JP2009132895A - 低石炭化度の非微粘結炭の改質方法、非微粘結炭を改質する成型物及びコークスの製造方法 - Google Patents

低石炭化度の非微粘結炭の改質方法、非微粘結炭を改質する成型物及びコークスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粘結炭より安価な非微粘結炭を粘結炭相当品に改質するとともに、排熱を有効利用することにより省エネルギーのもとで安価なコークスを提供すること。
【解決手段】低石炭化度の非微粘結炭を水分2%以下に乾燥・粉砕し、軟化点が200℃以下、QI(キノリン不溶分)成分が10%以下で、芳香族性(fa)が0.3以上の重質油を加えて混練する。混和物を成型して、350〜450℃の温度で熱処理する。また、熱処理を通常コークス炉で行ない、一貫工程で製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、低石炭化度の非微粘結炭の改質方法、非微粘結炭改質用成型物及びコークスの製造方法に関する。
製鉄用に用いるコークスは、石炭の粉砕物そのもの又は石炭の粉砕物をブリケット又はペレットに成型した成型物をコークス炉に装入し、コークス炉内で高温で熱処理して製造されており、炉内で軟化溶融して塊状のコークスとするため、原料となる石炭は瀝青炭に属する粘結炭が用いられている。しかし、粘結炭の産出量は、低石炭化度の非微粘結炭(単独では加熱しても粘結性を示さない石炭あるいは示してもその程度は極く僅かである石炭)と比べて絶対量が少なく、かつ可採量も少ない。したがって、コークス製造に適した粘結炭は、高価で入手も困難になってきているという問題がある。
これに対して、低石炭化度の非微粘結炭は世界的に粘結炭より産出量が多く、粘結炭より安価に入手できるため、低石炭化度の非微粘結炭を粘結炭に改質する研究が従来から進められている。
従来行われている非微粘結炭の改質方法としては、(1)非微粘結炭をタールなどのバインダと混練し、ブリケットに成型してコークス炉に装入する方法(非特許文献1)、(2)非微粘結炭に特殊な粘結剤(ASP)を添加して成型し、さらにASP(ユリカピッチ)をコークス炉への石炭の通常装入物に混入させて供給し、コークス炉内で非微粘結炭を改質する方法(非特許文献2)、(3)粉砕された非微粘結炭を急速加熱により粘結性を帯びさせてコークス炉内に装入して改質する方法(非特許文献3)等が知られている。
このうち(1)および(2)の成型炭法は、通常のコークス炉装入物(粒度3mm以下で、水分10%程度を含む湿炭)を用いて40mm程度のブリケットをつくりコークス炉に装入するもので、成型炭が炉内で加熱される過程で膨張し、内部の石炭粉を圧迫して石炭の充填密度が高くなることを利用してコークス強度を高くしようとするものである。
井上ら,燃料協会誌 Vol.53, No.565, 315-324 (1974) 桐谷ら,燃料協会誌 Vol.56, No.607, 886-897 (1977) 西岡ら,エネルギー学会誌 Vol.84, No.3, 170-176 (2005)
しかし、これら(1)、(2)の成型炭法では、非微粘結炭だけで強度の高いコークスを製造することはできず、粘結炭に高々20〜50%の非微粘結炭を混入できる程度にとどまっているという問題がある。実際には非微粘結炭の混入比率がさらに低いところで行われているのが実情である。また、ASPは、石油精製で副生した残留残渣油を過熱水蒸気(500〜700℃)で熱処理して得られる石油製品であるため、価格が高いという難点もある。ちなみに、本発明の方法で非微粘結炭の乾燥に利用できるコークス炉の排熱は、150℃程度で使いにくいため、これを積極的に利用することは行われていなかった。
さらに(3)の方法では、乾燥した石炭を成型しないで一部石炭粉そのものをコークス炉に装入するため投入直後に粉炭が舞い上がり、それがコークス炉壁に付着してメンテナンス作業を煩雑にする上に、粉炭が副生するタールなどへ混入するという問題がある。
本発明者らは、かかる従来の非微粘結炭の改質方法の難点を解消すべく研究を進めたところ、非微粘結炭の乾燥度を高くし、この非微粘結炭に芳香族性の高い重質油を改質剤兼バインダとして添加し、成型したものを熱処理した場合、非微粘結炭と重質油とが反応して、非微粘結炭から粘結性を有する石炭に改質し得ることを見出した。
また、この方法の熱処理をコークス炉を用いてコークス製造と一貫して行う場合には、石炭の乾燥にコークス炉の排熱を利用することができ、さらに石炭と重質油との反応熱も利用されるため、従来法に比べて、大幅な省エネルギー効果が得られ、結果としてトータルの二酸化炭素の発生量も削減できることを確認した。
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので、本発明の非微粘結炭の改質方法は、低石炭化度の非微粘結炭を水分(JIS−M8812、以下同じ)2%以下、粒度1mm以下、に乾燥・粉砕する乾燥・粉砕工程と、乾燥・粉砕された前記非微粘結炭に、軟化点が200℃以下、80℃以上、QI(キノリン不溶分)10%以下で、芳香族性(fa)が0.3以上の重質油を加えて混練する混練工程と、前記混練工程で混練された混和物を所定の形状に成型する成型工程と、前記成型工程で成型された成型物を350〜450℃の温度で熱処理する熱処理工程とからなることを特徴とする。
また、本発明のコークスの製造方法は、低石炭化度の非微粘結炭を水分2%以下、粒度1mm以下、に乾燥・粉砕する乾燥・粉砕工程と、乾燥・粉砕された前記非微粘結炭に、軟化点が200℃以下、80℃以上、QI成分が10%以下で、芳香族性(fa)が0.3以上の重質油を加えて混練する混練工程と、前記混練工程で混練された混和物を所定の形状に成型する成型工程と、前記成型工程で成型された成型物をコークス炉に供給し、コークス化が生起するに十分な温度及び時間熱処理する熱処理工程とを有することを特徴とする。
なお、本明細書における「%」は、全て「重量%」を意味している。
また、本発明における「粒度1mm以下」に粉砕された非微粘結炭とは、使用する非微粘結炭の全量が粒度1mm以下となるように粉砕し、1mmを越える粉砕困難な粗粒物を篩で取り除いたものである。
本発明に使用される非微粘結炭は、ギーセラープラストメータ値が200ddpm以下(0ddpmを含む)のものである。本発明で使用する低石炭化度の非微粘結炭は、石炭の種類でいうと、瀝青炭のうち石炭化度の低いものから、亜瀝青炭のうちで石炭化度の高いものが該当する。
ちなみに、通常原料炭として用いられる粘結炭は、ギーセラープラストメータ値が300ddpm以上、好ましくは1000ddpm以上である。粘結炭は、350℃〜450℃の温度で一部または全量が軟化溶融し、それ以上の温度に加熱を続けると最終的に塊状のコークスとなるが、本発明により改質された改質炭も、粘結炭と同様に、コークス炉に装入して加熱すると、350℃〜450℃の温度で軟化溶融し、昇温を続けると1000℃以上の高温で最終的に塊状の強度の高いコークスを生成する。
このときのコークスの強度はJIS K−2151に準拠して行なう回転強度試験法で測定されるが、本発明により製造されたコークスは、高炉用のコークス強度として充分とされるDI30/15で92以上の値を示す。なお、DI30/15は、ドラム強度試験機に50mm以上のコークス塊10kg以上を入れ、15rpmの回転速度で30回転した後、50mm、20mm及び15mmの篩で篩い分けしたときの、15mmの篩上に残った石炭の重量を原試料の重量に対する割合(%)で表した値である。
本発明における非微粘結炭の乾燥度は、水分2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下とする。水分量が2%を越えると、熱処理時に水蒸気が一気に発生して成型物の全体が破壊したり、部分的に破壊して、添加した重質油が成型物の外部に漏れ出し改質化反応や塊状化が阻害される。なお、本発明のコークス製造方法では、コークス炉の排熱(150℃程度)を利用しての加熱乾燥により、水分2%以下に乾燥することができる。
本発明における非微粘結炭の粉砕後の粒度は、1mm以下とする。
従来、通常の装入炭や、ブリケットにするための石炭粒度は、3mm以下が用いられているが、本発明では粒度が1mm以下に粉砕したものを用いることにより、非微粘結炭と重質油との接触面積が増大して反応速度を上げることができる。なお、粒度が小さいほど非微粘結炭と重質油との反応によって生ずる石炭粒内の粘結部分の拡大が短時間で行われるので、0.5mm以下とすることがより好ましい。なお、ペレットにする場合には、石炭粒度は0.4mm以下とすることにより造粒性を向上させることができる。
本発明の改質方法では、非微粘結炭の全量を粘結炭相当に改質する必要はなく、用途によって熱処理温度、熱処理時間を調整することができる。改質炭の用途がコークスの製造である場合には、最終的に塊状のコークスが得られる程度にまで改質が進んでいれば十分である。
本発明に使用される重質油は、芳香族性(fa)が0.3以上、好ましくは0.5以上で、軟化点が200℃以下、好ましくは190℃以下、より好ましくは180℃以下であって、80℃以上のものであり、石油精製において副生する残渣を含んだ高沸点溜出物が適している。ここで、芳香族性(fa)は、芳香族炭素の数を全炭素の数で除した値である。また、本発明に使用される重質油の軟化点は、JIS−K2531に準拠した環球法により測定される軟化点であり、環球法にて測定困難な高軟化点の重質油の軟化点はJIS−M8801の流動性試験方法(ギーセラープラストメータ法)に準拠した軟化開始温度(ギーセラープラストメータ測定時に指示が動き始めて1.0ddpmに達した時の温度)とする。
本発明においては、80℃以上の高い軟化点の重質油を使用するため、非微粘結炭と接触して非微粘結炭を改質する時に有効となる改質成分が多く、より高い改質効果を得ることができる。軟化点が80℃より低くなると、高温(350−450℃の範囲)での処理時に重質油に含まれる成分が蒸散してしまい、十分な改質効果が得られなくなる。
石油系及び石炭系の重質油は、軟化点が常温から200℃超まで広い範囲にわたっており、たとえば表1に示すようなものが知られているが、本発明においては、このうち軟化点が200℃以下、80℃以上、QI成分が10%以下で、芳香族性(fa)が0.3以上のものを対象とする。(松原健次 学位論文「コークス原料用粘結材の評価に関する研究」(1989年,東京大学)による)
本発明において、重質油のQI成分を10%以下としたのは、QIの高い重質油は、アスファルトのような石油精製プロセスからの副産物に加熱などの2次処理を施して製造されたもの(粘結材)であって、2次処理により生産コストが高くなる上に、QI成分そのものに改質能力はなく、QI成分が10%を越えると必要な改質効果が小さくなるためである。
Figure 2009132895
なお、軟化点が高く、QIの大きい重質油は、通常の工程で得られる生成プロセスの副生物の重質油に、さらに特別に加熱処理などの処理を行なって製造されているため価格が高くなり、改質炭の価格、ひいてはコークス製造コストを高くする。
本発明における非微粘結炭と重質油の混合割合は、97:3〜70:30(重量比)、好ましくは96:4〜80:20(重量比)、より好ましくは、95:5〜90:10(重量比)の範囲である。
重質油の混合割合が、97:3より少ないと、熱処理時に粘結性の不足となり、一方70:30より多くなると高価な重質油を多量に使用することとなるので好ましくない。
非微粘結炭と重質油の混和物は、常法によりブリケットやペレットのような成型物に成型される。
本発明に用いられる典型的な非微粘結炭改質用成型物は、水分2%以下に乾燥粉砕した低石炭化度の非微粘結炭と軟化点が200℃以下、80℃以上、QI(キノリン不溶分)が10%以下で芳香族性(fa)が0.3以上の重質油とを、97:3〜70:30(重量比)の混合比で混練し、所定の形状に成型することにより得られる。
成型物をブリケットにする場合、通常の大きさは、長径が40mmであるが、これよりも小さい30mm以下、好ましくは15〜25mm程度とする。
また、成型物をペレットにする場合、その大きさは、平均で直径が3mm程度の球状であるものとする。
これらの成型物の強度は、350〜450℃の反応温度で非微粘結炭の改質が進み、必要な粘結性がでるまで、所定の形状を維持できる程度のものとする。
本発明の成型物は、このままコークス炉の原料炭として使用することができる。たとえば、この成型物をコークス炉に装入して、3℃/min(通常のコークス炉内では、3℃/minの昇温速度で加熱される)の昇温速度で常温から加熱すると、350〜450℃の温度範囲で非微粘結炭は重質油と反応し、成型物は粘結性を有する粘結炭相当品に変換される。さらに昇温させると、熱分解によるガスの発生が盛んになり、成型物の内圧が高まることにより成型物は変形や破壊を伴うが、この段階での変形や破壊は全く問題にならない。さらなる昇温に伴って塊状化が進み、最終的に強固なコークスになる。なお、成型物は通常使用する粘結炭と混合してコークス炉に装入できる。
なお、重質油が石油精製プロセスからの残渣を含んだ高沸点溜出物を使用するものである場合には、非微粘結炭の割合は重量で70%以上の範囲にあることが望ましい。70%以上とする理由は、一般的な重質油の硫黄分の含有量が粘結炭のそれより高いので、非微粘結炭をこのように加えることにより、得られるコークスの硫黄分を低減させることができるからである。
なお、本発明における成型物の熱処理装置は、コークス炉に限定されるものではなく、必要に応じて、別の装置を使って350〜450℃の温度で加熱し、成型物を粘結炭相当品に改質することも可能である。なお、本発明は常圧における改質・コークス化を基本とするものであり、加圧雰囲気下で行う必要はない。
本発明によれば、非微粘結炭を粘結炭相当品に改質できるので、安価でかつ豊富な非微粘結炭資源を活用してコークス原料(改質炭用成型物)及びコークスを安価に提供することができる。
さらに、本発明においては、以下のように、非微粘結炭の乾燥、改質速度の改善、安価な改質剤の選択により、生産コストを大幅に低減できるほか、成型によりコークス炉への石炭装入時の発塵が防止ができ、微粉炭が飛散してタールに混入することが避けられる。このことは炉のメンテナンス等をを容易にするものである。
[非微粘結炭の乾燥]
従来法では、湿炭(水分10%程度)の状態でコークス炉に装入されているが、本発明によれば、非微粘結炭は、水分2%以下好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下にまで乾燥された状態で装入されるので、湿炭の有する水分の蒸発熱相当分が省エネルギーとなり、使用石炭量から考えれば莫大な省エネルギーが達成できることになる。また、非微粘結炭と重質油との反応は発熱であるので、この分も省エネルギーに加味される。なお、乾燥をコークス炉からの排ガス(排出温度は150℃程度で殆どの製鉄所では未利用で、煙突から排出している。)を利用することにより、省エネルギー効果をさらに向上させることができる。
[改質速度の改善]
非微粘結炭の粒度を1mm以下に細かくすると、改質剤との接触面積が増加して反応が促進される。
[安価な改質剤の選択]
本発明で使用する重質油は、石油精製プロセスなどから副産物として得られる安価なものを使用できるので、改質炭並びにコークスを安価に製造することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を成型炭法に適用した実施形態の構成を示した図である。
まず、水分約10%を含む平均粒度5mmφの低石炭化度の非微粘結炭は、ガスヒーター1から熱風が供給されるミル(乾燥粉砕機)2に投入されて、乾燥と粉砕が同時に行われる。
ガスヒーター1には、コークス炉(図示省略)からの約150℃の排ガスが排ガスブロワー3により供給されている。コークス炉からの排ガスの供給がない場合は、Mガス(Mixed Gas、コークス炉ガス(COG)と高炉ガス(BFG)の混合ガス)とフレッシュエアがガスヒーター1に供給されてMガスの燃焼による熱風がガスヒーター1からミル2に供給される。
ミル2で乾燥・粉砕された非微粘結炭は、排ガスによってバッグフィルター4に送られ、ここで篩分けされて粒度1mm以下、水分0.5%以下の非微粘結炭となり、スクリューコンベア5によりコールビン6に収容される。
なお、ミル2からバッグフィルター4に送られた排ガスは、排ガス循環ブロワー7により送気管を介してガスヒーター1に還流されて熱風として利用され、一部は系外に放出される。
コールビン6に収容された粒度1mm以下、含有水分0.5%の非微粘結炭は、秤量器8により所定量が計量されて混練器9に供給される。
一方、ヒーター10により約150℃以上に加熱された溶剤タンク11の重質油(重質油No.1)が、秤量器12に送られ所定量秤量されて混練機9に供給される。ここで非微粘結炭は重質油と混練されて、Wロール14によりブリケットに成型されてコークス炉に装入される。
なお、重質油の軟化点が高いものを使用する場合(例えば軟化点が150℃以上の重質油)には、例えばクレオソート油のような常温で液状の溶剤(重質油No.2)を秤量機13により、所定量を計量して混練機9に追加供給して重質油(重質油No.1)を溶解させるような方法を採用することができる。
図2は、本発明をブリケットではなく、ペレタイジング法でペレットを作製する方法を適用した実施形態の構成を示した図である。
この実施形態は、ミル2による乾燥、粉砕が粒度0.4mm以下、水分0.5%以下の非微粘結炭となるように行なわれた点を除いて、バッグフィルター4までの工程は、図1に示した実施形態と同じであるので、同一の装置に同一符号を付して重複する説明を省略する。
この実施形態においても、乾燥粉砕された非微粘結炭は、スクリューコンベア5によりコールビン6に送られる。
コールビン6に供給された非微粘結炭は、連続供給測定器(CFW)8aにより所定量が計量されてパッグミル(造粒機)15に供給される。
一方、ヒーター16により150℃以上の温度に加熱された溶剤タンク17に収容された重質油は、流量計18により所定量計量されてパッグミル(造粒機)15に供給されて、非微粘結炭と混練され、造粒されてペレットとなり、冷却機19で冷却される。冷却機19に導入された冷却媒体の空気は、スクラバー20を経て送気管によりミル2の非微粘結炭供給部に送られ、空気の一部は系外に放出される。
冷却機19で冷却されたペレットは、第1の篩21により粗粒が除去され、第2の篩22により微細粒が除かれ、平均径3mmφの製品が抜き取られ、コークス炉に供給される。除かれた粗粒は粉砕され、微細粒とともにパッグミル15に原料として戻され、再び造粒される。
次に、本発明の実施例について説明する。
実施例1
非微粘結炭A(分析値:灰分13.8%、揮発分34.2%、全硫黄0.6%、水分10%、ギーセラープラストメータ値:0ddpm、粒度3mm以下)を乾燥・粉砕して粒度1mm以下、水分0.5%にした。この非微粘結炭A95%に対して重質油(分析値:灰分0%、揮発分71.0%、全硫黄6.9%、軟化点138℃、芳香族性fa0.643、QI 0%)を5%となるように加えて、150℃にて混練し、成型して直径20mm、厚さ約5mmの大きさの円盤状ブリケットを20g作製した。このブリケットを電気炉を用いて常圧下、窒素中で常温から3℃/minの昇温速度で400℃まで加熱して取り出し、ギーセラープラストメータ値を測定した。測定結果は1,100ddpmであり、粘結炭相当の粘結性を有するものに改質されていることを確認した。
実施例2
実施例1で用いた非微粘結炭Aを乾燥粉砕して粒度0.4mm以下、水分0.5%にした。この非微粘結炭90%に対して、実施例1で用いた重質油を10%となるように加えて約20gの混練物を調製した。これを皿型造粒器にて加熱造粒し、平均粒径3mmφのペレットを作製した。このペレットを、常圧、窒素雰囲気下の電気炉中で常温から3℃/minの昇温速度で400℃まで加熱して取り出し、ギーセラープラストメータ値を測定した。測定結果は1,000ddpmであり、粘結炭相当の粘結性を有することを確認した。
実施例3
非微粘結炭B(分析値:灰分7.9%、揮発分34.1%、全硫黄0.43%、水分10.0%、ギーセラープラストメータ値:85ddpm、粒度3mm以下)を乾燥・粉砕して粒度1mm以下、水分0.5%に調整した。この非微粘結炭90%に対してSRC(分析値:灰分0.81%、揮発分60.47%、全硫黄0.43%、軟化点158℃、芳香族性fa0.777、QI 1.0%)を10%となるように加えて、150℃にて混練し、成型して約20mmの大きさのブリケットを20kg製造した。このブリケットを実施例1と同じ条件で常温から3℃/minの昇温速度で1000℃まで加熱してコークスを製造した。このコークスを取り出し、冷却してその一部を回転強度試験(JIS−K2151)に準拠してDI30/15を測定したところ、92.1の値を示したことから、コークス強度として充分であることを確認した。
実施例4
実施例3で用いた非微粘結炭Bを乾燥粉砕して粒度1mm以下、水分0.5%にした。この非微粘結炭90%に対して、SDA(分析値:灰分0%、揮発分71.07%、全硫黄6.93%、軟化点138℃、芳香族性fa0.643、QI 0%)を10%となるように加えて、150℃にて混練し、成型して約20mmのブリケットを20kg製造した。このブリケット10%と通常コークス炉に入れる粘結炭(水分9%、灰分9.04%、揮発分27.0%、全硫黄0.62%、)90%を、全体で20kgとなるように混合し、これを実施例1と同じ条件で常温から3℃/minの昇温速度で1000℃まで加熱してコークスを製造した。このコークスを取り出し、冷却して、その一部について実施例3と同じように回転強度試験によりDI30/15を測定したところ、92.0の値を示したことからコークス強度として充分であることを確認した。
比較例1
実施例1で用いた非微粘結炭Aを乾燥粉砕して粒度1mm以下、水分0.5%にした。この非微粘結炭80%に対して、20%となる量の重質油(分析値:灰分0%、揮発分94.84%、全硫黄0.19%、軟化点15℃、芳香族性fa0.142、QI 0%)20%となるに加えて、50℃にて混練し、成型して実施例1と同様の円盤状ブリケットを製造した。このブリケットを実施例1と同様の条件で、常温から3℃/minの昇温速度で400℃まで加熱して取り出し、ギーセラープラストメータ値を測定した。測定結果は60ddpmであり、コークス製造用の改質炭としては粘結性が不十分であった。
比較例2
実施例3で用いた非微粘結炭Bを乾燥粉砕して粒度1mm以下、水分0.5%にした。この非微粘結炭B90%に対して、重質油(分析値:灰分0%、揮発分55.5%、全硫黄6.5%、軟化点138℃、芳香族性fa0.637、QI 20%)を20%となるように加え、190℃で混練し、成型して実施例1と同様に円盤状ブリケットを製造した。このブリケットを実施例1と同じ条件で常温から3℃/minの昇温速度で400℃まで加熱して取り出し、ギーセラープラストメータ値を測定した。測定結果は150ddpmであり、コークス製造用の改質炭としては粘結性が不十分であった。
比較例3
水分を含んだままの非微粘結炭Bを乾燥することなく35メッシュ以下に粉砕し、この石炭90%に、実施例1で用いた重質油を10%となるように添加し、混合した後、成型して比較例1と同様のブリケットを製造した。このブリケットを実施例1と同じ条件で、常温から3℃/minの昇温速度で400℃まで加熱して取り出した。このブリケットには亀裂が入り、成型物の形状を留めていなかった。また、ギーセラープラストメータ値の測定結果は100ddpmであり、コークス製造用の改質炭としては不適正であった。
これは、非微粘結炭Bを湿炭のまま成型したため、成型物の加熱時に亀裂が入り、重質油の一部または大部分がブリケットの外部に蒸散したためにこのような結果になったものと推察された。
比較例4
実施例3で用いた非微粘結炭Bを乾燥粉砕して、粒度1mm以下、水分0.5%に調整した。この非微粘結炭90%に対して重質油(分析値;灰分0%、揮発分85.91%,全硫黄5.30%、軟化点47℃、芳香族性fa0.316,QI 0%)を10%加えて成型し、実施例1と同様のブリケットを製造した。このブリケットを比較例1と同様の条件で常温から3℃/minの昇温速度で400℃まで加熱して取出し、ギーセラープラストメータ値を測定した。測定結果は100ddpmであり、コークス製造用の改質炭としては不充分であった。
比較例5
実施例3で用いた非微粘結炭Bを乾燥粉砕して、粒度3mm以下、水分0.5%に調整した。この非微粘結炭90%に、実施例1で用いた重質油を10%となるように加えて190℃で混練し、成型して実施例1と同様のブリケットを製造した。このブリケットを実施例1と同様の条件において、3℃/minの昇温速度で400℃まで加熱して取り出し、ギーセラープラストメータ値を測定した。測定結果は250ddpmを示したが、粘結性の発現は不十分であることが確認された。
本発明を成型炭法に適用した実施形態の構成を示した図。 本発明をペレタイジング法に適用した他の実施形態の構成を示した図。
符号の説明
1:ガスヒーター、2:ミル(乾燥粉砕機)、3:排ガスブロワー、4:バッグフィルター、5:スクリューコンベア、6:コールビン、7:排ガス循環ブロワー、8:秤量器、8a:連続供給測定器、9:混練機、10,16:ヒーター、11,17:溶剤タンク、12:秤量器、14:Wロール、15:パッグミル(造粒機)、18:流量計、19:冷却機、20:スクラバー、21:第1の篩、22:第2の篩

Claims (10)

  1. 低石炭化度の非微粘結炭を水分2%以下、粒度1mm以下、に乾燥・粉砕する乾燥・粉砕工程と、
    乾燥・粉砕された前記非微粘結炭に、軟化点が200℃以下、80℃以上、QI(キノリン不溶分)10%以下で、芳香族性(fa)が0.3以上の重質油を加えて混練する混練工程と、
    前記混練工程で混練された混和物を所定の形状に成型する成型工程と、
    前記成型工程で成型された成型物を350〜450℃の温度で熱処理する熱処理工程と
    からなることを特徴とする非微粘結炭の改質方法。
  2. 非微粘結炭が、ギーセラープラストメータ値が200ddpm以下(0ddpmを含む)であることを特徴とする請求項1記載の非微粘結炭の改質方法。
  3. 非微粘結炭と重質油の混合割合が、97:3〜70:30(重量比)であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の非微粘結炭の改質方法。
  4. 重質油が、石油精製プロセスにおいて副生する高沸点溜出物であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1項記載の非微粘結炭の改質方法。
  5. 水分2%以下、粒度1mm以下、に乾燥粉砕した低石炭化度の非微粘結炭と、軟化点が200℃以下、QI(キノリン不溶分)成分が10%以下で芳香族性(fa)が0.3以上の重質油とを、97:3〜70:30(重量比)の混合比で混練し、所定の形状に成型してなることを特徴とする非微粘結炭を改質する成型物。
  6. 低石炭化度の非微粘結炭を水分2%以下、粒度1mm以下、に乾燥・粉砕する乾燥・粉砕工程と、
    乾燥・粉砕された前記非微粘結炭に、軟化点が200℃以下、80℃以上、QI(キノリン不溶分)10%以下で、芳香族性(fa)が0.3以上の重質油を加えて混練する混練工程と、
    前記混練工程で混練された混和物を所定の形状に成型する成型工程と、
    前記成型工程で成型された成型物をコークス炉に供給し、コークス化が生起するに十分な温度及び時間熱処理する熱処理工程と
    を有することを特徴とするコークスの製造方法。
  7. 非微粘結炭が、ギーセラープラストメータ値が200ddpm以下(0 ddpmを含む)であることを特徴とする請求項6記載のコークスの製造方法。
  8. 非微粘結炭と重質油の混合割合が、97:3〜70:30(重量比)であることを特徴とする請求項6又は7記載のコークスの製造方法。
  9. 前記成型工程で成型された成型物と通常コークス炉に装入する粘結炭とをコークス炉に供給することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載のコークスの製造方法。
  10. 重質油が、石油精製プロセスにおいて副生する高沸点溜出物(残渣を含む)であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載のコークスの製造方法。
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