JP2009127564A - 燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蒸発燃料放出抑制装置のサブタンクを取り囲む蓄熱層あるいは断熱層を構成する密閉空間を、簡単な構造でありながら高い密閉性が得られるようにする。
【解決手段】 メインタンクTmの内部に配置されるサブタンクTsの側部を取り囲むように、円筒状の蓄熱材10を収納する密閉空間を構成する。前記密閉空間は、筒状の外壁部34aと、外壁部34aの内側に配置される筒状の内壁部34bと、外壁部34aおよび内壁部34bの下端間を接続する底壁部34cとを備えた二重円筒容器34の上端開口部に、蓋部材36の下面を溶着w3,w4したものであり、二重円筒容器34および蓋部材36の僅か2個の部品で、シール性の高い密閉空間を構成して内部の蓄熱材10を燃料から隔絶することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、メインタンクと、その内部に配置されるサブタンクとを複数の連通路で連通させるとともに、前記サブタンクとキャニスタとをチャージ通路で連通させ、前記サブタンクの少なくとも側部を密閉空間で取り囲み、前記密閉空間の内部に蓄熱層あるいは断熱層を形成した燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置に関する。
自動車用燃料タンクをメインタンクおよびサブタンクで構成し、サブタンクをパージ通路を介してキャニスタに接続するとともに、両タンクを第1連通路および第2連通路で相互に接続し、メインタンクの温度が上昇するときはサブタンクにおいて蒸発燃料を液化させ、逆にメインタンクの温度が下降するときはメインタンクにおいて蒸発燃料を液化させるとともに、サブタンクの燃料蒸気圧を低下させることで、その次にメインタンクの温度が上昇したときに、サブタンクにおける蒸発燃料の液化を促進するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2007−176289号公報
ところで、かかるメインタンクおよびサブタンクを備えた燃料タンクにおいて、蒸発燃料の液化性能を高めるには、メインタンクおよびサブタンクの温度差を最大限に確保することが必要であり、そのためにはサブタンクの周囲を円筒状の蓄熱層や断熱層で囲むことが望ましい。メインタンクの内部にサブタンクを収納した場合には、前記蓄熱層や断熱層を構成する円筒状の容器の密閉性を確保して燃料の浸入を阻止することが必要となるため、前記円筒状の容器を部品点数の少ない簡単な構造でありながら、高い密閉性が得られるようにする必要がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、蒸発燃料放出抑制装置のサブタンクを取り囲む蓄熱層あるいは断熱層を構成する密閉空間を、簡単な構造でありながら高い密閉性が得られるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、メインタンクと、その内部に配置されるサブタンクとを複数の連通路で連通させるとともに、前記サブタンクとキャニスタとをチャージ通路で連通させ、前記サブタンクの少なくとも側部を密閉空間で取り囲み、前記密閉空間の内部に蓄熱層あるいは断熱層を形成した燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置において、前記密閉空間は、筒状の外壁部と、前記外壁部の内側に配置される筒状の内壁部と、前記外壁部および前記内壁部の下端間を接続する底壁部とを備えた二重円筒容器の上端開口部に、蓋部材の下面を溶着して構成されることを特徴とする燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記蓋部材あるいは前記二重円筒容器に前記密閉空間の気密検査を行うための気密試験用孔が設けられることを特徴とする燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記密閉空間の上部に、前記蓋部材に臨む断熱性のキャップが配置されることを特徴とする燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記二重円筒容器の底壁部の下面は、前記サブタンクの底壁部の上面に溶着されることを特徴とする燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記サブタンクの底壁部の下面に、蓄熱層あるいは断熱層が形成されることを特徴とする燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置が提案される。
尚、実施の形態の蓄熱材10は本発明の蓄熱層に対応し、実施の形態の空気室46は本発明の断熱層に対応し、実施の形態の第1、第2連通路P1,P2は本発明の連通路に対応する。
請求項1の構成によれば、メインタンクの内部にサブタンクを配置した蒸発燃料放出抑制装置において、メインタンクの内部およびサブタンクの内部の温度差を確保すべく、サブタンクの少なくとも側部を取り囲む密閉空間の内部に蓄熱層あるいは断熱層を形成するに際し、その密閉空間を、筒状の外壁部と、その外壁部の内側に配置される筒状の内壁部と、外壁部および内壁部の下端間を接続する底壁部とを備えた二重円筒容器の上端開口部に、蓋部材の下面を溶着して構成したので、最小の部品点数でシール性の高い密閉空間を構成することができる。
また請求項2の構成によれば、蓋部材あるいは二重円筒容器に密閉空間の気密検査を行うための気密試験用孔を設けたので、密閉空間の気密検査を容易に行うことができる。
また請求項3の構成によれば、密閉空間の上部に蓋部材に臨む断熱性のキャップを配置したので、二重円筒容器に蓋部材を溶着する際の熱を断熱性のキャップで遮り、蓄熱層あるいは断熱層が熱で損傷するのを防止することができる。
また請求項4の構成によれば、二重円筒容器の底壁部の下面をサブタンクの底壁部の上面に溶着したので、サブタンクの二重円筒容器の内側の液相部分を、その外側の液相部分から確実にシールすることができる。
また請求項5の構成によれば、サブタンクの底壁部の下面に蓄熱層あるいは断熱層を形成したので、メインタンクの内部およびサブタンクの内部の温度差を更に大きく確保して蒸発燃料を液化を一層促進することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1は燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置のスケルトン図、図2はサブタンク部分の縦断面図、図3は図2の3部拡大図、図4は図2の4方向矢視図である。
図1に示すように、自動車の燃料タンクTは、メインタンクTmと、その内部に配置されるサブタンクTsとを備える。サブタンクTsの外周面は蓄熱材10によって覆われる。メインタンクTmの内部は燃料で満たされた液相部分11と、蒸発燃料で満たされた気相部分12とに分かれており、燃料の補給あるいは燃料の消費により燃料液面13が変化すると、液相部分11の容積および気相部分12の容積は変化する。サブタンクTsの内部は燃料で満たされた液相部分14と、蒸発燃料で満たされた気相部分15とに分かれており、その燃料液面16は基本的に一定である。
メインタンクTmの気相部分12とサブタンクTsの液相部分14とは、サブタンクTsの外部の第1連通路P1と、その一部を構成するサブタンクTsの内部の樹脂パイプP1aとで接続され、サブタンクTsの気相部分15とメインタンクTmの液相部分11とは、サブタンクTsの内部に配置された樹脂パイプよりなる第2連通路P2で接続される。
蒸発燃料を吸着可能なキャニスタCは、チャージポート17、パージポート18およびドレンポート19を備えており、チャージポート17はチャージ通路20によってサブタンクTsの気相部分15に接続され、パージポート18はパージ通路21を介して図示せぬエンジンの吸気通路に接続され、ドレンポート19は大気に解放される。
チャージ通路20がサブタンクTsの気相部分15に連通する部分にはフュエルカットバルブ26が設けられており、車両の転倒時にフュエルカットバルブ26が閉弁することでチャージ通路20を介してキャニスタCに燃料が流入するのを防止している。
メインタンクTmの内部に、エンジンの燃料噴射弁にフィードパイプ22を介して燃料を供給する燃料ポンプ23が配置される。フィードパイプ22の途中からプレッシャレギュレータ24を介して分岐する燃料補給通路27が、その一部を構成するサブタンクTsの内部の樹脂パイプ27aに接続される。燃料補給通路27にはオリフィス25が形成されており、プレッシャレギュレータ24を通過した燃料の大部分はオリフィス25を通過してメインタンクTmに戻されるが、一部はサブタンクTsに供給される。
メインタンクTmから上方に延びるフィラーチューブ28の上端の給油口29の近傍が、蒸発燃料戻し通路30を介してメインタンクTmの気相部分12に接続される。蒸発燃料戻し通路30は、給油口29からフィラーチューブ28に給油ガンで燃料を供給するとき、メインタンクTmの気相部分12の蒸発燃料を給油口29の近傍に戻し、それを給油ガンから噴出する燃料と共にメインタンクTm内に戻すことで、外気がメインタンクTm内に吸入されるのを防止する機能を有する。
尚、実施の形態では第1連通路P1が蒸発燃料戻し通路30の一部を介してメインタンクTmの気相部分12に接続されるが、第1連通路P1を直接メインタンクTmの気相部分12に接続しても良い。
次に、図2〜図4に基づいてサブタンクTsの構造を詳細に説明する。
サブタンクTsの外郭は、上面が開放した有底円筒状の下部ハウジング31と、下面が開放した有底円筒状の上部ハウジング32とで構成される。下部ハウジング31は円板状の底壁部31aと円筒状の側壁部31bとを備えており、底壁部31aに設けた継ぎ手部31cに樹脂パイプよりなる第2連通路P2の下端が溶着w1されるとともに、底壁部31aに設けた他の継ぎ手部31dにサブタンクTs内に収納される前記樹脂パイプ27aの下端が溶着w2される。
上部ハウジング32は円板状のフランジ部32aと円筒状の側壁部32bとを備えており、フランジ部32aに設けた継ぎ手部32cにフュエルカットバルブ26が接続されるとともに、フランジ部32aに設けた他の継ぎ手部32dに第1連通路P1の一部である樹脂パイプP1aの上端がシール部材33を介して嵌合する。
前記蓄熱部材10を収納する二重円筒容器34は、大径円筒状の外壁部34aと、小径円筒状の内壁部34bと、外壁部34aおよび内壁部34bの下端間を接続する円環状の底壁部34cとを一体に備えて上面が開放している。二重円筒容器34の内部に収納された円筒状の蓄熱材10の上面に、断熱性を有する材料で構成された円環状の板材よりなるキャップ35が載置された状態で、二重円筒容器34の外壁部34aおよび内壁部34bの上端に円板状の蓋部材36が溶着w3,w4されて閉塞される。前記溶着w3,w4により、二重円筒容器34および蓋部材36は隙間無く結合され、蓄熱材10が収納された密閉空間に外部から燃料が浸入することはない。
蓋部材36の上面に環状突起36aが上向きに突設されるとともに、上部ハウジング32のフランジ部32aの下面に環状突起32eが下向きに突設される。隣接して配置された両環状突起36a,32eの間にシール部材37が支持されており、このシール部材37によりサブタンクTsの気相部分15が密閉される。また二重円筒容器34の底壁部34cは下部ハウジング31の底壁部31aの上面に溶着w5されており、この溶着w5によりサブタンクTsの液相部分14が密閉される。
図3から明らかなように、第1連通路P1の一部である樹脂パイプP1aの中間部には鍔38が形成されており、蓋部材36に形成した樹脂パイプ挿通孔36bと、継ぎ手部32dの下面に突設した位置決め突起32iとの間に前記鍔38を挟持することで、樹脂パイプP1aの下方への脱落が防止される。このとき、樹脂パイプP1aのシール部材33および鍔38間に4枚のリブ47…を90°間隔で放射状に4枚形成することで、樹脂パイプP1aの倒れを防止するとともに径方向の位置決めを行っている。また二重円筒容器34の蓋部材36の上面には気密試験用孔36cが形成されており、この気密試験用孔36cを用いて二重円筒容器34の内部が完全に気密状態であることを確認した後、前記気密試験用孔36cは熱カシメや栓部材の溶着等の手段で閉塞される。
図4から明らかなように、上部ハウジング32の側壁部32bの下端の円周方向複数箇所(実施の形態では4箇所)に、2本のスリット32f,32fに挟まれた舌片32gが設けられており、その舌片32gの中央部に係合孔32hが形成される。一方、下部ハウジング31の側壁部31bの高さ方向中間部には、前記係合孔32hに係合可能な係合爪31eと、その下方に突設された位置決め突起31fとが形成される。
図2に戻り、上述した下部ハウジング31および上部ハウジング32間はシールされていないため、両者の隙間を通ってメインタンクTm内の燃料がサブタンクTsの内部に浸入するが、その燃料はサブタンクTsの上側において前記シール部材37により阻止され、かつサブタンクTsの下側において前記溶着w5により阻止されることで、サブタンクTsの液相部分14および気相部分15に浸入することはない。
フュエルカットバルブ26は、ハウジング39と底板40とフロート41とで構成されるもので、円筒状のハウジング本体39aの上面に円形の上壁部39bを一体に形成し、上壁部39bの中心に上向きに突設した嵌合突起39cがシール部材42を介して継ぎ手部32cに嵌合するとともに、上壁部39bの外周が上部ハウジング32のフランジ部32aの下面と蓋部材36の上面との間に挟まれて固定される。ハウジング本体39aの内部に上下動可能に収納されたフロート41の上端に一体に設けた円錐状のシール部41aが、上壁部39b中央に設けた円錐状の開口39dに着座可能に対向する。
上部ハウジング32のフランジ部32aの外周が、燃料タンク本体43の開口部43aにシール部材44を介して嵌合し、キャップ45により固定される。尚、上部ハウジング32はそのフランジ部32aが燃料タンクTの外部に露出するため、燃料が透過し難いPPS(ポリフェニレンサルファイド)等で構成される。またフュエルカットバルブ26のフロート41はPA(ポリアミド)等で構成され、その他の樹脂部分は耐燃料性に優れたPOM(ポリアセタール)等で構成される。
サブタンクTsの組み立ておよびメインタンクTmへの組み付けは以下のようにして行われる。
二重円筒容器34の内部に蓄熱材10およびキャップ35を挿入し、その上面開口に蓋部材36を溶着w3,w4を溶着してアセンブリ化しておく。続いて、下部ハウジング21の底壁部31aの上面に、二重円筒容器34の底壁部34cの下面を溶着w5するとともに、第2連通路P2の下端および燃料補給通路27の樹脂パイプ27aの下端をそれぞれ溶着w1,w2する。続いて、二重円筒容器34の蓋部材36にフュエルカットバルブ26および第1連通路P1の樹脂パイプP1aをセットし、その状態で上方から上部ハウジング32を下部ハウジング31に結合する。
具体的には、硬質の上部ハウジング32の4個の舌片32g…に対して、軟質の下部ハウジング31の係止爪31e…を径方向内側に弾性変形させながら、舌片32g…の係合孔32h…に係合させることで、下部ハウジング31および上部ハウジング32は一体化される。このとき、舌片32g…の下端は下部ハウジング31の位置決め突起31f…に当接して上下方向に位置決めされる。下部ハウジング31から上部ハウジング32を分離するには、舌片32g…を径方向外側に弾性変形させながら、下部ハウジング31から上部ハウジング32を上方に引き抜けば良い。
下部ハウジング31に上部ハウジング32を結合すると、蓋部材36の環状突起36aと上部ハウジング32の環状突起32eとの間にシール部材37が圧縮状態で挟持され、フュエルカットバルブ26の嵌合突起39cがシール部材42を介して上部ハウジング32の継ぎ手部32cに嵌合し、第1連通路P1の樹脂パイプP1aの上端がシール部材33を介して上部ハウジング32の継ぎ手部32dに嵌合することで、サブタンクTsの組み立てが完了する。
このようにして組み立てられたサブタンクTsをメインタンクTmのタンク本体43の開口部43aから挿入してキャップ45を螺合すると、開口部43aとキャップ45との間にシール部材44および上部ハウジング31のフランジ部32aの外周部が挟持され、サブタンクTsがメインタンクTmに固定される。
次に、上記構成を備えた本発明の第1の実施の形態の作用を説明する。
昼間における外気温の上昇に伴って燃料タンクTの温度も上昇するが、メインタンクTmの温度は蓄熱材10に覆われたサブタンクTsの温度よりも高温になるため、メインタンクTmの気相部分12に存在できる空気および蒸発燃料の混合気のモル数が減少し、同時に燃料蒸気圧の増加に伴ってメインタンクTmの液相部分11から気相部分12へと蒸発燃料が発生する。その結果、メインタンクTmの気相部分12の空気および蒸発燃料の混合気が第1連通路P1を介してサブタンクTsの液相部分14に気泡となって放出される(矢印a参照)。メインタンクTmから供給される蒸発燃料の分圧は、サブタンクTsに存在する蒸発燃料の分圧よりも高いため、その差分が液化してサブタンクTsの液相部分14aに溶解する。
このように、サブタンクTsを蓄熱材10で覆ったので、メインタンクTmの内部の温度とサブタンクTsの内部の温度との差を大きくすることができ、これによりメインタンクTmの気相部分12で発生した蒸発燃料のうち、チャージ通路20を介してキャニスタCのチャージされる蒸発燃料の比率を低下させ、キャニスタCの小型化を図ることができる。
夜間における外気温の下降に伴って燃料タンクTの温度も下降するが、メインタンクTmの温度は蓄熱材10に覆われたサブタンクTsの温度よりも低温になるため、メインタンクTmの気相部分12に存在できる混合気のモル数が増加し、同時に燃料蒸気圧の減少に伴ってメインタンクTmの気相部分12から液相部分11へと蒸発燃料が液化する。その結果、サブタンクTsの気相部分15の混合気が第2連通路P2を介してメインタンクTmの液相部分11に導入される(矢印b参照)。
このように、メインタンクTmの気相部分12に発生する負圧でサブタンクTsの気相部分15の蒸発燃料が吸引されると、キャニスタCのドレンポート19から吸入された外気によって該キャニスタCにチャージされていた蒸発燃料がパージされ、パージされた蒸発燃料はチャージ通路20を介してサブタンクTsの気相部分15に流入し、そこからメインタンクTmの液相部分11に戻されて液化する、いわゆるバックパージが可能になる。エンジンの停止中に上記バックパージが行われることで、キャニスタCにチャージされている蒸発燃料の量(重量)を低く抑えることができ、これによりエンジンの運転時にキャニスタCからエンジンの吸気通路に蒸発燃料をパージする際に、パージ空気中の蒸発燃料の量を少なくしてエンジンの空燃比制御の精度に与える影響を最小限に抑えることができる。
上記バックパージによりキャニスタCからサブタンクTsの気相部分15に供給される混合気は蒸発燃料の濃度が比較的に低いため、サブタンクTsの気相部分15の燃料蒸気圧に応じて液相部分14からの蒸発燃料の発生が促進されて燃料成分が変化する現象(いわゆる枯れ)が起こり、サブタンクTsの気相部分15の燃料蒸気圧が低下する。このようにしてサブタンクTsの気相部分15の燃料蒸気圧が低下すると、メインタンクTmの温度が上昇したときに、メインタンクTmからサブタンクTsに供給された蒸発燃料の液化を一層効果的に促進することができる。
上記バックパージはサブタンクを持たない従来の燃料タンクにおいても発生するが、その場合にはキャニスタからパージされた比較的に濃度の低い蒸発燃料が燃料タンクに供給されるため、燃料タンクの液相部分に溶解する蒸発燃料の量は比較的に少なくなる。それに対し、本実施の形態ではキャニスタCからパージされた蒸発燃料がサブタンクTsを経由することで濃度を増してメインタンクTmに供給されるため、メインタンクTmの液相部分11に溶解して回収される蒸発燃料の量は比較的に多くなる。
サブタンクTsの燃料液面16が第1連通路P1の開口端よりも低くなると、メインタンクTmから第1連通路P1を介して供給される蒸発燃料を直接サブタンクTsの液相部分14に導入できなくなり、また前記液相部分14の燃料が第2連通路P2を介してメインタンクTmに戻されなくなり、その燃料が古くなって成分が変化する虞がある。
そこで燃料ポンプ23からプレッシャレギュレータ24および燃料補給通路27を介してサブタンクTsに新鮮な燃料が供給される。燃料補給通路27から供給された燃料によってサブタンクTsの燃料液面16が第2連通路P2の上端の開口部よりも高くなると、余剰の燃料は第2連通路P2を介してメインタンクTmに戻されることで、サブタンクTsの燃料液面16は常に一定の高さに維持される。
以上のように、本実施の形態によれば、メインタンクTmの温度が上昇するときは、メインタンクTmの気相部分12の蒸発燃料を第1連通路P1を介して低温のサブタンクTsの液相部分14に供給して液化させ、またメインタンクTmの温度が下降するときはサブタンクTsの気相部分15の蒸発燃料を第2連通路P2介して低温のメインタンクTmの液相部分11に供給して液化させることで、メインタンクTmおよびサブタンクTsの温度状態がいかなる場合でも蒸発燃料の発生を効果的に抑制することができる。その結果、キャニスタCの容量を小さくしても蒸発燃料の大気への放散を阻止することが可能になるだけでなく、キャニスタCからエンジンの吸気系にパージされる蒸発燃料を減少させ、エンジンの空燃比制御の精度を高めることができる。
さて、本実施の形態では、大径円筒状の外壁部34aおよび小径円筒状の内壁部34bの下端間を底壁部34cで接続した二重円筒容器34の上端開口から円筒状の蓄熱材10を挿入し、二重円筒容器34の上端開口に重ね合わせた円板状の蓋部材36の下面を前記外壁部34aおよび前記内壁部34bの上端に溶着w3,w4したので、極めて簡単で部品点数の少ない構造で円筒状の蓄熱部材10を収納する密閉容器を構成することができ、その内部への燃料の浸入を特別のシール部材を設けることなく確実に阻止することができる。
尚、蓄熱材10の種類によっては、二重円筒容器34の上端開口に蓋部材36の下面を溶着w3,w4する熱で蓄熱材10が損傷する可能性があるが、その蓄熱材10と溶着部との間に断熱性を有するキャップ35を配置したことで、蓄熱材10の損傷を防止することができる。
また二重円筒容器34の蓋部材36の上面に気密試験用孔36cを形成したので、その二重円筒容器34の気密試験を容易かつ確実に行うことができる。二重円筒容器34の内部が完全に気密状態であることを確認した後、前記気密試験用孔36cは熱カシメや栓部材の溶着等の手段で閉塞される。
サブタンクTsをメインタンクTmに組み付けた状態で、サブタンクTsの上部ハウジング32のフランジ部32aは、燃料タンク本体43の外側に露出するが、その上部ハウジング32は蒸発燃料が透過し難い材料であるPPS(ポリフェニレンサルファイド)で構成されているため、フランジ部32aを通しての蒸発燃料の大気放散を最小限に抑えることができる。
また上部ハウジング32を構成するPPSは溶着の信頼性が低いという特性があるが、上部ハウジング32を下部ハウジング31に溶着することなく、係合爪31e…と係合孔32h…との凹凸係合により結合したことで、上部ハウジング32および下部ハウジング31の意図せぬ分離を確実に防止しながら、必要に応じて上部ハウジング32および下部ハウジング31を容易に分離してメンテナンス性を高めることができる。
またフュエルカットバルブ26を、上部ハウジング32および蓋部材36と別部材で構成したので、それぞれの部材に最適の材料を選択することができる。更に、フュエルカットバルブ26と上部ハウジング32との間のシールを、フュエルカットバルブ26の嵌合突起39cの外周に設けたOリングよりなるシール部材42と上部ハウジング32の継ぎ手部32cの内周面との間で行ったので、前記シール部材42に小型のものを用いてコストダウンおよびシール性の向上を図ることができる。
図5〜図7は本発明の第2の実施の形態を示すもので、図5は前記図2に対応する図、図6は図5の6方向矢視図、図7は図6の7−7線断面図である。
第2の実施の形態は、下部ハウジング31の底壁部31aの下面に、半月状を成す2個の空気室46,46を溶着w6により固定したものである。下部ハウジング31の底壁部31aの下面に設けられた2個の継ぎ手部31c,31dは、前記2個の空気室46,46の間に形成される空間に配置される。各空気室46の下面には気密試験用孔46aが形成されており、この気密試験用孔46aは試験の終了後に熱カシメや栓部材の熱溶着により閉塞される。
しかして、サブタンクTsの下面に断熱層を構成する空気室46,46を設けたことにより、メインタンクTmの内部およびサブタンクTsの内部の温度差を更に大きく確保して蒸発燃料を液化を一層促進することができる。
第2の実施の形態のその他の作用効果は、前述した第1の実施の形態の作用効果と同じである。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、サブタンクTsの外周部を蓄熱材10で覆う代わりに、断熱材で覆ったり、空気層で覆うことができ、また空気室46の代わりに蓄熱材室や断熱材室を設けることができる。要するに、サブタンクTsの表面の全部あるいは一部に、熱伝達を抑制する手段を施せば良い。
またフランジ部32aを有する上部ハウジング32の材質は燃料が透過し難いものであれば良く、PPS(ポリフェニレンサルファイド)以外にEVOH(エチレンービニルアルコール共重合体)やPA(ポリアミド)等が使用可能である。
また実施の形態では気密試験用孔36cを蓋部材36に設けているが、それを二重円筒容器34に設けることができる。
第1の実施の形態に係る燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置のスケルトン図 サブタンク部分の縦断面図 図2の3部拡大図 図2の4方向矢視図 第2の実施の形態に係る、前記図2に対応する図 図5の6方向矢視図 図6の7−7線断面図
符号の説明
10 蓄熱材(蓄熱層)
20 チャージ通路
34 二重円筒容器
34a 外壁部
34b 内壁部
34c 底壁部
35 キャップ
36 蓋部材
36c 気密試験用孔
46 空気室(断熱層)
C キャニスタ
P1 第1連通路(連通路)
P2 第2連通路(連通路)
Tm メインタンク
Ts サブタンク
w3 溶着
w4 溶着
w5 溶着

Claims (5)

  1. メインタンク(Tm)と、その内部に配置されるサブタンク(Ts)とを複数の連通路(P1,P2)で連通させるとともに、前記サブタンク(Ts)とキャニスタ(C)とをチャージ通路(20)で連通させ、
    前記サブタンク(Ts)の少なくとも側部を密閉空間で取り囲み、前記密閉空間の内部に蓄熱層(10)あるいは断熱層を形成した燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置において、
    前記密閉空間は、筒状の外壁部(34a)と、前記外壁部(34a)の内側に配置される筒状の内壁部(34b)と、前記外壁部(34a)および前記内壁部(34b)の下端間を接続する底壁部(34c)とを備えた二重円筒容器(34)の上端開口部に、蓋部材(36)の下面を溶着(w3,w4)して構成されることを特徴とする燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置。
  2. 前記蓋部材(36)あるいは前記二重円筒容器(34)に前記密閉空間の気密検査を行うための気密試験用孔(36c)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置。
  3. 前記密閉空間の上部に、前記蓋部材(36)に臨む断熱性のキャップ(35)が配置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置。
  4. 前記二重円筒容器(34)の底壁部(34c)の下面は、前記サブタンク(Ts)の底壁部(31a)の上面に溶着(w5)されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置。
  5. 前記サブタンク(Ts)の底壁部(31a)の下面に、蓄熱層あるいは断熱層(46)が形成されることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の燃料タンクの蒸発燃料放出抑制装置。
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