JP2009131290A - 可撓性ガイド板を用いた歯科用破折片除去器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】湾曲に変形した歯の根管内に残留した根管治療器具の破折片を除去するための破折片除去器具を提供する。
【解決手段】把持するための柄312と、前記柄の遠位端から突出する弾性を有したガイド板314と、前記ガイド板の遠位端において前記破折片を締めるためのワイヤ316とを備え、前記ワイヤは、前記柄の内側に近位端を置き、前記ガイド板に沿って前記ガイド板の遠位端まで伸長し、前記ガイド板の遠位端にてループ318を形成し、前記柄は、前記ワイヤを介して前記ガイド板の遠位端に形成されたループを収縮させるための操作部として設けられたスライドトリガ320を備える破折片除去装置300である。
【選択図】図1
【解決手段】把持するための柄312と、前記柄の遠位端から突出する弾性を有したガイド板314と、前記ガイド板の遠位端において前記破折片を締めるためのワイヤ316とを備え、前記ワイヤは、前記柄の内側に近位端を置き、前記ガイド板に沿って前記ガイド板の遠位端まで伸長し、前記ガイド板の遠位端にてループ318を形成し、前記柄は、前記ワイヤを介して前記ガイド板の遠位端に形成されたループを収縮させるための操作部として設けられたスライドトリガ320を備える破折片除去装置300である。
【選択図】図1
Description
本発明は、リーマやファイル等の歯科用根管治療器具の一部が根管内に破折片として残留した場合に、これを除去するための歯科用破折片除去器具に関する。
根管治療において、根管を拡大するときに用いられるファイル等の根管治療器具は、象牙質、歯質、歯髄組織等を切削する作業に由来して切削余剰物や細菌付着等の各種汚染が容易に予測される。従って、治療を受ける各患者ごとに器具を廃棄することが理想ではあるが、実際にはこれら器具の洗浄殺菌を使用する度に繰り返し行い、機能的に使用に耐えられなくなるまで継続して使用するのが一般的であった。一方、器具を継続して使用するため治療中に器具の先端が破断し、根管内に破折片が残留してしまうことも少なくない。
これまでにも、このような破折片を除去するための器具や方法が開発され(例えば、特許文献1または2)、根管内に根管治療器具の破折片が残留する問題の解決に取り組まれてきた。
特開2001−269356
特開2003−93406
本発明の目的は、様々な形状の根管内に残留した破折片を除去することができる新規の破折片除去器具を提供することにある。
本発明における歯の根管内に残された器具の破折片を除去するための破折片除去装置は、把持するための柄と、前記柄の遠位端から突出する弾性を有したガイド板と、前記ガイド板の遠位端において前記破折片を締めるためのワイヤとを備え、前記ワイヤは、前記柄の内側に近位端を置き、前記ガイド板に沿って前記ガイド板の遠位端まで伸長し、前記ガイド板の遠位端にてループを形成し、前記柄は、前記ワイヤを介して前記ガイド板の遠位端に形成されたループを収縮させるための操作部を備えることとする。
さらに、前記ガイド板は、前記遠位端において2つの通し孔を有し、前記ワイヤは、前記2つの通し孔を通って前記ガイド板の遠位端にループを形成する構成としてもよい。
または、前記ガイド板は、前記遠位端において通し孔を有し、前記ワイヤは、前記通し孔を通って前記ガイド板の遠位端にループを形成し、前記ガイド板の遠位端にて固定されている構成としてもよい。
本発明に係る破折片除去器具において、前記操作部は、トリガボタンを有し、前記トリガボタンを前記柄の内側に押し入れることにより、前記ガイド板に沿って伸長する前記ワイヤが近位端方向に引っ張られ、前記ガイド板の遠位端に形成された前記ループが収縮するように構成されていることとする。
本発明に係る破折片除去器具において、前記操作部は、滑動することができるスライドトリガであり、前記スライドトリガを前記柄の近位端方向に移動することにより、前記ガイド板に沿って伸長する前記ワイヤが前記柄の近位端方向に引っ張られ、前記ガイド板の遠位端に形成された前記ループが収縮するように構成されていることとする。
また、本発明に係る破折片除去器具において、前記ガイド板の幅は1mm以下で、厚さは1mm以下であることが好ましく、前記ワイヤの直径は、0.3mm以下であることが好ましい。
本発明の破折片除去器具を用いることによって、様々な形状の根管内に残留している根管治療器具の破折片を除去することが可能となる。
本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
===破折片除去器具の構成===
本発明の一実施例による破折片除去器具300の構成を図1に示している。破折片除去器具300は、操作者が把持する柄312と、柄312の遠位端から突出するガイド板314と、柄312を貫通しガイド板314の内側を通ってガイド板314の遠位端にループを形成するワイヤ316と、柄312に設けられ、ループを収縮させるための操作部とを備えている。操作部は、ワイヤ316をガイド板314の近位端方向に引っ張ることにより、ワイヤ316の長さと張力を調節し、ガイド板314の遠位端に形成されるループを収縮させるために設けられている。なお、本実施例においては、スライドトリガ320を操作部として柄312に設ける。
本発明の一実施例による破折片除去器具300の構成を図1に示している。破折片除去器具300は、操作者が把持する柄312と、柄312の遠位端から突出するガイド板314と、柄312を貫通しガイド板314の内側を通ってガイド板314の遠位端にループを形成するワイヤ316と、柄312に設けられ、ループを収縮させるための操作部とを備えている。操作部は、ワイヤ316をガイド板314の近位端方向に引っ張ることにより、ワイヤ316の長さと張力を調節し、ガイド板314の遠位端に形成されるループを収縮させるために設けられている。なお、本実施例においては、スライドトリガ320を操作部として柄312に設ける。
図1(a)に示すように、柄312は中空形状で、他の歯科器具と同様、握りやすく操作しやすい大きさおよび形状、衛生状態を確保できる材質からなっている。柄312の近位端の内部にワイヤ316の終端部を固定するワイヤ固定部322が設けられている。
ここで、図4に示すように、湾曲している歯の根管内に根管治療器具の破折片が残留している場合、従来の破折片除去器具は、図4に示すような根管内に残留した破折片を除去することは困難であった。また、根管を削ることで破折片までの直線状の経路を形成することもできるが、根管を大きく削る必要があるため、根管はもとより歯全体に大きく負担をかけるので実用的でない。
従って、湾曲した根管の先端に残留した破折片に到達するためには、破折片除去器具における根管内挿入部分が根管の形状に適合することが必要とされる。しかしながら、破折片除去器具の根管挿入部分が挿入する前から湾曲していてはそもそも根管の垂直部分に挿入できない。つまり、破折片除去器具の根管挿入部分は、根管の垂直部分に挿入した後、湾曲することが好ましい。
そこで、ガイド板314は、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、コバルト、クロム、アルミ、それらの合金(例えば、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金)、炭素繊維などを含む可撓性物質から構成されるスリーブとした。ガイド板314は、根管内でつかえることなく移動することができ、さらに変形した部分はその部分が根管の垂直部分に移動すると共にもとの形状に戻るようにするため、厚さを1mm〜0.03mmとし、好ましい実施形態としては、0.5mm〜0.08mmとしている。また、幅を、1mm〜0.3mmとし、好ましい実施形態としては、0.6mm〜0.4mmとしている。図1(a)に示すように、ガイド板314の厚さは、ガイド板314の近位端からガイド板314の遠位端まで一定であることが好ましいが、ガイド板314の近位端付近では厚く、ガイド板314の遠位端に向かって先細りするような構成にしてもよい。また、ガイド板314の幅もガイド板314の近位端からガイド板314の遠位端まで一定であることが好ましいが、ガイド板314の厚さと同様にガイド板314の遠位端に向かって先細りするような構成であってもよい。
ガイド板314は、歯列を超えて口腔内に挿入しやすいように、全体的に湾曲していることが好ましいが、ガイド板314の形状は湾曲形状だけでなく、施術される部位に応じて口腔内へ挿入し、操作しやすいことを考慮した形状にしてもよい。
ワイヤ316は、ニッケルメッキを施した直径0.3〜0.03mmのステンレス単線からなる高強度ワイヤであり、好ましい直径としては0.12〜0.06mm程度であるが、材質や直径は特に限定されない。図2(a)に示すように、ガイド板314の先端、すなわち遠位端には、一組の小孔328が設けられ、ワイヤ316は、両端をガイド板314の外側から両小孔328にくぐらせることにより、ガイド板314の遠位端にループ318を形成し、ガイド板314の内側および柄312の内部を通り、両終端部がワイヤ固定部322に連結されている。この場合のガイド板314の遠位端の内側を、図2(c)に拡大して示す。なお、図2(b)に拡大して示すように、ガイド板314の内側を通るワイヤ316が小孔328から突出し、ループ318を形成してからガイド板314の先端の固定部330に固定されてもよい。
図1(a)において、操作部として設けられたスライドトリガ320は、柄312の内部にて、ワイヤ316と密着している。このスライドトリガ320を、図1(b)に示すように、図1(a)に示す定位置から柄312の近位端方向にスライドさせることで、スライドトリガ320に密着しているワイヤ316を柄312の近位端方向に引っ張り、ガイド板314の遠位端に形成されたループ318の直径を小さくする。従って、スライドトリガ320を定位置から柄312の近位端方向にスライドさせる距離によって、ループ318の直径の大きさを制御する構成となっている。
===破折片除去器具の操作===
図4に示すように、湾曲している根管に残存している破折片を除去するために、本発明の破折片除去器具300の根管挿入部分であるガイド板314を根管内に挿入する。ガイド板314は、根管の入口部分が垂直であるため、根管内の垂直部分では垂直に進入し、根管内が垂直部分から湾曲する部分では、根管の内側に沿うように変形して進入し、根管の先端に残留する破折片に到達する(図5を参照)。ガイド板314が、破折片に到達すると、破折片の下方に位置すると共にループ318で破折片を縛り、スライドトリガ320を制御することによってループ318を絞って破折片を緊縛する。このようにして、破折片をガイド板314に確実に固定し、ガイド板314を根管内から取り出すときに破折片がループ318から抜け落ちないようにする。そして、破折片をガイド板314に固定したまま破折片除去器具300を口腔内から引き抜くことにより破折片を根管から除去することができる。
図4に示すように、湾曲している根管に残存している破折片を除去するために、本発明の破折片除去器具300の根管挿入部分であるガイド板314を根管内に挿入する。ガイド板314は、根管の入口部分が垂直であるため、根管内の垂直部分では垂直に進入し、根管内が垂直部分から湾曲する部分では、根管の内側に沿うように変形して進入し、根管の先端に残留する破折片に到達する(図5を参照)。ガイド板314が、破折片に到達すると、破折片の下方に位置すると共にループ318で破折片を縛り、スライドトリガ320を制御することによってループ318を絞って破折片を緊縛する。このようにして、破折片をガイド板314に確実に固定し、ガイド板314を根管内から取り出すときに破折片がループ318から抜け落ちないようにする。そして、破折片をガイド板314に固定したまま破折片除去器具300を口腔内から引き抜くことにより破折片を根管から除去することができる。
なお、ガイド板314を根管内に挿入する前に、破折片の下方と根管の間にガイド板314を挿入することができる空間を確保するため、根管に残存している破折片の周りの象牙質を切削器具等(例えば、特開2003−93406)で除去しておくことが望ましい。
===破折片除去器具のその他の構成===
破折片除去器具の他の構成例を図3に示している。破折片除去器具400においては、基本的な構成は破折片除去器具300と同様であるが、破折片除去器具300の操作部をトリガボタン420とする。
破折片除去器具の他の構成例を図3に示している。破折片除去器具400においては、基本的な構成は破折片除去器具300と同様であるが、破折片除去器具300の操作部をトリガボタン420とする。
トリガボタン420は、柄412に開口された孔に嵌合し、外面が柄412と面一であり、内面は柄412の内部にむけて弧状に膨出した形状となっている。トリガホルダ424はトリガボタン420の蝶番になっており、このトリガホルダ424を支点にトリガボタン420を柄412の内部に押し入れる。柄412の内部にバネ等の弾性体を設け(図示せず)、この弾性体とトリガボタン420の弧状に膨出した内面が接触する構成にすることにより、トリガボタン420の外面が柄412と面一の状態を保たれてもよい。あるいは、トリガボタン420を柄412の内側に押すとその力に反発するようにトリガホルダ424に弾性体を設けることで、トリガボタン420の外面が柄412と面一の状態を保つような構成とすることもできる。これらの面一を保つような状態において、トリガボタン420の内面はワイヤ416(図示せず)と接触している。
ループの直径を調節するため、トリガボタン420を柄412の内部に押し込むと、ワイヤ416は撓るので、トリガボタン420とワイヤ416の接触点より柄412の遠位端方向にあるワイヤ416を柄412の近位端方向に引っ張ることとなる。その結果、ガイド板414の遠位端に形成されたループ418の直径が小さくなる。トリガボタン420を内側に押す距離によって、ループ418の直径の大きさを制御する構成となっている。
300、400 破折片除去器具
312、412 柄
314、414 ガイド板
316、416 ワイヤ
318、418 ループ
320 スライドトリガ
322 ワイヤ固定部
312、412 柄
314、414 ガイド板
316、416 ワイヤ
318、418 ループ
320 スライドトリガ
322 ワイヤ固定部
Claims (7)
- 歯の根管内に残された器具の破折片を除去するための破折片除去装置であって、
把持するための柄と、
前記柄の遠位端から突出する弾性を有したガイド板と、
前記ガイド板の遠位端において前記破折片を締めるためのワイヤと、を備え、
前記ワイヤは、前記柄の内側に近位端を置き、前記ガイド板に沿って前記ガイド板の遠位端まで伸長し、前記ガイド板の遠位端にてループを形成し、
前記柄は、前記ワイヤを介して前記ガイド板の遠位端に形成されたループを収縮させるための操作部を備えることを特徴とする、
破折片除去装置。 - 前記ガイド板は、前記遠位端において2つの通し孔を有し、
前記ワイヤは、前記2つの通し孔を通って前記ガイド板の遠位端にループを形成することを特徴とする、
請求項1に記載の破折片除去装置。 - 前記ガイド板は、前記遠位端において通し孔を有し、
前記ワイヤは、前記通し孔を通って前記ガイド板の遠位端にループを形成し、前記ガイド板の遠位端にて固定されていることを特徴とする、
請求項1に記載の破折片除去装置。 - 前記操作部はトリガボタンを有し、前記トリガボタンを前記柄の内側に押し入れることにより、前記ガイド板に沿って伸長する前記ワイヤが近位端方向に引っ張られ、前記ガイド板の遠位端に形成された前記ループが収縮するように構成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の破折片除去装置。 - 前記操作部は、滑動することができるスライドトリガであり、前記スライドトリガを前記柄の近位端方向に移動することにより、前記ガイド板に沿って伸長する前記ワイヤが前記柄の近位端方向に引っ張られ、前記ガイド板の遠位端に形成された前記ループが収縮するように構成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の破折片除去装置。 - 前記ガイド板の幅は1mm以下で、厚さは1mm以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の破折片除去装置。 - 前記ワイヤの直径は、0.3mm以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の破折片除去装置。
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JP2006063126A JP2009131290A (ja) | 2006-03-08 | 2006-03-08 | 可撓性ガイド板を用いた歯科用破折片除去器具 |
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- 2007-03-07 WO PCT/JP2007/054416 patent/WO2007102535A1/ja active Application Filing
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