JP2009137919A - (メタ)アクロレインの製造装置 - Google Patents

(メタ)アクロレインの製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009137919A
JP2009137919A JP2007318960A JP2007318960A JP2009137919A JP 2009137919 A JP2009137919 A JP 2009137919A JP 2007318960 A JP2007318960 A JP 2007318960A JP 2007318960 A JP2007318960 A JP 2007318960A JP 2009137919 A JP2009137919 A JP 2009137919A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
tube
channel
gas
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007318960A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoki Fukui
友基 福井
Daisuke Tomikawa
大輔 富川
Tomomichi Hino
智道 日野
Toru Kuroda
徹 黒田
Nobuo Momotomi
宣生 百冨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2007318960A priority Critical patent/JP2009137919A/ja
Publication of JP2009137919A publication Critical patent/JP2009137919A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】触媒層から出た反応ガスが、チャンネル内で逐次的酸化反応して爆発的な燃焼反応に移行するおそれがほとんどない多管式反応器を有し、高い安全性で、安定して(メタ)アクロレインが製造できる装置。
【解決手段】触媒の存在下、原料ガスを気相接触酸化して(メタ)アクロレインを得る多管式反応器1を有する製造装置であって、多管式反応器1は、触媒が充填された複数の反応管22と、反応管22の両端が束ねられた状態で固定された管板21a、21bと、管板21a、21bが固定されたシェル20と、シェル20の反応管22の出口側に設けられたチャンネル10、30と、反応ガスが滞留するチャンネル10内に設けられた冷却装置40とを有しており、管板21bと冷却装置40との間に不活性充填材50が充填されており、冷却装置40の表面の材質がステンレス鋼である、(メタ)アクロレインの製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、(メタ)アクロレインの製造装置に関する。
例えば、プロピレンを原料として気相接触酸化反応によりアクロレインを合成し(第1段酸化)、更に該アクロレインを気相接触酸化してアクリル酸を合成する(第2段酸化)工程や、イソブチレン、t−ブタノール及びメチル−t−ブチルエーテルのうちの少なくとも一つを原料として気相接触酸化反応によりメタクロレインを合成し(第1段酸化)、更に該メタクロレインを気相接触酸化してメタクリル酸を合成する(第2段酸化)工程は、工業的に重要である。この二つの工程は、それぞれ第1段、第2段の二つの気相接触酸化反応からなる。
これらの気相接触酸化反応は、いずれの場合も、固体触媒粒子からなる触媒層を高温に保ち、該触媒層に原料ガスを通過させることにより行われる。この気相接触酸化反応は、大きな発熱を伴う反応であり、反応温度が高すぎると逐次酸化反応(アフターバーニング)が起きてしまうため、目的生成物の収率及び安全性の点から反応温度を厳密に制御することが重要である。
気相接触酸化反応は、図2に示すような、多管式反応器2により行われるのが一般的である。多管式反応器2は、上部チャンネル110と、シェル120と、下部チャンネル130とを有している。シェル120には、管板121a、121bが固定され、管板121a、管板121bには複数の反応管122が束状に固定され、反応管122の内部に触媒が充填されて触媒層123が形成される。また、シェル120には、下部熱媒ノズル124と上部熱媒ノズル125が設けられ、下部熱媒ノズル124から流入された熱媒が、シェル120内の反応管122の外側(シェル側120a)を通過して、上部熱媒ノズル125から流出される。
気相接触酸化反応は、触媒層123に反応ガスを通過させることにより行われ、シェル側120aに流される熱媒により、反応管壁を通して反応熱が取り除かれることで反応温度の上昇が抑えられる。
また、多管式反応器2は、大きな空間を有する上部チャンネル110及び下部チャンネル130があり、原料ガス及び反応管122から出た反応ガスはこれらのチャンネル内に一定時間滞在する。これらのチャンネルは、多管式反応器2に供給された原料ガスの各反応管122への分配、及び触媒層から出た反応ガスの回収のために設けられる。しかし、特に、触媒層を出た反応ガスが高温のままチャンネル内に滞在すると、逐次酸化反応(アフターバーニング)が進行することにより、多くの不純物が生成して目的生成物の収率低下及び品質低下をきたす。更に、その逐次酸化反応による発熱によって酸化反応が加速され、爆発的な燃焼反応に移行するおそれがある。この爆発的な燃焼反応は、チャンネルの容積が大きく、保持される反応ガスの量が多い程、破壊力が増す。したがって、逐次酸化反応が進行するおそれのある状態で反応ガスがチャンネル内に滞在するのを防ぐことは、前記のような酸化反応プロセスにとって非常に重要である。
また、このような問題は、反応温度がより高い第1段酸化の(メタ)アクロレインを合成する工程において特に考慮する必要がある。
多管式反応器内での逐次酸化反応を防止する方法としては、以下に示すものがある。
シェル内の反応管の外側の空間(シェル側)が、1枚以上の隔壁板により反応管の長さ方向に2つ以上の空間に区切られ、各空間内の熱媒の温度をそれぞれ独立に設定できる多管式反応器を用い、反応管内の長さ方向の温度を調節する方法(特許文献1)。
触媒層を出た反応ガスの逐次酸化反応で生成したジケトン類によって製品の品質が低下することを避けるため、触媒層の出口側に設けられたチャンネルの容積を減少させた多管式反応器を用いる方法(特許文献2)。
反応ガスの逐次酸化反応によるジケトン類の生成を抑えるため、触媒層から出る反応ガスが300℃を超えた場合に0.01〜10秒間で300℃以下に急冷する急冷領域を設ける方法(特許文献3)。急冷領域を設ける方法としては、(1)特許文献1と同様に、シェル内の反応管の外側の空間を隔壁板により区切り、その反応管出側の空間に急冷用の温度の低い熱媒(290℃)を流し、その空間に相当する反応管内に不活性担体を充填して急冷領域とする方法、(2)反応管束に直結して多管式熱交換器を設置して急冷領域とする方法、(3)フィンチューブを挿入して急冷領域とする方法等、反応管束の一部を使うか、反応管束を継ぎ足して冷却領域を設ける方法が示されている。
特公昭60−29290号公報 特開平5−125010号公報 特公平7−119187号公報
しかし、特許文献1〜3の方法は、ジケトン類等の不純物の生成を抑えることを目的とするものである。そのため、これらの方法は、触媒層からチャンネル内に侵入する反応ガスが特に高温となる第1段酸化の多管式反応器において、チャンネル内での逐次的酸化反応の進行による爆発的な燃焼反応への移行を防止するという点からは充分な方策とは言えない。
特許文献2の方法は、触媒層の出口側に設けられたチャンネルの容積を減少させて得られる効果がそれほど大きくない。そのため、さらに効果を高くするためにチャンネルの容積を減少させた場合、反応管束の中心と外側とで、反応管からチャンネルの内壁までの距離が異なり、それぞれの触媒層から出た反応ガスの流動抵抗の差が大きくなることで偏流が起きる可能性がある。
また、特許文献1及び3の方法は、反応ガスを冷却するために反応管の一部の領域を使用するため、反応管を長くして多管式反応器が大きくなることは経済的負担が大きい。また、冷却領域を大きくできない場合には、熱媒が流れる空間が小さくなり、熱媒が偏流を起こして温度制御が難しくなる。
また、空間を仕切る隔壁板と反応管とは完全に結合されておらず、隔壁板と反応管の間から少量の熱媒の通過があるため、冷却領域で使用する熱媒の種類は気相接触酸化を行う領域と同じでなければならない。一般に触媒層の除熱には無機溶融塩が使われるが、無機溶融塩の取り扱いは複雑であり、冷却領域にも独立に熱媒循環・除熱機構一式を設置することは経済的負担が大きい。
また、この方法は触媒層の出口側に設けられたチャンネルの空間容積を減らす効果がない。
以上より、第1段酸化である(メタ)アクロレインの製造において、触媒層から出た反応ガスがチャンネル内で逐次的酸化反応を起こして爆発的な燃焼反応に移行するおそれがほとんどない多管式反応器が望まれている。
そこで、本発明では、触媒層から出た反応ガスがチャンネル内で逐次的酸化反応して爆発的な燃焼反応に移行するおそれがほとんどない多管式反応器を有し、高い安全性で、安定して(メタ)アクロレインを製造できる装置を目的とする。
本発明の(メタ)アクロレインの製造装置は、触媒の存在下、原料ガスを気相接触酸化して(メタ)アクロレインを得る多管式反応器を有する製造装置であって、前記多管式反応器は、触媒が充填された複数の反応管と、該反応管の両端が束ねられた状態で固定された管板と、該管板が固定されたシェルと、該シェルの反応管の両方の開口側に設けられた2つのチャンネルと、該チャンネルうち、反応管から出た反応ガスが滞在するチャンネルに設けられた冷却手段とを有しており、前記冷却手段を有するチャンネル内には、管板と冷却手段との間に不活性充填材が充填されており、冷却手段の表面の材質はステンレス鋼である。
また、本発明の(メタ)アクロレインの製造装置は、前記冷却手段を有するチャンネル内の、冷却手段が占める空間体積をV(m)、前記冷却手段の表面積をS(m)としたとき、50≦S/Vであるのが好ましい。
本発明の製造装置は、触媒層から出た反応ガスがチャンネル内で逐次的酸化反応して爆発的な燃焼反応に移行するおそれがほとんどなく、高い安全性で、安定に(メタ)アクロレインを製造できる。
以下、本発明の(メタ)アクロレインの製造装置の実施形態の一例について、図1に基づいて詳細に説明する。
本発明の製造装置は、触媒の存在下、原料ガスを気相接触酸化して(メタ)アクロレインを得る多管式反応器1を有する製造装置である。
(メタ)アクリル酸の製造方法としては、例えば、プロピレン等の原料ガスから第1段酸化である気相接触酸化反応により(メタ)アクロレインを得て、更に該(メタ)アクロレインから第2段酸化である気相接触酸化反応により(メタ)アクリル酸を得る方法があり、本発明の製造装置はこの第1段酸化に用いることができる。
具体的には、イソブチレン、t−ブタノール、メチル−t−ブチルエーテルからメタクロレインを製造する第1段酸化では、例えば、イソブチレン、t−ブタノール及びメチル−t−ブチルエーテルのうちの少なくとも1つの気体を5〜20容量%、分子状酸素を5〜20容量%、水蒸気を0〜30容量%、その他の窒素や炭酸ガス等の不活性ガスを含む原料ガスを、モリブデン−ビスマス−鉄等を含有する多元系酸化触媒粒子を充填した反応管に空間速度500〜3000h−1で供給し、300〜450℃の温度に保って気相接触酸化反応させる。
得られたメタクロレインからメタクリル酸を製造する第2段酸化では、例えば、得られたメタクロレイン5〜20容量%、分子状酸素5〜20容量%、水蒸気3〜15容量%、その他窒素や炭酸ガス等の不活性ガスを含む反応ガスを、リンモリブデン酸系ヘテロポリ酸又はその金属塩からなる触媒粒子を充填した反応管に、空間速度500〜3000h−1で供給し、200〜400℃の温度に保って気相接触酸化反応させる。
このように、第1段酸化に用いる多管式反応器は、第2段酸化に用いる多管式反応器に比べて反応温度が高くなるため、反応管から出た反応ガスがチャンネル内で逐次的酸化反応を起こし、爆発的な燃焼反応に移行するおそれが大きい。
逐次的酸化反応による爆発的な燃焼を防止するには、逐次的酸化反応が加速する前に早期に反応系から反応エネルギーを奪う必要がある。それには以下の2つことを実現すればよい。
(1)反応管を通過してきた反応ガスの温度を短時間で低下させること。
(2)反応ガスの滞在する空間(チャンネル内)を仕切り板等で細かく仕切ることにより小さくすること。
(1)では、反応ガスの熱エネルギーを奪うことにより、逐次的酸化反応が起きるのを妨げる。(2)では、たとえ加速度的な逐次的酸化反応が起きても、それを継続するエネルギーを仕切り板に吸収させて反応が伝播するのを妨げる。すなわち、燃焼工学でいう消炎直径(火炎がエネルギーを消失してしまい、通り抜けることができない限界の孔径。)や消炎距離(燃焼が固体表面で進行せず、火炎が存在できなくなる距離。)と同じ現象を利用するものである。
本発明の多管式反応器1は、図1に示すように、触媒が充填された複数の反応管22と、反応管22の両端を束ねた状態で固定される管板21a、21bと、管板21a、21bが固定されるシェル20と、シェル20の反応管22の上方に設けられた上部チャンネル10と、上部チャンネル10内に設けられた冷却装置40とを有している。
シェル20の内部には、管板21a、21bが設けられており、上下の管板21a、21bにより複数本の反応管22が束状に固定されている。反応管22の本数は多管式反応器1によっても異なるが、通常、数千〜数万本である。また、反応管22の径は通常1〜2インチである。反応管22の内側には触媒が充填されることにより触媒層23が形成され、触媒層23中に原料ガスが流されることにより気相接触酸化反応が行われる。
また、シェル20には、下部熱媒ノズル24と上部熱媒ノズル25とが設けられる。
反応管22とシェル20とに挟まれた空間(シェル側20a)には熱媒が流され、反応管壁を通して反応熱が取り除かれることにより反応温度が制御される。熱媒は、下部熱媒ノズル24からシェル側20aに流入され、上部熱媒ノズル25からシェル20外へと流出される。
熱媒としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、及び硝酸カリウムの混合物等が挙げられる。
シェル20の上下には、反応管22の上下の管板21a、21bの部分から形成されたチャンネルカバーにより、上部チャンネル10と下部チャンネル30とが設けられる。上部チャンネル10には上部ノズル11が設けられ、下部チャンネル30には下部ノズル31が設けられる。原料ガスは、下部ノズル31から多管式反応器1に流入され、上部ノズル11から多管式反応器1の外側に流出される。下部チャンネル30は流入された原料ガスをそれぞれの反応管22へと分配し、上部チャンネル10は反応管22から出た反応ガスを収集する。
このように、多管式反応器1では、原料ガスは下部ノズル31から供給されて下側チャンネル30に入り、各反応管22へと分配され、各反応管22の触媒層23内で予熱されて反応し、上部チャンネル10で合流混合されて上部ノズル11から次工程に送られる。
多管式反応器1の寸法は、反応速度、除熱速度、反応管22内での原料ガスの空間速度、圧力損失、生産量、所要触媒量等によって決定すればよく、商業規模の場合、多管式反応器1の径(管板21a、21bの径)は通常反応管の長さと同等とされる。
また、上部チャンネル10及び下部チャンネル30は、直胴部12及び32を有しており、該直胴部12、32の径は管板21a、21bの径に等しいので、上部チャンネル10及び下部チャンネル30の容積は、通常、全反応管22の触媒層23の合計体積の半分を超える程になる。そのため、触媒層23中の空隙の体積が触媒層23全体の体積の40〜60%程度であることを考慮すると、反応ガスの上部チャンネル10又は下部チャンネル30内での滞在時間は触媒層23内の滞在時間(反応時間)に匹敵する。
下部チャンネル30内に供給される原料ガスは予熱されておらず、通常150℃以下であるため、比較的安全であるが、触媒層23を通過した反応ガスの温度が非常に高温となる条件では、反応ガスがそのまま上部チャンネル10内に滞在すれば逐次酸化反応が進行し、爆発的な燃焼反応を引き起こすおそれがある。
そのため、本発明の多管式反応器では、反応管から出た反応ガスを冷却するために、反応管から出た反応ガスが滞在する側のチャンネル内に冷却装置が設けられる。本実施形態例の多管式反応器1では、触媒層23から出た反応ガスを冷却するために、上部チャンネル10内に冷却手段が設けられている。
冷却手段としては、触媒層23から出た反応ガスを冷却できる冷却装置40が挙げられ、例えば、フィンチューブ型熱交換器や、ストレート(フィン無し)チューブによる多管式熱交換器等が挙げられる。なかでも、条件50≦S/Vを満たす設計が容易であるという点からフィンチューブ型熱交換器であることが好ましい。冷却装置40としては、触媒層23から出た反応ガスの温度を290℃以下まで冷却できる装置であるのが好ましい。
本発明の製造装置の冷却装置40の表面の材質は、ステンレス鋼(SUS材)である。冷却装置40の表面の材質がSUS材であれば、触媒層23を通過した反応ガスの逐次的酸化反応を抑制する効果が高い。
また、多管式反応器1の内壁の、340℃以上の反応ガスと接触する部分の材質も、同様の理由からSUS材であるのが好ましい。
冷却装置40は、触媒層23から出た反応ガスが冷却されるまでの空間を小さくするため、可能な限り管板21bの近くに取り付けられるのが好ましい。しかし、通常、冷却装置40の構造上限りがあることが多く、冷却装置40と管板21bとの間には空間ができてしまう。そのため、本発明の多管式反応器1では、冷却装置40と管板21bとの間に不活性充填材50を充填する。不活性充填材50を充填することにより、冷却装置40と管板21bとの間の空間を減らすことができる。また、同時に、体積あたりの不活性表面を増やす効果がある。
不活性充填材50としては、反応ガスの気相接触酸化反応及び逐次的酸化反応に対して不活性なものであればよく、触媒用の不活性担体を用いるのが好ましい。
また、多管式反応器1は、上部チャンネル10内の、冷却手段が占める空間体積をV(m)、前記冷却手段の表面積をS(m)としたとき、50≦S/Vであるのが好ましい。例えば、本実施形態例では、冷却装置40が占める空間体積V(m)は、上部チャンネル10の直胴部12内の、冷却装置40の下面と上面とで挟まれた空間の体積である。S/Vの値を50以上とすることにより、触媒層23から出た反応ガスが冷却装置40に接触する面積を大きくすることができ、反応ガスの冷却が容易になる。
冷却装置40及び不活性充填材50を設ける位置は、図1に示した場合に限定されない。本実施形態例では、多管式反応器1が、原料ガスを下部チャンネル30側から上部チャンネル10側へと流すため、上部チャンネル10内に冷却装置40と不活性充填材50を設けているが、原料ガスを逆向きに流す場合には、冷却装置40と不活性充填材50とを下部チャンネル30内に設ければよい。ただし、冷却装置40及び不活性充填材50との設置作業が容易である点から、原料ガスを下部チャンネル30側から上部チャンネル10側へと流し、冷却装置40及び不活性充填材50とを上部チャンネル10内に設置するのが好ましい。
本発明の(メタ)アクロレインの製造装置は、以上説明した多管式反応器1を有する装置である。
通常用いられる多管式反応器では、熱媒による除熱を効率的に行うためには反応管の径を大きくすることが難しく、必要な触媒量を保持するためには反応管の数が多くなる。そのため、反応管を固定する管板の径が大きくなり、それに応じてチャンネルの容積も大きくなっており、反応ガスがチャンネル内に滞在する時間も長く、逐次的酸化反応が加速されて爆発的な燃焼反応に移行するおそれが大きくなる。
しかし、本発明の多管式反応器1では、冷却装置40により反応管22を通過した反応ガスを直ちに冷却し、チャンネル内で逐次的酸化反応が起きるのを防ぐことができ、爆発的な燃焼反応が起きるおそれがほとんどない。本発明の冷却装置40は、たとえ加速度的な逐次的酸化反応が起きても、それを継続するエネルギーを吸収させて反応が伝播するのを防ぐ働きも有すると考えられる。また、管板21bと冷却装置40との間に不活性充填材50を設けて空間を減少させているため、たとえ逐次的酸化反応が起こるようなことがあったとしても爆発的な燃焼反応に移行することがほとんどない。
本発明の製造装置によれば、多管式反応器を用いて気相接触酸化反応により(メタ)アクロレインを製造する際、触媒層から出た反応ガスの加速度的な逐次酸化反応を防止し、収率低下や品質低下を防ぐだけでなく、高い安全性の下、安定して(メタ)アクロレインを製造できる。
本発明の多管式反応器の実施形態の一例を示した側断面図である。 従来用いられている一般的な多管式反応器の一例を示した側断面図である。
符号の説明
1 多管式反応器
10 上部チャンネル
20 シェル
21a、21b 管板
22 反応管
30 下部チャンネル
40 冷却装置
50 不活性充填材

Claims (2)

  1. 触媒の存在下、原料ガスを気相接触酸化して(メタ)アクロレインを得る多管式反応器を有する製造装置であって、
    前記多管式反応器は、触媒が充填された複数の反応管と、該反応管の両端が束ねられた状態で固定された管板と、該管板が固定されたシェルと、該シェルの反応管の両方の開口側に設けられた2つのチャンネルと、該チャンネルうち、反応管から出た反応ガスが滞在するチャンネルに設けられた冷却手段とを有しており、
    前記冷却手段を有するチャンネル内には、管板と冷却手段との間に不活性充填材が充填されており、
    冷却手段の表面の材質がステンレス鋼である、(メタ)アクロレインの製造装置。
  2. 前記冷却手段を有するチャンネル内の、冷却手段が占める空間体積をV(m)、前記冷却手段の表面積をS(m)としたとき、50≦S/Vである、請求項1に記載の(メタ)アクロレインの製造装置。
JP2007318960A 2007-12-10 2007-12-10 (メタ)アクロレインの製造装置 Pending JP2009137919A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007318960A JP2009137919A (ja) 2007-12-10 2007-12-10 (メタ)アクロレインの製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007318960A JP2009137919A (ja) 2007-12-10 2007-12-10 (メタ)アクロレインの製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009137919A true JP2009137919A (ja) 2009-06-25

Family

ID=40868933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007318960A Pending JP2009137919A (ja) 2007-12-10 2007-12-10 (メタ)アクロレインの製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009137919A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110801784A (zh) * 2019-11-14 2020-02-18 西安航天华威化工生物工程有限公司 丙烯醛反应系统
CN114797691A (zh) * 2022-05-09 2022-07-29 漳州市龙文翰苑化工有限公司 一种用于甲醛生产的氧化反应器及工艺

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110801784A (zh) * 2019-11-14 2020-02-18 西安航天华威化工生物工程有限公司 丙烯醛反应系统
CN114797691A (zh) * 2022-05-09 2022-07-29 漳州市龙文翰苑化工有限公司 一种用于甲醛生产的氧化反应器及工艺
CN114797691B (zh) * 2022-05-09 2024-02-27 漳州市龙文翰苑化工有限公司 一种用于甲醛生产的氧化反应器及工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7316804B2 (en) Flow reactors for chemical conversions with heterogeneous catalysts
US8034308B2 (en) Multi-stage multi-tube shell-and-tube reactor
AU2002322502A1 (en) Flow reactors for chemical conversions with heterogeneous catalysts
JP2004202430A (ja) プレート型触媒反応器
JPS6217579B2 (ja)
BRPI0406992B1 (pt) Processo para oxidar parcialmente o propeno a ácido acrílico em fase gasosa sob catálise heterogênea
CA2125073C (en) Reactor and continuous process to be carried out therewith for the preparation of ethylene glycol carbonate and propylene glycol carbonate
US7238836B2 (en) Method of producing unsaturated aldehyde and unsaturated acid in fixed-bed catalytic partial oxidation reactor with enhanced heat control system
EA038258B1 (ru) Окислительное дегидрирование (одг) этана
JP2004167448A (ja) プレート型触媒反応装置
KR20190038578A (ko) 에탄의 산화적 탈수소화 (odh)
JP4477640B2 (ja) 固定層触媒酸化反応器における改善された熱制御システムによる不飽和酸の製造方法
TWI516471B (zh) 方法
JP2009149531A (ja) 反応器内部の温度制御方法、反応装置及びジメチルエーテルの製造方法。
JP2009500400A (ja) 固定層触媒部分酸化反応器における高効率の不飽和酸の製造方法
JP2009137919A (ja) (メタ)アクロレインの製造装置
JP2005288441A (ja) 熱交換型反応器
KR101909990B1 (ko) 발열 촉매 반응을 수행하기 위한 방법 및 그 방법에 사용하기 위한 반응기
JP2009537479A (ja) 炭化水素の酸化反応の実施における温度調整
JP2020044485A (ja) 反応方法および反応器
KR850001401B1 (ko) 아크릴산의 제조법
RU2588617C1 (ru) Способ проведения экзотермических и эндотермических каталитических процессов частичного превращения углеводородов и реакторная группа для его осуществления
JP2013100294A (ja) プロピレンオキサイドの製造方法
JP2004518519A (ja) 多数の触媒管を有する長尺反応器
JPH0343258B2 (ja)