JP2009131396A - 遊技機の演出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動役物に遊技機の盤面上で三次元的な動きをさせることができる遊技機の演出装置を提供する。
【解決手段】遊技盤3に固定した支持ベース16の載置面16bに基台25を立設し、この基台25にスライド部材26と駆動体27を互いに直交する方向へ往復動可能に支持すると共に、スライド部材26に形成したカム溝34に駆動体27の突起27bを係合させる。また、基台25の上部に一対の回動リンク28,29を回転可能に軸支し、これら回動リンク28,29の内方側に形成した突出片28b,29bを駆動体27の支軸27aに軸支する。そして、モータ20を駆動源としてスライド部材26を往復移動することにより、その移動をカム溝34と突起27bとの係合部分で直交方向の動きに変換して駆動体27を昇降動作させ、この駆動体27の昇降動作に伴って両回動リンク28,29の外方側に取り付けた可動装飾体30を開閉動作させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機の演出装置に係り、特に、遊技機の盤面上で三次元的な動きをする可動役物を含む遊技機の演出装置に関するものである。
パチンコ機に代表される遊技機においては、遊技者の興趣を惹くような趣向を凝らすために、遊技盤の中央部にLCD等からなる画像表示画面を配置すると共に、画像表示画面の近傍に可動役物を配置して遊技の演出を行うようにした中央役物装置が広く採用されている。可動役物はモータやソレノイドを駆動源として種々の運動を行うようになっており、その一例として、可動アームを画像表示画面の前方で左右方向に揺動させるようにした可動役物が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された可動役物では、L字状に形成された可動アームの揺動軸を遊技盤の前方に直交方向へ突出させると共に、この揺動軸を歯車列を介して遊技盤の裏面側に配設したモータの回転軸に連結し、モータを正逆両方向へ所定の角度範囲内で回転制御することにより、可動アームが揺動軸を支点として遊技盤の盤面と平行な面内に沿って揺動するようになっている。可動アームの先端側には装飾体が取り付けられており、この装飾体が可動アームの揺動運動に伴って画像表示画面の前方で左右方向へ往復移動(首振り運動)するため、画像表示画面の表示内容と可動アームの動きを関連させることによって遊技の演出効果を高めることができる。
特開2003−190401号公報
前述したように可動役物は遊技中の遊技者にとって興趣を惹くものであるため、可動役物の運動形態や移動方向には多種多様なバリエーションが求められており、例えば可動役物を遊技盤の盤面上で蝶の羽根のように開閉動作させて新規な動きを実現したいという要望がある。この場合、遊技盤とガラス扉で囲まれた狭い空間内で可動役物に三次元的な動きをさせる必要があるが、特許文献1に開示された可動役物のように、モータの回転方向と回転量を制御して可動アームを揺動させる駆動機構では、一対の羽根をパタパタと開閉動作させることが構造上難しいという問題がある。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、可動役物に遊技機の盤面上で三次元的な動きをさせることができる遊技機の演出装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明による遊技機の演出装置は、遊技機の盤面に設けられた基台と、この基台に昇降可能に支持された駆動体と、前記基台に回転可能に支持された一対の回動リンクと、カム溝を有するスライド部材と、このスライド部材を前記駆動体の昇降方向に対して略直交方向へ往復移動させる駆動源とを備え、前記駆動体の一端部に設けた突起を前記カム溝に係合すると共に、前記駆動体の他端部に前記両回動リンクを回動可能に連結する構成とした。
このように構成された遊技機の演出装置では、ソレノイドやモータを駆動源としてスライド部材が直線的に往復移動すると、その移動がスライド部材のカム溝と駆動体の突起との係合部分で直交方向の動きに変換されることにより、駆動体が遊技機の盤面に設けられた基台に沿って昇降動作し、この駆動体の昇降動作に伴って一対の回動リンクが開閉動作するため、遊技機の盤面上で三次元的な動きをする可動役物を実現することができる。
上記の構成において、一対の回動リンクが駆動体を介して対向する位置で基台に回転可能に軸支されており、これら両回動リンクの一端側に設けられた突出片を駆動体に同一線上で軸支することにより、駆動体の昇降動作に伴って両回動リンクの他端側が近接離反するように構成にすると、一対の回動リンクを両者の連結部分を中心にスムーズに開閉動作させることができて好ましい。
また、上記の構成において、遊技機の盤面に設けられた基台が互いに略直交する方向へ延びる第1および第2のガイド孔を有し、駆動体が第1のガイド孔に挿入されると共に、スライド部材が第2のガイド孔に挿入されている構成にすると、共通の基台を用いて駆動体とスライド部材を略直交する2方向へ案内することができて好ましい。
また、上記の構成において、スライド部材の側方に駆動源であるモータを配置すると共に、スライド部材にその移動方向へ延びるラックを設け、モータによって回転されるピニオンをこのラックに噛合させると、モータを含めた駆動機構全体の奥行き寸法を短縮化することができて好ましい。
また、上記の構成において、一対の回動リンクに蝶の羽根を模した光透過性シートを付設すると共に、遊技機の盤面にこれら光透過性シートに光を照射する光源を配置すると、盤面上で恰も蝶が羽ばたくような動きを実現できると共に、光源から発せられた光が光透過性シートを透して遊技者に目視されるため、可動役物による演出効果をより一層高めることができて好ましい。
本発明による遊技機の演出装置は、モータ等を駆動源としてスライド部材が直線的に往復移動されると、その移動がスライド部材のカム溝と駆動体の突起との係合部分で直交方向の動きに変換されることにより、駆動体が遊技機の盤面に設けられた基台に沿って昇降動作し、この駆動体の昇降動作に伴って一対の回動リンクが開閉動作するため、遊技機の盤面上で三次元的な動きをする可動役物を実現することができる。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係るパチンコ機の斜視図、図2は該パチンコ機に備えられる遊技盤の正面図、図3は該遊技盤に配設された演出装置の平面図、図4は該演出装置を一方向から見た側面図、図5は該演出装置を他方向から見た側面図、図6は該演出装置の斜視図、図7は該演出装置に備えられる可動役物の斜視図、図8は該可動役物の平面図、図9は該可動役物の正面図、図10は該可動役物の側面図、図11は図10のA−A線に沿う断面図、図12は該可動役物の分解斜視図、図13は図8のB−B線に沿う断面図、図14は該可動役物に備えられるスライド部材と駆動体の動作説明図、図15は複数のスライド部材に設けられたカム溝の説明図、図16は駆動体の突起とカム溝の係合関係を示すタイミングチャート、図17は複数の可動役物の動作状態を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態例に係るパチンコ機(遊技機)は、遊技場の島設備に設置される機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2に収容された後述する遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス枠4と、前面枠2の下側に配設された受皿5を有する前面ボード6と、前面ボード6に取り付けられた発射ハンドル7等を具備している。
図2に示すように、前記遊技盤3はガイドレール8等で囲まれた遊技領域9を有しており、遊技者によって発射ハンドル7が回転操作されると、受皿5に貯留された遊技球が図示せぬ発射装置から遊技領域9に向けて打ち出されるようになっている。遊技領域9の中央部上方には液晶パネル(LCD)等からなる画像表示画面10が配設されており、この画像表示画面10の図示右側方には複数(本実施形態例では3つ)の可動役物を有する演出装置11が配設されている。また、画像表示画面10の下方には、可動片を有する始動入賞口12や開閉扉を有する大入賞口13や複数の一般入賞口14が配設されており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球は遊技領域9の最下端部に設けられたアウト口15から遊技盤3の裏面側に排出されるようになっている。
図3〜図6に示すように、前記演出装置11は合成樹脂製の支持ベース16を備えており、この支持ベース16は遊技盤3の凹所内に嵌め込まれて固定されている。支持ベース16上には、蝶の姿を模した3つの可動役物17,18,19と、これら各可動役物17,18,19の駆動源であるモータ20が搭載されており、以下の説明では、モータ20に近いものから順に第1の可動役物17、第2の可動役物18、第3の可動役物19と称することがある。モータ20は支持ベース16の起立壁16aにねじ止めされており、モータ20の回転軸にはピニオン(小歯車)21が取り付けられている。このピニオン21は可動体22の一側壁に刻設されたラック22aと噛合しており、モータ20の回転に伴って可動体22が支持ベース16上を図3の矢印P1−P2へ往復移動するようになっている。
支持ベース16は平面視弓形形状の載置面16bを有しており、この載置面16bは外周側から内周側に向かって下り勾配となると共に長手方向の中央部が膨らんだ非球面状の湾曲面となっている。載置面16bにはその両周縁部に沿って一対の配線基板23が敷設されており、これら配線基板23には光源である複数のLED24が実装されている。また、載置面16bには第1ないし第3の可動役物17,18,19が長手方向に沿って一列に搭載されており、これら各可動役物17,18,19は載置面16bの湾曲形状に沿って画像表示画面10側へ若干傾いた立体的な配置となっている。
第1ないし第3の可動役物17,18,19は基本的に同様に構成されており、以下、第2の可動役物18を代表例として可動役物の構成を詳細に説明する。図7〜図12に示すように、この第2の可動役物18は、支持ベース16の載置面16bに固定された基台25と、基台25に水平方向へ往復動可能に支持されたスライド部材26と、基台25に垂直方向へ往復動可能(昇降可能)に支持された駆動体27と、駆動体27の昇降動作に伴って開閉動作される一対の回動リンク28,29と、これら回動リンク28,29に取り付けられた一対の可動装飾体30と、基台25の上部に取り付けられた固定装飾体31とによって構成されている。ただし、固定装飾体31は図12のみに図示され、図7〜図11においては省略されている。
基台25は、前後方向へ延びるガイド孔32aを有する一対の支持体32と、上下方向へ延びるガイド溝33aを有する一対の軸受体33とによって構成されており、両支持体32はスナップ結合によって一体化されている。支持体32のガイド孔32aと軸受体33のガイド溝33aは互いに直交しており、ガイド溝33aの下端はガイド孔32aの上端中央部と連通している。両軸受体33は互いのガイド溝33aを突き合わせた状態で両支持体32上部に固定されており、各軸受体33の上部には一対の軸孔33b,33cがそれぞれ形成されている。
スライド部材26は支持体32のガイド孔32aに摺動可能に挿入された長尺体であり、その長手方向に沿う両端には連結片26aが形成されている。これら連結片26aは前述した支持ベース16の載置面16bと逆向きの勾配で傾斜しており、両者の傾斜角が相殺されることにより、連結片26aは遊技盤3の盤面とほぼ平行な面内に配置されるようになっている。また、スライド部材26には上面を開口した細長形状の凹部26bが形成されると共に、この凹部26bを介して対向する両側壁にはカム溝34が形成されている。このカム溝34は、スライド部材26の移動方向S(図12参照)に沿って略平行に延びる直線部34aと、スライド部材26の移動方向に対して傾斜する方向へ延びる傾斜部34bとを有し、これら直線部34aと傾斜部34bが交互に連続して移動方向Sと直交する方向への位相変化をもたらす形状に形成されている。
駆動体27は軸受体33のガイド溝33aに摺動可能に挿入された棒状体であり、駆動体27の上端部には移動方向Sに沿って延びる一対の支軸27aが形成されている。また、駆動体27の下端部には移動方向Sと直交する方向に延びる一対の突起27bが形成されており、図14に示すように、これら突起27bは凹部26b内に挿入されてカム溝34と係合している。これによりスライド部材26がガイド孔32aに沿って前後方向へ往復移動すると、その移動がカム溝34の傾斜部34bと突起27bの係合部分で垂直方向の動きに変換され、駆動体27がガイド溝33aに沿って移動方向Sと直交する方向となる上下方向へ往復移動する。
一方の回動リンク28は、軸受体33の一方の軸孔33bに挿入された軸部28aと、軸部28aの一端部から内方へ突出する突出片28bと、軸部28aから外方へ突出するクリップ状の支持片28cとを有しており、突出片28bは駆動体27の一方の支軸27aに回転可能に軸支されている。軸部28aは移動方向Sに沿って延びており、突出片28bと支持片28cは互いに逆向きに移動方向Sと直交する方向に延びている。他方の回動リンク29は、軸受体33の他方の軸孔33cに挿入された軸部29aと、軸部29aの一端部から内方へ突出する突出片29bと、軸部28aから外方へ突出するクリップ状の支持片29cとを有しており、突出片29bは駆動体27の他方の支軸27aに回転可能に軸支されている。軸部29aは移動方向Sに沿って延びており、突出片29bと支持片29cは互いに逆向きに移動方向Sと直交する方向に延びている。これにより駆動体27がガイド溝33aに沿って上下方向へ往復移動すると、両回動リンク28,29がそれぞれ軸部28a,29aを中心に回転駆動され、両支持片28c,29cが近接離反するように開閉動作する。
両回動リンク28,29の支持片28c,29cには、そのクリップ状部分を弾性変形して挟み込むことによって蝶の羽根を模した可動装飾体30が取り付けられており、支持片28c,29cの先端部は可動装飾体30の孔部30aに係止されている。図13に示すように、これら可動装飾体30は上層の光透過性シート30aと下層の光拡散シート30bとの2層構造となっている。前述した各LED24は可動装飾体30の下方に配置されており、各LED24から発せられた光は光拡散シート30bで拡散された後、透過性シート30aを透して遊技者に目視されるようになっている。また、両回動リンク28,29の突出片28b,29bの上方には蝶の胴体と頭部を模した固定装飾体31が配置されており、この固定装飾体31は前後の2カ所から下方に延びる取付片31aを有している。そして、これら取付片31aが軸受体33に組み付けられることにより、固定装飾体31は基台25の上部に固定されている。したがって、駆動体27の昇降動作に伴って両回動リンク28,29が固定装飾体31の下方の軸部28a,29aを中心に回転駆動されると、支持片28c,29cに取り付けられた一対の可動装飾体30が恰も羽ばたくように開閉動作する。
前述したように第1の可動役物17と第3の可動役物19も第2の可動役物18と基本的な構成は同じであるが、図15に示すように、各可動役物17,18,19はそれぞれのスライド部材26に設けられたカム溝34の形状を異にしている。すなわち、第1ないし第3の可動役物17,18,19のスライド部材26に符号26A,26B,26Cを付し、これらスライド部材26A,26B,26Cのカム溝34に符号34A,34B,34Cを付すと、各スライド部材26A,26B,26Cのカム溝34A,34B,34Cは、いずれも両端の直線部34aの間に傾斜部34bと直線部34aが交互に連続する形状に形成されているが、途中の直線部34aの長さや数を異にしている。
具体的に説明すると、図15(a)に示すように、第1の可動役物17のスライド部材26Aのカム溝34Aは、図示左端に位置する下段側の直線部34aを始点として登り傾斜部34bと上段側の直線部34aおよび下り傾斜部が交互に連続して右端下段側の直線部34aに至るようになっており、中央に位置する下段側の直線部34aを境にして左右対称形状に形成されている。また、図15(b)に示すように、第2の可動役物18のスライド部材26Bのカム溝34Bは、図示左端に位置する下段側の直線部34aを始点として登り傾斜部34bと上段側の直線部34aおよび下り傾斜部が交互に連続して右端上段側の直線部34aに至るようになっており、左側の登り傾斜部34bから中央付近にかけて延びる上段側の直線部34aが第1の不感帯部35となっている。さらに、図15(c)に示すように、第3の可動役物19のスライド部材26Cのカム溝34Cは、図示左端に位置する下段側の直線部34aを始点として登り傾斜部34bと上段側の直線部34aおよび下り傾斜部34bを経て右端下段側の直線部34aに至るようになっており、左右両側の傾斜部34b間に跨って延びる上段側の直線部34aが第2の不感帯部36となっている。
第1の不感帯部35と第2の不感帯部36はスライド部材26B,26Cの移動方向と略平行に延びており、図16のタイミングチャートから明らかなように、第1の不感帯部35はスライド部材26Aのカム溝34Aの左側の登り傾斜部34bの終点から中央下段側の直線部34aの終点に至る範囲に形成され、第2の不感帯部36はスライド部材26Aのカム溝34Aの左側の登り傾斜部34bの終点から右方の上段側直線部34aの終点に至る範囲に形成されている。したがって、カム溝34Bに係合する駆動体27の突起27bが第1の不感帯部35内にある場合、スライド部材26Bが前後方向へ往復移動しても当該駆動体27は上下方向へ移動せず、同様に、カム溝34Cに係合する駆動体27の突起27bが第2の不感帯部36内にある場合、スライド部材26Cが前後方向へ往復移動しても当該駆動体27は上下方向へ移動しない。
第1の可動役物17のスライド部材26Aの両端に形成された連結片26aのうち、手前側(モータ20側)の連結片26aは可動体22に回転自在に連結されており、可動体22の往復移動に伴ってスライド部材26Aも同方向へ往復移動するようになっている。また、このスライド部材26Aの奥側の連結片26aは第1のリンクレバー37の一端部に回転自在に連結されており、第1のリンクレバー37の他端部は第2の可動役物18のスライド部材26Bの手前側の連結片26aに回転自在に連結されている。さらに、このスライド部材26Bの奥側の連結片26aは第2のリンクレバー38の一端部に回転自在に連結されており、第2のリンクレバー38の他端部は第3の可動役物19のスライド部材26Cの手前側の連結片26aに回転自在に連結されている。これにより、モータ20を駆動源として可動体22が支持ベース16上を図3の矢印P1−P2へ往復移動すると、第1ないし第3の可動役物17,18,19の各スライド部材26A,26B,26Cと第1および第2のリンクレバー37,38とが湾曲した載置面16b上を一体的に往復移動し、それに伴って各スライド部材26A,26B,26Cのカム溝34A,34B,34Cに係合する駆動体27が上下方向へ昇降動作するようになっている。ただし、各スライド部材26A,26B,26Cのカム溝34A,34B,34Cは互いの形状を異にしているため、後述するように、第1ないし第3の可動役物17,18,19の各駆動体27は対応するスライド部材26A,26B,26Cのカム溝34A,34B,34Cの形状に応じて個別に昇降動作される。
本実施形態例に係るパチンコ機の演出装置11においては、遊技球が始動入賞口12に入賞したとき、図示せぬ制御部に記憶された乱数発生器等によって大当たりの抽選を行い、その抽選結果に基づいてモータ20を回転制御して第1ないし第3の可動役物17,18,19を動作させることにより、画像表示画面10の表示内容と各可動役物17,18,19の動きを関連付けて遊技の演出効果が高められるようになっている。その際、第1ないし第3の可動役物17,18,19が動作開始する前の初期状態において、各駆動体27の突起27bは図16に示すタイミングチャートの「領域I」と「領域II」の間で対応するスライド部材26A,26B,26Cのカム溝34A,34B,34Cと係合しており、当該位置をホームポジションとしてモータ20を正逆いずれかの方向へ回転することにより、各突起27bがカム溝34A,34B,34C内を往復移動して駆動体27を個別に昇降動作させ、それに伴って対応する可動装飾体30を開閉動作させる。
以下、かかる第1ないし第3の可動役物17,18,19の動作を図16に示すタイミングチャートを参照しつつ説明する。まず、動作開始前のホームポジションにおいて、各駆動体27の突起27bはいずれも対応するカム溝34A,34B,34Cの上段側の直線部34aと係合しているため、各駆動体27は軸受体33のガイド溝33aに沿って基台25の上昇位置へ移動しており、図9と図11の実線で示すように、各駆動体27の支軸27aに連結された回動リンク28,29は軸部28a,29aを中心に外向きに回転駆動され、回動リンク28,29の支持片28c,29cに取り付けられた一対の可動装飾体30が最大角度に開放されている。したがって、図3〜図6に示すように、第1ないし第3の可動役物17,18,19は、動作開始前のホームポジションにおいて恰も3匹の蝶が羽根を拡げた状態となっている。
この状態でモータ20が例えば正方向へ所定量だけ回転すると、その回転がピニオン21からラック22aを介して可動体22に伝達されるため、可動体22が支持ベース16上を図3の矢印P1方向(順方向)へ移動し、それに伴って第1ないし第3の可動役物17,18,19の各スライド部材26A,26B,26Cと第1および第2のリンクレバー37,38が順方向へ一体的に移動する。その結果、各駆動体27の突起27bと対応するカム溝34A,34B,34Cとの係合位置が図16中の「領域II」内で変化し、この間で第1の可動役物17に備えられる駆動体27の突起27bはスライド部材26Aのカム溝34Aの上段側直線部34aから傾斜部34bを経て下段側直線部34aへと移行する。これにより、駆動体27が軸受体33のガイド溝33aに沿って下降し、それに伴って回動リンク28,29が軸部28a,29aを中心に内向きに回転駆動されるため、図9と図11の2点鎖線で示すように、一対の可動装飾体30が開放位置から閉じる方向へ回転する。
また、この「領域II」内において、第2の可動役物18に備えられる駆動体27の突起27bはスライド部材26Bのカム溝34Bの上段側直線部34a内を移行し、前述したように当該直線部34aは第1の不感帯部35となっているため、第2の可動役物18の駆動体27はスライド部材26Bの移動に拘わらず上昇位置に停止したままで下降しない。同様に「領域II」内において、第3の可動役物19に備えられる駆動体27の突起27bはスライド部材26Cのカム溝34Cの上段側直線部34a内を移行し、この直線部34aは第2の不感帯部36となっているため、第3の可動役物19の駆動体27はスライド部材26Cの移動に拘わらず上昇位置に停止したままで下降しない。したがって、モータ20を正逆両方向へ回転制御して各スライド部材26A,26B,26Cを「領域II」内で往復移動させれば、図17(a)に示すように、第1の可動役物17だけを蝶の羽根が羽ばたくように開閉動作させることができ、この間、第2および第3の可動役物18,19は蝶の羽根を拡げたままの状態を維持することとなる。
しかる後、モータ20を正方向へ回転制御して各スライド部材26A,26B,26Cがさらに矢印P1方向(順方向)へ移動し、各駆動体27の突起27bと対応するカム溝34A,34B,34Cとの係合位置が「領域II」を越えて「領域III」まで達すると、この「領域III」内において、第1の可動役物17に備えられる駆動体27の突起27bはカム溝34Aの下段側直線部34aから傾斜部34bを経て上段側直線部34aへと移行する。これにより、第1の可動役物17の駆動体27が下降位置から上昇して回動リンク28,29を外向きに回転駆動するため、一対の可動装飾体30は閉じた位置から開放する方向へ回転する。また、この「領域III」内において、第2の可動役物18に備えられる駆動体27の突起27bはカム溝34Bの上段側直線部34a(第1の不感帯部35)から傾斜部34bを経て下段側直線部34aへと移行し、この間で該駆動体27が上昇位置から下降して回動リンク28,29を内向きに回転駆動するため、一対の可動装飾体30は開放位置から閉じる方向へ回転する。一方、この「領域III」内において、第3の可動役物19に備えられる駆動体27の突起27bはカム溝34Cの上段側直線部34a内を移行し、この直線部34aは依然として第2の不感帯部36となっているため、第3の可動役物19の駆動体27はスライド部材26Cの移動に拘わらず上昇位置に停止したままで下降しない。したがって、モータ20を正逆両方向へ回転制御して各スライド部材26A,26B,26Cを「領域III」内で往復移動させれば、図17(b)に示すように、第1の可動役物17と第2の可動役物18を蝶の羽根が羽ばたくように交互に開閉動作させることができ、この間、第3の可動役物19は蝶の羽根を拡げたままの状態を維持することとなる。
その後、モータ20を正方向へ回転制御して各スライド部材26A,26B,26Cがさらに順方向へ移動し、各駆動体27の突起27bと対応するカム溝34A,34B,34Cとの係合位置が「領域III」を越えて「領域IV」まで達すると、この「領域IV」内において、第1の可動役物17に備えられる駆動体27の突起27bは再びカム溝34Aの上段側直線部34aから傾斜部34bを経て下段側直線部34aへと移行する。これにより、第1の可動役物17の駆動体27が上昇位置から下降して回動リンク28,29を内向きに回転駆動するため、一対の可動装飾体30は開放位置から閉じる方向へ回転する。また、この「領域IV」内において、第2の可動役物18に備えられる駆動体27の突起27bはカム溝34Bの下段側直線部34aから傾斜部34bを経て上段側直線部34aへと移行し、第3の可動役物19に備えられる駆動体27の突起27bはカム溝34Cの上段側直線部34a(第2の不感帯部36)から傾斜部34bを経て下段側直線部34aへと移行するため、第2の可動役物18の駆動体27が上昇して回動リンク28,29を外向きに回転駆動すると共に、第3の可動役物19の駆動体27が下降して回動リンク28,29を内向きに回転駆動する。したがって、モータ20を正逆両方向へ回転制御して各スライド部材26A,26B,26Cを「領域IV」内で往復移動させれば、図17(c)に示すように、第1および第3の可動役物17,19と第2の可動役物18とを蝶の羽根が羽ばたくように交互に開閉動作させることができる。
また、ホームポジションでモータ20を上記と反対の逆方向へ回転すると、可動体22が支持ベース16上を図3の矢印P2方向へ移動し、それに伴って第1ないし第3の可動役物17,18,19の各スライド部材26A,26B,26Cと第1および第2のリンクレバー37,38が逆方向へ一体的に移動する。その結果、各駆動体27の突起27bと対応するカム溝34A,34B,34Cとの係合位置が「領域I」内で変化し、この間で各駆動体27の突起27bはいずれもカム溝34A,34B,34Cの上段側直線部34aから傾斜部34bを経て下段側直線部34aへと移行するため、各駆動体27が上昇位置から下降して回動リンク28,29を内向きに回転駆動する。したがって、モータ20を正逆両方向へ回転制御して各スライド部材26A,26B,26Cを「領域I」内で往復移動させれば、図17(d)に示すように、第1ないし第3の可動役物17,18,19を蝶の羽根が羽ばたくように同時に開閉動作させることができる。
このように構成された本実施形態例に係るパチンコ機の演出装置11においては、遊技盤3に固定された支持ベース16の載置面16bに基台25を立設し、この基台25にスライド部材26と駆動体27を互いに直交する方向へ往復動可能に支持すると共に、スライド部材26に形成したカム溝34に駆動体27の突起27bを係合させているので、モータ20を駆動源としてスライド部材26が直線的に往復移動すると、その移動がカム溝34と突起27bとの係合部分で直交方向の動きに変換されて駆動体27が昇降動作する。そして、基台25の上部に一対の回動リンク28,29を回転可能に軸支すると共に、両回動リンク28,29の内方側に設けられた突出片28b,29bを駆動体27の支軸27aに同一線上で軸支しているので、駆動体27の昇降動作に伴って両回動リンク28,29の外方側に取り付けられた可動装飾体30を開閉動作させることができ、遊技機の盤面上で蝶が羽ばたきするような三次元的な動きをする可動役物17,18,19を実現することができる。
また、支持ベース16の起立壁16aにモータ20を取り付け、このモータ20の回転軸に固着したピニオン21を可動体22の一側部に刻設されたラック22aに噛合すると共に、この可動体22をスライド部材26に連結してあるので、駆動源であるモータ20を可動体22やスライド部材26の移動方向の側方に配置することができ、モータ20を含めた駆動機構全体の奥行き寸法を短縮化することができる。
また、可動役物17,18,19の構成部材である可動装飾体30を上層の光透過性シート30aと下層の光拡散シート30bとの2層構造となし、支持ベース16の載置面16bに敷設された配線基板23上に複数のLED24を実装することにより、各LED24から発せられた光が光拡散シート30bで拡散された後、透過性シート30aを透して遊技者に目視されるようになっているので、可動役物17,18,19による演出効果をより一層高めることができる。
なお、上記実施形態例では、1つのモータ20を駆動源として第1ないし第3の可動役物17,18,19を動作させる場合について説明したが、モータ20によって駆動される可動役物の数は3つに限定されず、例えば第1の可動役物17に相当する単品の可動役物や、第1および第2の可動役物17,18に相当する2連の可動役物でも良く、あるいは第3の可動役物19の奥側に同様の可動役物を連結して4連以上の可動役物とすることも可能である。
また、上記実施形態例では、可動役物17,18,19の駆動源としてモータ20を使用しているが、1つの可動役物のみを動作させる場合はモータ20の代わりにソレノイドを用いることも可能である。
また、上記実施形態例では、本発明による演出装置をパチンコ機に適用した場合について説明したが、本発明はスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
本発明の実施形態例に係るパチンコ機の斜視図である。 該パチンコ機に備えられる遊技盤の正面図である。 該遊技盤に配設された演出装置の平面図である。 該演出装置を一方向から見た側面図である。 該演出装置を他方向から見た側面図である。 該演出装置の斜視図である。 該演出装置に備えられる可動役物の斜視図である。 該可動役物の平面図である。 該可動役物の正面図である。 該可動役物の側面図である。 図10のA−A線に沿う断面図である。 該可動役物の分解斜視図である。 図8のB−B線に沿う断面図である。 該可動役物に備えられるスライド部材と駆動体の動作説明図である。 複数のスライド部材に設けられたカム溝の説明図である。 駆動体の突起とカム溝の係合関係を示すタイミングチャートである。 複数の可動役物の動作状態を示す斜視図である。
符号の説明
3 遊技盤
9 遊技領域
10 画像表示画面
11 演出装置
16 支持ベース
16a 起立壁
16b 載置面
17,18,19 可動役物
20 モータ(駆動源)
21 ピニオン
22 可動体
22a ラック
23 配線基板
24 LED(光源)
25 基台
26,26A,26B,26C スライド部材
26a 連結片
26b 凹部
27 駆動体
27a 支軸
27b 突起
28,29 回動リンク
28a,29a 軸部
28b,29b 突出片
28c,29c 支持片
30 可動装飾体
31 固定装飾体
30a 光透過性シート
30b 光拡散シート
32 支持体
32a ガイド孔
33 軸受体
33a ガイド溝
33b,33c 軸孔
34,34A,34B,34C カム溝
34a 直線部
34b 傾斜部
35 第1の不感帯部
36 第2の不感帯部
37 第1のリンクレバー
38 第2のリンクレバー

Claims (5)

  1. 遊技機の盤面に設けられた基台と、この基台に昇降可能に支持された駆動体と、前記基台に回転可能に支持された一対の回動リンクと、カム溝を有するスライド部材と、このスライド部材を前記駆動体の昇降方向に対して略直交方向へ往復移動させる駆動源とを備え、
    前記駆動体の一端部に設けた突起を前記カム溝に係合すると共に、前記駆動体の他端部に前記両回動リンクを回動可能に連結したことを特徴とする遊技機の演出装置。
  2. 請求項1の記載において、前記両回動リンクは前記駆動体を介して対向する位置で前記基台に回転可能に軸支されており、これら両回動リンクの一端側に設けられた突出片を前記駆動体に同一線上で軸支することにより、前記駆動体の昇降動作に伴って前記両回動リンクの他端側が近接離反するように開閉動作することを特徴とする遊技機の演出装置。
  3. 請求項1の記載において、前記基台が互いに略直交する方向へ延びる第1および第2のガイド孔を有し、前記駆動体が前記第1のガイド孔に挿入されると共に、前記スライド部材が前記第2のガイド孔に挿入されていることを特徴とする遊技機の演出装置。
  4. 請求項1の記載において、前記スライド部材の側方に前記駆動源であるモータを配置すると共に、前記スライド部材にその移動方向へ延びるラックを設け、前記モータによって回転されるピニオンを前記ラックに噛合させたことを特徴とする遊技機の演出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項の記載において、前記両回動リンクに蝶の羽根を模した光透過性シートを付設すると共に、前記遊技機の盤面に前記光透過性シートに光を照射する光源を配置したことを特徴とする遊技機の演出装置。
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