JP2009130923A - パケット通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は,無線によるパケット通信システムにおいて,フレームが正常に受信できる受信電界強度の閾値を決定する手段と,前記閾値以上の受信電界強度が連続して保持される時間を求める計時手段と,前記閾値以上の受信電界強度が連続して保持される時間に基づいて,フレーム長を決定する手段と,を備えたことを特徴とするパケット通信システムを提供するものである。
【選択図】図1
Description
したがって,フェージング等による信号強度の周期的な変化が存在する場合は,フレームの長さによってエラーの発生率が変化するので,良好な伝送特性を得るためには,フレームの長さを調整することが有効な手段となり得る。
このモニターによれば,フレームの時間長およびエラー発生状況と,受信電界強度とを時系列にビジュアル化してみることができる。したがって,フレームがエラーになる受信電界強度のレベルや,受信電界強度の大きいときと小さいときの平均的な周期を認識し,この周期に基づいて適切なフレーム長を推測することが可能である。
本発明は,このような課題に鑑みてなされたものであり,無線によるパケット通信システムにおいて,良好な伝送特性を得るために適切なフレーム長を決定する際,自動的に適切なフレーム長を決定できるパケット通信システムを提供することを目的とする。
または,上記パケット通信システムは,フェージングによってエラーとなったエラーフレームを検出する手段と,前記エラーフレームの受信開始から受信終了までの間において,正常バイトを受信している間における最小受信電界強度値を前記閾値に決定する手段と,を備えることができる。
まず,本発明の第1の実施形態を,図面を参照して説明する。
図1は,本発明によるパケット通信システム全体の構成を示すブロック図である。すなわち,本発明によるパケット通信システムは無線回線を制御する無線部1と,信号を制御する信号制御部2と,コンピュータ7と,モニター8とを備えている。このパケット通信システムにおいて使用する通信プロトコルは,例えばHDLC(ハイレベルデータリンク制御手順:High level Data Link Control procedures)のようなフレーム同期方式である。また,送信側と受信側の通信速度は一致している。
なお,該パケット通信システムにおいては,データの透過性は保証されており,フレームチェックシーケンスに採用する誤り検出符号はCRC(巡回冗長検査符号方式:Cyclic Redundancy Check character)等を用いる。
まず,送信側のパケット通信システムにおいて,コンピュータ7に入力されたデータはフレーム処理部6によってフレームに組み立てられた後,変調器5によって変調され,送信部1bによって無線で送信される。
無線によって送信されたフレームの信号は,受信側のパケット通信システムの受信部1aによって受信される。そこで,信号が受信されている間の受信電界強度Sが,電界強度検出器21によって,所定のサンプリング間隔で測定され,ディジタル値として検出される。そして,受信電界強度Sと,受信電界強度Sが検出された時刻におけるカウンタ26のカウント値C1とが制御回路(D)24によって連続的にメモリ27に記録される。ここで,カウンタ26は,所定の時間毎に所定のカウント数を増加していくような時計手段を備えているクロックカウンタであり,カウンタ26が出力するカウント値は時間または時刻を示す。例えば,一定の時間毎にカウンタ26のカウント値が1ずつ増加し,このカウント値が1ずつ増加するタイミングで受信電界強度Sが検出されると,メモリ27に記録されるデータは図4に示すテーブル41のようになる。
メモリ27に記録されたデータはコンピュータ7の記憶装置に転送される。
コンピュータ7は記憶装置に転送されたテーブル42のデータに基づいて,フレームが正常に受信できる閾値Sk以上の受信電界強度が連続して保持される時間を算出する。すなわち,式1に示すように,カウント値C3からカウント値C2を引いて得られた値が,フレームが正常に受信できる受信電界強度が連続して保持される時間T1とみなされる。
T1=C3−C2 ・・・・・(式1)
次に,コンピュータ7は,算出された複数の時間T1の平均値を求め,この時間T1の平均値より短い時間長となるようにフレーム長を決定する。例えば,式2に示すように,時間T1の平均値を10で割った値をフレーム長L1とする。
フレーム長L1は,フェージングによって信号強度が小さくなる周期の平均値に対して十分短いため,通信を可能とするために適切なフレーム長となる。このフレーム長L1は時間長であるが,例えばこれがバイト長又はビット長に変換され,このバイト長又はビット長の情報が送信側にフィードバックされて,以降の通信のフレーム長として設定される。
上述した通り,無線によって送信されたフレームの信号が受信側のパケット通信システムにおいて受信されると,信号が受信されている間の受信電界強度Sと,この受信電界強度Sが検出されたときのカウント値C1とが時系列に連続的にメモリ27に記録される。一方,フラグ検出器22は,フレームの信号が復調器4によってディジタル復調されたシリアルデータを逐次フレーム同期制御を行いながら取り込み,フレームの開始フラグと終了フラグとを検出する。制御回路(E)25は,フラグ検出器22がフレームの開始フラグを検出した時刻と,フレームの終了フラグを検出した時刻とを,夫々,カウンタ26のカウント値として検出する。さらに制御回路(E)25は,前記カウント値に基づいて,フレーム受信開始時刻を示すカウント値C4と,フレーム受信終了時刻を示すカウント値C5とをメモリ28に記録する(図4のテーブル43参照)。また,フレーム判定器23は,フレーム処理部6で行われたフレームの検査結果に基づき,フレーム到着番号rと,フレームが正常であるかエラーであるかを示す正誤データN(r)と,フレームの内容全てを含むフレームデータF(r)とをメモリ29に記録する(図4のテーブル44参照)。なお,正誤データN(r)は,例えば正常を“0”,エラーを“1”で表す。
そして,メモリ27,メモリ28及びメモリ29に記録されたデータはコンピュータ7の記憶装置に転送される。
まず,特定されたエラーバイトがフレームの先頭(開始フラグを除く)から数えて何番目のバイトであるかが検出される。すなわち,フレームの先頭から特定されたエラーバイトまでのバイトの数(特定されたエラーバイトを含む)が検出される。なお,フレームの先頭から特定されたエラーバイトまでのバイトの数をエラーバイト番号By(n)と称する。ここで,添え字nは1フレーム毎のエラーバイトの通し番号を示す。
次に,テーブル43(図4参照)とテーブル44(図4参照)とのデータに基づいて,エラーフレームの受信開始時刻であるカウント値C4が検出される。そして,このエラーフレームの受信開始時刻であるカウント値C4と,1バイト当たりの受信時間であるカウント値Tbyと,エラーバイト番号By(n)とに基づいて,式3により,エラーバイトを受信した時刻を示すカウント値Cby(n)が算出される(図5参照)。すなわち,エラーバイト番号By(n)にカウント値Tbyを掛けて,フレーム受信開始からエラーバイトを受信するまでの時間値が得られ,この時間値にカウント値C4を足してカウント値Cby(n)を求めることができる。
ここで,1バイト当たりの受信時間であるカウント値Tbyは,1バイトの信号を受信する時間におけるカウンタ26のカウント増加数である(本実施形態ではTby=8である)。また,カウント値Cby(n)は,エラーバイトを受信した時のカウンタ26が示すカウント値に相当する。
Cby(n)=By(n)×Tby+C4 ・・・・・(式3)
図6のフローチャートAは,本実施形態において,閾値Skを決定する手順を示すフローチャートである。以下に,閾値Skを決定する手順について,フローチャートAを参照して,さらに詳しく説明する。
また,SminがS(t)以下である場合は,該カウント値tの時に受信したエラーバイトはフェージング以外の原因によるエラーとみなされ,正常バイトと同様に処理される。そして,ステップ70において,添え字nが1だけ増加し,次のエラーバイトのカウント値Cby(n)が参照される。
以上の手順によって,閾値Skが決定される。なお,上述した第1の実施形態のフローチャートAでは,1つの閾値Skが決定されて終了するが,複数のエラーフレームから複数の閾値Skを求めるようにしてもよい。その場合,これら複数の閾値Skの最大値,最小値,平均値等のいずれかの値を最終的な閾値Skに決定することが可能である。
第1の実施形態における閾値Skを決定する手順は,バイト単位に処理するものであるが,これらをすべてビット単位で処理することも可能である。すなわち,第1の実施形態では,エラーをバイト単位で処理したが,エラーをビット単位で処理したデータに基づいて,閾値Skを決定することができる。
コンピュータ7は,フレームデータF(r)に基づいて,エラーフレームと,正常な再送フレームとを比較して,エラーフレームにおけるエラービットを特定し,さらにエラービットを受信した時刻を求める。エラービットを受信した時刻は,以下の手順で求めることができる。
まず,特定されたエラービットがフレームの先頭(開始フラグを除く)から何番目のビットであるかが検出される。すなわち,フレームの先頭から特定されたエラービットまでのビットの数(特定されたエラービットを含む)が検出される。なお,フレームの先頭から特定されたエラービットまでのビットの数をエラービット番号B(n)と称する。ここで,添え字nは1フレーム毎のエラービットの通し番号を示す。次に,テーブル43(図4参照)とテーブル44(図4参照)とのデータに基づいて,エラーフレームの受信開始時刻であるカウント値C4が検出される。そして,このエラーフレームのフレーム受信開始時刻であるカウント値C4と,1ビット当たりの受信時間であるカウント値Tbと,エラービット番号B(n)とに基づいて,式4により,エラービットを受信した時刻を示すカウント値Cb(n)が算出される(図5参照)。すなわち,エラービット番号B(n)にカウント値Tbを掛けて,エラーフレームの先頭からエラービットまでの時間値が得られ,この時間値にカウント値C4を足してエラービットを受信した時刻を示すカウント値Cb(n)を求めることができる。
ここで,1ビット当たりの受信時間であるカウント値Tbは,1ビットの信号を受信する時間におけるカウンタ26のカウント増加数である(本実施形態ではTb=1である)。また,カウント値Cb(n)は,エラービットを受信した時のカウンタ26が示すカウント値に相当する。
Cb(n)=B(n)×Tb+C4 ・・・・・(式4)
コンピュータ7は,テーブル41,テーブル45及びテーブル47のデータに基づいて,フローチャートAに示した手順によって閾値Skを決定する。ビット単位で処理する場合は,フローチャートAにおけるステップ64の“t←t+Tby”は“t←t+Tb”に置き換え,ステップ65の“t<Cby(n)”は“t<Cb(n)”に置き換え,ステップ71の“n>BY”は“n>BN”に置き換える。
次に,第1の実施形態の閾値Skを決定する方法において,別の方法を用いた第3の実施形態を説明する。第3の実施形態では,エラーフレームの受信開始から受信終了までの間で,正常バイトを受信している間における最小受信電界強度値と,エラーバイトを受信している間における最小受信電界強度値とが比較される。比較した結果,エラーバイトを受信している間における最小受信電界強度値の方が正常バイトを受信している間における最小受信電界強度値より小さい場合は,エラーフレーム中に,フェージングによるエラーが存在すると判断される。そして,正常バイトを受信している間における最小受信電界強度値が閾値Skに決定される。
以下に,第3の実施形態の閾値Skを決定する方法について,フローチャートB(図7参照),フローチャートC(図8参照)及びフローチャートD(図9参照)を参照して,さらに詳しく説明する。
次に,ステップ97において,nが1だけ増加し,ステップ98に進み,nとBYとが比較される。nがBYより大きくない場合は,ステップ99に進み,カウント値Cby(n)がカウント値tに代入される。次にステップ100に進み,SEminと,カウント値tのときの受信電界強度S(t)とが比較される。SEminがS(t)以下である場合は,直接ステップ97に戻り,SEminがS(t)以下でない場合は,ステップ101に進み,カウント値tのときの受信電界強度S(t)がSEminに代入されて,ステップ97に戻る。
なお,上述した第3の実施形態のフローチャートでは1つの閾値Skが決定されて終了するが,複数のエラーフレームから複数の閾値Skを求めるようにしてもよい。その場合,これら複数の閾値Skの最大値,最小値,平均値等のいずれかの値を最終的な閾値Skに決定することが可能である。
4:復調器,5:変調器,6:フレーム処理部,7:コンピュータ
8:モニター
21:電界強度検出器,22:フラグ検出器,23:フレーム判定器
24:制御回路(D),25:制御回路(E),26:カウンタ(時計カウンタ)
27,28,29:メモリ,31:Iフレーム
41,42,43,44,45,46,47:コンピュータの記憶装置に記憶されたテーブル例
Claims (3)
- 無線によるパケット通信システムにおいて,
フレームが正常に受信できる受信電界強度の閾値を決定する手段と,前記閾値以上の受信電界強度が連続して保持される時間を求める計時手段と,
前記閾値以上の受信電界強度が連続して保持される時間に基づいて,フレーム長を決定する手段と,を備えたことを特徴とするパケット通信システム。 - フェージングによってエラーとなったエラーフレームの受信開始から,フェージングによって最初にエラーとなったエラーバイトまたはエラービットを検出する手段と,前記エラーフレームの受信開始から前記エラーバイトまたは前記エラービットを受信する直前までの間における最小受信電界強度値を前記閾値に決定する手段と,を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパケット通信システム。
- フェージングによってエラーとなったエラーフレームを検出する手段と,前記エラーフレームの受信開始から受信終了までの間において,正常バイトを受信している間における最小受信電界強度値を前記閾値に決定する手段と,を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパケット通信システム。
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