JP2009138466A - トンネル内監視装置 - Google Patents

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博紀 坂井
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Abstract

【課題】目視による監視用に使用されるTVカメラの映像を有効利用して交通量等の他の状態量を計測することのできるトンネル内監視装置を提供する。
【解決手段】トンネル内に配置されトンネル内を撮影するTVカメラ1と、監視室に配置され前記TVカメラが撮影した映像を表示する表示装置10とを備え、該表示装置を利用してトンネル内を監視することのできるトンネル内監視装置において、前記TVカメラが撮影した映像を解析して交通量を計測する交通量計測装置9と、前記トンネル内の換気の状態を計測する換気状態計測器3,5,6と、前記交通量計測装置と換気状態計測器の計測値をもとに前記トンネル内を換気する換気用ファンの駆動を制御する換気自動制御装置8を備え、前記TVカメラの映像出力信号を前記表示装置と前記交通量計測装置で共通に利用した。
【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル内監視装置に係り、特にトンネル内を撮影するカメラを有効利用したトンネル内監視装置に関する。
トンネル換気は、自動車の排出ガスに含まれる煤煙、一酸化炭素などの人体に有害な物質を、ジェットファンや集塵機を使ってトンネル外に排出する技術である。
有害物質の排出にかかる電力量は非常に大きく、トンネルの規模により違いはあるが、トンネルの保守、運用コストの5割以上を占めている。このため、前記電力量を必要最低限に抑えて、運用コストを抑制することが望まれる。
また、トンネルの排気塔から排出したり、トンネル坑口から漏れ出したりする排出ガスが周辺環境に与える影響も無視できない。このように環境に対する関心度も強いことから、トンネルを運用する側および周辺住民の側の何れからも環境負荷を抑えた換気制御が求められている。このように、換気自動制御装置はジェットファンや集塵機を最適運転して電力量を抑えつつ、周辺環境にも配慮した機能が求められている。
このため、トンネル内の環境を把握するための計測器を複数個設置して、近い将来に発生するであろうトンネル内の環境変化を計算機で演算しながら、ジェットファンや集塵機に最適な運転指令を出力することが行われている。
なお、トンネル内の環境を把握するための計測器としては、煤煙透過率計(VI計)、一酸化炭素濃度計(CO計)、風向風速計(AV計)、交通量計(TC計)などが用いられる。また、トンネル内には、トンネル防災の視点からトンネル内で発生した火災事象を監視員が目視確認をするため、CCTV(Closed Circuit Television:閉回路テレビ)カメラを一定の間隔で設置している。
特許文献1および特許文献4には、トンネル内上部に敷設したレール上を移動可能としたカメラを用い、トンネル換気に限らず構造物の管理も統合して、総合的な運用を行う監視制御装置が開示されている。
特許文献2には、複数のカメラをトンネル内に配置し、画像認識を行う煤煙透過率計(VI計)について開示されている。
特許文献3には、ITV(Industrial Television)カメラの映像を渋滞判定に用い、計測器から得た測定値と渋滞判定結果を加味して換気機を制御する換気制御装置が示されている。
特開平11−44200号公報 特開2004−204564号公報 特開2003−49600号公報 特開平6−323099号公報
特許文献1および特許文献4に示される技術は、運用コストを最重要視するトンネル延長が短い小規模トンネルに対しては、案内レールの布設によコストがかかるためトンネル総合監視の設備費用に対する効果が生み出しにくい。また、トンネル延長の長い大規模トンネルに対しては案内レールの布設コストが増大するとともに、分岐や合流箇所の布設にもコストがかかる。
特許文献2には、複数のカメラをトンネル内に配置し、画像認識を行う煤煙透過率計(VI計)について説明している。しかし、このシステムが最終的に出力するものは、一方通行を対象とした進行方向の煤煙濃度分布である。近年ではトンネル内の煤煙濃度分布を数式を用いて導出可能になっている。このため導出式とトンネル内の煤煙濃度分布との比較検証を実施しておけば、精度よく煤煙濃度分布を算出することが可能である。すなわち、特許文献2に開示される技術はトンネル出入口や分岐・合流部などの物理的に煤煙濃度の測定が難しい地点にのみカメラを配置すればよい技術である。
特許文献3には、ITV(Industrial Television)カメラの映像を渋滞判定に用い、計測器から得た測定値と渋滞判定結果を加味して換気機を制御する換気制御装置が示されている。しかし、ITVカメラの映像は渋滞判定にのみ利用され、交通量の算出を行うものではない。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、目視による監視用に使用されるCCTVカメラの映像を有効利用して交通量を計測することのできるトンネル内監視装置を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
トンネル内に配置されトンネル内を撮影するTVカメラと、監視室に配置され前記TVカメラが撮影した映像を表示する表示装置とを備え、該表示装置を利用してトンネル内を監視することのできるトンネル内監視装置において、前記TVカメラが撮影した映像を解析して交通量を計測する交通量計測装置と、前記トンネル内の換気の状態を計測する換気状態計測器と、前記交通量計測装置と換気状態計測器の計測値をもとに前記トンネル内を換気する換気用ファンの駆動を制御する換気自動制御装置を備え、前記TVカメラの映像出力信号を前記表示装置と前記交通量計測装置で共通に利用した。
本発明は、以上の構成を備えるため、目視による監視用に使用されるCCTVカメラの映像を有効利用して交通量等の他の状態量を計測することができる。
以下、最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかるトンネル内監視装置を説明する図である。
トンネル7は、例えば一方通行であり、トンネル内には煤煙透過率計(VI計)3,一酸化炭素濃度計(CO計)5、風向風速計(AV計)6が配置される。また天井にはCCTVカメラ等のTVカメラ1および複数のジェットファン(換気用ファン)が配置される。
トンネル内に滞留する自動車4の排気ガスは、計測器(煤煙透過率計(VI計)3,一酸化炭素濃度計(CO計)5、風向風速計(AV計)6)により計測し、その計測データは現地にある計測盤12に集約される。
TVカメラ1により撮影された映像は、交通量計測装置9およびTV表示装置10に送信される。TV表示装置10はTVカメラ1により撮影された映像を表示して監視員のトンネル監視の用に供する。交通量計測装置9は後述するように、前記TVカメラが撮影した画像を解析して、交通量を計測する。
換気自動制御装置8は、計測盤2を介して取得したデータ(煤煙透過率計(VI計)3,一酸化炭素濃度計(CO計)5、風向風速計(AV計)6のデータ)および、交通量計測装置9が計測した交通量のデータをもとに、ジェットファン2の最適運転指令を予測・計算をして換気連動盤11に出力する。換気連動盤11は前記最適運転指令にしたがってジェットファン2を駆動する
図2は、交通量計測装置9の詳細を説明する図である。図において、13は交通量を計測するための画像処理部、14は入出力インタフェースである。15は映像入力/映像スルー部であり、TVカメラからの映像信号を受け取るとともに、受け取った映像信号を画像取得部16に伝送する。また、前記受け取った映像信号をそのまま前記TV表示装置10に転送する。
17は画像処理部、18は車検出部であり、受け取った映像信号を解析して撮影対象である自動車を例えば車種(大型車、小型車)毎に認識する。19は交通量判定部であり、車検出部18において認識された自動車の数量をもとに交通量、例えば単位時間あたりの通過車両数を車種毎に演算する。20はデータ出力部であり、演算された交通量のデータを換気自動制御装置8に伝送する。換気自動制御装置8は、例えば交通量のデータをもとに排気ガス量のデータを演算し、該データをもとに換気連動盤をを介してジェットファン2を駆動する。
次に、TVカメラ1の映像信号を交通量計測装置9およびTV表示装置10に分配して供給する方法について説明する。この方法には(1)映像信号を分配する分配器を交通量計測装置9とは別個に設置し、これにより分配した信号の一方を交通量計測装置9に供給し、他方をTV表示装置10に供給する方法。(2)映像信号の分配する分配器と交通量計測装置9を一体とした機器(交通量計測装置9)を設置する方法がある。
(1)の方法は、交通量計測装置9とTV装置10の距離が離れている場合に有効であり、分配に必要な同軸ケーブルの量を削減することが可能となる。ただし、交通量計測装置9とは別に分配器が必要となり、設置スペースが限られる場合はあまり適さない。
(2)の方法(図2の方法)は、映像信号を分配する機器(映像入力/映像スルー部15)を交通量計測装置9に組み込むため、設置スペースが限られる場合に有効な手段といえる。したがって、上記(1)、(2)の方法の何れかを、前記各装置の配置状況等に応じて選択して使用すればよい。このため、交通量計測装置9は分配器を内蔵した交通量計測装置9、および分配器を内蔵しない交通量計測装置9として用意しておくのが望ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、トンネル内に配置されトンネル内を撮影するTVカメラ1と、監視室100に配置され前記TVカメラ1が撮影した映像を表示するTV表示装置10とを備え、該表示装置10を利用してトンネル内を監視することのできるトンネル内監視装置において、TVカメラ1をトンネル内の監視(防災監視)用だけでなく、自動車の交通量を計測する計測器として利用することができる。
例えば、TVカメラが撮影した映像信号から、自動車の通行台数と平均速度を算出することができる。また、自動車の区分を細かく分類して、トンネルを利用する自動車の統計をとることができる。また、トンネル内で発生した火災や事故を検出することができる。さらに、映像を分析し画像認識することにより煤煙透過率計(VI計)として利用することができる。
本実施形態にかかるトンネル内監視装置を説明する図である。 交通量計測装置の詳細を説明する図である。
符号の説明
1 TVカメラ
2 ジェットファン
3 煤煙透過率計(VI計)
4 自動車
5 一酸化炭素濃度計(CO計)
6 風向風速計(AV計)
7 トンネル
8 換気自動制御装置
9 交通量計測装置
10 TV表示装置
11 換気連動盤
12 計測盤
13 画像処理部
14 入出力インタフェース
15 映像入力/映像スルー部
16 画像取得部
17 画像処理部
18 車検出部
19 交通量判定
20 データ出力

Claims (5)

  1. トンネル内に配置されトンネル内を撮影するTVカメラと、監視室に配置され前記TVカメラが撮影した映像を表示する表示装置とを備え、該表示装置を利用してトンネル内を監視することのできるトンネル内監視装置において、
    前記TVカメラが撮影した映像を解析して交通量を計測する交通量計測装置と、
    前記トンネル内の換気の状態を計測する換気状態計測器と、
    前記交通量計測装置と換気状態計測器の計測値をもとに前記トンネル内を換気する換気用ファンの駆動を制御する換気自動制御装置を備え、
    前記TVカメラの映像出力信号を前記表示装置と前記交通量計測装置で共通に利用したことを特徴とするトンネル内監視装置。
  2. 請求項1記載のトンネル内監視装置において、
    前記TVカメラの映像出力信号を分岐してその一方を前記表示装置に供給し、他方を前記交通量計測装置に供給することを特徴とするトンネル内監視装置。
  3. 請求項2記載のトンネル内監視装置において、
    映像出力信号は、前記表示装置または交通量計測装置において、少なくともその一方をスルー状態で分岐することを特徴とするトンネル内監視装置。
  4. 請求項1記載のトンネル内監視装置において、
    前記交通量計測装置は、トンネル内を通過する車両の少なくとも種類、台数およびその平均速度を計測することを特徴とするトンネル内監視装置。
  5. 請求項1記載のトンネル内監視装置において、
    前記換気状態計測器は、少なくとも煤煙透過率計、一酸化炭素濃度計、および風向風速計を含むことを特徴とするトンネル内監視装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103196649A (zh) * 2013-04-08 2013-07-10 天津大学 道路隧道通风性能模型试验系统
RU2636007C2 (ru) * 2012-11-06 2017-11-17 Нувап С.Р.Л. Устройство и способ динамического измерения показателя качества среды
KR101834838B1 (ko) * 2016-02-16 2018-03-06 충북대학교 산학협력단 영상처리를 이용한 도로 교통 정보 제공 시스템 및 방법

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