JP2009138318A - 捲縮加工糸とその製造方法及びそれを用いた布帛 - Google Patents

捲縮加工糸とその製造方法及びそれを用いた布帛 Download PDF

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庄次 金谷
Kazuhiro Shiozaki
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Abstract

【課題】抗スナッキング性、ストレッチ性能を有し、かつ、緻密感、表面平滑性を備え、軽量でソフトな着用感を与える編織物を提供する。
【解決手段】下記(1)〜(3)記載の要件を備えた捲縮加工糸とその製造法及び当該捲縮加工糸を用いた布帛。
(1)熱水処理後初期引張抵抗度が15cN/dtex以下
(2)熱水処理後の捲縮率が50%以上
(3)フィラメント間動摩擦係数が0.30以上
【選択図】なし

Description

本発明は、抗スナッキング性に優れた捲縮加工糸及びその製造方法とそれを使用した布帛に関するものである。
最近では、衣料用編織物の軽量化、薄地化の傾向が進み、薄地織編物を構成する繊維が、外部の突起物等に引っ掛かることで生地表面からループ状に突出したり、生地に引きつれを起こしたりする、いわゆるスナッキングの問題が大きく顕在化してきている。
スナッキングの問題を解決するために、特許文献1は、通常の製編工程と染色加工工程により編地を得る際、所定の総繊度を有する糸条を用いて丸編地を製編した後、染色加工工程で隣りあうニードルループ間の距離を短くすることにより、風合いが損なわれることなくスナッキング性が改良された丸編地を提案している。
また、特許文献2においては、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維マルチフィラメント糸条と他のマルチフィラメント糸条とで構成された交絡交撚糸であって、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維マルチフィラメント糸条は、二種以上のポリエステル成分からなり、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートで構成されており、交絡交撚糸は、交絡数が50個/m以上、かつ、撚係数(K)が11000〜17000である交絡交撚糸とその交撚糸で構成された編織物が提案されている。
特開2003−247149号公報 特開2004−91991号公報
本発明は、編み組織に関係なく、かつ、他の特定のマルチフィラメント糸条との交絡交撚糸にすることなく単独撚糸でもスナッキングを生じにくく、抗スナッキング性に優れ、更にはストレッチ性能及び軽量でソフトな着用感を併せ持った薄地の編織物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第1の要旨は、下記(1)〜(3)記載の要件を満足する捲縮加工糸にある。
(1)熱水処理後初期引張抵抗度が15cN/dtex以下
(2)熱水処理後の捲縮率が50%以上
(3)フィラメント間動摩擦係数が0.30以上
本発明の第2の要旨は、下記(4)〜(6)記載の要件を満足するマルチフィラメントを下記(7)、(8)記載の条件下で仮撚加工を行う上記捲縮加工糸の製造方法にある。
(4)初期引張抵抗度が40cN/dtex以下
(5)熱水処理後の捲縮率が20%以上
(6)フィラメント間動摩擦係数が0.30以上
(7)仮撚係数Kが、15000≦K≦32000
K=T×D1/2、T:仮撚数(T/m)、D:マルチフィラメントの繊度(dtex)
(8)仮撚加工温度:150℃〜190℃
本発明によって、スナッキング性に優れ、更にはストレッチ性能を有し、細かな捲縮による緻密感、表面平滑性と共に、軽量でソフトな着用感を併せ持った薄地の編織物が提供される。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の捲縮加工糸は、熱水処理後初期引張抵抗度が15cN/dtex以下であることが必要であり、5〜12cN/dtexの範囲であることが抗スナッキング性を確保する上でより好ましい。15cN/dtexを超えると、ソフトな風合いが得られにくく、5cN/dtex未満のものは繊維の強度が低くなりすぎて、織編物とした場合単糸切れし易く、ピリングし易いものとなる。
捲縮加工糸の熱水処理後の捲縮率は50%以上が必要であり、60%以上であることがより好ましい。この捲縮率を有することによって細かなクリンプが生じることにより、織編物とした際に緻密でフラットな表面構造を形成せしめることが可能となる。捲縮率が50%未満の場合には、抗スナッキング性が劣り、本発明の目的が十分に達成されないものになりやすい。また、90%を超える捲縮率は、加工糸の通過性が著しく低下するため問題がある。
捲縮加工糸のフィラメント間動摩擦係数は、0.30以上である必要がある。さらに好ましくは、0.35〜0.65の範囲である。フィラメント間動摩擦係数が0.30未満の場合には、抗スナッキング性が劣り、本発明の目的が十分に達成されない。また、0.65を超えると原糸製造時にガイドの磨耗や糸切れなどが生じやすく、更に製織、製編等の後工程において、糸に異常テンションや単繊維切れ等の問題が発生しやすい場合があるので好ましくない。
本発明の捲縮加工糸に用いるポリマーとしては、繊維特性を満足できる範囲のポリアミド系、ポリエステル系などのポリマーからなる合繊繊維マルチフィラメントが適用できるが、耐光黄変性、寸法安定性に優れている点で、ポリエステル系合成繊維マルチフィラメントが望ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等一般に知られたいずれかのものを用いることができる。これらの中でも、初期引張強度が低い点からポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートが最も好ましい。
本発明の捲縮加工糸に用いるポリエステル系ポリマーは、本発明の繊維特性を満足できる範囲で第3成分を共重合させたものであってもよい。この第3成分としては、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等)等が挙げられる。
また、カチオン可染性の機能を付与するために5−Naスルホイソフタル酸を1〜3モル%の範囲で共重合してもよい。さらに、必要に応じて制電剤、艶消剤、紫外線吸収剤、染色性改良剤、各種顔料等の添加物を混入せしめてもよい。
本発明の捲縮加工糸を得るためには、マルチフィラメント繊維の初期引張抵抗度が40cN/dtex以下であることが必要である。より好ましくは10〜40cN/dtexの範囲であり、さらに、25〜35cN/dtexの範囲であることが捲縮加工糸として抗スナッキング性を確保する上で、最も好ましい。初期引張抵抗度が40cN/dtexを超えると、ソフトな風合いが得られにくく、10cN/dtex未満のものは繊維の強度が低くなりすぎて、仮撚工程において糸切れが発生しやすい等の問題が生じやすい。
また、本発明の捲縮加工糸を得るためには、マルチフィラメント繊維の熱水処理後の捲縮率が20%以上であることが必要であり、より好ましくは25%以上である。20%未満の場合には、抗スナッキング性が劣り、本発明の目的が十分に達成されない。また、90%を超える捲縮率は、製造が困難である。マルチフィラメント繊維製造上の好ましい範囲は、30〜55%である。
さらに、本発明の捲縮加工糸を得るためには、マルチフィラメント繊維のフィラメント間動摩擦係数が0.30以上である必要がある。さらに好ましくは、0.40〜0.65の範囲である。フィラメント間動摩擦係数が0.30未満の場合には、抗スナッキング性が劣り、本発明の目的が十分に達成されない。また、0.65を超えると製造上、原糸製造時にはガイドの磨耗や糸切れなど生じやすく、更に製織製編等後工程製造において、糸に異常テンションや単繊維切れ等の問題が発生しやすい場合があるので好ましくない。
本発明の捲縮加工糸に用いるマルチフィラメントは、本発明の繊維特性を満足できる範囲で、仮撚加工方法による捲縮糸、または2種類の固有粘度の異なるポリマーを接合させた複合繊維等の捲縮糸であってもよい。
本発明の捲縮加工糸の製造に用いるマルチフィラメントとして2種類の固有粘度の異なるポリマーを接合させた複合繊維を用いる場合は、2種類の固有粘度の異なるポリマーを20/80〜80/20の質量比の範囲で接合させた複合繊維であることが必要である。2種類の固有粘度の異なるポリマーのうち、高粘度ポリマーの質量比に占める割合が、40%未満であると、高いストレッチ性が得られず、また、60%を超えると、繊維強度が劣るため好ましくないため、高粘度ポリマーの質量比は40%以上、60%未満が好ましい。
なお、比重1.38の未変性ポリエチレンテレフタレート、比重1.30の変性ポリブチレンテレフタレートを用いて接合させた場合は、20/80〜80/20の質量比の範囲は、繊維断面における面積の比率として、21/79〜82/18の範囲とすることもできる。
また、2種類のポリマーを接合させた複合繊維を構成する2種類のポリマー間の固有粘度差が0.17以上、1.00以下であることが好ましく、0.20以上、1.00以下であることがさらに好ましい。
次に、本発明の捲縮加工糸を得るための、ポリエステル系複合マルチフィラメント繊維の製造方法について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリエステル系複合マルチフィラメント繊維は、公知の溶融紡糸製造方法で製造可能であるが、複合紡糸においては、高粘度のポリマーAと低粘度のポリマーBを、吐出孔内において各ポリマーの導入孔が紡糸口金の吐出面から2mm未満の位置にある紡糸口金を用い、両成分のポリマーを紡糸口金の吐出面から2mm未満で合流した後、吐出線速度5.0m/min以上で吐出することが望ましい。吐出孔より吐出したマルチフィラメント糸は、公知の方法で未延伸糸として巻き取った後に延伸を行っても、吐出後一旦巻き取ることなく延伸した後、巻き取って延伸糸としてもよい。また、本発明では、紡糸速度1200〜3000m/分、延伸速度は400〜1020m/min、延伸倍率は未延伸糸の最大延伸倍率の0.65〜0.85倍程度が好ましい。なお、マルチフィラメント繊維の断面形状は、円形断面、三葉断面、楕円断面、多角形断面、変形多角形断面、偏平断面、中空糸等、いずれの断面形状であってもよい。
捲縮加工には、スピナーピンによる仮撚、フリクションディスクや、摩擦ベルト等による仮撚、スターッファーボックスによる手法等を用いる事が出来るが、均一に捲縮を付与するためにはスピナーピンによる仮撚が好ましいものである。
本発明の捲縮加工糸を得るためには、仮撚係数Kが15000以上32000以下であることが好ましい。仮撚係数Kが15000未満では、細かな捲縮の付与が不充分で、かつ、位相のそろった捲縮形態になりやすく、原糸であるマルチフィラメント繊維の捲縮性から大きな向上が得られにくい為、抗スナッキング性が達成されにくい。また仮撚係数Kが32000を超える場合には、細かな捲縮を得ることが出来るものの 仮撚加工時に単繊維毛羽等が発生しやすく、製織製編等の後工程において欠点が生じやすい。
本発明の捲縮加工糸を得るためには、仮撚加工温度が、150℃〜190℃の範囲であることが好ましい。190℃を超えた場合、単繊維間の融着が生じやすく細かな捲縮の付与が不充分となり、また風合いも堅くストレッチ性も得られにくい。一方、150℃未満の場合は、細かな捲縮の耐久性が不充分となりやすいために好ましくない。
編組織について、特に限定されず、例えば、ハーフトリコット、ラッセル等の経編み、天竺、スムース、ゴム、ミラノリブ、ポンチローマ等の丸編み及び横編等が挙げられる。ゲージは、経編みで14〜40GG、丸編みで14〜40GG、横編みで3〜22GGが好ましい。また、織組織(織密度)についても、特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織等の一重織、平二重、綾二重、緯二重等の重ね組織、パイル組織、からみ織等が挙げられる。
また、本発明の捲縮加工糸を含む布帛は、捲縮加工糸を単独で用いても、他繊維を含んでいても良いが、高いストレッチ性を得るためには、本発明の捲縮加工糸を、交織、交編として布帛に含ませたり、混繊や合撚等の複合糸条としたりする場合30質量%以上含まれることが好ましい。
本発明における物性の測定及び特性評価は下記の方法により行った。
(1)ポリマーの固有粘度[η]
ポリマーをフェノールとテトラクロロエタンの1:1の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を用いて25℃における固有粘度を測定した。
複合紡糸繊維の固有粘度の測定は、複合紡糸繊維を紡糸する条件で、ノズルのみをポリマーA、ポリマーBそれぞれの単一成分のみを吐出可能なノズルに取り替えて、前記ポリマーAのみからなる糸条と、前記ポリマーBのみからなる糸条をサンプリングし、ポリマーをフェノールとテトラクロロエタンの1:1の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計により25℃におけるそれぞれの固有粘度を測定した。
(2)ポリマーの融点
示差走査型熱量計(セイコー電子工業(株)製、製品名:DSC220)を用いて、昇温速度10℃/分で測定した。
(3)繊維の破断強度及び破断伸度
オートグラフ((株)島津製作所製、製品名:SD−100−C)を用いて、試長200mm、引張速度200mm/分で応力−伸長曲線を測定し、繊維の破断点の破断強度および破断伸度を求めた。
(4)熱水処理後の初期引張抵抗度及びマルチフィラメントの初期引張抵抗度
熱水処理後の初期引張抵抗度は、ボイル以上の染色温度にて処理された製品を想定し、抗スナッキング性評価に供する筒編地と同様の方法で沸水処理を30分間施した後、300mm抜糸し、JIS L 1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)に準拠して測定を実施した。
また仮撚加工に供するマルチフィラメントの初期引張抵抗度は、原糸そのものをJIS L 1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)に準拠して測定した。試長200mm、引張速度20mm/分、チャート速度300mm/分で、荷重−伸長曲線を描き、この曲線から原点の近くで伸長変化の最大点A(接線角の最大点)を求め、次の式により算出した。
初期引張抵抗度(cN/dtex)=P/(d× l’/l)
(P:接線角の最大点Aにおける荷重(cN)、d:繊維の繊度(dtex)、l:
試験長(mm)、l’:THの長さ(Hは垂線の足、Tは接線の横軸との交点))
(5)捲縮率
捲縮機にて5回かせ取りした捲縮加工糸、または仮撚加工に供するマルチフィラメント繊維を、二重にして1/6000(g/D)の荷重をかけ、スタンドに吊り30分間放置し、次いでこの状態を維持したまま沸水中に入れ30分間処理する。その後、30分間風乾し、1/500(g/D)の荷重をかけ、長さ(a)を測定する。次に、1/500(g/D)の荷重をはずした後、1/20(g/D)の荷重をかけて、その長さ(b)を測定する。この(a)値と(b)値から次の式により捲縮率を求めた。
捲縮率(%)=((b−a)/b)×100
(6)フィラメント間動摩擦係数
フィラメント間動摩擦係数の測定は、糸条を脱脂したのち、温度25℃、湿度65%条件下で、Dupont法、すなわちフィラメントをアルミ製の小径ボビンに15°の綾角で一定量巻き付け、アルミボビンの表面を全面被覆したものを摩擦体として、同一の糸条をそのアルミボビンに180°巻き付け、一端に荷重3gを、他の一端にUゲージに取り付け、アルミボビンを取り付けたシリンダーを速度18m/分で回転させ、Uゲージにかかる張力を測定し、次の式により算出した。
フィラメント間動摩擦係数=2.303/π×log(測定張力/荷重)
(7)抗スナッキング性評価用編地の作成
筒編機(栄光産業株式会社製、製品名:CR−B型、釜径3.5インチ)を用いて、ゲージ数32の条件で編地を作成した。
(8)抗スナッキング性評価
抗スナッキング性評価の測定は、上記において作成した編地に対して沸水処理を30分間施したのち、風乾した編地試料をJIS L 1058(D−4法、カナノコ法)抗スナッキング試験方法にしたがって測定し、3.5級以上を合格とした。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1〜3,比較例1、2]
ジメチルテレフタレート3.74kg、1,4−ブタンジオール2.234kg及び分子量約1000のPTMG0.75kgを、チタンテトラブトキサイド3gの存在下、150〜210℃でエステル交換反応を行わせ、その後酸化防止剤として、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート))メタン5gを添加し、次いで徐々に減圧にしながら247℃まで昇温、最終的に0.2kPaの圧力で重合反応を行い、固有粘度1.25、融点215℃のポリオキシテトラメチレングリコール15質量%変性ポリブチレンテレフタレート(ポリマーA)を得た。
上記変性ポリブチレンテレフタレート(ポリマーA)と、固有粘度0.90、融点223℃の未変性ポリブチレンテレフタレート(ポリマーB)を、それぞれ乾燥した後、24ホール、口径0.6mmの円形吐出孔を有する複合紡糸口金を設置した紡糸装置を用い、2種類の固有粘度の異なるポリマーAと、ポリマーBを50/50の質量比で接合させ、紡糸ノズル温度250℃、紡糸速度1800m/分で複合紡糸した。得られた未延伸糸を延伸速度600m/分、延伸温度60℃、熱セット温度、40℃、最大延伸倍率の0.75倍で延伸し、83dtex/24フィラメント(以下、fと標記。)の延伸糸を得た。得られた複合紡糸マルチフィラメントの繊維物性及び紡糸ノズルから単独に紡出された糸をサンプリングして測定したそれぞれのポリマーの固有粘度を表1に示す。
この複合紡糸マルチフィラメントを表2に示す仮撚条件で捲縮加工糸とし、併せて捲縮加工糸の物性と抗スナッキング性能を示した。
[比較例3]
未変性ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.69、融点256℃、比重1.38)を乾燥後、24ホール、口径0.6mmの円形吐出孔を有する口金を設置した紡糸装置を用い、紡糸ノズル温度280℃、紡糸速度1800m/分で紡糸し、得られた未延伸糸を延伸速度600m/分、延伸温度80℃、熱セット温度130℃、最大延伸倍率の0.75倍で延伸し、単一成分の83dtex/24fの延伸糸を得た。得られた未変性PET繊維の物性、及び紡糸ノズルから紡出された糸をサンプリングして測定した固有粘度を表1に示す。
得られた繊維を表2に示す仮撚条件下で捲縮加工糸とし、併せて捲縮加工糸の物性と抗スナッキング性能を示した。
[比較例4]
未変性ポリブチレンテレフタレート(PBT)の単一成分繊維として、ポリマーBを使用した。
前記チップを乾燥後、24ホール、口径0.6mmの円形吐出孔を有する口金を設置した紡糸装置を用い、紡糸ノズル温度260℃、紡糸速度1800m/分で紡糸し、得られた未延伸糸を延伸速度600m/分、延伸温度60℃、熱セット温度120℃、最大延伸倍率の0.75倍で延伸し、86dtex/24fの延伸糸を得た。得られた未変性PBT繊維の物性及び紡糸ノズルから紡出された糸をサンプリングして測定した固有粘度を表1に示す。
得られた繊維を表2に示す仮撚条件で捲縮加工糸とし、併せて捲縮加工糸の物性と抗スナッキング性能を示した。
Figure 2009138318
Figure 2009138318

Claims (4)

  1. 下記(1)〜(3)記載の要件を満足する捲縮加工糸。
    (1)熱水処理後初期引張抵抗度が15cN/dtex以下
    (2)熱水処理後の捲縮率が50%以上
    (3)フィラメント間動摩擦係数が0.30以上
  2. 請求項1に記載の捲縮加工糸を一部に用いてなる布帛。
  3. 下記(4)〜(6)記載の要件を満足するマルチフィラメントを下記(7)、(8)記載の条件下において仮撚加工を行うことを特徴とする請求項1記載の捲縮加工糸の製造方法。
    (4)初期引張抵抗度が40cN/dtex以下
    (5)熱水処理後の捲縮率が20%以上
    (6)フィラメント間動摩擦係数が0.30以上
    (7)仮撚係数Kが、15000≦K≦32000
    K=T×D1/2、T:仮撚数(T/m)、D:マルチフィラメントの繊度(dtex)
    (8)仮撚加工温度:150℃〜190℃
  4. マルチフィラメントが2種類の固有粘度の異なるポリマーを20/80〜80/20の質量比でサイドバイサイドに接合させた複合繊維である請求項3記載の捲縮加工糸の製造方法。
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