JP2009128207A - 光束波面の曲率測定方法及び光束波面の曲率測定装置 - Google Patents

光束波面の曲率測定方法及び光束波面の曲率測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光束の発散又は収束を正確に測定することができると共に、コリメート光の検査を容易に行う。
【解決手段】 2箇所以上のピンホールを有するピンホールアレイ1と、このピンホールアレイから距離dを置いて位置している撮像素子2と、この撮像素子に接続している演算装置4とを用いて光束波面の曲率を測定し、ピンホールアレイから出力されるピンホール像の間隔の変化を演算装置により座標計算し、ピンホール像毎に撮像素子2における各画素列及び各画素行について、検出された光強度を積算し、積算値に基づいて座標位置を検出し、初期の座標位置からの変化量を計算し、各変化量とピンホールアレイと撮像素子までの距離dから光束波面の曲率を算出する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、光束波面の曲率測定方法及び光束波面の曲率測定装置に関する。
従来の光束波面の曲率測定方法及びその装置として、例えば特開2001−166202号公報に開示されている焦点検出方法及び焦点検出装置が提案されている。当該従来例では、光学系である点光源とコリメータレンズからの射出光を集光レンズで集光させ、この集光レンズの焦点の前後のそれぞれにおいて第1の撮像素子と第2の撮像素子を配置し、これらの撮像素子で観察されたビーム径を比較することで、コリメート調整を行う方法である。
特開2001−166202号公報
上述した従来例では、2つの撮像素子を用いてビーム径を測定するため、ビームは円形又は楕円形状に基づいた測定でなければならず、撮像素子のダイナミックレンジの違いにより同じ閾値でも常に同じビーム径であるとは限らず、そしてコリメート調整の状態により輝度分布に差が生じるため、光源の出力状態によっては、正確な測定ができない不都合がある。
また、集光レンズを用いるため、波長により焦点位置が変化し、波長ごとの校正又は補正値が必要となるので、調整や検査に手間がかかる。
この発明の目的は、光束の発散又は収束を正確に測定することができると共に、コリメート光の検査を容易にすることにある。
この発明の第1の特徴は、光束を少なくとも2つのピンホールを有するピンホールアレイに照射し、このピンホールアレイの各ピンホールを透過する各光点の位置の変化量を測定し、各光点の変化量から光束波面の曲率を算出測定する方法であって、上記ピンホールアレイから間隔を置いて配置されている撮像素子によって上記各ピンホールを透過した光線を検出し、上記撮像素子から出力される各ピンホール像の座標を計算する際に、これらのピンホール像毎に、上記撮像素子における各画素列及び各画素行の双方又はいずれか一方について、検出された光強度と位置情報の積を加算して値を求め、この値に基づいて座標位置を検出し、初期の座標位置からの変化量を計算し、各変化量とピンホールアレイと撮像素子までの距離から光束波面の曲率を算出することにある。
この発明の第2の特徴は、光束を少なくとも2つのピンホールを有するピンホールアレイに照射し、このピンホールアレイの各ピンホールを透過する各光点の位置の変化量を測定し、各光点の変化量から光束波面の曲率を算出測定する方法であって、上記ピンホールアレイから間隔を置いて配置されている撮像素子によって上記各ピンホールを透過した光線を検出し、上記撮像素子から出力される各ピンホール像の座標を計算する際に、これらのピンホール画像毎に、上記撮像素子における閾値で2値化し、各画素列数及び各画素行数のうち少なくとも一方について、2値化後の値と位置情報の積を加算して値を求め、この値に基づいて座標位置を検出し、初期の座標位置からの変化量を計算し、各変化量と、上記ピンホールアレイから上記撮像素子までの距離とから光束波面の曲率を算出することにある。
この発明の第3の特徴は、少なくとも2つのピンホールを有するピンホールアレイと、上記ピンホールアレイから間隔を置いて配置され、上記各ピンホールを透過した光線を撮像するための撮像素子と、上記各ピンホールアレイから出力される各ピンホール像の座標を演算し、初期値からの変化量を計算し、各変化量と上記各ピンホールアレイと上記撮像素子までの距離から光束波面の曲率を算出するための演算装置とを備えていることにある。
この発明の第4の特徴は、上記第3の特徴を備えており、撮像素子が各ピンホールを透過した光線を一括して撮像することができることにある。
この発明によれば、光源の出力変動や波長によらず、光束の発散及び収束を常に高速に高精度に定量化し、干渉計と同等の精度を有しつつ、コリメート光の検査を容易に行えることができる。
この発明によれば、干渉計による測定のように干渉縞が不鮮明なことによる測定の不安定さや点光源の出力変動による測定値の変動はなく、ビーム形状が円形又は楕円形状に限定されることなく、常に光束の状態を安定した曲率値で示すことができる。
この発明によれば、使用ピクセル数に応じて、撮像素子のピクセルサイズ以下の分解能となるため、干渉計と同等の感度を有することができる。
この発明によれば、レンズやプリズム等の波長依存性を有する誘電体を使用しないため、波長毎の校正や測定値の補正の必要がない。
この発明によれば、ピンホールアレイの各ピンホールを通過し、これらピンホールの穴径の領域内で回折光の影響が平均化されるため、回折光の影響を受け難く、安定した測定が可能である。
この発明に係る光束波面の曲率測定方法は、図1及び図2に示す光束波面の曲率測定装置を用いることによって実施される。
上記光束波面の曲率測定装置は、光束である平行光束3が照射されるピンホールアレイ1と、このピンホールアレイから任意の距離dだけ離れて配置されている撮像素子2と、この撮像素子に接続されている演算装置4とを備えている。
ピンホールアレイ1としては、少なくとも2つ、換言すれば2箇所以上のピンホールを有するものが使用される。図3(ア)に示す例では遮光物面にピンホールを2つ開けたピンホールアレイ1A1、(イ)に示す例ではピンホールを正方格子間隔に9つ開けたピンホールアレイ1A2、(ウ)に示す例ではピンホールを六方格子状に7つ開けたピンホールアレイ1A3である。もっとも、ピンホールアレイ1は、2つ以上のピンホールが開いていれば、遮光物の材質及び厚さ並びにピンホールの形状は自由に決めることができる。ピンホールアレイ1におけるピンホールは回折によりビーム径が広がるため、所定の口径以上が必要となる。また、ピンホールの間隔は測定するビーム径よりも小さく設定する必要がある。
撮像素子2としては、CCDやCMOSなどの固体撮像素子を使用する。撮像素子2はピンホールアレイ1のすべてのピンホール(図1ではピンホール1a1,1a2)を通過する光線を一括して撮像する。もちろん、撮像素子2はピンホールアレイ1のピンホール(図1ではピンホール1a1,1a2)毎に配置しても良い。
撮像素子2はピンホール像として演算装置4に送信するものである。
なお、撮像素子2は上記固体撮像素子に限られない。
演算装置4は撮像素子2から出力される画像である各ピンホール像を受信して、内蔵する画像処理部によって各ピンホール像の座標を計算することができる。演算装置4では、各ピンホール像の座標を計算する際、ピンホール像毎に撮像素子2における各画素列及び各画素行の双方について検出された光点の輝度の重心の座標計算を行うことができる。
また、演算装置4による各ピンホール像の座標を計算する際に、ピンホール像毎に撮像素子2における各画素列及び各画素行について検出された光点の輝度値を任意の閾値により2値化し、面積中心の座標計算を行うことができる。
なお、上記いずれの場合においても、撮像素子2における各画素列及び各画素行については、いずれか一方であっても良い。
図1において、平行光束3(図2)をピンホールアレイ1へ照射したとき、ピンホールアレイの各ピンホール1a1,1a2を通過する光線群が任意の距離dだけ進み、撮像素子2へ照射される。図2に示すように、この撮像素子では、得られた光点群の各光点の情報をピンホール像として演算装置4に送信する。演算装置4は、内蔵する画像処理部で上記各ピンホール像の位置座標を任意のアルゴリズムで検出し、計算によって求められた座標値は、内蔵する演算回路により下記に説明する計算過程を行うことで光束の波面曲率を算出する。
光束の波面曲率の計算過程について図1を参照して説明する。
演算装置4(図2)の画像処理部によって計算された上記光点群の各光点の座標値を演算回路に渡し、初期の座標値との変化量を求める。
各光点の変化量δ,δi+1と、ピンホールアレイ1と撮像素子2までの距離dからピンホールアレイ面での光束波面の入射法線の角度−θ i ,θ i+1を求め、これらの角度差から曲率を算出測定する。
まず、ピンホールの間隔pの制約条件を設定する。
すなわち、ピンホール径をφ、光束の波長をλとし、ピンホールアレイ面と撮像素子面までの距離dとピンホールの間隔pの制約条件は、下記の数式1による。
Figure 2009128207
次に、光線がピンホール1a1,1a2を通過する際の角度θを計算する。
すなわち、ピンホール像の座標を計算する際に、ピンホール像毎に、撮像素子2で検出された光点の輝度の重心を計算し、各座標位置を検出し、初期の座標位置からの変化量δとピンホールアレイと撮像素子までの距離dから、ピンホールを通過する際の角度θを下記の数式2によって計算する。
Figure 2009128207
また、ピンホールアレイ1において、2つのピンホール1a1,1a2の変化量δ,δi+1を求め、ピンホールアレイから撮像素子2までの距離dから、ピンホールを通過する際の角度θ i+1及び−θiを計算する。
ここで、円弧Lの計算式は曲率半径Rを用いて表すと、下記の数式3
Figure 2009128207
であるが、曲率半径Rを200mm以上に設定し、ピンホールの間隔pを例えば1mm以下に設定し、円弧Lと間隔pはほぼ等しいとする。
したがって、ピンホール1a1,1a2を通過する際の角度θ i+1 と角度−θ iの差と、ピンホールの間隔pから光束波面の曲率ρは、下記の数式4によって求められる。
Figure 2009128207
なお、上述のように、隣接する2点のピンホール1a1,1a2の変化量δ,δi+1から曲率ρは求まるが、複数の点からの曲率の平均を取ることで、再現性のある測定結果を得ることができる。
この発明に係る光束波面の曲率測定装置へ進む光束の状態と撮像素子面での光点群の関係について図4を参照して説明する。
なお、使用するピンホールアレイ1はピンホールを正方格子間隔に9つ開けている。
図4(ア)において、半導体レーザのような点光源5とコリメータレンズ(集光レンズ)6を、このコリメータレンズの焦点距離fだけ離し焦点に配置している。平行光束をピンホールアレイ1に照射したとき、このピンホールアレイを通過する光線群はピンホールアレイ面に対して垂直に距離dだけ進み、撮像素子2では、ピンホールアレイのピンホール間隔と同様の間隔のピンホール像7A1が得られる。WDはコリメータレンズ6の焦点の位置からピンホールアレイ1までの距離である。
図4(ア)では光束の波面曲率は0(零)となり、理想の状態になる。
図4(イ)において、点光源5とコリメータレンズ6の間隔が、このコリメータレンズの焦点距離fよりΔだけ小さく配置したとき、コリメータレンズ6から出射される光束は発散光となり、ピンホールアレイ1を通過する光線群は、ピンホールアレイ面に対し、任意の角度でそれぞれ距離dだけ進むため、撮像素子2ではピンホールアレイのピンホール間隔より広い間隔のピンホール像7A2が得られる。
図4(イ)では光束の波面曲率は正の値となる。
図4(ウ)において、点光源5とコリメータレンズ6の間隔が、このコリメータレンズの焦点距離fよりΔだけ大きく配置したとき、コリメータレンズ6から出射される光束は収束光となり、ピンホールアレイ1を通過する光線群は、ピンホールアレイ面に対し、任意の角度でそれぞれ距離dだけ進むため、撮像素子2ではピンホールアレイのピンホール間隔より狭い間隔のピンホール像7A3が得られる。
図4(ウ)では光束の波面曲率は負の値となる。
光束波面の曲率を測定した結果、光束の波面曲率が図4(イ)に示す例のように正の値となった場合、そして(ウ)に示す例のように負の値となった場合には、いずれも光束が平行光束ではないことが判明される。
測定結果に基づいて、適宜の方法によって平行光束となるようにコリメート光の調整をする。
図1及び図2に示す発明によれば、各ピンホール像の初期の座標位置からの変化量を計算し、各変化量と、ピンホールアレイ1から撮像素子2までの距離dとから光束波面を算出するため、干渉計を使用しないので、干渉計による測定のように干渉縞が不鮮明なことによる測定の不安定さや点光源の出力変動による測定値の変動はなく、ビーム形状が円形又は楕円形状に限定されることなく、常に光束の状態を安定した曲率値で示すことができるので、測定が正確になる。
図1及び図2に示す発明によれば、(1)撮像素子2から出力される各ピンホール像の座標を計算する際に、これらのピンホール像毎に、上記撮像素子における各画素列及び各画素行の双方又はいずれか一方について(少なくとも一方について)、検出された光強度と位置情報の積を加算して値を求め、この値に基づいて座標位置を検出するために、又は(2)撮像素子2から出力される各ピンホール像の座標を計算する際に、これらのピンホール像毎に、上記撮像素子における閾値で2値化し、各画素列及び各画素行の双方又はいずれか一方について(少なくとも一方について)、2値化後の値と位置情報の積を加算して値を求め、この値に基づいて座標位置を検出するために、使用ピクセル数に応じて、撮像素子2のピクセルサイズ以下の分解能となるため、干渉計と同等の感度を有することができる。
図1及び図2に示す発明によれば、上記数式4によって、少なくとも2点の座標変位量を把握することによって、曲率の計算が可能になるため、非常に高速な処理が行える。
図1及び図2に示す発明によれば、レンズやプリズム等の波長依存性を有する誘電体を使用しないため、波長毎の校正や測定値の補正の必要がない。
図1及び図2に示す発明によれば、従来例と比較して撮像素子2の設置数が最小限の1つですむので、機能素子が少なくなり、組立てや調整が容易となり、小型化や製造のコストダウンに寄与する。
図1及び図2に示す発明によれば、ピンホールアレイ1に設けてある任意の穴径の複数のピンホールを通過し、これらピンホールの穴径の領域内で回折光の影響が平均化されるため、回折光の影響を受け難く、安定した測定が可能である。
この発明に係る光束波面の曲率測定方法を実施するための曲率測定装置の主要部を構成しているピンホールアレイと撮像素子との関係を示す図である。 この発明に係る光束波面の曲率測定装置の構成図である。 この発明に係る光束波面の曲率測定装置におけるピンホールアレイのピンホール配置例を示し、(ア)は2つのピンホールを有するピンホールアレイの図であり、(イ)は9つのピンホールを有する正方格子状のピンホールアレイの図であり、(ウ)は7つのピンホールを有する六方格子状のピンホールアレイの図である。 この発明に係る光束波面の曲率測定装置と、集光レンズを動かしたときの光束の状態と、ピンホール像の変化を示す図であって、(ア)の右端に示す図は平行光束の状態におけるピンホール像を示し、(イ)の右端に示す図は光束の発散の状態におけるピンホール像を示し、(ウ)の右端に示す図は光束の収束の状態におけるピンホール像を示す。
符号の説明
1,1A1,1A2,1A3 ピンホールアレイ
1a1,1a2 ピンホール
2 撮像素子
3 平行光束(光束)
4 演算装置
5 点光源
6 コリメータレンズ
7A1,7A2,7A3 ピンホール像

Claims (4)

  1. 光束を少なくとも2つのピンホールを有するピンホールアレイに照射し、このピンホールアレイの各ピンホールを透過する各光点の位置の変化量を測定し、各光点の変化量から光束波面の曲率を算出測定する方法であって、
    上記ピンホールアレイから間隔を置いて配置されている撮像素子によって上記各ピンホールを透過した光線を検出し、
    上記撮像素子から出力される各ピンホール像の座標を計算する際に、これらのピンホール像毎に、上記撮像素子における各画素列及び各画素行のうち少なくとも一方について、検出された光強度と位置情報の積を加算して値を求め、
    この値に基づいて座標位置を検出し、
    初期の座標位置からの変化量を計算し、各変化量とピンホールアレイと撮像素子までの距離から光束波面の曲率を算出する
    ことを特徴とする光束波面の曲率測定方法。
  2. 光束を少なくとも2つのピンホールを有するピンホールアレイに照射し、このピンホールアレイの各ピンホールを透過する各光点の位置の変化量を測定し、各光点の変化量から光束波面の曲率を算出測定する方法であって、
    上記ピンホールアレイから間隔を置いて配置されている撮像素子によって上記各ピンホールを透過した光線を検出し、
    上記撮像素子から出力される各ピンホール像の座標を計算する際に、これらのピンホール画像毎に、上記撮像素子における閾値で2値化し、各画素列数及び各画素行数のうち少なくとも一方について、2値化後の値と位置情報の積を加算して値を求め、
    この値に基づいて座標位置を検出し、
    初期の座標位置からの変化量を計算し、各変化量と、上記ピンホールアレイから上記撮像素子までの距離とから光束波面の曲率を算出する
    ことを特徴とする光束波面の曲率測定方法。
  3. 少なくとも2つのピンホールを有するピンホールアレイと、
    上記ピンホールアレイから間隔を置いて配置され、上記各ピンホールを透過した光線を撮像するための撮像素子と、
    上記各ピンホールアレイから出力される各ピンホール像の座標を演算し、初期値からの変化量を計算し、各変化量と上記各ピンホールアレイと上記撮像素子までの距離から光束波面の曲率を算出するための演算装置と
    を備えていることを特徴とする光束波面の曲率測定装置。
  4. 撮像素子は、各ピンホールを透過した光線を一括して撮像することができることを特徴とする請求項3記載の光束波面の曲率測定装置。
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