以下、本発明の撮像装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施の形態では、本発明における撮像装置としてデジタルカメラを例に説明するが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、例えば、カメラ付き携帯電話、カメラ付きPDA等、電子撮像機能を備えた他の電子機器に対しても適用可能である。
図1及び図2は、デジタルカメラの一例を示すものであり、それぞれ背面側及び前面側から見た外観図である。デジタルカメラ1の本体10の背面には、図1に示す如く、撮影者による操作のためのインターフェースとして、動作モードスイッチ11、メニュー/OKボタン12、ズーム/上下レバー13、左右ボタン14、Back(戻る)ボタン15、表示切替ボタン16が設けられ、更に撮影のためのファインダ17、撮影並びに再生のためのモニタ18及びレリーズボタン(撮影指示手段)19、顔検出ボタン27が設けられている。
動作モードスイッチ11は、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モードの各動作モードを切り替えるためのスライドスイッチである。メニュー/OKボタン12は、押下される毎に撮影モード、フラッシュ発光モード、セルフタイマーON/OFF、記録画素数や感度等の設定を行うための各種メニューをモニタ18に表示させたり、モニタ18に表示されたメニューに基づく選択・設定を決定したりするためのボタンである。
ズーム/上下レバー13は、上下方向に倒すことによって、撮影時には望遠/広角の調整が行われ、各種設定時にはモニタ18に表示されるメニュー画面中のカーソルが上下に移動して表示される。左右ボタン14は、各種設定時にモニタ18に表示されるメニュー画面中のカーソルを左右に移動して表示させるためのボタンである。
Back(戻る)ボタン15は、押下されることによって各種設定操作を中止し、モニタ18に1つ前の画面を表示するためのボタンである。表示切替ボタン16は、押下することによってモニタ18の表示のON/OFF、各種ガイド表示、文字表示のON/OFF等を切り替えるためのボタンである。ファインダ17は、ユーザが被写体を撮影する際に構図やピントを合わせるために覗くためのものである。ファインダ17から見える被写体像は、本体10の前面にあるファインダ窓23を介して映し出される。顔検出ボタン27は、後述の顔検出部65による顔検出のON/OFFを切り替えるためのボタンである。
以上説明した各ボタン及びレバーの操作によって設定された内容は、モニタ18中の表示や、ファインダ17内のランプ、スライドレバーの位置等によって確認可能となっている。また、モニタ18には、撮影の際に被写体確認用のスルー画像が表示される。これにより、モニタ18は電子ビューファインダとして機能する他、撮影後の静止画や動画の再生表示、各種設定メニューの表示を行う。ユーザによってレリーズボタン19が半押し操作されると、後述するAE処理及びAE処理が行われ、レリーズボタン19が全押し操作されると、AE処理及びAE処理によって出力されたデータに基づいて撮影が行われ、モニタ18に表示された画像が撮影画像として記録される。
更に、本体10の前面には、図2に示す如く、撮影レンズ20、レンズカバー21、電源スイッチ22、ファインダ窓23、フラッシュライト24、セルフタイマーランプ25及びAF補助光28が設けられ、側面にはメディアスロット26が設けられている。
撮影レンズ20は、被写体像を所定の結像面上(本体10内部にあるCCD等)に結像させるためのものであり、フォーカスレンズやズームレンズ等によって構成される。レンズカバー21は、デジタルカメラ1の電源がオフ状態のとき、再生モードであるとき等に撮影レンズ20の表面を覆い、汚れやゴミ等から撮影レンズ20を保護するものである。
電源スイッチ22は、デジタルカメラ1の電源のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。フラッシュライト24は、レリーズボタン19が押下され、本体10の内部にあるシャッタが開いている間に、撮影に必要な光を被写体に対して瞬間的に照射するためのものである。セルフタイマーランプ25は、セルフタイマーによって撮影する際に、シャッタの開閉タイミングすなわち露光の開始及び終了を被写体に知らせるためものである。
AF補助光28は、例えばLEDで構成され、被写体に狭い範囲の光すなわち絞った光を長時間照射することのよって後述のAF処理をし易くするためのものである。メディアスロット26は、メモリカード等の外部記録メディア70が充填されるための充填口であり、外部記録メディア70が充填されると、データの読み取り/書き込みが行われる。
図3にデジタルカメラ1の機能構成を示すブロック図を示す。図3に示す如く、デジタルカメラ1の操作系として、前述の動作モードスイッチ11、メニュー/OKボタン12、ズーム/上下レバー13、左右ボタン14、Back(戻り)ボタン15、表示切替ボタン16、レリーズボタン19、電源スイッチ22と、これらのスイッチ、ボタン、レバー類の操作内容をCPU75に伝えるためのインターフェースである操作系制御部74が設けられている。
また、撮影レンズ20を構成するものとして、フォーカスレンズ20a及びズームレンズ20bが設けられている。これらの各レンズは、モータとモータドライバからなるフォーカスレンズ駆動部51、ズームレンズ駆動部52によってステップ駆動され、光軸方向に移動可能な構成となっている。フォーカスレンズ駆動部51は、AF処理部62から出力されるフォーカス駆動量データに基づいてフォーカスレンズ20aをステップ駆動する。ズームレンズ駆動部52は、ズーム/上下レバー13の操作量データに基づいてズームレンズ20bのステップ駆動を制御する。
絞り54は、モータとモータドライバとからなる絞り駆動部55によって駆動される。この絞り駆動部55は、AE(自動露出)/AWB(オートホワイトバランス)処理部(露出決定手段)63から出力される絞り値データに基づいて絞り54の絞り径の調整を行う。
シャッタ56は、メカニカルシャッタであり、モータとモータドライバとからなるシャッタ駆動部57によって駆動される。シャッタ駆動部57は、レリーズボタン19の押下信号と、AE/AWB処理部63から出力されるシャッタ速度データとに応じてシャッタ56の開閉の制御を行う。
上記光学系の後方には、撮影素子であるCCD(撮像手段)58を有している。CCD58は、多数の受光素子がマトリクス状に配置されてなる光電面を有しており、光学系を通過した被写体像が光電面に結像され、光電変換される。光電面の前方には、各画素に光を集光させるためのマイクロレンズアレイ(不図示)と、RGB各色のフィルタが規則的に配列されてなるカラーフィルタアレイ(不図示)とが配置されている。CCD58は、CCD制御部59から供給される垂直転送クロック信号及び水平転送クロック信号に同期して、画素毎に蓄積された電荷を1ラインずつ読み出して画像信号として出力する。各画素における電荷の蓄積時間(即ち露出時間)は、CCD制御部59から与えられる電子シャッタ駆動信号によって決定される。
CCD58が出力する画像像信号は、アナログ信号処理部60に入力される。このアナログ信号処理部60は、画像信号のノイズ除去を行う相関2重サンプリング回路(CDS)と、画像信号のゲイン調整を行うオートゲインコントローラ(AGC)と、画像信号をデジタル画像データに変換するA/Dコンバータ(ADC)とからなる。そしてデジタル画像データは、画素毎にRGBの濃度値を持つCCD−RAWデータである。
タイミングジェネレータ72は、タイミング信号を発生させるものであり、このタイミング信号がシャッタ駆動部57、CCD制御部59、アナログ信号処理部60に入力されて、レリーズボタン19の操作と、シャッタ56の開閉、CCD58の電荷取り込み、アナログ信号処理60の処理の同期が取られる。フラッシュ制御部73は、フラッシュライト24の発光動作を制御する。
画像入力コントローラ61は、上記アナログ信号処理部60から入力されたCCD−RAWデータをフレームメモリ68に書き込む。このフレームメモリ68は、画像データに対して後述の各種デジタル画像処理(信号処理)を行う際に使用する作業用メモリであり、例えば、一定周期のバスクロック信号に同期してデータ転送を行うSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)から構成されている。
表示制御部71は、フレームメモリ68に格納された画像データをスルー画像としてモニタ18に表示させるためのものであり、例えば、輝度(Y)信号と色(C)信号を一緒にして1つの信号としたコンポジット信号に変換して、モニタ18に出力する。スルー画像は、撮影モードが選択されている間、所定時間間隔で取得されてモニタ18に表示される。また、表示制御部71は、外部記録メディア70に記憶され、メディア制御部69によって読み出された画像ファイルに含まれる画像データに基づいた画像をモニタ18に表示させる。
顔検出部(対象物検出手段)65は、フレームメモリ68に格納された画像データつまりスルー画像から人物の顔を検出する。具体的には、顔に含まれる顔の特徴を有する領域(例えば肌色を有する、目を有する、顔の形状を有する等)を顔領域として検出するが、これに限定されるものではない。そして顔検出ボタン27がONに設定された場合には常時スルー画像から顔の検出処理を行う。本発明において顔検出部65は、ソフトウェアにより構成されたものであっても単独でIC化されたものであってもよい。
AF処理部(合焦決定手段)62は、顔検出部65によって画像データから検出された顔検出結果に応じて焦点位置を検出し、フォーカスレンズ駆動量データを出力する(AF処理)。本実施の形態においては、焦点位置の検出方法としては、例えば、ピントが合った状態では画像の合焦評価値(コントラスト値)が高くなるという特徴を利用して、合焦位置を検出するパッシブ方式が適用される。
AE/AWB処理部(露出決定手段)63は、顔検出部65によって画像データから検出された顔検出結果に応じて被写体輝度を測定し、測定した被写体輝度に基づいて絞り値やシャッタ速度等を決定し、絞り値データやシャッタ速度データを出力すると共に(AE処理)、撮影時のホワイトバランスを自動調整する(AWB処理)。
画像処理部64は、本画像の画像データに対してガンマ補正、シャープネス補正、コントラスト補正等の画質補正処理を施すと共に、CCD−RAWデータを輝度信号であるYデータと、青色色差信号であるCbデータ及び赤色色差信号であるCrデータとからなるYCデータに変換するYC処理を行う。この本画像とは、レリーズボタン19が全押しされることによってCCD58から画像信号が出力され、アナログ信号処理部60、画像入力コントローラ61経由でフレームメモリ68に格納された画像データに基づいた画像である。
本画像の画素数の上限はCCD58の画素数によって決定されるが、例えば、ユーザが設定可能な画質設定(ファイン、ノーマル等の設定)により、記録画素数を変更することができる。一方、スルー画像やプレ画像の画素数は本画像より少なくてもよく、例えば、本画像の1/16程度の画素数で取り込まれてもよい。なおプレ画像とは、レリーズボタン19が半押しされることによって発生する半押し信号を検出したCPU75がCCD58にプレ撮影を実行させた結果、フレームメモリ68に格納された画像データに基づいた画像である。
セルフタイマー撮影部(セルフタイマー撮影手段)66は、レリーズボタン19の全押しから本露光撮影が開始するまでの予め設定された所定の待機時間(例えばレリーズボタン19の全押しから5秒間)の経過を計時するタイマー部(図示せず)を備えるものであり、待機時間の0を計時したときにレリーズボタン19の押下信号がシャッタ駆動部57に出力されるように、タイミングジェネレータ72を介して制御している。また前記待機時間の間、上述のセルフタイマーランプ25を点滅させて本露光撮影の開始のタイミングを撮影者等に知らせる。なおセルフタイマー撮影部66によるセルフタイマーのON/OFFは、上述のようにモニタ18に表示させて選択するものであってもよいし、デジタルカメラ1の本体10の背面に図示しないセルフタイマーボタンを配設してON/OFFを設定しても良い。
圧縮/伸長処理部67は、画像処理部64によって画質補正等の処理が行われた画像データに対して、例えばJPEG等の圧縮形式で圧縮処理を行って、画像ファイルを生成する。この画像ファイルには、各種データ形式に基づいて付帯情報が付加される。またこの圧縮/伸長処理部67は、再生モードにおいては外部記録メディア70から圧縮された画像ファイルを読み出し、伸長処理を行う。伸長後の画像データは表示制御部71に出力され、表示制御部71は画像データに基づいた画像をモニタ18に表示する。
メディア制御部69は、図2におけるメディアスロット26に相当し、外部記録メディア70に記憶された画像ファイル等の読み出し、又は画像ファイルの書き込みを行う。
CPU75は、各種ボタン、レバー、スイッチの操作や各機能ブロックからの信号に応じて、デジタルカメラ1の本体各部を制御する。またデータバス76は、画像入力コントローラ61、各種処理部62〜64、67、顔検出部65、セルフタイマー撮影部66、フレームメモリ68、各種制御部69、71、及びCPU75に接続されており、このデータバス76を介して各種信号、データの送受信が行われる。
次に、以上の構成のデジタルカメラ1において撮影時に行われる処理について説明する。図4はデジタルカメラ1の一連の処理のフローチャートである。まず図4に示す如く、CPU75は、動作モードスイッチ11の設定に従って、動作モードが撮影モードであるか再生モードであるか判別する(ステップS1)。再生モードの場合(ステップS1;再生)、再生処理が行われる(ステップS2)。この再生処理は、メディア制御部69が外部記録メディア70に記憶された画像ファイルを読み出し、画像ファイルに含まれる画像データに基づいた画像をモニタ18に表示させるための処理である。再生処理が終了したら、CPU75はデジタルカメラ1の電源スイッチ22によってオフ操作がなされたか否かを判別し(ステップS9)、オフ操作がなされていたら(ステップS9;YES)、デジタルカメラ1の電源をオフし、処理を終了する。オフ操作がなされていなかったら(ステップS9;NO)、ステップS1へ処理を移行する。
一方、ステップS1において動作モードが撮影モードであると判別された場合(ステップS1;撮影)、CPU75はスルー画像の表示制御を行う(ステップS3)。スルー画像の表示とは、フレームメモリ68に格納された画像データモニタ18に表示する処理である。次に、CPU75はセルフタイマーがONか否かを判別する(ステップS4)。セルフタイマーがONでない場合(ステップS4;NO)は、レリーズボタン19が押下された時に本露光撮影が開始される通常の撮影を行う(ステップS5)。セルフタイマーがONの場合(ステップS4;YES)、セルフタイマー撮影部66によってセルフタイマー撮影を行う(ステップS6)。
ここで図5にセルフタイマー撮影のフローチャートを示す。まず、図5に示す如く、CPU75は顔検出ボタン27がONか否かを判別する(ステップS21)。顔検出ボタン27がONに設定されていない場合(ステップS21;NO)には、被写体の中央を合焦領域すなわちAFエリアに設定してステップS25へ処理を移行し、顔検出ボタン27がONに設定されている場合(ステップS21;YES)には、顔検出部65が、図5のセルフタイマー撮影の流れと並行して常時、フレームメモリ68に格納された画像データから顔の検出処理を行う。
そして次にCPU75は顔が検出されているか否かを判別し(ステップS22)、顔が検出されている場合(ステップS22;YES)、顔領域をAFエリアに設定し、顔が検出されていない場合(ステップS22;NO)、被写体の中央をAFエリアに設定する。
次に、CPU75はレリーズボタン19が半押しされたか否かを判別する(ステップS25)。半押されていない場合は(ステップS25;NO)CPU75はステップS21へ処理を移行し、半押されている場合は(ステップS25;YES)はAE/AWB処理部63が、顔が検出されているか否かの判別結果に基づいてAE処理を行う(ステップ26)。このときステップS23又はステップS24で決定されたAFエリアと同じ領域に基づいてAE処理を行ってもよいが、これに限られるものではない。そして次にAF処理部62は、同じくステップS23又はステップS24で決定されたAFエリアに基づいてAF処理を行う(ステップS27)。
次にCPU75はレリーズボタン19が全押しされたか否かを判別する(ステップS28)。全押しされていない場合は(ステップS28;NO)CPU75はレリーズボタン19が半押しされたか否かを判別する(ステップS29)。そして半押されていない場合は(ステップS29;NO)CPU75はステップS21へ処理を移行し、半押されている場合は(ステップS29;YES)CPU75はステップS28へ処理を移行する。また全押しされている場合は(ステップS28;YES)、セルフタイマー撮影部66のタイマー部が本露光撮影を開始するまでの予め設定された所定の待機時間を計時すなわちカウントダウンを開始する(ステップS30)。
そしてCPU75は待機時間が0すなわちカウントが0になったか否かを判別する(ステップS31)。カウントが0でない場合(ステップS31;NO)は、CPU75はステップS30へ処理を移行し、カウントが0になった場合(ステップS31;YES)は、CPU75が、顔が検出されているか否かを判別する(ステップS32)。
そして顔が検出されている場合(ステップS32;YES)は、顔領域をAFエリアに設定し(ステップS33)、顔が検出されていない場合(ステップS32;NO)は、前回のAFエリアで顔領域が設定されているか否かすなわちステップS23で顔領域をAFエリアに設定したか否かを判別し(ステップS35)、ステップS23で顔領域をAFエリアに設定していない場合(ステップS35;NO)には、被写体の中央をAFエリアに設定する。そしてステップS33又はステップS36にてAFエリアが設定されると、その設定されたAFエリアに基づいてAF処理を行い(ステップS34)、本露光撮影を開始する(ステップS37)。また、ステップS23で顔領域をAFエリアに設定した場合(ステップS35;YES)には、AF処理をせずにそのまま本露光撮影を開始する(ステップS37)。
なお本実施形態においては、本露光撮影の直前にAF処理(ステップS34)のみを行うものとしたが、本発明はこれに限られず、ステップS34の前にAE処理を行っても良い。
またステップS32におけるCPU75による顔が検出されているか否かの判別は、ステップS21にて顔検出ボタン27がONに設定されている場合(ステップS21;YES)のみに行うものとし、顔検出ボタン27がOFFに設定されている場合(ステップS21;NO)には、ステップS25においてレリーズボタン19が半押しされたとき(ステップS25;YES)に被写体の中央をAFエリアとしてAF処理を行い、ステップS31においてカウントが0になった場合(ステップS30;YES)は、AF処理を行わずそのまま本露光撮影を行う(ステップS37)。このとき被写体の中央をAFエリアとするAF処理はレリーズボタン19が半押しされたときに限定されるものではなく、例えばステップS31においてカウントが0になったときであってもよい。
そして本露光撮影が行われる(ステップS37)と、図4に示す如く、本露光撮影により取得された本画像に対して画像処理部64が画像処理を施す(ステップS7)。なおこのとき画像処理が施された本画像データに対してさらに圧縮/伸長処理部67によって圧縮処理が施されて画像ファイルが生成されてもよい。
次にCPU75は、画像処理が施された本画像をモニタ18に表示する処理を行うともに外部記録メディア70に記録する(ステップ8)。そしてCPU75は電源スイッチ22によってオフ操作がなされたか否かを判別し(ステップS9)、オフ操作がなされていたら(ステップS9;YES)、デジタルカメラ1の電源をオフし、処理を終了する。オフ操作がなされていなかったら(ステップS9;NO)、ステップS1へ処理を移行し、ステップS1以降の処理を繰り返す。このようにしてデジタルカメラ1による撮影は行われる。
ここで表1及び表2にAF処理の一例を示す。
本実施形態のAF処理は、図5に示し説明した上述のように、表1における1、2、3−1及び4−1のようにAFエリアを設定して行うものであるが、本発明はこれに限られるものではなく、図5のステップS27で顔領域をAFエリアとしてAF処理を行った場合にステップS32にて顔が検出されていなかったときには、例えば3−1のように再AF処理を行わないのではなく、3−2に示す如く、被写体の中央をAFエリアに設定して再AF処理を行っても良い。また図5のステップS27で被写体の中央をAFエリアとしてAF処理を行った場合にステップS32にて顔が検出されていなかったときには、例えば4−1のように被写体の中央をAFエリアに設定して再AF処理を行うのではなく、4−2に示す如く、再AF処理を行わなくても良い。
また本実施形態のAF処理は、図5に示し説明した上述のように、レリーズボタン19が半押しされた時と本露光撮影直前に行うものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば本露光撮影直前のみにAF処理を行っても良い。この場合表2に示す如く、本露光撮影直前に、CPU75が、顔が検出されていると判別した場合は、該検出された顔領域をAFエリアとしてAF処理を行い、顔が検出されていないと判別した場合は、被写体の中央をAFエリアとしてAF処理を行う。なお「本露光撮影直前(露光直前)」は、レリーズボタン19が全押しされた時及びレリーズボタン19が全押しされてから本露光撮影が行われるまでの間のことをいう。
また本実施形態のAE処理及び/又はAF処理は、上述したタイミングにて行うものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、対象物(顔)の数が増えた後に行ってもよい。セルフタイマー撮影においては、一般的に撮影者自身が被写体となる場合が多く、この場合撮影者はレリーズボタン19を全押し時には、撮影視野内に入ることができないが、本露光前には撮影視野内に入ることができる。
従って、顔検出部65によって検出された顔の数を常に確認しておき、顔の数が増えたら、例えば撮影者自身が被写体として撮影視野内に入ったと判断してAE処理及び/又はAF処理を行うようにする。ここで図6に顔の数が増えた後にAE処理及び/又はAF処理が行われる場合のセルフタイマー撮影のフローチャートを示す。なお図6Aは図5のステップS29までの処理と同様であるため、同じステップ番号で示して説明は省略する。
図6Aに示す如く、ステップS28にてレリーズボタン19が全押しされると(ステップS28)、図6Bに示す如く、CPU75は顔検出部65が検出した顔の数Aを確認し(ステップS121)、次にセルフタイマー撮影部66のタイマー部がカウントダウンを開始する(ステップS122)。
そしてカウントダウンが開始された後で、CPU75は顔検出部65が検出した顔の数Bを確認する(ステップS123)。そしてCPU75は、カウントダウンの開始前後で顔の数が増えたか否か、すなわちB>Aであるか否かを判別する(ステップS124)。
そして顔が増えていた場合(ステップS124;YES)には、AF等の撮影条件が照準される顔を決定し、この顔領域をAFエリアに設定して(ステップS125)、設定されたAFエリアに基づいてAF処理を行う(ステップS126)。次にCPU75はカウントが0になったか否かを判別し(ステップS127)、カウントが0になると(ステップS127;YES)、ステップS126でAF処理部62が出力したデータに基づいて本露光撮影を行う(ステップS128)。
一方、カウントが0でない場合(ステップS127;NO)は、CPU75はカウントが0になるまでカウントダウンを続け(ステップS129)、カウントが0になると処理をステップS128へ移行して本露光撮影を行う(ステップS128)。
また、ステップS124にて顔が増えていない場合(ステップS124;NO)には、図5のステップS31からステップS36の処理と同様の処理を行って、本露光撮影を行う(ステップS128)。
なお図6BにおいてステップS122からステップ128に至るまでの間、つまり図6B中のS’の処理と並行して、顔検出部65による顔検出とセルフタイマー撮影部66によるカウントダウンとを動作させる。また図6B中のS’で、ステップS126又はステップS34のAF処理が完了する前にカウントが0になった場合には、カウントダウンを終了させ、前回のAF処理すなわちステップS27でAF処理部62が出力したデータに基づいて本露光撮影(ステップS128)を行ってもよい。
また本実施形態においては、ステップS126又はステップS34にてAF処理のみを行うものとしたが、本発明はこれに限られず、AF処理の前にAE処理を行っても良い。
このようにしてセルフタイマー撮影による本露光撮影を行うことにより、例えば撮影者自身が被写体となる場合に、顔が増えた後すなわち撮影者が撮影視野内に入った後でAF処理が行われるので、撮影者自身にAF等の撮影条件の照準が合った撮影画像を取得することができる。またカウントが0になってからAF処理を行う場合には、カウントが0になるタイミングと本露光との間に若干のタイムラグが発生するが、本実施形態のようにカウントが0になる前に、顔の数が増えたときにAF処理及び/又はAE処理を行うことにより、カウントが0になってから本露光撮影が行われるまでに要する時間を低減することができるので、上記タイムラグの発生を防ぐことができる。
また上記実施形態では、例えば撮影者自身が被写体となる場合に、撮影者自身が撮影視野内に入ると、撮影者が意図する立ち位置へ行く前に撮影者の顔が検出されてAF処理が行われてしまう虞があり、これにより撮影画像がいわゆるピンボケを起こしてしまう可能性がある。
そこで顔検出部65によって検出された顔の数を常に確認しておき、顔の数が増えから所定時間Mが経過した後に、例えば撮影者自身が被写体として撮影視野内に入り、かつ撮影者自身が意図する立ち位置への移動が完了したと判断してAE処理及び/又はAF処理を行うようにする。ここで図7に顔の数が増えてから所定時間経過後にAE処理及び/又はAF処理が行われる場合のセルフタイマー撮影のフローチャートを示す。なお図7において、図6と同様の処理は同じステップ番号で示して説明は省略する。
図7Bに示す如く、ステップS124にてCPU75がカウントダウンの開始前後で顔の数が増えたか否か、すなわちB>Aであるか否かを判別した(ステップS124)後で、CPU75は、セルフタイマー撮影部66のタイマー部とは別に上記所定時間Mを計時するためにkに0を設定する(ステップS130)。なお所定時間Mの値はユーザが任意に設定可能としてもよい。
そしてCPU75は上記所定時間Mが経過したか否か、すなわちk>Mであるか否かを判別し(ステップS131)、k>Mである場合(ステップS131;YES)にはAF等の撮影条件が照準される顔を決定し、この顔領域をAFエリアに設定して(ステップS132)、設定されたAFエリアに基づいてAF処理を行う(ステップS126)。
一方ステップS131にてk>Mではない場合(ステップS131;NO)には、CPU75はセルフタイマー撮影部66のタイマー部によるカウントが0になったか否かを判別し(ステップS133)、カウントが0の場合(ステップS133;YES)には、ステップS132へ処理を移行する。またカウントが0でない場合(ステップS133;NO)には、CPU75はkに1を加えて(ステップS134)、ステップS131へ処理を移行する。
このようにしてセルフタイマー撮影による本露光撮影を行うことにより、例えば撮影者自身が被写体となる場合に、顔が増えてから所定時間Mが経過後、すなわち撮影者が撮影視野内に入ってから撮影者が意図する立ち位置への移動が完了した後でAF処理及び/又はAE処理が行われるので、撮影者自身にAF等の撮影条件の照準が確実合った、ピントの合った撮影画像を取得することができる。
またカウントが0になる前に、顔の数が増えてから所定時間経過した後にAF処理及び/又はAE処理を行うことにより、上記と同様にカウントが0になってから本露光撮影が行われるまでに要する時間を低減することができるので、上記タイムラグの発生を防ぐことができる。
また上記実施形態のように顔の数が増えてから所定時間Mが経過した後ではなく、顔の数が増えて、かつ、顔の検出結果が安定した後に、例えば撮影者自身が被写体として撮影視野内に入って撮影者自身が意図する立ち位置の移動が完了したと判断してAE処理及び/又はAF処理を行うようにしてもよい。ここで図8に顔の数が増えて、かつ顔検出結果が安定した後にAE処理及び/又はAF処理が行われる場合のセルフタイマー撮影のフローチャートを示す。なお図8において、図6と同様の処理は同じステップ番号で示して説明は省略する。
図8Bに示す如く、ステップS124にてCPU75がカウントダウンの開始前後で顔の数が増えたか否か、すなわちB>Aであるか否かを判別した(ステップS124)後で、CPU75は、顔検出部65による顔の検出履歴から各顔の変動量を確認する(ステップS140)。なおここで「変動量」は、顔の位置の移動量とするが、顔の大きさの変動量、顔の向きや傾きの変化量等であってもよい。
そしてCPU75は各顔の変動量が安定したか否かを判別し(ステップS141)、変動量が安定している場合すなわち顔検出結果が安定している場合(ステップS141;YES)には、AF等の撮影条件が照準される顔を決定し、この顔領域をAFエリアに設定して(ステップS142)、設定されたAFエリアに基づいてAF処理を行う(ステップS126)。なお「顔の変動量」は、変動量が予め設定した閾値よりも小さい場合に、被写体が略静止していると判断して変動量つまり顔検出結果が安定したと判別する。
一方ステップS141にて変動量が安定していない場合(ステップS141;NO)には、CPU75はセルフタイマー撮影部66のタイマー部によるカウントが0になったか否かを判別し(ステップS143)、カウントが0の場合(ステップS143;YES)には、ステップS142へ処理を移行する。またカウントが0でない場合(ステップS143;NO)には、CPU75はステップS140へ処理を移行する。
このようにしてセルフタイマー撮影による本露光撮影を行うことにより、例えば撮影者自身が被写体となる場合に、顔が増えて、かつ、顔の変動量が安定した後すなわち撮影者が撮影視野内に入ってから撮影者が意図する立ち位置へ移動が完了した後でAF処理が行われるので、上記と同様に撮影者自身にAF等の撮影条件の照準が確実合った、ピントの合った撮影画像を取得することができる。
なお上述の実施形態のAE処理及び/又はAF処理は、上述したタイミングにて行うものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、ユーザが前記タイミングを任意に選択又は設定可能としてもよい。ここで図9にセルフタイマー撮影のメニュー表示例を示す。図9(a)に示す如く、メニュー画面91でセルフタイマー92が選択されたときに、AE処理及びAF処理を行うタイミング93を、例えば、レリーズボタンが半押しされた時、露光直前等において個別にON/OFF94で選択する。このとき全てがOFFに設定された場合には、モニタ18に「一つ以上はONにして下さい」と表示する。
また図9(b)に示す如く、AE処理及びAF処理を行うタイミング93を、例えば、レリーズボタンが半押しされた時、露光直前等の複数のタイミングの中から一つを選択95するものであっても良い。
また図9(c)に示す如く、メニュー画面91でセルフタイマー92が選択されたときに、自分撮りであるか否かを選択96するようにしてもよい。この場合、例えば自分撮りが選択されたときには露光直前にAE処理及びAF処理を行い、自分撮り以外のときにはレリーズボタンが半押しされた時にAE処理及びAF処理を行うようにすることが可能である。なお「自分撮り」は、撮影者自身が被写体として参加する撮影方法のことをいう。
こうすることにより、撮影者自身を被写体として撮影するときに撮影者に明るさ(輝度)やピント(合焦位置)があった画像を取得することができる。
以上により上述したデジタルカメラによれば、セルフタイマー撮影部66を使用して本露光撮影が行われる場合、レリーズボタン19が全押されてから本露光撮影が行われるまでの間に、AE/AWB処理部63及びAF処理部62により顔の検出結果に応じてAE処理及び/又はAF処理が行われるので、レリーズボタン19が全押されてから顔が検出された場合に、該検出された顔領域においてAE処理及び/又はAF処理を行うことができる。これにより、例えば撮影者自身が被写体となる場合であっても、撮影者に明るさ(輝度)やピント(合焦位置)があった画像を取得することができる。
次に本発明の撮像装置として別の実施形態のデジタルカメラを説明する。本実施形態のデジタルカメラは、上述した実施形態のデジタルカメラ1と同様の構成であるため説明を省略し、異なる部分であるセルフタイマー撮影の流れについてのみ説明するものとする。図10に本実施形態のセルフタイマー撮影のフローチャートを示す。なお本実施形態のセルフタイマー撮影は、図10に示す如く、カウントダウンを開始する(ステップS49)前までの流れは図5と同様であるため説明は省略する。
図10に示す如く、カウントダウンが開始されると(ステップS49)、CPU75は待機時間すなわちカウントが所定時間Nになったか否かを判別する(ステップS50)。カウントがNでない場合(ステップS50;NO)は、CPU75はステップS49へ処理を移行し、カウントがNになった場合(ステップS50;YES)は、CPU75が、顔が検出されているか否かを判別する(ステップS51)。
そして顔が検出されている場合(ステップS51;YES)は、顔領域をAFエリアに設定し(ステップS52)、顔が検出されていない場合(ステップS51;NO)は、前回のAFエリアで顔領域が設定されているか否かすなわちステップS42で顔領域をAFエリアに設定したか否かを判別し(ステップS54)、ステップS42で顔領域をAFエリアに設定していない場合(ステップS54;NO)には、被写体の中央をAFエリアに設定する。
そしてステップS52又はステップS55にてAFエリアが設定されると、その設定されたAFエリアに基づいてAF処理を行い(ステップS53)、次にCPU75はカウントが0になったか否かを判別する(ステップS56)。そしてカウントが0になると(ステップS56;YES)、ステップS53でAF処理部62が出力したデータに基づいて本露光撮影を行う(ステップS57)。
一方、カウントが0でない場合(ステップS56;NO)は、CPU75はカウントが0になるまでカウントダウンを続け(ステップS58)、カウントが0になると処理をステップS57へ移行して本露光撮影を行う(ステップS57)。
また、ステップS42で顔領域をAFエリアに設定した場合(ステップS54;YES)には、AF処理をせずにステップS56に処理を移行し、カウントが0になると、ステップS46でAF処理部62が出力したデータに基づいて本露光撮影を行う(ステップS57)
このようにしてセルフタイマー撮影による本露光撮影を行うことにより、カウントが0になる前に、CPU75により顔が検出されているか否かの判別が行われ、該判別の結果に応じてAF処理及び/又はAE処理が行われるので、カウントが0になってから本露光撮影が行われるまでに要する時間を低減することができる。なお上述したカウントNはユーザが任意に設定可能としてもよい。
また図10においてステップS50からステップ56に至るまでの間、つまり図10中のS’で、AF処理(ステップS53)が完了する前にカウントが0になった場合には、AF処理(ステップS53)が完了してから本露光撮影を行う(ステップS57)。なお本発明はこれに限られるものではなく、AF処理(ステップS53)が完了する前にカウントが0になった場合に、例えば、ステップS53のAF処理を強制的に終了させ、カウントが0になったときに、前回のAF処理すなわちステップS46でAF処理部62が出力したデータに基づいて本露光撮影(ステップS57)を行ってもよい。
またステップS51におけるCPU75による顔が検出されているか否かの判別は、ステップS40にて顔検出ボタン27がONに設定されている場合(ステップS40;YES)のみに行うものとし、顔検出ボタン27がOFFに設定されている場合(ステップS40;NO)には、ステップS44においてレリーズボタン19が半押しされたとき(ステップS44;YES)に被写体の中央をAFエリアとしてAF処理を行い、その後のAF処理は行わず、ステップS56においてカウントが0になったとき(ステップS56;YES)、本露光撮影を行う(ステップS37)。このとき被写体の中央をAFエリアとするAF処理はレリーズボタン19が半押しされたときに限定されるものではなく、例えばステップS56においてカウントが0になったときであってもよい。
次に本発明かかる別の実施形態のデジタルカメラ1−2について説明する。図11にデジタルカメラ1−2の機能構成を示すブロック図を示す。本実施形態のデジタルカメラ1−2は、図11に示す如く、上述した実施形態のデジタルカメラ1の構成にさらに設定部77を備えるものであり、本実施形態の顔検出部65’は、例えば正面顔、横顔等の複数の異なる状態の顔を検出することができる。なお図11において図3と同様の箇所は同符号で示して説明を省略する。
設定部77は、顔検出部65’による顔の検出条件を、複数の異なる状態の顔のいずれかを検出する条件に設定するものであり、本実施形態ではセルフタイマー撮影がONにされたときに前記設定をする。
以下、顔検出部65’が検出する顔の検出条件の設定について、図面を参照して詳細に説明する。図12は顔検出条件の設定処理のフローチャート、図13は図12の設定処理が施されたデジタルカメラ1−2での顔検出結果の一例である。
例えば顔検出部65’により複数の顔が検出されたときに中央よりの顔領域にAFエリアを設定するように制御されたデジタルカメラ1−2で、セルフタイマー撮影によって撮影者自身を被写体とした撮影を行う場合に、通常、撮影者はレリーズボタン19を全押ししてから撮影レンズ20の前に立つので、撮影者は自分の顔が写っている正確な位置がわからない、つまり自分の顔が中央付近にあるのか否かがわからないため、自分の顔領域がAFエリアに設定されているか否かを確認することができない。そこで自分以外にも顔が存在する撮影環境でセルフタイマー撮影を行う際には、自分に確実にAF等の撮影条件が照準されるようにすることが必要となる。
一般的にセルフタイマー撮影時には主要被写体となる人物の顔は撮影レンズ20に対して正面を向いている場合が多い。しかしながら顔検出部65’が、異なる状態の顔として例えば横顔と正面顔とを検出する場合には、図13(a)に示す如く、撮影視野の中央付近に撮影者が意図しない被写体である横顔F1が存在する撮影環境下で、撮影者が意図する主要被写体(例えば撮影者自身等)を撮影するとき、顔検出部65’は横顔F1と主要被写体である正面顔F2を検出するが、横顔F1の方が中央よりに位置しているために横顔F1の顔領域がAFエリアに設定されてしまう。
そこで本実施形態のデジタルカメラ1−2では、セルフタイマー撮影時には正面顔のみを検出するように顔検出の条件を設定する。
顔検出条件の設定は、図12に示す如く、先ずCPU75はセルフタイマーがONに設定されているか否かを判別する(ステップS60)。セルフタイマーがONに設定されている場合(ステップS60;YES)には、設定部77が、顔検出部65’による顔検出の条件を、正面顔のみを検出し、横顔を検出しないように設定する(ステップS61)。
一方、セルフタイマーがONに設定されていない場合(ステップS60;NO)には、設定部77が、顔検出部65’による顔検出の条件を、正面顔と横顔の両方を検出するように設定する(ステップS62)。
このようにセルフタイマー撮影がONにされたときに、設定部77が顔の検出条件を顔の向きを制限して設定することにより、顔検出部65’を正面顔のみを検出するように制御することができるので、上述した図13(a)と同様の撮影環境下であっても、顔検出部65’は、図13(b)に示す如く、主要被写体の正面顔F2’のみを検出するので、例えば撮影者自身等の主要被写体の正面顔に、確実にAF等の撮影条件を照準させることが可能となる。
なお本実施形態では設定部77が横顔を検出しないように顔検出条件を設定したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば上向き顔、下向き顔、傾き顔等を検出しないように設定してもよい。
また本実施形態では、設定部77が、顔検出条件を顔の向きを制限するものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば顔の大きさを制限するものであってもよい。ここで図14に別の実施形態の顔検出条件の設定処理のフローチャート、図15は図14の設定処理が施されたデジタルカメラ1−3での顔検出結果の一例を示す。
顔検出部65’が、異なる状態の顔として大小の様々な大きさの顔を検出する場合には、図15(a)に示す如く、撮影視野の中央付近に撮影者が意図しない被写体である小さい顔F3が存在する撮影環境下で、撮影者が意図する主要被写体(例えば撮影者自身等)を撮影するとき、顔検出部65’は小さい顔F3と主要被写体である大きい顔F4(F4>F3)を検出するが、小さい顔F3の方が中央よりに位置しているために小さい顔F3の顔領域がAFエリアに設定されてしまう。
そこで本実施形態では、セルフタイマー撮影時には検出対象となる顔の大きさを、例えば画像短辺の1/M以上の大きさのみ、画像短辺の1/N以下の大きさのみ、画像短辺の1/Mから1/Nの大きさのみ等、所定範囲の大きさのみを検出するように顔検出の条件を設定する。
顔検出条件の設定は、図14に示す如く、先ずCPU75はセルフタイマーがONに設定されているか否かを判別する(ステップS70)。セルフタイマーがONに設定されている場合(ステップS70;YES)には、設定部77が、顔検出部65’による顔検出の条件を、上記所定範囲の大きさの顔のみを検出するように設定する(ステップS71)。
一方、セルフタイマーがONに設定されていない場合(ステップS70;NO)には、設定部77が、顔検出部65’による顔検出の条件を、顔の大きさを制限しないで検出するように設定する(ステップS72)。
このようにセルフタイマー撮影がONにされたときに、設定部77が顔の検出条件を顔の大きさを制限して設定することにより、顔検出部65’を所定範囲の大きさの顔のみを検出するように制御することができるので、上述した図15(a)と同様の撮影環境下であっても、顔検出部65’は、図15(b)に示す如く、所定範囲の大きさである主要被写体の大きい顔F4’のみを検出できるので、例えば撮影者自身等の主要被写体の顔に、確実にAF等の撮影条件を照準させることが可能となる。
なお本実施形態では設定部77は、上述したようにセルフタイマーがONに設定されると自動的に顔検出条件を設定するものとしたが本発明はこれに限られるものではなく、ユーザの手動によって設定するものであってもよい。ここで図16にセルフタイマー撮影のメニュー表示例を示す。
図16に示す如く、メニュー画面91でユーザがセルフタイマー92を選択したときに、顔検出設定97において、検出対象とする顔の状態をユーザが個別にON/OFFで選択する。例えば正面顔を常に検出対象としている場合には、図16(a)に示す如く、横顔を検出対象とするか否かをユーザがON/OFF98で選択することにより設定部77が顔検出条件を設定する。
また例えば常に検出対象となっている顔の状態が決まっていない場合には、図16(b)に示す如く、ユーザが顔の状態を個別にON/OFF99で選択することにより設定部77が顔検出条件を設定する。ここで図17に図16(b)の顔検出条件の設定処理のフローチャートを示す。
図17に示す如く、CPU75はセルフタイマーがONに設定されているか否かを判別し(ステップS80)、セルフタイマーがONに設定されている場合(ステップS80;YES)には設定部77がユーザによる設定の確認を行う(ステップS81)。
そして設定部77は、先ず正面がONにされているか否かを判別し(ステップS82)、ONにされている場合(ステップS82;YES)には、正面顔を検出対象とし(ステップS83)、ONにされていない場合(ステップS82;NO)には、正面顔は検出対象外とする(ステップS84)。
次に設定部77は、横向きがONにされているか否かを判別し(ステップS85)、ONにされている場合(ステップS85;YES)には、横向き顔を検出対象とし(ステップS86)、ONにされていない場合(ステップS85;NO)には、横向き顔は検出対象外とする(ステップS87)。
次に設定部77は、上向きがONにされているか否かを判別し(ステップS88)、ONにされている場合(ステップS88;YES)には、上向き顔を検出対象とし(ステップS89)、ONにされていない場合(ステップS88;NO)には、上向き顔は検出対象外とする(ステップS90)。
次に設定部77は、下向きがONにされているか否かを判別し(ステップS91)、ONにされている場合(ステップS91;YES)には、下向き顔を検出対象とし(ステップS92)、ONにされていない場合(ステップS91;NO)には、下向き顔は検出対象外とする(ステップS93)。
そしてさらに設定部77は、図16(b)のON/OFF99が全てOFFすなわち全ての顔が検出対象外にされているか否かを判別し(ステップS94)、全てが検出対象外にされている場合(ステップS94;YES)には、どれかをONにするように例えばモニタ18に警告表示して(ステップS95)、CPU75はステップS81へ処理を移行する。一方、全てが検出対象外にされていない場合(ステップS94;NO)には、ステップS82〜ステップS83の処理により決定された検出対象を顔検出条件として設定する。
またステップS80にてセルフタイマーがONにされていない場合(ステップS80;NO)には、全ての顔を検出対象として顔検出条件を設定する(ステップS96)。このように設定部77は、ユーザの手動によって顔検出条件を設定してもよい。
なお本実施形態で顔の状態として、正面、横向き、上向き、下向き等の向きを設定しているが、同様に顔の傾きを設定してもよい。
本実施形態のデジタルカメラ1−2は上述したように、設定部77が顔検出部65’による顔の検出条件を、複数の異なる状態の顔を検出する条件のいずれかに設定するものとしたが、本発明はこれに限られるものではない。図18に別の実施形態のデジタルカメラ1−3の機能構成を示すブロック図を示す。本実施形態のデジタルカメラ1−3は、図18に示す如く、デジタルカメラ1−2の設定部77の代わりに顔検出部65’により検出された複数の異なる状態の顔のいずれかを選択する選択部78を備えている。
なお選択部78は、上述したデジタルカメラ1−2の設定部77による顔検出条件設定の処理(図12、図14参照)と略同様にして選択条件を設定し、例えば図13(a)に示すように、横顔F1と正面顔F2が検出されたときに、横顔F1は選択せずに図13(b)に示すように正面顔F2’のみを選択し、この選択した正面顔F2’にAF等の撮影条件を照準させる。
また例えば図15(a)に示すように、小さい顔F3と所定範囲の大きさである大きい顔F4が検出されたときには、小さい顔F3は選択せずに図15(b)に示すように所定範囲の大きさである大きい顔F4’のみを選択し、この選択した大きい顔F4’にAF等の撮影条件を照準させる。
このように顔検出部65’により複数の異なる状態の顔が検出された後で、いずれかを選択してAF等の撮影条件を照準することにより上記実施形態と同様に、主要被写体の顔に確実に撮影条件を照準させることが可能となる。
また選択部78は、顔検出部65’により検出された顔のうち変動量が所定値よりも大きいものを選択しないように設定されたものであってもよい。ここで図19に顔の変動量を考慮したセルフタイマー撮影のフローチャート、図20(a)に変動量を考慮しないときの顔検出結果の一例、図20(b)に変動量を考慮したときの顔検出結果の一例をそれぞれ示す。なお図19において、図5と同じ処理は同じステップ番号で示して説明を省略する。
デジタルカメラ1−3が顔検出部65’により複数の顔が検出されたときに中央よりの顔領域にAFエリアを設定するように制御されている場合、一般的にセルフタイマー撮影時には、主要被写体となる人物は本露光前に比較的動かない場合が多いので、変動量の大きい顔にAF等の撮影条件が照準されないように選択部78が変動量の大きい顔を選択しないようにする。
具体的には図19Bに示す如く、ステップS32にて顔が検出されている場合(ステップS32;YES)は、選択部78が検出履歴から各顔の変動量を確認し(ステップS100)、変動量の大きい顔は撮影条件の照準の対象外扱いとし選択しない(ステップS101)。
そしてCPU75が、AF等の撮影条件を照準する対象となる顔があるか否かを判別し(ステップS102)、撮影条件を照準する対象となる顔がある場合には(ステップS102;YES)、この顔を、AFを照準する顔に決定し(ステップS103)、この顔領域をAFエリアとして設定する(ステップS104)。
一方、ステップS102にて、撮影条件を照準する対象となる顔がない場合(ステップS102;NO)には、CPU75はステップS35へ処理を移行する。
例えば図20(a)、(b)のそれぞれ左図に示す如く、顔検出部65’がある時刻t1で、撮影視野の左側に撮影者が意図する主要被写体(例えば撮影者自身等)である人物P1の顔A、右端側に撮影者が意図しない被写体である人物P2の顔Bをそれぞれ検出し、さらに時刻t1よりも時間が経過した時刻t2で、撮影視野において略同位置にいる、つまり移動量が所定値よりも小さい人物P1の顔A’と、右端側から中央に移動した、つまり移動量が所定値よりも大きい人物P2の顔B’とを検出したときに、変動量が考慮されない場合には図20(a)の左図の時刻t1では、2つの顔A、Bのうち中央よりに位置する顔Aが、撮影条件が照準される対象となっているのに対して、時間が経過した時刻t2では右図に示す如く、移動により中央よりに位置した顔B’が、撮影条件が照準される対象となってしまう。
一方、上述のように変動量を考慮した処理を行うことにより、図20(b)の右図に示す如く、選択部78が移動量の大きい人物P2の顔B’を撮影条件の照準の対象外扱いとして選択しないので、変動量の小さい人物P1の顔A’が、撮影条件が照準される対象となり、例えば撮影者自身等の主要被写体の顔に、確実にAF等の撮影条件を照準させることが可能となる。
なお本実施形態では、変動量として、顔の位置の移動量を例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、顔の大きさの変動量、顔の向きや傾きの変化量等であってもよい。
次に本発明の別の実施形態のデジタルカメラを説明する。本実施形態のデジタルカメラは、上述した実施形態のデジタルカメラ1−3と同様の構成であるため説明を省略し、異なる部分であるセルフタイマー撮影の流れについてのみ説明するものとする。図21に本実施形態のセルフタイマー撮影のフローチャートを示す。なお図21において、図19と同じ処理は同じステップ番号で示して説明を省略する。
上記実施形態では、図19のステップS31にてカウントが0になってから選択部78がステップS100〜ステップS104の処理つまり変動量の確認からAFエリアの設定までを行い、AE処理及び/又はAF処理を行うので、カウントが0になってから本露光処理が行われるまでの間に若干のタイムラグが発生してしまう。
そこで本実施形態のセルフタイマー撮影は、図21Bに示す如く、カウントダウンが開始されると(ステップS30)、CPU75は待機時間すなわちカウントが所定時間Nになったか否かを判別し(ステップS110)、カウントがNでない場合(ステップS110;NO)は、CPU75はステップS30へ処理を移行し、カウントがNになった場合(ステップS110;YES)は、CPU75が、顔が検出されているか否かを判別して(ステップS32)、顔が検出されている場合(ステップS32;YES)に、上述したステップS100〜ステップS104の処理つまり変動量の確認からAFエリアの設定までを行い、AF処理部62が設定されたAFエリアに基づいてAF処理を行う(ステップS34)。
そして次にCPU75が、カウントが0になったか否かを判別し(ステップS111)、カウントが0になると(ステップS111;YES)、ステップS34でAF処理部62が出力したデータに基づいて本露光撮影を行う(ステップS37)。
一方、カウントが0でない場合(ステップS111;NO)は、CPU75はカウントが0になるまでカウントダウンを続け(ステップS112)、カウントが0になると処理をステップS37へ移行して本露光撮影を行う(ステップS37)。
また、ステップS23で顔領域をAFエリアに設定した場合(ステップS35;YES)には、AF処理をせずにステップS111に処理を移行し、カウントが0になると、ステップS27でAF処理部62が出力したデータに基づいて本露光撮影を行う(ステップS37)。
このようにしてセルフタイマー撮影による本露光撮影を行うことにより、カウントが0になる前に、選択部78がステップS100〜ステップS104の処理つまり変動量の確認からAFエリアの設定までを行い、AF処理及び/又はAE処理が行われるので、カウントが0になってから本露光撮影が行われるまでに要する時間すなわち上記タイムラグを低減することができる。なお上述したカウントNはユーザが任意に設定可能としてもよい。
また図21BにおいてステップS110からステップ111に至るまでの間、つまり図21B中のS’で、AF処理(ステップS34)が完了する前にカウントが0になった場合には、AF処理(ステップS34)が完了してから本露光撮影を行う(ステップS37)。なお本発明はこれに限られるものではなく、AF処理(ステップS34)が完了する前にカウントが0になった場合に、例えば、ステップS34のAF処理を強制的に終了させ、カウントが0になったときに、前回のAF処理すなわちステップS27でAF処理部62が出力したデータに基づいて本露光撮影(ステップS37)を行ってもよい。
なお上述した実施形態のデジタルカメラでは、図5、図6A、図7A、図8A、図10、図19A、図21Aにおいてレリーズボタン19が半押しされる(ステップS25、S44)前に、顔が有るか否かの判別(ステップS22、S41)を行い、AFエリアを設定(ステップS23・S24、S42・S43)したが、本発明はこれに限られず、例えば、レリーズボタン19が半押しされた(ステップS25、S44)後で行っても良い。
また上述した実施形態においては、所定の対象物を顔としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、顔以外の他の対象物であってもよい。また上述した実施形態においては顔が検出されていなかった場合に、被写体の中央をAFエリアに設定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、被写体の中央以外の他の位置であってもよい。
また本発明の撮像装置は、上述したセルフタイマー撮影にて、本露光撮影までに顔が検出されていなかった場合には、撮影者及び/又は被撮影者に対して、顔が未検出であることを伝達する伝達手段をさらに備えても良い。このとき伝達手段は顔が検出されたことを伝達することも可能である。ここで図22に伝達手段を備えてなるデジタルカメラ1−4の正面斜視図、図23にデジタルカメラ1−4の機能構成を示すブロック図を示す。
通常、顔検出部65、65’による顔検出を動作中、撮影者はデジタルカメラ背面のモニタ18(図1参照)に表示される検出された顔を囲む検出枠等を目視して、顔が検出されているか否かを確認することが可能である。
しかしながら、セルフタイマー撮影等で、撮影者自身が被写体となる場合には、撮影者はデジタルカメラ正面側に移動しなければならないため、上記のようにして確認することは困難である。そこでセルフタイマー撮影時に、顔が検出されたか否かを被写体にむけて伝達する伝達手段を備える。
本実施形態のデジタルカメラ1−4では、伝達手段として、例えば図23に示す如く、情報発信部79と、この情報発信部79により発信される情報を表示させる液晶モニタ等の情報表示部18’を、図22に示す如くデジタルカメラ正面に設け、情報発信部79が情報表示部18’に、例えば顔が検出されれば丸印「○」を表示させ、顔が検出されなければバツ印「×」を表示させるようにする。
これによりセルフタイマー撮影において、撮影者自身が主要被写体となる場合であっても顔が検出されているか否かを確認することが可能となるので、例えば撮影者が撮影視野内に入っていないときに、撮影者は自分で撮影視野内に入っていないことを確認し、撮影視野内に入るように移動することができる。これにより撮影が失敗するのを防止することができる。
なお情報発信部79は情報表示部18’に、例えば顔が検出されたときに検出された顔の数を表示させるようにしてもよいし、背面のモニタ18(図3参照)と同様に前記検出枠を表示させるようにしてもよい。また顔検出部65、65’によって検出された顔が増えたか否かを確認している場合には、検出された顔が増えたときに、その旨を表示させるようにしてもよい。
なお情報発信部79は、上記のように文字やマーク等を表示させるのではなく、発光素子のON/OFFすることにより顔が検出されたか否かを伝達させるものであってもよい。この場合、新たに情報表示部18’を設けなくても、例えば図22に示す如く、デジタルカメラ正面のAF補助光28を使用することも可能である。AF補助光28を使用する場合には、通常のAF補助光28として発光する方法とは異なる方法、例えば点滅発光等で発光させてもよい。さらに情報発信部79は、視覚情報による伝達ではなく、音や音声等の音声情報を被写体に向けて発信するようにしてもよい。
なお例えば様々な種類の伝達手段を複数用意しておき、これらの中から一つをユーザによって任意に選択又は設定可能としてもよい。
以上、本発明にかかる実施形態のデジタルカメラについて説明したが、セルフタイマー撮影部66の代り若しくは新たに、所定のタイミングでレリーズボタン19の押下信号を出力させ、本露光撮影を開始させる自動撮影部(自動撮影手段)を備え、自動撮影を行うデジタルカメラも、本発明の実施形態の1つである。この場合、レリーズボタン19が押下信号を出力時、及び、レリーズボタン19が押下信号を出力してから本露光撮影が行われるまでの間に、少なくとも1回以上、対象物が検出されたか否かを判別し、該判別結果に応じてAE処理及び/又はAF処理を行うものとする。
また本発明の撮像装置は、上述した実施形態のデジタルカメラに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。