JP2008232066A - 内燃機関の点火制御システム - Google Patents

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Yuichi Kato
雄一 加藤
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Abstract

【課題】本発明は、火花点火式の内燃機関の点火制御システムにおいて、排気エミッションの低減と触媒の早期活性を効率的に行える技術の提供を課題とする。
【解決手段】本発明は、火花点火式内燃機関の点火制御システムにおいて、内燃機関の始動開始後の機関回転数が所定回転数以上に達した時に内燃機関の温度を取得し、取得された温度に応じて進角処理(点火時期をMBTより前へ進角させる処理)と遅角処理(点火時期をMBTより遅角させる処理)との何れかを選択及び実行することにより、触媒活性前の排気エミッションの低減と触媒の早期活性を効率的に行えるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、火花点火式内燃機関の点火を制御する技術に関する。
従来、火花点火式の内燃機関において、点火時期をMBT(Minimum spark advance for Best Torque)より前に進角させることにより、冷却水の温度上昇を促進し、以て内燃
機関の暖機性を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−240547号公報 特開平6−146955号公報
ところで、上記した従来の技術は内燃機関の暖機性は考慮しているものの、触媒が活性する前の排気エミッションの低減や、触媒の早期活性について考慮されていない。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、火花点火式の内燃機関の点火制御システムにおいて、触媒活性前の排気エミッションの低減と触媒の早期活性とを効率的に行える技術の提供にある。
本発明は、上記した課題を解決するために、火花点火式内燃機関の点火制御システムにおいて、点火時期をMBTより前へ進角させる処理と点火時期をMBTより後へ遅角させる処理とを適当に切り換えることにより、触媒活性前の排気エミッションの低減と触媒の早期活性とを効率的に行えるようにした。
詳細には、本発明にかかる内燃機関の点火制御システムは、内燃機関の点火時期をMBTより前へ進角させる進角手段と、前記内燃機関の点火時期をMBTより後へ遅角させる遅角手段と、前記内燃機関の始動開始後の機関回転数が所定回転数以上に達した時に該内燃機関の温度を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された温度に応じて前記進角手段の作動と前記遅角手段の作動を切り換える制御手段と、を備えるようにした。尚、ここでいう「始動開始」とは、クランキングの開始を意味する。
内燃機関が冷間始動される時は、該内燃機関の排気系に配置された触媒が活性していない状態となる。このため、内燃機関の始動開始から触媒が活性するまでの期間は、内燃機関の排気が浄化されずに大気中へ排出される。よって、内燃機関の始動開始から触媒が活性するまでの期間が長くなると、内燃機関から大気中へ排出されるエミッションが過多になる。これに対し、内燃機関の点火時期をMBTより後へ遅角(以下、「遅角処理」と称する)させることにより、触媒の早期活性を図る方法が提案されている。
ところで、内燃機関が冷間始動される場合は、気筒内の温度(以下、「筒内温度」と称する)が低い。このため、気筒の内壁面やピストンに付着する燃料が増加する。気筒の内壁面やピストンに付着した燃料(以下、「筒内付着燃料」と称する)の大部分は、燃焼に供されることなく気筒内から排出される。気筒内から排出される未燃燃料成分の量は、内燃機関の温度が低くなるほど多くなる。
よって、内燃機関が極低温下で始動された場合は、内燃機関の始動開始から触媒が活性するまでに要する時間(以下、「所要活性時間」と称する)が長くなるとともに、筒内付
着燃料量が増加する。その結果、内燃機関から大気中へ多量の未燃燃料成分が排出される虞がある。
これに対し、本願発明者が鋭意の実験及び検証を行った結果、火花点火式の内燃機関において点火時期がMBTより前へ進角(以下、「進角処理」と称する)されると、内燃機関の気筒内から排出される未燃燃料成分(例えば、HC)が著しく減少することが見出された。
そこで、本発明にかかる内燃機関の点火制御システムは、内燃機関の始動開始から触媒が活性するまでの期間において、内燃機関の温度に応じて進角処理と遅角処理の実行を切り換えるようにした。
例えば、内燃機関の温度が低い時は、筒内付着燃料量が多くなるとともに触媒の所要活性時間が長くなると予想される。このような場合は、遅角処理により触媒の早期活性を図るよりも進角処理により排気エミッションの低減を図った方が好ましい。
一方、内燃機関の温度が高い時は、筒内付着燃料量が少なくなるとともに触媒の所要活性時間が短くなると予想される。このような場合は、進角処理により排気エミッションの低減を図るよりも遅角処理により触媒の昇温を図った方が好ましい。
よって、内燃機関の温度に応じて進角処理と遅角処理の実行が切り換えられると、排気エミッションの低減と触媒の早期活性とを効率的に行うことができる。
尚、内燃機関の始動開始直後のように機関回転数が低い時に進角処理や遅角処理が実行されると、内燃機関の始動性が低下する可能性がある。このため、内燃機関の始動開始後において機関回転数がある程度高くなった時に進角処理又は遅角処理が開始されることが望ましい。
これに対し、本発明にかかる内燃機関の点火制御システムは、内燃機関の始動開始後において機関回転数が所定回転数以上に達した時に内燃機関の温度を取得し、取得された温度に応じて進角処理と遅角処理の何れかを実行するようにした。その結果、内燃機関の始動性を低下させることなく、排気エミッションの低減と触媒の早期活性とを効率的に行うことができる。尚、前記した所定回転数は、内燃機関の仕様に応じて定められる回転数であり、予め実験的に求めておいてもよい。
本発明にかかる内燃機関の点火制御システムにおいて、制御手段は、取得手段により取得された温度が所定温度未満である時は進角手段を作動させ、取得手段により取得された温度が所定温度以上である時は遅角手段を作動させるようにしてもよい。前記した所定温度は、内燃機関の仕様に応じて定められる値である。例えば、所定温度は、所要活性時間が許容範囲に収まる温度域の下限値と同等に設定されてもよい。前記した下限値は、予め実験的に求めておくようにしてもよい。
かかる構成によれば、筒内付着燃料が多く且つ所要活性時間が長くなる条件下では進角処理が実行され、筒内付着燃料量が少なく且つ所要活性時間が短くなる条件下では遅角処理が行われる。その結果、触媒活性前の排気エミッションの低減と触媒の早期活性とを効率的に行うことができる。
本発明にかかる内燃機関の点火制御システムにおいて、制御手段は、遅角手段の作動中に内燃機関の排気系に配置された触媒の活性を検出すると、遅角手段の作動から進角手段の作動へ切り換えるようにしてもよい。
遅角処理が行われている時は内燃機関の温度が上昇し難いため、触媒活性後の筒内付着燃料量が多くなる場合がある。これに対し、触媒活性後に進角処理が行われると、内燃機関から排出される未燃燃料成分量を低減させることができる。
本発明にかかる内燃機関の点火制御システムにおいて、制御手段は、遅角手段の作動中に触媒が活性する時期を予測し、予測された時期が所定時期より遅くなる場合は遅角手段の作動から進角手段の作動へ切り換えるようにしてもよい。
所要活性時間は、内燃機関の温度以外の要因によって変化する場合がある。これに対し、遅角処理実行時の触媒の状態に基づいて該触媒の活性時期を予測することにより、内燃機関の温度以外に因る所要活性時間の変化を把握することができる。その結果、所要活性時間が所望の時間より長くなると予想された場合に、遅角処理の実行から進角処理の実行へ切り換えることにより、触媒活性前の排気エミッションの増加を抑えることができる。
本発明にかかる内燃機関の点火制御システムにおいて、制御手段は、進角手段の作動中に点火時期の進角量を周期的に微増させるとともに失火検出を行い、失火が検出された時は進角量の微増を停止するようにしてもよい。
内燃機関が冷間状態にある時は混合気の燃焼が不安定になり易い。よって、進角処理実行時に点火時期の進角量(例えば、MBTからの進角量)が急速に増加すると、混合気の燃焼安定性が損なわれる可能性がある。
これに対し、点火時期の進角量が周期的に微増されるとともに点火時期の進角量が増加される度に失火検出が行われると、失火が発生した時点で進角量の増加を停止させることができる。その結果、点火時期の過剰な進角に起因した燃焼安定性の低下を抑制することができる。
尚、失火の発生により進角量の増加が停止される場合の点火時期は、失火が検出されなかった点火時期まで遅角されてもよい。例えば、点火時期の進角量がサイクル毎に微増される場合には、失火が検出される前のサイクルの進角量に従って点火時期が決定されてもよい。
本発明によれば、火花点火式の内燃機関の点火制御システムにおいて、触媒活性前の排気エミッションの低減と触媒の早期活性を効率的に行うことができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる内燃機関の点火制御システムの概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4ストローク・サイクルの火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。
内燃機関1は、複数の気筒2を備えている。気筒2内には、ピストン3が摺動自在に内装されている。ピストン3は、コネクティングロッド4を介してクランクシャフト5と連結されている。
気筒2の内部は、吸気ポート6及び排気ポート7と連通している。気筒2内における吸気ポート6の開口端は、吸気弁8により開閉される。気筒2内における排気ポート7の開
口端は、排気弁9により開閉される。吸気弁8と排気弁9は、吸気側カムシャフト10と排気側カムシャフト11とにより各々開閉駆動される。
前記吸気ポート6は、吸気通路60と連通している。吸気通路60内を流れる吸気は、スロットル弁12により調量された後に吸気ポート6へ流入する。吸気ポート6へ流入した吸気は、吸気弁8の開弁時に気筒2内へ吸入される。その際、燃料噴射弁13から吸気ポート6へ噴射された燃料も吸気とともに気筒2内へ吸入される。
気筒2内に導かれた燃料及び吸気(混合気)は、点火プラグ14が発生する火花を火種として燃焼される。混合気の燃焼エネルギによりピストン3が気筒2内を摺動し、その直線運動がコネクティングロッド4を介してクランクシャフト5の円運動に変換される。
また、気筒2内で燃焼されたガス(既燃ガス)は、排気弁9の開弁時に排気ポート7へ排出される。排気ポート7へ排出された排気は、排気通路70へ導かれる。排気通路70へ導かれた排気は、排気浄化装置15で浄化された後に大気中へ排出される。
前記した排気浄化装置15は、三元触媒や吸蔵還元型NOx触媒等を内装し、所定の活性温度域にある時に排気を浄化可能となる。
このように構成された内燃機関1には、ECU16が併設されている。ECU16は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される電子制御ユニットである。ECU16には、エアフローメータ17、クランクポジションセンサ18、水温センサ19、筒内圧センサ20、温度センサ21、スタータスイッチ22等の各種センサが電気的に接続されている。
エアフローメータ17は、吸気通路60内を流れる吸気量を測定するセンサである。クランクポジションセンサ18は、クランクシャフト5の回転角度を測定するセンサである。水温センサ19は、内燃機関1を循環する冷却水の温度を測定するセンサである。筒内圧センサ20は、気筒2内の圧力を測定するセンサである。温度センサ21は、排気浄化装置15に内装された触媒の床温を測定するセンサである。スタータスイッチ22は、図示しないスタータモータの作動時にオンにされるスイッチである。
ECU16は、上記した各種センサの測定値を入力して内燃機関1の運転状態を制御する。例えば、ECU16は、燃料噴射制御等の既知の制御に加え、本発明の要旨となる冷間時点火制御を行う。以下、本実施例における冷間時点火制御について述べる。
内燃機関1が冷間始動される時は、排気浄化装置15の温度が活性温度域より低いため、該内燃機関1から排出された排気が浄化されずに大気中へ排出される。このため、内燃機関1の始動開始から排気浄化装置15が活性するまでの期間(所要活性時間)を極力短くすることにより、内燃機関1から大気中へ排出されるエミッションを少なくすることが望まれる。
上記した要求に対し、内燃機関1の点火時期をMBTより遅角(遅角処理)させる方法が知られている。遅角処理が行われた場合は、混合気の燃焼速度が低下する。このため、図2の一点破線で示すように、内燃機関1の排気温度が高くなる。排気温度が高くなると、排気から排気浄化装置15へ伝達される熱量が増加するため、排気浄化装置15の昇温が促進される。
ところで、内燃機関1が冷間状態にある時は筒内温度が低くなるため、筒内付着燃料量が増加する。筒内付着燃料の大部分は、燃焼に供されることなく気筒2内から排出される
。その際、排気浄化装置15が活性していなければ、多量の未燃燃料成分が浄化されずに大気中へ排出される。気筒2内から排出される未燃燃料成分は、内燃機関1の温度が低くなるほど、且つ点火時期が遅角されるほど多くなる傾向がある。
よって、内燃機関1が冷間始動された時に点火時期がMBTより遅角されると、排気浄化装置15の活性前に多量の未燃燃料成分が大気中へ排出されることになる。特に、内燃機関1が極低温下で始動された場合は所要活性時間が一層長くなるとともに筒内付着燃料量が増加するため、排気浄化装置15の活性前に大気中へ排出される未燃燃料成分が過剰に多くなる可能性がある。
これに対し、本願発明者が鋭意の実験及び検証を行った結果、点火時期がMBTより前へ進角(進角処理)されると、筒内付着燃料が減少するとともに気筒2内から排出される未燃燃料成分が減少することが解った。
これは、進角処理が行われた時は、圧縮上死点前に燃焼する混合気の量が増加するため、混合気の燃焼による昇温効果とピストン3の圧縮動作(ピストン3が下死点側から上死点側へ移動する動作)による昇温効果との相乗効果により、気筒2内の壁面温度(筒内壁面温度)が高められることに因ると考えられる(図2の実線を参照)。
つまり、進角処理の実行により筒内壁面温度が高くなると、気筒2の内壁面やピストン3に付着した燃料、および/または気筒2の内壁面やピストン3に付着する前の燃料の気化及び酸化が促進される。その結果、気筒2内から未燃のまま排出される燃料成分が減少する。
尚、進角処理が行われた場合は、遅角処理が行われた場合より排気温度が低くなる傾向がある。このため、所要活性時間が長期化して未燃燃料成分以外のエミション(例えば、窒素酸化物(NO))が悪化(増加)する可能性もある。
そこで、本実施例における冷間時点火制御では、ECU16は、内燃機関1が冷間始動された時に、所要活性時間が長くなるか否か、及び筒内付着燃料が多くなるか否かを判別し、その判別結果に基づいて進角処理と遅角処理の何れかを選択及び実行するようにした。
所要活性時間は、排気浄化装置15の温度が活性温度に対して低くなるほど長くなる傾向がある。内燃機関1が冷間始動される時は、内燃機関1の温度と排気浄化装置15の温度が略同等になる。このため、ECU16は、内燃機関1の温度に基づいて所要活性時間が長くなるか否かを判別してもよい。
内燃機関1の温度は、冷却水の温度や潤滑油の温度等と相関する。このため、ECU16は、水温センサ19の測定値(冷却水温度thw)が所定温度未満である時は所要活性時間が許容範囲より長くなると判定し、前記冷却水温度thwが所定温度以上である時は所要活性時間が許容範囲に収まると判定することができる。
また、筒内付着燃料量も内燃機関1の温度と相関するため、冷却水温度thwが所定温度未満である時は筒内付着燃料量が多くなるとともに、冷却水温度thwが所定温度以上である時は筒内付着燃料量が少なくなるとみなすこともできる。
よって、ECU16は、冷却水温度thwが所定温度未満である時は所要活性時間が長くなるとともに筒内付着燃料量が多くなると判定し、冷却水温度thwが所定温度以上である時は所要活性時間が短くなるとともに筒内付着燃料量が少なくなると判定することが
できる。
そこで、ECU16は、冷却水温度thwが所定温度未満である時は、排気浄化装置15の活性前に大気中へ排出される未燃燃料成分が多くなるとみなし、進角処理を選択及び実行する。この場合、気筒2内から排出される未燃燃料成分が減少するため、排気浄化装置15の活性前に大気中へ排出されるエミッションが低減される。
一方、冷却水温度thwが所定温度以上である時は、ECU16は、排気浄化装置15の活性前に大気中へ排出される未燃燃料成分が少なくなるとみなし、遅角処理を選択及び実行する。この場合、排気浄化装置15が速やかに活性温度域へ昇温するため、排気浄化装置15の活性前に大気中へ排出されるエミッションが過剰に多くなることがない。
このように内燃機関1の温度(言い換えれば、排気浄化装置15の温度)に応じて進角処理と遅角処理の何れかが選択及び実行されると、排気浄化装置15の活性前における排気エミッションの低減と排気浄化装置15の早期活性とを効率的に行うことができる。
尚、内燃機関1の始動開始直後のように機関回転数が低い時に、進角処理や遅角処理が実行されると、内燃機関1の始動性が低下する可能性がある。特に、進角処理が行われた場合は、圧縮上死点前に発生する熱エネルギの増加により機関回転速度の失速やクランクシャフト5の逆転を招く可能性がある。
このため、本実施例の冷間時点火制御では、内燃機関1の始動開始後において機関回転数が所定回転数以上に達した時点から進角処理又は遅角処理の実行が開始されるようにした。具体的には、ECU16は、内燃機関1の始動開始後において機関回転数が所定回転数以上となった時の水温センサ19の測定値(冷却水温度thw)に基づいて進角処理と遅角処理の選択・実行を開始する。尚、所定回転数は、進角処理の実行によりクランクシャフト5が逆転しない最低の機関回転数に相当する。また、所定回転数は内燃機関の仕様に応じて変化するため、仕様毎に予め実験的に求めておくようにしてもよい。
以下、本実施例における冷間時点火制御の実行手順について図3のフローチャートに沿って説明する。図3は、冷間時点火制御ルーチンを示すフローチャートである。冷間時点火制御ルーチンは、予めECU16のROMに記憶されているルーチンであり、スタータスイッチ22のオフからオンへの切り換わりをトリガにしてECU16が実行する。
冷間時点火制御ルーチンでは、ECU16は、先ずS101においてスタータスイッチ22がオフからオンへ切り換えられたか否かを判別する。S101において否定判定された場合は、ECU16は本ルーチンの実行を終了する。一方、S101において肯定判定された場合は、ECU16はS102へ進む。
S102では、ECU16は、内燃機関1を始動させる。すなわち、スタータモータを作動させてクランキングを開始するとともに、燃料噴射弁13及び点火プラグ14を作動させる。その際の点火時期は従来通りの規定値に設定される。
S103では、ECU16は、クランクポジションセンサ18の測定値に基づいて機関回転数Neを演算する。
S104では、ECU16は、前記S103で算出された機関回転数Neが所定回転数Netrg以上であるか否かを判別する。S104において否定判定された場合(Ne<Netrg)は、ECU16はS103へ戻る。S104において肯定判定された場合(Ne≧Netrg)は、ECU16はS105へ進む。
S105では、ECU16は、水温センサ19の測定値(冷却水温度thw)を読み込む。
S106では、ECU16は、前記S105で読み込まれた冷却水温度thwが所定温度thwcri未満であるか否かを判別する。S106において肯定判定された場合(thw<thwcri)は、ECU16は排気浄化装置15の所要活性時間が許容範囲より長くなるとともに筒内付着燃料量が多くなると予想してS107へ進む。
S107では、ECU16は、点火時期の進角処理を実行する。その際、点火時期が規定の点火時期から目標点火時期へ一時に進角されると、混合気の燃焼安定性を著しく低下させる可能性がある。そこで、ECU16は、点火時期を1サイクル毎に微増させるようにした。具体的には、ECU16は図4の進角処理ルーチンに従って点火時期を微増させる。
進角処理ルーチンでは、ECU16は、先ずS201において現時点の内燃機関1の運転状態に応じたMBTを取得する。
S202では、ECU16は、点火時期STを規定値からMBTへ一時に変更する。
S203では、ECU16は、点火時期STがMBTへ変更された気筒2について失火検出処理を実行する。例えば、ECU16は、筒内圧センサ20を利用して点火プラグ14作動後の筒内圧の変化量を検出する。尚、内燃機関1が筒内圧センサ20を具備していない場合は、ECU16は、クランクポジションセンサ18を利用してクランクシャフト5の角加速度の変化量を検出してもよい。
S204では、ECU16は、前記S203で検出された変化量に基づいて混合気が着火したか否かを判別する。例えば、ECU16は、前記S203で検出された変化量が一定量以上であることを条件に混合気が着火したと判定してもよい。
S204において否定判定された場合は、ECU16は、S210へ進み、点火時期STを規定値に設定する。その際の規定値は、点火時期STがMBTへ進角される前の点火時期であってもよく、或いは混合気が確実に着火し得る時期であってもよい。
S204において肯定判定された場合は、ECU16は、S205へ進む。S205では、ECU16は、進角処理実行時の目標点火時期STtrgを演算する。この目標点火時期STtrgは、内燃機関1の燃焼状態が不安定にならない範囲内でMBTからの進角量が最大となる点火時期である。この目標点火時期STtrgは、内燃機関1の運転条件によって異なる。よって、内燃機関1の運転条件(例えば、機関回転数Ne、冷却水温度thw、吸気圧Pa等)と目標点火時期STtrgとの関係を予め実験的に求めておき、それらの関係をマップ化しておくようにしてもよい。
ところで、上記した目標点火時期STtrgはあくまで想定値であるため、内燃機関1が実際に運転されている時に前記目標点火時期STtrgが適用されると、燃焼安定性の低下や失火を招く場合がある。そこで、ECU16は、実際の点火時期STをMBTから目標点火時期STtrgへ一時に進角させず、点火時期STの進角量を周期的に微増させる。
具体的には、ECU16は、S206において、点火時期STを1サイクル毎に微増させる。すなわち、ECU16は、前サイクルの点火時期STbeforeに所定値△SA
を加算することにより、次サイクルの点火時期ST(=STbefore+△SA)を決定する。
尚、所定値△SAは固定値であってもよいが、点火時期STの進角量が増加するほど混合気の着火性が低くなるため、進角処理開始後に経過したサイクル数(言い換えれば、S206の実行回数)が多くなるほど小さくされてもよい。例えば、ECU16は、以下の式に従って所定値△SAを決定してもよい。
△SA=a/x+1
上記した式において、aは重み係数、nは減衰乗数、xは進角処理開始後に経過したサイクル数である。
次に、S207では、ECU16は、前記S206で決定された点火時期STに従って点火プラグ14が作動した気筒2について、失火検出処理を行う。
S208では、ECU16は、前記S207で失火検出処理が行われた気筒2の混合気が着火したか否かを判別する。S208において肯定判定された場合は、ECU16は、S209へ進む。
S209では、ECU16は、前記S206で決定された点火時期STが前記S205で決定された目標点火時期STtrgと等しいか否かを判別する。S209において否定判定された場合は、ECU16はS206へ戻る。一方、S209において肯定判定された場合は、ECU16は本ルーチンの実行を終了する。
また、前記S208において否定判定された場合は、ECU16はS211へ進む。S211では、ECU16は、点火時期STを前サイクルの点火時期STbeforeに戻した後、本ルーチンの実行を終了する。
このように図4の進角処理ルーチンに従って点火時期STの進角処理が実行されると、図5に示すように、点火時期STが目標点火時期STtrgまで徐々に進角されるため、内燃機関1の運転状態を不安定にすることなく、点火時期STをMBTより前へ進角させることができる。その結果、排気浄化装置15の活性前における排気エミッションを低減することができる。
ここで図3の冷間時点火制御ルーチンに戻り、ECU16は、S108において内燃機関1がアイドル運転状態から離脱したか否かを判別する。S108において否定判定された場合は、ECU16は、内燃機関1がアイドル運転状態から離脱するまでS108の処理を繰り返す。一方、S108において肯定判定された場合は、ECU16は、S109へ進む。
S109では、ECU16は、進角処理の実行を終了する。すなわち、ECU16は、S109において点火時期STを従来通りの規定値に設定する。これは、内燃機関1がアイドル運転状態から離脱した後も進角処理が継続されると、ノッキング等の不具合を発生する可能性があるからである。
また、S106において否定判定された場合(thw≧thwcri)は、ECU16は、排気浄化装置15の所要活性時間が許容範囲に収まると予想してS110へ進む。
S110では、ECU16は、点火時期の遅角処理を実行する。その際の点火時期は、
進角処理と同様に周期的に微増されてもよいが、所要活性時間の長期化を招くため、規定の点火時期から目標点火時期STtrgまで一時に遅角されることが好ましい。
S111では、ECU16は、排気浄化装置15が活性する時期を予測する。この予測方法としては、遅角処理実行時における温度センサ21の測定値(触媒昇温)の履歴に基づいて排気浄化装置15の温度上昇率(例えば、単位時間当たりの温度上昇量)を求め、その温度上昇率から排気浄化装置15が活性温度域に到達する時期を予測する方法を例示することができる。
S112では、ECU16は、前記S111で予測された時期が予め定められた目標時期以前であるか否かを判別する。S112において肯定判定された場合は、ECU16は、S113へ進む。
S113では、ECU16は、排気浄化装置15が活性したか否かを判別する。例えば、ECU16は、温度センサ21の測定値(触媒昇温)を読み込み、その触媒昇温が活性温度域の下限値以上であるか否かを判別する。S113において否定判定された場合は、ECU16はS111へ戻る。S113において肯定判定された場合は、ECU16はS107へ進む。S107では、ECU16は、遅角処理の実行から進角処理の実行へ切り換える。
上記したような手順により遅角処理が実行されると、図6に示すように、排気浄化装置15が目標時期までに活性する。その結果、排気浄化装置15の活性前における排気エミッションを過剰に増加させることなく排気浄化装置15の早期活性を図ることができる。更に、排気浄化装置15が活性した後は遅角処理の実行から進角処理の実行へ切り換えられるため、筒内付着燃料の低減及び内燃機関1の暖機が図られる。
また、前記S112において否定判定された場合は、ECU16は、S107へ進み、遅角処理の実行を継続せずに進角処理を実行する。この場合、図7に示すように、遅角処理実行開始後の比較的早い時期に遅角処理の実行から進角処理の実行へ切り換えられるため、所要活性時間の長期化による排気エミッションの増加(すなわち、排気浄化装置15の活性前における排気エミッションの増加)を防止することができる。
以上述べたようにECU16が冷間時点火制御ルーチン及び進角処理ルーチンを実行することにより、本発明にかかる進角手段、遅角手段、取得手段、及び制御手段が実現される。その結果、内燃機関1が冷間始動される場合に、排気浄化装置15の活性前における排気エミッションの低減と排気浄化装置15の早期活性を効率的に行うことができる。
内燃機関の点火制御システムの概略構成を示す図である。 点火時期と筒内壁面温度の関係、及び点火時期と排気温度の関係を示す図である。 冷間時点火制御ルーチンを示すフローチャートである。 進角処理ルーチンを示すフローチャートである。 内燃機関の始動開始後に進角処理が行われた場合の点火時期の推移を示す図である。 内燃機関の始動開始後に遅角処理が行われた場合の点火時期の推移を示す図である。 遅角処理を中断して進角処理が行われる場合の点火時期の推移を示す図である。
符号の説明
1・・・・・内燃機関
2・・・・・気筒
3・・・・・ピストン
4・・・・・コネクティングロッド
5・・・・・クランクシャフト
6・・・・・吸気ポート
7・・・・・排気ポート
8・・・・・吸気弁
9・・・・・排気弁
10・・・・吸気側カムシャフト
11・・・・排気側カムシャフト
12・・・・スロットル弁
13・・・・燃料噴射弁
14・・・・点火プラグ
15・・・・排気浄化装置
16・・・・ECU
17・・・・エアフローメータ
18・・・・クランクポジションセンサ
19・・・・水温センサ
20・・・・筒内圧センサ
21・・・・温度センサ
22・・・・スタータスイッチ
60・・・・吸気通路
70・・・・排気通路

Claims (5)

  1. 内燃機関の点火時期をMBTより前へ進角させる進角手段と、
    前記内燃機関の点火時期をMBTより後へ遅角させる遅角手段と、
    前記内燃機関の始動開始後の機関回転数が所定回転数以上に達した時に該内燃機関の温度を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された温度に応じて前記進角手段の作動と前記遅角手段の作動を切り換える制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  2. 請求項1において、前記制御手段は、前記取得手段により取得された温度が所定温度未満である時は前記進角手段を作動させ、前記取得手段により取得された温度が所定温度以上である時は前記遅角手段を作動させることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  3. 請求項1又は2において、前記制御手段は、前記遅角手段の作動中に前記内燃機関の排気系に配置された触媒の活性を検出すると、前記遅角手段の作動から前記進角手段の作動へ切り換えることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記制御手段は、前記遅角手段の作動中に前記内燃機関の排気系に配置された触媒が活性する時期を予測し、予測された時期が所定時期より遅くなる場合は前記遅角手段の作動から前記進角手段の作動へ切り換えることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記制御手段は、前記進角手段の作動中に点火時期の進角量を周期的に微増させるとともに失火検出を行い、失火が検出された時は進角量の微増を停止することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
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