JP2009133390A - 自動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単純遊星歯車を3組、摩擦要素を5個として前進7速を達成することができる自動変速機であって、遊星歯車の外径側を通る部材を極力少なくすることが可能な自動変速機を提供すること。
【解決手段】 自動変速機において、第1リングギヤは常時係止されており、入力軸は第2キャリヤに常時連結しており、出力軸は第2リングギヤと第3キャリヤとからなる回転メンバに常時連結しており、5つの摩擦要素は、第1キャリヤと第3リングギヤとの間を選択的に連結する第1摩擦要素と、第1サンギヤと第2キャリヤとの間を選択的に連結する第2摩擦要素と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を選択的に連結する第3摩擦要素と、第1キャリヤと第2キャリヤとの間を選択的に連結する第4摩擦要素と、第1キャリヤと第2サンギヤとの間を選択的に連結する第5摩擦要素と、から構成され、5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の変速機として適用される有段式の自動変速機に関する。
従来、遊星歯車3組を使用して前進7速を達成する自動変速機として、例えば特許文献1や特許文献2に記載の技術が知られている。特許文献1には、伝達効率やギヤノイズに有利で、ピニオンギヤが小径とならず耐久性に有利なシングルピニオン型遊星歯車を3組、摩擦要素6個を使用して前進7速を達成する自動変速機が開示されている。また、同様に、特許文献2には、シングルピニオン型遊星歯車を3組、摩擦要素5個を使用して前進6速〜8速を達成する自動変速機が開示されている。
特開2004−176765号公報 USP 6648791,Fig.23,24,25,26
特許文献1については、前進7速を達成するのに最低6個の摩擦要素を必要とするため、摩擦要素の数が多く、部品点数や軸方向寸法の増大を招くという問題がある。
特許文献2については、前進6速〜8速を達成するのに摩擦要素が5個であり、特許文献1に比べて摩擦要素の数が少なく部品点数を少なく出来るという効果はある。
しかしながら、この特許文献2のFig.23に記載された自動変速機は、真ん中の遊星歯車のリングギヤの外径側を通る部材は3層構造となっている。このため、一般的に自動変速機は、軸中心側より遠心力を利用して潤滑油が放出されて、潤滑必要部を経由して自動変速機の下部に設けられたオイルパンに回収されることになるが、遊星歯車の外径側に例えばドラム部材といった連結部材が多層構造になっていると、潤滑油が上記部材の内部に滞留しやすくなり、これらは走行中に回転する部材であることが多いから、フリクションが増大して燃費が悪化するという問題がある。
一方、この特許文献2のFig.25に記載された発明は、遊星歯車の外径側を通る部材は2層であり、Fig.23に比べて滞留しにくい構造にはなっているものの、入力軸側の遊星歯車のサンギヤの内径側が多軸構造、具体的には最大3軸構造となっている。このため、サンギヤの寸法が規制されてしまい、入力軸側の遊星歯車の歯数比の自由度が小さいという問題がある。尚、遊星歯車の歯数比を確保しようとすると、遊星歯車の寸法が大型化し、自動変速機の外形寸法が大型化するという問題がある。
本発明の目的とするところは、単純遊星歯車を3組、摩擦要素を5個として前進7速を達成することができる自動変速機であって、第1の目的は遊星歯車の外径側を通る部材を極力少なくすることが可能な自動変速機を提供することであり、第2の目的は遊星歯車の内径側を通る軸数も極力少なくすることが可能な自動変速機を提供することである。
上記目的を達成するため、第1の発明では、第1のサンギヤと、該第1のサンギヤに噛み合う第1のピニオンを支持する第1のキャリヤと、該第1のピニオンに噛み合う第1のリングギヤとからなる第1の遊星歯車と、第2のサンギヤと、該第2のサンギヤに噛み合う第2のピニオンを支持する第2のキャリヤと、該第2のピニオンに噛み合う第2のリングギヤとからなる第2の遊星歯車と、第3のサンギヤと、該第3のサンギヤに噛み合う第3のピニオンを支持する第3のキャリヤと、該第3のピニオンに噛み合う第3のリングギヤとからなる第3の遊星歯車と、5つの摩擦要素と、を備え、前記5つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進7速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、前記第1のリングギヤは常時係止されており、前記入力軸は前記第2のキャリヤに常時連結しており、前記第2のリングギヤと前記第3のキャリヤとは連結して回転メンバを構成しており、前記出力軸は前記回転メンバに常時連結しており、前記5つの摩擦要素は、前記第1のキャリヤと前記第3のリングギヤとの間を選択的に連結する第1の摩擦要素と、前記第1のサンギヤと前記第2のキャリヤとの間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、前記第1のサンギヤと前記第2のサンギヤとの間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、前記第1のキャリヤと前記第2のキャリヤとの間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、前記第1のキャリヤと前記第2のサンギヤとの間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、から構成され、前記5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成することを特徴とする。
第2の発明では、第1のサンギヤと、該第1のサンギヤに噛み合う第1のピニオンを支持する第1のキャリヤと、該第1のピニオンに噛み合う第1のリングギヤとからなる第1の遊星歯車と、第2のサンギヤと、該第2のサンギヤに噛み合う第2のピニオンを支持する第2のキャリヤと、該第2のピニオンに噛み合う第2のリングギヤとからなる第2の遊星歯車と、第3のサンギヤと、該第3のサンギヤに噛み合う第3のピニオンを支持する第3のキャリヤと、該第3のピニオンに噛み合う第3のリングギヤとからなる第3の遊星歯車と、5つの摩擦要素と、を備え、前記5つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進7速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、前記第1のリングギヤは常時係止されており、前記第2のサンギヤは常時係止されており、前記入力軸は前記第3のキャリヤに常時連結しており、前記出力軸は前記第3のリングギヤに常時連結しており、前記第1のキャリヤと前記第2のリングギヤとは連結して回転メンバを構成しており、前記5つの摩擦要素は、前記第2のキャリヤと前記第3のリングギヤとの間を選択的に連結する第1の摩擦要素と、前記第1のサンギヤと前記第3のキャリヤとの間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、前記第1のサンギヤと前記第3のサンギヤとの間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、前記回転メンバと前記第3のキャリヤとの間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、前記回転メンバと前記第3のサンギヤとの間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、から構成され、前記5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成することを特徴とする。
第3の発明では、第1のサンギヤと、該第1のサンギヤに噛み合う第1のピニオンを支持する第1のキャリヤと、該第1のピニオンに噛み合う第1のリングギヤとからなる第1の遊星歯車と、第2のサンギヤと、該第2のサンギヤに噛み合う第2のピニオンを支持する第2のキャリヤと、該第2のピニオンに噛み合う第2のリングギヤとからなる第2の遊星歯車と、第3のサンギヤと、該第3のサンギヤに噛み合う第3のピニオンを支持する第3のキャリヤと、該第3のピニオンに噛み合う第3のリングギヤとからなる第3の遊星歯車と、5つの摩擦要素と、を備え、前記5つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進7速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、前記第2のリングギヤは常時係止されており、前記第1のキャリヤと前記第3のリングギヤとは連結して第1回転メンバを構成しており、前記第1のリングギヤと前記第2のキャリヤとは連結して第2回転メンバを構成しており、前記入力軸は前記第3のキャリヤに常時連結しており、前記出力軸は前記第1回転メンバに常時連結しており、前記5つの摩擦要素は、前記第1のサンギヤの回転を係止可能な第1の摩擦要素と、前記第3のサンギヤと前記第3のキャリヤとの間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、前記第2のサンギヤと前記第3のサンギヤとの間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、前記第2回転メンバと前記第3のキャリヤとの間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、前記第2回転メンバと前記第3のサンギヤとの間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、から構成され、前記5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成することを特徴とする。
第4の発明では、第1のサンギヤと、該第1のサンギヤに噛み合う第1のピニオンを支持する第1のキャリヤと、該第1のピニオンに噛み合う第1のリングギヤとからなる第1の遊星歯車と、第2のサンギヤと、該第2のサンギヤに噛み合う第2のピニオンを支持する第2のキャリヤと、該第2のピニオンに噛み合う第2のリングギヤとからなる第2の遊星歯車と、第3のサンギヤと、該第3のサンギヤに噛み合う第3のピニオンを支持する第3のキャリヤと、該第3のピニオンに噛み合う第3のリングギヤとからなる第3の遊星歯車と、5つの摩擦要素と、を備え、前記5つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進7速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、前記第3のサンギヤは常時係止されており、前記第2のキャリヤと前記第3のリングギヤとは連結して第1回転メンバを構成しており、前記第2のリングギヤと前記第3のキャリヤとは連結して第2回転メンバを構成しており、前記入力軸は前記第1のキャリヤに常時連結しており、前記出力軸は前記第1のサンギヤに常時連結しており、前記5つの摩擦要素は、前記第1のサンギヤと前記第2回転メンバとの間を選択的に連結する第1の摩擦要素と、前記第1のキャリヤと前記第2のサンギヤとの間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、前記第1のリングギヤと前記第2のサンギヤとの間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、前記第1のキャリヤと前記第1回転メンバとの間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、前記第1のリングギヤと前記第2回転メンバとの間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、から構成され、前記5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成することを特徴とする。
よって、本発明の自動変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)3組の単純遊星歯車と5つの摩擦要素で前進7速を達成できるため、伝達効率やギヤノイズを改善できるとともに、ギヤの耐久性が向上する。
(2)3組の遊星歯車の外径側に連結部材が3層とせずに、3組の単純遊星歯車と5つの摩擦要素で前進7速後退1速を達成できる。これにより、潤滑油が滞留しにくくなり、フリクションを低減することで燃費を向上させるとともに、油温上昇による耐久性の悪化を防止することができる。
(3)3組の遊星歯車の内径側を通る部材が最大2軸構造にしつつ、3組の単純遊星歯車と5つの摩擦要素で前進7速後退1速を達成できる。よって、特許文献2に比べてサンギヤの寸法が規制されることがなく、遊星歯車の歯数比の自由度が大きいため設計自由度を向上できる。
以下、本発明の有段自動変速機の変速機構を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の有段式の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図、図2は実施例1の自動変速機における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。
実施例1の自動変速機は、図1に示すように、ギヤトレーンとして、シングルピニオン型の3組の遊星歯車組である第1遊星歯車組PG1,第2遊星歯車組PG2及び第3遊星歯車組PG3を備えている。第1遊星歯車組PG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1に噛み合う第1ピニオンP1と、を有する。第2遊星歯車組PG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2に噛み合う第2ピニオンP2と、を有する。第3遊星歯車組PG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3に噛み合う第3ピニオンP3と、を有する。第1,第2及び第3ピニオンP1,P2,P3は、それぞれ第1,第2及び第3キャリヤPC1,PC2,PC3に対して回転可能に支持されている。
入力軸INは第2キャリヤPC2と常時連結されている。第2リングギヤR2と第3キャリヤPC3は第1回転メンバM1により常時連結されて第1回転メンバM1を構成している。出力軸OUTは第1回転メンバM1に常時連結されている。第1リングギヤR1は変速機ケース1に対して常時係止されている。第3サンギヤS3は変速機ケース1に対して常時係止されている。
自動変速機には、5つのクラッチである第1〜第5摩擦要素A,B,C,D,Eが設けられている。第1摩擦要素Aは、第1キャリヤPC1と第3リングギヤR3との間に設けられ、第1キャリヤPC1と第3リングギヤR3とを選択的に連結する。第2摩擦要素Bは、第1サンギヤS1と第2キャリヤPC2との間に設けられ、第1サンギヤS1と第2キャリヤPC2とを選択的に連結する。第3摩擦要素Cは、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2との間に設けられ、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とを選択的に連結する。第4摩擦要素Dは、第1キャリヤPC1と第2キャリヤPC2との間に設けられ、第1キャリヤPC1と第2キャリヤPC2とを選択的に連結する。第5摩擦要素Eは、第1キャリヤPC1と第2サンギヤS2との間に設けられ、第1キャリヤPC1と第2サンギヤS2とを選択的に連結する。
出力軸OUTには、出力ギヤ等が設けられ、図外のディファレンシャルギヤやドライブシャフトを介して駆動輪へ回転駆動力が伝達される。実施例1の場合、出力軸OUTは他のメンバ等に塞がれていないためFF車両とFR車両の両方に適用可能とされている。
各ギヤ段での前記摩擦要素の結合(締結)の関係を、図2の結合表により説明する(変速制御手段)。尚、表中の○印は締結、空欄は解放を表している。
まず、前進時について説明する。1速は、第1摩擦要素Aと第2摩擦要素Bの締結により達成する。2速は、第1摩擦要素Aと第3摩擦要素Cの締結により達成する。3速は、第1摩擦要素Aと第4摩擦要素Dの締結により達成する。4速は、第1摩擦要素Aと第5摩擦要素Eの締結により達成する。5速は、第4摩擦要素Dと第5摩擦要素Eの締結により達成する。6速は、第2摩擦要素Bと第5摩擦要素Eの締結により達成する。7速は、第3摩擦要素Cと第5摩擦要素Eの締結により達成する。後退速は、第3摩擦要素Cと第4摩擦要素Dの締結により達成する。
次に、図2により実施例1での減速比の具体例を説明する。ここで、第1遊星歯車組PG1の歯数比ρ1=ZS1/ZR1=0.45、第2遊星歯車組PG2の歯数比ρ2=ZS2/ZR2=0.55、第3遊星歯車組PG3の歯数比ρ3=ZS3/ZR3=0.45とする事例により説明する。尚、ZS1,ZS2,ZS3,ZR1,ZR2,ZR3は各ギヤの歯数を表す。
前進1速の減速比i1は、
i1=(1+ρ1)(1+ρ3)/ρ1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進1速の減速比i1は、i1=4.672,減速比の逆数は0.214となる。
前進2速の減速比i2は、
i2=(ρ2(1+ρ1)(1+ρ3)+ρ1)/(ρ1(1+ρ2))
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進2速の減速比i2は、i2=2.303,減速比の逆数は0.434となる。
前進3速の減速比i3は、
i3=1+ρ3
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進3速の減速比i3は、i3=1.450,減速比の逆数は0.690となる。
前進4速の減速比i4は、
i4=(1+ρ2+ρ2ρ3)/(1+ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進4速の減速比i4は、i4=1.160,減速比の逆数は0.862となる。
前進5速の減速比i5は、
i5=1.0
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入するまでもなく、
前進5速の減速比i5は、i5=1.000,減速比の逆数は1.000となる。
前進6速の減速比i6は、
i6=(1+ρ1)/(1+ρ1+ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進6速の減速比i6は、i6=0.725,減速比の逆数は1.379となる。
前進7速の減速比i7は、
i7=1/(1+ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進7速の減速比i7は、i7=0.645,減速比の逆数は1.550となる。
後退速の減速比iRは、
iR=−ρ1/(ρ2−ρ1)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
後退速の減速比iRは、iR=-4.500,減速比の逆数は-0.222となる。
次に、図3により実施例1での減速比の特性について説明する。図3は実施例1の自動変速機によって得られる各変速段相互の関係を示す表である。すなわち、段間比は、V1000(各変速段における車速守備範囲に匹敵)が等差級数にどれだけ近いかで評価するのが適正である。つまり、V1000が等差級数的に配分されていれば、各変速段の車速の守備範囲が等しくなり、特にアップシフトがリズミカルな変速になるとともに、登降坂路での変速比の選定にも苦労しない、ドライバビリティに優れた自動変速機とすることができるからである。
そこで、V1000が等差級数からどれだけ乖離しているかを定量的に判断するには、最高変速段の減速比の逆数を1として各変速段の減速比の逆数を正規化しておき、それらの値が等差級数からどれだけ乖離しているかを定量的に求めればよいことになる。実施例1の自動変速機では、標準偏差が0.051となり、極めて小さいことがわかる。
〔実施例1の効果〕
・スケルトン全体による効果
実施例1では、単純遊星3組と5つの摩擦要素という単純で少ない構成要素でありながら、適正な減速比を確保可能な前進7速後退1速の自動変速機を実現することができる。
・単純遊星3組を使用することによる効果
単純遊星3組で構成することにより、ダブルピニオンを使う場合に比べて、伝達効率やギヤノイズが改善されると共に、ピニオンを小径とする必要がないため、ギヤの耐久性が向上する。
・歯数比に基づく効果
各遊星歯車組の歯数比ρ1,ρ2,ρ3が何れも中間地0.5に近い。よって、三つの歯数比を自由に設定できる範囲が広く、減速比の自由度を高くすることができる。
・前進のレーシオカバレッジに基づく効果
前進のレーシオカバレッジ(ギヤ比幅)とは、最低段の減速比/最高段の減速比をいい、この値は、大きい値であるほど、発進加速性と高速巡航での燃費との両立性に優れ、かつ各前進段でのギヤ比設定自由度が高くなるということができる。実施例1での具体的な数値は、前進1速の減速比が4.672で、前進7速の減速比が0.645であるため、1−7速レーシオカバレッジは7.24となり、十分なレーシオカバレッジを確保できる。よって、例えば、動力源としてエンジン回転数幅がガソリンエンジンよりも狭く、同排気量で比較した場合にトルクが大きいディーゼルエンジンを動力源として搭載した車両の変速機としても有用である。
また、レーシオカバレッジの割に、低速側のギヤ比が大きいと、ファイナルギヤへ伝達するトルクが大きくなる。このため、自動変速機やプロペラシャフトの強度が必要となり、車両全体が大型化する。つまり、同一のレーシオカバレッジであるならば、最低速変速比はそれほど大きくない方が好ましい。先行技術のUSP 6648791のFig.23の自動変速機は、最高変速段のギヤ比が1であるので、レーシオカバレッジを大きくしようとすると最低変速段のギヤ比を大きくしなければならず、自動変速機やプロペラシャフトが大型化する。一方、実施例1の自動変速機は、最低変速段のギヤ比をそれほど大きくすることなく、十分なレーシオカバレッジを確保することができる。
・1−Rレシオに基づく効果
1−Rレシオが1に近い値、具体的には0.963となるため、前進時と後退時とでアクセルペダルの踏み加減に対する車両の加速感が大きく異なることもなく、運転性が悪化するという問題を回避することができる。
・V1000に対応する標準偏差に基づく効果
標準偏差が極めて小さい値とすることができる(例えば、本実施例の歯数比の例では0.051となる)ため、各変速段の車速の守備範囲が等しくなり、特にアップシフトがリズミカルな変速になるとともに、登降坂路での減速比の選定にも苦労しないドライバビリティに優れた自動変速機を提供することができる。
・変速時における摩擦要素の切換え数に基づく効果
(i)変速時において、仮に、一つ以上の摩擦要素を解放し二つ以上の摩擦要素を締結する、もしくは、二つ以上の摩擦要素を解放し一つ以上の摩擦要素を締結すると、摩擦要素の締結・解放のタイミングやトルクの制御が複雑となる。そこで、変速制御の複雑化を回避する観点から、一つの摩擦要素を解放し、他の一つの摩擦要素を締結するのが好ましいとされる。いわゆる二重掛け替えの防止である。実施例1においては、前進1速から前進4速までは第1摩擦要素Aが締結したままの状態で変速し、前進4速から前進7速までは第5摩擦要素Eが締結したままの状態で変速する。すなわち、前進1速から前進7速までの隣接するギヤ段への変速は、全て一つの摩擦要素を解放し、他の一つの摩擦要素を締結する掛け替え変速により達成できる。よって、変速時における制御の複雑化を回避できる。
(ii)上記(i)に示すように、隣接するギヤ段への変速は、全て一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結する架け替え変速により達成でき、更に、例えば前進1速から前進3速のような1段飛び変速であっても、同様に全て一つの摩擦要素を解放し、他一つの摩擦要素を締結する架け替え変速により達成できる。よって、制御性を向上させることができる。
・レイアウトに基づく効果
(i)実施例1の自動変速機は、図1のスケルトン図に示すように、3組の遊星歯車の外径側に連結部材が3層とならない。これにより、潤滑油が滞留しにくくなり、フリクションを低減することで燃費を向上することができる。
(ii)3組の遊星歯車の内径側を通る部材が1軸構造となっている。よって、特許文献2に比べてサンギヤの寸法が規制されることがなく、遊星歯車の歯数比の自由度が大きいため設計自由度を向上できる。
(iii)また、図1のスケルトン図に示すように、遊星歯車組の外周側を通る回転メンバは、一層構造である。自動変速機は冷却や潤滑を目的として、各回転要素であるギヤやベアリング等に潤滑油を常に供給している。また、この潤滑は一般に軸心側から遠心力により供給される。このとき、外周側において潤滑油の排出性が悪化すると、油温が上昇し、摩擦要素や図示しない軸受け部材などの耐久性が低下する。実施例1では、上述したように、遊星歯車組の外周側を通る回転メンバは一層構造であるため、潤滑油の排出性が悪化することがなく、油温上昇が抑制されて、耐久性が向上する。
(iv)実施例1の自動変速機は、遊星歯車組の一方側から入力し、他方側から出力することが可能な自動変速機であるため、前輪駆動車及び後輪駆動車のどちらの車両にも適用でき、自動変速機の適用範囲を広くすることができる。
(変形例1−1)
次に、実施例1の変形例1−1について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図4は変形例1−1を表すスケルトン図である。実施例1では、第1摩擦要素A,第3摩擦要素C,第4摩擦要素D,第5摩擦要素Eが第1遊星歯車組PG1と第2遊星歯車組PG2の間に全て配置されている。これに対し、変形例1は、第1摩擦要素Aを第2遊星歯車組PG2と第3遊星歯車組PG3の間に配置した点が異なる。
(変形例1−2)
次に、実施例1の変形例1−2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例1では、ギヤトレーンとして、シングルピニオン型の3組の遊星歯車組である第1遊星歯車組PG1,第2遊星歯車組PG2及び第3遊星歯車組PG3が、実施例1では出力側から順に第1遊星歯車組PG1→第2遊星歯車組PG2→第3遊星歯車組PG3に配置されていた。これに対し、変形例1−2では、第3遊星歯車組PG3→第1遊星歯車組PG1→第2遊星歯車組PG2の順に配置している点で異なる。尚、変形例1−2では、図5中左から順に、第1遊星歯車組PG1→第2遊星歯車組PG2→第3遊星歯車組PG3として記載しているが、実施例1との対応関係では、
変形例1−2の第1遊星歯車組PG1は実施例1の第3遊星歯車組PG3に相当し、
変形例1−2の第2遊星歯車組PG2は実施例1の第1遊星歯車組PG1に相当し、
変形例1−2の第3遊星歯車組PG3は実施例1の第2遊星歯車組PG2に相当する。
尚、実施例1において第2リングギヤR2と第3キャリヤPC3とからなる第1回転メンバM1は、実施例1の第2遊星歯車組PG2と第3遊星歯車組PG3に相当する構成が間に第1遊星歯車組PG1を挟んで軸方向両側に配置されることから、この第1回転メンバM1によって3組の遊星歯車組を外周側から覆うこととなる。このことから、主に前輪駆動車に適用することとなる。
尚、各摩擦要素の位置関係、及び回転メンバの連結関係、各変速段における摩擦要素の締結関係は全て同じである。
まず、構成を説明する。
図6は実施例2の有段式の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図、図7は実施例2の自動変速機における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。
実施例2の自動変速機は、図6に示すように、ギヤトレーンとして、シングルピニオン型の3組の遊星歯車組である第1遊星歯車組PG1,第2遊星歯車組PG2及び第3遊星歯車組PG3を備えている。第1遊星歯車組PG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1に噛み合う第1ピニオンP1と、を有する。第2遊星歯車組PG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2に噛み合う第2ピニオンP2と、を有する。第3遊星歯車組PG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3に噛み合う第3ピニオンP3と、を有する。第1,第2及び第3ピニオンP1,P2,P3は、それぞれ第1,第2及び第3キャリヤPC1,PC2,PC3に対して回転可能に支持されている。
入力軸INは第3キャリヤPC3と常時連結されている。第2リングギヤR2と第1キャリヤPC1は常時連結されて第1回転メンバM1を構成している。出力軸OUTは第3リングギヤR3に常時連結されている。第1リングギヤR1は変速機ケース1に対して常時係止されている。第2サンギヤS2は変速機ケース1に対して常時係止されている。
自動変速機には、5つのクラッチである第1〜第5摩擦要素A,B,C,D,Eが設けられている。第1摩擦要素Aは、第2キャリヤPC2と第3リングギヤR3との間に設けられ、第2キャリヤPC2と第3リングギヤR3とを選択的に連結する。第2摩擦要素Bは、第1サンギヤS1と第3キャリヤPC3との間に設けられ、第1サンギヤS1と第3キャリヤPC3とを選択的に連結する。第3摩擦要素Cは、第1サンギヤS1と第3サンギヤS3との間に設けられ、第1サンギヤS1と第3サンギヤS3とを選択的に連結する。第4摩擦要素Dは、第2リングギヤR2と第3キャリヤPC3との間に設けられ、第2リングギヤR2と第3キャリヤPC3とを選択的に連結する。第5摩擦要素Eは、第1キャリヤPC1と第3サンギヤS3との間に設けられ、第1キャリヤPC1と第3サンギヤS3とを選択的に連結する。
出力軸OUTには、出力ギヤ等が設けられ、図外のディファレンシャルギヤやドライブシャフトを介して駆動輪へ回転駆動力が伝達される。実施例2の場合、出力軸OUTは第1リングギヤR1や第2サンギヤS2等に塞がれているためFF車両に適用可能とされている。
各ギヤ段での前記摩擦要素の結合(締結)の関係を、図7の結合表により説明する(変速制御手段)。尚、表中の○印は締結、空欄は解放を表している。
まず、前進時について説明する。1速は、第1摩擦要素Aと第2摩擦要素Bの締結により達成する。2速は、第1摩擦要素Aと第3摩擦要素Cの締結により達成する。3速は、第1摩擦要素Aと第4摩擦要素Dの締結により達成する。4速は、第1摩擦要素Aと第5摩擦要素Eの締結により達成する。5速は、第4摩擦要素Dと第5摩擦要素Eの締結により達成する。6速は、第2摩擦要素Bと第5摩擦要素Eの締結により達成する。7速は、第3摩擦要素Cと第5摩擦要素Eの締結により達成する。後退速は、第3摩擦要素Cと第4摩擦要素Dの締結により達成する。
次に、図7により実施例2での減速比の具体例を説明する。ここで、第1遊星歯車組PG1の歯数比ρ1=ZS1/ZR1=0.55、第2遊星歯車組PG2の歯数比ρ2=ZS2/ZR2=0.50、第3遊星歯車組PG3の歯数比ρ3=ZS3/ZR3=0.65とする事例により説明する。尚、ZS1,ZS2,ZS3,ZR1,ZR2,ZR3は各ギヤの歯数を表す。
前進1速の減速比i1は、
i1=(1+ρ1)(1+ρ2)/ρ1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進1速の減速比i1は、i1=4.227,減速比の逆数は0.237となる。
前進2速の減速比i2は、
i2=(ρ1+ρ3(1+ρ1)(1+ρ2))/(ρ1(1+ρ3))
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進2速の減速比i2は、i2=2.271,減速比の逆数は0.440となる。
前進3速の減速比i3は、
i3=1+ρ2
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進3速の減速比i3は、i3=1.500,減速比の逆数は0.667となる。
前進4速の減速比i4は、
i4=(1+ρ3+ρ2ρ3)/(1+ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進4速の減速比i4は、i4=1.197,減速比の逆数は0.835となる。
前進5速の減速比i5は、
i5=1.0
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入するまでもなく、
前進5速の減速比i5は、i5=1.000,減速比の逆数は1.000となる。
前進6速の減速比i6は、
i6=(1+ρ1)/(1+ρ1+ρ3)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進6速の減速比i6は、i6=0.705,減速比の逆数は1.418となる。
前進7速の減速比i7は、
i7=1/(1+ρ3)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進7速の減速比i7は、i7=0.606,減速比の逆数は1.650となる。
後退速の減速比iRは、
iR=−ρ1/(ρ3−ρ1)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
後退速の減速比iRは、iR=-5.500,減速比の逆数は-0.182となる。
次に、図8により実施例2での減速比の特性について説明する。図8は実施例2の自動変速機によって得られる各変速段相互の関係を示す表である。すなわち、段間比は、V1000(各変速段における車速守備範囲に匹敵)が等差級数にどれだけ近いかで評価するのが適正であると考える。つまり、V1000が等差級数的に配分されていれば、各変速段の車速の守備範囲が等しくなり、特にアップシフトがリズミカルな変速になるとともに、登降坂路での変速比の選定にも苦労しない、ドライバビリティに優れた自動変速機とすることができるからである。
そこで、V1000が等差級数からどれだけ乖離しているかを定量的に判断するには、最高変速段の減速比の逆数を1として各変速段の減速比の逆数を正規化しておき、それらの値が等差級数からどれだけ乖離しているかを定量的に求めればよいことになる。実施例2の自動変速機では、標準偏差が0.052となり、極めて小さいことがわかる。
〔実施例2の効果〕
・スケルトン全体による効果
実施例2では、単純遊星3組と5つの摩擦要素という単純で少ない構成要素でありながら、適正な減速比を確保可能な前進7速後退1速の自動変速機を実現することができる。
・単純遊星3組を使用することによる効果
単純遊星3組で構成することにより、ダブルピニオンを使う場合に比べて、伝達効率やギヤノイズが改善されると共に、ピニオンを小径とする必要がないため、ギヤの耐久性が向上する。
・歯数比に基づく効果
各遊星歯車組の歯数比ρ1,ρ2,ρ3が何れも中間地0.5に近い。よって、三つの歯数比を自由に設定できる範囲が広く、減速比の自由度を高くすることができる。
・前進のレーシオカバレッジに基づく効果
前進のレーシオカバレッジ(ギヤ比幅)とは、最低段の減速比/最高段の減速比をいい、この値は、大きい値であるほど、発進加速性と高速巡航での燃費との両立性に優れ、かつ各前進段でのギヤ比設定自由度が高くなるということができる。実施例2での具体的な数値は、前進1速の減速比が4.227で、前進7速の減速比が0.606であるため、1−7速レーシオカバレッジは6.98となり、十分なレーシオカバレッジを確保できる。よって、例えば、動力源としてエンジン回転数幅がガソリンエンジンよりも狭く、同排気量で比較した場合にトルクが大きいディーゼルエンジンを動力源として搭載した車両の変速機としても有用である。
また、レーシオカバレッジの割に、低速側のギヤ比が大きいと、ファイナルギヤへ伝達するトルクが大きくなる。このため、自動変速機やプロペラシャフトの強度が必要となり、車両全体が大型化する。つまり、同一のレーシオカバレッジであるならば、最低速変速比はそれほど大きくない方が好ましい。先行技術のUSP 6648791のFig.23の自動変速機は、最高変速段のギヤ比が1であるので、レーシオカバレッジを大きくしようとすると最低変速段のギヤ比を大きくしなければならず、自動変速機やプロペラシャフトが大型化する。一方、実施例2の自動変速機は、最低変速段のギヤ比をそれほど大きくすることなく、十分なレーシオカバレッジを確保することができる。
・1−Rレシオに基づく効果
1−Rレシオが1に近い値、具体的には1.30となるため、前進時と後退時とでアクセルペダルの踏み加減に対する車両の加速感が大きく異なることもなく、運転性が悪化するという問題を回避することができる。
・V1000に対応する標準偏差に基づく効果
標準偏差が極めて小さい値とすることができる(例えば、本実施例の歯数比の例では0.052となる)ため、各変速段の車速の守備範囲が等しくなり、特にアップシフトがリズミカルな変速になるとともに、登降坂路での減速比の選定にも苦労しないドライバビリティに優れた自動変速機を提供することができる。
・変速時における摩擦要素の切換え数に基づく効果
(i)変速時において、仮に、一つ以上の摩擦要素を解放し二つ以上の摩擦要素を締結する、もしくは、二つ以上の摩擦要素を解放し一つ以上の摩擦要素を締結すると、摩擦要素の締結・解放のタイミングやトルクの制御が複雑となる。そこで、変速制御の複雑化を回避する観点から、一つの摩擦要素を解放し、他の一つの摩擦要素を締結するのが好ましいとされる。いわゆる二重掛け替えの防止である。実施例2においては、前進1速から前進4速までは第1摩擦要素Aが締結したままの状態で変速し、前進4速から前進7速までは第5摩擦要素Eが締結したままの状態で変速する。すなわち、前進1速から前進7速までの隣接するギヤ段への変速は、全て一つの摩擦要素を解放し、他の一つの摩擦要素を締結する掛け替え変速により達成できる。よって、変速時における制御の複雑化を回避できる。
(ii)上記(i)に示すように、隣接するギヤ段への変速は、全て一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結する架け替え変速により達成でき、更に、例えば前進1速から前進3速のような1段飛び変速であっても、同様に全て一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結する架け替え変速により達成できる。よって、制御性を向上させることができる。
・レイアウトに基づく効果
(i)実施例2の自動変速機は、図6のスケルトン図に示すように、3組の遊星歯車の外径側に連結部材が3層とならない。これにより、潤滑油が滞留しにくくなり、フリクションを低減することで燃費を向上することができる。
(ii)また、図6のスケルトン図に示すように、遊星歯車組の外周側を通る回転メンバは、一層構造である。自動変速機は冷却や潤滑を目的として、各回転要素であるギヤやベアリング等に潤滑油を常に供給している。また、この潤滑は一般に軸心側から遠心力により供給される。このとき、外周側において潤滑油の排出性が悪化すると、油温が上昇し、摩擦要素や図示しない軸受け部材などの耐久性が低下する。実施例2では、上述したように、遊星歯車組の外周側を通る回転メンバは一層構造であるため、油温上昇が抑制されて、潤滑油の排出性が悪化することがなく、耐久性が向上する。
(変形例2−1)
次に、実施例2の変形例2−1について説明する。基本的な構成は実施例2と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例2では、ギヤトレーンとして、シングルピニオン型の3組の遊星歯車組である第1遊星歯車組PG1,第2遊星歯車組PG2及び第3遊星歯車組PG3が、実施例2では出力側から順に第1遊星歯車組PG1→第2遊星歯車組PG2→第3遊星歯車組PG3に配置されていた。これに対し、変形例2−1では、第2遊星歯車組PG2→第1遊星歯車組PG1→第3遊星歯車組PG3の順に配置している点で異なる。尚、変形例2−1では、図9中左から順に、第1遊星歯車組PG1→第2遊星歯車組PG2→第3遊星歯車組PG3として記載しているが、実施例2との対応関係では、
変形例2−1の第1遊星歯車組PG1は実施例2の第2遊星歯車組PG2に相当し、
変形例2−1の第2遊星歯車組PG2は実施例2の第1遊星歯車組PG1に相当し、
変形例2−1の第3遊星歯車組PG3は実施例2の第3遊星歯車組PG3に相当する。
尚、各摩擦要素の位置関係、及び回転メンバの連結関係、各変速段における摩擦要素の締結関係は全て同じである。
実施例2において第2リングギヤR2と第1キャリヤPC1とを連結していた第1回転メンバM1は、実施例2の第2遊星歯車組PG2に相当する構成が端部に配置され第2リングギヤR2を内径側から係止できることから、変形例2−1では、この第1回転メンバM1を遊星歯車組の外周側に配置できる。このことから、サンギヤの内周側を通る回転軸を最大で2軸構造とすることができる。よって、特許文献2に比べてサンギヤの寸法が規制されることがなく、遊星歯車の歯数比の自由度が大きいため設計自由度を向上できる。
まず、構成を説明する。
図10は実施例3の有段式の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図、図11は実施例3の自動変速機における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。
実施例3の自動変速機は、図10に示すように、ギヤトレーンとして、シングルピニオン型の3組の遊星歯車組である第1遊星歯車組PG1,第2遊星歯車組PG2及び第3遊星歯車組PG3を備えている。第1遊星歯車組PG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1に噛み合う第1ピニオンP1と、を有する。第2遊星歯車組PG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2に噛み合う第2ピニオンP2と、を有する。第3遊星歯車組PG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3に噛み合う第3ピニオンP3と、を有する。第1,第2及び第3ピニオンP1,P2,P3は、それぞれ第1,第2及び第3キャリヤPC1,PC2,PC3に対して回転可能に支持されている。
入力軸INは第3キャリヤPC3と常時連結されている。第1キャリヤPC1と第3リングギヤR3は第1回転メンバM1により常時連結されている。出力軸OUTは常時連結されて第1回転メンバM1を構成している。第1リングギヤR1と第2キャリヤPC2は常時連結されて第2回転メンバM2を構成している。第2リングギヤR2は変速機ケース1に対して常時係止されている。
自動変速機には、1つのブレーキである第1摩擦要素Aと、4つのクラッチである第2〜第5摩擦要素B,C,D,Eが設けられている。第1摩擦要素Aは、第1サンギヤS1と変速機ケース1との間に設けられ、第1サンギヤS1を選択的に係止する。第2摩擦要素Bは、第3サンギヤS3と第3キャリヤPC3との間に設けられ、第3サンギヤS3と第3キャリヤPC3とを選択的に連結する。第3摩擦要素Cは、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3との間に設けられ、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とを選択的に連結する。第4摩擦要素Dは、第2回転メンバM2と第3キャリヤPC3との間に設けられ、第2回転メンバM2と第3キャリヤPC3とを選択的に連結する。第5摩擦要素Eは、第2回転メンバM2と第3サンギヤS3との間に設けられ、第2回転メンバM2と第3サンギヤS3とを選択的に連結する。
出力軸OUTには、出力ギヤ等が設けられ、図外のディファレンシャルギヤやドライブシャフトを介して駆動輪へ回転駆動力が伝達される。実施例3の場合、出力軸OUTは第2リングギヤR2を係止するメンバに塞がれているため、FF車両に適用可能とされている。
各ギヤ段での前記摩擦要素の結合(締結)の関係を、図11の結合表により説明する(変速制御手段)。尚、表中の○印は締結、空欄は解放を表している。
まず、前進時について説明する。1速は、第1摩擦要素Aと第2摩擦要素Bの締結により達成する。2速は、第1摩擦要素Aと第3摩擦要素Cの締結により達成する。3速は、第1摩擦要素Aと第4摩擦要素Dの締結により達成する。4速は、第1摩擦要素Aと第5摩擦要素Eの締結により達成する。5速は、第4摩擦要素Dと第5摩擦要素Eの締結により達成する。6速は、第2摩擦要素Bと第5摩擦要素Eの締結により達成する。7速は、第3摩擦要素Cと第5摩擦要素Eの締結により達成する。後退速は、第3摩擦要素Cと第4摩擦要素Dの締結により達成する。
次に、図11により実施例3での減速比の具体例を説明する。ここで、第1遊星歯車組PG1の歯数比ρ1=ZS1/ZR1=0.45、第2遊星歯車組PG2の歯数比ρ2=ZS2/ZR2=0.45、第3遊星歯車組PG3の歯数比ρ3=ZS3/ZR3=0.55とする事例により説明する。尚、ZS1,ZS2,ZS3,ZR1,ZR2,ZR3は各ギヤの歯数を表す。
前進1速の減速比i1は、
i1=(1+ρ1)(1+ρ2)/ρ1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進1速の減速比i1は、i1=4.672,減速比の逆数は0.214となる。
前進2速の減速比i2は、
i2=(ρ2+ρ3(1+ρ1)(1+ρ2))/(ρ2(1+ρ3))
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進2速の減速比i2は、i2=2.303,減速比の逆数は0.434となる。
前進3速の減速比i3は、
i3=1+ρ1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進3速の減速比i3は、i3=1.450,減速比の逆数は0.690となる。
前進4速の減速比i4は、
i4=(1+ρ3+ρ1ρ3)/(1+ρ3)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進4速の減速比i4は、i4=1.160,減速比の逆数は0.862となる。
前進5速の減速比i5は、
i5=1.0
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入するまでもなく、
前進5速の減速比i5は、i5=1.000,減速比の逆数は1.000となる。
前進6速の減速比i6は、
i6=(1+ρ2)/(1+ρ2+ρ3)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進6速の減速比i6は、i6=0.725,減速比の逆数は1.379となる。
前進7速の減速比i7は、
i7=1/(1+ρ3)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進7速の減速比i7は、i7=0.645,減速比の逆数は1.550となる。
後退速の減速比iRは、
iR=−ρ2/(ρ2−ρ3)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
後退速の減速比iRは、iR=-4.500,減速比の逆数は-0.222となる。
次に、図12により実施例3での減速比の特性について説明する。図12は実施例3の自動変速機によって得られる各変速段相互の関係を示す表である。すなわち、段間比は、V1000(各変速段における車速守備範囲に匹敵)が等差級数にどれだけ近いかで評価するのが適正であると考える。つまり、V1000が等差級数的に配分されていれば、各変速段の車速の守備範囲が等しくなり、特にアップシフトがリズミカルな変速になるとともに、登降坂路での変速比の選定にも苦労しない、ドライバビリティに優れた自動変速機とすることができるからである。
そこで、V1000が等差級数からどれだけ乖離しているかを定量的に判断するには、最高変速段の減速比の逆数を1として各変速段の減速比の逆数を正規化しておき、それらの値が等差級数からどれだけ乖離しているかを定量的に求めればよいことになる。実施例3の自動変速機では、標準偏差が0.051となり、極めて小さいことがわかる。
〔実施例3の効果〕
・スケルトン全体による効果
実施例3では、単純遊星3組と5つの摩擦要素という単純で少ない構成要素でありながら、適正な減速比を確保可能な前進7速後退1速の自動変速機を実現することができる。
・単純遊星3組を使用することによる効果
単純遊星3組で構成することにより、ダブルピニオンを使う場合に比べて、伝達効率やギヤノイズが改善されると共に、ピニオンを小径とする必要がないため、ギヤの耐久性が向上する。
・歯数比に基づく効果
各遊星歯車組の歯数比ρ1,ρ2,ρ3が何れも中間地0.5に近い。よって、三つの歯数比を自由に設定できる範囲が広く、減速比の自由度を高くすることができる。
・前進のレーシオカバレッジに基づく効果
前進のレーシオカバレッジ(ギヤ比幅)とは、最低段の減速比/最高段の減速比をいい、この値は、大きい値であるほど、発進加速性と高速巡航での燃費との両立性に優れ、かつ各前進段でのギヤ比設定自由度が高くなるということができる。実施例3での具体的な数値は、前進1速の減速比が4.672で、前進7速の減速比が0.645であるため、1−7速レーシオカバレッジは7.24となり、十分なレーシオカバレッジを確保できる。よって、例えば、動力源としてエンジン回転数幅がガソリンエンジンよりも狭く、同排気量で比較した場合にトルクが大きいディーゼルエンジンを動力源として搭載した車両の変速機としても有用である。
また、レーシオカバレッジの割に、低速側のギヤ比が大きいと、ファイナルギヤへ伝達するトルクが大きくなる。このため、自動変速機やプロペラシャフトの強度が必要となり、車両全体が大型化する。つまり、同一のレーシオカバレッジであるならば、最低速変速比はそれほど大きくない方が好ましい。先行技術のUSP 6648791のFig.23の自動変速機は、最高変速段のギヤ比が1であるので、レーシオカバレッジを大きくしようとすると最低変速段のギヤ比を大きくしなければならず、自動変速機やプロペラシャフトが大型化する。一方、実施例3の自動変速機は、最低変速段のギヤ比をそれほど大きくすることなく、十分なレーシオカバレッジを確保することができる。
・1−Rレシオに基づく効果
1−Rレシオが1に近い値、具体的には0.963となるため、前進時と後退時とでアクセルペダルの踏み加減に対する車両の加速感が大きく異なることもなく、運転性が悪化するという問題を回避することができる。
・V1000に対応する標準偏差に基づく効果
標準偏差が極めて小さい値、具体的には0.051となるため、各変速段の車速の守備範囲が等しくなり、特にアップシフトがリズミカルな変速になるとともに、登降坂路での減速比の選定にも苦労しないドライバビリティに優れた自動変速機を提供することができる。
・変速時における摩擦要素の切換え数に基づく効果
(i)変速時において、仮に、一つ以上の摩擦要素を解放し二つ以上の摩擦要素を締結する、もしくは、二つ以上の摩擦要素を解放し一つ以上の摩擦要素を締結すると、摩擦要素の締結・解放のタイミングやトルクの制御が複雑となる。そこで、変速制御の複雑化を回避する観点から、一つの摩擦要素を解放し、他の一つの摩擦要素を締結するのが好ましいとされる。いわゆる二重掛け替えの防止である。実施例3においては、前進1速から前進4速までは第1摩擦要素Aが締結したままの状態で変速が進行し、前進4速から前進7速までは第5摩擦要素Eが締結したままの状態で変速が進行する。すなわち、前進1速から前進7速までの隣接するギヤ段への変速は、全て一つの摩擦要素を解放し、他の一つの摩擦要素を締結する掛け替え変速により達成できる。よって、変速時における制御の複雑化を回避できる。
(ii)上記(i)に示すように、隣接するギヤ段への変速は、全て一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結する架け替え変速により達成でき、更に、例えば前進1速から前進3速のような1段飛び変速であっても、同様に全て一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結する架け替え変速により達成できる。よって、制御性を向上させることができる。
・レイアウトに基づく効果
(i)実施例3の自動変速機は、図10のスケルトン図に示すように、3組の遊星歯車の外径側に連結部材が3層とならない。これにより、潤滑油が滞留しにくくなり、フリクションを低減することで燃費を向上することができる。
(ii)3組の遊星歯車の内径側を通る部材が1軸構造となっている。よって、特許文献2に比べてサンギヤの寸法が規制されることがなく、遊星歯車の歯数比の自由度が大きいため設計自由度を向上できる。
・摩擦要素数の観点に基づく効果
実施例3での摩擦要素数は、第1摩擦要素Aがブレーキとされている。すなわち、ブレーキを備えたことで、クラッチ数が多い場合に比べ、回転用シールリング数や遠心キャンセル機構の増加を抑制することが可能となり、燃費を向上しつつ、部品点数や軸方向寸法の増加を抑制することができる。
まず、構成を説明する。
図13は実施例4の有段式の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図、図14は実施例4の自動変速機における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。
実施例4の自動変速機は、図13に示すように、ギヤトレーンとして、シングルピニオン型の3組の遊星歯車組である第1遊星歯車組PG1,第2遊星歯車組PG2及び第3遊星歯車組PG3を備えている。第1遊星歯車組PG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1に噛み合う第1ピニオンP1と、を有する。第2遊星歯車組PG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2に噛み合う第2ピニオンP2と、を有する。第3遊星歯車組PG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3に噛み合う第3ピニオンP3と、を有する。第1,第2及び第3ピニオンP1,P2,P3は、それぞれ第1,第2及び第3キャリヤPC1,PC2,PC3に対して回転可能に支持されている。
入力軸INは第1キャリヤPC1と常時連結されている。第2キャリヤPC2と第3リングギヤR3は常時連結されて第1回転メンバM1を構成している。第2リングギヤR2と第3キャリヤPC3は常時連結されて第2回転メンバM2を構成している。出力軸OUTは第1サンギヤS1に常時連結されている。第3サンギヤS3は変速機ケース1に対して常時係止されている。
自動変速機には、5つのクラッチである第1〜第5摩擦要素A,B,C,D,Eが設けられている。第1摩擦要素Aは、第1サンギヤS1と第3キャリヤPC3との間に設けられ、第1サンギヤS1と第3キャリヤPC3とを選択的に連結する。第2摩擦要素Bは、第1キャリヤPC1と第2サンギヤS2との間に設けられ、第1キャリヤPC1と第2サンギヤS2とを選択的に連結する。第3摩擦要素Cは、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2との間に設けられ、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とを選択的に連結する。第4摩擦要素Dは、第1キャリヤPC1と第1回転メンバM1との間に設けられ、第1キャリヤPC1と第1回転メンバM1とを選択的に連結する。第5摩擦要素Eは、第1リングギヤR1と第2回転メンバM2との間に設けられ、第1リングギヤR1と第2回転メンバM2とを選択的に連結する。
出力軸OUTには、出力ギヤ等が設けられ、図外のディファレンシャルギヤやドライブシャフトを介して駆動輪へ回転駆動力が伝達される。実施例4の場合、出力軸OUTは他のメンバ等に塞がれていないためFF車両とFR車両の両方に適用可能とされている。
各ギヤ段での前記摩擦要素の結合(締結)の関係を、図14の結合表により説明する(変速制御手段)。尚、表中の○印は締結、空欄は解放を表している。
まず、前進時について説明する。1速は、第1摩擦要素Aと第2摩擦要素Bの締結により達成する。2速は、第1摩擦要素Aと第3摩擦要素Cの締結により達成する。3速は、第1摩擦要素Aと第4摩擦要素Dの締結により達成する。4速は、第1摩擦要素Aと第5摩擦要素Eの締結により達成する。5速は、第4摩擦要素Dと第5摩擦要素Eの締結により達成する。6速は、第2摩擦要素Bと第5摩擦要素Eの締結により達成する。7速は、第3摩擦要素Cと第5摩擦要素Eの締結により達成する。後退速は、第3摩擦要素Cと第4摩擦要素Dの締結により達成する。
次に、図14により実施例4での減速比の具体例を説明する。ここで、第1遊星歯車組PG1の歯数比ρ1=ZS1/ZR1=0.60、第2遊星歯車組PG2の歯数比ρ2=ZS2/ZR2=0.40、第3遊星歯車組PG3の歯数比ρ3=ZS3/ZR3=0.50とする事例により説明する。尚、ZS1,ZS2,ZS3,ZR1,ZR2,ZR3は各ギヤの歯数を表す。
前進1速の減速比i1は、
i1=1+ρ3+ρ3/ρ2
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進1速の減速比i1は、i1=2.750,減速比の逆数は0.371となる。
前進2速の減速比i2は、
i2=1+ρ3(1+ρ2)/(ρ2(1+ρ1))
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進2速の減速比i2は、i2=2.094,減速比の逆数は0.478となる。
前進3速の減速比i3は、
i3=1+ρ3
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進3速の減速比i3は、i3=1.500,減速比の逆数は0.667となる。
前進4速の減速比i4は、
i4=1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入するまでもなく、
前進4速の減速比i4は、i4=1.000,減速比の逆数は1.000となる。
前進5速の減速比i5は、
i5=ρ1(1+ρ3)/(ρ1+ρ3+ρ1ρ3)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進5速の減速比i5は、i5=0.643,減速比の逆数は1.555となる。
前進6速の減速比i6は、
i6=ρ1(ρ2+ρ3+ρ2ρ3)/(ρ1ρ2+ρ3(1+ρ1)(1+ρ2))
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進6速の減速比i6は、i6=0.485,減速比の逆数は2.062となる。
前進7速の減速比i7は、
i7=ρ1/(1+ρ1)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進7速の減速比i7は、i7=0.375,減速比の逆数は2.667となる。
後退速の減速比iRは、
iR=ρ1ρ2(1+ρ3)/(ρ1ρ2+ρ1ρ2ρ3−ρ3)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
後退速の減速比iRは、iR=-2.571,減速比の逆数は-0.389となる。
〔実施例4の効果〕
・スケルトン全体による効果
実施例4では、単純遊星3組と5つの摩擦要素という単純で少ない構成要素でありながら、適正な減速比を確保可能な前進7速後退1速の自動変速機を実現することができる。
・単純遊星3組を使用することによる効果
単純遊星3組で構成することにより、ダブルピニオンを使う場合に比べて、伝達効率やギヤノイズが改善されると共に、ピニオンを小径とする必要がないため、ギヤの耐久性が向上する。
・歯数比に基づく効果
各遊星歯車組の歯数比ρ1,ρ2,ρ3が何れも中間地0.5に近い。よって、三つの歯数比を自由に設定できる範囲が広く、減速比の自由度を高くすることができる。
・前進のレーシオカバレッジに基づく効果
前進のレーシオカバレッジ(ギヤ比幅)とは、最低段の減速比/最高段の減速比をいい、この値は、大きい値であるほど、発進加速性と高速巡航での燃費との両立性に優れ、かつ各前進段でのギヤ比設定自由度が高くなるということができる。実施例4での具体的な数値は、前進1速の減速比が2.750で、前進7速の減速比が0.375であるため、1−7速レーシオカバレッジは7.33となり、十分なレーシオカバレッジを確保できる。よって、例えば、動力源としてエンジン回転数幅がガソリンエンジンよりも狭く、同排気量で比較した場合にトルクが大きいディーゼルエンジンを動力源として搭載した車両の変速機としても有用である。
また、レーシオカバレッジの割に、低速側のギヤ比が大きいと、ファイナルギヤへ伝達するトルクが大きくなる。このため、自動変速機やプロペラシャフトの強度が必要となり、車両全体が大型化する。つまり、同一のレーシオカバレッジであるならば、最低速変速比はそれほど大きくない方が好ましい。先行技術のUSP 6648791のFig.23の自動変速機は、最高変速段のギヤ比が1であるので、レーシオカバレッジを大きくしようとすると最低変速段のギヤ比を大きくしなければならず、自動変速機やプロペラシャフトが大型化する。一方、実施例4の自動変速機は、最低変速段のギヤ比をそれほど大きくすることなく、十分なレーシオカバレッジを確保することができる。
・1−Rレシオに基づく効果
1−Rレシオが1に近い値、具体的には0.935となるため、前進時と後退時とでアクセルペダルの踏み加減に対する車両の加速感が大きく異なることもなく、運転性が悪化するという問題を回避することができる。
・変速時における摩擦要素の切換え数に基づく効果
(i)変速時において、仮に、一つ以上の摩擦要素を解放し二つ以上の摩擦要素を締結する、もしくは、二つ以上の摩擦要素を解放し一つ以上の摩擦要素を締結すると、摩擦要素の締結・解放のタイミングやトルクの制御が複雑となる。そこで、変速制御の複雑化を回避する観点から、一つの摩擦要素を解放し、他の一つの摩擦要素を締結するのが好ましいとされる。いわゆる二重掛け替えの防止である。実施例4においては、前進1速から前進4速までは第1摩擦要素Aが締結したままの状態で変速し、前進4速から前進7速までは第5摩擦要素Eが締結したままの状態で変速する。すなわち、前進1速から前進7速までの隣接するギヤ段への変速は、全て一つの摩擦要素を解放し、他の一つの摩擦要素を締結する掛け替え変速により達成できる。よって、変速時における制御の複雑化を回避できる。
(ii)上記(i)に示すように、隣接するギヤ段への変速は、全て一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結する架け替え変速により達成でき、更に、例えば前進1速から前進3速のような1段飛び変速であっても、同様に全て一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結する架け替え変速により達成できる。よって、制御性を向上させることができる。
・レイアウトに基づく効果
(i)実施例4の自動変速機は、図13のスケルトン図に示すように、3組の遊星歯車の外径側に連結部材が3層とならない。これにより、潤滑油が滞留しにくくなり、フリクションを低減することで燃費が向上する。
(ii)また、図13のスケルトン図に示すように、遊星歯車組の外周側を通る回転メンバは、一層構造である。自動変速機は冷却や潤滑を目的として、各回転要素であるギヤやベアリング等に潤滑油を常に供給している。また、この潤滑は一般に軸心側から遠心力により供給される。このとき、外周側において潤滑油の排出性が悪化すると、油温が上昇し、摩擦要素や図示しない軸受け部材などの耐久性が低下する。実施例4では、上述したように、遊星歯車組の外周側を通る回転メンバは一層構造であるため、潤滑油の排出性が悪化することがなく、油温上昇が抑制されて、耐久性が向上する。
(iii)実施例4の自動変速機は、遊星歯車組の一方側から入力し、他方側から出力することが可能な自動変速機であるため、前輪駆動車及び後輪駆動車のどちらの車両にも適用でき、自動変速機の適用範囲を広くすることができる。
実施例1の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例1の自動変速機における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。 実施例1の段間差を示す図である。 実施例1の変形例1−1の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例1の変形例1−2の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例2の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例2の自動変速機における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。 実施例2の段間差を示す図である。 実施例2の変形例2−1の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例3の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例3の自動変速機における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。 実施例3の段間差を示す図である。 実施例4の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例4の自動変速機における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。
符号の説明
1 変速機ケース
PG1 第1遊星歯車組
S1 第1サンギヤ
R1 第1リングギヤ
P1 第1ピニオン
PC1 第1キャリヤ
PG2 第2遊星歯車組
S2 第2サンギヤ
R2 第2リングギヤ
P2 第2ピニオン
PC2 第2キャリヤ
PG3 第3遊星歯車組
S3 第3サンギヤ
R3 第3リングギヤ
P3 第3ピニオン
PC3 第3キャリヤ
IN 入力軸
OUT 出力軸
A 第1摩擦要素
B 第2摩擦要素
C 第3摩擦要素
D 第4摩擦要素
E 第5摩擦要素

Claims (6)

  1. 第1のサンギヤと、該第1のサンギヤに噛み合う第1のピニオンを支持する第1のキャリヤと、該第1のピニオンに噛み合う第1のリングギヤとからなる第1の遊星歯車と、
    第2のサンギヤと、該第2のサンギヤに噛み合う第2のピニオンを支持する第2のキャリヤと、該第2のピニオンに噛み合う第2のリングギヤとからなる第2の遊星歯車と、
    第3のサンギヤと、該第3のサンギヤに噛み合う第3のピニオンを支持する第3のキャリヤと、該第3のピニオンに噛み合う第3のリングギヤとからなる第3の遊星歯車と、
    5つの摩擦要素と、
    を備え、
    前記5つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進7速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、
    前記第1のリングギヤは常時係止されており、
    前記入力軸は前記第2のキャリヤに常時連結しており、
    前記第2のリングギヤと前記第3のキャリヤとは連結して回転メンバを構成しており、
    前記出力軸は前記回転メンバに常時連結しており、
    前記5つの摩擦要素は、
    前記第1のキャリヤと前記第3のリングギヤとの間を選択的に連結する第1の摩擦要素と、
    前記第1のサンギヤと前記第2のキャリヤとの間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、
    前記第1のサンギヤと前記第2のサンギヤとの間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、
    前記第1のキャリヤと前記第2のキャリヤとの間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、
    前記第1のキャリヤと前記第2のサンギヤとの間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、
    から構成され、
    前記5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成することを特徴とする自動変速機。
  2. 第1のサンギヤと、該第1のサンギヤに噛み合う第1のピニオンを支持する第1のキャリヤと、該第1のピニオンに噛み合う第1のリングギヤとからなる第1の遊星歯車と、
    第2のサンギヤと、該第2のサンギヤに噛み合う第2のピニオンを支持する第2のキャリヤと、該第2のピニオンに噛み合う第2のリングギヤとからなる第2の遊星歯車と、
    第3のサンギヤと、該第3のサンギヤに噛み合う第3のピニオンを支持する第3のキャリヤと、該第3のピニオンに噛み合う第3のリングギヤとからなる第3の遊星歯車と、
    5つの摩擦要素と、
    を備え、
    前記5つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進7速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、
    前記第1のリングギヤは常時係止されており、
    前記第2のサンギヤは常時係止されており、
    前記入力軸は前記第3のキャリヤに常時連結しており、
    前記出力軸は前記第3のリングギヤに常時連結しており、
    前記第1のキャリヤと前記第2のリングギヤとは連結して回転メンバを構成しており、
    前記5つの摩擦要素は、
    前記第2のキャリヤと前記第3のリングギヤとの間を選択的に連結する第1の摩擦要素と、
    前記第1のサンギヤと前記第3のキャリヤとの間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、
    前記第1のサンギヤと前記第3のサンギヤとの間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、
    前記回転メンバと前記第3のキャリヤとの間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、
    前記回転メンバと前記第3のサンギヤとの間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、
    から構成され、
    前記5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成することを特徴とする自動変速機。
  3. 第1のサンギヤと、該第1のサンギヤに噛み合う第1のピニオンを支持する第1のキャリヤと、該第1のピニオンに噛み合う第1のリングギヤとからなる第1の遊星歯車と、
    第2のサンギヤと、該第2のサンギヤに噛み合う第2のピニオンを支持する第2のキャリヤと、該第2のピニオンに噛み合う第2のリングギヤとからなる第2の遊星歯車と、
    第3のサンギヤと、該第3のサンギヤに噛み合う第3のピニオンを支持する第3のキャリヤと、該第3のピニオンに噛み合う第3のリングギヤとからなる第3の遊星歯車と、
    5つの摩擦要素と、
    を備え、
    前記5つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進7速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、
    前記第2のリングギヤは常時係止されており、
    前記第1のキャリヤと前記第3のリングギヤとは連結して第1回転メンバを構成しており、
    前記第1のリングギヤと前記第2のキャリヤとは連結して第2回転メンバを構成しており、
    前記入力軸は前記第3のキャリヤに常時連結しており、
    前記出力軸は前記第1回転メンバに常時連結しており、
    前記5つの摩擦要素は、
    前記第1のサンギヤの回転を係止可能な第1の摩擦要素と、
    前記第3のサンギヤと前記第3のキャリヤとの間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、
    前記第2のサンギヤと前記第3のサンギヤとの間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、
    前記第2回転メンバと前記第3のキャリヤとの間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、
    前記第2回転メンバと前記第3のサンギヤとの間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、
    から構成され、
    前記5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成することを特徴とする自動変速機。
  4. 第1のサンギヤと、該第1のサンギヤに噛み合う第1のピニオンを支持する第1のキャリヤと、該第1のピニオンに噛み合う第1のリングギヤとからなる第1の遊星歯車と、
    第2のサンギヤと、該第2のサンギヤに噛み合う第2のピニオンを支持する第2のキャリヤと、該第2のピニオンに噛み合う第2のリングギヤとからなる第2の遊星歯車と、
    第3のサンギヤと、該第3のサンギヤに噛み合う第3のピニオンを支持する第3のキャリヤと、該第3のピニオンに噛み合う第3のリングギヤとからなる第3の遊星歯車と、
    5つの摩擦要素と、
    を備え、
    前記5つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進7速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、
    前記第3のサンギヤは常時係止されており、
    前記第2のキャリヤと前記第3のリングギヤとは連結して第1回転メンバを構成しており、
    前記第2のリングギヤと前記第3のキャリヤとは連結して第2回転メンバを構成しており、
    前記入力軸は前記第1のキャリヤに常時連結しており、
    前記出力軸は前記第1のサンギヤに常時連結しており、
    前記5つの摩擦要素は、
    前記第1のサンギヤと前記第2回転メンバとの間を選択的に連結する第1の摩擦要素と、
    前記第1のキャリヤと前記第2のサンギヤとの間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、
    前記第1のリングギヤと前記第2のサンギヤとの間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、
    前記第1のキャリヤと前記第1回転メンバとの間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、
    前記第1のリングギヤと前記第2回転メンバとの間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、
    から構成され、
    前記5つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進7速及び後退1速を達成することを特徴とする自動変速機。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の自動変速機において、
    前記前進7速を達成する前記第1〜第5の摩擦要素のうちの2つの同時締結の組み合わせは、前記第1の摩擦要素と前記第2の摩擦要素の同時締結、前記第1の摩擦要素と前記第3の摩擦要素の同時締結、前記第1の摩擦要素と前記第4の摩擦要素の同時締結、前記第1の摩擦要素と前記第5の摩擦要素の同時締結、前記第4の摩擦要素と前記第5の摩擦要素の同時締結、前記第2の摩擦要素と前記第5の摩擦要素の同時締結、前記第3の摩擦要素と前記第5の摩擦要素の同時締結の7つの組み合わせであることを特徴とする自動変速機。
  6. 請求項5に記載の自動変速機において、
    前記後退1速を達成する前記第1〜第5の摩擦要素のうちの2つの同時締結は、前記第3の摩擦要素と前記第4の摩擦要素の同時締結であることを特徴とする自動変速機。
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