JP2009127883A - 受液器 - Google Patents
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Abstract
【課題】受液器の重量増加を抑制し、かつ、凝縮器とのろう付け性を確保しつつ、シール性を確保する。
【解決手段】冷凍サイクルの凝縮器12に一体ろう付けされ、凝縮器12から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器であって、少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部11aと、本体部11a内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材11bと、栓部材11bの外周面に配置され、本体部11aの内周面に密着するOリング30と、本体部11aのうちOリング30の密着部位を補強する補強手段34、35、37とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】冷凍サイクルの凝縮器12に一体ろう付けされ、凝縮器12から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器であって、少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部11aと、本体部11a内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材11bと、栓部材11bの外周面に配置され、本体部11aの内周面に密着するOリング30と、本体部11aのうちOリング30の密着部位を補強する補強手段34、35、37とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、冷凍サイクルの凝縮器から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器に関し、車両用空調装置に適用して好適である。
従来、この種の受液器として特許文献1が開示されている。この従来技術では、略円筒状の受液器(モジュレータ)を凝縮器(コンデンサ)のタンク部と平行に配置して、凝縮器のタンク部に一体ろう付けしている。
また、この従来技術では、略円筒状の受液器を、両端部が開口した円筒状の本体部と、本体部の一端部を覆って閉塞するキャップ部材と、本体部内に挿入されて本体部の他端部を閉塞する栓部材とで構成している。
また、この従来技術では、受液器内部に乾燥剤とフィルタとが収納されており、この乾燥剤とフィルタとを定期的に交換する必要があることから、栓部材を本体部から取り外し可能になっている。
栓部材を本体部から取り外し可能にする構造として、特許文献1には、ねじ締結構造とクリップ嵌め込み構造とが記載されている。ねじ締結構造は、本体部の内周面に雌ねじを形成し、栓部材の外周面に雄ねじを形成して、栓部材を受液器にねじ締結により固定するものである。クリップ嵌め込み構造は、栓部材を本体部の他端部に挿入した後に、C字状に形成された弾性変形可能なクリップを本体部の他端部の内周面に嵌め込むことによって栓部材の抜け止めを行うものである。
この従来技術では、クリップ嵌め込み構造を採用することによって、ねじ締結構造に比べて加工および組み立ての工数を低減し、ひいては製造コストの低減を図っている。
なお、この従来技術では、栓部材の外周面にOリングを配置し、このOリングを本体部の内周面に密着させることによって、栓部材の外周面と本体部の内周面との間においてシール性を発揮して受液器内部の冷媒が受液器外部に漏れ出すのを防止している。
また、この従来技術では、本体部のうちOリングの密着部位における板厚が、本体部の他の部位の板厚と同一、または、それよりも薄くなっている。
特許第3482612号公報
本発明者の詳細な検討によると、クリップ嵌め込み構造を採用する上記従来技術では、本体部のうちOリングの密着部位における板厚が、本体部の他の部位と同一、または、それよりも薄くなっているので、本体部が受液器の内圧によって径方向外側に膨らんでOリングの密着性が低下してしまい、ひいてはシール性が低下してしまうという問題があることがわかった。
また、本体部が受液器の内圧によって径方向外側に膨らむと、クリップの嵌め込み代が小さくなってクリップが本体部から脱落しやすくなるという問題もあることがわかった。
この対策として、本体部の板厚を全体的に厚くして本体部の強度を全体的に向上することによってOリングの密着部位の強度を確保することが考えられる。
しかしながら、単純に本体部の板厚を全体的に厚くすると、受液器の重量増加を招いてしまうのみならず、受液器の熱容量が大きくなってしまうので凝縮器とのろう付け性が悪化してしまうという問題がある。
本発明は、上記点に鑑み、受液器の重量増加を抑制し、かつ、凝縮器とのろう付け性を確保しつつ、シール性を確保することを目的とする。
また、本発明は、上記点に鑑み、受液器の重量増加を抑制し、かつ、凝縮器とのろう付け性を確保しつつ、クリップを確実に保持することを他の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷凍サイクルの凝縮器(12)に一体ろう付けされ、凝縮器(12)から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器であって、
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
栓部材(11b)の外周面に配置され、本体部(11a)の内周面に密着するOリング(30)と、
本体部(11a)のうちOリング(30)の密着部位を補強する補強手段(34、35、37)とを備えることを特徴とする。
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
栓部材(11b)の外周面に配置され、本体部(11a)の内周面に密着するOリング(30)と、
本体部(11a)のうちOリング(30)の密着部位を補強する補強手段(34、35、37)とを備えることを特徴とする。
これによると、補強手段(34、35、37)が本体部(11a)のうちOリング(30)の密着部位を補強するので、本体部(11a)のうちOリング(30)の密着部位が受液器11の内圧によって径方向外側に膨らむことを防止できる。このため、Oリング(30)の密着性が低下してしまうことを防止できる。
しかも、本体部(11a)全体の板厚を厚くする場合に比べて、受液器の重量増加を抑制することができるとともに、受液器の熱容量の増加を抑制して凝縮器(12)とのろう付け性を確保することができる。
請求項2に記載の発明では、冷凍サイクルの凝縮器(12)に一体ろう付けされ、凝縮器(12)から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器であって、
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
前記少なくとも一方の端部の内周面に嵌め込まれ、栓部材(11b)が少なくとも一方の端部から抜けるのを防止するクリップ(32)と、
本体部(11a)のうちクリップ(32)の配置部位を補強する補強手段(34、36、37)とを備えることを特徴とする。
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
前記少なくとも一方の端部の内周面に嵌め込まれ、栓部材(11b)が少なくとも一方の端部から抜けるのを防止するクリップ(32)と、
本体部(11a)のうちクリップ(32)の配置部位を補強する補強手段(34、36、37)とを備えることを特徴とする。
これによると、補強手段(34、36、37)が本体部(11a)のうちクリップ(32)の配置部位を補強するので、本体部(11a)のうちクリップ(32)の配置部位が受液器11の内圧によって径方向外側に膨らむことを防止できる。このため、クリップ(32)の嵌め込み代が小さくなってクリップ(32)が本体部(11a)から脱落しやすくなることを防止できる。
しかも、本体部(11a)全体の板厚を厚くする場合に比べて、受液器の重量増加を抑制することができるとともに、受液器の熱容量の増加を抑制して凝縮器(12)とのろう付け性を確保することができる。
請求項3に記載の発明では、冷凍サイクルの凝縮器(12)に一体ろう付けされ、凝縮器(12)から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器であって、
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
栓部材(11b)の外周面に配置され、本体部(11a)の内周面に密着するOリング(30)と、
前記少なくとも一方の端部の内周面に嵌め込まれ、栓部材(11b)が少なくとも一方の端部から抜けるのを防止するクリップ(32)と、
本体部(11a)のうちOリング(30)の密着部位からクリップ(32)の配置部位に至る部位を補強する補強手段(34、37)とを備えることを特徴とする。
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
栓部材(11b)の外周面に配置され、本体部(11a)の内周面に密着するOリング(30)と、
前記少なくとも一方の端部の内周面に嵌め込まれ、栓部材(11b)が少なくとも一方の端部から抜けるのを防止するクリップ(32)と、
本体部(11a)のうちOリング(30)の密着部位からクリップ(32)の配置部位に至る部位を補強する補強手段(34、37)とを備えることを特徴とする。
これによると、補強手段(34、37)が本体部(11a)のうちOリング(30)の密着部位およびクリップ(32)の配置部位を補強するので、本体部(11a)のうちOリング(30)の密着部位およびクリップ(32)の配置部位が受液器11の内圧によって径方向外側に膨らむことを防止できる。このため、Oリング(30)の密着性が低下してしまうことを防止できるとともに、クリップ(32)の嵌め込み代が小さくなってクリップ(32)が本体部(11a)から脱落しやすくなることを防止できる。
しかも、本体部(11a)全体の板厚を厚くする場合に比べて、受液器の重量増加を抑制することができるとともに、受液器の熱容量の増加を抑制して凝縮器(12)とのろう付け性を確保することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の受液器において、補強手段は、本体部(11a)と別体に形成され、本体部(11a)の外周面に配置された補強部材(34)であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の受液器において、補強部材(34)は、本体部(11a)の外周面を覆う筒状の部材であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項4に記載の受液器において、補強部材(34)は、本体部(11a)の外周面に巻き付く線状の部材であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の受液器において、補強手段は、本体部(11a)に形成された厚肉部(37)であることを特徴とする。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、本発明による受液器11を車両用冷凍サイクルに適用したものであり、図1は、受液器(モジュレータ)11を一体化した凝縮器(コンデンサ)12を示す正面図であり、図2は、図1の受液器11近傍部を水平方向に切断した拡大断面図である。図1、図2中の上下左右前後の各矢印は、車両搭載状態における上下左右前後の各方向を示している。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、本発明による受液器11を車両用冷凍サイクルに適用したものであり、図1は、受液器(モジュレータ)11を一体化した凝縮器(コンデンサ)12を示す正面図であり、図2は、図1の受液器11近傍部を水平方向に切断した拡大断面図である。図1、図2中の上下左右前後の各矢印は、車両搭載状態における上下左右前後の各方向を示している。
凝縮器12は、冷媒を空気と熱交換させて過冷却域まで冷却する、いわゆるサブクールコンデンサであり、複数のチューブ13およびフィン14からなる1つのコア部12aと、コア部12aの左右両端部に組み付け配置される一対のヘッダタンク12b、12cとを有している。
チューブ13は冷媒が流れる扁平状の管であり、その長径方向が空気流れ方向(紙面垂直方向)と一致するとともに、その長手方向が水平方向に一致するように上下方向に複数本平行に配置されている。フィン14は、波状に成形され、複数本のチューブ13間において、チューブ13の両扁平面に接合されており、このフィン14により空気との伝熱面積を増大させて熱媒体と空気との熱交換を促進している。
ヘッダタンク12b、12cは、チューブ13の長手方向両端部(図1の左右端部)にてチューブ13の長手方向と直交する方向(図1の上下方向)に延びて複数のチューブ13と連通するもので、このヘッダタンク12b、12cは、図2に示すように、チューブ13が挿入接合されるコアプレート15と、コアプレート15とともにタンク内空間を構成するタンク本体部16とを有して構成されている。
なお、一対のヘッダタンク12b、12cのうち、図1の左側に位置するヘッダタンクを第1ヘッダタンク12bといい、図1の右側に位置するヘッダタンクを第2ヘッダタンク12cという。
第1ヘッダタンク12bの上端側部位には冷媒入口部17が設けられ、第1ヘッダタンク12bの下端側部位には冷媒出口部18が設けられている。
第1ヘッダタンク12b内部の下側寄りの位置には、仕切板19が配置されている。また、第2ヘッダタンク12c内部には仕切板20が、第1ヘッダタンク12bの仕切板19と同一高さに配置されている。
コア部12aのうち第1、第2ヘッダタンク12b、12cの仕切板19、20よりも上方側の部位は、冷媒入口部17から流入した気相冷媒と空気とを熱交換させて、冷媒を凝縮させる凝縮部21を構成している。コア部12aのうち凝縮部21の下方側の部位は、液相冷媒と空気とを熱交換させて液相冷媒を冷却する過冷却部22を構成している。
第2ヘッダタンク12cの外側(コア部12aの反対側)には、上下方向に延びる略円筒形状の受液器11が配置されている。受液器11は、気相冷媒と液相冷媒を分離して液相冷媒を溜めるものである。
図3は、図1の受液器11および第2ヘッダタンク12cを上下方向に切断した拡大断面図であり、図4は、図3のA−A断面図である。受液器11は、下端部が開口した筒状に形成された本体部11aと、本体部11a内に挿入されて本体部11aの下端開口部を閉塞する栓部材11bとで構成されている。
受液器11の内部空間は、第1ヘッダタンク12bの内部空間のうち仕切板20より上方側の空間と第1連通穴23を介して連通するとともに、第1ヘッダタンク12b内部のうち仕切板20より下方側の空間と第2連通穴24を介して連通している。ここで、第1、第2連通穴23、24は、受液器11の本体部11aにおける壁面と第1ヘッダタンク12bの壁面とを貫通する穴である。
受液器11の内部空間には、冷媒中の水分を吸収する乾燥剤25が収納されている。栓部材11bのうち本体部11aへの挿入方向における先端側の部位(図3の上端側の部位)には、冷媒中の異物を取り除くためのフィルタ26が設けられている。この乾燥剤25およびフィルタ26は定期的に交換される部材である。
本体部11aの下端部には、径方向外側に拡大された径拡大部27が形成されている。この径拡大部27の形成に伴って、本体部11aには、径方向外側に拡がる段差部28が形成される。
栓部材11bの下端部には、径方向外側に環状に突出する鍔部29が形成されている。この鍔部29が本体部11aの段差部28に当接することで、本体部11aに対する栓部材11bの挿入位置が規定されるようになっている。
栓部材11bのうちフィルタ26と鍔部29との間における外周面には、Oリング30を保持するための環状の溝31が形成され、この溝31内に配置されたOリング30が本体部11aの内周面に密着することによって、栓部材11bの外周面と本体部11aの内周面との間においてシール性を発揮して受液器11内部の冷媒が受液器11外部に漏れ出すのを防止するようになっている。
栓部材11bの下方側には、栓部材11bが本体部11aから抜けるのを防止するためのクリップ32が配置されている。このクリップ32は、金属、樹脂等にて形成されるC字形状の部材であり、C字形状が縮径するように弾性変形可能になっている。
クリップ32の外周部には、径方向外側に突出する突起部32aが形成されている。本体部11aには、クリップ32の突起部32aが嵌め込まれる穴部33が形成されている。
より具体的には、クリップ32のC字形状が縮径するように弾性変形させた状態でクリップ32を本体部11a内に挿入した後に、クリップ32を元のC字形状に復元させることによって、クリップ32の突起部32aが本体部11aの穴部33に嵌め込まれる。
乾燥剤25やフィルタ26を交換する際には、クリップ32を本体部11aから取り外して栓部材11bを本体部11aから取り外すこととなる。このため、クリップ32の周方向両端部に、クリップ32の本体部11aからの取り外しを工具で簡単に行うための穴32bを形成している。
本体部11aの下端部における外周面には、本体部11aのうちOリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位を補強するための補強部材34が配置されている。この補強部材34は略円筒形状を有しており、その一端部(図4の下端部)には、本体部11aの径拡大部27に対応する径拡大部34aが形成されている。径拡大部34aのうち第2ヘッダタンク12c側を向いた部位には切り欠き部34bが形成されている。
図4からわかるように、この切り欠き部34bは、受液器11を第2ヘッダタンク12cに極力近づけることで、受液器11および凝縮器12の全体の体格を小型化するために設けられている。
次に、受液器11および凝縮器12の製造方法について説明する。受液器11の本体部11aおよび補強部材34は、凝縮器12を構成する各部品と一体ろう付けされる。そのため、本体部11a、補強部材34および凝縮器12を構成するチューブ13、フィン14、コアプレート15、タンク本体部16等の各部品の材質として、ろう付け性に優れた金属であるアルミニウムを採用している。
より具体的には、予め補強部材34を本体部11aに仮組付し、この仮組付体11a、34と凝縮器12を構成する各部品とを仮組付した後に、これらを一体ろう付けする。ここで、本実施形態では、補強部材34を本体部11aに仮組付した後に、本体部11aおよび補強部材34に径拡大部27、34aを形成している。
この径拡大部27、34aの形成方法を図5に基づいて具体的に説明すると、まず、図5(a)に示すように、径拡大部27を形成する前の本体部11aに対して、径拡大部34aを形成する前の補強部材34を挿入する。このとき、補強部材34には切り欠き部34bが形成されている。なお、図5(a)の2点鎖線は、径拡大部27形成後の本体部11aの外形を示している。
そして、図5(a)の矢印に示すように、本体部11aおよび補強部材34の下端部を同時に径方向外側に拡大することによって、図5(b)に示すように、本体部11aおよび補強部材34に径拡大部27、34aが形成される。
この径拡大部27、34aの形成によって補強部材34が本体部11aに仮固定されることとなり、その後、本体部11aおよび補強部材34が凝縮器12と一体ろう付けされると、補強部材34が本体部11aにろう付け固定される。
そして、本体部11a、補強部材34および凝縮器12が一体ろう付けされた後に、本体部11a内に乾燥剤25と、予めフィルタ26が組み付けられた栓部材11bとが挿入され、さらに、クリップ32が組み付けられる。
このように、栓部材11bおよびクリップ32は、本体部11aおよび補強部材34を凝縮器12に一体ろう付けした後に本体部11aに組み付けられるので、栓部材11bおよびクリップ32の材質として、アルミニウム以外の金属や樹脂等を採用することができる。
次に、上記構成における作動を簡単に説明する。冷媒入口部17から第1ヘッダタンク12bの上方側空間に流入した気相冷媒は、凝縮部21を第1ヘッダタンク12b側から第2ヘッダタンク12c側へと一方向に流れて空気と熱交換して凝縮する。凝縮部21で凝縮された冷媒は第2ヘッダタンク12cの上方側空間に集合した後に、矢印aのように第1連通穴23を通じて受液器11に流入する。
受液器11に流入した気液2相冷媒のうち、比重の大きい液相冷媒は受液器11の内部空間の重力方向(上下方向)下方側に一旦溜まり、比重の小さい気相冷媒は受液器11の内部空間の重力方向上方側に一旦溜まる。この際、冷媒中の水分が乾燥剤25に吸収され、冷媒中の異物がフィルタ26によって取り除かれる。
受液器11の内部空間の重力方向(上下方向)下方側に一旦溜まった液相冷媒は、矢印bのように第2連通穴24を通じて第2ヘッダタンク12cの下方側空間に流入し、過冷却部22を第2ヘッダタンク12c側から第1ヘッダタンク12b側へと一方向に流れて空気と熱交換して冷却される。
過冷却部22で冷却された冷媒は、第1ヘッダタンク12bの下方側空間に集合した後に冷媒出口部18から流出する。
本実施形態によると、補強部材34によって本体部11aのうちOリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位を補強しているので、本体部11aのうちOリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位が受液器11の内圧によって径方向外側に膨らむことを防止できる。
このため、Oリング30の密着性が低下してしまうことを防止できるとともに、クリップ32の嵌め込み代が小さくなってクリップ32が本体部11aから脱落しやすくなることを防止できる。
しかも、補強部材34は、Oリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位である本体部11aの下端部にのみ設けられているので、本体部11a全体の板厚を厚くする場合に比べて、受液器11の重量増加を抑制することができるとともに、受液器11の熱容量の増加を抑制して凝縮器12とのろう付け性を確保することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、本体部11aおよび補強部材34に径拡大部27、34aを形成しているが、本第2実施形態では、図6に示すように、径拡大部27、34aを廃止している。
上記第1実施形態では、本体部11aおよび補強部材34に径拡大部27、34aを形成しているが、本第2実施形態では、図6に示すように、径拡大部27、34aを廃止している。
図示を省略しているが、本体部11aの径拡大部27の廃止に伴って、栓部材11bの鍔部29も廃止している。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態の補強部材34は、上記第1実施形態と同様にろう付けにより本体部11aに固定されているが、締まりばめによって本体部11aに固定されるようにしてもよい。補強部材34が締まりばめによって本体部11aに固定される場合には、補強部材34の材質として、アルミニウム以外の金属、樹脂、カーボン等を採用できることはもちろんである。
(第3実施形態)
本第3実施形態は、図7に示すように、上記第2実施形態に対して、補強部材34を上下方向に2つに分割したものである。
本第3実施形態は、図7に示すように、上記第2実施形態に対して、補強部材34を上下方向に2つに分割したものである。
すなわち、上側の補強部材35によって本体部11aのうちOリング30の密着部位を補強し、下側の補強部材36によって本体部11aのうちクリップ32の嵌め込み部位を補強している。なお、下側の補強部材36は、筒状の部材に切り欠き部36aを形成したものである。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態の補強部材35、36は、上記第1実施形態と同様にろう付けにより本体部11aに固定されているが、締まりばめによって本体部11aに固定されるようにしてもよい。補強部材35、36が締まりばめによって本体部11aに固定される場合には、補強部材34の材質として、アルミニウム以外の金属、樹脂、カーボン等を採用できることはもちろんである。
(第4実施形態)
上記第2実施形態では、補強部材34を筒状の部材で構成しているが、本第4実施形態では、図8に示すように、補強部材34が1枚の板材から曲げ成形されている。
上記第2実施形態では、補強部材34を筒状の部材で構成しているが、本第4実施形態では、図8に示すように、補強部材34が1枚の板材から曲げ成形されている。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態の補強部材34は、ろう付けにより本体部11aに固定されているが、締まりばめによって本体部11aに固定されるようにしてもよい。補強部材34が締まりばめによって本体部11aに固定される場合には、補強部材34の材質として、アルミニウム以外の金属、樹脂、カーボン等を採用できることはもちろんである。
(第5実施形態)
上記第3実施形態では、上側の補強部材35および下側の補強部材36のそれぞれを筒状の部材で構成しているが、本第5実施形態では、図9に示すように、上側の補強部材35および下側の補強部材36のそれぞれが1枚の板材から曲げ成形されている。
上記第3実施形態では、上側の補強部材35および下側の補強部材36のそれぞれを筒状の部材で構成しているが、本第5実施形態では、図9に示すように、上側の補強部材35および下側の補強部材36のそれぞれが1枚の板材から曲げ成形されている。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態の補強部材35、36は、ろう付けにより本体部11aに固定されているが、締まりばめによって本体部11aに固定されるようにしてもよい。補強部材35、36が締まりばめによって本体部11aに固定される場合には、補強部材35、36の材質として、アルミニウム以外の金属、樹脂、カーボン等を採用できることはもちろんである。
(第6実施形態)
上記第1実施形態では、補強部材34を本体部11aに挿入した後に、本体部11aの径拡大部27と補強部材34の径拡大部34aとを同時に形成しているが、本第6実施形態では、図10に示すように、本体部11aに径拡大部27を形成し、補強部材34に径拡大部34aを形成した後に、補強部材34を本体部11aに挿入している。
上記第1実施形態では、補強部材34を本体部11aに挿入した後に、本体部11aの径拡大部27と補強部材34の径拡大部34aとを同時に形成しているが、本第6実施形態では、図10に示すように、本体部11aに径拡大部27を形成し、補強部材34に径拡大部34aを形成した後に、補強部材34を本体部11aに挿入している。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態の補強部材34は、ろう付けにより本体部11aに固定されているが、締まりばめによって本体部11aに固定されるようにしてもよい。補強部材34が締まりばめによって本体部11aに固定される場合には、補強部材34の材質として、アルミニウム以外の金属、樹脂、カーボン等を採用できることはもちろんである。
(第7実施形態)
上記第2実施形態では、補強部材34を筒状の部材で構成しているが、本第7実施形態では、図11に示すように、補強部材34を、本体部11aの外周面に巻き付けた線状の部材で構成している。
上記第2実施形態では、補強部材34を筒状の部材で構成しているが、本第7実施形態では、図11に示すように、補強部材34を、本体部11aの外周面に巻き付けた線状の部材で構成している。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態の補強部材34は、ろう付けにより本体部11aに固定されているが、締まりばめによって本体部11aに固定されるようにしてもよい。
補強部材34がろう付けにより本体部11aに固定される場合には、補強部材34の材質として、ろう付け性に優れた金属であるアルミニウムを採用するのが望ましい。補強部材34が締まりばめによって本体部11aに固定される場合には、補強部材34の材質として、アルミニウム等の金属のみならず、樹脂、カーボン等を採用できる。
(第8実施形態)
上記第2実施形態では、本体部11aと別体の部材である補強部材34によって本体部11aのうちOリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位を補強しているが、本第8実施形態では、図12に示すように、本体部11aに形成された厚肉部37によって本体部11aのうちOリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位を補強している。
上記第2実施形態では、本体部11aと別体の部材である補強部材34によって本体部11aのうちOリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位を補強しているが、本第8実施形態では、図12に示すように、本体部11aに形成された厚肉部37によって本体部11aのうちOリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位を補強している。
本体部11aは、アルミニウム材の削り出しによって形成されており、本体部11aのうちOリング30の密着部位およびクリップ32の嵌め込み部位を他の部位に比べて厚肉形状にすることで厚肉部37を形成している。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、凝縮器12の構成の一例を示したものに過ぎず、これに限定されることなく、凝縮器12の構成として周知の種々の構成を採用することができる。
なお、上記各実施形態は、凝縮器12の構成の一例を示したものに過ぎず、これに限定されることなく、凝縮器12の構成として周知の種々の構成を採用することができる。
また、上記各実施形態では、受液器11の本体部11aを、下端部のみが開口した筒状に形成しているが、本体部11aを、上下端部の両方が開口した筒状に形成し、本体部11aの上端開口部を栓部材や蓋部材で閉塞するようにしてもよいのはもちろんである。
11a…本体部、11b…栓部材、30…Oリング、32…クリップ、
34…補強部材(補強手段)。
34…補強部材(補強手段)。
Claims (7)
- 冷凍サイクルの凝縮器(12)に一体ろう付けされ、前記凝縮器(12)から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器であって、
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
前記本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
前記栓部材(11b)の外周面に配置され、前記本体部(11a)の内周面に密着するOリング(30)と、
前記本体部(11a)のうち前記Oリング(30)の密着部位を補強する補強手段(34、35、37)とを備えることを特徴とする受液器。 - 冷凍サイクルの凝縮器(12)に一体ろう付けされ、前記凝縮器(12)から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器であって、
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
前記本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
前記少なくとも一方の端部の内周面に嵌め込まれ、前記栓部材(11b)が前記少なくとも一方の端部から抜けるのを防止するクリップ(32)と、
前記本体部(11a)のうち前記クリップ(32)の配置部位を補強する補強手段(34、36、37)とを備えることを特徴とする受液器。 - 冷凍サイクルの凝縮器(12)に一体ろう付けされ、前記凝縮器(12)から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を溜める受液器であって、
少なくとも一方の端部が開口する筒状の本体部(11a)と、
前記本体部(11a)内に挿入されて前記少なくとも一方の端部を閉塞する栓部材(11b)と、
前記栓部材(11b)の外周面に配置され、前記本体部(11a)の内周面に密着するOリング(30)と、
前記少なくとも一方の端部の内周面に嵌め込まれ、前記栓部材(11b)が前記少なくとも一方の端部から抜けるのを防止するクリップ(32)と、
前記本体部(11a)のうち前記Oリング(30)の密着部位から前記クリップ(32)の配置部位に至る部位を補強する補強手段(34、37)とを備えることを特徴とする受液器。 - 前記補強手段は、前記本体部(11a)と別体に形成され、前記本体部(11a)の外周面に配置された補強部材(34)であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の受液器。
- 前記補強部材(34)は、前記本体部(11a)の外周面を覆う筒状の部材であることを特徴とする請求項4に記載の受液器。
- 前記補強部材(34)は、前記本体部(11a)の外周面に巻き付く線状の部材であることを特徴とする請求項4に記載の受液器。
- 前記補強手段は、前記本体部(11a)に形成された厚肉部(37)であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の受液器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007300313A JP2009127883A (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 受液器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007300313A JP2009127883A (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 受液器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009127883A true JP2009127883A (ja) | 2009-06-11 |
Family
ID=40819008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007300313A Withdrawn JP2009127883A (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 受液器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009127883A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11712942B2 (en) | 2020-08-05 | 2023-08-01 | Denso International America, Inc. | Hermetically sealed cap for heat exchanger modulator |
-
2007
- 2007-11-20 JP JP2007300313A patent/JP2009127883A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11712942B2 (en) | 2020-08-05 | 2023-08-01 | Denso International America, Inc. | Hermetically sealed cap for heat exchanger modulator |
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