JP2009130705A - 文書処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明コートの目的で特色のオブジェクトを電子原稿に設定する場合、特色が指定されたオブジェクトが一般のオブジェクトの上に重なるが、このとき特色のオブジェクトは透明情報のないCMYKやRGB等のプロセスカラーにマップされて出力されているので、オブジェクトの重なりにより原稿データの内容が伝わらないケースがある。
【解決手段】 特色のオブジェクトがどのように重なっているかということと、特色のオブジェクトが重なることにより隠してしまっている下方の一般のオブジェクトが同時に確認できるようにプレビューする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷ジョブに対する印刷設定方法および装置および媒体に関するもので、特に、アプリケーションにより生成される文書データの印刷設定を考慮したプレビューを表示させるよう制御する情報処理装置および情報処理方法およびプログラムが格納された記憶媒体およびコンピュータ読み取り可能なプログラムに関するものである。
例えば文書処理プログラムや画像編集プログラム等、様々なプログラムによって生成される出力データをひとつの文書としてまとめ、その文書に対する編集機能を提供する文書処理方法及びそのシステムに関し、パーソナルコンピュータ等の情報処理とプリンタから成るシステムにおける文書処理方法及びそのシステムに関するものである。なお、このような機能を提供するシステムは一般的にDTP(DeskTopPublishing)アプリケーションと呼ばれることが多い。
その中でも、特色(SeparationColor)の設定が施されたPS形式や、PDF形式の原稿データに対するDTPアプリケーション上のプレビュー処理の方法に関するものである。
文字、表、画像といった、扱いたいデータの種類が異なれば、データを定義する構造やそれらデータに対する編集操作が異なるために、データの種類に応じた様々なアプリケーションプログラムが提供されている。利用者は、文字を編集するためには文字処理プログラム、表を編集するためには表計算プログラム、画像を編集するためには画像編集プログラムといった具合に、データの種類別にアプリケーションを使い分けている。
このように、利用者はデータの種類ごとにアプリケーションプログラムを使い分けるのが一般的である。しかし、利用者が作成しようとする文書としては、例えば文字のみや、表のみ、画像のみといった1種類のデータのみから構成される文書よりも、文字と表、文字と画像など、複数種類のデータから構成される文書の方が一般的である。そこで複数種類のデータを含む目的文書を作成するために、利用者は各種アプリケーションが備えている印刷機能を利用してアプリケーションごとにデータを印刷させ、印刷物を所望の順序に組み合わせる必要があった。このことは、利用者に多大な労力が必要とされるということであり、生産性の低下をもたらす。
上記問題点を鑑みて、いわゆるオフィススイートと呼ばれる、各種アプリケーションで生成された原稿データから、ひとつのDTPアプリケーションファイルを生成するDTPアプリケーションが登場した。DTPアプリケーションでは、各アプリケーションで生成された原稿データを組み合わせ、ひとつの文書を構成する機能を提供するものである。このDTPアプリケーションを使用する場合、利用者は各アプリケーションファイルをDTPアプリケーションに含まれる変換アプリケーションによってひとつの目的文書にまとめることができる。また、上記DTPアプリケーションは、編集アプリケーションを含んでおり、DTPアプリケーションファイルのページの入れ替え、削除といった編集操作が可能である。
一般的な印刷やディスプレイプレビューを行う場合においてであるが、作成された文書データや画像データなどのアプリケーションデータを印刷やプレビューする際は、OSによって提供される所定のインタフェース(一般に、GDIと呼ばれる)を利用している。作成したデータを印刷やディスプレイするために、上述のインタフェースを提供するOSの出力モジュールに対して、あらかじめ定められる、OSに依存する形式の出力コマンド(GDI関数と呼ばれる)を送信している。
また、GDIに依存しない印刷方法として、ページ記述言語があり、DTP環境の中で基準となっている。これは出力装置の特性に依存しないデータ記述が可能(デバイスインディペンデント)で、PSやPDF対応の出力機であれば、何れに対しても同じデータを転送でき、出力機サイドのインタプリタが指定の解像度に応じて処理をするといった印刷システムがある。PSやPDF印刷のメリットとしては、OSに依存する方法では必須となるGDIの処理を経由することが無いので、GDIの形式の色空間(GDIの色空間はRGB)や、GDIの形式の描画命令に一旦変換する必要が無く、色精度やパフォーマンスが向上することが期待される。以上のような点から、DTP環境においては、原稿データのフォーマットとして、PS形式やPDF形式の原稿データにて作成するケースがほとんどである。さらに、最近の傾向として、PS形式やPDF形式の原稿データの中に、特色の設定が施されたオブジェクトを持つデータが出回るようになってきた。その要因として、透明トナーの普及がある。PS形式やPDF形式のフォーマットにおいて、透明トナーで表現したいオブジェクトの色は、特色設定で定義しなければならない。よって、特色指定のオブジェクトを含む原稿データは年々増加している状況である。
上記の例として、下記特許文献1をあげることが出来る。
特開2007−11735号公報
透明トナーなどの特色が設定されている原稿データには通常、特色の固有名称(例えば、Candy−Clear−Toner)にプラスして、その透明トナーの特色を表現できない出力デバイス向けに、代替色のCMYK値を設定しておく必要がある。これは、PS形式やPDF形式といったDTP環境の中で標準となっているデータ形式のフォーマット仕様として、特色はどのような色なのかという詳細情報を付与することが認められていないためである。よって、PS形式やPDF形式のフォーマットにおいては、特色の固有名称からどのような色かを解釈できない出力デバイス向けに、代替色のCMYK値を設定しておかなければならない仕様がある。
特色を含む原稿データは通常、出力デバイスが持つ特色特性や特色情報を加味した状態にて原稿データが作成される。つまり、デバイスで持つCandy−Clear−Tonerという特色の透明トナーを使いたい場合は、原稿データ内の所望のオブジェクトに対して特色の固有名称であるCandy−Clear−Tonerの色が設定されている。
しかし、その原稿データが情報共有のために広く配布されてしまう場合などには、その特色の固有名称と実際の色を理解できる出力デバイスでなければ必ず代替色のCMYKで出力されることになってしまう。このとき、特色の指定されたオブジェクトの色がCandy−Clear−Tonerという透明トナーである場合、Candy−Clear−Tonerを認識できないDTPアプリケーションは、本来は透かしてデザインされた部分を特にユーザに通知することなくCMYKの代替色でプレビューされている状態である。よって、特色が指定されたオブジェクトが一般のオブジェクトの上にかかってしまう場合、原稿データの作成者が伝えたい内容が伝わらないということがある。
原稿データ内の特色のオブジェクトが、一般のオブジェクトに重なっている場合に、その重なっている特色のオブジェクトをハイライト表示させ、特色のオブジェクトが一般のオブジェクトに重なっていることを通知する手段を持たせる。ただし、特色のオブジェクトがどのように重なっているかということと、特色のオブジェクトが重なることにより隠してしまっている下方の一般のオブジェクトが同時に確認できるようにプレビューする。このとき、特色のオブジェクトが原稿データ内のページ上で覆う範囲の大きさに応じてプレビュー方法を動的に変更し、視覚性の点でユーザビリティを向上させる。
さらにCMYKの代替色で表現している特色のオブジェクトに対し、半透明(AlphaBlend)の色設定でオブジェクトを作成しなおすことができる手段を持たせる。そうすれば、重なっている特色のオブジェクトをハイライト表示しなくても、原稿データをそのままプレビューさせることで、重なりの部分が透かされた状態でプレビューできるようになる。
DTP環境において標準フォーマットとして普及しているPS形式やPDF形式の原稿データの中には、特色の設定が施された原稿データがあるが、特色の固有名称と実際の色を理解できないDTPアプリケーションは、特にユーザに通知することなくCMYKの代替色でプレビューしている現状である。よって、透明トナーでデザインしたい箇所を特色によって原稿データを作成するとなると、その特色で指定されたオブジェクトが一般のオブジェクトの上に重なってしまう場合、原稿データの作成者が伝えたい内容が伝わらないケースや、意図しない内容があちこちで出力されてしまうということがあった。しかし、本発明によると、特色のオブジェクトの影響で、隠れてしまうことを意図していない一般のオブジェクトの情報(文字、イメージ、グラフィックス等)と、特色のオブジェクトがどのように重なっているのかを同時に確認できる。よって、特色が指定されたオブジェクトが一般のオブジェクトの上にかかってしまう場合、原稿データの内容が正しく伝わらないといったことを回避することができる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
[システム概要]
まず、本発明に係る文書処理システムの概要について、図1〜図13を参照して以下に説明する。尚、この文書処理システムは、一般のアプリケーションによって作成されたデータファイルを電子原稿ファイルに変換する電子原稿ライタと、その電子原稿データを編集する機能を提供するDTPアプリケーションとを含み、作成されたデータを一まとめにした文書の作成及び編集を可能とし、その操作性を向上させて文書編集を効率的に行えるものである。
[システム構成及び動作]
図1は、本実施形態の文書処理システムのソフトウェア構成を示す図である。文書処理システムは、本発明の情報処理装置に好適な実施形態であるデジタルコンピュータ101(以下、ホストコンピュータとも呼ぶ)によって実現されている。図1に示す一般アプリケーション101は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドロー、あるいはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集などの機能を提供するアプリケーションプログラムであり、OSに対する印刷機能を有している。これらのアプリケーションは、作成された文書データや画像データなどのアプリケーションデータを印刷する際に、OSによって提供される所定のインタフェース(一般に、GDIと呼ばれる)を利用する。OSとしてマイクロソフト社のWindows(登録商標)を利用する場合には、前述した出力モジュールとしてはGDI(Graphic Device Interface)と呼ばれるモジュールが相当する。
電子原稿ライタ102は、上述のデバイスドライバを改良したものであり、本文書処理システム実現のために提供されるソフトウェアモジュールである。但し、電子原稿ライタ102は特定の出力デバイスを目的としておらず、詳細は後述するDTPアプリケーション104やプリンタドライバ106により処理可能な形式に出力コマンドを変換する。この電子原稿ライタ102による変換後の形式(以後電子原稿形式と呼ぶ)は、ページ単位の原稿を詳細な書式をもって表現可能であれば特に問わない。実質的な標準形式のうち、例えばアドビシステムズによるPDF形式などが電子原稿形式として採用できる。なお、入稿される原稿データが、すでに電子原稿形式のターゲットとするPDF形式などの場合は、変換を行わずにそのままのデータ形式で取り込む。
一般アプリケーション101から電子原稿ライタ102を利用させる場合には、出力に使用するデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してから印刷を実行させる。但し、電子原稿ライタ102によって作成されたままの電子原稿ファイルは、電子原稿ファイルとして完全な形式を備えていない。そのため、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定するのはDTPアプリケーション104であり、その管理下でアプリケーションデータの電子原稿ファイルへの変換が実行される。そして、DTPアプリケーション104は電子原稿ライタ102が生成した新規の不完全な電子原稿ファイルを後述する形式を備えた電子原稿ファイルとして完成させる。以下、この点を明瞭に識別する必要がある場合、電子原稿ライタ102によって作成されたファイルを「電子原稿ファイル」と呼び、DTPアプリケーション104によって構造を与えられた電子原稿ファイルを「ブックファイル」と呼ぶ。また、特に区別する必要がない場合は、アプリケーションにより生成されるドキュメントファイル、電子原稿ファイル、及びブックファイルをいずれも文書ファイル(または文書データ)と呼ぶ。
このようにデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定し、一般アプリケーション101によりデータを印刷させることで、アプリケーションデータはアプリケーション101によって定義されたページ(以後論理ページあるいは原稿ページと呼ぶ)を単位とする電子原稿形式に変換され、電子原稿ファイル103としてハードディスクなどの記憶媒体に格納される。尚、ハードディスクは、本実施形態の文書処理システムを実現するコンピュータが備えているローカルドライブであっても良く、ネットワークに接続されている場合にはネットワーク上に提供されるドライブであっても良い。
DTPアプリケーション104は電子原稿ファイル(あるいはブックファイル)103を読み込み、それを編集するための機能を利用者に提供する。但し、DTPアプリケーション104は、各ページの内容を編集する機能は提供しておらず、ページを最小単位として構成される、後述する章やブックの構造を編集するための機能を提供している。
DTPアプリケーション104によって編集されたブックファイル103を印刷する際には、DTPアプリケーション104によって電子原稿デスプーラ105が起動される。電子原稿デスプーラ105は、DTPアプリケーションと共にコンピュータ内にインストールされるプログラムモジュールであり、DTPアプリケーションで利用するドキュメント(ブックファイル)を印刷する際に、プリンタドライバへ描画データを出力するために使用されるモジュールである。電子原稿デスプーラ105は、指定されたブックファイルをハードディスクから読み出し、ブックファイルに記述された形式で各ページを印刷するために、前述したOSの出力モジュールに適合する出力コマンドを生成し、不図示の出力モジュールに出力する。その際に、出力デバイスとして使用されるプリンタ107用のプリンタドライバ106がデバイスドライバとして指定される。上述の出力モジュールは、受信した出力コマンドをデバイスコマンドに変換して指定されたプリンタ107用のプリンタドライバ106に出力し、そのプリンタドライバ106がプリンタ107で解釈実行可能なページ記述言語等のコマンドに変換する。そして、変換されたコマンドはプリンタドライバ106から不図示のシステムスプーラを介してプリンタ107に送信され、プリンタ107によってコマンドに応じた画像が印刷される。
図2は、コンピュータ100のハードウェアブロック図である。図2において、CPU201は、ROM203のプログラム用ROMに記憶された、あるいはハードディスク211からRAM202にロードされたOSや一般アプリケーション、DTPアプリケーションなどのプログラムを実行し、図1のソフトウェア構成や、後述するフローチャートの手順を実現する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBC)205は、キーボード209や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)206は、CRTディスプレイ210の表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)207は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、後述する編集ファイル等を記憶するハードディスク(HD)211やフレキシブルディスク(FD)等とのアクセスを制御する。PRTC208は、接続されたプリンタ107との間の信号の交換を制御する。NC212はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
[プレビュー表示]
原稿データがDTPアプリケーションによって開かれると、図3に示したユーザインタフェース画面400が表示される。ツリー部401には、開いている原稿群の構造を示すツリーが表示される。プレビュー部402には原稿ページのレイアウトが反映された形で原稿ページ403が表示される。
[プレビュー方法の実施例1]
図5はDTPアプリケーションに特色のオブジェクトを持った原稿データが入稿されたときのプレビュー方法に関する処理フローを示している。入稿されたタイミングで、原稿データ内のカラー設定に特色が指定されているオブジェクトがあるかの確認を行い、その判定を行う(S501)。原稿データがPDF形式であれば、オブジェクトごとにSeparationColorが設定されているかどうかのフラグを確認すればよい。
特色のオブジェクトが原稿データ内にある場合(S501:Yes)、その特色オブジェクトが全面コートの目的で使用されているかの確認を行う(S502)。透明トナーを使用する目的で特色のオブジェクトを配置する場合、大きく分けると、部分コートの目的でデザインされるケースと、ページの全面コートあるいは全面コートに準ずる大きさでデザインされるケースが考えられる。よって、全面コートの特色のオブジェクトをプレビューさせる場合と、部分コートの特色のオブジェクトをプレビューされる場合でプレビュー方法を変えて、どのような特色のオブジェクトが施されているのか認知させるプレビューを行うために、その前判定を行う。
図6は全面コート判定の処理フローを示している。全面コートの判断は、原稿ページのBoxサイズおよび位置(S601)と、特色のオブジェクトのBoxサイズおよび位置(S602)を重ね合わせて(S603)、ページに重なる特色のオブジェクトの占有面積の割合を算出する(S604)。そこで、全面コートに準ずる閾値を超えた場合は全面コート判定とし、閾値未満の場合は部分コート判定とする。なお、閾値はユーザ指定でもよいし、あらかじめ設定されたデフォルト値(95%等)でもよい。
全面コート判定(S503:Yes)となった場合には、プレビューの際に、全面を覆っている特色のオブジェクトの輪郭の点滅表示を行う(701)。そうすることで、全面を覆っている特色のオブジェクトの存在感の維持と同時に、もともと特色のオブジェクトに重なって見えなくなっていた一般のオブジェクトを全体表示することができるので、原稿全体の視覚性の向上を図ることが出来る(S504)。
部分コート判定(S503:No)となった場合には、特色のオブジェクトが、一般のオブジェクトに重なっているか判定を行う(S505)。重なっている箇所を検知する仕組みは、原稿データから作成するGDIの描画結果をビットマップに落としてシミュレートする方法がある。図8に特色オブジェクトの重なり判定の処理フローを示している。まずは特色ではない一般のオブジェクトを描画させたビットマップを作成する(S801)。次に1つ以上ある特色のオブジェクトを順番に1つずつ、それを描画したビットマップを作成する(S802)。両者のビット比較(S803)を行い、一般のオブジェクトで色の付加を行っているビットの箇所と同じところに、特色のオブジェクトで色の付加を行っているビットがあれば重なりがあると判定できる(S804)。重なりがあると判定できたオブジェクト(S804:Yes)は、後ほどプレビュー時に点滅させる対象となるので、リストアップしておく(S805)。まだビットマップを作成していない特色のオブジェクトが残っている場合は再度S802に戻る(S806)。
ステップS505にて重なり判定になった特色のオブジェクトに対しては、点滅表示を行う。特色のオブジェクトの点滅表示により、特色のオブジェクトが一般のオブジェクトに重なっていることの警告と、重なっている特色のオブジェクトの下方にどのような一般のオブジェクトが存在しているのか確認することができる(1101、1102、1103)。
さらに、重なり判定になった特色のオブジェクトに対し、半透明の色設定でオブジェクトを作成しなおすことができる手段を持たせる(S507)。そうすれば、原稿データをそのまま描画させることで、重なりの部分が透かされた状態でプレビューできるので、装飾的に自然なプレビューが得られる。原稿データがPDF形式の場合であれば特色のオブジェクトを、半透明の色設定のAlphaBlendが設定できるアノテーション形式に変換する。図9は原稿データ内の特色のオブジェクトをアノテーション形式に変換するときの処理フローを示している。アプリケーションの操作者からアノテーション形式への変換が指示された場合(S901:Yes)は、変換時に使用するアノテーションのAlpha値を受け付ける(S902)。その後、前記にて受け付けられたAlpha値を反映したアノテーション形式のオブジェクトに変換して原稿データを再構成する(S903)。
[プレビュー方法の実施例2]
図12はDTPアプリケーションに特色のオブジェクトを持った原稿データが入稿されたときのプレビュー方法に関する処理フローにおける第2の実施例を示している。ただし、プレビュー方法の実施例1に記載した図5の処理フローの中に、2つの追加処理(S1207とS1208)を加えた実施例である。図5の処理のステップS506とS507の間に、ステップS1207とS1208を追加して図12とした処理を、プレビュー方法の実施例2とし、プレビュー方法の実施例1から追加となる処理について説明する。
重なりが発生している特色のオブジェクトをただ点滅させるだけでは、ページ上の重要なオブジェクトが下敷きになっているのに、それを見逃してしまうといったことがある。よって、特色のオブジェクトによって下敷きになっている一般のオブジェクトの種類別に、特色オブジェクトの存在を差別化してプレビューすることで認知性を向上させるのが目的である。ステップS1207においては、アプリケーションの操作者から、重なっている一般オブジェクトの種類ごとに特色のオブジェクトの表示方法を変更するか、または変更しないかの指示を受け付ける。
特色のオブジェクトによる下敷きにより、隠蔽されてしまう一般オブジェクトの中には、署名の外観をあらわす署名スタンプといった、ページ上の情報として重要性の高いものが含まれるケースがある。この場合、他とは差別化されたプレビューであったほうがアプリケーションの操作者にとって重要度別の認知性が向上する。よって、隠蔽されてしまっている一般オブジェクトの種類ごとに、特色オブジェクトの表示方法を動的に変更できるようにする(S1207:Yes)。例えば、署名の外観をあらわす署名スタンプが隠れてしまう場合、その署名スタンプを覆っている特色のオブジェクトは赤色で点滅させる(1401)。また、隠れてしまう一般のオブジェクトが署名スタンプ以外の場合、重なっている特色のオブジェクトは黄色で点滅させる(1402)。
どの特色オブジェクトが、どの種類の一般オブジェクトに重なったかということは、プレビュー方法の実施例1と同様に、GDIの描画結果をビットマップに落としてシミュレートする方法で判定することができる。ただし、一般オブジェクトのみから作成されるビットマップを作成するところが、プレビュー方法の実施例1と異なる。図13は隠れてしまう一般のオブジェクトの種類別に、特色のオブジェクトのプレビュー方法を差別化する際の処理のフローを示している。オブジェクトの種類をビットマップ上で判別するため、ビットマップを構成する色成分のうち、1成分のデータはオブジェクトの種類の判別用としておく(重なり判定のためのビットマップなので描画の綺麗さは必要ない)。例えば24bitのビットマップを作成する場合、赤色成分をオブジェクトの種類の判定用とした場合には、種類判別のために8bit分のフラグを持つことが出来る。このとき、GDIのブラシの赤色成分は強制的にオブジェクトの種類をあらわすフラグ用として設定し、原稿データ内の赤色の成分は無視する。フラグの例としては、赤色成分の8bitに対し、電子署名の外観をあらわすオブジェクトには「0x01」、それ以外は「0x02」という規則でビットマップの作成を行う(S1301)。次に1つ以上ある特色のオブジェクトを順番に1つずつ、それを描画したビットマップを作成する(S1302)。両者のビット比較を行い、一般のオブジェクトで色の付加を行っているビットの箇所(オブジェクトの種類を表すフラグ付き)と同じビット位置に、特色のオブジェクトで色の付加を行っているビットがあれば、どの種類の一般オブジェクトに重なったかということを判定できる(S1303)。重なりがあると判定できたオブジェクト(S1303:Yes)は、後ほどプレビュー時に点滅させる対象となるので、リストアップしておく(S1304)。まだビットマップを作成していない特色のオブジェクトが残っている場合は再度ステップS1302に戻る(S1305)。
ステップS1304にて重なり判定になった特色のオブジェクトに対し、その判定フラグを元に、特色オブジェクトの存在を差別化してプレビューする。例えば、署名のフラグが有効であれば、特色のオブジェクトは赤色で点滅させる(1401)。また、その他のフラグが有効な場合、重なっている特色のオブジェクトは黄色で点滅させる(1402)。
なお、図4は、プレビュー方法の実施例2における、部分コート判定になった場合の原稿データのプレビュー方法の一例を示す図である。
図7は、全面コートと判定された場合の原稿データのプレビュー方法の一例を示す図である。
図10は、アノテーション変換後のプレビュー結果の一例を示す図である。
図11は、部分コートと判定された場合の原稿データのプレビュー方法の一例を示す図である。
本実施形態のスタンドアロン型の文書処理システムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。 本実施形態の文書処理システムを実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。 原稿データを開いた際のユーザインタフェース画面(プレビュー)の一例を示す図である。 プレビュー方法の実施例2における、部分コート判定になった場合の原稿データのプレビュー方法の一例を示す図である。 プレビュー方法の実施例1における、特色のオブジェクトを持った原稿データが入稿されたときのプレビュー方法に関する処理を示すフローチャートである。 全面コート判定を行う処理を示すフローチャートである。 全面コートと判定された場合の原稿データのプレビュー方法の一例を示す図である。 部分コート判定を行う処理を示すフローチャートである。 特色のオブジェクトをアノテーションに変換する際の処理を示すフローチャートである。 アノテーション変換後のプレビュー結果の一例を示す図である。 部分コートと判定された場合の原稿データのプレビュー方法の一例を示す図である。 プレビュー方法の実施例2における、特色のオブジェクトを持った原稿データが入稿されたときのプレビュー方法に関する処理を示すフローチャートである。 プレビュー方法の実施例2における、部分コート判定を行うための処理を示すフローチャートである。

Claims (5)

  1. コンピュータシステムにて取り扱われる電子文書データ内の、特色のオブジェクトを検出する特色オブジェクト検出手段と、前記オブジェクト属性が部分コートか、全面コートかを判別する特色描画属性判別手段と、前記オブジェクト属性がコート処理と判断された場合に前記特色描画属性により表示方法を切りかえるプレビュー表示手段を備えることを特徴とする文書処理システム。
  2. 前記プレビュー表示手段は、特色オブジェクトの特色描画属性が部分コートだった場合、前記特色オブジェクトが一般のオブジェクトに重なっているかどうかを検知し、かつ、重なっている場合の特色のオブジェクトは点滅させてプレビューさせることを特徴とする請求項1に記載の文書処理システム。
  3. 前記プレビュー表示手段は、特色オブジェクトの特色描画属性が部分コートだった場合、前記特色オブジェクトが一般のオブジェクトに重なっているかどうかを検知し、かつ、重なっている場合は透明アノテーションに変換することを特徴とする請求項1に記載の文書処理システム。
  4. 前記プレビュー表示手段は、特色描画属性が全面コートだった場合、表示ページ全面を強調することを特徴とする請求項1に記載の文書処理システム。
  5. 前記プレビュー表示手段は、前記判別が部分コートだった場合、特色のオブジェクトが一般のオブジェクトに重なっているかどうかを検知し、そのとき、隠蔽している一般のオブジェクトの種類ごとに、特色のオブジェクトの表示方法を変更することを特徴とする請求項1に記載の文書処理システム。
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