JP2009136880A - 金属板体の成型支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】多段工程プレス成形において、試打ちや金型修正による時間的・経済的な損失を少なくし、プレス成形品の短納期化・低コスト化を実現する。
【解決手段】金型と金属板体の相対運動を利用して金属板体を塑性変形させるプレス成形法において、成形時の金属板体のひずみを解析する手段と、成形条件を変更して繰り返して当該金属板体のひずみを解析する手段と、前記解析手段で求めた成形中または成形後の金属板体のひずみに応じて金型形状または成形加工条件を調整する手段と、前記解析の結果から最適な条件を見出す手段とを有することを特徴とする成形支援システムであり、複雑形状をプレス成形で高精度に仕上げることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、2以上の金型の相対運動を利用して金属板体に圧力や力を加えて塑性変形させ、所望の寸法形状に仕上げるプレス成形に関するものであり、特に多段工程を必要とするプレス成形を支援するシステムを提供するものである。
微細な流路形状を有する燃料電池セパレータのように複雑形状部品の加工には、自由度の高い工具経路を設定できる切削加工が用いられることが多い。しかし、切削加工では複雑形状部品の加工時間は長く、量産化は難しいため、加工部品の高コスト化の原因となっている。
一方で、切削加工によって仕上げていた複雑形状の部品加工をプレス成形へ転換しようとする傾向も強まっているが、単純な並進運動しか利用できないプレス成形への転換は容易ではない。単純な並進運動しかできないプレスでの複雑形状の成形は、単純な並進運動を組み合わせた多段工程プレス成形によって実現している。この多段工程プレス成形の工程設計には、工程数、それぞれの工程で使用されるダイやパンチの金型の形状設計、プレス条件などが含まれる。
多段工程プレス成形の工程設計については、熟練技術者による従来からの経験と勘に依存する部分が多く、試打ちや金型修正による時間的・経済的な損失が大きいことが短納期化を達成する上での問題となっており、技術的な裏付けに基づいた効率のよい工程設計法の出現が望まれている。
プレス成形の工程設計やその最適化に関する従来の技術は、以下に引用するように、 金型形状や成形条件といった工程設計変数の最適値についての研究はなされているが、単一の工程でプレス成形できる単純な曲げ加工や絞り加工を対象としたものが多い。
以下に、単一工程のプレス成形に関する最適化などについての従来技術の概要を示す。
特許文献1では、プレス成形品を用いた新製品開発のリードタイム短縮を目的として、最適なビード形状やトリムラインを得るために、目的関数を成形後の金属板体の最大板厚として検討している。また、特許文献1中には、成形中における破断の危険性を評価するために、変形状態図を利用することについての記述があるが、最適化のための目的関数として成形限界曲線を利用することを意図したものではない。
特許文献2では、プレス成形シミュレーションで求めた金属板体の相当応力や相当ひずみに基づいて評価変数(目的関数)を計算して成形中および成形終了後の板状素材のしわ発生状態を予測する方法を提示している。
特許文献3では、厚板のスプリングバックを高精度に解析し、成形性および生産性を目的として金型の設計および修正のための工数および作業時間の削減を目的としたプレス成形シミュレーション解析方法を提示している。特に、自動車用鋼板を対象とした厚板のプレス成形を高精度に解析できるプレス成形シミュレーションを提供している。
非特許文献1では、 直交表を用いた実験計画法を応用して金属板体のスプリングバック量について引張り曲げによるスプリングバック評価法に基づいたスプリングバック実験とそのシミュレーションで検討し、金型の速度といったプレス成形条件のばらつきを考慮した金属板体のスプリングバック量の最適化を行っている。
非特許文献2では、深絞り成形において金属板体の材料特性が板体形状に及ぼす影響について検討し、すべり線場理論などを用いて最適金属板体形状の決定法を明らかにするとともに、カップ型深絞りプレス成形における最適金属板体形状を算出している。
このように、上記従来技術ではいずれの場合も、単一の成形工程に着目した目的関数や最適化手法であるが、これらの研究成果を多段工程プレス成形に適用することは難しい。
また、多段工程プレス成形の工程設計については、 例えば、非特許文献3では、2段工程プレス成形おける金属板体成形問題の最適化のためにプレス成形における金属板体の板厚の一様化を目的としているが、この従来技術では、2段工程プレス成形のうちの第1段工程の金型形状に着目した解析で最適化を進めているに過ぎない。また、この従来技術では、最適化手法としてSA法が優れた最適解探索性能を有することを示している。
このように、多段工程が必要なプレス成形であっても、従来技術の多くは、個々の工程における最適条件を見出す方法にとどまっており、多段工程プレス成形となると、現状では現場の経験と勘に依存する部分が多く、多段工程プレス成形の工程設計の良否を判断する工程評価手法は確立されているとはいえない。
特開2006−167766号公報 特開平11−319971号公報 特開2004−42098号公報 須貝裕之・田辺郁男・水谷淳之介・杉井伸吾・片山聡、コンピュータシミュレーションと品質工学を組み合わせたプレス成形に対する最適加工条件の予測、日本機械学会論文集(C編)、72巻721号(2006−9)、pp.360−367 井関日出男・室田忠雄・佐藤利弘、有限要素法による深絞りのブランク形状の決定法について(第2報、最適ブランク形状に及ぼす塑性異方性の影響)、日本機械学会論文集(C編)、54巻505号(昭63−9)、pp.2257−2264 仲町英治・本田正・中易秀敏・片山傅生・中村康範、有限要素法・離散化最適化手法による金属板体成形用金型最適設計−多目的多段工程設計変数問題への適用−、塑性と加工、Vol.39、No.446(1998−3)、pp.247−251
多段工程プレス成形の工程設計には、工程数やそれぞれの工程で使用されるダイやパンチの金型の形状設計やプレス条件などが含まれる。本発明は、試打ちや金型修正による時間的・経済的な損失を少なくし、プレス成形品の短納期化・低コスト化を進めるため、技術的な裏付けに基づいた効率のよい多段工程プレス成形の工程設計法を提供することを目的としている。複雑形状をプレス成形で高精度に仕上げるためには、成形中の金属板体のひずみ分布を考慮した金型・工程設計や成形条件の選定が必要である。本発明のプレス成形支援システムは、プレス成形数値シミュレーションを援用することによって、成形過程における金属板体のひずみ状態を改善できる成形条件を見出す手法を提供する。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、 金属板体と同金属板体に対向する2以上の金型から構成され、金型と金属板体の相対運動を利用して金属板体を塑性変形させるプレス成形法において、成形時の金属板体のひずみを解析する手段と、成形条件を変更して繰り返して当該金属板体のひずみを解析する手段と、前記解析手段で求めた成形中または成形後の金属板体のひずみに応じて金型形状または成形加工条件を調整する手段とを有することを特徴とする成形支援システムである。
請求項2に記載の発明は、金属板体と同金属板体に対向する2以上の金型から構成され、金型と金属板体の相対運動を利用して金属板体を塑性変形させるプレス成形法において、成形時の金属板体のひずみを解析する手段と、成形条件を変更して繰り返して当該金属板体のひずみを解析する手段と、前記解析手段で求めた成形中または成形後の金属板体のひずみに応じて金型形状または成形加工条件を調整する手段と、前記解析の結果から目的関数を最大にする最適な条件を見出す手段とを有することを特徴とする成形支援システムである。
請求項3に記載の発明は、金属板体と同金属板体に対向する2以上の金型から構成され、金型と金属板体の相対運動を利用して金属板体を塑性変形させるプレス成形法において、成形時の金属板体のひずみを解析する手段と、成形条件を変更して繰り返して当該金属板体のひずみを解析する手段と、前記解析手段で求めた成形中または成形後の金属板体のひずみに応じて金型形状または成形加工条件を調整する手段と、前記解析の結果から目的関数を最小にする最適な条件を見出す手段とを有することを特徴とする成形支援システムである。
請求項4に記載の発明は、各成形中または成形後の金属板体のひずみと成形限界曲線との変形状態図上における幾何学的距離を目的関数とすることを特徴とする請求項2に記載の成形支援システムである。
請求項5に記載の発明は、成形中または成形後の金属板体の最大主ひずみを目的関数とすることを特徴とする請求項3に記載の成形支援システムである。
請求項6に記載の発明は、 請求項4ないし請求項5のいずれかに記載の成形支援システムを実施するためにコンピュータによって実行されるプログラムである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のプログラムをコンピュータにより読み取り可能に記録した記録媒体である。
本発明によれば、成形中の金属板体のひずみ分布を考慮した金型・工程設計や成形条件の選定が可能となり、複雑形状をプレス成形で高精度に仕上げることができる。
以下に本発明によるプレス成形支援システムの実施例について図1〜図12および表1〜4を参照して説明するが、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
本発明のプレス成形支援システムは、多段工程プレス成形における最適な工程設計変数の値を見出すシステムである。金属板体のプレス成形について有限要素解析で変形状態を解析した結果に最適化手法を適用して明らかにするものである。本発明で対象とする工程設計変数は、金型とブランク(金属板体)の形状や表面性状、金型速度やブランク(金属板体)の押さえ力といった成形条件などで、各工程で技術者が設定可能な変数である。
図1は、本発明のプレス成形支援システムのフローチャートを示す。本プレス成形支援システムは、定義部1、最適化部2、解析部3の三部から構成される。定義部1では、最適化に用いる工程設計変数の定義および目的関数や制約条件の設定を行う。最適化部2では、制約条件を満たす工程設計変数の値のサンプリング(工程設計変数のサンプリング7)、プレス成形シミュレーションした結果に基づいて成形中または成形後のブランク(金属板体)のひずみの抽出(金属板体の形状とひずみの抽出10)、抽出したひずみから目的関数の算出(目的関数の算出11)、さらに目的関数の値により工程設計の良否判断(判定条件12)を行う。解析部3では、最適化部2でサンプリングした工程設計変数の値に基づいて有限要素モデルを作成するとともに、そのプレス成形シミュレーションを行う。
本発明のシステムの流れについて図1のフローチャートに沿って説明する。まず、定義部1で本システムで利用する工程設計変数を定義し、目的関数と制約条件を設定する。目的関数は、許容される工程設計変数の値の組み合わせにおいて最終的に一つの工程設計変数の組み合わせを選択する基準となるものであり、例えば、本発明では目的関数は後述するFLD係数や最大主ひずみなどである。制約条件はその工程設計変数のとる値の範囲、プレス成形シミュレーションの繰り返し回数、各工程終了後のブランク(金属板体)の変形状態といった条件である。
最適化部2では、まず一組の工程設計変数の値を決める。判定条件12の種類にも依存するが、本実施例では逐次2次計画法によって求める方法や制約条件を満足する任意の値に決定する方法を用いる。
つぎに、工程設計変数のサンプリング7で選定した工程設計変数の値に対応する有限要素モデルを作成する。図3は、ブランク(金属板体)の成形前後の有限要素モデルの例を示す。本実施例では、プレス成形シミュレーションは動的陽解法有限要素法によるシミュレーションを想定しているが、この方法によるシミュレーションに限定するものではない。動的陽解法有限要素法を用いたプレス成形シミュレーションでは、各工程の成形中または成形後のブランク(金属板体)のひずみを解析することができるため、ブランク(金属板体)のひずみと形状の抽出10ではこのシミュレーションの結果から各工程における成形形状とブランク(金属板体)のひずみの分布を得て目的関数の算出11で目的関数の値を算出する。
図2は、本発明の目的関数について説明する図である。図2の縦軸と横軸は、それぞれ動的陽解法の有限要素解析によって求めたブランク(金属板体)の最大主ひずみと最小主ひずみを示し、図2中の点22は有限要素モデルの各要素のひずみに応じてプロットしたものである。図2中には、そのブランク(金属板体)の成形限界曲線20も示した。本発明では、プレス成形の工程設計を評価する目的関数として、図2中に示したLminとemaxを用いる。ここで、Lminは各要素のひずみから得られた点22と成形限界曲線と変形状態図上における幾何学的距離のうち最小の値を、emaxは変形状態図のy軸上における最大の第1主ひずみの値を示す。
判定条件12を満足しない限り繰り返し部で多数の工程設計変数の値に対してLminを計算し、これらのすべての繰り返し計算の結果から、最適条件の決定13でLminの大きいか、またはemaxの小さい工程設計変数の値の組み合わせを探索して終了する。
(実施例2)
実施例1に記載した本発明のプレス成形支援システムをカップ型の深絞りに適用した例を示す。図4は、プレス成形によって成形するカップ型の製品形状を示す。この製品は絞り比が大きいため、単一工程のプレス成形では成形できず、多段工程のプレス成形の工程設計および工程最適化を実施する必要がある。
図5は、カップ型深絞りプレス成形の工程設計および工程最適化に本発明の請求項2と請求項4に記載の方法を用いる場合の工程最適化のフローチャートを示す。工程評価尺度である目的関数は成形限界曲線とブランク(金属板体)との変形状態図上の幾何学的距離Lminから次式で計算したFLD係数αとした。
α=Lmin/L0×100
ここで、L0は図2中に示すように変形状態図上の成形限界曲線のy軸切片と原点との距離で、ブランク(金属板体)に固有の材料特性の一つである。
図6は、2段工程の深絞り加工の工程最適化に用いた解析モデルを示す。カップ型深絞りの幾何学的な対称性を考慮した1/4モデルとし、解析モデルは工具(パンチ、ダイ)、ブランク(金属板体)、ブランクホルダから構成される。ブランク(金属板体)をブランクホルダで保持し、パンチをダイに対して相対移動させてブランク(金属板体)のプレス成形を行う。対称境界では対称境界軸に対する垂直な変位を拘束するとともに、対称境界軸まわりの回転の自由度を拘束した。また、パンチ、ダイ、ブランクホルダは剛体とし、パンチとブランクホルダはz軸並進運動以外の変位を拘束し、ダイは全自由度を拘束した。また、ブランク(金属板体)と各工具の間の摩擦係数は0.1とし、ブランクホルダによるブランク(金属板体)の押さえ力は0.3kNとした。
表1は、解析に用いたブランク(金属板体)の材料物性値を示す。本解析では、ブランク(金属板体)の応力・ひずみ解析に用いた材料モデルは2直線近似等方性硬化則材料とした。

Figure 2009136880
図7は、本実施例において用いた工程設計変数を説明する図である。工程設計変数はダイ29、パンチ30、ブランクホルダ27などの金型の形状や成形条件に関する変数とし、本実施例では各工程におけるパンチ径40、ダイ径41、パンチ肩半径42、ダイ肩半径43、絞り高さ44の5個とした。
これらの工程設計変数の値は逐次2次計画法を用いて計算した結果に基づいてサンプリングした。ただし、本実施例では従来の工程設計法との比較を行うため、工程設計変数の初期値は従来の工程設計法として利用されるRomanowskiの実験式を用いて求めた工程設計変数の値を用いた。
判定条件は逐次2次計画法の判定条件の一つであるKuhn−Tucker条件とした。
表2は、工程設計変数の制約条件を示す。制約条件は、パンチとダイとのクリアランス(図7のD−d)、パンチ肩半径、ダイ肩半径、絞り高さとした。クリアランスの制約条件はブランク(金属板体)の板厚t0に対して課した。また、パンチ肩半径、ダイ肩半径、絞り高さについては、Romanowskiの実験式で得られた工程設計変数の値に対して±10%の範囲で工程設計変数をサンプリングした。
Figure 2009136880
図8は、各工程終了後におけるブランク(金属板体)の形状に関する制約条件を示す。本実施例では工程設計変数の他に、ブランク(金属板体)の各工程終了後の変形状態も制約条件の一つとし、変形状態がその工程のダイ形状に対するずれ量δの最大値が0.5mm以上になる工程設計変数の組み合わせは成形が失敗するものとして処理した。
本実施例のプレス成形シミュレーションおよび最適化部2の処理にはそれぞれ、動的陽解法有限要素法を採用した市販のANSYS/LS−DYNA(ANSYS社)と汎用型最適設計支援ツールOptimus(Noesis solutions社)を用いた。
表3は、Romanowskiの実験式で求めた工程設計変数の値を示す。本実施例では、Romanowskiの実験式では4段工程が必要されるが、簡略化のため最初の2段工程のみに着目して検討した。
Figure 2009136880
表4は、Romanowskiの実験式でも求めた工程設計変数の値を初期として最適化を行った工程設計変数の値をその初期値との比較で示す。
図9と図10はそれぞれ、Romanowskiの実験式で求めた工程設計変数の初期値と本発明のプレス成形支援システムで求めた工程設計変数の最適値で計算した場合の変形状態図を第2段工程終了後について示す。横軸はブランク(金属板体)の第1主ひずみ、縦軸はブランク(金属板体)の第2主ひずみをとって、解析部2で生成した有限要素モデルの対称境界上における各要素のひずみ分布を示している。なお、本実施例の解析では、第2段工程のプレス成形シミュレーションは、第1段工程の成形後の形状のみを考慮した解析であり、第1段工程の応力・ひずみ状態は考慮していない。
図11と図12はそれぞれ、Romanowskiの実験式で求めた工程設計変数の初期値と本発明のプレス成形支援システムで求めた工程設計変数の最適値で計算した場合の、第2段工程終了後のブランク(金属板体)の相当ひずみ分布を示す。本発明の実施によりブランク(金属板体)の相当ひずみの大きい部分の大きさは小さくなった。本成形支援システムの利用により、多段工程のプレス成形においてもブランク(金属板体)のひずみ分布を改善できる工程設計変数の値を見出すことができた。
Figure 2009136880
(実施例3)
プレス加工シミュレーションを短時間で実行できる計算機環境が整備されれば、本発明の目的関数を用い、最適化手法に遺伝的アルゴリズムやニューラルネットワークを用いた多段工程プレス加工の工程最適化が適用できる。
本発明のプレス成形支援システムは、例えば、燃料電池セパレータのプレス成形を実現するために利用することができる。
地球環境負荷の小さい次世代エネルギーとして有望視されている燃料電池は、燃料となる気体の流路を有するセパレータは燃料電池内で積層してセルを構成し、セルに気体を供給することよって発電が行われる。このセパレータの流路を通過する気体の気密性が要求されるため、セパレータには高い加工精度が必要とされる。現存の多くの燃料電池システムでは、複雑な多数の微細溝を有するセパレータは工作機械による切削加工やエッチングといった化学処理で製作しているため、セパレータの量産化は難しく、加工時間も長い。そこで、セパレータのプレス成形への転換が求められている。しかし、セパレータの多くは耐食性の高いステンレス鋼であり、時効割れや加工誘起変態といった成形上の問題を解決しなければならず、現状ではセパレータの高精度プレス加工は困難である。
本発明の成形支援システムを用いれば、多段工程のプレス成形を必要とするセパレータの最適成形条件を見出すことができる。
燃料電池セパレータのプレス成形による量産化技術の確立は、燃料電池の普及に不可欠な技術の一つであり、地球環境に優しいエネルギーへの代替を促進するために克服すべき技術課題である。この量産化技術の実現によって、燃料電池の小型化・低コスト化が達成され、さらに高効率の発電が可能な燃料電池を開発するための基礎となる。燃料電池の市場は今後ますます拡大する傾向にあり、本発明のプレス成形支援システムの重要性は高まると考えられる。また、燃料電池セパレータのみならず、多段工程のプレス成形で大量生産される携帯電話や自動車部品といった部品の短納期化が見込まれ、競争が激化している分野での日本の競争力強化に貢献できる。さらに、従来はノウハウ化していた工程設計を技術として確立し、熟練技術者不足に対応できる。
実施例1における成形支援システムのフローチャートを示す図。 変形状態図とLminとemaxを説明する図。 成形前と成形後のブランク(金属板体)の有限要素モデルを示す図。 実施例1におけるプレス成形品の最終形状を示す図。 実施例2における成形支援システムのフローチャートを示す図。 円形ブランク(金属板体)のプレス成形シミュレーションに用いた有限要素モデルを示す図。 実施例2における設計変数を説明する図。 ブランク(金属板体)のプレス成形形状に関する制約条件を示す図。 工程設計変数の値をRomanowskiの経験式から工程設計変数の値を求めた場合の成形後のブランク(金属板体)のひずみの状態をプレス成形シミュレーションで解析した図。 工程設計変数の値を本発明の方法を用いて求めた場合の成形後のブランク(金属板体)のひずみの状態をプレス成形シミュレーションで解析した図。 工程設計変数の値をRomanowskiの経験式から工程設計変数の値を求めた場合の成形後のブランク(金属板体)のひずみの状態をプレス成形シミュレーションで解析した図。 工程設計変数の値を本発明の方法を用いて求めた場合の成形後のブランク(金属板体)のひずみの状態をプレス成形シミュレーションで解析した図。
符号の説明
1 定義部
2 最適化部
3 解析部
4 工程設計変数の定義
5 目的関数の設定
6 制約条件の設定
7 工程設計変数のサンプリング
8 有限要素モデルの作成
9 成形解析(プレス成形シミュレーション)
10 ブランク(金属板体)のひずみと形状の抽出
11 目的関数の算出
11a FLD係数の計算
12 判定条件
12a Kuhn−Tucker条件
13 最適条件の決定
14 スタート
15 終了
16a 成形前のブランク(金属板体)の有限要素モデル
16b 成形後のブランク(金属板体)の有限要素モデル
17 座標軸x
18 座標軸y
19 座標軸z
20 ブランク(金属板体)の成形限界曲線
21 等二軸引張りの状態を結んだ線
22 ブランク(金属板体)の有限要素モデルにおける各要素のひずみの状態を示す点
23 等方性材料の場合の一軸引張りの状態を結んだ線
24 成形限界曲線とブランク(金属板体)との距離の最小値Lmin
25 ブランク(金属板体)の第1主ひずみを示す軸
26 ブランク(金属板体)の第2主ひずみを示す軸
27 ブランクホルダ
28 ブランク(金属板体)
29 工具(ダイ)
30 工具(パンチ)
31 ダイの断面形状
32 各工程におけるダイ形状とプレス成形後のブランク(金属板体)の形状誤差の最大値
33 対称軸
34 プレス成形によって成形するカップ型の製品形状
35 プレス成形後のブランク(金属板体)の断面形状
40 パンチ径
41 ダイ径
42 パンチ肩半径
43 ダイ肩半径
44 絞り高さ
45 成形前のパンチの位置

Claims (7)

  1. 金属板体と同金属板体に対向する2以上の金型から構成され、金型と金属板体の相対運動を利用して金属板体を塑性変形させるプレス成形法において、成形時の金属板体のひずみを解析する手段と、成形条件を変更して繰り返して当該金属板体のひずみを解析する手段と、前記解析手段で求めた成形中または成形後の金属板体のひずみに応じて金型形状または成形加工条件を調整する手段とを有することを特徴とする金属板体の成形支援システム。
  2. 金属板体と同金属板体に対向する2以上の金型から構成され、金型と金属板体の相対運動を利用して金属板体を塑性変形させるプレス成形法において、成形時の金属板体のひずみを解析する手段と、成形条件を変更して繰り返して当該金属板体のひずみを解析する手段と、前記解析手段で求めた成形中または成形後の金属板体のひずみに応じて金型形状または成形加工条件を調整する手段と、前記解析の結果から目的関数を最大にする最適な条件を見出す手段とを有することを特徴とする金属板体の成形支援システム。
  3. 金属板体と同金属板体に対向する2以上の金型から構成され、金型と金属板体の相対運動を利用して金属板体を塑性変形させるプレス成形法において、成形時の金属板体のひずみを解析する手段と、成形条件を変更して繰り返して当該金属板体のひずみを解析する手段と、前記解析手段で求めた成形中または成形後の金属板体のひずみに応じて金型形状または成形加工条件を調整する手段と、前記解析の結果から目的関数を最小にする最適な条件を見出す手段とを有することを特徴とする金属板体の成形支援システム。
  4. 各成形中または成形後の金属板体のひずみと成形限界曲線との変形状態図上における幾何学的距離を目的関数とすることを特徴とする請求項2に記載の金属板体の成形支援システム。
  5. 成形中または成形後の金属板体の最大主ひずみを目的関数とすることを特徴とする請求項3に記載の金属板体の成形支援システム。
  6. 請求項4ないし請求項5のいずれかに記載の成形支援システムを実施するためにコンピュータによって実行されるプログラム。
  7. 請求項6に記載のプログラムをコンピュータにより読み取り可能に記録した記録媒体。

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