JP2009135906A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】格子基底縮小援用MIMO検出器を提供する。
【解決手段】ヘッダと、1又は複数のデータシンボルとを含むパケットベースの信号のための格子基底縮小援用MIMO検出器が開示される。該検出器は、前記ヘッダからのチャネル推定に基づき、チャネル復号情報を得る前処理部と、前記チャネル復号情報を記憶するように動作する記憶手段と、前記1又は複数のデータシンボルを前記記憶されたチャネル復号情報を参照して処理するように動作するデータ処理部とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、MIMO検出器の提供に関する。
MIMO検出器は、MIMO技術を備える種々の機器に要求されている。そのような機器の例には、モバイル電話、ローカル無線ネットワークを確立するために用いられる基地局、WLANデバイスが含まれる。
狭帯域MIMO通信システムは、通常次式によりモデル化することができる。
y=Hx+n (1)
ここで、y及びnはNrx×1のベクトルであり、xはNtx×1のベクトル、Hは
rx×Ntxの行列である。yは受信信号を表し、nは加法性雑音、xは送信信号、Hはチャネル応答行列である。MIMO検出器の設計者が抱える課題は、観測値yとチャネル応答Hの情報が与えられたときにxを推定する方法を確立することである。
一般に、チャネル応答Hの推定は、受信器が送信される情報の条件を既に知っているときに、パケットの一部分で受信された情報の条件を考慮することにより決定することができる。これは受信器により検出できる予め定められたプリアンブルを用いる既に確立された技術であり、これから、少なくとも理論的には、チャネル推定が決定できる。
MIMO検出器には種々のアルゴリズムが存在する。これらは、パフォーマンスや複雑さでそれぞれ異なる。実装のための一般的に選択されるものとして、実行可能性のために、ゼロフォーシング(ZF:zero-forcing)解や最小二乗平均誤差(MMSE)解がある。最適最尤(ML)解の複雑さは、通常、ありふれたシステム構成を除いた全てで非常に高いけれども、非線形の検出器はより高いパフォーマンスを提供する。しかし、最適最尤(ML)解の複雑さは、最も平凡な構成以外の全てにおいて非常に複雑となる。そこで、実用的なデバイスに実装することができるとともに、線形ZFまたはMMSE解法以上のパフォーマンス利得が実現できる準最適な検出器を使用しようとする重要な動機付けがある。
ZF検出器のモデルは
Figure 2009135906
QR分解は、行列計算で、計算の個々のステージを単純化するために適用される。計算の複雑さを低減するために、いくつかのステージに、近似される機会を必要に応じて提供する。MIMO復号に関連して、Hは次のように分解される。
H=QR (3)
ここで、Rは上三角行列(すなわち、対角成分の下の全ての要素はゼロ)、Qは正規直交行列(すなわち、Qとそのエルミート転置との積は恒等行列に等しい)。従って、
HQ=I (4)
である。
このような特性の知識から、式(2)の関係は次のように表すことができる。
Figure 2009135906
ZFまたはMMSE MIMO検出器のパフォーマンスを上げるために、多くの論文では、格子基底縮小援用(Lattice-Reduction-aided (LRA))MIMO検出器を用いることが開示されている。1つの説明が非特許文献1(以下、Ponnampalamら)に、軟出力を得る方法とともに与えられている。この軟出力方法は、特許文献1にも開示されている。
格子基底縮小援用(LRA)MIMO検出器は、Ponnampalamらで検討されたように、ML検出器のパフォーマンスに近いパフォーマンスが得られる。このアプローチは、論理的な最適化検出器と比較して複雑さを大きく低減できる。
従来技術として、次に示す刊行物を挙げる。
非特許文献2
非特許文献3(以下、Windpassingerら)
非特許文献4
非特許文献5(以下、Wubbenら)
これら4つの文献は、ZFまたはMMSE MIMO検出器のパフォーマンスを上げるために格子基底縮小がどのように適用でき、LRA MIMO検出器が構成されるのかを説明している。
Windpassingerらも、プリコーディングに格子基底縮小がどのように適用されているのかを説明しているが、これも非常に類似する問題である。これら論文は格子基底縮小が、どのように実行されるのか、どのようにMIMO検出器に適用されるのかをアルゴリズム的な考えを与える。
非特許文献6は、LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)アルゴリズムを紹介している。LLLアルゴリズムは格子基底縮小を実行するために適用されるものと一般に考えられているが、適当なアルゴリズムであればどのようなアルゴリズムも適用可能である。LLLアルゴリズムは反復アルゴリズムであり、また変数の複雑性がある。非特許文献7に論じられているように、複雑さは、異なる複数のパラメータの数に依存する。この文献に述べられているように、複数の複素行列の格子基底縮小のために修正されたLLLアルゴリズムは次のようなものである。
m×nチャネル行列H=QRのQR分解を想定し、格子基底縮小を行う。
Figure 2009135906
Figure 2009135906
LRA検出器を適用する際に立ちはだかる最初の障害の1つは、軟出力を得るための実行可能なアルゴリズムが存在しないことである。軟出力は、絶対的な“硬”出力ではなく、特定の値をもつ特定の送信ビットの相対的な尤度を示す確率情報として表される。受信器で軟出力が用いられる利点は、当該確率情報は検出されたデータに適用される信頼のレベルに関して、受信器の次のステージを伝えること、よって情報が信頼できる範囲についてまたは再送を要求すべきかどうかについて決定することができること、である。これは、そのようなデバイスを実際に機能するシステムに組み込む場合に、大きな柔軟性を与えることになる。従って、“軟出力”検出器は、受信器の設計者にとって魅力的なものであり、この解は、特許文献1、Ponnampalamら、及び特許文献2に開示されている。
線形ZFまたはMMS検出器のハードウェア実装は、しばしばQR分解方法に基づく。この例は、非特許文献8(以下、Fittonら)に記載されているが、非特許文献9でも見ることができる。Fittonらに記載されているように、これは、CORDICプロセスを用いて効果的に実装することができる。Fittonらは、ZF解法のみを説明しているが、同じ方法は、Wubbenらに記載されているようなチャネル行列の拡張されたシステムモデルを仮定することによりMMSE解法の実装に用いることができる。
GB2429884A1 US2007/0206697A1 "On generating soft outputs for lattice-reduction-aided MIMO detection" (V. Ponnampalam, D. McNamara, A. Lillie and M. Sandell; Proceedings of International Conference on Communications, June 2007) H. Yao and G.W. Wornell, "Lattice-Reduction-Aided Detectors for MIMO Communication Systems", in Proc. IEEE Globecom, Nov 2002, pp. 424-428 C. Windpassinger and R. Fischer, "Low-Complexity Near-Maximum-Likelihood Detection and Precoding for MIMO Systems using Lattice Reduction", in Proc. IEEE Information Theory Workshop, Paris, March, 2003, pp. 346-348 I. Berenguer, J. Adeane, I. Wassell and X. Wang, "Lattice-Reduction-Aided Receivers for MIMO-OFDM in Spatial Multiplexing Systems", in Proc. Int. Symp. on Personal Indoor and Mobile Radio Communications, Sept. 2004, pp. 1517-1521 D. Wubben, R. Bohnke, V. Kuhn and K. Kammeyer, "MMSE-Based Lattice-Reduction for Near-ML Detection of MIMO Systems", in Proc. ITG Workshop on Smart Antennas, 2004. "Factoring Polynomials with Rational Coefficients" (A. Lenstra, H. Lenstra and L. Lovasz, Math Ann., Vol. 261, pp. 515-534, 1982) "Complexity study of lattice reduction for MIMO detection" (M. Sandell, A. Lillie, D. McNamara, V. Ponnampalam and D. Milford, In Proc. IEEE Globecom 2007) "Reconfigurable antenna processing with matrix decomposition using FPGA based application specific integrated processors" (M.P. Fitton, S. Perry and R. Jackson) www.altera.com/literature/cp/milaero/antenna-processing.pdf
本発明の一側面によれば、格子基底縮小援用MIMO検出器は、ヘッダと、1又は複数のデータシンボルとを含むパケットベース信号内の情報を検出するように動作する。該検出器は、前記ヘッダからのチャネル推定に基づき、チャネル復号情報を得る前処理部と、前記チャネル復号情報を記憶するように動作する記憶手段と、前記1又は複数のデータシンボルを前記記憶されたチャネル復号情報を参照して処理するように動作するデータ処理部と、を含む。
本発明の他の側面によれば、ヘッダと、1又は複数のデータシンボルとを含むパケットベース信号内の情報を検出する方法を提供する。該方法は、前処理を含み、該前処理は、前記ヘッダからのチャネル推定に基づき、チャネル復号情報を得、前記チャネル復号情報は縮小された格子においてデータシンボルの等化を可能にし、前記チャネル復号情報を記憶し、前記1又は複数のデータシンボルを前記記憶されたチャネル復号情報を参照して処理する。
本発明の一側面によれば、信号を検出するように動作する格子基底縮小援用MIMO検出器を提供する。該検出器は、パケットを受信する毎に一度実行される前処理部と、パケットにつき複数回実行される場合のあるデータ処理部と、を含む。
前記前処理部は、チャネル行列Hに対しQR分解を適用し、このQR分解から出力されるR行列に基づき格子基底縮小を実行し、HTを生成し、さらに、HTにQR分解を適用して、データ処理部でQH回転を適用するためのCORDIC制御信号と、前記データ処理部で後退代入を適用するための対応するR行列とを生成する。
本発明の他の側面は、単一の格子基底縮小プロセッサが格子基底縮小を実行するために用いられるようにするために内部フィードバックループを使用する方法を提供する。
本発明の他の側面は、前処理エンジン内で単一のQR分解エンジンが用いられるようにするために格子基底縮小プロセッサからQR分解プロセッサへの外部フィードバックループを使用する方法を提供する。
本発明の他の側面は、格子基底縮小プロセッサ入力でフィードフォワード及びフィードバックデータをインターリーブする方法を提供する。
本発明の他の竿工面は、QR分解プロセッサと格子基底縮小プロセッサとの間のフィードフォワード及びフィードバック接続で競合しないようにするために、レートマッチングとパイプライン長とを最適化する方法を提供する。
本発明の他の側面は、LLL格子基底縮小アルゴリズムの複雑さを低減し、T行列の更新値の範囲を修正することにより、LLL格子基底縮小アルゴリズムをハードウェア実装に最適化する方法を提供する。
本発明の他の側面は、格子基底縮小の実装に必要なハードウェアユニットの複雑さを、パフォーマンスに悪い影響を与えることなく大幅に低減する格子基底縮小更新パラメータの範囲を、限定するまたは制約する方法を提供する。更新パラメータは、複数の値の有限集合に制約される。更新パラメータは、+1または−1または0に制約される。そのようなハードウェア処理ユニットは、単純な数値演算及び論理演算のみを用いて上記限定された更新パラメータを計算することができる。この側面に従ったこの発明は、上記限定された更新パラメータを適用することができる拡張されたハードウェア処理ユニットを提供する。
本発明の他の側面は、格子基底縮小援用MIMO検出器のハードウェア実装を提供し、このハードウェア実装において、格子基底縮小プロセッシングにおける更新処理としての行列積HTの計算にかかる待ち時間を低減できる。
本発明の他の側面は、格子基底縮小行列Tと縮小すべき入力行列Hとの行列積をさらに出力するように、格子基底縮小アルゴリズムを修正する方法を提供する。
本発明の他の側面は、単純な加算、減算及び列交換操作のみが必要となる前記修正に係る単純なハードウェア実装のための方法を提供する。
本発明の他の側面は、受信器パフォーマンスを最適化するために、受信パケットのサイズ及びMCSモードに基づき、LRA MMSEとMMSEとの間でMIMO検出を切り替える方法を提供する。
本発明の他の側面は、LRA MMSE検出及びMMSE検出をサポートするMIMO検出器を再構成するために、パケットサイズに基づき、当該2つの検出器間で切り替える方法を提供する。これにより、リアルタイム検出器動作が実現できる。
そのような検出器において、本発明の他の側面は、PERパフォーマンスに基づき、当該2つの検出器間で切り替える方法を含む。
そのような検出器において、本発明の他の側面は、検出器の選択を決定するために、PERパフォーマンスとパケットサイズの両方の計量(metric)を決定することを含む。
前処理部は、チャネル行列HにQR分解(QRD)を適用するように動作する。該前処理部は、このQRDから出力されるR行列に基づき、格子基底縮小を実行し、縮小された格子におけるチャネル応答推定であるHTを生成するように動作する。そして、該前処理部は、HTにQR分解を適用するように動作し、データ処理部でQH回転を適用するためのCORDIC制御信号と、データ処理部で後退代入を適用するための対応するR行列とを生成する。
汎用CPUでアルゴリズムを順次実行すること(例えば、コンピュータシミュレーション、またはDSP上の実装)と、そのアルゴリズムをFPGAかASICかのハードウェアにどのように実装するかには、いくつかの違いがある。特に、例えば処理速度や集積回路上の“リアルエステート(real estate)”の信頼性に関して、ハードウェアに実装されるデータ処理方法の設計に要する決定に影響を与える要因は異なる。この開示の一部分は、LRA MIMO検出器のハードウェア実装のためのアークテクチャの説明を含む。これは、最終的な実際のデバイスのパフォーマンスを増強する設計上の決定を行う当業者には参考となるであろう。
図面を参照しながら以下に示す、本発明の詳細な実施形態の説明に基づき、本発明のさらなる側面および効果について、明らかにする。
まず、図1に係るブロック図は、本発明の第1の実施形態に係るLRA MIMO検出器10のアーキテクチャを示す。
検出器10は、前処理エンジン(PPE)12とデータ処理エンジン(DPE)14との2つのセクションからなる。PPEはチャネル状態情報Hと雑音分散σを入力として受信する。そして、これらを処理し。DPE14への情報および制御信号を生成する。PPE12の実行は、入力(Hまたはσ)が変化したときのみに要求される。通常は、検出器10は、パケット受信開始時に一度PPE12を実行させるように構成されている。
各パケットについてチャネル状態情報を前処理する理由は、連続するパケットが異なるチャネルから受信されることがあるからである。従って、チャネル状態情報と雑音分散が1つのパケットから次のパケットまで変化しないと仮定することは安全ではない。実際、Hおよびσは、例えば802.11WLANシステムでは1つのパケットから次のパケットまでに変化することが肯定的に想定されている。
一般論として、PPEは、データ処理エンジン14における複数のCORDIC要素により実行されるデータ回転操作の制御のためのCORDIC制御信号を生成し、これをCと表す。PPE12は、また、出力として行列Rを生成する。この行列は、上述したように、PPE1で実行されるQR分解の結果である。Rは前述したように、上三角である。
データ処理エンジンの態様は、やがて理解することとなるように、当業者の読者であれば、さらなる詳細な説明がなくとも実装可能であろうが、後で、特定の効果を奏する特徴を提供する新たなハードウェア構成に関する本発明の実施形態について説明する。
PPE12は、さらに、格子基底縮小行列Tを生成し、これをDPE14へ、格子基底縮小行列Tの逆の行のサム(sum)パリティpからなるベクトルPとともに提供する。
このために、PPE12は、チャネル状態情報記憶/多重化ユニット22を含み、このユニット22は、Hの形式のチャネル状態情報、入力行列すなわちHT、縮小された格子におけるチャネル状態情報(行列Tと定義される)を記憶し、また、PPE12の他の構成部への配信を操作するように動作する。PPE12は、さらに、入力としてチャネル状態行列(場合に応じてHまたはHT)をとり、これにQR分解を適用するQR分解エンジン24をさらに含む。このQRDエンジン24は、要求されたとき、CORIC制御情報Cと上三角分解行列Rを出力する。上三角行列Rは、CSI行列H上で動作可能な格子基底縮小エンジン26へ渡され、上三角行列Rとともに格子基底縮小行列T、対応する行のサムパリティp、縮小された格子において表現されたチャネル状態行列HTを生成する。
使用するとき、PPE12は次のように動作する。PPE21の動作は、必要なCSI行列Hと雑音分散σとが受信され、CSI記憶/多重化ユニット22に記憶されたと仮定する。
最初のチャネル状態行列Hは、QR分解エンジン24に与えられ、QR分解エンジン24は、入力されたCSI行列Hに対しQR分解を適用する。この動作において、出力Rのみが要求される。これは、格子基底縮小エンジン26への入力として送られる。
格子基底縮小エンジン26は、入力された行列Rに基づき格子行列Tを計算する。格子基底縮小アルゴリズムの適切な実装であればいかなるものでは用いることができるが、後述の実施形態において、LLLアルゴリズムの効果的なハードウェア実装について説明する。
格子基底縮小エンジン26は、格子基底縮小プロセスにより計算された行列HTを出力する。なお、これが実現する方法は後述する実施形態において説明されるであろう。
計算結果のT行列は、DPE14へ出力される。行のサムパリティベクトルpもまたDPE14へ出力される。
行列HTは、CSI記憶/多重化ユニット22へ戻され、その後、QR分解エンジン24へと渡される。このQR分解エンジン24を繰り返し用いることは、ハードウェアの再利用のためであることとは読者には理解できよう。第2QR分解エンジンを備えて、HT行列を処理することがより適切で構成に便利であれば、同様に可能である。しかし、HTのフィードバックとこの単一QR分解エンジン24の再利用は、この実施形態において、利用可能なハードウェア資源の効果的な利用であると考える。
HTのQR分解の結果は、後述するように、DPE14で、受信された信号データyに回転を適用する際に用いられるCORDIC制御信号Cの生成である。さらに、R行列はDPE14に与えられる。
DPE14について、さらに詳細に説明する。DPE14は、C、R、PおよびTをそれぞれ記憶するように動作する記憶ユニット30〜36を含む。これらは、対数尤度比情報、すなわち入力された信号データyに基づく軟出力を生成する際に、DPE14の他の要素により用いられる。データ回転ユニット40は、C記憶ユニット30に記憶されているCORDIC制御信号Cに基づき、多くの適切な回転を適用し、QHyを生成する。QHyに基づき、後退代入エンジン4は、このデータを、Rおよび行のサム(sum)Pを用いて、後退代入プロセスに基づき処理する。後退代入プロセスは、Tの逆行列の行のサムパリティであるpの知識により改善される。これは、格子基底縮小援用復号に要求されるコンステレーションシフトおよびスケール操作の効果的な実行を可能にする。
後退代入エンジンの出力はR-1Hyである。これは量子化され、軟出力生成ユニット44に入力される。これは、PPE12により与えられるT行列の知識に基づき動作する。この軟出力生成ユニット44は、Ponnampalamらに説明されているいくつかのアルゴリズムのうちの1つの実装でもよい。しかし、読者は、どのようなアルゴリズムも軟出力生成ユニット44を用いて実装できることは理解できよう。
結果の対数尤度比は、このようにして、格子基底縮小援用検出器10から出力される。
これまでの一般的なアーキテクチャの説明からわかるように、上述の実施形態は、LRA MIMO検出器のためのアーキテクチャを提供し、ここでは、アルゴリズムの実装は、復号アルゴリズムを、まれに(1パケットにつき1回)実行される前処理部と、さらに頻繁に(1パケットにつき複数回)実行されるデータ処理部とに分離することに基づき実施される。
前処理エンジン12は、入力チャネル行列Hに対しQR分解を適用し、その後、QR分解エンジン24から出力されるR行列に基づき格子基底縮小を適用して、HTを生成する。さらに、前処理エンジン12は、HTに対し、QR分解を適用し、データ処理エンジン14でQH回転を適用するためのCORDIC制御信号Cと、データ処理部で後退代入を適用するための対応するR行列を生成する。
図2は、QRDエンジン24の実装例をより詳細に示している。この構成は、シストリックノード処理エレメントの三角形の配置を含むシストリックアレイからなる。このタイプのシストリックアレイは、上記Fittonらによる論文に説明されているものと類似する。
このシストリックアレイには、図の上端に示す4つのシストリックノード処理エレメントの行が示されている。この入力として、場合によっては、チャネル状態情報行列HまたはHTの連続的な行をとる。そして、連続的に少なくなるシストリックノード処理エレメントには、その前の行から得られるデータが与えられる。
Fittonらの説明によると、2タイプのシストリックノード処理エレメントが適用される。境界セル60は、行列の特定の行を横切って適用されるギブンス回転を計算するために用いられる。境界セル60は、図2では丸いエレメントとして描かれている。
シストリックノード処理エレメントの1番目の行の境界セルは、(場合によっては)入力行列HまたはHTの1番目の列の要素を連続的に受信するように動作する。これにより、R行列の1番目の対角要素であるデータ値r11を生成する。これは、内部セル62に与えられ、次にその出力が当該行中の残りの内部セル62に与えられる。内部セルは図2では四角いエレメントして描かれており、簡単のため、全てに参照番号62を付してはいない。
内部セル62は、入力値と直前に記憶した値とに変換を施し、新たな値と出力とを計算する。変換もまた当該行の次の境界セルで用いるために出力される。
上三角行列Rは、制御ベクトルCと、この形式で与えられているシストリックアレイから得られる出力rijとから生成される。
図3は、データ処理ユニット14のデータ回転得ニット40の構成を、同様の詳細さで、示している。データ回転ユニット40は、QRDエンジン24に備えられているものと同じ機能を有する複数の内部セル62の列からなる。この例では、R行列の次元、さらにまたH及びHT行列の次元とに対応して、4つのセルを備えている。各セル62は、制御信号cnを受信し、当該列の1番目は、入力信号yの要素を連続的ステップで受信する。このような構成を有するデータ回転ユニット40のパイプライン性により、信号ベクトルyを構成する複数のデータ要素は、連続的に入力され、1番目の要素に関連する結果は、2番目の要素が入力される前に、データ回転ユニット40で生成される必要はなく、その後も同様である。
パイプラインの各セル62は、最後の2番目までのセルまで、その回転結果をパイプラインの次のセルへ出力し、また、QHyを後退代入エンジン42へ与える一連の出力を得る。
当業者であれば理解できようが、これは、データ処理エンジン14により与えられる、受信データ信号yに対する最低限可能な回数の回転となり、これにより、データ信号を処理する待ち時間を最小限にすることができる。しかし、他のどのアーキテクチャ、例えば、データ信号に対する回転が格子基底縮小エンジンでの更新と並行して行われるアーキテクチャは、データ信号パスにおける待ち時間をかなり増やす。従って、バッファ30内で制御信号を記憶することは有効である。
この2パートの配置を用いると、ゼロフォーシング(ZF)と最小二乗平均誤差(MMSE)の両方のタイプのLRA MIMO復号が(Ponnampalamらによるように)、この配置により実現できる。MMSEタイプは、Ponnampalamらに記載されているように、拡張されたチャネルモデルを考慮することにより実装される。
この装置アーキテクチャは、OFDMまたはOFDMAに基づく通信システムのようなマルチキャリア通信システムに使用するのに特に適している。そのような実装において、各サブキャリアに対応する信号は、個別に処理され得る。しかし、ここで開示されるアーキテクチャの構成のように、サブキャリアをグルーに分けて、検出器の各ブロックにより処理することが好ましい。
このアーキテクチャを用いることで効果の得られる特定のアプリケーションは、IEEE802.11n標準に合致する無線LANデバイスであろう。このアーキテクチャは、格子基底縮小援用MIMO検出器と格子基底縮小ステージのない対応する(ZFまたはMMSE)検出器との間の単純な再構成を容易にする。この再構成は、後述する第5の実施形態でされに論じる。
格子基底縮小がLLLアルゴリズムに基づく場合(このために、“Complexity study of lattice reduction for MIMO detection” (M. Sandell, A. Lillie, D. McNamara, V. Ponnampalam and D. Milford, Proc. IEEE WCNC, March, 2007)において、複素数値アルゴリズムの疑似コードが与えられている)、入力行列Hは、HのQR分解により、行列QとRに分解される必要がある。そして、LLLアルゴリズムは、QおよびRを操作して、出力Q´、R´およびTを生成する。ここで、HT=Q´R´である。
LRA MIMO検出器のソフトウェア実装において、LLLアルゴリズムの出力(Q´およびR´)が、受信データ信号を等化するために直接用いることができる。しかし、受信データ信号に対するQH回転の適用がCORDIC処理により実施されるハードウェア実装において、LLLアルゴリズムの出力は都合のよい形態ではない。すなわち、LLLアルゴリズムは、行列Qのエントリーを明示的に返す。代わりに、DPE14のCORDICアプリケーションブロック(データ回転ユニット40)は、Q行列の明確な値よりはむしろ回転制御信号Cを要求する。従って、行列HTを分解するためにQRDエンジン24を再利用することが都合がよい。これによりDPEが必要なCORDIC制御信号Cを生成する。
上記したように、一実施形態におけるこの開示は、LLLアルゴリズムのハードウェアの効果的な実装を用いる。以下、図4を参照して説明する。この実施形態の例は、図1やマルチキャリア(OFDM)MIMOシステムに関して概略的に開示されたアーキテクチャのアプリケーションに焦点をあてている。PPE12およびDPE14は、OFDMシンボル内に含まれている全てのサブキャリアを操作することが要求される環境にある。
図4は、PPE112の第2の例の概略構成を示す。PPE112は、QR分解エンジン(QRDE)124とともに、格子基底縮小プロセッサ(LRP)126を含む。そして当該例は、このQRDE124とLRP126との結合に焦点を当てている。上述したように、PPE動作の二重パスQRDE方法を想定している。これは、次の3つのステージに要約できる。
Figure 2009135906
これは、“MMSE-Based Lattice-Reduction for Near-ML Detection of MIMO Systems” (D. Wubben, R. Bohnke, V. Kuhn and K. Kammeyer, Proc. ITG Workshop on Smart Antennas, 2004)に一致する。
Figure 2009135906
Figure 2009135906
第2のQR分解が完了すると、DPE14で要求される全てのパラメータが得られる。
本出願人により出願された英国特許出願0703184.2は、格子基底縮小構築ブロックを記載している。これは、LRP126に対応するであろう。この文献の内容に係るより詳細な説明を以下に示す。LRP126は、Wubbenらから理解される形態の多数のサイズおよび基底縮小ステージを含む。ステージの数は、格子基底縮小される行列のサイズに依存する。前述の英国特許出願では、多くのこれらLRPは連結されてチェーンをなし、LREを形成することを示しており、これは十分な数のLRP(NLRP)を与えればMIMO検出器に十分な質を有する格子基底縮小行列が得られる。
図4は、単一のQRDE124と単一のLRP126とから、内部および外部フィードバックループの両方を用いて、どのようにしてPPE112を形成するかを示している。2つの多重化部125、127も、このフィードバックループを可能にするために、図中に示されている。これら多重化部、関連するメモリブロック、およびフロー制御モジュールが、図1に示したLREブロックおよびCSI記憶/多重化ブロックと同等の機能要素内で組み込まれている。
内部ループはNLRP-1回使用され、外部ループ1回だけ使用される。LRPの出力が内部ループでNLRP-1回フィードバックされると、出力はNLRP個のLRPのチェーンを持つことと等しいことは、読者には明らかであろう。
QRDEを多くの異なる方法で実現するかとは可能である。例えば、上述のFittonの論文による複素CORDIC処理を用いた場合、QR分解のハードウェア実装にとって利点となる多くの特徴を有する。
IEEE802.11nWLAN標準のようなMIMO OFDMシステムのパフォーマンス要求を満足するために、QR分解はN個のサブキャリアのブロックに実施される。ここでNは、OFDMシンボル内のデータサブキャリアの総数NT以下である。Nのサイズはハードウェア資源と、QRDEの実際の実装方法に関わりなくQRDEの待ち時間とに影響を与える。サブキャリアは、よって、G個のグループにグループ化される。
Figure 2009135906
図5はPPEの動作のタイミング図を示している。ここに示した例では、サブキャリアのグループは4つあり(G=4)、各グループはN個のサブキャリアを含む。NLRP=3の場合である。4つのグループは、サブキャリア群を表すひし形内の参照番号で示されている。グループ1の操作について、次のように進められる。
グループの全てのサブキャリアは、QRDEプロセッサに連続して送られる。正確な入力形態は、QR分解の正確な実装に依存する。NサブキャリアのそれぞれについてのQR分解は、並列形態(矢印(a))で計算され、出力される。やはり形態は実装仕様となろう(この例では、一般性の喪失なく、出力時間は入力時間に比例する。)
矢印(b)に示すように、N個のサブキャリア全てについての複数のR行列は、QRDEの出力からLRP126の入力へと渡される。LRP126は当該複数のR行列に対し、1回目の繰り返しを実行し(矢印(c))、Rと
Figure 2009135906
とを得る。Rと、
Figure 2009135906
とは、内部ループを介して、LRP126へ1回目のフィードバックがなされる(d)。LRPは、そして、2回目の繰り返し(e)を実行し、再びRと
Figure 2009135906
との両方が内部ループを介して、LRPへ2回目のフィードバックがなされる(f)。
LRPは、そして、3回目の繰り返し(g)を実行するが、この例では、これが最後の繰り返しとなる。
Figure 2009135906
は、その後、LRPの出力からQRDEの入力へと外部フィードバックループを介して送られる(h)。QRDEは第2のQR分解を実行し(i)、図1に関連して上述したDPE動作に要求される
Figure 2009135906
を得る。
図5は、また、サブキャリアの残りのグループ(2,3,および5と示されている)についての操作も示している。これらグループは時間的にインターリーブされ、PPE動作のどのステージにおいてもグループ間で衝突しないようになっている。これを達成するために、次のタイミング条件および制約が順守される必要がある。
・QRDEは処理待ち時間TQRDEを持ち、これはNの関数、QRDEアーキテクチャ、及び分解される行列サイズであろう。
・QRDEは、サブキャリアの次のグループの入力を、その直前のグループの処理が完了する前に、受け付けることができる。すなわち、QRDE構成にある程度パイプラインが存在する。図3で示した例では、QRDEへの入力は連続するように示している。
・隣接する出力グループ間の期間はΔQRDEである。この期間はNに関連することに依存するアーキテクチャであろう。ΔQRDEはグループ番号に関わらず定数であり、すなわちQRDE出力は一定である。
・QRDEの出力は、LRPの入力にマッチするレートであり、すなわち、LRPはQRDEからのデータをΔQRDE毎に受け入れることができる。これは、LRPのアーキテクチャにある程度のパイプラインがあることを暗示する。
・LRPの処理待ち時間は、グループ間の期間ΔLRPとなるTLRPである。ΔLRPも一定である。TLRPは、(QRDEからLRPへのフィードフォワード入力と内部ループによりフィードバックとの間で)示したような競合のない動作を実現するために、TQRDEに合わせ慎重に設計する必要がある。TQRDEのTLRPに対する比は、LRPのアーキテクチャに存在すべきパイプラインの程度へのさらなる制約ともなるであろう。
要約すれば、パイプラインの程度とLRPのスループットは、競合のないフィードバック動作を実現するために、QRDEのスループットと検出器の複数のステージの待ち時間とにマッチしなければならない。
この実施形態は、その動作を拡張するある明確な特徴を有する。特に、LRP126とQRDE124との間に外部ループを実装し、単一QRDEの使用を容易にしている。また、内部フィードバックループを用いて、単一LRP126を用いた完全なLREの実装を容易にしている。さらに、当該アーキテクチャは、QRDE124からのフィードフォワードデータをLRP126からLRP126へのフィードバックデータに、内部ループを介して、LRP126からのフィードバックデータをインターリ−ブする必要がある。
QRDE124とLRP126との間のレートマッチングと、QRDE124とLRP126の両方のパイプライン長最適化は、競合のないフィードバック動作を容易にする。これは、PPE112のスループット全体を維持し、よって、かなりのハードウェア節約を達成しながら、PPE112の待ち時間に妥協することがない。
この実施形態は、単一LRP126と密接に連結されたQRDE124を用いて、LRA MIMO検出器のためのPPEを実装する実用的な方法実証する。この実装は、PPE待ち時間に妥協することなくハードウェア資源の使用を最小限にするカスタムハードウェア解決法に用いることができる。連結されたプロセッサのチェーンで密接に連結された反復アーキテクチャにより、この実装にはたった1つのみのQRDE124が必要となるだけである。これは外部フィードバックループにより可能となる。これがないと、2つのQRDE124が必要となり、ハードウェア資源の利用が2倍となる。さらに、LREの実装のために、単一LRPが必要となる。これは、内部ループにより可能となる。これがないと、NLRP個のプロセッサが必要となる。
上記制約と、図5に示したタイミング図を前提とすると、PPEの総待ち時間は、この反復実装の場合と、複数のQRDEと複数のLRPとを連結してチェーンを形成する反復しない設計の場合とで、同じであることは読者には明らかであろう。従って、この反復実装では、処理待ち時間全体に何ら不利益なく、大幅なハードウェアを節約することができる。
本発明の第3の実施形態は、ハードウェアの特定の設計基準を考慮するために、修正を伴うLLLアルゴリズムのハードウェア実装を提供する。
イントロダクションで挙げたLLLアルゴリズムの実際上の欠点の中で、ステップ(5)は、‘更新パラメータ’と呼ばれるパラメータμを計算する。アルゴリズム的に、μの計算は除算演算が必要となる。従って、これは計算的に困難であり、この演算を実装するために単純な二分探索技術が用いられるとしても、ステップ(5)は高速実装にはあまり適してしない。
第3の実施形態は、ハードウェアへの実装のために最適化された更新パラメータμの計算の複雑さを低減する方法を適用する。まず、図6を参照すると、更新パラメータユニット210のハードウェア実装の概略構成図が示されている。これは、μの実数部と虚数部の計算を実行できる。更新パラメータユニットは、加算/減算機能ユニット212を含み、
Figure 2009135906
の実数部または虚数部を受信する。XORゲート214は、加算/減算機能ユニット212がその入力の加算と減算のどちらを実行するかを制御する。XORゲート214は、更新パラメータユニットへの2つの入力量の符号に基づき、これを制御する。XOR動作の実行された結果は、実際、μの符号である。
比較器216が備えられ、これは、加算/減算機能ユニットの出力と
Figure 2009135906
に基づく入力とを比較するように構成されている。この比較の出力は、0か1であり。これは、μの大きさである。従って、μは0、+1、または−1という値の出力である。
この更新パラメータユニット210は、たった1つの加算/減算機能と1つの比較器とを論理表現とともに含む。これは、イントロダクショにおける疑似コードのμの計算を全て実行するために必要なプロセッサよりはかなり簡略である。
この処理ユニットは、ライン(7)及び(8)に疑似コードで与えられているR及びTのようなパラメータの更新を実装することが自明であるという利点も有する。図7は、これを実現するために、図6に示したユニットへのひとそろいの可能な拡張を示す。図7に示されているユニット310は、更新パラメータユニット210と、加算/減算機能ユニット312、XORゲート314、及び比較器316を共有する。これらの詳細な機能は、この実施形態に関連してさらに述べる必要はないであろう。
さらに、マルチプレクサ320が、Rの更新を導くために備えられている。これは、その入力として、加算/減算機能ユニット312と、入力に基づく最初の
Figure 2009135906
とを取る。このマルチプレクサ320は、更新パラメータμにより制御される。従って、Rを更新するために、1つのみのマルチプレクサが必要となる。
さらに、さらなる加算/減算機能ユニット322と、他の1つのマルチプレクサ324とが、Tを更新するために備えられている。この加算/減算機能ユニット322と、このさらなるマルチプレクサ324はより高度化されて、入力された既存のT行列に列方向の操作を実行する。さらなる追加もまた、本発明の後の実施形態において説明する。
次に疑似コードは、上述した実装における上記複素LLLコードになされる修正を示し、この一部は、図6及び7に示されている。動作(5)は、μReとμImでそれぞれ与えられる更新パラメータの実数部及び虚数部に対する独立した操作に置き換えられている。μReとμImの両方は、
Figure 2009135906
と範囲が制限されている。ライン6及び9に含まれているIF命令文は、ハードウェア実装では冗長であるので削除されている。
Figure 2009135906
Figure 2009135906
すでに理解されていようが、図6の実装は上述のアルゴリズムのライン5aから5nに反映され、ライン7および8は、図7の追加された部分により実装されている。
+/−0.5スレッショルドにより、大幅な複雑さが低減できる。これは、明確な除算及び比較よりはむしろ、単純な加算または減算と、比較演算とで判断できる。
上述の修正された疑似コードは、それ自体、その単純さの点で、イントロダクションで説明した基本LLLアルゴリズムとは区別されるハードウェア実装に役立つ。これは、ハードウェア資源と処理待ち時間の点で、有利である。
格子基底縮小エンジンで格子基底縮小プロセッサが複数繰り返されるとき、
Figure 2009135906
という制限はパフォーマンスに影響を及ぼさない。さらに、上述の第1の実施形態で説明したLRA MMSE検出器において、上記アルゴリズムのステップ(15)は必要ない点に留意すべきである。
図8は、本実施形態に関する上述の修正されたアルゴリズムと、イントロダクションで説明した複素LLLアルゴリズムとを比較した、パケット誤り率(PER)と信号対雑音比(SNR)とを対比したパフォーマンスのグラフを示している。曲線は、4つの送信アンテナと4つの受信アンテナとを備えたIEEE802,11nMIMO OFDMシステムについてである。空間ストリームの数は4であり、64−QAM変調と、5/6レートFEC(Forward error correction)コーディングとが適用されている(これは802.11nシステムで最も高いレートモードの動作である)。
修正されたアルゴリズムは、英国特許出願0703184.2に記載されている複雑性の修正されたアルゴリズムと組み合わされると、これは、実行可能なハードウェア実装を表す。この文献は現在公開されていないが、その内容は、行列として表された入力データに、サイズ縮小操作及び/または基底縮小操作を適用するように動作可能な少なくとも1つのユニットを含む格子基底縮小援用検出器の説明を含む。ループにされたパイプラインが構成されることを許容するコントローラが記載されている。この文献に開示されているアルゴリズムは次のように特徴を示す。
Figure 2009135906
FORループ(上記ライン2−16)は、パフォーマンスを向上させるために数回繰り返されることがある点に留意すべきである。格子基底縮小(LR)の繰り返し回数は、4または5に設定されている。4回繰り返す場合、修正されたアルゴリズムと元のアルゴリズムとの間にパフォーマンスにおいていくらか劣化する。しかし、LRを5回繰り返す場合、修正されたアルゴリズムと元のアルゴリズムとの間にパフォーマンスに劣化はない。
次の実施形態において、その開示は、行列積HTで表される格子基底縮小エンジンからの出力の供給に適したアプローチを与える。明らかに、1つの選択肢は明確な乗算によりこの積を計算することであろうが、行列の乗算はハードウェア資源のコストがかかり、ハードウェア実装の待ち時間を増加する。
本発明のこの実施形態では、入力行列Hについて格子基底縮小アルゴリズムが作用し、ユニモジュラ出力行列Tを生成し、行列積HTが元の行列Hよりもよい条件数をもつ。これを実現できるアルゴリズムの一例が、この開示のイントロダクションで概要を説明したLLLアルゴリズムである。
LLLアルゴリズムは、反復アルゴリズムであり、収束条件が満足されるまで、アルゴリズムを複数回繰り返して行列Tを更新する。
格子基底縮小アルゴリズムは、次に示すようなステップにより行列積HTを計算及び出力するように修正され得る。
1.Tは恒等行列に初期化される。
2.HTはHと等しくなるように初期化される。
3.格子基底縮小アルゴリズムが行列Tについてする更新する度に、同じ更新をHTについても行う。すなわち、
a.Tのn番目の列が、Tのp番目の列とq番目の列の一次結合に更新されると、HTのn番目の列が、同様に、HTのp番目の列とq番目の列の一次結合に更新される。
b.Tのp番目の列とq番目の列とが交換されると、HTのp番目の列とq番目の列とが交換される。
イントロダクションで説明したアルゴリズムにこのような修正を施すと、次に示すような修正されたLLLアルゴリズムが得られる。
Figure 2009135906
Figure 2009135906
基本LLLアルゴリズムへの修正は、Hが入力として含まれ、HTが出力として含まれていることである。TおよびHTに列を追加する操作の後に、さらなる操作(上記のライン8a)が続く。Tは当初恒等行列であり、HTはHに初期化されるとすると、HTは、Tの変化に対応する最終ステージに行き着く。同様に、ライン12において、Tになされる列交換は、これに対応してHTにもなされ、同じ結果を伴う。
LLLアルゴリズムに対する上記修正は、このアルゴリズムの他のバリエーションまたは他の格子基底縮小アルゴリズムに対しても同様に適用できることが理解できよう。
このアプローチは、全てのケースのうち最も計算上効果的な解ではないこともりかいできよう。しかし、それ自体、より効果的なハードウェア実装に役立つ。さらに、前の実施形態で用いたような、制約された更新パラメータを用いるアプローチについて適切であるのと同様に、制約されていない更新パラメータμについても適切であることが、上記説明で明らかにされている。従って、2つの実施形態は組み合わせることも、別個に用いることもできる。実際、図9は、本発明の第4の実施形態における2つのアプローチの実装を示している。図9に示した配置図7に示したのと同じコンポーネントを含むが、HTの更新を導くために、さらに、もう1つの加算/減算機能ユニット422ともう1つのマルチプレクサ424とを備える。このさらなる加算/減算機能ユニット422とマルチプレクサ424の動作は、Tについての加算/減算機能ユニット322とマルチプレクサ324の動作に従い、入力された既存のH行列に対し、同様の列方向の操作を実行し、HTを形成する。
この実施形態を適用し、前述の第3の実施形態で示したステップ5の修正を組み合わせると、μの値は−1、0、または+1に制限され、上記修正されたアルゴリズムにおける新たなステップ(8a)は単純な加算または減算演算で実装でき、乗算演算を行う必要がなくなる(HTによるμのように)
次に、第5の実施形態について説明する。これは、上述した第1の実施形態で与えた設計への修正を含む。しかし、他のいかなる実施形態においても同様な方法で同等な修正がなれ得ることは読者には理解できよう。
上記したように、MIMO検出器には様々なアルゴリズムが存在する。これらは全て、そのパフォーマンス及び複雑さに違いがある。実装する際に一般に選択されるものは、その実行可能性の故に、ゼロフォーシング(ZF)または最小二乗平均誤差(MMSE)による解法である。非線形の検出器はより高いパフォーマンスを提供する。しかし、最適最尤(ML)解の複雑さは、最も平凡な構成以外の全てにおいて非常に複雑となる。そこで、実用的なデバイスに実装することができるとともに、線形ZFまたはMMSE解法以上のパフォーマンス利得が実現できる準最適な検出器を使用しようとする重要な動機付けがある。
上記したように、図1に示したアーキテクチャは、どのようなタイプのコミュニケーションシステムにも適用できる。しかし、この実施形態は、その適用は、マルチキャリア(OFDM)MIMOシステムに焦点をあてている。PPE及びDPEはOFDMシンボル内の全てのサブキャリアを操作する必要がある。
無線通信標準のための仕様は、しばしば、受信器の待ち時間へ厳しい制約を強いる。一般に、受信器が‘リアルタイム受信’をサポートすることが好ましい。この実施形態の目的として、OFDMベースのシステムにおけるMIMO検出器について‘リアルタイム’が考慮される必要があり、データを伝送するOFDMシンボルは直ちに処理され、検出前にバッファ内の待ち行列に入れられずに、前の1又は複数のシンボルが検出されることを意味する。
第1の実施形態のLRA MMSE検出器は、全て実用的な環境において、該検出器に非実用的な及びまたは好ましくないクロック周波数が適用されていなければ、真のリアルタイム動作をサポートしないかもしれない。これはPPEの待ち時間のためであり、これは通常、パケットを受信する度に1度更新される。この実施形態は、この特定の動作モードにおける改善された動作を提供することを試みるものである。
さらに、受信器のパケット誤り率(PER)は、全ての動作シナリオにおいて最適化されることが好ましい。ある動作条件のもと、あるシステム構成によると、LRA MMSE検出器は、標準MMSE検出器よりも劣るパフォーマンスをもつ。この実施形態は、この特定の動作モードにおける改善された動作を提供することを試みるものである。
図10に示したように、LRA MIMO検出器800は、図1に示したものと同一であるが、標準ZFまたはMMSE検出(場合によっては)を実行するように構成され、わずかな修正と追加のみを伴う。この実施形態の説明を通して、MMSEはZF検出に代わりに用いられる。図10は、MMSE検出を実行するように構成された検出器のブロック図を示す(LRA MMSE検出器の未使用の部分は、明確にするために、破線で示している)。これは標準ZFまたはMMSE検出についての次のような事実を考慮している。
・LREはMMSE検出に必要なく、従って、無効にできる。
・QRDEは、拡張されたチャネル行列の単一分解を実行するのみで、その出力は、第1パスの後、C及びR記憶ブロックへ直接送られる。
・行のサムパリティベクトル(p)及びT行列はMMSE検出に必要ない。
・後退代入処理ブロックに存在するスケーリング操作は、LRA MMSE検出に必要なスケーリング操作を実行するというよりはむしろ、MMSE検出に適用されなければいけない。
・DPEの軟出力プロセッサは、MMSE検出器に標準の方法で対数尤度比を計算する。例えば、GB2420884A1、US2007/0206697A1、及びPonnampalamらに開示されているような方法を用いるよりはむしろ、ユークリッド距離計量を用いる。
従って、このMIMO検出器を、受信器のパフォーマンスを最適化するために、パケットを受信する度にLRA MMSEまたはMMSE検出のいずれかを適用するように構成することは可能である。
LRA MMSE検出器と標準MMSE検出器との間に2つの違いがある。すなわち、PERパフォーマンスとPPE処理時間(待ち時間)である。
一般に、ある変調及びコーディングスキーム(MCS)選択において、LRA MMSE検出器のPERのパフォーマンスはMMSE検出器のそれよりも優る。しかし、ある動作条件のもと、あるMCS選択によると、LRA MMSE検出器のパフォーマンスは、MMSE検出器のパフォーマンスよりも劣る。
PERパフォーマンスを最適化するために、最適な検出器は現在のMCSモードに基づき選択され、これは、受信器におけるMIMO検出よりも前に知られる。MMSE検出器がLRA MMSE検出器よりも常にパフォーマンスが優れているときの一例は、送信及び受信アンテナの数にかかわらず、1つのみの空間ストリームが送信される場合である。IEEE802.11nシステムでは、これはMCS0−7である。
LRA MMSE検出器におけるPPE処理時間は、MMSE検出器よりもLRA MMSE検出器の方が大幅に長い。これは、LRA MMSE検出器で実行される第2のQR分解と格子基底縮小処理のためである。
上述した処理は、決定を行うことと、機能の“切り替え”が、適切な実装において、適切な構成の(マイクロプロセッサのような)ハードウェアコントローラにより実行される。そのようなマイクロプロセッサは、簡単のために、図10には省略され、図10の検出器と図1の検出器とで類似する部分を示している。
図11は、LRA MMSE検出器と標準MMSE検出器の両方の動作のタイミング図を示している。図の最上部には、受信器でFFT処理された後の受信OFDMシンボルを示している。FFT後の他の全ての受信器の機能は簡単のために省略している。この例では、一般性の喪失なく、最初の4つの受信シンボル(ラベルH1−H4が付されている)がトレーニングデータを含むヘッダシンボルである。これに続き、データを含む7つのOFDMシンボル(ラベルD1−D7が付されている)がある。これらシンボルは、期間TOFDMで周期がある。このタイプの構成を採用するシステムの例は、IEEE802.11nWLAN標準に詳細に説明されている。
トレーニングシンボルはPPEで必要であり、PPEに入力され、これらシンボルからチャネル推定が得られる。PPEは、これらトレーニングシンボルの受信が全て終わらないと処理を開始しない。実際、PPEは、チャネル推定のオーバヘッドのために、少ししてからでないと処理を開始しないこともある。LRA MMSEのPPEは、終わるまでTPPE LRAかかり(ライン2に示されている)、MMSE検出器では、終わるまでTPPE MMSE要する(ライン4に示されている)。PPE LRAは、TPPE MMSEよりもかなり長い。この例では、TPPE LRAはTOFDMよりも長く、TPPE MMSEはTOFDMと等しい。
DPEにより、受信されたデータOFDMシンボル毎に実行されるデータ検出は、PPEがその前動作を終了した後でなければ開始できない。リアルタイム動作を実現するために、DPEの処理時間(TDPE)はTOFDMより小さくなければならない。そうでなければ、データOFDMシンボルのバックログ(back-log)はDPEの入力で増加する。一般性の喪失なく、TDPEは両方のMIMO検出器で等しいとことが想定される。
まず最初に、MMSE検出器の動作をみてみると、データ検出は(ライン5に示されている)常にリアルタイムであることがわかる。完全なOEDMシンボルがDPE入力に与えられるとすぐに、待ち行列に入れられることなく、それは処理される。このリアルタイム動作は、常に本当であり、これは、受信されたパケット内に存在するOFDMデータシンボルの数にかかわりない。
LRA MMSE検出の動作をみてみると、2つの動作フェーズがあることがわかる。すなわち、非リアルタイムフェーズとリアルタイムフェーズである。非リアルタイムフェーズは、DPE入力でバッファの待ち行列に入れられたデータOFDMシンボルにより特徴付けられる。これらデータシンボルは、バックログ(back-log)をクリアするために、できるだけ速く検出される。バックログがクリアされると、当該検出器はリアルタイムフェーズの動作に入り、そこで、全てのOFDMシンボルが直ちに処理される。
図に示した例では、5つのデータシンボル(ラベルL1−L5が付されている)が、バックログがクリアされる前に非リアルタイムに処理され、リアルタイムフェーズの動作が開始される。非リアルタイムフェーズの長さは、TPPE LRAとTOFDMとの比に依存する。該検出器が、非リアルタイム動作の期間に続き、リアルタイムフェーズの動作に至るとすると、該検出器は、‘疑似リアルタイム’として分類される。この疑似リアルタイム動作は、受信器待ち時間全体が妥協されないとき、完全に受け入れられる。
受信されたパケットに、PPEバックログをクリアするために要求されるよりも少ないデータOFDMシンボルが含まれている場合、当該検出器の動作は、リアルタイムフェーズの動作には決して入らず、非リアルタイムとして分類される。これは、受信器待ち時間全体が妥協されないとき、受け入れることはできない。該受信器は、次のOFDMパケットが受信されたとき、その前のOFDMシンボルをまだ処理しているであろう。これは、受信器が適切なレートでデータを処理する能力に重大な影響を与える。
従って、MIMO検出器の選択は、受信パケット長さ(これはMIMO検出の前に知られる)に基づき行う必要がある。一般に、受信パケットのデータ部分の長さは、受信器にはバイト単位で知られる。MCSモードも既知であるとすると、これを、データOFDMシンボルの数へマッピングすることは簡単である。データOFDMシンボルの数がPPEバックログをクリアするために必要な閾値を越える場合、LRA MMSE検出が選択され、そうでない場合、MMSE検出が選択さる。
この両方の最適化基準を組み合わせることも可能であり、それは、PERパフォーマンスと受信パケットサイズに基づくものである。図12は、受信器により、この目的のために実行される方法の例を示したフロー図である。このフロー図は、意図的にリアルタイム動作に偏った方法を表している。これは、受信器待ち時間を全体的に妥協しないようにするために不可欠である。
当該方法は、示したように、ステップS2から開始し、入ってくるパケットで伝送されるOFDMデータシンボル(図10では、DXと示されている)の数Nを決定する。そして、ステップS4では、Nは、当該受信器に予め決定されているその処理能力として与えられている閾値と比較される。Nが当該閾値以下の場合、MMSE検出器が指定される。すなわち、図10に従うと、RL援用MMSE検出をサポートする受信器の部分は無効とされる。ステップS6は、この形態でMMSE検出を実行する。
Nが当該閾値より大きい場合、ステップS8では、RL援用MMSEのPERが、RL援用設備のないMMSEのそれと比較される。RL援用MMSEのPERが格子基底縮小のないものよりも小さい場合、ステップS6へ処理が進む。そうでない場合、プロセスは、RL援用MMSEで進めた方が有利であると決定し、ステップS10において、そのような検出が実行される。S6またはS10の後、検出処理は、次のパケットのために再び初期化されるまで終了する。
要約すると、この実施形態は、再構成可能なMIMO検出器を提供し、これは、LRA MMSEとMMSE検出をサポート可能であり、検出器の選択に影響を与えるPERパフォーマンスに基づく計量(metric)を組み込むことができる。検出器選択への他の影響は、パケットサイズ計量(metric)を含む。これら2つの計量は、上述したように、または読者には理解できるように、検出器の選択に組み合わせることができる。検出器は、これら計量のうちの1つまたはいずれかに基づき選択される。格子基底縮小を含むことの実用性と、非リアルタイム検出が生ずるという危険を冒すために検出器内にOFDMシンボルのバックアップをとる傾向を推測して、他の計量も与えることもできる。
本発明の上述した5つの実施形態から、本発明は、その全ての側面において、上述した詳細な特徴についてのバリエーションを伴う多くの異なる実施形態に適用できることは、読者には理解できよう。特に、上述の詳細な実施形態は、その要旨の範囲を限定するものではなく、本発明を実装できる方法を単に提示しただけであることは、読者には理解できよう。発明の範囲はここで添付する請求項から読み取ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るMIMO検出器の概略的に示した図。 本発明の第1の実施形態に係り、図1に示したようなQRDエンジンの詳細な実装を示した図。 本発明の第1の実施形態に係り、図1に示したようなデータ回転エンジンの詳細な実装を示した図。 本発明の第2の実施形態に係る、格子基底縮小エンジンの機能的な構成を示した図。 図4に示した前処理部の動作を説明するタイミングダイアグラムを示す図。 本発明の第3の実施形態に係る更新パラメータユニットのハードウェア実装を概略的に示す図。更新パラメータユニットは、図1に示した実施形態に実装されるような格子基底縮小エンジンで用いられるものである。 第3の実施形態に係る格子基底縮小エンジンの検出器に組み込むためのハードウェア実装を概略的に示した図。 本発明の第3の実施形態で例として用いられる信号対雑音比に対するパケット誤りを示すグラフ。 第4の実施形態に係る格子基底縮小エンジンの検出器に組み込むためのハードウェア実装を概略的に示した図。 本発明の第5の実施形態に係るMIMO検出器を概略的に示した図。 図10に示した前処理エンジンの動作を説明するタイミングダイアグラムを示す図。 本発明の第5の実施形態に係る検出器により実行される処理を示すフローチャート。

Claims (15)

  1. ヘッダと、1又は複数のデータシンボルとを含むパケットベースの信号内の情報を検出するように動作する格子基底縮小援用MIMO検出器であって、
    前記ヘッダからのチャネル推定に基づき、チャネル復号情報を得る前処理部と、
    前記チャネル復号情報を記憶するように動作する記憶手段と、
    前記1又は複数のデータシンボルを前記記憶されたチャネル復号情報を参照して処理するように動作するデータ処理部と、
    を含む検出器。
  2. 前記前処理部は、前記データ処理部が縮小された格子において受信されたデータシンボルを等化することを可能にする情報を生成するように動作する請求項1に従った検出器。
  3. 前記前処理部は、
    復号用の前記受信信号が送信されたチャネルの推定を表すチャネル状態行列を分解し、前記チャネル状態行列の前記分解のR成分を表すR成分情報を得るように動作する第1のQR分解手段を含み、
    前記前処理部は、
    前記第1のQR分解手段からの前記R成分情報を処理し、縮小された格子のチャネル推定を得るように動作する格子基底縮小手段を含み、
    前記前処理部は、前記記憶手段へ、チャネル復号情報として、前記格子基底縮小手段で得られた格子基底縮小を表す情報を出力するように動作する請求項1に従った検出器。
  4. 前記縮小された格子のチャネル状態行列の前記分解のQ成分を表すQ成分情報と、前記縮小された格子のチャネル状態行列の前記分解のR成分を表すR成分情報とを得るように動作する第2のQR分解手段を含み、
    前記前処理部は、前記Q成分情報と前記R成分情報とを、前記記憶手段へ、記憶するために、チャネル復号情報として出力するように動作する請求項に従った検出器。
    底縮小手段で得られた格子基底縮小を表す情報を出力するように動作する請求項1に従った検出器。
  5. 前記データ処理部は、CORDIC処理手段のために実装され、
    前記Q成分情報は、前記チャネル推定に従って前記受信された1または複数のデータシンボルへ前記CORDIC処理手段により1または複数の回転を適用するために、前記データ処理部で用いられる、CORDIC制御情報を含む請求項4に従った検出器。
  6. QR分解ユニットと、
    前記QR分解ユニットが前記第1及び第2のQR分解手段を提供できるように、前記格子基底縮小手段からの前記縮小された格子のチャネル状態行列を前記QR分解ユニットへフィードバックするように動作するフィードバック手段と、
    をさらに含む請求項4に従った検出器。
  7. 前記前処理部は、前記チャネルでパケットのヘッダを受信するのに用いられ、前記ヘッダはチャネル推定が得られるトレーニング情報を含み、
    前記データ処理部は、記憶されたチャネル復号情報を用いて、他のヘッダを受け取るまで、前記ヘッダの後に続く各データシンボルを処理するように動作する請求項1記載の検出器。
  8. 軟情報を出力するように動作する請求項1に従った検出器であって、前記軟情報は、当該検出器が前記受信シンボル内の検出されたデータへ値を割り当てる際に用いる確実性の指標を与える検出器。
  9. 請求項1に従った検出器を含む受信器。
  10. ヘッダと、1又は複数のデータシンボルとを含むパケットベースの信号から情報を検出する方法であって、
    該方法は前処理を含み、前記前処理は、
    前記ヘッダからのチャネル推定に基づき、縮小された格子においてデータシンボルを等化することを可能にするチャネル復号情報を得ることと、
    前記チャネル復号情報を記憶することと、
    前記1又は複数のデータシンボルを前記記憶されたチャネル復号情報を参照して処理することと、
    を含む方法。
  11. 前記前処理は、
    復号用の前記受信信号が送信されたチャネルの推定を表すチャネル状態行列を分解することと、
    前記チャネル状態行列の前記分解のR成分を表すR成分情報を得ることと、
    前記第1のQR分解手段からの前記R成分情報を処理し、縮小された格子のチャネル推定を得ることと、
    前記格子基底縮小を表す情報を前記記憶することで記憶するために出力することと、
    を含む請求項10に従った方法。
  12. 第2のQR分解ステップをさらに含み、前記第2のQR分解ステップは、
    前記縮小された格子のチャネル状態行列の前記分解のQ成分を表すQ成分情報と、前記縮小された格子のチャネル状態行列の前記分解のR成分を表すR成分情報とを得ることと、
    前記記憶することで記憶するために、前記Q成分情報と前記R成分情報とを出力することと、
    を含む請求項11に従った方法。
  13. 前記データを処理はCORDIC処理手段により実行され、前記Q成分情報は、前記CORDIC処理手段が前記受信された1または複数のデータシンボルに前記チャネル推定に従って1または複数の回転を適用するための前記データ処理で用いられるCORDIC制御情報を含む請求項12に従った方法。
  14. 前記第1のQR分解ステップは、QR分解ユニットにより実行され、
    前記第1のQR分解ステップを実行した前記QR分解手段で前記第2のQR分解ステップが実行されるように、前記格子基底縮小手段からの前記縮小された格子のチャネル状態行列を前記QR分解ユニットへフィードバックすることをさらに含む請求項12に従った方法。
  15. 前記前処理は、前記チャネルで送信されるパケットのヘッダを受信次第実行され、
    前記ヘッダは、チャネル推定が得られるトレーニング情報を含み、
    前記データ処理は、前記記憶されたチャネル復号情報を用いて、他のヘッダを受け取るまで、前記ヘッダの後に続く各データシンボルを処理することを含む請求項10に従った方法。
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