JP2005336723A - 橋梁の連続合成桁 - Google Patents

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Abstract

【課題】橋梁の合成桁架設工事において、従来のプレストレス工法やジャッキアップ工法では、ジャッキ操作を行う分作業工程が増加する。連続合成桁の支間長が長いほどジャッキアップダウンの上昇下降量が4〜5mの規模まで大きくなるので操作する手間や時間がかかり、合理性、経済性の面で好ましくない。
【解決手段】ゴムラテックス混入コンクリートは、鉄筋に対する引張付着強度が強く、高い引張応力レベルまで鉄筋とゴムラテックス混入コンクリートの付着が切れず、コンクリート床版のうち少なくとも中間支点の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版部分をゴムラテックス混入コンクリートで構成することによりコンクリート床版のひび割れを抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、橋梁の連続合成桁に関し、特に、連続合成桁のコンクリート床版のうち少なくとも中間支点の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版部分をゴムラテックスを混入したゴムラテックス混入コンクリートで構成したことに関するものである。
従来からコンクリート構造物は、部材の曲げ、引っ張り、乾燥収縮、温度変化など様々な要因からコンクリート部分に作用する引張応力によるひび割れが問題とされてきた。
長大吊橋や斜張橋に適用される多径間連続合成桁形式の橋梁でも、コンクリート自体の自重や交通荷重等の活荷重を鋼桁およびコンクリート床版の両方で支える連続合成桁の中間支点付近において、前記活荷重が作用して生じる引張応力によりコンクリート床版部分で橋軸方向に沿って負の曲げモーメント(路面側が引っ張りとなる曲げモーメント)が発生し、それによりコンクリート部にひび割れが生じ易い等の問題が指摘されてきた。
その対策として提案されたプレストレス工法やジャッキアップ工法は、前記床版部分に予め圧縮応力を付加して、活荷重によって生じる引張応力との相反する応力同士を相殺させて、床版のコンクリート部のひび割れを抑制する技術として導入された。
具体的に、プレストレス工法とは、橋梁の合成桁工事において、所定の位置に鋼桁を架設し、型枠組立を行って、コンクリート打設前又は打設後、橋軸方向にPC鋼材を挿入し、ジャッキや油圧ポンプで前記PC鋼材を強制的に緊張させてコンクリートに軸圧縮力を付加する工法である。また、ジャッキアップ工法とは、架設した鋼桁の中間支点の部位のみを所定高さジャッキアップし、その上にコンクリートを打設し、コンクリート硬化後にジャッキダウンを行って床版に軸圧縮力を発生させる工法である。
最近では、コンクリート打設後の乾燥収縮や自己収縮によるひび割れを低減する目的で使用される石灰系の膨張材を混入したコンクリートを、橋梁の連続合成桁の中間支点付近の負の曲げモーメントが発生する床版の部分に適用する技術が開示されている。
特許文献1では、橋梁の連続合成桁の中間支点部付近のコンクリート床版のうち負の曲げモーメントが発生する範囲に対して膨張コンクリートを打設してコンクリート硬化時におけるコンクリートの膨張が鉄筋で拘束されることで発生するケミカルプレストレスと、前記範囲に対し鋼桁の支点をジャッキアップ/ジャッキダウン操作して発生させるプレストレスとを組み合わせる工法が記載されている。
具体的には、膨張コンクリートを打設する前に鋼桁をジャッキアップ操作により持ち上げ、膨張コンクリートを鋼桁上に打設した後にジャッキダウンを行う。これによって膨張コンクリートによるケミカルプレストレスにジャッキアップ/ジャッキダウン操作によるプレストレスが追加される。そのため、膨張コンクリートの打設によるケミカルプレストレスとジャッキ操作によるプレストレスとの組合せによって、コンクリートに強力な圧縮応力を付加した状態にし、これにより、コンクリートに付与するプレストレスの効果を向上させてひび割れを抑制することができる。
一方、ポリマーを混入したモルタルでコンクリート構造物のひび割れ部位の補修を行なう技術も実用化されている。
特許文献2では、構造物の主体である鋼板とコンクリートとの接合工法において、鋼板の上面にゴムラテックスを混入したモルタルをコーティングしてコンクリートと鋼板との接着性を高める接合技術が開示されている。これによって、鋼板とコンクリートとの界面に生じる空隙をなくし、水や塩化物の侵入による鋼板面の錆の発生や腐蝕に起因して生じるひび割れを防止してコンクリート構造物の長寿命化を図っている。
特開2002−4219号公報 特開2003−321871号公報
しかし、特許文献1のプレストレス工法および従来のプレストレス工法やジャッキアップ工法では、ジャッキアップ/ジャッキダウン操作を行う分作業工程が増加し、その操作を行う作業スペースも必要となり、工期も長くなり、工事費が高価になる。さらに、連続合成桁の支間が長いほどジャッキアップ/ジャッキダウンの上昇、下降量が4〜5mの規模まで大きくなるので労力と時間がかかる。
特許文献2の接合工法では、ゴムラテックスを混入したモルタルを建築材料やその他コンクリート構造物の補修材料として使用する実例は多いが、ゴムラテックスをコンクリートに直接混入した構造材料を橋梁のコンクリート床版に検討した事例はなく、上述したプレストレス工法やジャッキアップ工法もしくは前記工法とケミカルプレストレス工法とを組み合わせた工法によって橋梁のコンクリート床版のひび割れを抑制しているのが実情である。
本発明の目的は、橋梁の連続合成桁において、路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版部分をゴムラテックス混入コンクリートで構成すること、曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版部分にプレストレスを導入することなくひび割れを低減すること、ゴムラテックス混入コンクリートに、ゴムラテックスの他に膨張材やガラス繊維を混入してひび割れの発生原因を多面的に抑制すること、等である。
請求項1の橋梁の連続合成桁は、少なくとも1以上の中間支点を有し、活荷重を鋼桁およびコンクリート床版により橋軸方向全体に亙って支持する橋梁の連続合成桁において、前記コンクリート床版のうち少なくとも中間支点の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版部分を、ゴムラテックスを混入したゴムラテックス混入コンクリートで構成したことを特徴とするものである。
ゴムラテックス混入コンクリートは、橋梁の連続合成桁のコンクリート床版に適用される。ここで、橋梁の連続合成桁とは、少なくとも1以上の中間支点を有し、活荷重を鋼桁およびコンクリート床版により橋軸方向全体に亙って支持するものである。
前記ゴムラテックス混入コンクリートは、通常のコンクリートにスチレンブタジエンを主原料する液体状のゴムラテックスが混入されたコンクリートである。そして、このゴムラテックス混入コンクリートが、前記コンクリート床版のうち少なくとも中間支点の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲に打設される。
そうすると、交通荷重等の活荷重によって路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する場合でも、変形追従性を増進させるゴム効果によって、鉄筋とコンクリートとの付着力が強化され、コンクリートの歪みがコンクリート内の鉄筋で抑制されるので、鉄筋とコンクリートとの付着が切れることがなく、曲げモーメントが作用する範囲においても、コンクリートにひび割れが発生しにくくなる。
請求項2の橋梁の連続合成桁は、請求項1の発明において、前記ゴムラテックス混入コンクリートにおけるセメント重量に対するゴムラテックスの重量比率は5〜25%であることを特徴とするものである。ポリマーセメント比から算出したセメント重量に対するゴムラテックスの重量比率が5〜25%の範囲で配合されたゴムラテックス混入コンクリートでは、コンクリート内に埋設された鉄筋との引張付着強度が普通コンクリートよりも強く、高い応力レベルまで鉄筋とコンクリートとの一体性が維持され、コンクリートにひび割れが発生しにくくなる。
請求項3の橋梁の連続合成桁は、請求項1又は2の発明において、前記ゴムラテックス混入コンクリートには、ゴムラテックスの他に、ガラス繊維を混入したことを特徴とするものである。ガラス繊維を混入させたコンクリートでは、コンクリート硬化前に発生する初期の微細なひび割れが抑制されるので、コンクリートの耐ひび割れ性が向上する。
請求項4の橋梁の連続合成桁は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記ゴムラテックス混入コンクリートには、ゴムラテックスの他に、膨張材を混入したことを特徴とするものである。膨張材を混入したコンクリートでは、コンクリート打設後、コンクリート硬化中に膨張材の成分に含まれるアルミニウムやマグネシムの粉末による化学反応等によってコンクリート中の微細空隙が緻密になるように体積膨張し、この体積膨張とコンクリート硬化前に発生する乾燥収縮とが相殺される。これによってコンクリートの乾燥収縮によるひび割れが低減する。
請求項1の橋梁の連続合成桁によれば、特に、コンクリート床版のうち少なくとも中間支点の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版部分をゴムラテックスを混入したゴムラテックス混入コンクリートで構成したので、ゴムが鉄筋に付着することでコンクリートと鉄筋との付着力が高まり、路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用しても鉄筋とコンクリートとが一体的に歪むようになるから、前記曲げモーメントが作用する範囲でひび割れが発生しにくくなる。
しかも、ひび割れ部分から侵入する水や塩化物に起因する鉄筋の錆や腐蝕を防止し、ゴム効果により耐水性、耐腐食性の向上が図られるので床版や鋼桁の長寿命化を図ることができる。さらに、コンクリートの打設時に、セメントにゴムラテックスを混入するだけでよいので、簡単に実施可能である。さらに、ゴムラテックス混入コンクリートでは、連続合成桁を施工する際に、ジャッキアップ/ジャッキダウン操作等によるプレストレスを導入する必要がないので、合理的で経済的な連続合成桁の設計、施工を行うことができる。
請求項2の橋梁の連続合成桁によれば、ゴムラテックス混入コンクリートにおけるセメント重量に対するゴムラテックスの重量比率を5〜25%の範囲で配合したので、普通コンクリートよりも鉄筋との引張付着強度が強く、高い応力レベルまで鉄筋とコンクリートとの付着が切れることがない。そのため、ゴムの効果により鉄筋応力が許容引張応力度σt =120N/mm2 に達してもコンクリートと鉄筋とが一体に歪むためコンクリートへのひび割れの発生を抑制することができる。これによって、常にコンクリート断面を連続合成桁の剛性・強度に有効に算入することができるため、経済的な設計が可能となる。
請求項3の橋梁の連続合成桁によれば、ゴムラテックス混入コンクリートには、ゴムラテッスクの他に、ガラス繊維を混入したので、コンクリートが硬化する前に発生する初期のひび割れ(クラック発生)の発生を最小限に抑制することができる。
請求項4の橋梁の連続合成桁によれば、ゴムラテックス混入コンクリートには、ゴムラテックスの他に、膨張材を混入したので、コンクリート打設後、コンクリート硬化中の温度変化、自己収縮や乾燥収縮に起因して発生するコンクリート硬化前のひび割れを防止できる。また、ゴムラテックス混入コンクリートでは、ゴムラテックスの他に、膨張材とガラス繊維とを混入させて、ひび割れを発生させる様々な要因に対して個々に作用する添加材を組合わせることによって、多面的なひび割れの発生を大幅に低減することができる。
本発明の橋梁の連続合成桁は、少なくとも1以上の中間支点を有し、活荷重を鋼桁およびコンクリート床版により橋軸方向全体に亙って支持し、コンクリート床版のうち少なくとも中間支点の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版部分を、ゴムラテックスを混入したゴムラテックス混入コンクリートで構成したものである。
以下、本発明の実施例1について図面を参照して説明する。
図1に示すように、この橋梁1は、6径間に亙って連続する連続合成桁(連続合成箱桁)を有する橋梁であり、この橋梁1の橋軸方向の長さは例えば420mであり、連続合成桁2の幅は例えば15mである。
この橋梁1の連続合成桁2は例えば5個の中間支点3を有し、図2、図3に示すように、この連続合成桁2は、橋軸方向全体に連続したボックス状の鋼桁4およびその上に構成された厚盤状のコンクリート床版5により構成されている。なお、コンクリート床版5の表面にはアスファルト舗装が施される。
図1に示すように、この橋梁1の両端には端部橋台3Aがあり、両端橋台3A間の部分は、5個の中間橋脚からなる5個の中間支点3で支持されている。
コンクリート床版5では、各中間支点3の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメント(負の曲げモーメント)が作用し、各支間(スパン)の中央側部分において路面側が圧縮となる曲げモーメント(正の曲げモーメント)が作用する。
前記各中間支点3の付近に発生する負の曲げモーメントは、支間(スパン)が大きくなる程また荷重が大きくなる程大きくなる。そこで、本実施例の橋梁1では、最大支間6(例えば、115m)の両側の中間支点3の付近に路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが非常に大きくなるので、最大支間部6の両側の中間支点3の付近の、路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版5部分(図4の2×Saの範囲)が、ゴムラテックスを混入したゴムラテックス混入コンクリートによって構成され、前記以外の範囲は普通コンクリートによって構成される。
図2に示すように、連続合成桁2は、鋼桁4とコンクリート床版5とが一体となった構造である。そのため、活荷重に対してコンクリート床版5と鋼桁4とが一体になって機能するので、鋼桁4にかかる負担が低減し、耐震性にも優れている。
さらに、連続合成桁2は、非合成桁より伸縮継手や支承の数が少なくて済み、合理化、省力化の面で有効である。本実施例の床版形式は、底面に設けた鋼板をコンクリト床版5の断面の一部としたコンクリト床版5とする合成床版である。最大支間部6の合成桁は、床版厚250mm、橋軸直交方向の支間5700mm、鋼桁4の高さが5mに設定されている(図2参照)。
図4は、最大支間部6とその両端付近において、連続合成桁2に作用する曲げモーメントの分布を説明する説明図である。路面側が引っ張りとなる負の曲げモーメントが作用する範囲において、コンクリート床版5にひび割れが発生することになる。図示のように、最大支間部6の長さをSとするとき、路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲Saは、中間支点から約0.2 ×Sである。つまり、Sa=0.2 ×Sであり、S=115mとすると、Sa=23mである。最大支間部6に隣接する支間部の長さが約80mであるので、Sb=0.2 ×80m=16mである。それ故、(Sa+Sb)=39mである。
この連続合成桁2においては、最大支間部6の両端の中間支点3の付近の約(Sa+Sb)の範囲(約40m)のコンクリート床版5のコンクリート全体が、ゴムラテックスを混入したゴムラテックス混入コンクリートによって構成される。次に、表1はゴムラテックス混入コンクリートのセメント重量に対するゴムラテックスの重量比率を示す。
表2は、ゴムラテックスの重量比率を複数とおりに変えたゴムラテックス混入コンクリートの引張接着強度と圧縮強度と引張強度の実験結果を示す。図5、図6は表2の内容を図示したものである。
ゴムラテックスの重量比率は、ゴムラテックス混入コンクリートにおけるセメント重量に対するゴムラテックスの重量の比である。P/C(%)=(GL×(40%/100))/Cから算出される。P/Cは、ポリマーセメント比、GLは、ゴムラテックス配合量、40%は、ゴムラテックス乳液のポリマー濃度、Cはセメント配合量を示している。
表2、図5、図6から判るように、ゴムラテックスの重量比率を5%以下に設定すると、コンクリートの物性の改善が不十分であるため、コンクリートと鉄筋との引張付着強度引張強度や圧縮強度を十分に高めることできないので、コンクリート床版5にひび割れの発生を防止するには十分ではない。
一方、ゴムラテックスの重量比率を25%以上に設定しても、引張付着強度や引張強度の増加傾向が鈍く、しかも、それ以上ゴムラテックスの重量比率を増加しすぎるとコストも高価になり過ぎるので好ましくない。圧縮強度についてもセメント重量に対するゴムラテックスの重量比率20%〜25%付近を境界として、圧縮強度が低下する傾向にある。 以上、上記試験結果よりゴムラテックス混入コンクリートのセメント重量に対するゴムラテックスの重量比率は、5〜25%の範囲で配合するのが最適であると考えられる。
表3は、鉄筋に対する普通コンクリートと、鉄筋に対するゴムラテックス混入コンクリートの引張付着強度の実験結果を示す。
この実験では、鉄筋に通常のコンクリート、鉄筋にゴムラテッスク混入コンクリートを夫々打設してから28日経過した(材齢28日)もので引張付着強度の測定試験を行った。なお、測定試験で使用されたゴムラッククス混入コンクリートにおけるセメント重量に対するゴムラテックスの重量比率は10%のものである。普通コンクリートは、水、セメント、細骨材、粗骨材で構成している。普通コンクリートでは、鉄筋に対する付着強度が0.37N/mm2 であった。ゴムラテックス混入コンクリートでは、鉄筋に対する引張付着強度が1.93N/mm2 まで増加することが確認された。
上記結果から鉄筋に対するゴムラテックス混入コンクリートの引張付着強度は、普通コンクリートの約5倍の引張付着強度を有していることが判る。つまり、ゴムラテックス混入コンクリートでは、ゴムの粘着力により、コンクリートと鉄筋の付着力が増してコンクリートと鉄筋の一体性が増し、コンクリートの引張強度が格段に向上する。
以上説明した橋梁1の連続合成桁2において、コンクリート床版のうち少なくとも中間支点の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版5の部分に、前記ゴムラテックス重量比率の範囲で配合したゴムラテックス混入コンクリートを打設することにより、前記コンクリート床版5に発生するひび割れを抑制することができる。
次に、前記の実施例を部分的に変更する例について説明する。
前記実施例では、ゴムラテックス混入コンクリートを橋梁1のコンクリート床版5部分に適用する例について説明した。しかし、ゴムラテックス混入コンクリートでは、通常コンクリート同様、前記コンクリート床版5の部分に打設してから硬化するまでの過程において、乾燥収縮、自己収縮、温度変化などの原因によりひび割れが発生し易い。そこで、前記ゴムラテックス混入コンクリートを適用する範囲に用いるコンクリートとして、ゴムラテックス混入コンクリートに、ゴムラテックスの他に、ガラス繊維と膨張材とを混入したコンクリートを適用する。表4は、ゴムラテックス混入コンクリートに、ゴムラテックスの他に、ガラス繊維と膨張材とを混入した配合量を示す。
コンクリート硬化前に、コンクリートの乾燥収縮、自己収縮の程度が大きい場合には、セメントの中に膨張材を混ぜて(特殊セメント)、コンクリート硬化中にコンクリート中の微細空隙が緻密になるように体積膨張し、この体積膨張と乾燥収縮とを相殺させるので、前記硬化前のコンクリートの乾燥収縮を抑制することができる。なお、膨張材は石灰系とCSA(CaO ・ Al2O3 ・CaSO4 ) 系とに分けられ、石灰系の方がより大きな膨張を必要とする場合に適している。
また、ガラス繊維を混入すると、ガラス繊維がコンクリート補強材として作用するので、引っ張り方向に対するコンクリート強度が増す。
このように、この変更例のゴムラテックス混入コンクリートでは、ゴムラテックスの他に、膨張材とガラス繊維とを混入させて、ひび割れを発生させる様々な要因に対して個々に作用する添加材を組合わせることによって、コンクリート床版上で発生するひび割れ面積を大幅に低減し、総合的なひび割れ対策として橋梁の床版部分の長寿命化を図ることができる。
以下、前記実施形態を部分的に変更する変更例について説明する。
1)コンクリート床版5における鉄筋とコンクリートの付着力を高める為に、ゴムラテックス混入コンクリートの他に、ゴムラテックスモルタルを鉄筋に直接コーティングしてもよい。
2)前記実施例では、最大支間部6の両端の中間支点3の付近におけるコンクリート床版5に本発明を適用した場合の例について説明したが、最大支間部6の両端の中間支点3を含む、全部又は一部の中間支点3の付近におけるコンクリート床版5に本発明を適用してもよい。
3)本発明の橋梁の連続合成桁は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施可能である。
本発明は、種々の橋梁の連続合成桁に適用可能である。
本発明の実施例1に係る橋梁の連続合成桁の側面図である。 図1の連続合成桁のII−II線断面拡大図である。 図1の連続合成桁のIII −III 線断面拡大図である。 連続合成桁の最大支間の付近の曲げモーメント分布の説明図である。 実験結果に基づくゴムラテックス混入コンクリートの鉄筋との付着強度比と圧縮強度比と引張強度比の線図である。 実験結果に基づくゴムラテックス混入コンクリートの鉄筋との付着強度と圧縮強度と引張強度の線図である。
符号の説明
1 橋梁
2 連続合成桁
3 中間支点
4 鋼桁
5 コンクリート床版

Claims (4)

  1. 少なくとも1以上の中間支点を有し、活荷重を鋼桁およびコンクリート床版により橋軸方向全体に亙って支持する橋梁の連続合成桁において、
    前記コンクリート床版のうち少なくとも中間支点の付近において路面側が引っ張りとなる曲げモーメントが作用する範囲のコンクリート床版部分を、ゴムラテックスを混入したゴムラテックス混入コンクリートで構成したことを特徴とする橋梁の連続合成桁。
  2. 前記ゴムラテックス混入コンクリートにおけるセメント重量に対するゴムラテックスの重量比率は5〜25%であることを特徴とする請求項1に記載の橋梁の連続合成桁。
  3. 前記ゴムラテックス混入コンクリートには、ゴムラテッスクの他に、ガラス繊維を混入したことを特徴とする請求項1又は2に記載の橋梁の連続合成桁。
  4. 前記ゴムラテックス混入コンクリートには、ゴムラテックスの他に、膨張材を混入したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の橋梁の連続合成桁。
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