以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1の実施形態
1−1.構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
そして遊技結果は表示窓DW内の4本の入賞判定ラインL1〜L4のうち有効な入賞判定ライン上に停止表示された図柄組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数のメダルが投入されたことに基づいて4本の入賞判定ラインL1〜L4の全てが有効化される。なお、規定投入数が複数種類設定されている場合には、規定投入数に応じて有効化される入賞判定ラインの数が異なっていてもよい。また遊技状態に応じて有効化される入賞判定ラインの数が異なっていてもよい。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(第1操作手段)SL、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(第2操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステップモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、設定変更手段103、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
設定変更手段103は、所定条件の成立に基づいて、設定値記憶手段199に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態では、設定値記憶手段199が、設定1(最低設定値)〜設定6(最高設定値)の6段階の設定値のいずれかを記憶するように構成されている。そして本実施形態では、設定変更スイッチ250を作動させた状態で電源投入されたことを設定変更許可条件として、設定変更手段103が、遊技機を設定変更許可状態に制御する。そして、設定変更許可状態においてリセットスイッチ260が作動すると、設定変更手段103は、リセットスイッチ260からの入力信号を受け付ける毎に、設定値記憶手段199において設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を循環的に変動させる。そして本実施形態の遊技機では、設定変更許可状態におけるスタートスイッチ230の作動が設定確定条件とされており、スタートレバーSLの押下により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値を確定させる。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当する3枚のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー(第1操作手段)SLに対する第1リールR1〜第3リールR3の回転開始操作を許可する処理を行う。
本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバー(第1操作手段)SLの押下操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段191に、設定1から設定6までの6段階の設定値毎に、図3に示すような5種類の抽選テーブルA〜抽選テーブルEが記憶されている。図3の抽選テーブルA〜抽選テーブルEは、6段階の設定値のうち、任意の設定値における例を示したものである。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、特定小役1〜特定小役8)、シングルボーナス(SB:第2ボーナス)、ビッグボーナス(BB:第1ボーナス)、レギュラーボーナス(RB)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。なお図3に示す抽選テーブルA〜抽選テーブルEのうち、抽選テーブルAおよび抽選テーブルBでは、1回の遊技における内部抽選で特定小役1〜特定小役8のそれぞれがシングルボーナス(SB)と重複して当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている。一方、図3に示す抽選テーブルA〜抽選テーブルEのうち、抽選テーブルC〜抽選テーブルEでは、1回の遊技における内部抽選で特定小役1〜特定小役8のそれぞれがシングルボーナス(SB)とは重複せずに単独で当選するように、役と乱数値との対応関係が設定されている。なお本実施形態の遊技機では、設定値が異なると、抽選テーブルA〜抽選テーブルEのうち、少なくとも1種類以上の抽選テーブルにおいて役と乱数値との対応関係が異なっている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態(第1遊技状態)、シングルボーナス状態(SB状態:第4遊技状態)、ビッグボーナス成立状態(BB成立状態:第2遊技状態)、ビッグボーナス状態(BB状態:第3遊技状態)が設定可能とされており、抽選テーブル選択処理では、設定値記憶手段199に記憶されている設定値と、遊技状態とに応じて抽選テーブルA〜抽選テーブルEのいずれか1つを内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択することにより役の当選確率を調整している。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理は、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグの設定状態を非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に変更する。本実施形態の遊技機では、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに遊技が終了する毎にクリア(非当選状態にリセット)される抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、BBおよびRBがあり、それ以外の役(SB、ベル、特定小役1〜特定小役8、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、BBおよびRBに対応する抽選フラグが当選状態に設定されている遊技でBBおよびRBが入賞しなかった場合には、BBおよびRBに対応する抽選フラグの当選状態を次回の遊技に持ち越す処理を行い、BBおよびRB以外の役(SB、ベル、特定小役1〜特定小役8、リプレイ)に対応する抽選フラグについては、当選状態に設定されていても入賞の有無に関わらず1回の遊技が終了する毎にクリア(非当選状態にリセット)する処理を行う。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー(第1操作手段)SLの押下操作(回転開始操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動して、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度に達した状態において回転中のリールに対応するストップボタンB1〜B3の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3をフラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタン(第2操作手段)B1〜B3に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンB1〜B3の各ボタンの押下操作が検出された時点)における第1リールR1〜第3リールR3の位置(押下検出位置)と、第1リールR1〜第3リールR3の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。また本実施の形態では、抽選フラグの設定状態に応じて、第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されている。すなわち本実施形態の遊技機では、リール制御手段130が、ストップボタンB1〜B3の操作態様と内部抽選の結果とに基づいて第1リールR1〜第3リールR3の停止態様を決定し、ストップボタンB1〜B3の操作態様と内部抽選の結果との組合せが同一である場合には、同一の停止態様で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
なお本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
また停止制御テーブルでは、2種類以上の異なる役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合に、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ240の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。特に本実施形態では、「リプレイ>ボーナス(BB、RB、SB)>小役(ベル、特定小役1〜特定小役8)」の順序で優先順位が定められており、リール制御手段130は、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役を構成する図柄に優先して優先順位の高い役を構成する図柄を有効な入賞判定ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。なお、2種類以上の小役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定される場合には、各小役について予め定められている配当に応じて優先順位が設定され、配当が多いほど優先順位が高くなるように設定することができる。
ここで本実施形態の遊技機では、図3に示したように、内部抽選における特定小役1〜特定小役8の当選態様として、特定小役1〜特定小役8のそれぞれが単独で当選する態様と、特定小役1〜特定小役8のそれぞれがSBと重複して当選する態様との2種類の当選態様が存在する。すなわち本実施形態の遊技機では、内部抽選で特定小役1〜特定小役8のいずれかが当選した遊技における抽選フラグの設定状態が、SBとの重複当選の有無に応じて異なっている。このためリール制御手段130は、特定小役1〜特定小役8のいずれかがSBと重複して当選した遊技では、SBの入賞形態を示す図柄組合せを、当選した特定小役の入賞形態を示す図柄組合せに優先して入賞判定ライン上に表示させるように第1リールR1〜第3リールR3を停止させ、特定小役1〜特定小役8のいずれかが単独で当選した遊技では、ストップボタンB1〜B3への停止操作の態様が、当選した特定小役の種類に応じた態様であることを条件に、当選した特定小役の入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されるように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
またリール制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
そして本実施形態の遊技機では、回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルにおいて、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効な入賞判定ライン上の表示位置(上段、中段、下段)に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、図4に示すように、第1リールR1〜第3リールR3の各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「RP」に関して、その間隔が4コマ以内となるように配列しており、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なくリプレイ図柄「RP」を任意の入賞判定ライン上に引き込むことができる図柄配列を有している。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効な入賞判定ライン上に停止している図柄の組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
そして本実施形態では、図4に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、BB図柄「青7」、SB図柄「SIN」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」が配列されている。そして、各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された各図柄の組合せによって、図5に示すように、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、シングルボーナス(SB)、リプレイ、ベル、特定小役1〜特定小役8の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、役が入賞した場合には、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、メダルの払い出しをするための処理、リプレイ処理、遊技状態を移行させる処理などが実行される。例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス(BB)や、シングルボーナス(SB)などが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め設定されている配当に基づいて、遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定されたメダルの払出数をホッパーユニット320(払出装置)に対して指示する制御を行う。複数の小役が1回の遊技で入賞した場合には、入賞した各小役の配当の合計が、遊技におけるメダルの払出数として設定される。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また本実施形態では、リプレイ、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、およびシングルボーナス(SB)については配当が設定されておらず、遊技の結果、リプレイ、BB、RB、あるいはSBが入賞した場合には、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する状態に設定される。
遊技状態移行制御手段170は、通常状態、SB状態、BB成立状態、およびBB状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはSB状態あるいはBB成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、特定小役1〜特定小役8のそれぞれがSBと重複当選するように設定された抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
SB状態は、内部抽選でSBに当選した遊技においてSBの入賞形態を示す図柄組合せ「SIN・RP・RP」が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。SB状態では、ベルの当選確率を通常状態よりも高めた抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。またSB状態は、1回のボーナス遊技が行われたことに基づいて終了する。
BB成立状態は、内部抽選でBBに当選したことを契機として移行する遊技状態である。BB成立状態では、リプレイの当選確率が通常状態よりも高く設定され、BBおよびSBが内部抽選の対象から除外された抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。すなわちBB成立状態での内部抽選では、特定小役1〜特定小役8のそれぞれが、SBと重複せずに単独で当選することが可能となっている。またBB成立状態では、BBが入賞するまでBBに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。
BB状態は、BB成立状態においてBBの入賞形態を示す図柄組合せ「青7・青7・青7」が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。なおBB状態は、さらに細かくビッグボーナス第1状態(BB第1状態)とビッグボーナス第2状態(BB第2状態)との2種類の遊技状態に区分され、BB成立状態においてBBが入賞すると、まずBB第1状態に移行する。
BB第1状態では、リプレイが内部抽選の対象から除外され、RBが抽選対象に設定された抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。そしてBB第1状態でRBが当選し、RBの入賞形態を示す図柄組合せ「RP・RP・BL」が入賞判定ライン上に表示されると、BB第1状態を終了させてBB第2状態へ移行させる制御が行われる。
BB第2状態では、リプレイが抽選対象から除外され、ベルの当選確率が通常状態よりも高く設定された抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。BB第2状態は、所定回数(例えば、8回)の小役の入賞が達成されたこと、あるいは所定回数(例えば、12回)のボーナス遊技が行われたことに基づいて終了する。
ここでBB状態は、BB第1状態およびBB第2状態における遊技によって払い出されたメダルの合計数が、所定数(例えば、465枚以下の予め定められた枚数)を超えるまで継続する。このためBB状態では、所定数を超えるメダルが払い出されるまで、BB第1状態とBB第2状態との間で繰返し遊技状態が遷移するように制御され、所定数を超えるメダルが払い出されると、BB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御が行われる。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいてランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。具体的には、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動など、各種の遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
また本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させており、演出状態がアシストタイム状態(AT状態:特別演出状態)である場合に、内部抽選で特定小役1〜特定小役8のいずれかが単独で当選すると、当選した特定小役の種類を報知する小役ナビ演出(報知演出)を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行っている。本実施形態の遊技機では、AT状態に移行する際に、ATフラグ記憶手段197にATフラグが設定され、AT状態を終了させる際にATフラグがクリアされる。また本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、小役ナビ演出として、内部抽選で当選した特定小役に対応する図柄組合せを報知する画像を液晶ディスプレイLCDに表示させる演出を行っており、例えば、特定小役1の単独当選時には、図6(A)に示す画像を表示し、特定小役2の単独当選時には、図6(B)に示す画像を表示し、特定小役3の単独当選時には、図6(C)に示す画像を表示し、特定小役4の単独当選時には、図6(D)に示す画像を表示し、特定小役5の単独当選時には、図6(E)に示す画像を表示し、特定小役6の単独当選時には、図6(F)に示す画像を表示し、特定小役7の単独当選時には、図6(G)に示す画像を表示し、特定小役8の単独当選時には、図6(H)に示す画像を表示する。
そして演出制御手段180は、前述の小役ナビ演出に関する制御を実現するべく、演出抽選手段181、ナビストック数管理手段182、AT連荘回数管理手段183、ナビ回数管理手段184、ナビ演出実行手段185を含んで構成されている。また記憶手段190には、前述の小役ナビ演出に関する制御を実現するべく、演出抽選テーブル記憶手段196、ATフラグ記憶手段197、AT用カウンタ198が含まれる。
演出抽選手段181は、遊技毎にAT用カウンタ198に含まれるナビストック数カウンタ198Aの更新を行うか否かを決定するカウントアップ抽選(第1演出抽選)を実行する。カウントアップ抽選は、遊技毎に行われるスタートレバーSLの押下操作を契機として取得した乱数値に基づいて、図7に示すように、演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている演出抽選テーブルJを参照して行われる。演出抽選テーブルJでは、0〜65535までの乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応づけられている。
また演出抽選手段181は、演出状態をAT状態に移行させるか否かを決定する抽選(第4演出抽選)と、AT状態の継続条件を定めるAT連荘回数(第3の値)を決定する抽選(第3演出抽選)とを兼ねるAT移行抽選を実行する。本実施形態の遊技機では、AT移行抽選に当選したことに基づいて、AT状態への移行条件が成立したと判断され、ATフラグ記憶手段197にATフラグが設定される。また本実施形態の遊技機では、AT移行抽選の結果に基づいて、AT用カウンタ198に含まれるAT連荘回数カウンタ198Bに3段階のAT連荘回数(1回、2回、3回)のいずれかが設定される。
AT移行抽選は、内部抽選でBBに当選した遊技におけるストップボタンB1〜B3に対する最初の押下操作を契機に取得した乱数値に基づいて、図7に示すように、演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている3種類の演出抽選テーブルK〜演出抽選テーブルMのいずれかを参照して行われる。演出抽選テーブルK〜演出抽選テーブルMでは、0〜65535までの乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応づけられているとともに、当選に対して1回〜3回の複数段階のAT連荘回数のいずれかが対応づけられている。本実施形態では、演出抽選テーブルKよりも演出抽選テーブルLの方が、当選確率が高くなるように設定されており、演出抽選テーブルLよりも演出抽選テーブルMの方が、当選確率がさらに高くなるように設定されている。また本実施形態では、演出抽選テーブルKよりも演出抽選テーブルLの方が、最小のAT連荘回数(1回)の選択率よりも最大のAT連荘回数(3回)の選択率が高くなるように設定されており、演出抽選テーブルLよりも演出抽選テーブルMの方が、最小のAT連荘回数(1回)の選択率よりも最大のAT連荘回数(3回)の選択率が高くなるように設定されている。
また演出抽選手段181は、AT移行抽選において、BB当選の時点におけるナビストック数に基づいて、演出抽選テーブルK〜演出抽選テーブルMのいずれかを選択することにより、AT移行抽選の当選確率やAT連荘回数の選択率をナビストック数に応じて変動させている。このようにすれば、ナビストック数に応じて遊技者のメダルの獲得状況を推定して、遊技者のメダルの獲得状況を適切に制御することができるようになる。
具体的には、BB当選時点でのナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数が大きいほど、演出抽選テーブルK〜演出抽選テーブルMのうち、当選確率が高く、最大のAT連荘回数(3回)の選択率が高い演出抽選テーブルが選択される。このようにすれば、ナビストック数が大きいほどAT状態へ移行しやすくなり、またナビストック数が大きいほどAT連荘回数が多くなりやすいため、遊技者のメダルの獲得状況が悪い場合であっても、AT状態において遊技者のメダルの獲得状況を良化させやすくなる。
なお本実施形態では、AT移行抽選において、AT状態への移行の当否とともにAT連荘回数が決定される演出抽選テーブルを参照しているが、AT状態への移行の当否を決定する抽選とAT連荘回数を決定する抽選とが、それぞれ専用の演出抽選テーブルを参照して行われるようにしてもよい。
また演出抽選手段181は、AT状態において実行可能な小役ナビ演出の回数(ナビ回数:第2の値)を決定するナビ回数抽選(第2演出抽選)を実行する。ナビ回数抽選は、内部抽選でBBに当選した遊技におけるストップボタンB1〜B3に対する最後の押下操作を契機に取得した乱数値に基づいて、図7に示すように、演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている演出抽選テーブルNを参照して行われる。演出抽選テーブルNでは、0〜65535までの乱数値のそれぞれに対して、10回(最小ナビ回数:最小値)、50回、100回(最大ナビ回数:最大値)の3段階のナビ回数のいずれかが対応づけられており、10回>50回>100回の順序でナビ回数の選択率が高くなるように設定されている。また本実施形態の遊技機では、AT移行抽選に当選することによってAT状態への移行条件が成立したことを条件に、ナビ回数抽選が実行され、ナビ回数抽選の結果に基づいて、10回、50回、あるいは100回の3段階のナビ回数のいずれかが、AT用カウンタ198に含まれるナビ回数カウンタ198Cに設定される。また本実施形態の遊技機では、AT状態においてナビ回数カウンタ198Cに設定された回数の小役ナビ演出が実行された後に、AT連荘回数カウンタ198Bに記憶されているAT連荘回数に基づいて、AT状態の継続条件が成立したと判断された際にも、前述したナビ回数抽選が再実行される。
ナビストック数管理手段182は、カウントアップ抽選に当選したことに基づいて、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数(第1の値)をインクリメント更新する。本実施形態の遊技機では、カウントアップ抽選に当選する毎に、ナビストック数が1ずつ累積的に加算される。
また本実施形態では、設定値変更手段103によって設定値記憶手段199に記憶されている設定値が変更される場合に、設定値を確定するスタートレバーSLの押下操作を契機として、ATフラグ記憶手段197やAT用カウンタ198の初期化処理が行われるようになっている。しかしながら、ナビストック数管理手段182は、設定値記憶手段199に記憶されている設定値が変更される場合に、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数を維持するための処理を行う。具体的には、遊技機が設定変更許可状態に設定された場合に、ナビストック数管理手段182は、記憶手段190に一時記憶領域を確保して、ナビストック数カウンタ198Aの記憶内容を一時記憶領域に退避させる。そして設定値を確定するスタートレバーSLの押下操作を契機としてATフラグ記憶手段197やAT用カウンタ198の初期化処理が行われた後に、ナビストック数管理手段182は、初期化されたナビストック数カウンタ198Aに一時記憶領域に退避させた記憶内容を書き込むことによって、設定値が変更された場合であってもナビストック数を維持する。このようにすれば、ナビストック数の蓄積状況によって遊技者に設定値の変更の有無を悟られることを防止して、遊技機の安定稼働を見込めるようになる。
AT連荘回数管理手段183は、ナビ回数抽選が行われる毎にAT連荘回数カウンタ198Bに記憶されているAT連荘回数を1回分ずつ減ずる演算を行う。そして本実施形態の遊技機では、AT連荘回数カウンタ198Bに1回以上のAT連荘回数が書き込まれている場合に、AT状態の継続条件が成立していると判断される。
ナビ回数管理手段184は、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数とナビ回数抽選により設定されたナビ回数(ナビ回数カウンタ198Cに記憶されているナビ回数)とを比較し、ナビストック数がナビ回数抽選により設定されたナビ回数以上である場合には、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数からナビ回数抽選により設定されたナビ回数を減算する。すると、ナビ演出実行手段185は、内部抽選で特定小役1〜特定小役8のいずれかが単独で当選する毎に、ナビ回数カウンタ198Cに記憶されている回数を限度として小役ナビ演出を実行し、ナビ回数管理手段184は、小役ナビ演出が実行される毎にナビ回数カウンタ198Cに記憶されているナビ回数を1回分ずつ(一定値ずつ)減算する。
またナビ回数管理手段184は、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数とナビ回数抽選により設定されたナビ回数(ナビ回数カウンタ198Cに記憶されているナビ回数)とを比較した結果、ナビストック数がナビ回数抽選により設定されたナビ回数より小さい場合には、ナビ回数カウンタ198Cの記憶内容を最小ナビ回数の10回に書き換えて、ナビストック数と最小ナビ回数とを比較する。そしてナビ回数管理手段184は、ナビストック数と最小ナビ回数とを比較した結果、ナビストック数が最小ナビ回数以上である場合には、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビ回数から最小ナビ回数を減算する。またナビストック数が最小ナビ回数以上である場合には、AT連荘回数管理手段183が、AT連荘回数カウンタ198Bに記憶されているAT連荘回数を0(初期値)にクリアする。そして、ナビ演出実行手段185は、内部抽選で特定小役1〜特定小役8のいずれかが単独で当選する毎に、ナビ回数カウンタ198Cに記憶されている回数を限度として小役ナビ演出を実行し、ナビ回数管理手段184は、小役ナビ演出が実行される毎にナビ回数カウンタ198Cに記憶されているナビ回数を1回分ずつ(一定値ずつ)減算する。
またナビ回数管理手段184は、ナビストック数と最小ナビ回数とを比較した結果、ナビストック数が最小ナビ回数より小さい場合には、小役ナビ演出の実行を保留するべくナビ回数カウンタ198Cに記憶されているナビ回数を0(初期値)にクリアする。またナビ回数カウンタ198Cが初期化されることに伴って、AT連荘回数管理手段183が、AT連荘回数カウンタ198に記憶されているAT連荘回数を0(初期値)にクリアする。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチ250、リセットスイッチ260等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
1−2.本実施形態の制御手法
続いて、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
本実施形態の遊技機では、小役よりも引き込み処理における優先度が高いSBを利用して小役の入賞率を制御する手法を採用している。
具体的には、図3に示すように、通常状態やSB状態では、内部抽選において抽選テーブルAや抽選テーブルBを参照することによって、特定小役1〜特定小役8のそれぞれがSBと重複して当選するようになっている。そして特定小役1〜特定小役8のいずれかがSBと重複して当選した遊技では、役毎の優先順位に従って、当選した特定小役の入賞よりもSBの入賞が優先されるように第1リールR1〜第3リールR3を停止させるため、特定小役1〜特定小役8を入賞させにくくなっている。
具体的に説明すると、第1リールR1〜第3リールR3が回転している状態でストップボタンB1が最初に押下される場合、第1リールR1を停止させる制御に関して、特定小役1〜特定小役4のいずれかがSBと重複して当選している遊技では、チェリー図柄「CH」よりもSB図柄「SIN」を優先して入賞判定ライン上の表示位置(上段あるいは下段)に引き込む制御が行われ、特定小役5〜特定小役8のいずれかがSBと重複して当選している遊技では、スイカ図柄「WM」よりもSB図柄「SIN」を優先して入賞判定ライン上の表示位置(上段あるいは下段)に引き込む制御が行われる。
ここで本実施形態の遊技機では、図4に示すように、第1リールR1の外周面において、SB図柄「SIN」とチェリー図柄「CH」とが隣接して配列されているとともに、SB図柄「SIN」とスイカ図柄「WM」とが隣接して配列されていることにより、SB図柄「SIN」とチェリー図柄「CH」あるいはスイカ図柄「WM」が同時に入賞判定ライン上の表示位置(上段あるいは下段)に表示されることはない。
従って、特定小役1〜特定小役8のいずれかがSBと重複して当選している遊技において、第1リールR1に関してSB図柄「SIN」を0コマ〜4コマの範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に引き込むことができるタイミングでストップボタンB1が押下された場合には、同範囲内に当選した特定小役に対応するチェリー図柄「CH」あるいはスイカ図柄「WM」が存在していても、SBの優先順位が特定小役1〜特定小役8よりも高く設定されていることに基づいて、SB図柄「SIN」を入賞判定ライン上の表示位置に表示させるように第1リールR1を停止させる。
そして、第1リールR1の停止時点で入賞判定ライン上にSB図柄「SIN」が表示されている場合には、ストップボタンB2,B3が押下されると、第1リールR1に関してSB図柄「SIN」が表示されている入賞判定ライン上にリプレイ図柄「RP」が表示されるように回転中の第2リールR2および第3リールR3を停止させる。
なお本実施形態の遊技機では、図4に示すように、第2リールR2及び第3リールR3に関して、ストップボタンB2,B3の押下タイミングに関わらず入賞判定ライン上の任意の表示位置にリプレイ図柄「RP」を引き込むことができるように、リプレイ図柄「RP」が4コマ以内の間隔で配列されているため、第1リールR1の停止時点でSB図柄「SIN」が上段あるいは下段のいずれの表示位置に表示されていても、SBの入賞形態を示す図柄組合せ「SIN・RP・RP」を入賞判定ライン上に表示させることができる。
また、第1リールR1〜第3リールR3が回転している状態でストップボタンB2やストップボタンB3が最初に押下される場合には、SBを当選した特定小役に優先して入賞させるべく、第2リールR2については中段にリプレイ図柄「RP」が表示され、第3リールR3については下段にリプレイ図柄「RP」が表示されるように第2リールR2および第3リールR3を停止させる。また第1リールR1については、0コマ〜4コマの範囲内で上段あるいは下段にSB図柄「SIN」を引き込む制御が働くため、第1リールR1に関してSB図柄「SIN」を上段に表示させることができるタイミングでストップボタンB1が押下されると、入賞判定ライン上にSBの入賞形態を示す図柄組合せ「SIN・RP・RP」が表示されるが、第1リールR1に関してSB図柄「SIN」を下段にしか表示させることができないタイミングでストップボタンB1が押下されると、第1リールR1の下段に表示されたSB図柄「SIN」と第2リールR2の中段に表示されたリプレイ図柄「RP」と第3リールR3の下段に表示されたリプレイ図柄「RP」とは同一の入賞判定ライン上に表示されたことにはならないため、当選した特定小役のみならず、SBの入賞も果たすことはできなくなる。
これに対して、特定小役1〜特定小役8のいずれかがSBと重複して当選している遊技で当選した特定小役を入賞させるためには、第1リールR1〜第3リールR3が回転している状態で、ストップボタンB1を最初に押下しなければならず、さらに第1リールR1に関して、SB図柄「SIN」を0コマ〜4コマの範囲内で入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができないタイミングであって、かつ当選した特定小役に対応するチェリー図柄「CH」あるいはスイカ図柄「WM」を0コマ〜4コマの範囲内で入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができるタイミングでストップボタンB1を押下する必要がある。
例えば、特定小役1〜特定小役4のいずれかがSBと重複して当選している場合には、第1リールR1に関して、図4に示す第1リールR1の3番のチェリー図柄「CH」が入賞判定ライン上の表示位置である下段に位置するタイミングでストップボタンB1を押下することにより、チェリー図柄「CH」を表示させることができる。また例えば、特定小役5〜特定小役8のいずれかがSBと重複して当選している場合には、第1リールR1に関して、図4に示す第1リールR1の13番のスイカ図柄「WM」が入賞判定ライン上の表示位置である下段に位置するタイミングでストップボタンB1を押下することにより、スイカ図柄「WM」を表示させることができる。すなわち本実施形態の遊技機では、通常状態やSB状態において特定小役1〜特定小役8のいずれかが当選した場合、SBが重複して当選しているために、ごく限られたタイミングでストップボタンB1を押下しなければ、SB図柄「SIN」の表示を回避しつつ、当選した特定小役に対応するチェリー図柄「CH」あるいはスイカ図柄「WM」を表示させることができないことに加えて、第1リールR1〜第3リールR3の外周面において、チェリー図柄「CH」とスイカ図柄「WM」とが5コマ以上離れて配列されているために、通常状態およびSB状態での遊技では、特定小役1〜特定小役8の入賞を困難なものとすることができる。
一方、内部抽選でBBに当選したことを契機として移行するBB成立状態やBBの入賞を契機として移行するBB状態では、内部抽選において抽選テーブルC〜抽選テーブルEを参照することによって、特定小役1〜特定小役8のそれぞれがSBと重複せずに単独で当選するようになっている。このためBB成立状態およびBB状態での遊技では、特定小役1〜特定小役8のいずれかが単独で当選することによって、当選した特定小役を通常状態やSB状態に比べて入賞させやすくなるように制御することができる。
具体的に説明すると、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる際に、当選した特定小役に対応する図柄が0コマ〜4コマの範囲内に位置するタイミングでストップボタンB1〜B3を押下することによって、当選した特定小役の入賞形態を示す図柄組合せを入賞判定ライン上に表示させることができる。
このように本実施形態の制御手法によれば、各遊技状態における内部抽選での特定小役の当選確率が同一であっても、特定小役の入賞難易度が異なるように制御することができ、BBの当選を契機として特定小役の入賞確率を上昇させることができるようになる。従って本実施形態の制御手法によれば、小役の当選確率を変動させることができない状況下であっても、遊技者のメダルの獲得状況に起伏を与えることができる遊技仕様を実現することができる。
また本実施形態の制御手法では、BBの当選を契機に、BB成立状態において特定小役を入賞させやすくすることによって、遊技状態がBB状態に移行していなくても遊技者が所有メダルを増加させることができるようになっている。さらに本実施形態の制御手法では、BB状態がBB第1状態とBB第2状態とに区分されており、RBが作動していないBB第1状態においてもBB成立状態と同様に特定小役を入賞させやすくすることによって、遊技状態がBB第2状態に移行していなくても遊技者が所有メダルを増加させることができるようになっている。このため本実施形態の制御手法によれば、遊技機が払い出したメダルの合計数におけるBB状態で払い出したメダルの比率(いわゆる連続役物比率)、および遊技機が払い出したメダルの合計数におけるRBの作動中に払い出したメダルの比率(いわゆる役物比率)を低下させて、遊技の健全性を担保することができるようになる。
しかしながら、本実施形態の遊技機では、前述したように第1リールR1〜第3リールR3の外周面において、チェリー図柄「CH」とスイカ図柄「WM」とが5コマ以上離れて配列されているために、当選した特定小役の種類が適切に把握できていなければ、当選した特定小役の入賞を逃してしまう可能性が高い。
そこで本実施形態の遊技機では、内部抽選でのBBを当選を契機として、特定小役1〜特定小役8のいずれかが単独で当選した場合には、当選した特定小役の種類を報知する小役ナビ演出を所定条件下で実行することによって、特定小役の入賞を補助する手法を採用している。このようにすれば、遊技者が内部抽選で当選した特定小役の種類を把握しつつ、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作を行うことができるので、特定小役の入賞確率を飛躍的に向上させることができるようになる。以下では、図8および図9に示すフローチャートを参照しながら、小役ナビ演出の実行制御に関する手法を詳細に説明する。
まず図8に示すように、ナビストック数αのカウントアップ抽選を行い(ステップS100)、カウントアップ抽選に当選すると(ステップS101)、ナビストック数αをインクリメントすることによってナビストック数カウンタ198Aの記憶内容を更新する(ステップS102)。本実施形態の遊技機では、遊技毎にスタートレバーSLの押下操作などを契機としてカウントアップ抽選を行っている。
次に図9に示すように、内部抽選でBBに当選すると(ステップS200でY)、AT移行抽選を行うことによって、AT状態への移行の当否と、AT連荘回数とを決定する(ステップS201)。このときAT移行抽選に当選すると、ATフラグ記憶手段197にATフラグが設定されるとともに、1回、2回、3回の3段階のAT連荘回数のうち、当選乱数値に対応づけられたAT連荘回数が選択されてAT連荘回数カウンタ198Bに書き込まれる。
そしてAT状態への移行が確定するとともにAT連荘回数が決定されると(ステップS202でY、ステップS203でY)、ナビ回数抽選を行うことによって、ナビ回数βを決定する(ステップS204)。ナビ回数抽選では、10回、50回、100回の3段階のナビ回数のうち、いずれか1つのナビ回数が選択され、選択されたナビ回数βがナビ回数カウンタ198Cに設定される(ステップS205)。
続いて、ナビ回数抽選によって選択されたナビ回数βと、ナビストック数αとを比較し(ステップS206)、ナビストック数αがナビ回数β以上である場合には(ステップS206でY)、ナビ回数βを限度として、内部抽選で当選した特定小役の種類を報知する小役ナビ演出を実行する。
本実施形態では、図10に示すように、遊技毎にスタートレバーSLが押下されると(ステップS300でY)、内部抽選の結果を取得して特定小役が当選したか否かをチェックする(ステップS301、ステップS302)。そして特定小役1〜特定小役8のいずれかが当選していた場合には(ステップS302でY)、当選した特定小役の種類を報知する小役ナビ演出を実行する(ステップS303)。このとき図9に示すように、小役ナビ演出が実行される毎にナビ回数カウンタ198Cがデクリメント更新される(ステップS207でY、ステップS208)。なお本実施形態では、原則としてナビ回数カウンタ198Cの記憶内容が0(初期値)になるまで小役ナビ演出を実行することができるが、BBが入賞することによりBB成立状態が終了して、遊技状態がBB状態へ移行する場合には(ステップS210でY)、AT連荘回数カウンタ198Bおよびナビ回数カウンタ198Cを、いずれも0(初期値)にクリアしてから(ステップS220)、ATフラグをクリアしてAT状態を強制終了させる。またナビ回数カウンタ198Cの記憶内容が0(初期値)までデクリメントされると(ステップS209でY)、AT連荘回数カウンタ198Bに書き込まれているAT連荘回数をデクリメントしてから(ステップS211)、デクリメント後のAT連荘回数カウンタ198Bの記憶内容に基づいて、AT状態を継続することができるか否かを判断する(ステップS203)。このときAT連荘回数カウンタ198Bに1回以上のAT連荘回数が記憶されている場合には(ステップS203でY)、ステップS204以降の処理を繰返し実行する。一方、AT連荘回数カウンタ198Bの記憶内容が0(初期値)であった場合には(ステップS203でN)、ATフラグをクリアしてAT状態を終了させる。
ところで、ナビ回数抽選によって選択されたナビ回数βと、ナビストック数αとを比較し(ステップS206)、ナビストック数αがナビ回数βより小さい場合には(ステップS206でN)、ナビ回数カウンタ198Cの記憶内容を最小ナビ回数γ(10回)に書き換えてから(ステップS212)、ナビストック数αを、最小ナビ回数γと比較する(ステップS213)。そしてナビストック数αを最小ナビ回数γと比較した結果、ナビストック数αが最小ナビ回数γ以上である場合には(ステップS213でY)、AT連荘回数カウンタ198Bを0(初期値)にクリアし(ステップS214)、最小ナビ回数γを限度として、内部抽選で当選した特定小役の種類を報知する小役ナビ演出を実行する(図10参照)。すると、小役ナビ演出が実行される毎にナビ回数カウンタ198Cがデクリメント更新される(ステップS215でY、ステップS216)。この場合においても、原則としてナビ回数カウンタ198Cの記憶内容が0(初期値)になるまで小役ナビ演出を実行することができるが、BBが入賞することによりBB成立状態が終了して、遊技状態がBB状態へ移行する場合には(ステップS218でY)、ナビ回数カウンタ198Cを0(初期値)にクリアしてから(ステップS219)、ATフラグをクリアしてAT状態を強制終了させる。またナビ回数カウンタ198Cの記憶内容が0(初期値)までデクリメントされた場合には(ステップS217でY)、ATフラグをクリアしてAT状態を終了させる。
またナビストック数αを最小ナビ回数γと比較した結果、ナビストック数αが最小ナビ回数γより小さい場合には(ステップS213でN)、AT連荘回数カウンタ198Bおよびナビ回数カウンタ198Cを、いずれも0(初期値)にクリアすることによって小役ナビ演出の実行を保留させ(ステップS220)、ATフラグをクリアしてAT状態を終了させる。
このように本実施形態の制御手法では、遊技毎に行われるカウントアップ抽選の結果によってインクリメント更新され、かつ小役ナビ演出が実行されることに伴ってデクリメント更新されていくナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数に応じて、小役ナビ演出の実行回数を制限するようにしている。このため本実施形態の制御手法によれば、遊技機の開発者の想定範囲を超えて小役ナビ演出が実行されてしまうことを防いで、遊技者のメダルの獲得率を適切に制御することができる。
また本実施形態の制御手法では、AT移行抽選によってAT状態の継続条件に関わるAT連荘回数を設定しているため、最大のAT連荘回数が選択された場合には、AT状態が長期間継続して遊技者のメダルの獲得率が急上昇することになるが、ナビ回数カウンタ198Cに設定されたナビ回数に応じた回数を限度として小役ナビ演出を行った後に、AT連荘回数カウンタ198Bに記憶されているAT連荘回数に基づいてAT状態の継続条件が成立していることに基づいてAT移行抽選を再実行してから小役ナビ演出の実行制御を行うことによって、結果的にナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数に応じて小役ナビ演出の実行回数を制限することができる。このため、本実施形態の制御手法によれば、AT移行抽選の結果に極端な偏りが発生する場合であっても、遊技者のメダルの獲得率を適切に制御することができる。
また本実施形態の制御手法では、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数αが、ナビ回数抽選によって設定されるナビ回数βに満たない状態では、ナビストック数αが、最小ナビ回数γ以上である場合には、ナビ回数βをキャンセルして最小ナビ回数γに応じて小役ナビ演出を実行し、ナビストック数αが、最小ナビ回数γにも満たない場合には、AT状態での遊技を行わせることなく、AT連荘回数カウンタ198Bおよびナビ回数カウンタ198Cをともに初期化した上でATフラグをクリアする。このため、本実施形態の制御手法によれば、ナビストック数αの蓄積状況が遊技者に把握されにくくなり、遊技機の安定的な稼働を期待することができる。
2.第2の実施形態
本実施形態では、第1の実施形態と共通する構成および制御手法については、詳細な説明を省略し、主要な相違点について説明する。
2−1.構成
図11は、本発明の第2の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態では、表示窓DW内の4本の入賞判定ラインL1〜L4の構成が第1の実施形態と異なっており、特に第2リールR2に関する入賞判定ライン上の表示位置が中段のみに制限されている。
また本実施形態の遊技機では、第1の実施形態と同様に図2に示すような機能ブロック構成を備える。
そして本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段191に、設定1から設定6までの6段階の設定値毎に、図12に示すような4種類の抽選テーブルA〜抽選テーブルDが記憶されている。図12の抽選テーブルA〜抽選テーブルDは、6段階の設定値のうち、任意の設定値における例を示したものである。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、スイカ、特定小役1〜特定小役9)、チャレンジボーナス(CB1〜CB9:第2ボーナス)、ビッグボーナス(BB:第1ボーナス)、レギュラーボーナス(RB)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、9種類の特定小役1〜特定小役9に対応する9種類のチャレンジボーナスCB1〜CB9が内部抽選の対象役として用意されている。そして図12に示す抽選テーブルA〜抽選テーブルDのうち、抽選テーブルAでは、1回の遊技における内部抽選で特定小役1〜特定小役9のそれぞれがCB1〜CB9のいずれかと重複して当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている。一方、図12に示す抽選テーブルA〜抽選テーブルDのうち、抽選テーブルB〜抽選テーブルDでは、1回の遊技における内部抽選で特定小役1〜特定小役9のそれぞれがCB1〜CB9のいずれとも重複せずに単独で当選するように、役と乱数値との対応関係が設定されている。なお本実施形態の遊技機では、設定値が異なると、抽選テーブルA〜抽選テーブルDのうち、少なくとも1種類以上の抽選テーブルにおいて役と乱数値との対応関係が異なっている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態(第1遊技状態)、チャレンジボーナス状態(CB状態:第4遊技状態)、ビッグボーナス成立状態(BB成立状態:第2遊技状態)、ビッグボーナス状態(BB状態:第3遊技状態)が設定可能とされており、抽選テーブル選択処理では、設定値記憶手段199に記憶されている設定値と、遊技状態とに応じて抽選テーブルA〜抽選テーブルDのいずれか1つを内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択することにより役の当選確率が調整される。
また本実施形態の遊技機では、持越可能フラグが対応づけられる役としては、BBおよびRBがあり、それ以外の役(CB1〜CB9、ベル、スイカ、特定小役1〜特定小役9、リプレイ)は持越不可フラグに対応づけられている。すなわち、内部抽選手段120は、抽選フラグ設定処理において、BBおよびRBに対応する抽選フラグが当選状態に設定されている遊技でBBおよびRBが入賞しなかった場合には、BBおよびRBに対応する抽選フラグの当選状態を次回の遊技に持ち越す処理を行い、BBおよびRB以外の役(CB1〜CB9、ベル、スイカ、特定小役1〜特定小役9、リプレイ)に対応する抽選フラグについては、当選状態に設定されていても入賞の有無に関わらず1回の遊技が終了する毎にクリア(非当選状態にリセット)する処理を行う。
また本実施形態の遊技機は、内部抽選手段120が、通常状態、BB成立状態、BB状態での遊技では、抽選フラグ設定処理において、内部抽選の結果に基づいて、当選した役の抽選フラグを当選状態に設定するが、CB状態での遊技では、リプレイおよびCB1〜CB9に限って内部抽選の結果に基づいて抽選フラグを当選状態に設定し、小役(ベル、スイカ、特定小役1〜特定小役9)の抽選フラグについては内部抽選の結果に関わらず当選状態に設定する処理を行う。
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3の停止制御に関する役同士の優先順位に関して、「リプレイ>ボーナス(BB、RB、CB1〜CB9)>小役(ベル、スイカ、特定小役1〜特定小役9)」の順序で優先順位が定められており、リール制御手段130は、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役を構成する図柄に優先して優先順位の高い役を構成する図柄を有効な入賞判定ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。なお、2種類以上の小役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各小役について予め定められている配当に応じて優先順位が設定され、配当が多いほど優先順位が高くなるように設定されている。特に本実施形態では、「特定小役1〜特定小役9>スイカ>ベル」の順序で優先順位が定められている。
そして本実施形態の遊技機では、通常状態、BB成立状態、およびBB状態での遊技では、第1リールR1〜第3リールR3の全てを、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内(第1の期間内)に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる通常制御状態に設定している。すなわち通常状態、BB成立状態、およびBB状態での遊技における回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効な入賞判定ライン上の表示位置(上段、中段、下段)に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
ここで本実施形態の遊技機では、通常状態の遊技における内部抽選では、特定小役1〜特定小役9のそれぞれがCB1〜CB9のいずれかと重複して当選し、BB成立状態およびBB状態の遊技における内部抽選では、特定小役1〜特定小役9のそれぞれが単独で当選する。
このためリール制御手段130は、通常状態で特定小役1〜特定小役9のいずれかがCB1〜CB9のいずれかと重複して当選した遊技では、第1リールR1〜第3リールR3の全てが通常制御状態に設定されていることに基づいて、CB1〜CB9のうち当選したチャレンジボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを、当選した特定小役の入賞形態を示す図柄組合せに優先して入賞判定ライン上に表示させるように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。このときリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作の態様(押下タイミングや押下順序)が、CB1〜CB9のうち当選したチャレンジボーナスの種類に応じた態様であることを条件に、当選したチャレンジボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されるように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
またリール制御手段130は、BB成立状態およびBB状態で特定小役1〜特定小役9のいずれかが単独で当選した遊技では、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作の態様(押下タイミングや押下順序)が、当選した特定小役の種類に応じた態様であることを条件に、当選した特定小役の入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されるように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態が、CB1〜CB9の入賞に伴って移行するチャレンジボーナス状態(CB状態)である場合に、リール制御手段130が、第2リールR2を特殊制御状態に設定し、第2リールR2をストップボタンB2の押下タイミングから一律に75msec以内(おおよそ1コマ分の回転移動に要する時間に相当:第2の期間内)で停止させる制御を行っている。すなわちCB状態において特殊制御状態に設定される第2リールR2については、第2リールR2に対応するストップボタンB2の押下タイミングに相当するリールの位置から1コマ以内の位置が停止位置として決定されるようにCB状態用の停止制御テーブルが設定されている。
なおリール制御手段130は、CB状態において、第1リールR1および第3リールR3については、ストップボタンB1およびストップボタンB3の押下タイミングから190ms以内(おおよそ4コマ分の回転移動に要する時間に相当)に各リールを停止させる制御を行う通常制御状態に設定され、CB状態用の停止制御テーブルでは、上述したような4コマを上限として図柄の引き込み処理や蹴飛ばし処理を実行することができるように第1リールR1および第3リールR3の停止位置が設定されている。
また本実施形態の遊技機では、CB状態の遊技において、内部抽選の結果に関わらず、ベル、スイカ、および特定小役1〜特定小役9に対応する抽選フラグが当選状態に設定される。このためリール制御手段130は、CB状態の遊技では、第2リールR2が特殊制御状態に設定されていることに基づいて、ベル、スイカ、および特定小役1〜特定小役9のいずれかの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示され得るように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3については、図13に示すように、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「RP」に関して、その間隔が4コマ以内となるように配列しており、第1リールR1〜第3リールR3が通常制御状態に設定されている場合には、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングや押下順序に関係なくリプレイ図柄「RP」を任意の入賞判定ライン上に引き込むことができる図柄配列を有している。また本実施形態の遊技機では、図13に示すように、第2リールR2の外周面に複数配列されているベル図柄「BL」に関しても、その間隔が4コマ以内となるように配列しており、第2リールR2が通常制御状態に設定されている場合には、ストップボタンB2の押下タイミングに関係なくベル図柄「BL」を任意の入賞判定ライン上に引き込むことができる図柄配列を有している。
また本実施形態の遊技機では、図13に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、BB図柄「赤7」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄「WM」、特殊図柄1「白7」、特殊図柄2「BAR」が配列されている。そして、各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された各図柄の組合せによって、図14に示すように、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、チャレンジボーナス(CB1〜CB9)、ベル、スイカ、特定小役1〜特定小役9、リプレイの入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態移行制御手段170が、通常状態、CB状態、BB成立状態、およびBB状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはCB状態あるいはBB成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、特定小役1〜特定小役9のそれぞれがCB1〜CB9のいずれかと重複当選するように設定された抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
CB状態は、内部抽選でCB1〜CB9のいずれかが当選した遊技において、当選したチャレンジボーナスの入賞形態を示す図柄組合せ(CB1当選時→「赤7・BL・赤7」、CB2当選時→「赤7・BL・白7」、CB3当選時→「赤7・BL・BAR」、CB4当選時→「白7・BL・赤7」、CB5当選時→「白7・BL・白7」、CB6当選時→「白7・BL・BAR」、CB7当選時→「BAR・BL・赤7」、CB8当選時→「BAR・BL・白7」、CB9当選時→「BAR・BL・BAR」)が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。CB状態では、通常状態と同じ抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われるが、小役(ベル、スイカ、特定小役1〜特定小役9)に対応づけられた抽選フラグは、内部抽選の結果に関わらずに当選状態に設定される。またCB状態は、1回のボーナス遊技が行われたことに基づいて終了する。
BB成立状態は、内部抽選でBBに当選したことを契機として移行する遊技状態である。BB成立状態では、リプレイの当選確率が通常状態よりも高く設定され、BBおよびCB1〜CB9が内部抽選の対象から除外された抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。すなわちBB成立状態での内部抽選では、特定小役1〜特定小役9のそれぞれが、CB1〜CB9のいずれとも重複せずに単独で当選することが可能となっている。またBB成立状態では、BBが入賞するまでBBに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。
BB状態は、BB成立状態においてBBの入賞形態を示す図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。なおBB状態は、さらに細かくビッグボーナス第1状態(BB第1状態)とビッグボーナス第2状態(BB第2状態)との2種類の遊技状態に区分され、BB成立状態においてBBが入賞すると、まずBB第1状態に移行する。
BB第1状態では、リプレイの当選確率が通常状態よりも高く設定され、RBが抽選対象に設定された抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。そしてBB第1状態でRBが当選し、RBの入賞形態を示す図柄組合せ「RP・RP・BL」が入賞判定ライン上に表示されると、BB第1状態を終了させてBB第2状態へ移行させる制御が行われる。
BB第2状態では、リプレイが抽選対象から除外され、ベルの当選確率が通常状態よりも高く設定された抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。BB第2状態は、所定回数(例えば、8回)の小役の入賞が達成されたこと、あるいは所定回数(例えば、12回)のボーナス遊技が行われたことに基づいて終了する。
ここでBB状態は、BB第1状態およびBB第2状態における遊技によって払い出されたメダルの合計数が、所定数(例えば、360枚以下の予め定められた枚数)を超えるまで継続する。このためBB状態では、所定数を超えるメダルが払い出されるまで、BB第1状態とBB第2状態との間で繰返し遊技状態が遷移するように制御され、所定数を超えるメダルが払い出されると、BB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御が行われる。
また本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、演出状態がアシストタイム状態(AT状態:特別演出状態)である場合に、内部抽選で特定小役1〜特定小役9のいずれかが単独で当選すると、第1の実施形態と同様の手法によって、当選した特定小役の種類を報知する小役ナビ演出(第1報知演出)を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行っている。本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、小役ナビ演出として、内部抽選で当選した特定小役に対応する図柄組合せを報知する画像を液晶ディスプレイLCDに表示させる演出を行っており、例えば、特定小役1の単独当選時には、図15(A)に示す画像を表示し、特定小役2の単独当選時には、図15(B)に示す画像を表示し、特定小役3の単独当選時には、図15(C)に示す画像を表示し、特定小役4の単独当選時には、図15(D)に示す画像を表示し、特定小役5の単独当選時には、図15(E)に示す画像を表示し、特定小役6の単独当選時には、図15(F)に示す画像を表示し、特定小役7の単独当選時には、図15(G)に示す画像を表示し、特定小役8の単独当選時には、図15(H)に示す画像を表示し、特定小役9の単独当選時には、図15(I)に示す画像を表示する。
また本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、演出状態がAT状態以外の演出状態である場合に、内部抽選で特定小役1〜特定小役9のいずれかがCB1〜CB9のいずれかと重複して当選すると、当選したチャレンジボーナスの種類を報知するCBナビ演出(第2報知演出)を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行っている。本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、CBナビ演出として、内部抽選で当選したチャレンジボーナスに対応する図柄組合せを報知する画像を液晶ディスプレイLCDに表示させる演出を行っており、例えば、CB1の当選時には、図16(A)に示す画像を表示しCB2の当選時には、図16(B)に示す画像を表示し、CB3の当選時には、図16(C)に示す画像を表示し、CB4の当選時には、図16(D)に示す画像を表示し、CB5の当選時には、図16(E)に示す画像を表示し、CB6の当選時には、図16(F)に示す画像を表示し、CB7の当選時には、図16(G)に示す画像を表示し、CB8の当選時には、図16(H)に示す画像を表示し、CB9の当選時には、図16(I)に示す画像を表示する。
そして本実施形態では、演出抽選手段181が、演出状態がAT状態以外の演出状態である場合に、内部抽選で特定小役1〜特定小役9のいずれかがCB1〜CB9のいずれかと重複して当選すると、CBナビ抽選(第5演出抽選)を実行する。CBナビ抽選は、スタートレバーSLの押下操作を契機として取得した乱数値に基づいて、図17に示すように、演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されている演出抽選テーブルPあるいは演出抽選テーブルQのいずれかを参照して行われる。演出抽選テーブルPおよび演出抽選テーブルQでは、0〜65535までの乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応づけられているが、演出抽選テーブルQのほうが演出抽選テーブルPよりもCBナビ抽選の当選確率が高くなるように設定されている。このCBナビ抽選に当選すると、ナビ実行手段185は、CBナビ演出を実行する。なおCBナビ演出が実行された場合には、ナビストック数管理手段182によって、ナビストック数カウンタ198Aをデクリメント更新するようにしてもよい。この場合には、CBナビ演出が実行される毎に、ナビストック数を1ずつ減算させることができ、ナビストック数を減じた結果、ナビストック数が初期値(0)を下回る場合には、ナビストック数を初期値にクランプすることができる。
2−2.本実施形態の制御手法
続いて、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
本実施形態の遊技機では、小役よりもリールを停止させる際の引き込み処理における優先度が高いチャレンジボーナス(CB1〜CB9)を利用して小役の入賞率を制御する手法を採用している。
まず、図12に示すように、通常状態では、内部抽選において抽選テーブルAを参照することによって、特定小役1〜特定小役9のそれぞれがCB1〜CB9のいずれかと重複して当選するようになっている。また図14に示すように、特定小役1と、重複して当選するCB1とは、互いの入賞形態を示す図柄組合せのうち、第1リールR1および第3リールR3に関する構成図柄が共通するが、第2リールR2に関する構成図柄が異なっており、特定小役2〜特定小役9と重複して当選するCB2〜CB9についても、同様の関係(入賞形態を示す図柄組合せの一部が共通する関係)が成り立つように入賞形態を示す図柄組合せが設定されている。
そして通常状態の遊技では、第1リールR1〜第3リールR3の全てが引き込み範囲を0コマ〜4コマ(ストップボタンが押下されてから190ms以内)とする通常制御状態に設定されているとともに、図13に示すように、第2リールR2では複数のベル図柄「BL」が4コマ以内の間隔で配列されている。従って、通常状態の遊技では、例えば、特定小役1〜特定小役9のいずれかが当選した場合、各特定小役よりも引き込み処理に関する優先順位が高いCB1〜CB9のいずれかが重複して当選しているため、第2リールR2を停止させる際には、各特定小役の入賞形態を示す図柄組合せにおいて共通するリプレイ図柄「RP」に優先して各チャレンジボーナスの入賞形態を示す図柄組合せにおいて共通するベル図柄「BL」を入賞判定ライン上の表示位置である中段に引き込む制御が働く。
すなわち本実施形態の遊技機では、特定小役1〜特定小役9のいずれかがCB1〜CB9のいずれかと重複して当選した遊技では、役毎の優先順位に従って、当選した特定小役の入賞よりもCB1〜CB9のうち当選したチャレンジボーナスの入賞が優先されるように第1リールR1〜第3リールR3を停止させることによって、特定小役1〜特定小役9を入賞させることができないようになっている。
一方、CB1〜CB9が入賞して、遊技状態がCB状態に移行した場合には、第2リールR2がストップボタンB2の押下タイミングから一律で75ms以内に停止させる特殊制御状態に設定される。すなわちCB状態では、第2リールR2の引き込み範囲が0コマ〜1コマに制限される。またCB状態では、特定小役1〜特定小役9を含む全ての小役の抽選フラグが内部抽選の結果に関わらず当選状態に設定される。このため、通常状態での遊技とは異なり、CB状態での遊技では、特定小役1〜特定小役9を入賞させることが可能となっている。
例えば、小役に係る抽選フラグのみが当選状態に設定されている場合、第1リールR1に関しては6コマ間隔で特定小役1〜特定小役9の入賞形態を構成するBB図柄「赤7」、特殊図柄1「白7」、および特殊図柄2「BAR」が配列されているため、ストップボタンB1が押下されると、その押下タイミングに応じて、BB図柄「赤7」、特殊図柄1「白7」、あるいは特殊図柄2「BAR」のいずれかの図柄が、入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に表示されるように第1リールR1を停止させる。また第3リールR3に関しても6コマ間隔でBB図柄「赤7」、特殊図柄1「白7」、および特殊図柄2「BAR」が配列されているため、ストップボタンB3が押下されると、その押下タイミングに応じて、BB図柄「赤7」、特殊図柄1「白7」、あるいは特殊図柄2「BAR」のいずれかの図柄が、入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に表示されるように第3リールR3を停止させる。
そして第2リールR2に関してはストップボタンB2の押下タイミングから75ms以内に第2リールR2を停止させるため、第2リールR2の引き込み範囲が0コマ〜1コマとなる。このため、ストップボタンB2の押下時点において、入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在している場合には、リプレイ図柄「RP」を入賞判定ライン上の表示位置である中段に表示させるように第2リールR2を停止させることで、特定小役1〜特定小役9のいずれかの入賞形態を示す図柄組合せを入賞判定ライン上に表示させることができる。
また本実施形態の遊技機では、CB状態での内部抽選でCB1〜CB9のいずれかが当選することによって、小役に係る抽選フラグに加えて、CB1〜CB9のいずれかに係る抽選フラグが当選状態に設定されている場合であっても特定小役1〜特定小役9のいずれかを入賞させることができるようになっている。本実施形態では、CB状態での内部抽選において、CB1が当選した場合を例に取り説明する。
まず第1リールR1〜第3リールR3が回転している状態でストップボタンB1が最初に押下される場合において、第1リールR1に配列されているBB図柄「赤7」を0コマ〜4コマの範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に引き込むことができるタイミングでストップボタンB1が押下されると、BB図柄「赤7」が入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に表示されるように第1リールR1を停止させる。
次に第1リールR1に関してBB図柄「赤7」が入賞判定ライン上の表示位置に表示されており、第2リールR2および第3リールR3が回転している状態で、ストップボタンB2が押下されると、ストップボタンB2の押下時点で入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にベル図柄「BL」が存在している場合には、同範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在していても、ベル図柄「BL」が入賞判定ライン上の表示位置である中段に表示されるように第2リールR2を停止させる。一方、ストップボタンB2の押下時点で入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にベル図柄「BL」が存在せず、同範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在している場合には、リプレイ図柄「RP」が入賞判定ライン上の表示位置である中段に表示されるように第2リールR2を停止させる。
そして最後に残った回転中の第3リールR3については、第2リールR2に関して中段にベル図柄「BL」が表示されている場合と中段にリプレイ図柄「RP」が表示されている場合とにおいてリールを停止させる制御内容が異なる。
例えば、第2リールR2に関して中段にベル図柄「BL」が表示されている場合については、CB1の入賞の可能性が残されている。このため、ストップボタンB3が押下されると、ストップボタンB3の押下時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に対して0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在していれば、BB図柄「赤7」が上段あるいは下段に表示されるように第3リールR3を停止させることによりCB1が入賞する。また、ストップボタンB3の押下時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段および下段のいずれに対しても0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在していなければ、いずれの役も入賞することがないように第3リールR3を停止させる。
また例えば、第2リールR2に関して中段にリプレイ図柄「RP」が表示されている場合については、CB1の入賞の可能性が消失しており、特定小役1〜特定小役3の入賞の可能性が残されている。このため、ストップボタンB3が押下されると、ストップボタンB3の押下時点にいおいて入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に対して0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在していれば、BB図柄「赤7」が上段あるいは下段に表示されるように第3リールR3を停止させることにより特定小役1が入賞する。また、ストップボタンB3の押下時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段および下段のいずれに対しても0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在していなければ、ストップボタンB3の押下タイミングに応じて特殊図柄1「白7」あるいは特殊図柄2「BAR」が上段あるいは下段に表示されるように第3リールR3を停止させることにより特定小役2あるいは特定小役3のいずれかが入賞する。
また第1リールR1に関してBB図柄「赤7」が入賞判定ライン上の表示位置に表示されており、第2リールR2および第3リールR3が回転している状態で、ストップボタンB3が押下されると、ストップボタンB3の押下時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に対して0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在している場合には、BB図柄「赤7」が上段あるいは下段に表示されるように第3リールR3を停止させ、ストップボタンB3の押下時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に対して0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在していない場合には、ストップボタンB3の押下タイミングに応じて特殊図柄1「白7」あるいは特殊図柄2「BAR」が上段あるいは下段に表示されるように第3リールR3を停止させる。
そして最後に残った回転中の第2リールR2については、第3リールR3の停止態様に応じてリールを停止させる制御内容が異なる。
例えば、第3リールR3に関して上段あるいは下段にBB図柄「赤7」が表示されている場合には、CB1の入賞の可能性が残されているため、ストップボタンB2が押下されると、ストップボタンB2の押下時点で入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にベル図柄「BL」が存在している場合には、同範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在していても、ベル図柄「BL」が入賞判定ライン上の表示位置である中段に表示されるように第2リールR2を停止させることによりCB1が入賞する。一方、ストップボタンB2の押下時点で入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にベル図柄「BL」が存在せず、同範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在している場合には、リプレイ図柄「RP」が入賞判定ライン上の表示位置である中段に表示されるように第2リールR2を停止させることにより特定小役1が入賞する。
また例えば、第3リールR3に関して上段あるいは下段に特殊図柄1「白7」あるいは特殊図柄2「BAR」のいずれかが表示されている場合には、既にCB1の入賞の可能性が消失しているため、ストップボタンB2が押下されると、ストップボタンB2の押下時点で入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在している場合には、同範囲内にベル図柄「BL」が存在していても、リプレイ図柄「RP」が中段に表示されるように第2リールR2を停止させることにより特定小役2あるいは特定小役3のいずれかが入賞する。
また、第1リールR1〜第3リールR3が回転している状態でストップボタンB1が最初に押下される場合において、第1リールR1に配列されているBB図柄「赤7」を0コマ〜4コマの範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に引き込むことができないタイミングでストップボタンB1が押下されると、押下タイミングに応じて特殊図柄1「白7」あるいは特殊図柄2「BAR」が入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に表示されるように第1リールR1を停止させる。
そして第1リールR1の停止時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に特殊図柄1「白7」あるいは特殊図柄2「BAR」が表示された場合には、CB1の入賞の可能性が消失しているため、ストップボタンB2が押下されると、ストップボタンB2の押下時点で入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在している場合には、同範囲内にベル図柄「BL」が存在していても、リプレイ図柄「RP」が中段に表示されるように第2リールR2を停止させる。続いてストップボタンB3が押下されると、ストップボタンB3の押下タイミングに応じて、BB図柄「赤7」、特殊図柄1「白7」、あるいは特殊図柄2「BAR」のいずれかが入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に表示されるように第3リールR3を停止させることにより特定小役4〜特定小役9のいずれかが入賞する。
また第1リールR1〜第3リールR3が回転している状態でストップボタンB2が最初に押下される場合において、ストップボタンB2の押下時点で入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にベル図柄「BL」が存在している場合には、同範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在していても、ベル図柄「BL」が入賞判定ライン上の表示位置である中段に表示されるように第2リールR2を停止させる。一方、ストップボタンB2の押下時点で入賞判定ライン上の表示位置である中段に対して0コマ〜1コマの範囲内にベル図柄「BL」が存在せず、同範囲内にリプレイ図柄「RP」が存在している場合には、リプレイ図柄「RP」が入賞判定ライン上の表示位置である中段に表示されるように第2リールR2を停止させる。
次に回転中の第1リールR1および第3リールR3については、第2リールR2に関して中段にベル図柄「BL」が表示されている場合と中段にリプレイ図柄「RP」が表示されている場合とにおいて各リールを停止させる際の制御内容が異なる。
例えば、第2リールR2に関して中段にベル図柄「BL」が表示されている場合については、CB1の入賞の可能性が残されているため、ストップボタンB1,B3が押下されると、ストップボタンB1,B3のそれぞれの押下時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に対して0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在していれば、BB図柄「赤7」が上段あるいは下段に表示されるように第1リールR1および第3リールR3を停止させることによりCB1が入賞する。また、ストップボタンB1,B3いずれか一方の押下時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に対して0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在していなければ、いずれの役も入賞することがないように第1リールR1および第3リールR3を停止させる。また、ストップボタンB1,B3のそれぞれの押下時点において入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に対して0コマ〜4コマの範囲内にBB図柄「赤7」が存在していなければ、ベルが入賞するように第1リールR1および第3リールR3を停止させる。
また例えば、第2リールR2に関して中段にリプレイ図柄「RP」が表示されている場合については、CB1の入賞の可能性が消失しており、特定小役1〜特定小役9の入賞の可能性が残されている。このため、ストップボタンB1,B3が押下されると、ストップボタンB1,B3のそれぞれの押下タイミングに応じて、BB図柄「赤7」、特殊図柄1「白7」、あるいは特殊図柄2「BAR」のいずれかが上段あるいは下段に表示されるように第1リールR1および第3リールR3を停止させることにより特定小役1〜特殊小役9のいずれかが入賞する。
また第1リールR1〜第3リールR3が回転している状態でストップボタンB3が最初に押下される場合については、上述したストップボタンB1が最初に押下される場合と同様の手法によって各リールを停止させるため、詳細な説明は省略する。
また本実施形態の遊技機では、内部抽選でBBに当選したことを契機として移行するBB成立状態やBBの入賞を契機として移行するBB状態では、内部抽選において抽選テーブルB〜抽選テーブルDを参照することによって、特定小役1〜特定小役9のそれぞれがCB1〜CB9のいずれとも重複せずに単独で当選するようになっている。このためBB成立状態およびBB状態での遊技では、特定小役1〜特定小役9のいずれかが単独で当選することによって、当選した特定小役を通常状態やCB状態に比べて入賞させやすくなるように制御することができる。
具体的に説明すると、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる際に、特定小役1〜特定小役9のうち当選した特定小役に対応する図柄が0コマ〜4コマの範囲内に位置するタイミングでストップボタンB1〜B3を押下することによって、当選した特定小役の入賞形態を示す図柄組合せを入賞判定ライン上に表示させることができる。
このように本実施形態の制御手法によれば、各遊技状態における内部抽選での特定小役の当選確率が同一であっても、特定小役の入賞難易度が異なるように制御することができ、BBの当選を契機として特定小役の入賞確率を上昇させることができるようになる。従って本実施形態の制御手法によれば、小役の当選確率を変動させることができない状況下であっても、遊技者のメダルの獲得状況に起伏を与えることができる遊技仕様を実現することができる。
また本実施形態の制御手法では、BBの当選を契機に、BB成立状態において特定小役を入賞させやすくすることによって、遊技状態がBB状態に移行していなくても遊技者が所有メダルを増加させることができるようになっている。さらに本実施形態の制御手法では、BB状態がBB第1状態とBB第2状態とに区分されており、RBが作動していないBB第1状態においてもBB成立状態と同様に特定小役を入賞させやすくすることによって、遊技状態がBB第2状態に移行していなくても遊技者が所有メダルを増加させることができるようになっている。このため本実施形態の制御手法によれば、遊技機が払い出したメダルの合計数におけるBB状態で払い出したメダルの比率(いわゆる連続役物比率)、および遊技機が払い出したメダルの合計数におけるRBの作動中に払い出したメダルの比率(いわゆる役物比率)を低下させて、遊技の健全性を担保することができるようになる。
しかしながら、本実施形態の遊技機では、第1リールR1および第3リールR3の外周面において、BB図柄「赤7」、特殊図柄1「白7」、および特殊図柄2「BAR」が。それぞれ6コマ間隔で配列されているために、当選した特定小役の種類が適切に把握できていなければ、特定小役の入賞を逃してしまう可能性が高い。
そこで本実施形態の遊技機では、内部抽選でのBBを当選を契機として、特定小役1〜特定小役9のいずれかが単独で当選した場合には、当選した特定小役の種類を報知する小役ナビ演出を所定条件下で実行することによって、特定小役の入賞を補助する手法を採用している(図8、図9参照)。このようにすれば、遊技者が内部抽選で当選した特定小役の種類を把握しつつ、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作を行うことができるので、特定小役の入賞確率を飛躍的に向上させることができるようになる。
また本実施形態の遊技機では、上述したように通常状態での遊技では、特定小役の当選時に必ずチャレンジボーナスが重複して当選していることによって、特定小役の入賞を果たすことができないが、チャレンジボーナスを入賞させてCB状態に移行させれば、CB状態での遊技において特定小役の入賞を果たすことができるようになっている。
しかしながら、本実施形態の遊技機では、第1リールR1および第3リールR3の外周面において、BB図柄「赤7」、特殊図柄1「白7」、および特殊図柄2「BAR」が、それぞれ6コマ間隔で配列されているため、CB1〜CB9のうち、いずれのチャレンジボーナスが当選したのかを適切に把握できていなければ、チャレンジボーナスの入賞を逃してしまう可能性が高い。
そこで本実施形態の遊技機では、通常状態での遊技において特定小役とチャレンジボーナスとが重複して当選した場合には、当選したチャレンジボーナスの種類を報知するCBナビ演出を所定条件下で実行することによって、チャレンジボーナスの入賞を補助する手法を採用している。以下では、図18に示すフローチャートを参照しながら、小役ナビ演出の実行制御に関する手法を詳細に説明する。
まず遊技毎にスタートレバーSLが押下されると(ステップS400でY)、内部抽選の結果を取得してチャレンジボーナスが当選したか否かをチェックする(ステップS401、ステップS402)。そしてCB1〜CB9のいずれかが当選していた場合には(ステップS402でY)、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数に応じて選択される演出抽選テーブルPあるいは演出抽選テーブルQを参照して、CBナビ抽選を行う(ステップS403)。このときナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数が予め定められた数(しきい値)より小さい場合には、CBナビ抽選において演出抽選テーブルPを参照し、ナビストック数カウンタ198Aに記憶されているナビストック数が予め定められた数(しきい値)以上である場合には、CBナビ抽選において演出抽選テーブルQを参照する。そしてCBナビ抽選に当選した場合には(ステップS404でY)、当選したチャレンジボーナスの種類を報知するCBナビ演出を実行する(ステップS405)。
このように本実施形態の制御手法によれば、遊技者が内部抽選で当選したチャレンジボーナスの種類を把握しつつ、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作を行うことができるので、チャレンジボーナスの入賞確率を飛躍的に向上させることができるようになる。特に本実施形態では、ナビストック数に応じてCBナビ抽選の当選確率を調整しているので、演出状態がAT状態に移行していない場合の遊技においても、遊技者のメダルの獲得状況を適切に制御することができるようになる。
3.変形例
本発明は、第1の実施形態および第2の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記各実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
上記各実施形態では、特定小役として、リールの図柄配列の関係上、役を構成する図柄を狙って停止させなければ入賞を得ることができない特定小役が複数種類設定されている場合を例に取り説明をしたが、入賞の条件としてストップボタンB1〜B3への押下順序が適切であることを要する小役が特定小役として複数種類設定されている場合であっても上述した小役ナビ演出の実行に関わる制御手法を適用することができる。すなわち小役ナビ演出の実行対象となる特定小役については、入賞形態を示す図柄組合せが共通であるが、ストップボタンB1〜B3への押下順序(特定の操作態様の一例)が入賞の条件として付加されており、小役ナビ演出において、押下順序を示唆する報知演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、押下順序を示唆する音声をスピーカから出力させたりするようにしてもよい。
また上記各実施形態では、ビッグボーナスが1種類である場合を例に取り説明をしたが、複数種類のビッグボーナスが設定されている場合であっても上記実施形態で説明した制御手法を等しく適用することができる。なお複数種類のビッグボーナスが設定されている場合には、終了条件となる払出数をそれぞれ異なるようにしてもよく、さらにビッグボーナスの種類に応じてAT状態への移行確率や、AT連荘回数の選択比率や、ナビ回数の選択比率などが異なるようにしてもよい。
また上記各実施形態では、レギュラーボーナスをビッグボーナス入賞後の遊技状態(BB第1状態)における内部抽選の対象役とする場合を例に取り説明をしたが、レギュラーボーナスを通常状態における内部抽選の対象役とするようにしてもよい。また上記各実施形態で紹介した小役ナビ演出に関する制御手法は、通常状態においてレギュラーボーナスが当選したことを契機として移行する遊技状態(RB成立状態)においても等しく適用することができる。
また上記各実施形態では、図9のステップS210、ステップS218に示したように、BBの入賞を契機としてAT状態を強制終了させる場合を例に取り説明をしたが、BBの入賞後においてもBB状態の終了条件が成立するまでは、AT状態を継続可能にするようにしてもよい。