関係を示す図である。 所定量βとバッテリ電圧との関係を示す図である。
符号の説明
1・・・・・内燃機関
2・・・・・気筒
3・・・・・吸気ポート
4・・・・・排気ポート
5・・・・・燃料噴射弁
6・・・・・スロットル弁
8・・・・・エアフローメータ
9・・・・・排気浄化装置
14・・・・点火プラグ
15・・・・ピストン
16・・・・コネクティングロッド
17・・・・クランクシャフト
18・・・・クランクポジションセンサ
19・・・・水温センサ
20・・・・ECU
30・・・・吸気通路
40・・・・排気通路
120・・・可変動弁機構

Claims (4)

  1. 内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
    内燃機関の始動期間中に該内燃機関の慣性エネルギを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得される慣性エネルギが所定値を超えている時に、前記可変圧縮比機構を利用して内燃機関の圧縮比を規定値より低下させる超低圧縮比処理を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御システム。
  2. 請求項1において、前記可変圧縮比機構の応答遅れの長さを推定する推定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記推定手段の推定値に応じて前記超低圧縮比処理の実行時期を変更することを特徴とする内燃機関の制御システム。
  3. 請求項1において、前記可変圧縮比機構の応答遅れの長さを推定する推定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記推定手段の推定値に応じて前記超圧縮比処理の実行時における目標圧縮比を変更することを特徴とする内燃機関の制御システム。
  4. 請求項1〜3の何れか一において、前記所定値は、前記内燃機関の回転速度が目標アイドル回転速度に収束している時の慣性エネルギと同等以上の値であることを特徴とする内燃機関の制御システム。
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