JP2009134219A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の向きを設置状態に応じて変更可能なプロジェクタを提供する。
【解決手段】筐体2の内部には、回路基板6に搭載された押圧スイッチ7がスリット5の下方に配置されている。押圧スイッチ7は、下向きに押圧が可能なボタン7aを備えており、ボタン7aは、押圧スイッチ7の内部に備わる図示しないバネによって常に上方に付勢されている。このため、ボタン7aが押圧されていない状態では、ボタン7aは上方に突出し、このときの押圧スイッチ7はオフの状態となる。ここで、筐体2の底面2bに天吊金具40(装置側固定部43)が装着されると、スリット5から進入する屈曲部43bによってボタン7aが下向きに押圧され、押圧スイッチ7はオンの状態となる。このため、プロジェクタは、押圧スイッチ7の状態(オン又はオフ)によって天吊金具40が装着されている状態であるか否かを認識することが可能になっている。
【選択図】図7

Description

本発明は、上下を反転させた姿勢でも画像の投写が可能なプロジェクタに関する。
画像を投写するプロジェクタにおいて、机や台の上に通常の姿勢で載置して利用する以外に、上下を反転させた姿勢(以降、「天吊設置姿勢」という。)で天井等に取り付けて利用可能なプロジェクタが提案されている。天吊設置姿勢で投写される画像は、通常の姿勢で投写される場合と上下が反転した向き(180°回転した向き)で表示されるため、ユーザは、各種設定を行うためのメニュー画像(設定メニュー)を表示させ、画像の向きをプロジェクタの設置状態(姿勢)に応じた向きに設定する必要があった。
ところが、画像が反転して表示されている場合に、画像の向きを正そうとして設定メニューを表示させても、設定メニューも同様に反転して表示されることになるため、表示内容の読解が困難であった。さらに、上下左右を指定するための方向キーを用いたメニュー操作を要する場合には、設定メニューが反転して表示された状態では指定すべき方向を直感的に認識することが困難となり、ユーザに混乱を与えてしまうという問題を有していた。そこで、特許文献1には、角度センサによってプロジェクタの姿勢を検出し、その検出結果に応じて画像の向きを自動的に設定する技術が提案されている。
特開2003−295310号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、角度センサを搭載する必要があるため、回路が複雑になったり、コストが上昇したりするという問題を有している。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るプロジェクタは、画像を投写する画像投写部と、前記画像投写部を収容する筐体と、前記筐体を上下反転させた姿勢で設置するための固定部材が装着される固定部材装着部と、前記固定部材装着部に前記固定部材が装着されているか否かを検知する固定部材検知部と、前記固定部材が装着されていることを前記固定部材検知部が検知した場合に、前記画像投写部に前記画像を上下反転させて投写させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
このプロジェクタによれば、筐体を上下反転させた姿勢で設置するための固定部材が装着されている場合に、画像を上下反転させて投写させるようにしているため、画像を上下反転させるための設定をユーザが自ら行うことなく、正しい向きで画像を鑑賞することが可能となる。また、固定部材の装着の有無によって筐体の姿勢を判断するため、角度センサ等によって筐体の姿勢を検知する構成に比べてコストを低減させることが可能となる。
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクタにおいて、前記固定部材検知部は、押圧スイッチを含んで構成され、前記押圧スイッチは、前記固定部材装着部に前記固定部材が装着された状態のときに前記固定部材によって押圧されるように配設されていることが望ましい。
このプロジェクタによれば、固定部材を固定部材装着部に装着することにより、固定部材が押圧スイッチを押圧する構成であるため、固定部材の装着を容易に検知することが可能となる。
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクタにおいて、前記押圧スイッチは、前記筐体の内部に配置され、前記筐体には、前記固定部材装着部に装着された前記固定部材が前記押圧スイッチを押圧するための孔部が形成されていることが望ましい。
このプロジェクタによれば、押圧スイッチが筐体の内部に配置されているため、誤って押圧スイッチを押圧してしまう事態が抑制され、固定部材の装着状態を正しく検知することが可能となる。
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクタにおいて、前記固定部材検知部の検知結果に基づいて、前記固定部材の装着状態の不備を検出するとともにその旨を警告する警告部をさらに備えることが望ましい。
このプロジェクタによれば、警告部が、固定部材の装着状態の不備を検出してその旨を警告するため、その処置(装着状態の不備の改善)をユーザに促すことが可能となり、プロジェクタ使用時の安全性を高めることが可能となる。
以下、実施形態に係るプロジェクタについて、図面を参照して説明する。本実施形態のプロジェクタは、光源から射出された光を、外部から入力される画像信号に応じて変調して画像光を形成し、この画像光をスクリーン等に拡大投写して画像信号に応じた画像を表示するものである。
図1及び図2は、本実施形態のプロジェクタを示す斜視図であり、図1は、上面側から見た図、図2は、底面側から見た図である。また、図3及び図4は、プロジェクタが画像を投写する様子を示す側面図であり、図3は、プロジェクタが机上等に載置された状態を示す図、図4は、プロジェクタが天井等に固定された状態を示す図である。
図1に示すように、プロジェクタ1は、装置本体が筐体2で囲まれた構成を有しており、筐体2の前面2fには、外部のスクリーン等に画像(画像光)を投写する投写レンズ13が露出している。また、筐体2の上面2tには、ユーザにより入力操作が行われる操作パネル22が設けられている。なお、これ以降、筐体2の前面2f側の方向を「前方」、その反対方向を「後方」と呼ぶ。
図2に示すように、筐体2の底面2bには、前方側の左右両側に前方脚部3a,3b、後方側の略中央に後方脚部3cがそれぞれ備えられており、プロジェクタ1を通常の姿勢(通常設置姿勢)で机上等に載置する場合には、プロジェクタ1は、これら3つの脚部(前方脚部3a,3b及び後方脚部3c)で支持される(図3参照)。また、筐体2の底面2bには、4つのねじ穴4が形成されており、プロジェクタ1を天井等に固定する際に用いられる天吊金具40(図4参照)を装着することが可能になっている。この天吊金具40を用いることにより、筐体2を上下反転させた姿勢(天吊設置姿勢)でプロジェクタ1を天井等に固定することができる(図4参照)。また、図2に示すように、筐体2の底面2bには、左右の2ヶ所に孔部としてのスリット5が形成されており、天吊金具40の一部が筐体2の内部に進入可能になっている。
図5(a)〜(c)は、天吊金具40を示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は正面図、(c)は、側面図である。また、図6は、天吊金具40が装着された状態のプロジェクタ1を示す斜視図である。
図5(a)〜(c)に示すように、天吊金具40は、棒状の支柱41と、天井に固定される天井側固定部42と、プロジェクタ1に固定される装置側固定部43とを有して構成され、これらは、ねじ止めや溶接等によって結合されている。
天井側固定部42は、曲げ加工が施された金属板であり、周縁部には、複数の挿通孔42aが形成されている。天井側固定部42は、これらの挿通孔42aに挿通される図示しないねじ(ボルト)によって天井等に固定される。天井側固定部42の略中央には、支柱41の一端(上端)が結合されており、天井側固定部42を天井に固定した状態では、支柱41は、鉛直下側に垂下した状態となる。
支柱41の他端(下端)には、プロジェクタ1を固定するための装置側固定部43が結合されている。装置側固定部43も曲げ加工が施された金属板であり、筐体2の底面2bに設けられた4つのねじ穴4のそれぞれに対応する位置に、4つの挿通孔43aが形成されている。このため、挿通孔43aにねじを挿通させてねじ穴4に螺合させることにより、天吊金具40(装置側固定部43)をプロジェクタ1に固定(装着)させることができる(図6参照)。また、装置側固定部43の左右両側の端部には、下側(プロジェクタ1側)に向かって折れ曲がった屈曲部43bが形成されている。屈曲部43bは、筐体2の4つのねじ穴4と装置側固定部43の4つの挿通孔43aの位置を合わせた状態で、筐体2に形成されたスリット5と対応する位置に形成されている。このため、図6に示すように、天吊金具40をプロジェクタ1に装着した状態では、屈曲部43bはスリット5を通って筐体2の内部に進入する。
図7(a)、(b)は、筐体2の底面2bに形成されたスリット5の周辺構造を示す部分断面図であり、(a)は、天吊金具40(装置側固定部43)を装着していない状態を示す図、(b)は、天吊金具40を装着した状態を示す図である。なお、本図では、天吊設置姿勢、即ち底面2bを上方に向けた姿勢を示しており、本図の説明において「上方」は底面2b側の方向、「下方」は上面2t側の方向を意味する。
図7(a)、(b)に示すように、筐体2の内部には、回路基板6に搭載された押圧スイッチ7がスリット5の下方に配置されている。押圧スイッチ7は、下向きに押圧が可能なボタン7aを備えており、ボタン7aは、押圧スイッチ7の内部に備わる図示しないバネによって常に上方に付勢されている。このため、図7(a)に示すように、ボタン7aが押圧されていない状態では、ボタン7aは上方に突出し、このときの押圧スイッチ7はオフの状態となる。ここで、筐体2の底面2bに天吊金具40(装置側固定部43)が装着されると、図7(b)に示すように、スリット5から進入する屈曲部43bによってボタン7aが下向きに押圧され、押圧スイッチ7はオンの状態となる。このため、プロジェクタ1は、押圧スイッチ7の状態(オン又はオフ)によって天吊金具40が装着されている状態であるか否かを認識することが可能になっている。なお、本図では、2つのスリット5のうち一方のスリット5の周辺のみを示しているが、他方のスリット5の周辺も同一の構造を有している。つまり、筐体2の内部には、2つの押圧スイッチ7が備わっており、天吊金具40が装着されると、2つの押圧スイッチ7はともにオンの状態となる。
次に、プロジェクタ1の回路構成について説明する。
図8は、プロジェクタ1の回路構成を示すブロック図である。
図8に示すように、プロジェクタ1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、操作パネル22、リモコン23、操作信号受信部24、電源回路25、光源制御部26、天吊検知部27、画像信号入力部28、画像処理部29、OSD処理部30等で構成され、これらは筐体2に収容されている。
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、ライトバルブ駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、OSD処理部30から入力される画像情報に応じた画像を表示する表示部に相当するものであり、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで変調して画像(画像光)を形成し、この画像を投写レンズ13から投写してスクリーンSC等に表示する。
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクタ11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレータ光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル15(図9参照)や、その入射側及び射出側にそれぞれ備えられ、特定の偏光方向の偏光光のみを透過可能な入射側偏光板及び射出側偏光板(いずれも図示せず)等によって構成される。なお、光源11から射出された光は、図示しない偏光変換素子によって入射側偏光板を透過可能な偏光光に変換されるようになっており、各液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する各色光の大部分は、入射側偏光板を透過して液晶パネル15に入射する。
図9は、液晶パネル15の回路構成を示すブロック図であり、一方の透明基板(TFT基板15a)の内面に形成された電気回路を示している。なお、他方の透明基板(対向基板)の内面には、ベタ膜状の共通電極が形成されている。
図9に示すように、TFT基板15aの内面には、画素領域150が形成されており、画素領域150には、それぞれ画素電極152と、画素電極152の電位状態を制御する薄膜トランジスタ153とを含む画素回路151(以降、単に画素151とも呼ぶ)がマトリクス状に配列されている。また、画素領域150には、下方向(Y方向)に延出する複数(m本)のデータ線X1〜Xmが右方向(X方向)に等間隔で配置されるとともに、X方向に延出する複数(n本)の走査線Y1〜YnがY方向に等間隔で配置されている。画素回路151は、データ線X1〜Xm及び走査線Y1〜Ynが交差する部位毎に形成されており、走査線Y1〜Ynは、薄膜トランジスタ153のゲート電極に、データ線X1〜Xmは、薄膜トランジスタ153のソース電極線に接続されている。また、薄膜トランジスタ153のドレイン電極には、画素電極152が接続されている。
各画素151の画素電極152に、画像情報に応じた駆動電圧が印加されると、液晶パネル15に入射した光は、共通電極と各画素電極152との電位差に応じて変調され、画素151毎に異なる偏光方向を有した偏光光となる。この偏光光のうち、射出側偏光板を透過可能な偏光成分のみが液晶ライトバルブ12R,12G,12Bから射出される。つまり、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bが、画像情報に応じて画素151毎に異なる透過率で入射光を透過させることによって、階調を有する画像光が色光毎に形成される。
TFT基板15a上には、ライトバルブ駆動部14(図8参照)を構成するデータ線駆動回路14a及び走査線駆動回路14bが形成されている。走査線駆動回路14bは、走査線Y1〜Ynに接続され、複数の走査線Y1〜Ynの中から1本の走査線を順次選択する。データ線駆動回路14aは、データ線X1〜Xmに接続され、各データ線X1〜Xmに対して画像情報に応じた信号を供給する。走査線駆動回路14bが1本の走査線を選択している期間中に、データ線駆動回路14aが各データ線X1〜Xmに画像情報に応じた信号を供給すると、選択画素(選択された走査線に接続された横1列の画素群)に駆動電圧が印加される。これを全ての走査線Y1〜Ynで繰り返すことにより、画素領域150内の全ての画素151に画像情報に応じた電圧が時分割で印加され、1画面(1フレーム)分の画像光が形成される。
図8に戻って、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素151毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSCに拡大投写される。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラムに従って動作することによりプロジェクタ1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピュータとして機能する。
記憶部21は、マスクROM(Read Only Memory)や、フラッシュメモリ、FeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリ)等の不揮発性のメモリにより構成されている。記憶部21には、プロジェクタ1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクタ1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
操作パネル22及びリモコン23は、ユーザからの入力操作を受け付ける入力操作部に相当するものであり、ユーザがプロジェクタ1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。操作パネル22及びリモコン23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを切り替えるための「電源キー」、各種設定を行うためのメニュー画像を表示させる「メニューキー」等がある。ユーザが操作パネル22の各種操作キーを操作すると、操作パネル22は、ユーザの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。また、ユーザがリモコン23の各種操作キーを操作すると、リモコン23は、ユーザの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発し、操作信号受信部24がこれを受信して制御部20に伝達する。
電源回路25には、外部からAC100V等の商用電源が供給される。電源回路25は、商用電源(交流電源)を所定の電圧の直流電源に変換するとともに、プロジェクタ1の各部に電力を供給する。なお、制御部20は、電源回路25から電力の供給を受けて動作している間、電源回路25に指示をして、画像の投写に必要な電力(動作電力)を供給する状態と、動作電力の供給を停止した状態とを切り替えさせることができる。
光源制御部26は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
天吊検知部27は、上述した2つの押圧スイッチ7等で構成され、2つの押圧スイッチ7のオン・オフによって天吊金具40が装着された状態であるか否かを検知し、その検知結果を示す検知信号を制御部20に出力する。制御部20は、天吊検知部27からの検知信号に基づき、2つの押圧スイッチ7がともにオンの状態である場合には、天吊金具40が正常に装着されている状態であると認識する。一方、少なくとも1つの押圧スイッチ7がオフの状態である場合には、制御部20は、天吊金具40が装着されていない状態(天吊金具40の装着が不完全な状態も含む)であると認識する。
画像信号入力部28には、パーソナルコンピュータやDVD(Digital Versatile Disc)再生装置等、図示しない外部の画像出力装置とケーブルを介した接続を行うための接続端子(図示せず)が備えられており、画像出力装置から各種形式の画像信号が入力される。画像信号入力部28は、入力された画像信号を画像処理部29に出力する。
画像処理部29は、画像信号入力部28から順次入力される各種形式の画像信号に基づいて、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素151の階調を表す画像情報を生成する。ここで、生成された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R,12G,12Bのすべての画素151に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素151の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素151から射出する光の強弱(階調)が規定される。さらに、画像処理部29は、制御部20の指示に基づき、生成した画像情報に対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等を調整するための画質調整処理等を行い、すべての処理を終えた画像情報をOSD処理部30に順次出力する。
OSD処理部30は、制御部20の指示に基づいて、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を、入力画像(画像信号に基づく画像)上に重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部30は、図示しないOSDメモリを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。制御部20が、OSD画像の重畳を指示すると、OSD処理部30は、必要なOSD画像情報をOSDメモリから読み出し、入力画像の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像処理部29から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、ライトバルブ駆動部14に出力される。なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部30は、画像処理部29から出力される画像情報を、そのままライトバルブ駆動部14に出力する。
図9に戻って、OSD処理部30から入力される画像情報は、ライトバルブ駆動部14のデータ線駆動回路14aに供給される。また、データ線駆動回路14a及び走査線駆動回路14bのそれぞれには、制御部20からタイミング信号等が供給される。データ線駆動回路14a及び走査線駆動回路14bが、入力されるタイミング信号に基づいたタイミングで、入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12B(液晶パネル15)を駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13からスクリーンSCに投写される。
ここで、制御部20は、データ線駆動回路14a及び走査線駆動回路14bに対して、走査方向を制御するための走査方向制御信号DIRX,DIRYをそれぞれ出力するようになっており、データ線駆動回路14a及び走査線駆動回路14bは、入力される走査方向制御信号DIRX,DIRYに応じた走査方向で液晶パネル15を駆動する。例えば、走査線駆動回路14bは、入力された走査方向制御信号DIRYがLレベルの場合、Y1,Y2,…Ynの順で走査線を選択し、走査方向制御信号DIRYがHレベルの場合には、Yn,Yn−1,…Y1の順で走査線を選択する。また、データ線駆動回路14aは、入力された走査方向制御信号DIRXがLレベルの場合、順次入力される画素値をX1,X2,…Xmの順に対応付けてデータ線にそれぞれ供給し、走査方向制御信号DIRXがHレベルの場合には、順次入力される画素値をXm,Xm−1,…X1の順に対応付けてデータ線にそれぞれ供給する。このため、走査方向制御信号DIRX,DIRYの電位レベルを変更することにより、画像を上下に反転した状態、即ち画像を180°回転した状態とすることができる。
図10(a)、(b)は、走査方向制御信号DIRX,DIRYと画像の表示状態の関係を示す説明図である。
図10(a)に示すように、本実施形態では、走査方向制御信号DIRX,DIRYの電位レベルがともにLレベルのとき、通常設置姿勢のプロジェクタ1から正規の向きで画像が投写されるようになっており、走査方向制御信号DIRX,DIRYの電位レベルがともにHレベルのときには、画像の上下が反転する。つまり、図10(b)に示すように、走査方向制御信号DIRX,DIRYの電位レベルがともにHレベルのときには、天吊設置姿勢のプロジェクタ1から正規の向きで画像が投写されることになる。なお、これ以降、走査方向制御信号DIRX,DIRYの電位レベルがともにLレベルのときの表示状態を「通常表示状態」と呼び、走査方向制御信号DIRX,DIRYの電位レベルがともにHレベルのときの表示状態を「反転表示状態」と呼ぶ。
次に、本実施形態のプロジェクタ1の動作について説明する。
プロジェクタ1に商用電源が供給されると、電源回路25は、制御部20、記憶部21、操作パネル22、操作信号受信部24に電力(スタンバイ電力)の供給を行い、制御部20は、この電力供給を受けて、制御プログラムに従った動作を開始する。商用電源が供給された直後には、プロジェクタ1は、スタンバイ状態であり、この状態では、制御部20は、操作パネル22やリモコン23の電源キーに対する操作を監視する。
図11は、スタンバイ状態において電源キーが操作された際のプロジェクタ1の動作、即ち起動時の動作を説明するためのフローチャートである。スタンバイ状態において、ユーザにより電源キーの操作がなされると、制御部20は、図11に示すフローに従って動作する。
図11に示すように、ステップS101では、制御部20は、電源回路25に指示をして各部への動作電力の供給を開始させて、プロジェクタ1を電源オンの状態に移行させる。続くステップS102では、制御部20は、光源制御部26に指示をして光源11を点灯させる等の必要な初期動作を行って、画像投写部10からの画像の投写が可能な状態とする。
ステップS103では、制御部20は、天吊検知部27からの検知信号に基づいて、天吊金具40が装着された状態であるか否かを判断する。そして、天吊金具40が装着されていない場合にはステップS104に移行し、天吊金具40が装着されている場合にはステップS105に移行する。
天吊金具40が装着されておらずステップS104に移行した場合には、制御部20は、ライトバルブ駆動部14に出力する走査方向制御信号DIRX,DIRYの電位レベルをともにLレベルとしてフローを終了する。これ以降、画像信号入力部28に入力される画像信号に応じた画像が、画像投写部10から通常表示状態で投写される(図10(a)参照)。
一方、天吊金具40が装着されていてステップS105に移行した場合には、制御部20は、ライトバルブ駆動部14に出力する走査方向制御信号DIRX,DIRYの電位レベルをともにHレベルとしてフローを終了する。これ以降、画像信号入力部28に入力される画像信号に応じた画像が、画像投写部10から反転表示状態で投写される(図10(b)参照)。
このように、本実施形態のプロジェクタ1は、天吊金具40が装着されているか否かを検知して、天吊金具40が装着されていない場合には、通常設置姿勢で使用されるものと想定して画像を通常表示状態で表示させ、天吊金具40が装着されている場合には、天吊設置姿勢で使用されるものと想定して画像を反転表示状態で表示させる。
また、本実施形態のプロジェクタ1は、起動時に天吊金具40の装着が検知されて反転表示状態で画像を投写している間も、天吊検知部27からの検知信号を継続して監視するようになっている。そして、天吊金具40の装着が検知されない状態に切り替わった場合、即ち少なくとも1つの押圧スイッチ7がオンの状態からオフの状態に切り替わった場合には、プロジェクタ1に対する天吊金具40(装置側固定部43)の装着が不完全であると想定し、ユーザに警告を行って画像の投写を中止するようになっている。
図12は、少なくとも1つの押圧スイッチ7がオンの状態からオフの状態に切り替わった場合のプロジェクタ1の動作を説明するためのフローチャートであり、図13は、その場合の動作を説明する説明図である。プロジェクタ1が天吊設置姿勢、即ち反転表示状態で画像を投写している際に、少なくとも1つの押圧スイッチ7がオンの状態からオフの状態に切り替わると、制御部20は、図12に示すフローに従って動作する。
図12に示すように、ステップS201では、制御部20は、OSD処理部30に指示をして、OSD画像である警告メッセージMw(例えば、「天吊金具の装着状態を確認してください。」)を入力画像P上に重畳表示させる(図13参照)。制御部20は、この警告メッセージMwを所定時間(例えば、10秒)表示させた後、ステップS202に移行する。
ステップS202では、制御部20は、光源制御部26に指示をして光源11を消灯させる等の必要な終了動作を行い、続くステップS203では、電源回路25に指示をして動作電力の供給を停止させ、プロジェクタ1をスタンバイ状態に移行させてフローを終了する。
以上説明したように、本実施形態のプロジェクタ1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のプロジェクタ1によれば、筐体2を上下反転させた姿勢で設置するための天吊金具40が装着されている場合に、画像を上下反転させて投写させるようにしているため、通常設置姿勢で使用する場合、及び天吊金具40を用いて天吊設置姿勢で使用する場合のいずれであっても、画像を上下反転させるための設定をユーザが自ら行うことなく、正しい向きで画像を鑑賞することが可能となる。また、天吊金具40の装着の有無によってプロジェクタ1(筐体2)の姿勢を判断するため、角度センサ等によってプロジェクタ1の姿勢を検出する構成に比べてコストを低減させることが可能となる。
(2)本実施形態のプロジェクタ1によれば、天吊金具40をプロジェクタ1に装着することにより、天吊金具40の一部(屈曲部43b)によって押圧スイッチ7が押圧される構成であるため、天吊金具40の装着を容易に検知することが可能となる。
(3)本実施形態のプロジェクタ1によれば、押圧スイッチ7が筐体2の内部に配置されているため、誤って押圧スイッチ7を押圧してしまう事態が抑制され、天吊金具40の装着状態を正しく検知することが可能となる。
(4)本実施形態のプロジェクタ1によれば、天吊設置姿勢で画像を投写している際に、少なくとも1つの押圧スイッチ7がオン状態からオフ状態に切り替わると、警告メッセージMwを表示させるとともに、スタンバイ状態に移行させて画像の投写を中止するようにしている。このため、プロジェクタ1に対する天吊金具40(装置側固定部43)の固定が不完全である場合、即ち天吊金具40の装着状態に不備がある場合に、その旨をユーザに報知して、その処置(装着状態の不備の改善)をユーザに促すことが可能となる。
なお、本実施形態では、天吊金具40が、筐体2を上下反転させた姿勢で設置するための固定部材に相当し、ねじ穴4が形成された筐体2の底面2bが、固定部材装着部に相当し、天吊検知部27が、固定部材検知部に相当する。また、少なくとも1つの押圧スイッチ7がオンの状態からオフの状態に切り替わることにより天吊金具40の装着状態の不備を検出して警告メッセージMwを表示する際の制御部20及びOSD処理部30が警告部に相当する。
(変形例)
また、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、ライトバルブ駆動部14のX方向及びY方向の走査方向を変更することで、画像の向きを変更しているが、画像の向きの変更は当該方法に限られず、例えば、画像処理部29において画像情報のデータ配列を反転させる処理を行ってもよい。
前記実施形態では、天吊検知部27の押圧スイッチ7が筐体2の内部に配置された構成を示しているが、押圧スイッチ7のボタン7aが筐体2の底面2bから突出するような構成にすれば、筐体2の内部に進入する屈曲部43bを装置側固定部43に備える必要がなくなる。ただし、この場合には、通常設置姿勢のときに押圧スイッチ7が設置面によって押圧されてしまうことがないよう、底面2bから突出するボタン7aの高さを、設置面に対する底面2bの高さよりも低くする必要がある。
前記実施形態では、2つの押圧スイッチ7を備えた構成を示しているが、押圧スイッチ7の数は複数に限られず、1つであってもよい。
前記実施形態では、天吊金具40が装着されているか否かを押圧スイッチ7によって検知する構成を示しているが、押圧スイッチ7以外の接触型の検知手段を用いてもよいし、光センサや磁気センサ等の非接触型の検知手段を用いるようにしてもよい。
前記実施形態では、天吊金具40の装着状態に不備がある場合に、OSD画像(警告メッセージMw)によって警告を行うようにしているが、図示しないLED(Light Emitting Diode)インジケータ等によって警告するようにしてもよいし、図示しない音声出力手段によって警告することも可能である。
前記実施形態では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源11から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
前記実施形態では、光源11は、放電型の光源ランプ11aによって構成されているが、LED光源等の固体光源や、その他の光源を用いることもできる。
プロジェクタを上面側から見た斜視図。 プロジェクタを底面側から見た斜視図。 プロジェクタが画像を投写する様子を示す側面図であり、机上等に載置された状態を示す図。 プロジェクタが画像を投写する様子を示す側面図であり、天井等に固定された状態を示す図。 (a)〜(c)は、天吊金具を示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は正面図、(c)は、側面図。 天吊金具が装着された状態のプロジェクタを示す斜視図。 (a)、(b)は、筐体の底面に形成されたスリットの周辺構造を示す部分断面図であり、(a)は、天吊金具を装着していない状態を示す図、(b)は、天吊金具を装着した状態を示す図。 プロジェクタの回路構成を示すブロック図。 液晶パネルの回路構成を示すブロック図。 (a)、(b)は、走査方向制御信号と画像の表示状態の関係を示す説明図。 スタンバイ状態において電源キーが操作された際のプロジェクタ1の動作を説明するためのフローチャート。 少なくとも1つの押圧スイッチがオンの状態からオフの状態に切り替わった場合のプロジェクタの動作を説明するためのフローチャート。 少なくとも1つの押圧スイッチがオンの状態からオフの状態に切り替わった場合の動作を説明する説明図。
符号の説明
1…プロジェクタ、2…筐体、3a,3b…前方脚部、3c…後方脚部、4…ねじ穴、5…スリット、6…回路基板、7…押圧スイッチ、7a…ボタン、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…ライトバルブ駆動部、14a…データ線駆動回路、14b…走査線駆動回路、15…液晶パネル、20…制御部、21…記憶部、22…操作パネル、23…リモコン、24…操作信号受信部、25…電源回路、26…光源制御部、27…天吊検知部、28…画像信号入力部、29…画像処理部、30…OSD処理部、40…天吊金具、41…支柱、42…天井側固定部、42a…挿通孔、43…装置側固定部、43a…挿通孔、43b…屈曲部、150…画素領域、151…画素回路(画素)、152…画素電極、153…薄膜トランジスタ、DIRX,DIRY…走査方向制御信号、Mw…警告メッセージ、SC…スクリーン。

Claims (4)

  1. 画像を投写する画像投写部と、
    前記画像投写部を収容する筐体と、
    前記筐体を上下反転させた姿勢で設置するための固定部材が装着される固定部材装着部と、
    前記固定部材装着部に前記固定部材が装着されているか否かを検知する固定部材検知部と、
    前記固定部材が装着されていることを前記固定部材検知部が検知した場合に、前記画像投写部に前記画像を上下反転させて投写させる制御部と、
    を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタであって、
    前記固定部材検知部は、押圧スイッチを含んで構成され、前記押圧スイッチは、前記固定部材装着部に前記固定部材が装着された状態のときに前記固定部材によって押圧されるように配設されていることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタであって、
    前記押圧スイッチは、前記筐体の内部に配置され、前記筐体には、前記固定部材装着部に装着された前記固定部材が前記押圧スイッチを押圧するための孔部が形成されていることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロジェクタであって、
    前記固定部材検知部の検知結果に基づいて、前記固定部材の装着状態の不備を検出するとともにその旨を警告する警告部をさらに備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013083823A (ja) * 2011-10-11 2013-05-09 Canon Inc 投射型表示装置

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