JP2009126204A - サスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前後剛性の低下とキャスター剛性の増加とを共に図ることが可能なサスペンション装置を提供する。
【解決手段】ロアリンク3,4を車体側部材6に連結する構造として、車体側部材6に対し、第1回動軸P1廻りに上下方向へ揺動可能に回動軸部材14を連結する。その回動軸部材14に対し、上記ロアリンク3,4の車体側端部3b、4bを、車両側面視で上記第1回動軸P1と交差する第2回動軸P2廻りに揺動可能に連結する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置など、車輪支持部材と車体側部材とを連結するロアリンクを備えるサスペンション装置に関する。
従来のサスペンション装置としては、例えば特許文献1に記載されるサスペンション装置がある。このサスペンション装置は、車輪支持部材の下部と車体側部材とを、前後に並ぶ2本のロアリンクによって連結する。さらに、車輪支持部材の上部と車体側部材とをアッパーリンクによって連結する。上記ロアリンクの車体側端部は、それぞれ個別のブッシュによって、上下方向へ揺動可能に車体側部材に連結している。なお、ロアリンクの車輪側端部もブッシュによって車輪支持部材に連結している。
特開2005−289167号公報
車輪の突起乗り越し時のショックを低減する観点からは、車輪の前後剛性が低くなるように、ロアリンクの車体側取付け点を構成するブッシュの剛性を低くすることが好ましい。
一方、例えば制動によってタイヤ接地点に対し車両前後方向後方に向かう前後力が入力すると、ワインドアップモーメントによって、ロアリンクを後ろに、アッパーリンクを前に押す力となる。そして、突起乗り越し時の乗り心地向上のためにロアリンクの車体側取付け点のブッシュ剛性を低くするほど、制動時における転舵軸(キングピン軸)の角度変化が大きくなってしまい、結果としてキャスター剛性が低下する。キャスター剛性は制動時の安定性からは高い方が良い。なお、ロアリンクの車体側取付け点の剛性が同じであっても、インホイールタイプ型のサスペンション装置など、上下のリンクのスパンが小さいほど、上記転舵軸の角度変化は大きくなる。
このように、前後剛性の低下とキャスター剛性の増加とがトレードオフの関係にあるという問題がある。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、前後剛性の低下とキャスター剛性の増加とを共に図ることが可能なサスペンション装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のサスペンション装置は、ロアリンクを車体側部材に連結する構造として、車体側部材に対し、第1回動軸廻りに上下方向へ揺動可能に回動軸部材を連結し、その回動軸部材に対し、上記ロアリンクの車体側端部を、車両側面視で上記第1回動軸と交差する第2回動軸廻りに揺動可能に連結する。
本発明によれば、側面視で互いに交差する第1回動軸及び第2回動軸の2軸を介してロアリンクの車体側端部を車体側部材に連結することで、前後剛性の低下とキャスター剛性の増加とを共に図ることが可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るサスペンション装置を説明する概要構成図である。
(構成)
図1に示すように、車輪支持部材2の下部と車体側部材6とを2本のロアリンク3,4によって連結している。また、車輪支持部材2の上部と車体側部材6とをアッパーリンク5によって連結している。
上記車輪支持部材2は、図2のように、ナックル7とナックル支持部材9とを備える。
ナックル7は、車輪1の回転軸を回転自在に支持する。そのナックル7から下方に向けて、ナックル回転軸部材8が突設している。そのナックル回転軸部材8の下部外周に対し、ナックル支持部材9を同軸に配置する。
ナックル支持部材9は、本体が筒状部材となっている。そのナックル支持部材9の内径面とナックル回転軸部材8との間に軸受10を介装する。これによって、ナックル回転軸部材8に対し、軸受10を介してナックル支持部材9を回転自在に支持させる。すなわち、軸受10の内輪に対しボルト11によって軸方向に予圧を掛けることで、当該内輪をナックル回転軸部材8に固定する。また、上記軸受10の外輪をナックル支持部材9の内径面に固定する。これによって、このナックル支持部材9は、ナックル回転軸部材8で特定した上下軸P3廻りに回転自在となる。この上下軸P3は鉛直方向を向いている必要はなく、当該鉛直軸から車両前後方向に傾いていても良い。図2では、軸受10を2つ使用する場合を例示しているが、軸受10は1つであっても良い。
また、上記2本のロアリンク3,4を、車両前後方向に並んで配置する。各ロアリンク3,4は、軸を車幅方向に向けて配置してある。
各ロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aは、上記ナックル支持部材9の側面に対し車両前後方向から対向するように配置してある。その各ロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aを、ナックル支持部材9の側面に対しボールジョイント12によって連結する。図2では、2本のロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aが、ナックル回転軸部材8に対し対称な位置で、ナックル支持部材9に取り付ける場合を例示している。
また、各ロアリンク3,4の車体側端部3b、4bは、図3に示すように、それぞれ個別の第2回動部15,16を介して、共通の回動軸部材14に連結する。
上記回動軸部材14は、2本のロアリンク3,4の上下方向への揺動軸である第1回動軸P1に沿って直線状に延在する軸部材である。なお、図3では、回動軸部材14の外径面が断面円形の場合を例示している。しかし、回動軸部材14の外径面の形状は断面矩形など他の形状であっても良い。
上記回動軸部材14の両端部は、小径の軸部14aとなっている。その小径の軸部14aの軸部が、図4及び図5に示すように、それぞれゴムブッシュ17を介して、車体側部材21,22に揺動可能に連結する。
図4及び図5に示す構造について説明する。
この例では、小径の軸部14aの外周に同軸に外筒部18を配置し、その小径部14aと外筒部18の間にゴムブッシュ17を圧入などで介装している。上記外筒部18には、一対の取付け板部19,20が一体に設けてある。一方の取付け板部19は、外筒部18の上部から横方向に張り出している。他方の取付け板部20は、外筒部19の下部から横方向に張り出している。そして、図5のように、一方の取付け板部19を、車体側部材6である車体フレーム21の下面に下側から当接してボルト締結する。また、他方の取付け板部20を、車体フレームに支持させたサブフレーム22に下側から当接してボルト締結する。これよって、回動軸部材14を、ゴムブッシュ17を介して車体側部材6に弾性支持した状態とする。
その回動軸部材14に対し、各ロアリンク3,4の車体側端部3b、4bを、それぞれ第2回動部15,16を介して連結する。
次にその連結構造について、図6を参照して説明する。なお、2つの第2回動部15,16の構造は同じであるので、前側の第2回動部15を代表して説明する。
上記ロアリンク3の車体側端部3bに、上下に延びる円柱状の上下軸部材23を設ける。その上下軸部材23は、その外周に同軸に配置した複数の軸受25,26を介して、回動軸部材14から突設した上下の取付け部24に回転自在に連結している。
すなわち、上記上下の取付け部24は、ロアリンク3,4の車体側端部3b、4bを挟んで上下に配置する。その上下の取付け部24には、同軸に貫通穴24aが開口している。その各取付け部24の上端部及び下端部に同軸にそれぞれ軸受25,26を設定する。つまり各軸受25,26の外輪を各取付け部24に当接させる。また、上記ロアリンク3,の車体側端部3bにも上下に貫通する貫通穴(不図示)が開口している。その車体側端部3bを、上記上下の取付け部24の間に配置した状態とする。その状態で、複数の軸受25,26の内輪、上下の取付け部の貫通穴、及びロアリンク3の車体側端部3bの貫通穴を、上記上下軸部材23で貫通させる。その上下軸部材23の両端部には、雄ネジが形成してあり、その雄ネジにナット27を締結して締め付けて予圧を付加する。これによって、各軸受25,26の内輪側を上下軸部材23に固定し、外輪側を取付け部24、つまり回動軸部材14に固定することとなる。この結果、ロアリンク3,4は、回動軸部材14に対して、上下軸部材23を中心にして回動可能となる。
各2本のロアリンク3,4の車体側端部3b、4bの上記上下軸部材23で特定される第2回動軸P2、P2′は、図7に示すように、車両側面視で交差している。その交差点Sは、回動軸部材14よりも下方に位置するようになっている。すなわち、上記2本の第2回動軸P2、P2′間の水平方向の間隔は、下方に向かうにつれて小さくなるように、上記上下軸部材23の向きを設定してある。
本実施形態では、上記交差点Sは、図7に示すように、車両側面視において、タイヤ接地点の位置若しくはその近傍となるよう、2本の上下軸部材23の傾きを調整してある。
また、アッパーリンク5の車輪側端部は、上記ナックル7の上部に対し、ボールジョイント30によって連結する。また、アッパーリンク5の車体側端部は、ブッシュを介して車体側部材6に連結する。
また、上記ナックル支持部材9と車体側部材6とをラジアスロッド31によって連結している。上記ラジアスロッド31は、軸を略車両前後方向に向けて配置してある。そのラジアスロッドの車輪側端部は、ブッシュを介してナックル支持部材9に連結する。また、ラジアスロッド31の車体側端部も、ブッシュを介して車体側部材6に連結する。
また、ナックル7から車両前後方向後方に向けてナックル7アーム7aが突設しており、そのナックル7アームに対しタイロッド32の先端部が連結している。このタイロッド32は、ステアリングホイールの操舵に応じて車幅方向に進退する。
ここで、上記回動軸部材14の軸が第1回動軸P1を構成する。各上下軸部材23の軸が第2回動軸P2部材14を構成する。ナックル回転軸部材8の軸が第3回動軸P3(転舵軸)を構成する。
(作用効果)
(1)上記構成では、車体側部材6に対し、ロアリンク3,4は、回動軸部材14が構成する第1回動軸P1を中心にして上下に回動可能となっている。また、その上下の揺動を規定する第1回動軸P1とは独立して、ロアリンク3,4は、上面視において、上下軸部材23が構成する第2回動軸P2、P2′を中心に車両前後方向に揺動することが可能となる。
すなわち、ロアリンク3,4の上下揺動とは独立して、前後剛性について設定することが可能となる。
(2)各ロアリンク3,4の車体側端部3b、4bはそれぞれ、上下軸部材23を軸とした第2回動軸P2を中心として車両前後方向に揺動可能となっている。この結果、路面の突起物を乗り越えるときに発生する、ホイールセンタへの前後入力に対して、2本のロアリンク3,4が微小揺動する。この微小揺動によって、突起を乗り越す際の衝撃を前後方向にいなす。このように、ホイールセンタ入力に対する、車両前後方向の剛性を低く設定できる結果、突起乗り越しに対する乗り心地が向上する。
(3)2本のロアリンク3,4の車体側端部3b、4bに設けた第2回動部15,16の第2回動軸P2、P2′の交差点Sの高さを、回動軸部材14よりも下方であって、タイヤ接地点高さ若しくはその近傍の高さに設定している。この交差点Sは、2本のロアリンク3,4で構成する機構学上の回転中心となる。これによって、キャスター剛性が高くなる。
その理由を次に説明する。
制動時の前後力は、タイヤ接地点に作用する。また、上記のように2本のロアリンク3,4の各第2回動軸P2、P2′の交差点S、つまりロアリンク3,4全体での回転中心の高さを、タイヤ接地点若しくはその近傍の高さに設定している。これによって、制動時に車輪1に作用する力の作用点と、ロアリンク3,4全体での回転中心との間の上下方向のスパンが無いか小さくなる。この結果、ロアリンク3,4は、車両前後方向には揺動し難くなる。すなわち、たとえロアリンク3,4とアッパーリンク5との上下スパンが小さいインホイール型のサスペンション装置であっても、キャスター剛性を高く設定することが可能となる。
以上のことはまた、突起を乗り越える際の力の作用点(ホイールセンタ)と、ロアリンク3,4全体での回転中心のスパンが大きくなって、突起乗り越し時には前後方向に揺動しやすくなることに繋がる。その結果として、高いキャスター剛性と低い前後剛性の両立化を達成できる。
(4)車輪支持部材2を、車輪1の回転軸を支持するナックル7と、そのナックル7に一体となっているナックル回転軸部材8の軸廻りに回転自在に連結するナックル支持部材9と、から構成し、そのナックル支持部材9に対してロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aを連結している。
この結果、上記ナックル回転軸部材8の軸、つまり第3回動軸P3で転舵軸(キングピン軸)を設定することが可能となる。
すなわち、ナックル支持部材9を設けることにより、2本のロアリンク3,4が突起入力時に前後方向に揺動する前述の機能を持たせる。これに併せて、ナックル回転軸部材8の設定により直進安定性や操舵感に影響を与える転舵軸(キングピン軸)を、アッパーリンク5の車輪側取付け点に関係なく、任意に設定することができる。この結果、サスペンションの設計自由度が向上する。
(5)ラジアスロッド31を設けることで、ナックル7の車体に対する前後方向の位置決めは、ラジアスロッド31にて規定することが出来る。
この結果、突起乗り越し時にホイールセンタに入力する、過大な前後方向入力に対してロアリンク3,4の揺動だけでは制御しきれない場合、ラジアスロッド31によりナックル7の前後方向位置を規定することができる。
(6)また、ステアリン機構のタイロッド32をナックル7に連結している。この結果、ナックル7は、ステアリング機構によりタイロッド32をタイロッド32軸方向に押し引することで、ナックル回転軸軸部材8、つまり第3回動軸P3を中心にして回動する。結果として、タイヤ舵角を与えることになる。
このとき、ロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aは、ナックル支持部材9に連結している。このため、ナックル7の転舵による、ロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aの揺動を小さく抑えることが出来る。
(7)2本のロアリンク3,4にそれぞれ個別に設けた第2回動部15,16を、共通の1本の回動軸部材14に連結している。これによって、2本のロアリンク3,4の車体側部材6への取付けを、1本の回動軸部材14と車体側部材6との間の取付けだけで済む。
(変形例)
(1)上記実施形態では、2本のロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aをともに共通の回動軸部材14に連結している場合を例示している。共通の回動軸部材14とする代わりに、各ロアリンク3,4毎に個別の回動軸部材14を設けても良い。
ここで、2本のロアリンク3,4の上下方向への揺動の第1回動軸P1を同一の軸とする場合には、上述のように共通の1本の回動軸部材14とした方が良い。2本のロアリンク3,4の車体側部材6への取付けを、1本の回動軸部材14の車体側部材6への取付け点である2点にすることが可能となる。
一方、2本の各ロアリンク3,4の第1回動軸P1の向きが異なる場合には、各ロアリンク3,4毎に回動軸部材14を設ける。
(2)上記実施形態では、ロアリンク3,4の車体側端部3b、4bを第2回動部15,16を介して回動軸部材14に連結する構造は、上述のような、ロアリンク3,4の車体側端部3b、4bに連結する上下軸部材23を、軸受を介して回動自在に回動軸部材14に連結する。これに代えて、変形例では、図8のように、上下軸部材23をブッシュ33を介して回動自在に回動軸部材14に連結する。
その第2回動部15,16の構造について説明する。
ブッシュ33を、入れ子状に配置した内筒33bと外筒33aとの間にゴムからなる弾性体33cを介装して構成する。ロアリンク3,4の車体側端部3b、4bから上下に突出する上下軸部材23の上側部分と下側部分に同軸上記ブッシュ33を配置して、内筒33bを上下軸部材23に固定すると共に、外筒33aを回動軸部材14から突出する上下の取付け部24にそれぞれ固定する。
すなわち、回動軸部材14から突出する上下の取付け部24をロアリンク3,4の車体側端部3b、4bを挟んで上下に対向配置する。その上下の取付け部24には、同軸に貫通穴24aが開口している。その各貫通穴24aにそれぞれ上記ブッシュ33を圧入することで、ブッシュ33の外筒33aを当該取付け部24に固定する。更に、同軸になっている上下のブッシュ33の内筒33b内、及びロアリンク3,4の車体側端部3b、4bに開口した貫通穴を同軸にして、上下軸部材23を貫通させる。その上下の両端部には、雄ネジが形成してあり、その雄ネジにそれぞれナット27を締結して締め付ける。
なお、上下軸部材23は、取付けボルトによって構成しても良い。
(3)上記実施形態では、各ロアリンク3,4の上下軸部材23で特定する各第2回動軸P2の交差点Sを、車両側面視で、タイヤ接地点の位置若しくはその近傍に設定している。上記交差点Sは、その高さがタイヤ接地点の位置若しくはその近傍と同じ高さに設定すれば、車両側面視において、タイヤ接地点よりも車両前後方向前側若しくは後側位置に設定してあっても構わない。その交差点Sの位置を図7に符号S2若しくはS1として併記する。
制動時にタイヤ設定点に入力させる前後方向力との上下方向のオフセットが、ゼロ若しくは小さいので、上述の実施形態と同様に、キャスター剛性は高く設定出来る。
また、上記交差点Sの高さは、タイヤ接地点の位置若しくはその近傍と同じ高さよりも高くても低くても良い。ただし、タイヤ設定点の高さ位置からの上下距離が大きくなるほど、タイヤ設定点に入力させる前後方向力に対するレバー比が大きくなって、その分だけキャスター剛性が低くなる。したがって、できるだけ上記交差点Sの高さはタイヤ設定点の高さに近づけることが好ましい。
(4)また、上記実施形態では、ロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aを、ナックル支持部材9に対しボールジョイント12によって連結する場合を例示している。その代わりに、図9に示すように、ブッシュ35を介して連結しても良い。
ただし、前後剛性は、ボールジョイント12を介して連結した方が高くなる。特に、本実施形態では、ナックル支持部材9の側面に対して、車両上下方向で対向するようにしてロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aを対向させている。そして、ナックル支持部材9の側面とロアリンク3,4の車輪側端部3a、4aとの間に、ボールジョイント12を介挿するように配置することで、車両前後方向の剛性を有効的に高く出来る。
(5)また、ラジアスロッド31を車輪支持部材2よりも車両前後方向後方に配置しても良い。同様に、タイロッド32を、車輪支持部材2よりも車両前後方向前方に配置しても良い。
(6)また、上記実施形態では、アッパーリンク5を1本のIリンクで構成している。図10のように、アッパーリンク5をAアームから構成しても良い。また、図11のように、車両前後方向に並ぶ2本のアッパーリンク5で構成しても良い。この場合であって、アッパーリンク5の車輪側取付け点は、ボールジョイントでナックル7に連結することが好ましい。
またこの場合には、ナックル7の前後方向位置決めがアッパーリンク5によって行われるので、ラジアスロッド31を省略しても良い。
(7)図12に、トーションバー40の他方の端部側に回動軸部材14を設けた例を示す。図12中、符号44はブッシュを示しており、トーションバー40の他方の端部は、そのブッシュ44を介して車体側部材に弾性支持する。
(8)本実施形態のサスペンション装置は、ストラット式、ダブルウイッシュボーン式、マルチリンク式等、その形式のサスペンション装置のロアリンクとしても適用出来る。また、フロントサスペンション装置でもリアサスペンション装置であっても適用可能である。
本発明に基づく実施形態に係るサスペンション装置の構成を説明する模式的斜視図である。 本発明に基づく実施形態に係る車輪支持部材の構成を示す車両側面図である。 本発明に基づく実施形態に係るロアリンクと回動軸部材との連結を示す模式的斜視図である。 本発明に基づく実施形態に係る回動軸部材の端部の取付けを説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る回動軸部材と車体側部材との関係を示す車両前方から見た図である。 本発明に基づく実施形態に係るロアリンクの車体側端部の取付けを説明する車両前方から見た図である。 本発明に基づく実施形態に係る交差点位置を説明する車両側面図である。 ロアリンクの車体側端部の取付け構造の変形例を説明する図である。 ロアリンクの車輪側端部の取付け構造の変形例を説明する図である。 アッパーリンクの変形例を説明する図である。 アッパーリンクの変形例を説明する図である。 回動軸部材の車体側部材への取付けの変形例を説明する平面図である。
符号の説明
1 車輪
2 車輪支持部材
3,4 ロアリンク
3b、4b 車体側端部
3a、4a 車輪側端部
5 アッパーリンク
6 車体側部材
7 ナックル
8 ナックル回転軸部材
9 ナックル支持部材
12 ボールジョイント
14 回動軸部材
15,16 第2回動部
23 上下軸部材
31 ラジアスロッド
32 タイロッド
P1 第1回動軸
P2 第2回動軸
P3 第3回動軸
S 交差点

Claims (8)

  1. 車輪を支持する車輪支持部材に対し車輪側端部を連結すると共に車体側端部を車体側部材に対し第1回動軸を中心に上下方向へ揺動可能に連結するロアリンクを備えたサスペンション装置において、
    車体側部材に対し上記第1回動軸廻りに上下方向へ揺動可能に支持した回動軸部材と、
    その回動軸部材に対し上記ロアリンクの車体側端部を、車両側面視で上記第1回動軸と交差する第2回動軸を回動中心として、上面視で車両前後方向へ揺動可能に連結する第2回動部と、
    を備えることを特徴とするサスペンション装置。
  2. 車両前後方向に並んで配置した2本のロアリンクを有するサスペンション装置において、
    2本のロアリンクの車体側端部をそれぞれ、上記回動軸部材及び第2回動部を介して車体側部材に連結することを特徴とする請求項1に記載したサスペンション装置。
  3. 上記2本のロアリンクの車体側端部に設けた各第2回動部は、共通の回動軸部材に連結していることを特徴とする請求項2に記載したサスペンション装置。
  4. 上記2本のロアリンクの車体側端部毎に設定された2本の第2回動軸は、車両側面視で交差し、その交差点は、第1回動軸よりも下方に位置することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載したサスペンション装置。
  5. 上記交差点の高さ位置は、タイヤ接地点高さ若しくはその高さ近傍の高さに設定することを特徴とする請求項4に記載したサスペンション装置。
  6. 上記車輪支持部材を、車輪を支持するナックルと、そのナックルに対し上下に延びる第3回動軸を中心に回動可能に支持されるナックル支持部と、から構成し、
    そのナックル支持部材に対し、ロアリンクの車輪側端部を連結することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載したサスペンション装置。
  7. ナックル支持部と車体側部材とを連結するラジアスロッドを備えることを特徴とする請求項6に記載したサスペンション装置。
  8. 車輪支持部材を転舵するためのタイロッドを備え、そのタイロッドの車輪側端部を上記ナックルに連結することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載したサスペンション装置。
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