以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るパチンコ機(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施例に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面(遊技者側)から見た状態を示す略示正面図である。
パチンコ機100は、遊技領域104を覆う閉状態および該遊技領域104を開放する開状態のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な上扉150と、この上扉150の奥側に視認可能に配設された遊技盤(盤面)102を備えている。この遊技盤102には、遊技球(以下、単に球と称する場合がある。)を遊技盤102の中央に位置する遊技領域104に案内するための外レール106と内レール108を配設している。
遊技領域104の中央やや上側には、横長の装飾図柄表示装置110を配設し、遊技領域104の右下には、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。さらに、遊技盤102の上側及び左右の遊技盤端部付近にはランプ370が配設されている。なお、以下、普通図柄を普図、特別図柄を特図と称する場合がある。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図2(b)参照)を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの3つの表示領域に分割し、各々の表示領域110a、110b、110cに異なった装飾図柄を表示することを可能としている。
普図表示装置112は、普図(図2(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図2(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技の開始を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技の開始を4つまで保留することを可能としている。
高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、これらの表示装置やランプ等の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、本実施例では左右に2つずつ配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を賞球、遊技者に貸し出す球を貸球と区別して呼ぶ場合があり、賞球と貸球を総称して球(遊技球)と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域104の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では左右に1つずつ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、本実施例では中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技領域104の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
遊技盤102の下方には、発射モータによって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けられて球を遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を外レール106に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に上述の装飾図柄表示装置110などによる演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿151を設けている。
また、演出用のスピーカとして、上扉150の上部に2つの上部スピーカ(図示省略)を配設すると共に、遊技盤102左下側内部に1つの下部スピーカ(図示省略)を配設している。上部スピーカは、直前の上部スピーカダクトに接続され、下部スピーカは、操作ハンドル148の下方で前方に向けて開口する下部スピーカダクトに接続されている。
さらに、装飾用のランプ370として、遊技盤102の所定箇所(例えば、内レール108の内周側に沿った箇所)に複数種類の盤ランプを配設すると共に、上扉150の所定箇所に複数種類の枠ランプ(詳細は後述する)を配設している。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134などによって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
<図柄の種類>
次に、図2(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図2(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である特図1と、特別大当たり図柄である特図2と、外れ図柄である特図3の3種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図の変動表示を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技(大当たり遊技)の当選を報知する場合には特図1を停止表示し、特図変動遊技(特別大当たり遊技)の当選を報知する場合には特図2を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には特図3を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図2(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、装飾1〜装飾8の8種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、装飾1→装飾2→装飾3→・・・・装飾7→装飾8→装飾1→・・・の順番で表示を切り替える装飾図柄の変動表示を行う。そして、特図変動遊技(大当たり遊技)の当選を報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、装飾2−装飾2−装飾2))を停止表示し、特図変動遊技(特別大当たり遊技)の当選を報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、装飾1−装飾1−装飾1))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技、または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図2(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である普図1と、外れ図柄である普図2の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す普図の変動表示を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には普図1を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には普図2を停止表示する。
<制御部>
次に、図3を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は主制御部、演出制御部、払出制御部、発射制御部、および電源管理部の回路ブロック図である。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単にコマンドと呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う演出制御部350と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部400と、遊技球の発射制御を行う発射制御部450と、パチンコ機100に供給される電源を、パチンコ機100に搭載した電気部品に送電するための所定の電力を生成する電源管理部500によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数などを計測するためのカウンタ・タイマ312と、を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する演出制御部350や払出制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314aが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、上扉151および下扉(図示省略)の開放/閉鎖を検出する扉開放センサ、内枠(図示省略)の開放/閉鎖を検出する内枠開放センサ、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサなどを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118など)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130などを開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路550にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部500から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路336を設けており、この電圧監視回路336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路(図示省略)を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300には、演出制御部350にコマンドを送信するための出力インターフェースと、払出制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェースをそれぞれ設けており、演出制御部350には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェースを設け、払出制御部400には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェースを設けている。この構成により、主制御部300と、演出制御部350および払出制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と演出制御部350および払出制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は演出制御部350および払出制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、演出制御部350および払出制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<演出制御部>
次に、パチンコ機100の演出制御部350について説明する。
演出制御部350は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて演出制御部350の全体を制御する基本回路352を備えており、この基本回路352には、CPU354と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM356と、一時的にデータを記憶するためのRAM358と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O360と、時間や回数などを計測するためのカウンタ・タイマ362を搭載している。この基本回路352のCPU354は、水晶発信器364が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路352には、上部スピーカおよび下部スピーカ等の各種スピーカ366(およびアンプ)の制御を行うための音源IC368と、枠ランプ、盤ランプなどの各種ランプ370の制御を行うための表示回路390と、各種演出用ソレノイド等374(可動演出装置とも言う)の制御を行うためのソレノイド回路376と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の制御を行うための液晶制御回路378と、チャンスボタン146の操作を検出した場合に基本回路352に検出信号を出力するチャンスボタン検出回路364を接続している。
また、演出制御部350には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路(図示省略)を設けており、CPU354は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、演出制御を開始する。
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の表示回路390について説明する。
表示回路390は、ランプ370を駆動する駆動部392と、ランプの動作情報を記憶する記憶部394と、を備えて構成されている。尚、表示回路390は、基本回路352のROM356から各種ランプ370の動作情報を受信し、記憶部394に蓄積保存できるように構成されている。
駆動部392は各種ランプ370の定格電圧に基づいて、電源管理部500から電源供給され、各種ランプ370を所定の輝度で点灯又は消灯させることができる。また、記憶部394は、各種ランプ370の輝度情報396と、ランプを点灯又は消灯させるかを決める点灯情報398を一時的蓄積保存できる記憶装置である。記憶部394は、RAM又はフラッシュメモリ等電子データの消去、書き込みが自由に行える装置であれば、これに限られない。
基本回路352のROM356に記憶されている各種ランプ370の輝度情報396及び点灯情報398(以下、動作情報と言うことがある)を表示回路390に送信すると、ランプ370a〜370dが指定の輝度で点灯又は消灯する。また動作情報は表示回路390の中にある記憶部394に一時的に保存される。
次に、基本回路352は記憶部394に記憶された各種ランプごとの動作情報を読込み、次に送信する予定の動作情報と比較し、同一の動作情報はそのまま動作状態を保持し、異なる動作情報だけを表示回路390に送信する。つまりランプ397a〜397dの輝度情報396と点灯情報398を時系列の前後で比較し、輝度情報396若しくは点灯情報398の何れか異なるランプにのみ動作情報を送信する。
上記のように、表示回路390側にランプ397a〜397dごとの動作情報を一時保存し、次に送信を予定している動作情報と比較して異なる動作情報の部分のみ、基本回路352から表示回路390に送信することによって、全体として動作信号の送受信データを減少させることが可能となり、基本回路352のCPU354処理負担の軽減と、ROM356、RAM358の記憶領域の使用領域を大幅に削減することができる。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、図3に戻って、パチンコ機100の払出制御部400、発射制御部450、および電源管理部500について説明する。
払出制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置402を制御すると共に、払出センサ404が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インターフェース部406を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット552との通信を行う。
発射制御部450は、払出制御部400が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による操作ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆および発射槌を駆動する発射モータ452の制御や、貯留皿144から発射レールに球を供給する球送り装置454の制御を行う。
電源管理部500は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、払出制御部400などの各制御部や払出装置402などの各装置に供給する。さらに、電源管理部500は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308など)に所定の期間(例えば10日間)電力を供給するための蓄電装置(例えばコンデンサ)と、この蓄電装置よりも静電容量が小さく、所定の部品(例えば主制御部300の基本回路302全体)に供給している電力が、静電気ノイズ、人的なミス、遊技台に供給される電力の低下などが原因で変動し、低下している場合に、ある程度の電力を補うための蓄電装置(例えばコンデンサ)をさらに備えている。この蓄電装置により、所定の部品(例えば主制御部300)に供給される電力が電断時、復電時などに不安定になっても、ある程度安定してその所定の部品は動作できるように構成している。また、電源管理部500を構成する電源基板には遊技店の店員などが操作可能な操作部(RAMクリアスイッチ)を備えており、電源投入時にこの操作部が操作されていることを検出した場合には、各制御部の基本回路302および352に、RAM308および358を初期化することを指令するRAMクリア信号を出力するようにしている。
<主制御部のデータテーブル>
次に、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。図5(a)に示す大当たり判定テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している特図抽選状態の種類と、抽選データと、を対応付けして記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、この大当たり判定テーブルを用いて特図変動遊技を当選(大当たり)とするか、不当選(外れ)とするかの決定、すなわち大当たり判定を行う。なお、特図抽選状態の情報は、特図変動遊技を所定の低確率で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報などを含むが、以下、これらを単に低確率状態および高確率状態と称する。また、遊技状態格納領域に記憶する情報には別の情報もあるが、これらの情報については後述する。
大当たり判定テーブルの抽選データは、第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、特図抽選状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値(乱数値については後述する)が10001〜10187であるときは、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(以下、大当たりフラグの格納領域に大当たりの情報を設定することを「大当たりフラグをオンに設定する」という)。一方、取得した特図当選乱数値が10001〜10187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定して上述の大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(以下、大当たりフラグの格納領域に外れの情報を設定することを「大当たりフラグをオフに設定する」という)。なお、本実施例では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における抽選データが示す数値範囲は10001〜10187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第1特図始動口126または第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における抽選データが示す数値範囲は20001〜21871(数値範囲の大きさは1871)であるから、高確率状態の第1特図始動口126または第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/35.0(=1871/65536)であり、特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
図5(b)に示す高確率状態移行判定テーブルは、上述の大当たり判定の結果、大当たりと判定した場合に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、この高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図変動遊技の終了後に大当たり遊技を開始するか、または特別大当たり遊技を開始するかの判定、すなわち確変移行判定を行う。例えば、取得した特図乱数値(乱数値については後述する)が11〜74の数値である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特図変動遊技の終了後に特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に特別大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、取得した特図乱数値が11〜74の数値以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオフに設定するという)。なお、本実施例では、特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データの移行判定乱数の範囲は11〜74(数値範囲の大きさは64)であるから、大当たり判定の結果が当選である場合に確変移行判定の結果を当選にする確率、すなわち特別大当たりを開始する確率は1/2(=64/128)である。
図5(c)に示すタイマ番号決定テーブルは、上述の大当たりフラグと、抽選データと、特図表示装置114による特図の変動表示を開始してから停止表示をするまでの変動時間を示すタイマ番号と、を対応付けして記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、このタイマ番号決定テーブルと、上述の大当たり判定結果(大当たりフラグの値)および後述する特図タイマ乱数値(乱数値については後述する)に基づいて、タイマ番号を選択する。例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が0〜60235の数値である場合には、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒)を選択し、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が0〜15535の数値である場合には、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒)を選択する。なお、本実施例では、特図タイマ乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、上述の大当たり判定結果が不当選の場合は、タイマ1のタイマ乱数の範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒)を選択する確率は60236/65536である。また、タイマ番号として、タイマ2(変動時間10秒)を選択する確率は4250/65536、タイマ3(変動時間20秒)を選択する確率は800/65536、タイマ3(変動時間40秒)を選択する確率は250/65536である。一方、大当たり判定結果が当選の場合は、タイマ2のタイマ乱数の範囲は0〜15535(数値範囲の大きさは15536)であるから、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒)を選択する確率は15535/65536である。また、タイマ番号として、タイマ3(変動時間20秒)を選択する確率は9000/65536、タイマ4(変動時間40秒)を選択する確率は38000/65536、タイマ5(変動時間50秒)を選択する確率は3000/65536である。
<演出制御部のデータテーブル>
次に、パチンコ機100の演出制御部350のROM356が記憶しているデータテーブルについて説明する。
図6はTC(Time Chart)テーブルの一例を示したものである。このTCテーブルは、TC情報(液晶情報)のTC番号と、TCデータ(演出時間情報、各種レイヤテーブルのレイヤ番号)と、を対応付けして記憶したデータテーブルである。なお、TCテーブルの右側欄外には、TC情報の名称を参考までに記載しており、例えば、TCテーブルに記憶した複数のTC情報のうち、TC番号10〜32のTC情報は、後述する予告TC情報であり、より詳細には、TC番号10のTC情報は共通予告TC情報、TC番号11のTC情報はキャラ予告TC情報、TC番号16のTC情報は背景予告TC情報、TC番号31は図柄停止中(前)予告TC情報、TC番号32は図柄停止中(後)予告TC情報である。また、TC番号40のTC情報は、スベリTC情報である。
演出制御部350の基本回路352は、このTCテーブルを参照し、TC情報のTC番号に基づいて、TCデータ(演出時間情報、各種レイヤテーブルのレイヤ番号)を取得する。例えば、TC情報のTC番号が31の場合には、TC番号31に対応するTCデータ、すなわち、演出時間情報2800(ms)、ボタンのレイヤ番号−1、サウンドのレイヤ番号−1、サウンド2のレイヤ番号35、枠ランプのレイヤ番号10、盤ランプのレイヤ番号11、盤ランプ2のレイヤ番号−1を取得する。
図7(a)はボタン制御用のレイヤテーブルの一例を、同図(b)はサウンド制御用のレイヤテーブルの一例を、同図(c)は枠ランプ制御用のレイヤテーブルの一例を、同図(d)は盤ランプ制御用のレイヤテーブルの一例をそれぞれ示したものである。これらのレイヤテーブルは、レイヤ番号と、レイヤデータ(切替時間情報、デバイス番号、液晶情報、処理区分情報)と、を対応付けして記憶したデータテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、このレイヤテーブルを参照し、上述のTCテーブルを用いて取得した各種レイヤテーブルのレイヤ番号と、対象レイヤの種別(本実施例ではボタンレイヤ、サウンドレイヤ、サウンド2レイヤ、枠ランプレイヤ、盤ランプレイヤ、盤2ランプレイヤの6種類)毎に区分けしてRAM358に設けた各レイヤ管理領域に記憶した先頭位置情報およびオフセット情報に基づいて、レイヤデータ(切替時間情報、デバイス番号、液晶情報、処理区分情報)を取得する。例えば、TCテーブルを用いて取得したサウンド2のレイヤ番号が35で、サウンド2レイヤ管理領域に記憶した先頭位置情報がレイヤテーブル(サウンド)の先頭アドレスで、オフセット情報が0の場合には、図7(b)に示すレイヤテーブル(サウンド)の2行目のレイヤ番号35に対応するレイヤデータ、すなわち、切替時間情報0(ms)、デバイス番号26、液晶情報−1、処理区分情報0を取得する。また、上述のTCテーブルを用いて取得した枠ランプのレイヤ番号が5で、枠ランプレイヤ管理領域に記憶した先頭位置情報がレイヤテーブル(枠ランプ)の先頭アドレスで、オフセット情報が4の場合には、図7(c)に示すレイヤテーブル(枠ランプ)の5行目のレイヤ番号5に対応する行からさらに後方の9行目に対応するレイヤデータ、すなわち、切替時間情報2900(ms)、デバイス番号18、液晶情報12、処理区分情報0を取得する。
図8(a)はトラック情報テーブルの一例を示したものである。このトラック情報テーブルは、チャネル情報と、トラック情報と、を対応付けして記憶したデータテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、このトラック情報テーブルを参照し、後述するサウンドリストを用いて取得したチャネル情報に基づいて、トラック情報を取得する。例えば、サウンドリストを用いて取得したチャネル情報が2の場合には、トラック情報として0を取得する。
図8(b)はサウンドテーブルの一例を示したものである。このサウンドテーブルは、デバイス番号と、サウンドリストのアドレスと、を対応付けして記憶したテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、このサウンドテーブルを参照し、上述のTCテーブルを用いて取得したサウンドレイヤ(サウンドレイヤ、サウンド2レイヤ)のデバイス番号に基づいて、後述するサウンドリストを記憶した記憶領域の先頭アドレスを取得する。例えば、上述のTCテーブルを用いて取得したサウンドレイヤのデバイス番号が28の場合には、サウンドリストのアドレスとして、サウンドリスト14を記憶した記憶領域の先頭アドレスを取得する。
図9(a)〜(c)はサウンドリストの一例を示したものであり、同図(a)はサウンドリスト00の一例を、同図(b)はサウンドリスト01の一例を、同図(c)はサウンドリスト14の一例を示したものである。このサウンドリストは、開始時間情報と、サウンドデータ(開始時間情報、チャネル情報、フレーズ情報、ボリューム情報、パン情報)と、を対応付けして記憶したテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、このサウンドリストを参照し、制御対象の種別(本実施例ではボタン、サウンド、サウンド2、枠ランプ、盤ランプ、盤ランプ2の6種類)毎に区分けしてRAM358に設けた各管理領域に記憶した先頭位置情報およびオフセット情報に基づいて、サウンドデータ(開始時間情報、チャネル情報、フレーズ情報、ボリューム情報、パン情報)を取得する。例えば、サウンド管理領域に記憶した先頭位置情報がサウンドリスト00の先頭アドレスで、サウンド管理領域に記憶したオフセット情報が0の場合には、図9(a)に示すサウンドリスト00の1行目に対応するサウンドデータ、すなわち、開始時間情報0ms、チャネル情報2、フレーズ情報274、ボリューム情報100、パン情報64を取得する。また、サウンド管理領域に記憶した先頭位置情報がサウンドリスト14の先頭アドレスで、サウンド管理領域に記憶したオフセット情報が0の場合には、図9(c)に示すサウンドリスト14の1行目に対応するサウンドデータ、すなわち、開始時間情報0ms、チャネル情報1、フレーズ情報90、ボリューム情報100、パン情報64を取得する。
図10(a)、(b)はポート定義テーブルの一例を示したものであり、同図(a)は枠ランプ制御用のポート定義テーブルの一例を、同図(b)は盤ランプ制御用のポート定義テーブルの一例を示したものである。このポート定義テーブルは、ポート情報と、セグメント番号と、ポート番号と、を対応付けして記憶したテーブルである。
ポート情報のセグメント番号はLEDドライバの番号を、ポート番号はセグメント番号で指定されたLEDドライバの出力ポートをそれぞれ示している。図11に基づいて具体的に説明すると、セグメント番号0に対応するLEDドライバはIC201、セグメント番号1に対応するLEDドライバはIC301であり、以下同様に、セグメント番号2とIC302、セグメント番号3とIC303、セグメント番号4とIC401、セグメント番号5とIC402、セグメント番号6とIC501、セグメント番号7とIC601がそれぞれ対応する。セグメント番号0に対応するLEDドライバは盤面に対応した位置(例えば遊技盤、遊技領域内など)に設けたLEDの点灯駆動に使用しており、それ以外のセグメント番号に対応するLEDドライバは枠に対応した位置(例えば外枠、内枠、遊技盤以外、遊技領域以外など)に設けたLEDの点灯駆動に使用している。この8つのLEDドライバは、それぞれ16個の出力ポートを有しており、各出力ポートにはポート番号0からポート番号15といったポートアドレスを対応させている。特定のポートの特定のポートアドレスに対応する1または複数のLEDの点灯制御を行う場合には、特定のポートに対応するセグメント番号と、特定のポートアドレスを示すポート番号を指定して点灯・輝度情報を設定するようにしている。なお、図10(a)、(b)では、1つのセグメント番号に対して2〜4つのポート番号を有しているように記載したが、1つのセグメント番号に対応するLEDドライバが有する16個の出力ポートのうちの2〜4つを例示しているためである。
演出制御部350の基本回路352は、このポート定義テーブルを参照し、後述するポート情報に基づいて、セグメント番号とポート番号を取得する。例えば、枠ランプのポート情報が0の場合には、ポート定義テーブル(枠)のポート情報0に対応するセグメント番号0、ポート番号0を取得する。また、盤ランプのポート情報が4の場合には、ポート定義テーブル(盤)のポート情報4に対応するセグメント番号5、ポート番号0を取得する。
図10(c)はランプテーブルの一例を示したものである。このランプテーブルは、デバイス番号と、ランプリストのアドレスと、デューティリストのアドレスと、を対応付けして記憶したテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、このランプテーブルを参照し、上述のTCテーブルを用いて取得したランプレイヤ(枠ランプレイヤ、盤ランプレイヤ、盤2ランプレイヤ)のデバイス番号に基づいて、後述するランプリストを記憶した記憶領域の先頭アドレスを取得する。例えば、上述のTCテーブルを用いて取得したランプレイヤのデバイス番号が38の場合には、ランプリストのアドレスとしてランプリスト18を記憶した記憶領域の先頭アドレスを取得し、デューティリストのアドレスとしてデューティリスト23を記憶した記憶領域の先頭アドレスを取得する。
図12(a)〜(d)はランプリストの一例を示したものであり、同図(a)はランプリスト00の一例を、同図(b)はランプリスト01の一例を、同図(c)はランプリスト18の一例を、同図(d)はランプリスト19の一例を、示したものである。このランプリストは、ポート情報と、点灯データ(開始時間情報、点灯情報)と、を対応付けして記憶したテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、このランプリストを参照し、上述の枠ランプ管理領域、盤ランプ管理領域、または盤ランプ2管理領域に記憶した点灯先頭位置情報および点灯オフセット情報と、ポート情報に基づいて、点灯データ(開始時間情報、点灯情報)を取得する。例えば、枠ランプ管理領域に記憶した点灯先頭位置情報がランプリスト00の先頭アドレスで、枠ランプ管理領域に記憶した点灯オフセット情報が0で、ポート情報が0の場合には、図12(a)に示すランプリスト00の1行目に対応する点灯データ、すなわち、開始時間情報0ms、点灯情報0(消灯)を取得する。また、枠ランプ管理領域に記憶した点灯先頭位置情報がランプリスト18の先頭アドレスで、枠ランプ管理領域に記憶した点灯オフセット情報が3で、ポート情報が1の場合には、図12(c)に示すランプリスト18の3行目に対応する行から3行さらに後方の6行目に対応する点灯データ、すなわち、開始時間情報10ms、点灯情報0(消灯)を取得する。
図13(a)〜(d)はデューティリストの一例を示したものであり、同図(a)はデューティリスト00の一例を、同図(b)はデューティリスト01の一例を、同図(c)はデューティリスト23の一例を、同図(d)はデューティリスト24の一例を、示したものである。このデューティリストは、ポート情報と、デューティデータ(開始時間情報、デューティ情報)と、を対応付けして記憶したテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、このデューティリストを参照し、上述の枠ランプ管理領域、盤ランプ管理領域、または盤ランプ2管理領域に記憶したデューティ先頭位置情報およびデューティオフセット情報と、ポート情報に基づいて、デューティデータ(開始時間情報、デューティ情報)を取得する。例えば、枠ランプ管理領域に記憶したデューティ先頭位置情報がデューティリスト00の先頭アドレスで、枠ランプ管理領域に記憶したデューティオフセット情報が0で、ポート番号が0の場合には、図13(a)に示すデューティリスト00の1行目に対応するデューティデータ、すなわち、開始時間情報−1、デューティ情報−1を取得する。また、枠ランプ管理領域に記憶したデューティ先頭位置情報がデューティリスト24の先頭アドレスで、枠ランプ管理領域に記憶したデューティオフセット情報が6で、ポート情報が4の場合には、図13(d)に示すデューティリスト24の15行目に対応する行から6行さらに後方の21行目に対応するデューティデータ、すなわち、開始時間情報48ms、デューティ254(全点灯)を取得する。
図14(a)〜(c)は、記憶部394の動作情報テーブルの一例を示したものであり、同図(a)の動作情報テーブルは、ある時間におけるランプのセグメント番号と、ポート番号と、点灯情報と、デューティ情報を対応付けしたものであり、同図(b)は、次の時間におけるランプのセグメント番号と、ポート番号と、点灯情報と、デューティ情報を対応付けしたものである。また、同図(c)は、同図(a)と同図(b)の差異を比較した結果、基本回路352から新たに送信が必要となる動作情報を示す動作情報テーブルを示したものである。
具体的には、同図(a)の動作情報テーブルに対し、同図(b)に示す次の動作情報テーブルは、セグメント番号0のポート番号0〜3及びセグメント番号2のポート番号2、3の計6ポート分が異なる。この結果に基づいて、基本回路352から新たに送信が必要な動作情報データは前述の6ポート分だけで良いことが分かる。その他前後で共通な動作情報(本実施例の場合、セグメント番号1のポート番号0〜3と、セグメント番号2のポート番号1、2と、セグメント番号3のポート番号0、1)は、記憶部394に記憶している同図(a)のデータをそのまま保持し、新たに受信した前述の動作信号(セグメント番号0のポート番号0〜3及びセグメント番号2のポート番号2、3)と共に、駆動部392へ送信しランプを駆動させる。参考までに、図14の(b)の右側の欄外に同図(a)に対しての動作情報の変化の有無を、同図(c)の右側の欄外に基本回路352から新たに送信が必要な動作情報を示す。
図15(a)は背景演出選択テーブルの一例を示したものであり、同図(b)は背景演出選択テーブルの他の例を示したものである。同図(a)の背景演出選択テーブルは、2種類の乱数値の範囲と、実行する処理を対応付けして記憶したテーブルであり、同図(b)の背景演出選択テーブルは、停止予定の左図柄、停止予定の右図柄、実行する処理を対応付けして記憶したテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、同図(a)の背景演出選択テーブルを用いた場合には、乱数値に基づいて実行する処理を選択し、同図(b)の背景演出選択テーブルを用いた場合には、停止予定の左図柄、停止予定の右図柄に基づいて実行する処理を選択する。例えば、同図(a)の背景演出選択テーブルの検索列0(同図右側)の乱数値の範囲を用いるとともに、取得した乱数値が20であった場合には、乱数値は0〜41の数値範囲であることから、実行する処理として背景演出TC取得処理1を選択する。また、同図(a)の背景演出選択テーブルの検索列1(同図左側)の乱数値の範囲を用いるとともに、取得した乱数値が100であった場合には、乱数値は59〜127の数値範囲であることから、実行する処理として背景演出TC取得処理2を選択する。一方、同図(b)の背景演出選択テーブルを用いるとともに、停止予定の左図柄が6、停止予定の右図柄が5であった場合には、実行する処理として背景演出TC取得処理1を選択する。
図15(c)は背景演出TC取得用テーブル1の一例を示したものであり、同図(d)は背景演出TC取得用テーブル2の一例を示したものである。同図(c)の背景演出TC取得用テーブル1は、検索行と、背景演出TCを対応付けして記憶したテーブルであり、同図(d)の背景演出TC取得用テーブル2は、キャラクタと、背景演出TCを対応付けして記憶したテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、同図(c)の背景演出TC取得用テーブル1を用いた場合には、検索行に基づいて背景演出TCを選択し、同図(d)の背景演出TC取得用テーブル2を用いた場合には、キャラクタの種類に基づいて実行する処理を選択する。例えば、背景演出TC取得用テーブル1を用いるとともに、検索行が2であった場合には、背景演出TCとしてTC_01を選択する。また、背景演出TC取得用テーブル2を用いるとともに、キャラクタが犬であった場合には、背景演出TCとしてTC_12を選択する。
図16はTC変更テーブルの一例を示したものである。このTC変更テーブルは、TC番号と、変更後のTC番号を対応付けして記憶したテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、このTC変更テーブルを参照し、TC番号の変更を行う。例えば、TC番号52は、TC変更テーブルによってTC番号152に変更し、TC番号70は、TC変更テーブルによって−1に変更する。
<主制御部リセット割り込み処理>
次に、図17を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部リセット割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部リセット割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割り込みマスクの設定、I/Oポート310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への初期値の設定等を行う。なお、本実施例では、WDT313に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS102では、WDT313のリセットを行い、WDT313による時間計測を再始動する。
ステップS103では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路336が、電源管理部500から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS102に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS104に進む。
ステップS104では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタ・タイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、演出制御部350への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS105では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)にはステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けた操作部を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS106に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
ステップS106では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割り込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS108、ステップS109内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
ステップS107では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。
ステップS108では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS109に進む。
ステップS109では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS108およびS109の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図18を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施例では約2msに1回)でタイマ割り込み信号を発生するカウンタ・タイマ312を備えており、このタイマ割り込み信号を契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDT313のカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の球検出センサを含む各種センサ318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。本実施例では、前々回のタイマ割り込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割り込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
ステップS204では、基本乱数初期値更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理では、上記ステップS110で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS205では、タイマ更新処理を行う。詳細は後述するが、このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS206では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口122、第1、第2特図始動口126、128、および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合に、RAM308に各入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS207では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口126、128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、または可変入賞口の入賞(入球)を検出した場合に、演出制御部350に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、および可変入賞口の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
ステップS208では、払出制御部400に対して球の払出要求数を送信すべく、払出要求数送信処理を行う。
ステップS209では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図2(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図2(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS210に移行するようにしている。
ステップS210では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS211では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置114に図2(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置114に図2(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図2(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS212に移行するようにしている。
ステップS212では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、各種テーブルを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM308に設定することを大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM308に設定することを大当たりフラグをオフに設定するという)。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含むタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に01Hを送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
ステップS213では、演出制御部350にコマンドを送信すべく、コマンド設定送信処理を行う。なお、演出制御部350に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示すなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値などを含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口126への入賞の有無、第2特図始動口128への入賞の有無、可変入賞口130への入賞の有無などを含む。
ステップS214では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路550に出力する。
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、演出制御部350に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド330を駆動して第2特図始動口128や、可変入賞口130の開閉を制御したり、表示回路322、324、328を介して普図表示装置112、特図表示装置114、各種状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS216では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS218に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS217に進む。
ステップS217では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行う。
ステップS218では、電断時処理を行う。この電断時処理では、上述のスタックポインタ退避領域に現在のスタックポインタの値を記憶し、上述の電源ステータス記憶領域にサスペンドを示す情報を設定する。また、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算し、チェックサム算出用数値記憶領域に記憶している値からその加算した結果を減算した値をチェックサム(電断時チェックサム)として算出し、算出した電断時チェックサムを上述のチェックサム算出用数値記憶領域に記憶し、RAM308への書き込みを禁止する設定を行った後、無限ループとなる。
以上説明したように、本実施例に係るパチンコ機100は、表示回路390に記憶部394を設けたことにより、基本回路352から送信した輝度情報396及び点灯情報398を表示回路側に一時記憶することができ、かつ基本回路352と表示回路390で電子データの双方向送信ができるように構成されている。これにより、ランプ動作前後の動作情報を比較し、同じ動作情報は記憶部394に記憶されている動作情報をそのまま使用し、異なる動作情報だけを基本回路352から新たに送信すればよいので、基本回路352から送信すべき動作情報量が大幅に減り、また、基本回路側の記憶領域も少なくて済む。従って、同じ処理能力のCPU、同容量の記憶領域を有する遊技台の場合、従来より複雑なLED点灯制御が可能となる。またCPUの処理能力の不足によって起こるランプの点灯ミスといった不具合を防止することができる。特に、輝度情報396を表示回路390側に記憶させることができるので、基本回路352側のRAM領域の容量に左右されずに輝度を細かく設定でき、輝度の分解能を上げて大量のランプを一度に制御することができ、遊技者が興味を惹かれるような凝った演出が可能となる。
また本発明は、表示回路390に記憶されている直前のランプの輝度情報396及び点灯情報398を読み込んで、その情報に基づいて、次に予定しているランプの輝度情報396及び点灯情報398を送信するか、若しくは送信しないかを判断、制御するものであるが、その他演出情報を組合せて、以下のような構成としてもよいことは言うまでもない。
例えば、基本回路352から送信された、ランプのデバイス番号情報(ランプリスト及びデューティリスト)と、サウンドリスト情報と、を表示回路390側又は音源IC368側の記憶領域に一時保存しておき、該一時保存されたランプデバイス番号情報と、次に送信予定のランプデバイス番号とを比較し、その比較結果に基づいて、サウンドリスト情報を新たに送信するか又は送信しないかを処理できる構成にしてもよい。具体的には、図19のランプデバイス番号情報―サウンドリストテーブルを用いて説明する。同図はランプのデバイス番号情報と、サウンドリストと、を対応付けしたものである。まず基本回路352の記憶領域には、図19のランプデバイス番号―サウンドリストテーブルが記憶されているものとする。基本回路352から表示回路390にランプデバイス番号情報が送信され、同様にサウンドリスト情報が音源IC368に送信されると、各種ランプ370と各種スピーカ366がその情報に基づいて制御される。また、表示回路390の記憶部394にランプのデバイス番号情報が記憶され、音源IC368の記憶領域にはサウンドリストが記憶される。基本回路352は記憶された前述のランプデバイス番号情報を読込み、次に送信する予定のデバイス番号情報と比較する。前後のデバイス番号情報が同じ場合には、基本回路からランプデバイス番号情報及びサウンドリストを新たに送信せず、表示回路390及び音源IC368の記憶領域に保存されたサウンドリスト情報を保持し、そのまま再出力する。前後のデバイス番号情報が異なる場合には、図19のランプデバイス番号―サウンドリストテーブルを参照し、基本回路352から対応するサウンドリストを新たに送信する。
これにより、同じランプデバイス番号を出力する場合には、基本回路352から改めて同じサウンドリスト情報を送信しなくてよく、基本回路352側のCPUの情報処理負担が軽減でき、また記憶領域が節約できるので、遊技者の興味を惹く、より凝ったランプ演出とサウンド演出の組合せ制御が可能となる。
また、前述とは反対に音源IC368に保存されているサウンドリストを基本回路352が読込み、次に送信する予定のサウンドリストと比較し、前後のサウンドリストが同じ場合には、基本回路352からランプデバイス番号を新たに送信せず、表示回路390の記憶領域に保存された既送信済みのランプデバイス番号をそのまま再出力する。前後のサウンドリストが異なる場合には、図19のランプデバイス番号―サウンドリストテーブルを参照し、基本回路352からランプデバイス番号及びサウンドリストを新たに送信する。
これにより、同じサウンドリストを出力する場合には、基本回路352から改めて同じランプデバイス番号を送信しなくてよく、前述と同様に、基本回路352側のCPUの情報処理負担が軽減でき、また記憶領域が節約できるので、遊技者の興味を惹く、より凝ったランプ演出とサウンド演出の組合せ制御が可能となる。
さらに、前述と同様に各種入賞口の動作とランプデバイス番号、各種入賞口動作とサウンドリスト、ランプデバイス番号又はサウンドリスト又は各種入賞口の動作と遊技球発射動作又は特図変動動作等の各種情報についても、対応するテーブルを作成し、それぞれの演出情報と演出情報を時系列の前後で比較し、異なる演出情報の場合のみ演出情報を再送信し、同じ情報については、演出装置側に一時記憶している演出情報を再出力すればよい。この場合も主制御側の基本回路302若しくは演出制御側の基本回路352のCPUの処理負担が軽減され、一時記憶領域の使用容量も減らすことができ、前述と同様、遊技者の興味を惹くような、より凝った制御が可能となる。
また、基本回路352が次に送信予定しているランプの点灯情報を送信する前に、表示回路390の記憶部394に保存されている、既送信済みのランプの点灯情報398を読み取り、基本回路352の記憶領域に保存されている送信されている前述の既送信済みのランプ点灯情報と比較し、同じかどうか判断するようにしてもよい。この場合、同じであれば、次に予定しているランプ点灯情報をそのまま出力し、異なるものであれば、ランプの点灯情報の処理ミスと判断し、基本回路352から次のランプ点灯情報を送信する前に、前述の既送信済みランプ点灯情報を基本回路352から再送信する。これにより、ランプの点灯エラーを判断でき、正規の点灯制御を確実に実行することができる。
次に図20のランプ点灯エラーチェックのフローチャートを用いて説明する。
ステップS301では、ランプ点灯情報を基本回路352から表示回路に390に送信する。
ステップS302では、表示回路390の記憶部394に記憶されているランプの点灯情報398を読込む。
ステップS303では、ステップS301で送信されたランプ点灯情報と、ステップS302で読込まれたランプ点灯情報398が一致するか否かを判断し、一致している場合は次へ進み、ランプ点灯のエラーチェックは終了する。一致していない場合は、ステップS304に進み、送信異常処理を実行し、ランプ点灯エラーチェックを終了する。
送信異常処理は、具体的には、記憶部354に記憶されている不一致のランプ点灯情報358を基本回路352から再送信する処理である。
ランプはLED並びに、主制御部300で制御している各種センサ318の一つである図示しないエラーランプや特図保留ランプ118等の遊技者にとって特別重要なもの、遊技にとって欠かせないものでもよい。
このような構成によって、送受信される情報量の過多によるCPU354の処理ミスがあった場合でも、ランプの点灯制御を防止でき、より確実に実行することができる。
また、特図保留ランプ118のように遊技中頻繁にランプ状態が変化するものは、読み込まず、大当たりランプなど、遊技中にランプ状態の変化が比較的少ないランプのランプ点灯状態だけを読込むようにしてもよい。
点灯状態の変化の少ないランプの点灯状態のみを読込むことによって、CPUの処理負担を減らすことができ、処理ミスの防止並びにより複雑な処理をさせることが可能となる。
また、パチンコ店の従業員が遊技台に配設されているランプが全数点灯するか否かを確認する、いわゆる故障チェックをする場合がある。その際、同じタイミングでランプを一斉に点灯させる必要があるが、この場合、一旦基本回路352から点灯情報を全てのランプ装置に送信する。その後、点灯情報に従ってランプが点灯したか否かの点灯情報を表示回路390の記憶領域に保存しておく。基本回路352から表示回路390の記憶領域に記憶されている全点灯情報398を読込み、先に送信済みの全点灯情報と比較して点灯しなかったランプを判断できるようにしてもよい。
具体的な処理の流れについては、図21のフローチャートで説明する。
図21(a)は、演出制御部350のストローブ信号割り込み処理を表すフローチャートである。同図(b)は、演出制御部350のメイン処理を表すフローチャートであり、同図(c)は、演出制御部350のタイマ割り込み処理を表すフローチャートである。同図(d)は、故障チェックコマンドを受信した場合のランプ制御処理を表すフローチャートである。
まず、図21(a)の説明をする。演出制御部350のCPU354は、主制御部300から出力されたストローブ信号を受信すると、このストローブ信号割り込み処理を開始する。例えば、パチンコ店の従業員が遊技台に設けられている故障チェックボタンを押した場合、故障チェックボタンの入力を検知した主制御部300がストローブ信号を出力し、それを演出制御部350が受信することでCPU354でストローブ信号割り込み処理が開始されるように構成されている。
同図(a)のS401では、上記のストローブ信号の受信を契機として、コマンドを受信し、受信したコマンドをRAM358に設けたしてコマンド保存領域に保存し、ストローブ信号割り込み処理を終了する。
次に、図21(b)について説明する。同図(b)は、演出制御部350で実行されているメイン処理のフローチャートであり、演出制御部350は、電源の投入後、電源の遮断などがない限りこのメイン処理を繰り返し実行する。演出制御部350のCPU354は、前述のコマンド保存領域を一定のタイミングで読込んで、未処理コマンドが格納されている場合に、未処理コマンドに応じた処理を行ったり、必要に応じて演出装置に制御コマンドを送信するようにされている。
同図(b)のステップ501では、演出制御部350のI/O360、タイマカウンタ362等の状態初期化を実施する。
ステップS502では、前述の演出制御部350のコマンド記憶領域に保存されているコマンドを読み込み、点灯情報398として、ランプ370に送信するための信号処理をする。
ステップS503では、ランプ等の演出装置に点灯コマンドとして点灯情報398を送信する。
次に、図21(c)を用いて、演出制御部350のCPU354によって実行する演出制御部タイマ割り込み処理について説明する。演出制御部350は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、演出制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
ステップS601では、演出データ更新処理を行う。例えば、装飾図柄表示装置110、スピーカ366および各種ランプ370による装飾図柄変動表示を制御するための動作情報の更新を行う。また、後述するステップS602、S603によるスピーカ366または各種ランプ370を制御する準備を行う。
ステップS602では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上述のステップS601で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ366に出力する音声データをI/O360の出力ポートに設定し、スピーカ366の出力制御を音源IC368に行わせる。
ステップS603では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上述のステップS601で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ370に出力するランプの輝度情報、点灯・消灯情報などをI/O360の出力ポートに設定し、各種ランプ370の点灯や消灯の制御を表示回路390に行わせる。
ステップS604では、ステッピングモータ制御処理を行って、処理を終了する。
次に、演出制御部350が主制御部300から故障チェックコマンドを受信した場合の処理について、図21(d)のフローチャートを用いて説明する。
ステップS701では、CPU354で故障チェックコマンドの入力の有無を判断する。故障チェックコマンドの入力がある場合は、ステップS702へ進み、入力がない場合は、ステップS705へ進む。
ステップS702では、演出制御部350の基本回路352から全てのランプ370を点灯させるための点灯情報を送信する。
ステップS703では、表示回路390の記憶部394に保存された点灯情報398を読込む。尚、この点灯情報398は、ステップS702で送信された点灯情報に基づいて、ランプ370が点灯したか否かを記憶した点灯情報である。
ステップS704では、ステップS702で送信したランプ370の全点灯情報と、ステップS703で読込んだランプの点灯情報398を比較するものである。全ての点灯情報が一致した場合は、次のステップに進み故障チェック処理を終了させる。
ステップS705では、ステップS701で故障コマンドの入力を確認できない場合は、通常処理に戻るため、その他の処理を実行し、次ステップへ進み、故障チェック処理を終了する。
ステップS706では、点灯情報が一か所でも一致しない場合は、ランプ370の一部に故障があることを報知するため、故障アラームを表示する等の故障処理を実行し、次ステップへ進み故障チェック処理を終了する。
以上のような構成にすることによって、ランプ370の故障検査を迅速に実施することができる。
さらに、ランプ370の全反転や輝度を変更する処理をする場合、直前の全ランプの輝度情報396並びに点灯情報398を読込み、次に予定している輝度情報、点灯情報と、を比較し、変化のないランプの輝度情報、点灯情報はそのまま出力を保持し、状態が異なるランプの輝度情報、点灯情報は変化分のみを演算し、又は反転処理を演算制御部350の基本回路352で実行するようにしてもよい。
これにより、例えば、遊技台に供えられている演出表示を変化させるためのチャンスボタン173を押すことによって、ランプの輝度が2倍になるといった演出をする場合がある。本発明によれば、チャンスボタン173を押した場合の処理を保存する記憶領域が不要になると共に、新たな輝度情報を送信する必要もなく、読込んだ直前の輝度情報を演算処理(加工)することによって、素早く輝度を2倍にすることが可能となる。
また、輝度情報396とチャンスボタン146の叩き回数の相関テーブルを作成しておくことにより、記憶部394に保存されている輝度情報396を読込んで比較することにより、遊技者がチャンスボタン146を叩いた回数を判別できるようにされていてもよい。
これにより、遊技者がチャンスボタン146を叩いた回数をカウンタでカウントする必要がなくなり、使用するRAM領域を少なくでき、その分、他の演出制御の使用に割り当てることができ、より凝った演出をすることが可能となる。
なお、本発明に係る遊技台は、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシン(いわゆるパチロット)等にも適用可能である。さらに、このスロットマシンはメダルを遊技媒体としていてもよい。上記スロットマシンは、「複数種類の図柄が施された複数のリールと、複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、複数のリールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、この抽選手段の判定結果とストップスイッチの操作に基づいて、リールを停止させるリール停止制御手段と、停止時の複数のリールにより表示された図柄の組合せが抽選手段により内部当選した入賞役の図柄組合せであるか否かによって、当該入賞役への入賞を判定する判定手段と、を備えるスロットマシン」である。但し、上記実施例に示されるようなスロットマシンの構造等に限定されるものではない。
このようなスロットマシンにおいては、例えばスロットマシンに配設されたランプ装置の制御に、本発明を適用することが可能である。本発明を適用することによって、スロットマシンに配設された多くのランプ装置の輝度調整や点灯又は消灯を複雑に制御することができ、遊技者が興味を惹くような凝った演出をすることが可能となる。