JP2009133083A - コンクリートのひび割れ進展抑制工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】拘束体となる床版2に接する部分に、短繊維混入コンクリートを打設することによって短繊維混入コンクリート部4を施工し、次に、短繊維混入コンクリートが硬化しないうちに、短繊維混入コンクリート部4上に通常のコンクリートを連続して打設することによってコンクリート壁本体5を施工することによって、短繊維混入コンクリート部に発生するひび割れの幅を小さく抑制できるとともに、このひび割れがコンクリート壁本体に進展するのを抑制できる。そして、短繊維コンクリートは拘束体となる床版2に接する部分に打設するだけであり、その次に連続して通常のコンクリートを打設するので、施工手間の増加とコストの増加を抑えることができる。
【選択図】図1
Description
コンクリート構造物において、ひび割れは、構造物の美観を損ねること、コンクリート内に配置した鉄筋の腐食を促進すること、構造性能が低下することなどの影響があり、発生した場合には、その幅に応じて補修が必要となる。
そこで、コンクリートのひび割れを抑制するために、従来から材料面(例えば特許文献1参照)や施工面(例えば特許文献2、3参照)から抑制方法が検討されている。
まず、前記床版に接する部分に短繊維混入コンクリートを打設することによって短繊維混入コンクリート部を施工し、
次に、前記短繊維混入コンクリートが硬化しないうちに、前記短繊維混入コンクリート部上に通常のコンクリートを連続して打設することによってコンクリート壁本体を施工することを特徴とする。
また、前記コンクリート製の床版やコンクリート製の壁は、コンクリートのみで構成されたもの、鉄筋コンクリートで構成されたもの、鉄骨コンクリートで構成されたもの、鉄骨・鉄筋コンクリートで構成されたもの等を含むものである。
さらに、前記短繊維混入コンクリート中の短繊維の種類は、合成繊維や鋼繊維などであり、短繊維の体積混入率は0.5%程度とするのが望ましい。
特に、前記床版がトンネルのインバート部であり、前記コンクリート壁本体がトンネルのアーチ部である場合、トンネル覆工のコンクリートでは、アーチ部は鉄筋が配置されない場合が多く、アーチ部の効果的なひび割れ対策がないため、その抑制に有効である。
そして、短繊維コンクリートは拘束体となる床版に接する部分に打設するだけであり、その次に連続して通常のコンクリートを打設するので、施工手間の増加とコストの増加を抑えることができる。
図1は本発明に係るひび割れ進展抑制工法を説明する要部の斜視図である。この図に示すコンクリート構造物1は鉄筋コンクリート製のものであるが、図において鉄筋は省略してある。
コンクリート構造物1は、鉄筋コンクリート製の床版2と、この床版2の端部に立設された鉄筋コンクリート製の壁3とを備えている。壁3は床版2の端部に短繊維混入コンクリートを打設することにより施工された短繊維混入コンクリート部4と、この短繊維混入コンクリート部4上に通常のコンクリートを連続して打設することによって施工されたコンクリート壁本体5とによって構成されている。
次に、床版2を施工してから数日後に、床版2の端部に接する部分に、短繊維混入コンクリートを打設することによって短繊維混入コンクリート部4を施工する。
この場合、前記壁3用の型枠を設置するとともに、この型枠内に鉄筋を配置したうえで、短繊維混入コンクリートを所定の厚さになるまで打設することによって、短繊維混入コンクリート部4を施工する。なお、鉄筋は次に施工されるコンクリート壁本体5の高さまで配置する。
この場合、前記前記壁3用の型枠内に通常のコンクリートを打設するとともに、バイブレータを使用して通常の締固め作業を行うことによって、前記繊維混入コンクリートと通常のコンクリートとを締め固めて一体性を確保する。
つまり、図3に示すように、コンクリートは、引張応力が引張強度に達すると、ひび割れが発生し、σt点から応力が低下する。通常のコンクリートでは、ひび割れの幅の増加が小さい段階で応力が急激に低下する。これに対して、短繊維混入コンクリートでは、ひび割れがある程度増加しても、応力を保持し続けることができる。したがって、コンクリート部4に発生するひび割れKの幅が抑制されるとともにひび割れKの進展が抑制される。
そして、短繊維コンクリートは拘束体となる床版2に接する部分に打設するだけであり、その次に連続して通常のコンクリートを打設するので、施工手間の増加とコストの増加を抑えることができる。
例えば、図4に示すように、トンネル覆工部にも適用できる。
すなわちまず、トンネルのインバート部12を施工した後、このインバート部12の両側端部に接する部分に、短繊維混入コンクリートを打設して短繊維混入コンクリート部14,14を施工する。
次に、前記短繊維混入コンクリートが硬化しないうちに、前記短繊維混入コンクリート部14,14上に通常のコンクリートを連続して打設することによってアーチ部15を施工する。
そして、短繊維コンクリートは拘束体となるインバート部12に接する部分に打設するだけであり、その次に連続して通常のコンクリートを打設するので、施工手間の増加とコストの増加を抑えることができる。
2 床版
3 壁
4 短繊維混入コンクリート部
5 コンクリート壁本体
12 インバート部
14 短繊維混入コンクリート部
15 アーチ部
Claims (2)
- コンクリート製の床版とコンクリート製の壁とを備えたコンクリート構造物のコンクリートのひび割れ進展抑制工法であって、
まず、前記床版に接する部分に短繊維混入コンクリートを打設することによって短繊維混入コンクリート部を施工し、
次に、前記短繊維混入コンクリートが硬化しないうちに、前記短繊維混入コンクリート部上に通常のコンクリートを連続して打設することによってコンクリート壁本体を施工することを特徴とするコンクリートのひび割れ進展抑制工法。 - 前記床版がトンネルのインバート部であり、前記コンクリート壁本体がトンネルのアーチ部であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートのひび割れ進展抑制工法。
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