JP2009133512A - 蒸発脱水装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乾燥容器(1)と、水蒸気圧縮機(2)と、乾燥容器(1)の内容物と熱交換を行う水蒸気凝縮器(3)と、水蒸気発生手段(7)と、これ等の機器(1、2、3、7)を連通する水蒸気ライン(La、10、11)と、乾燥容器(1)の内容物を排出する排出機構(40)とを有し、前記排出機構(40)は水蒸気凝縮器(3)と連通するシリンダ(41)と、乾燥容器(1)内から出口(1o)を経由してシリンダ内(41i)に移動した被乾燥物をシリンダ出口(41o)側に押圧するピストン(42)と、シリンダ出口(41o)に設けられた逆止弁(43)とを有している。
【選択図】図1
Description
これを解決するために、蒸発脱水過程で生じた水蒸気を昇圧して飽和温度を高め、被乾燥物と熱交換して凝縮させ、この潜熱を回収利用して、引き続く蒸発脱水に利用する技術が存在する。係る技術は、水蒸気を圧縮(compression)して凝縮(condensation)することから、本明細書では、「VCC(vapor compression and condensation)」或いは「VCC技術」と表記する。
図12の乾燥器は3本の管200、202、204から成り、乾燥器内部は外気から遮断されている。
この様な気密性の乾燥器では、乾燥器内部の圧力が大気圧と異なるため、内部圧力が大気圧以上の場合は蒸気の噴出を防ぎ、内部圧力が大気圧以下の場合は空気の侵入を防止する構造が必要となる。
しかし、その様な出入口の空気侵入防止構造は複雑であり、且つ、製造コストの高騰を招いてしまう。
さらに、被乾燥物が付着性を有する場合は、付着した被乾燥物が螺旋オーガーと供回りを起こしてしまうので、被乾燥物の搬送と、被乾燥物への伝熱(熱交換)が不可能になることも予想される。
係る従来技術(特許文献2)の乾燥容器は気密構造であり、乾燥容器内部の圧力は、成り行きとして大気圧以下の真空状態で運転される。
しかし、被乾燥物の排出に際して、空気が浸入してしまうという上述の問題点を解消することは出来ない。そのため、バッチ(回分)処理を前提としている。
そして、水蒸気圧縮機(2)で昇圧されて、シリンダ(41)の外壁(41a)と内壁(41b)との間の空間(41s)に供給された(昇圧された)水蒸気は、水蒸気凝縮器(3)に供給されるのが好ましい。
但し、前記シリンダ(41)の隔壁(41w)を一重壁で構成することも可能である。
或いは、水蒸気発生手段(水蒸気ボイラー7)を設けることに代えて、乾燥容器(1)内に加熱装置(例えば、電気式のヒータ)を設け、その加熱装置により乾燥容器(1)内に投入された被乾燥物を加熱して、水蒸気を発生させることが出来る。
或いは、係る回転子(3au)において、中央の中空管(32a)を省略することが可能である。
より詳細には、最終段の水蒸気凝縮器(サブ凝縮器3b)に連通する不凝縮性ガス排出用の接続口(3bo)とライン(不凝縮性ガス排出管27)を設け、該ライン(不凝縮性ガス排出管27)に不凝縮性ガスの排出弁(5)を介装するのが好ましい。
また、逆止弁(43)により、シリンダ出口(41o)から外気(空気)が浸入することも防止される。
その際に、逆止弁(43)の弾性体(43a、43b)は、その弾性反発力により被乾燥物に押し付けられた状態を保つので、逆止弁(43)から空気が浸入することが防止される。
これに対して、本発明によれば、ピストン(42)により被乾燥物をシリンダ出口(41o)側に押圧してシリンダ内で移動せしめているので、液体、粘稠体、固体に拘らず、乾燥容器(1)の出口(1o)から押し出された被乾燥物をシリンダ出口(41o)側へ確実に移動させる事が出来る。
そのため、被乾燥物が固体であっても、シリンダ(41)内を追加する際に、追加的に加熱され、乾燥されるのである。
先ず、図1に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1において、全体を符号100で示す蒸発脱水装置は、断熱した密閉構造の乾燥容器1と、水蒸気等の気体を圧縮する圧縮機2と、乾燥容器1内の被乾燥物6に水蒸気が保有する凝縮潜熱を投入する水蒸気凝縮器(凝縮器)3と、水蒸気ボイラー7とを装備している。
凝縮器3において、保有する熱量(凝縮潜熱及び顕熱)を被乾燥物6に対して投入した水蒸気は、凝縮して温水(ドレン、液相)となる。
なお、投入口(ホッパー)8内の供給機構14は、回転容積型の一軸偏心ネジポンプ(例えば、いわゆる「モーノポンプ」)で構成している。ここで、供給機構14の回転数を制御することにより、排出機構40から排出される乾燥物の水分量が調節出来る。
図1において、回転軸32の両端には、回転シール18が設けられている。回転シール18は、水蒸気や凝縮水(メイン凝縮器3aで凝縮した凝縮水)を流過させることが出来る。図1のシャフト32右端における回転シール18は、間接的に、吐出配管11と接続されている。また、図1のシャフト32左端における回転シール18は、サブ凝縮器3bの流入口3biと接続されている。
また、シャフト32左端では、チェーン81、プーリ82を介して、電動機13の回転が伝達されるように構成されている。
吸入配管10は、ライン10a、10bより構成されている。ライン10aは流量制御弁24を介装しており、その一端は乾燥容器1に接続され、他端はミキサ17(気液分離手段として構成されている)に接続されている。ライン10bは、一端がミキサ17に接続され、他端が圧縮機2の吸入側2iに接続されている。
分岐点Bでは、ライン11aからバイパスライン11cが分岐し、バイパスライン11cはバイパス弁21を介装しており、且つ、バイパスライン11cは凝縮器3と連通している。
排出ライン28の途中には、蒸気トラップ4が介装されている。排出ライン28の他端は、投入口8に設けた熱交換器19に接続されている。凝縮水トラップ4によって、乾燥に利用可能な水蒸気が排出ライン28を流過する事が防止される。
不凝縮性ガス排出ライン27には、蒸気用空気抜き弁(不凝縮性ガスの排出弁:空気抜き弁)5が介装されている。そして排出ライン27は、合流点Gに接続されている。なお、合流点Gは、排出ライン28において、蒸気トラップ4よりも熱交換器19側の領域に設けられている。
熱交換器19中では、100℃に近い凝縮水が保有する熱量と、加熱された水蒸気と不凝縮性ガス(主として空気)が保有する熱量が、ホッパー8内の被乾燥物に投入されて、予熱している。そのため、図示の実施形態を用いれば、省エネルギー性が向上する。
排出ライン27に介装された排出弁5は、水蒸気に空気が混入することにより飽和温度が低下する現象を利用して、液体が封入されたベローズを伸縮させて弁を開閉するもので、差温は一定値(6K程度)に設定されている。排出弁5は開度の自動調整を行う弁であり、「蒸気用エアベント」と呼ばれる。
蒸気ボイラー7には、低圧側水蒸気供給弁12aが介装された蒸気供給ラインLaの一端が接続され、蒸気供給ラインLaの他端はミキサ17に接続されている。水蒸気ボイラー7で発生した水蒸気は、ミキサ17において、吸気配管10を介して供給される蒸気と混合されて、ライン10bを経由して、圧縮機2の吸入側(2i:低圧側)へ供給される。
或いは、水蒸気ボイラー7で発生した水蒸気は、ミキサ17で混合されること無く、ラインLa1を経由して、圧縮機2の吐出側(2o:高圧側)へ供給される。
この様に構成することにより、開閉弁12bが閉鎖して、低圧側水蒸気供給弁12aが開放している際には、水蒸気ボイラー7で発生した水蒸気は圧縮機2の吸入側(2i:低圧側)へ供給される。
一方、低圧側水蒸気供給弁12aが閉鎖して、開閉弁12bが開放している場合には、水蒸気ボイラー7で発生した水蒸気は圧縮機2の吐出側2oへ供給されるので、圧縮機2の動力が不要となる。また、水蒸気ボイラー7で発生した水蒸気は、吸気配管10を介して供給される蒸気と混合されないので、減圧されることなく、凝縮器3へ供給される。
ここで、低圧側水蒸気供給弁12aと開閉弁12bの開閉は、状況に応じて使い分けられる。なお、低圧側水蒸気供給弁12aと開閉弁12bとを、同時に開放することも可能である。
圧縮機2の形式としては、遠心式、軸流式、スクリュー式、往復動式、揺動式、ルーツ式、スクロール式、ロータリー式等がある。
図5において、シリンダ201内には回転子202が揺動可能に設けられ、シールバー203を介して4室に分かれている。シリンダ201内部には、2個の吸気弁台204が挿入されており、吸気弁第204には吸気通路が穿孔されている。該吸気通路からは、吸入弁205を介して、各室に吸入口が開口している。
シリンダ201の側面に取り付けられた吐出通路には、吐出弁206を介して、各部屋から吐出口が連通している。
図5で示す状態では、回転子202が時計方向に回ると、プラス記号で示された空間内が圧縮され、吐出弁206を押し上げて吐出される。同時に、マイナス記号で示された空間内は圧力が下がり、吸気弁205が開いてシリンダ201内に水蒸気が吸入される。
回転子202が半時計方向に回転する時は、プラスとマイナスとが入れ替わり、同様に吸引、圧縮、吐出が行われる。
なお、圧縮機2の過負荷を防止するためには、必要に応じてバイパス弁21を開放しても良い。
仮に、バイパスライン11c及びバイパス弁21が存在しなければ、圧縮機2を起動すると、圧縮機2の内部が十分に昇温していない状態でボイラー7からの水蒸気を吸い込むことになり、圧縮機2内部で水蒸気が凝結して、液圧縮による破損や液滴によるエロージョンが生ずる恐れがある。
ライン10の温度が低い場合には、ライン10内で水蒸気が凝縮し、この凝縮水を圧縮機2が吸い込むことにより、破損してしまう恐れがある。これに対して、圧縮機2の内部の昇温と共に、ライン10も同時に予熱すれば、ライン10内の水蒸気の凝縮が防止され、凝縮水を圧縮機2が吸い込みことが防止される。
さらに、被乾燥物の温度が100℃近くまで上昇すると、被乾燥物からの水蒸気発生量が、圧縮機2の吸引量と釣り合う。係る状態に到達したならば、バイパス弁21を閉鎖するのである。
メイン凝縮器3aでは、水蒸気が保有する凝縮潜熱が、被乾燥物に投入され、被乾燥物はさらに加熱されて乾燥し、凝縮潜熱を投入した水蒸気は凝縮して凝縮水となる。
係る凝縮水は、凝縮水排出ライン28を介して、サブ凝縮器3bから排出される。そして、不凝縮性ガス(例えば空気)は凝縮せずに、排出ライン27を介して、排出される。
乾燥容器1内で発生した水蒸気は、ライン10、ミキサ17を介して圧縮機2の吸入側へ供給される。そして圧縮機2で昇圧されて、ライン11を介して凝縮器3aに供給され、メイン凝縮器3aにおいて潜熱(凝縮潜熱)を被乾燥物に投入し、以って、被乾燥物が加熱される。
ここで、乾燥容器1全体の熱損失や、新たに投入される被乾燥物6の加熱量によっては、ボイラー7を追い炊きする。
また、何らかの原因で凝縮器3側の圧力が異常に上昇した場合には、これを吐出配管11に介装した図示しない圧力センサで検知してバイパス弁21を開き、蒸気がメイン凝縮器3aを迂回するように制御する。
図1における符号16は、吐出ライン11の圧力が所定値以上となった場合に開放して、ライン11の圧力を下げるレリーフバルブである。
しかし、1段構成の水蒸気凝縮器では、空気等の不凝縮性ガスは、水蒸気凝縮器内に滞留して、水蒸気凝縮器内における水蒸気の凝縮を阻害してしまう。
図1において、第1段の水蒸気凝縮器に相当するメイン凝縮器3aは、乾燥容器1内に位置し、水蒸気の凝縮潜熱を被乾燥物に投入する熱交換用の凝縮器として作用する。第2段の水蒸気凝縮器であるサブ凝縮器3bは、乾燥容器1の下方に位置し、不凝縮性ガスを乾燥容器1の外部へ排出する作用を奏する。
より詳細には、サブ凝縮器3bは、メイン凝縮器3aにおいて不凝縮性ガスが滞留することを防ぐため、水蒸気と不凝縮性ガスの混合気体を強制的に吸引し、水蒸気を更に凝縮させて潜熱を回収するとともに、排気されるガス中の不凝縮性ガス(空気)の比率を高めることを目的として、設けられている。
サブ凝縮器3bには、凝縮して発生した凝縮水を排出する凝縮水排出口3bwが設けられている。凝縮水排出口3bwは、図1において、サブ凝縮器3bの長手方向の右端近傍に配置されている。
不凝縮性ガスの排出口3boには不凝縮性ガス排出管27が接続され、凝縮水排出口3bwには凝縮水排出ライン28が接続され、凝縮水排出ライン28には蒸気トラップ4が介装されている。
空気抜き弁5を介してサブ凝縮器3bから排出される気体においては、不凝縮性ガスの比率が高められる。
熱回収器19で被乾燥物を予熱して凝縮した水は、熱回収器19の上端近傍に設けた排水口29から系外に排出される。
図1において、符号Lfは、投入口8から被乾燥物を乾燥容器1に供給する被乾燥物供給ラインを示している。また、符号Vfは、被乾燥物供給ラインLfに介装された開閉弁である。
図2で示す様に、乾燥容器1内にはメイン凝縮器3aが設けられ、乾燥容器1内の下方にはサブ凝縮器3bが設けられている。メイン凝縮器3aの上方には、突出部1dが形成され、メイン凝縮器3aと突出部1dとの境界部には、フィルタ17が介装されている。
サブ凝縮器3bは、図2で示す様に構成するのみならず、乾燥容器1の周囲を覆うように構成することも可能である。
そしてユニット3auは、複数のチューブ31aを、胴部32aの半径方向外方に配置し、且つ、円周方向に等間隔に配置して、籠状(愛玩動物として飼育されているリスやネズミ等の運動用回転器具の様な形状:いわゆる「リス籠」の様な形状)に構成されている。
図2において、連通管33は半径方向外方へ延在しており、1本のチューブ31aは、中空管で構成された複数本の連通管33と連通している。なお図3では、連通管33を、2本(長手方向両端部の2箇所)のみ示す。
図2で明示されている様に、2つのユニット3auは、回転時に相互に干渉しない様に、複数のチューブ31aの相対位置を調節して、配置されている。
二つのユニット3auは、破線の矢印で示すように、図2における左側が時計方向に、右側が半時計方向に回る。
回転軸32SR、32SLは、回転伝達系(図1のチェーン81、プーリ82:図3では図示せず)を介して、電動機13(図1参照)から回転が伝達される。
ここで、盲孔32ehからは、半径方向外方へ延在する複数の孔32erが分岐しており、孔32erは連通管33の内径側の中空部を経由して、チューブ31aの内部空間31aiと連通している。
図2で明示されている様に、孔32erは、円周方向に等間隔にて形成されている。
盲孔32ehは胴部32aの中空部32iと連通している。それと共に、半径方向外方へ延在する複数の孔32erが、盲孔32ehに連通している。
図2において、孔32ihと孔32erとは、円周方向位置が同一である。
凝縮水排水孔32dhは、凝縮水を凝縮器3から排出するために形成されており、その内部を凝縮水が流れる。
図4で示す様に、仕切り部材32Wは、複数枚(6枚)の隔壁状部材を盲孔32ehの中心軸近傍で束ねて構成されており、盲孔32ehを複数の空間(図4では6区画)に仕切っている。
なお、図3において、符号34は、チューブ31aを胴部32aに支持するための補強材を示している。
凝縮器3内では、水蒸気が凝縮潜熱を発生して凝縮するので、胴部32aの内部空間32aiとチューブ31aの内部空間31aiは、圧縮機2からの吐出配管11よりも低圧である。そのため、圧縮機2から吐出された蒸気は配管11(図1参照)を経由して、図3において矢印Fで示す様に、図3の右側における端面部材32eに形成された孔32hを介して、水蒸気が凝縮器3内に流入する。
ここで、圧縮機2から吐出された蒸気は、配管11を流れ、図8で示す排出機構40を経由した後、端面部材32eの孔32hを介して、凝縮器3内に入る。
チューブ31a内の空間31ai、或いは、胴部32aの内部空間32aiを流れる際に、水蒸気が保有する凝縮潜熱が凝縮器3近傍の被乾燥物に伝達され、被乾燥物を加熱する。これにより、胴部32a、チューブ31a周辺の被乾燥物に含有される水分が気化して、水蒸気が被乾燥物から発生し、被乾燥物は乾燥する。
孔32er内を落下した凝縮水は、仕切り部材32Wの隔壁に沿って図3の左側へ流れ、凝縮水排出孔32dhを経由して、矢印Dで示す様に凝縮器3から排出される。
胴部32aの内部空間32aiに溜まった凝縮水は、矢印Fdで示す様に、孔32ih、孔32erを経由して、凝縮器3の下方に位置しているチューブ31aの内部空間31aiに流入する。そして、チューブ31a内に溜まっている凝縮水と共に、当該チューブ31aが上方に位置した際に、半径方向へ延在する孔32er内を落下する(矢印Fu)。
図6において、全体を符号3acで示す第1変形例に係るメイン凝縮器は、ユニット3auにおける6本の連通管33の両側(円周方向両側)に、概略三角形状の補強材34を設けている。
補強材34を設けることにより、チューブ31aは補強材34によって支持されるので、チューブ31aは胴部32aに対して、確実に(堅固に)支持されることになる。
第1変形例に係るメイン凝縮器3acにおける上記以外の構成及び作用効果は、図2に示すメイン凝縮器3aと同様である。
図6で示す様な補強材34では、被乾燥物がチューブ31aの長手方向(図6において、紙面に垂直な方向)に移動するのを妨げてしまう恐れがある。
それに対して、図7で示す補強材34Aは棒状部材で構成されているため、連通管33と棒状補強部材34Aとの間に隙間が形成され、係る隙間を経由して、被乾燥物はチューブ31aの長手方向(図6、図7において、紙面に垂直な方向)に移動することが可能になる。
さらに図7では、チューブ31aの断面形状が円形ではなく、半径方向内方の部分がカットされた様な形状、換言すれば胴部32aとの隙間を大きくする様な形状に構成されている。
第2変形例におけるメイン凝縮器3adの上記以外の構成及び作用効果に関しては、図2に示すメイン凝縮器3aと同様である。
図8において、排出機構40は、シリンダ41と、ピストン42と、ピストン駆動用のエアシリンダ70と、逆止弁43とを有している。
シリンダ41は、図1における乾燥容器1右端の被乾燥物排出口(出口)1oに隣接して、その中心軸が垂直方向へ延在するように配置されている。
エアシリンダ70は、エアシリンダ取り付けブラケット75を介して、乾燥容器1の右壁1Reの上方に取り付けられている。
エアシリンダ70は複動式であり、上方の給気口70aを介して高圧エアを供給すると、接続部材72、ピストンロッド42rを介してピストン42が下方に移動する。一方、エアシリンダ70下方の給気口70bに高圧エアを供給すれば、ピストン42は上方に動く。
シリンダ41の外壁41aの上方には蒸気注入口41cが設けられ、外壁41bの下方には蒸気排出口41dが設けられており、外壁41aと内壁41bとの間の空間41sに、圧縮機2で加圧されて吐出された水蒸気が通過するように構成されている。
蒸気注入口41cは、蒸気吐出ライン11bに接続されている。一方、蒸気排出口41dは、図示されていない水蒸気ラインを介して、一対の回転軸32SR(図3)の各々における水蒸気が流入する孔32h(図3)に接続されている。
そのため、被乾燥物が液体や粘稠体であっても、排出に際しても十分に加熱され、乾燥される。
逆止弁43は、図9、図10で示すように、弾性体43a、43bを有し、弾性体43a、43bの内周側にはインナーライナー43cが裏打ちされ、上部にはフランジ43fが形成されている。
図示の例では、弾性体43a、43b、インナーライナー43cは、テーパーを有して、一体化している。そして、逆止弁43として、例えばダックビル弁(Duckbill弁)を採用することが出来る。
なお、図8における逆止弁43の下端が、図1における排出口9に相当する。
その際に、逆止弁43の弾性体43a、43bは、その弾性反発力及び背圧により被乾燥物の表面に押し付けられる。従って、逆止弁43から被乾燥物が押し出される際にも、逆止弁43からシリンダ41内に空気が浸入することは防止される。
ピストン42により被乾燥物が押圧されると、逆止弁43における弾性体43a、43bの弾性反発力及び背圧に抗して、被乾燥物は弾性体同士を押し広げるように作用して、シリンダ41外に排出される。
しかし、上述した様に、排出物が固形物を含む場合には、コーン形弁やフラッパー弁を用いた場合には、逆止弁43が固形物を噛み込んでしまう恐れがあるので、弾性体(例えばゴム)を用いた弁(例えばダックビル弁等)が好適である。換言すれば、弾性体(例えばゴム)を用いた弁を逆止弁43とすれば、排出物が液体である場合から固体である場合の全てに対応可能である。
これに対して、図示の実施形態によれば、ピストン42により被乾燥物をシリンダ出口41o側に押圧して、シリンダ内41iで移動せしめているので、液体や粘稠体であっても、乾燥容器1の出口1oから押し出された被乾燥物を、シリンダ出口41o側へ確実に移動させる事が出来る。
そのため、乾燥容器1から出口1oを介してシリンダ41に排出された被乾燥物が、シリンダ内41iを移動する際に、圧縮機2で昇圧された水蒸気が保有する顕熱及び潜熱がシリンダ内41iの被乾燥物に供給され、当該被乾燥物を追加的に加熱、乾燥して、水分を除去することができる。そのため、固体乾燥物の水分をさらに低下させる事ができる。
それに加えて、外気により水蒸気が凝縮し、被乾燥物に付着することが防止できる。
これに対して、図11で示す排出機構の変形例は、より基本的な構成となっており、シリンダ41の隔壁41wは一重壁となっている。
図11の変形例におけるその他の構成及び作用効果は、図8で示す排出機構と同様である。
2・・・水蒸気圧縮機/圧縮機
3・・・水蒸気凝縮器
3a・・・メイン凝縮器
3b・・・サブ凝縮器
4・・・蒸気トラップ
5・・・不凝縮性ガスの排出弁/空気抜き弁
6・・・被乾燥物
7・・・水蒸気ボイラー
8・・・被乾燥物の投入口/ホッパー
9・・・乾燥物の排出口
10・・・圧縮機吸入水蒸気配管/吸入配管
11・・・圧縮機吐出水蒸気配管/吐出配管
40・・・排出機構
41・・・シリンダ
42・・・ピストン
43・・・逆止弁
Claims (5)
- 乾燥容器(1)と、水蒸気圧縮機(2)と、乾燥容器(1)の内容物と熱交換を行う水蒸気凝縮器(3)と、これ等の機器(1、2、3)を連通する水蒸気ライン(La、10、11)と、乾燥容器(1)の内容物を排出する排出機構(40)とを有し、水蒸気圧縮機(2)により水蒸気を昇圧して飽和温度を高め、昇圧された水蒸気の凝縮潜熱を乾燥容器(1)内の被乾燥物と熱交換して被乾燥物の蒸発脱水に利用する蒸発脱水装置(100)において、前記排出機構(40)は乾燥容器(1)と連通するシリンダ(41)と、乾燥容器(1)内から出口(1o)を経由してシリンダ内(41i)に移動した被乾燥物をシリンダ出口(41o)側に押圧するピストン(42)と、シリンダ出口(41o)に設けられた逆止弁(43)とを有することを特徴とする蒸発脱水装置。
- 前記シリンダ(41)は2重壁構造となっており、水蒸気圧縮機(2)の吐出口(2o)に連通する水蒸気ライン(11)を介して、シリンダ(41)の外壁(41a)と内壁(41b)との間の空間(41s)に水蒸気圧縮機(2)で昇圧された水蒸気を供給する請求項1の蒸発脱水装置。
- 前記排出機構(40)において、乾燥容器(1)の出口(1o)に被乾燥物の切断手段(50)を設ける請求項1、2の何れかの蒸発脱水装置。
- 前記水蒸気凝縮器(3)は、複数の回転子(3au)を平行に配置して構成し、該回転子(3au)は中空管で構成されており、並列に且つ回転子同士が干渉しない様に交差しつつ回転する様に配置して構成し、前記回転子(3au)は、複数の直線状の中空管(31a)で構成されており、該直線状の中空管(31a)は、各々が回転軸(32S)と平行に配置され、回転軸(32S)の半径方向外方で且つ円周方向へ等間隔に配置されており、該直線状の中空管(31a)の各々は中空の連通管(33)により回転軸に設けられた通路(32eh)に連通されている請求項1〜3の何れか1項の蒸発脱水装置。
- 前記逆止弁(43)は弾性体(43a、43b)で構成されており、常閉に構成されている請求項1〜4の何れか1項の蒸発脱水装置。
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