JP2009126047A - ペン - Google Patents

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利昭 田中
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Abstract

【課題】筆記者が硬筆習字に際して,胴軸の適正な筆記角度を修得するのに有効なペンを提供する。
【解決手段】胴軸10の先端部に筆記角度規制部材13を取り付け,この筆記角度規制部材13には,ペン先12を囲繞していて,紙面Sへの筆記中,胴軸10が規定の筆記角度を逸脱して傾いたとき,前記紙面Sに当接する規制部15を設けた。
【選択図】 図2

Description

本発明は,ボールペンや万年筆等のペンに関し,特に筆記者が硬筆習字に際して胴軸の正しい姿勢,即ち筆記角度を修得するのに有効なペンに関する。
本発明者は,筆記者が硬筆習字に際して胴軸の正しい把持の仕方を修得するためのペンを,下記特許文献1に開示されるように既に提案している。ところで,硬筆習字の上達には,筆記時,常に胴軸の適正な筆記角度を保持することも重要な要素であるが,これまでのペンには,胴軸の適正な筆記角度を教習,修得させる配慮がなされていない。
特開平2007−190843号公報
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,筆記者が硬筆習字に際して,胴軸の適正な筆記角度を修得するのに有効なペンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,胴軸の先端部に筆記角度規制部材を取り付け,この筆記角度規制部材には,ペン先を囲繞していて,紙面への筆記中,胴軸が規定の筆記角度を逸脱して傾いたとき,前記紙面に当接する規制部を設けたことを第1の特徴とする。尚,前記胴軸の先端部とは,胴軸の先端から突出してペン先を保持するペン先ホルダをも含むものとする。
また本発明は,胴軸の先端部に筆記角度規制部材を取り付け,この筆記角度規制部材には,ペン先を囲繞していて,紙面への筆記中,胴軸が規定の筆記角度にある限り下端部全周を紙面に摺動自在に接する規制部を設けたことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第2の特徴に加えて,前記筆記角度規制部材に,前記紙面に対するペン先の筆圧が規定値を超えると弾性変形する弾性変形部と,この弾性変形部が変形すると,前記紙面に接して摩擦抵抗を発生させる筆記抵抗部とを設けたことを第3の特徴とする。
さらにまた本発明は,ボールペンにおいて,ボールのペン先を保持するペン先ホルダに,紙面への筆記中,胴軸が規定の筆記角度を逸脱して傾いたとき,前記紙面に当接する規制部を設けたことを第4の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,本発明のペンによる筆記中,筆記角度規制部材の規制部が紙面に接触しないようにすることで,筆記者は,胴軸の適正な筆記角度を早期に修得することができる。即ち,胴軸が規定の筆記角度からずれると,規制部が紙面に当接するため,その反作用によりペン先の紙面に対する筆圧が低下し,筆跡に変化が生じるので,筆記者は,胴軸の筆記角度の不適性さを知ることができ,したがって胴軸の筆記角度の修正を直ちに行うことができ,これにより筆記者は胴軸の適正な筆記角度を早期に修得し,硬筆習字の上達が促進される。
本発明の第2の特徴によれば,本発明のペンによる筆記中,筆記角度規制部材の規制部を紙面との接触状態に保持することで,筆記者は,胴軸の適正な筆記角度を早期に修得し,硬筆習字の上達が促進される。
本発明の第3の特徴によれば,本発明のペンによる筆記中,胴軸が規定の角度から逸脱すると,規制部の一部に荷重が集中するため,その部分に近い弾性変形部の弾性変形により筆記抵抗部の一部が紙面に接して,摩擦抵抗を発生し,ペンの動きを阻害することになり,これにより筆記者は,胴軸の筆記角度の不適性さを知ることになるから,直ちにその筆記角度を修正することができる。また筆記中,ペン先の紙面に対する筆圧が規定値を超えると,弾性変形部が撓んで筆記抵抗部の下端面全体が紙面に接して,大きな摩擦抵抗を発生させ,ペンの動きを大きく阻害することになり,これにより筆記者は,筆圧過剰をを知ることになるから,直ちにその筆圧を低下修正することができる。このように,1個の筆記角度規制部材により,適正な筆記角度と筆圧とを筆記者に習得させることができ,硬筆習字の更なる上達に寄与し得る。
本発明の第4の特徴によれば,ボールペンによる筆記時,ペン先ホルダにされた規制部が紙面に接触しないようにすることで,筆記者は,胴軸の適正な筆記角度を早期に修得することができ,ボールペン習字の上達が促進される。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の第1実施例に係るボールペンを使用状態を示す正面図,図2は図1の2矢視図拡大図,図3は本発明の第2実施例を示す,図2との対応図,図4は本発明の第3実施例を示す,図2との対応図である。
先ず,図1及び図2に示す本発明の第1実施例の説明より始める。ボールペンPは,胴軸10と,この胴軸10の前端部のテーパ状首部10aの先端から突出するペン先ホルダ11と,このペン先ホルダ11の先端に回転自在に保持されるペン先12としてのボールとを備えており,前記ペン先ホルダ11は,胴軸10に着脱可能なレフィルの一部を構成している。
前記胴軸10の首部10aからペン先ホルダ11に亙り筆記角度規制部材13が取り付けられる。この筆記角度規制部材13は,首部10a及びペン先ホルダ11に嵌合して固定される取り付け筒部14と,この取り付け筒部14の下端に一体に連設されてペン先12を囲繞するフランジ状の規制部15とよりなっており,その規制部15は,筆記者Mが紙面Sに筆記するとき,筆記者Mが把持する胴軸10が規定の筆記角度の範囲にある限りは,ペン先12の紙面Sへの当接を可能にすべく,紙面Sに対して所定間隙16を保つように形成されている。
胴軸10の前記規定の筆記角度は,硬筆習字に適した胴軸10の姿勢を示す角度で,図1に示すように,紙面Sとペン先12を通り且つ筆記者Mの前後方向中心線17と平行な,紙面Sに対する垂直面18と,胴軸10の軸線とを含む,紙面Sに対する垂直面19とのなす第1角度αと,図2に示すように,紙面Sと胴軸10の軸線とのなす第2角度βとで表すことができる。一般には第1角度αは45°±3°,第2角度βは60°±3°がそれぞれ適正角度とされている。
また前記所定間隙16は,筆記中,胴軸10が適正な前記第1角度α及び第2角度βより逸脱して傾いたとき,フランジ状の規制部15を紙面Sに当接させるように設定される。
上記筆記角度規制部材13は,その外方からペン先12を透視し得るように,透明の合成樹脂を素材として成形される。
次に,この実施例の作用について説明する。
本発明のボールペンPを使用して硬筆習字を行う際には,先ず,筆記者Mは,胴軸10を把持してペン先12を紙面Sに下ろしたとき,筆記角度規制部材13のフランジ状の規制部15の下面全体が紙面Sに接触しないように,胴軸10の握り状態や手首の角度を調整する。こうすれば,胴軸10の筆記角度を表す第1及び第2角度α,βはそれぞれ適正に保持されることになる。そして,この筆記角度を保持しつゝ筆記を行うのであるが,筆記中,胴軸10の第1及び第2角度α,βの何れか一方でも,規定の角度から逸脱すると,前記規制部15が紙面Sに当接するため,その反作用によりペン先12の筆圧が低下し,筆跡に変化が生じるので,筆記者Mは,胴軸10の筆記角度が適正でないことを知ることになる。そこで筆記者Mは,規制部15の,紙面Sに当接した部分を紙面Sから離すように胴軸10の筆記角度を適正に調整すればよい。こうして,習字を続けることにより,筆記者Mは,胴軸10の適正な筆記角度を早期に修得することができ,硬筆習字の上達が促進される。
次に,図3に示す本発明の第2実施例について詳細に説明する。
この第2実施例では,筆記角度規制部材23は,ボールペンPの胴軸10の首部10aからペン先ホルダ11に亙り嵌合,固定される取り付け筒部24と,この取り付け筒部24の下端部から半径方向外方に広がる支持部25と,この支持部25の外周端から下方に突出してペン先12を囲繞すると共に紙面Sに対向し得る円錐台状の筆記抵抗部26と,この筆記抵抗部26の外周面から薄肉の弾性変形部27を介して一体に連結され,筆記抵抗部26の下端より下方に一定量突出する環状の規制部28とで構成され,この場合の筆記角度規制部材23も透明な合成樹脂製とされる。規制部28は,ボールペンPによる紙面Sへの筆記時,胴軸10が,第1実施例において述べたような適正な第1及び第2角度α,βに保たれると,ペン先12と共に紙面Sに接触するようになっており,その接触する端部28aは,紙面Sとの滑りをスムーズにすべく玉縁状に形成される。
筆記抵抗部26は,規制部28の玉縁状端部28aがペン先12と共に紙面Sに接した状態において,紙面Sとの間に所定の間隙29ができるように形成され,また弾性変形部27には,ペン先12の筆圧,換言すれば規制部28の紙面Sに対する筆圧が規定値を超えると,筆記抵抗部26を紙面Sに接触させるべく弾性変形し得る弾性が付与される。
筆記抵抗部26の下端面は,紙面Sに接したとき,紙面Sに対し滑り難くなるように,粗面に形成される。
その他の構成は,前実施例と同様であるので,図3中,前実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,重複する説明を省略する。
この第2実施例によれば,ボールペンPを使用しての硬筆習字中,ペン先12と共に規制部28の玉縁状端部28aを紙面Sに当てた状態を保つことにより,筆記者Mは,胴軸10の適正な筆記角度をもって筆記することができ,胴軸10の適正な筆記角度を早期に修得することができる。
また筆記中,胴軸10の第1及び第2角度α,βの何れか一方でも,規定の角度から逸脱すると,規制部28の玉縁状端部28aの一部に荷重が集中するため,その部分に近い弾性変形部27の撓みにより筆記抵抗部26の一部が紙面Sに接して,摩擦抵抗を発生し,ボールペンPの動きを阻害することになる。これにより筆記者Mは,胴軸10の筆記角度の不適性さを知ることになるから,直ちにその筆記角度を修正することができる。
さらに筆記中,ペン先12の紙面Sに対する筆圧が規定値を超えると,弾性変形部27が全体的に撓んで筆記抵抗部26の下端面全体が紙面Sに接して,大きな摩擦抵抗を発生し,ボールペンPの動きを大きく阻害することになる。これにより筆記者Mは,筆圧過剰を知ることになるから,直ちにその筆圧を低下修正することができる。
最後に,図4に示す本発明の第3実施例について説明する。
この第3実施例は,特に,ボールペンPにおいて,ボールのペン先12を保持するペン先ホルダ11の先端部に,紙面Sへの筆記中,胴軸10が規定の筆記角度を逸脱して傾いたとき,紙面に当接する筒状の規制部11aを延長して一体に形成したものである。即ち,規制部28は,筆記中,ボールペンPの胴軸10が,前記第1実施例において述べたような適正な第1及び第2角度α,βに保たれていれば,紙面Sとの間に所定間隙16を保っているが,胴軸10が上記の適正な第1及び第2角度α,β逸脱して傾くと,規制部11aが紙面Sに当接するようになっている。したがって,筆記時,上記規制部11aの紙面Sへの当接によれば,前記第1実施例と同様に,筆跡に変化が生じることで,筆記者Mは,胴軸10の筆記角度が適正でないことを知り,即座に胴軸10の筆記角度を適正に調整することになるから,胴軸10の適正な筆記角度を早期に修得することができ,ボールペン習字の上達が促進される。また規制部11aをペン先ホルダ11に一体に形成したことで,ボールペンPの部品点数の増加を招くこともない。
尚,図4中,前記第1実施例と対応する部分には,同一の参照符号を付して,重複する説明を省略する。
以上,本発明の実施例について説明したが,本発明はそれに限定されることなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば本発明の第1及び第2実施例の筆記角度規制部材23は万年筆にも適用可能である。
本発明の第1実施例に係るボールペンを使用状態を示す正面図。 図1の2矢視図拡大図。 本発明の第2実施例を示す,図2との対応図。 本発明の第3実施例を示す,図2との対応図。
符号の説明
P・・・・・ペン(ボーペン)
S・・・・・紙面
10・・・・胴軸
11・・・・ペン先ホルダ
11a・・・規制部
12・・・・ペン先
13・・・・筆記角度規制部材
15・・・・規制部
23・・・・筆記角度規制部材
26・・・・筆記抵抗部
27・・・・弾性変形部
28・・・・規制部

Claims (4)

  1. 胴軸(10)の先端部に筆記角度規制部材(13)を取り付け,この筆記角度規制部材(13)には,ペン先(12)を囲繞していて,紙面(S)への筆記中,胴軸(10)が規定の筆記角度を逸脱して傾いたとき,前記紙面(S)に当接する規制部(15)を設けたことを特徴とするペン。
  2. 胴軸(10)の先端部に筆記角度規制部材(23)を取り付け,この筆記角度規制部材(23)には,ペン先(12)を囲繞していて,紙面(S)への筆記中,胴軸(10)が規定の筆記角度にある限り下端部全周を紙面(S)に摺動自在に接する規制部(28)を設けたことを特徴とするペン。
  3. 請求項2記載のペンにおいて,
    前記筆記角度規制部材(23)に,前記紙面(S)に対するペン先(12)の筆圧が規定値を超えると弾性変形する弾性変形部(27)と,この弾性変形部(27)が変形すると,前記紙面(S)に接して摩擦抵抗を発生させる筆記抵抗部(26)とを設けたことを特徴とするペン。
  4. ボールのペン先(12)を保持するペン先ホルダ(11)に,紙面(S)への筆記中,胴軸(10)が規定の筆記角度を逸脱して傾いたとき,前記紙面(S)に当接する規制部(11a)を設けたことを特徴とするボールペン。
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