JP2009127554A - フランシス水車のスプリッタランナ - Google Patents

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Abstract

【課題】短翼の流路出口側端部近傍における水の流れに起因して、長翼の表面で発生するキャビテーションを抑止することができるフランシス水車のスプリッタランナを提供する。
【解決手段】スプリッタランナ23は、ランナ回転軸29と、ランナ回転軸29に連結されたクラウン27と、クラウン27に対向して配置されたバンド28とを備えている。またクラウン27とバンド28との間であってランナ回転軸29の周りに複数の長翼30が配置されている。また各長翼30間に、隣接する長翼30との間で水の流路33a、33bを形成するとともに、両側に圧力面31aと負圧面31bとを有する短翼31が配置されている。短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aと負圧面31bとは非平行となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、フランシス水車のスプリッタランナに係り、とりわけ長翼近傍におけるキャビテーションの発生を抑止することができるフランシス水車のスプリッタランナに関する。
図9は、従来の一般的なフランシス水車の縦断面図を示したものである。図9に示すように、フランシス水車1は、発電機2に主軸3を介して連結されたランナ4を有していおり、このランナ4は、クラウン10と、クラウン10に対向して配置されたバンド6と、クラウン10とバンド6との間に設けられた羽根15とを有している。またランナ4を囲繞するようにケーシング7が設けられ、ランナ4とケーシング7との間にガイドベーン9およびステーベーン8がそれぞれ配置されている。さらに、ランナ4の下部に、ランナ4からの水を流出させる吸出し管5が設けられている。
このフランシス水車1を運転する際、水は図示しない上池から水圧鉄管を通って、ケーシング7内に流入し、更にステーベーン8間およびガイドベーン9間を順次通過してランナ4内に流入する。このようにして流入する水により、ランナ4が回転駆動され、主軸3を介して発電機2が駆動される。一方、ランナ4を回転駆動した水は、吸出し管5を経て図示しない放水路へと流出する。
フランシス水車1を運転する際は、ガイドベーン9の開度を変化させることによりケーシング7からランナ4内に流入する流量を調整し、発電機2の発電量を変化させる。このため、ランナ4内における水の流れは、ランナ4内に流入する水の流量により大きく変化する。すなわち、設計点においてはガイドベーン9側から入ってきた水は、ランナ4の流線に沿って流れる。しかしながら、ランナ4内に流入する水の流量が小さくなると、この水の流れは、ランナ4が回転することによる遠心力により、バンド6側に偏った流れとなる。一方、ランナ4内に流入する水の流量が大きくなると、ガイドベーン9からランナ4の中心方向に向かう水のエネルギーが大きくなり、これがランナ4の回転力を上回る。このため、水の流れは、クラウン10側に偏ることとなる。
このようなランナ4の流線に沿わない水の流れを二次流れと呼ぶ。この二次流れが発生した場合、ランナ4において損失が発生する。したがって、ランナ4内に流入する水の流量が比較的大きい場合(大流量側)であっても、あるいはこの水の流量が比較的小さい場合(小流量側)であっても二次流れの発生を抑制できれば、広い流量範囲でランナ4のランナ損失を低減することができる。
このように大流量側および小流量側における二次流れの発生を抑制するものとして、通常の長さからなる羽根(長翼)の間に、この長翼よりも長さが短い羽根(短翼)を配置したランナ(以下スプリッタランナともいう)が知られている。このようなスプリッタランナに関する特許文献として、例えば後述する特許文献1および特許文献2等が知られている。
次に、図7を用いてスプリッタランナの概略について説明する。図7に示すように、スプリッタランナ11は、図示しないクラウンとバンドとの間であって、複数の長翼12と、各長翼12間に配置され、隣接する長翼12との間で水の流路14を形成する短翼13とを有している。これにより、とりわけ非設計点における流路14内の水の流れの偏りが抑制され、損失が低減されることが知られている。
しかしながら、羽根後流による影響、あるいは短翼13の流路出口側端部13aの形状に起因して発生するカルマン渦等により、短翼13の下流側において水の圧力が低下する場合がある。更にこの圧力が低下した領域が、短翼13より下流側に位置する長翼12側に流れ込み、キャビテーションを誘発する場合がある。
特開2000−54944号公報 特開2000−205101号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、短翼の流路出口側端部近傍における水の流れに起因して、長翼の表面で発生するキャビテーションを抑止することができるフランシス水車のスプリッタランナを提供することを目的とする。
本発明は、ランナ回転軸に連結されたクラウンと、クラウンに対向して配置されたバンドと、クラウンとバンドとの間であってランナ回転軸の周りに配置された複数の長翼と、クラウンとバンドとの間であって各長翼間に配置され、隣接する長翼との間で水の流路を形成するとともに、両側に圧力面と負圧面とを有する短翼と、を備え、短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、圧力面と負圧面とは非平行となっていることを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナである。
本発明は、短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、負圧面にテーパー部が設けられていることを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナである。
本発明は、短翼の流路出口側端部近傍の断面形状は、クラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図に基づいて定められ、この短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、ランナ回転軸を中心とし、短翼の流路出口側端部を通る円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼の圧力面とが成す角をθ1とし、前記円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼の負圧面のテーパー部とが成す角をθ2とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径方向長さをL1とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径に直交する方向の長さをL2とした場合、L1<L2×tan(0.5×(θ1+θ2))の関係が成立することを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナである。
本発明は、短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、圧力面にテーパー部が設けられていることを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナである。
本発明は、短翼の流路出口側端部近傍の断面形状は、クラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図に基づいて定められ、この短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、ランナ回転軸を中心とし、短翼の流路出口側端部を通る円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼の圧力面のテーパー部とが成す角をθ3とし、前記円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼の負圧面とが成す角をθ4とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径方向における長さをL1とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径に直交する方向の長さをL2とした場合、L1<L2×tan(0.5×(θ3+θ4))の関係が成立することを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナである。
本発明は、ランナ回転軸に連結されたクラウンと、クラウンに対向して配置されたバンドと、クラウンとバンドとの間であってランナ回転軸の周りに配置された複数の長翼と、クラウンとバンドとの間であって各長翼間に配置され、隣接する長翼との間で水の流路を形成する短翼と、を備え、短翼の流路出口側端部の上下方向に沿って溝が設けられていることを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナである。
本発明は、ランナ回転軸に連結されたクラウンと、クラウンに対向して配置されたバンドと、クラウンとバンドとの間であってランナ回転軸の周りに配置された複数の長翼と、クラウンとバンドとの間であって各長翼間に配置され、隣接する長翼との間で水の流路を形成するとともに、両側に圧力面と負圧面とを有する短翼と、を備え、短翼の流路出口側端部の近傍に、圧力面と負圧面とを連通する貫通孔が設けられていることを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナである。
本発明は、クラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図において、ランナ回転軸を中心とし、短翼の流路出口側端部を通る円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼のキャンバーラインとが成す角をθ5とし、前記円の短翼の流路出口側端部における接線と前記貫通孔の中心軸とが成す角をθ6とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径方向における長さをL1とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径に直交する方向の長さをL2とした場合、L1<L2×tan(0.5×(θ5+θ6))の関係が成立することを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナである。
本発明によれば、短翼の流路出口側端部近傍における水の流れに起因して、長翼の表面で発生するキャビテーションを抑止することができる。
第1の実施の形態
以下、本発明の第1の実施の形態に係るフランシス水車のスプリッタランナについて、図1、図2、図3、および図8を参照して説明する。
ここで、図1は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。すなわち図1は、スプリッタランナの子午面流路のクラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図であり、とりわけ水の流路出口付近を示すものである。また図2は、フランシス水車全体を示す概略縦断面図であり、図3は、フランシス水車のスプリッタランナの子午面流路に仮想分割線を描いたランナ断面図であり、図8は、比較例としての従来のスプリッタランナの長翼および短翼における圧力分布図である。
まず、図2によりフランシス水車全体の概略について説明する。
図2に示すように、フランシス水車20は、発電機21に主軸22を介して連結されたスプリッタランナ23を有している。またスプリッタランナ23を囲繞するように、スプリッタランナ23に連通するケーシング24が設けられ、スプリッタランナ23とケーシング24との間にガイドベーン26およびステーベーン25がそれぞれ配置されている。さらに、スプリッタランナ23の下部に、スプリッタランナ23からの水を流出させる吸出し管32が設けられている。
次に、図1および図2により本実施の形態によるフランシス水車のスプリッタランナの概略について説明する。
図2に示すように、スプリッタランナ23は、主軸22に連結されたランナ回転軸29と、ランナ回転軸29に連結されたクラウン27と、クラウン27に対向して配置されたバンド28とを有している。またクラウン27とバンド28との間であってランナ回転軸29の周りに複数の長翼30が配置され、更にクラウン27とバンド28との間であって各長翼30間にそれぞれ短翼31が配置されている。
このうち短翼31は、図1に示すように、隣接する長翼30、30との間で水35a、35bが流れる流路33a、33bをそれぞれ形成するとともに、両側に圧力面31aと負圧面31bとを有している。同様に長翼30も、両側に圧力面30aと負圧面30bとを有している。
また、短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、負圧面31bにテーパー部34が設けられている。これにより、短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aと負圧面31bとは非平行となっている。なお、ここでいう短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状とは、クラウン27からバンド28にかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図(図3)に基づいて定められる。
また、この短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、ランナ回転軸29を中心とし、短翼31の流路出口側端部31cを通る円を円Rとし、この円Rの短翼31の流路出口側端部31cにおける接線を接線Tとする。
また、接線Tと短翼31の圧力面31aとが成す角をθ1とし、接線Tと短翼31の負圧面31bのテーパー部34とが成す角をθ2とする。
また、短翼31の流路出口側端部31cと、この短翼31の圧力面31a側に隣接する長翼30の流路出口側端部30cとの間の円Rの半径方向長さをL1とし、短翼31の流路出口側端部31cと短翼31の圧力面31a側に隣接する長翼30の流路出口側端部30cとの間の円Rの半径に直交する方向の長さをL2とする。
この場合、L1<L2×tan(0.5×(θ1+θ2))の関係が成立する。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
図1において、ケーシング24からの水35aが流路33aに流入する。次に、この水35aは、流路33a内を流れ、短翼31の流路出口側端部31c近傍で隣接する流路33bからの水35bと合流する。
この場合、上述したように短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、負圧面31bにテーパー部34が設けられ、短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aと負圧面31bとは非平行となっているので、流路出口側端部31c近傍におけるカルマン渦の発生を抑制することができる。また、短翼31のテーパー部34は上述した式を満たすような形状となっているので、短翼31付近を流れる水35a、35bが、長翼30の負圧面30bに近づくことを抑制することができる。これにより、長翼30の表面における圧力低下を緩和することができ、キャビテーションの発生を抑止することができる。
比較例
これに対して、図7に示す従来のスプリッタランナ11は、短翼13の流路出口側端部13c近傍の断面形状において、圧力面と負圧面とが略平行となっている。この場合、短翼13の下流側でカルマン渦が発生し、水の圧力が低下する。この水の圧力が飽和蒸気圧以下になると水が気泡化する。また短翼13の下流において、羽根後流の影響により水の圧力が低下する。これら圧力の低下した水の流れが短翼13の下流で長翼12に近づくと、長翼12の表面の圧力低下を誘発する。
ところで、図8に示すように、一般に羽根面の圧力が最も小さくなるのは長翼出口の負圧面側である。この圧力が飽和蒸気圧以下になるとキャビテーションが発生する。したがって、従来のスプリッタランナは、長翼出口側の負圧面付近に短翼近傍から圧力の低い水が流れ込んだ場合、圧力低下の影響を大きく受ける。このため、場合によっては羽根面の圧力が飽和蒸気圧以下となり、キャビテーションが発生する。
これに対して、本実施の形態によれば、上述したように短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、負圧面31bにテーパー部34が設けられ、短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aと負圧面31bとは非平行となっているので、長翼30の表面における圧力低下を緩和することができ、キャビテーションの発生を抑止することができる。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態に係るフランシス水車のスプリッタランナについて図4を参照して説明する。
ここで、図4は、本発明の第2の実施の形態を示す図である。すなわち図4は、スプリッタランナの子午面流路のクラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図であり、とりわけ水の流路出口付近を示すものである。図4に示す第2の実施の形態は、短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aにテーパー部36が設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図4において、図1、図2、図3および図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、図4により本実施の形態によるフランシス水車のスプリッタランナの概略について説明する。
図4に示すように、スプリッタランナ23の短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aにテーパー部36が設けられている。これにより、短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aと負圧面31bとは非平行となっている。なお、ここでいう短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状とは、クラウン27からバンド28にかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図(前記図3参照)に基づいて定められる。
また、この短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、ランナ回転軸29を中心とし、短翼31の流路出口側端部31cを通る円を円Rとし、この円Rの短翼31の流路出口側端部31cにおける接線を接線Tとする。
また、接線Tと短翼31の圧力面31aのテーパー部36とが成す角をθ3とし、接線Tと短翼31の負圧面31bとが成す角をθ4とする。
また、短翼31の流路出口側端部31cとこの短翼31の圧力面31a側に隣接する長翼30の流路出口側端部30cとの間の円Rの半径方向長さをL1とし、短翼31の流路出口側端部31cと短翼31の圧力面31a側に隣接する長翼30の流路出口側端部30cとの間の円Rの半径に直交する方向の長さをL2とする。
この場合、L1<L2×tan(0.5×(θ3+θ4))の関係が成立する。
上述したように、短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aにテーパー部36が設けられ、これにより短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aと負圧面31bとは非平行となっているので、流路出口側端部31c近傍におけるカルマン渦の発生を抑制することができる。
ところで、一般に短翼の流路出口側端部においてテーパー形状部分を設けた場合、その形状によってはこのテーパー形状部分で水の圧力が低下する場合がある。このため、テーパー形状部分が水の圧力の低くなる箇所に設けられている場合、この部分にキャビテーションが発生するおそれがある。これに対して、本実施の形態において、テーパー部36は短翼31の圧力面31aに設けられている。したがって、仮にテーパー部36で水の圧力が低下しても、その圧力は飽和蒸気圧まで低下することがない。したがって、テーパー部36におけるキャビテーションの発生を確実に防止することができ、短翼31においてキャビテーションが発生することにより、長翼30においてキャビテーションが発生することを防止することができる。
また、短翼31のテーパー部36は上述した式を満たすような形状となっているので、短翼31付近を流れる水35a、35bが長翼30の負圧面30bに近づくことを抑制することができる。これにより長翼30の表面における圧力低下を緩和することができるため、キャビテーションの発生を抑止することができる。
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態に係るフランシス水車のスプリッタランナについて図5を参照して説明する。
ここで、図5は、本発明の第3の実施の形態を示す図である。すなわち図5は、スプリッタランナの子午面流路のクラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図であり、とりわけ水の流路出口付近を示すものである。図5に示す第3の実施の形態は、短翼31の流路出口側端部31cの上下方向に沿って溝37が設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図5において、図1、図2、図3および図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、図5により本実施の形態によるフランシス水車のスプリッタランナの概略について説明する。
図5に示すように、流路出口側端部31cのクラウンからバンドにかけて、スプリッタランナ23の短翼31の流路出口側端部31cの上下方向に沿って溝37が設けられている。
一般に、短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、圧力面31aと負圧面31bとが平行であると、流路出口側端部31cの下流でカルマン渦が発生する。これに対して本実施の形態によれば、短翼31の流路出口側端部31cの上下方向に沿って溝37が設けられているので、このカルマン渦の強さが抑制される。したがって、この溝37により、短翼31の流路出口側端部31cの下流側におけるカルマン渦の発生が抑制され、これにより、長翼30付近における圧力低下によるキャビテーションの発生を抑止することができる。
第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態に係るフランシス水車のスプリッタランナについて図6を参照して説明する。
ここで、図6は、本発明の第4の実施の形態を示す図である。すなわち図6は、スプリッタランナの子午面流路のクラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図であり、とりわけ水の流路出口付近を示すものである。図6に示す第4の実施の形態は、短翼31の流路出口側端部31cの近傍に、圧力面31a側と負圧面31b側とを貫通する貫通孔38が設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図6において、図1、図2、図3および図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、図6により本実施の形態によるフランシス水車のスプリッタランナの概略について説明する。
図6に示すように、スプリッタランナ23の短翼31の流路出口側端部31cの近傍に、圧力面31aと負圧面31bとを連通する貫通孔38が設けられている。貫通孔38は、クラウン27側からバンド28側にかけて複数個設けられていることが好ましい。
また、図6に示す短翼31の流路出口側端部31c近傍の断面形状において、ランナ回転軸29を中心とし、短翼31の流路出口側端部31cを通る円を円Rとし、この円Rの短翼31の流路出口側端部31cにおける接線を接線Tとする。
また、接線Tと短翼31のキャンバーラインCLとが成す角をθ5とし、接線Tと貫通孔38の中心軸CAとが成す角をθ6とする。
また、短翼31の流路出口側端部31cとこの短翼31の圧力面31a側に隣接する長翼30の流路出口側端部30cとの間の円Rの半径方向長さをL1とし、短翼31の流路出口側端部31cと短翼31の圧力面31a側に隣接する長翼30の流路出口側端部30cとの間の円Rの半径に直交する方向の長さをL2とする。
この場合、L1<L2×tan(0.5×(θ5+θ6))の関係が成立する。
この場合、流路33bを流れる水35bの一部は、短翼31の圧力面31a側から負圧面31b側へ流れ、貫通孔38内を通過する。すなわち水35bの一部は、貫通孔38に沿って接線Tに対して角度θ6で流路33a側へ流出する。一方、貫通孔38内を通らない水35bは、短翼31の圧力面31aに沿って、接線Tに対して角度θ5で流路33b内を流れる。同様に、水35aは、短翼31の負圧面31bに沿って、接線Tに対して角度θ5で流路33a内を流れる。
この場合、短翼31の流路出口側端部31cの下流側で、この貫通孔38内を通過する水35bと流路33aを流れる水35aとが合流し、流れが合成された方向の速度成分を持つことになる。この場合、貫通孔38の角度は上記式を満たすように設定されているので、短翼31付近を流れる水35a、35bが長翼30の負圧面30bに近づくことを抑制することができる。これにより長翼30の表面における圧力低下を緩和することができ、キャビテーションの発生を抑止することができる。
本発明によるフランシス水車のスプリッタランナの第1の実施の形態を示す図。 フランシス水車の全体を示す縦断面図。 フランシス水車のスプリッタランナの子午面流路に仮想分割線を描いたランナ断面図。 本発明によるフランシス水車のスプリッタランナの第2の実施の形態を示す図。 本発明によるフランシス水車のスプリッタランナの第3の実施の形態を示す図。 本発明によるフランシス水車のスプリッタランナの第4の実施の形態を示す図。 従来のスプリッタランナを示す図。 比較例としての従来のスプリッタランナの長翼および短翼における圧力分布図。 従来のフランシス水車を示す縦断面図。
符号の説明
1 フランシス水車
2 発電機
3 主軸
4 ランナ
5 吸出し管
6 バンド
7 ケーシング
8 ステーベーン
9 ガイドベーン
10 クラウン
11 スプリッタランナ
12 長翼
13 短翼
14 流路
15 ランナ
20 フランシス水車
21 発電機
22 主軸
23 スプリッタランナ
24 ケーシング
25 ステーベーン
26 ガイドベーン
27 クラウン
28 バンド
29 ランナ回転軸
30 長翼
30a 圧力面
30b 負圧面
30c 流路出口側端部
31 短翼
31a 圧力面
31b 負圧面
31c 流路出口側端部
32 吸出し管
33a、33b 流路
34 テーパー部
35a、35b 水
36 テーパー部
37 溝
38 貫通孔

Claims (8)

  1. ランナ回転軸に連結されたクラウンと、
    クラウンに対向して配置されたバンドと、
    クラウンとバンドとの間であってランナ回転軸の周りに配置された複数の長翼と、
    クラウンとバンドとの間であって各長翼間に配置され、隣接する長翼との間で水の流路を形成するとともに、両側に圧力面と負圧面とを有する短翼と、を備え、
    短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、圧力面と負圧面とは非平行となっていることを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナ。
  2. 短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、負圧面にテーパー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフランシス水車のスプリッタランナ。
  3. 短翼の流路出口側端部近傍の断面形状は、クラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図に基づいて定められ、この短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、ランナ回転軸を中心とし、短翼の流路出口側端部を通る円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼の圧力面とが成す角をθ1とし、前記円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼の負圧面のテーパー部とが成す角をθ2とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径方向長さをL1とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径に直交する方向の長さをL2とした場合、L1<L2×tan(0.5×(θ1+θ2))の関係が成立することを特徴とする請求項2に記載のフランシス水車のスプリッタランナ。
  4. 短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、圧力面にテーパー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフランシス水車のスプリッタランナ。
  5. 短翼の流路出口側端部近傍の断面形状は、クラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図に基づいて定められ、この短翼の流路出口側端部近傍の断面形状において、ランナ回転軸を中心とし、短翼の流路出口側端部を通る円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼の圧力面のテーパー部とが成す角をθ3とし、前記円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼の負圧面とが成す角をθ4とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径方向における長さをL1とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径に直交する方向の長さをL2とした場合、L1<L2×tan(0.5×(θ3+θ4))の関係が成立することを特徴とする請求項4に記載のフランシス水車のスプリッタランナ。
  6. ランナ回転軸に連結されたクラウンと、
    クラウンに対向して配置されたバンドと、
    クラウンとバンドとの間であってランナ回転軸の周りに配置された複数の長翼と、
    クラウンとバンドとの間であって各長翼間に配置され、隣接する長翼との間で水の流路を形成する短翼と、を備え、
    短翼の流路出口側端部の上下方向に沿って溝が設けられていることを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナ。
  7. ランナ回転軸に連結されたクラウンと、
    クラウンに対向して配置されたバンドと、
    クラウンとバンドとの間であってランナ回転軸の周りに配置された複数の長翼と、
    クラウンとバンドとの間であって各長翼間に配置され、隣接する長翼との間で水の流路を形成するとともに、両側に圧力面と負圧面とを有する短翼と、を備え、
    短翼の流路出口側端部の近傍に、圧力面と負圧面とを連通する貫通孔が設けられていることを特徴とするフランシス水車のスプリッタランナ。
  8. クラウンからバンドにかけての流路が等断面積になるような複数の仮想分割線を考えた際のある分割線に沿う流路断面の展開図において、ランナ回転軸を中心とし、短翼の流路出口側端部を通る円の短翼の流路出口側端部における接線と短翼のキャンバーラインとが成す角をθ5とし、前記円の短翼の流路出口側端部における接線と前記貫通孔の中心軸とが成す角をθ6とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径方向における長さをL1とし、短翼の流路出口側端部とこの短翼の圧力面側に隣接する長翼の流路出口側端部との間の前記円の半径に直交する方向の長さをL2とした場合、L1<L2×tan(0.5×(θ5+θ6))の関係が成立することを特徴とする請求項7に記載のフランシス水車のスプリッタランナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20110025173A1 (en) * 2008-04-17 2011-02-03 Bsh Bosch Und Siemens Hausgerate Gmbh Fitting structure and method for mounting a decorative plate in the correct position on a door of a household appliance
CN104791172A (zh) * 2015-03-12 2015-07-22 哈尔滨电机厂有限责任公司 双向分流的混流式水泵水轮机叶片空间位置的确定方法

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