JP2009124898A - 旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械 - Google Patents

旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械 Download PDF

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Abstract

【課題】電動機及びインバータを大型化することなく、高負荷時のトルク不足を解消して旋回性能を向上させた旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械を提供することを課題とする。
【解決手段】旋回駆動制御装置の主制御部に含まれる許容値切替部61は、判定部62と切替スイッチ部63及び64を含む。判定部62には、速度指令と回転速度が入力される。速度指令が表す回転速度と、実際の回転速度との偏差が第1閾値よりも大きい時間が所定時間以上継続すると、切替スイッチ63又は64を切り替えてトルク制限部54のトルク許容値を絶対値で増大させる。このため、作業中に、上部旋回体を旋回させながらバケット等の作業要素で土砂や岩石等を押し退けるときにトルク不足を補うことができ、これにより、作業性を各段に良好なものとすることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、建設機械の旋回機構の駆動制御を行う旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械に関する。
従来より、建設機械の上部旋回体を旋回させるための旋回機構の動力源として電動機を備え、この電動機の力行運転で旋回機構を加速するとともに、旋回機構を減速する際に回生運転を行い、発電される電力をバッテリに充電する建設機械が提案されている。
このような建設機械は、上部旋回体にブーム、アーム、及びバケット等の作業要素を搭載し、旋回操作に応じて生成される駆動指令で電動機を駆動することにより、上部旋回体の旋回駆動を制御している(例えば、特許文献1)。
特開平2005−299102号公報
ところで、建設機械の作業中には、積み上げた土砂や地面をならすためや、重量の嵩む岩石等を移動させるために、上部旋回体を旋回させながらバケット等の作業要素で土砂や岩石等を押し退けることがある。
ここで、上述のように押し退ける作業を行わない場合は、バケット等が土砂等に触れておらず電動機の負荷が小さいため、電動機に通常の駆動トルクを発生させることによって上部旋回体を旋回させることができるが、バケット等が土砂等を押し退けながら旋回を行う場合には電動機の負荷が大きくなるため、より大きな駆動トルクが必要となる。
しかしながら、従来の建設機械では、電動機の負荷の大小に関わらず駆動トルクを一定値以下に制限しているため、負荷が大きい場合に駆動トルクが不足し、旋回駆動の立ち上がりが悪くなる、又は、旋回駆動を行えなくなるという課題があった。
また、電動機及びインバータを大型化することによって駆動トルクを増大し、高負荷時のトルク不足を解消する手法が考えられるが、低負荷時における電動機及びインバータでの電力損失が大きくなるうえ、電動機及びインバータが大型化し、コストアップを招くという別な課題が生じる。
そこで、本発明は、電動機及びインバータを大型化することなく、高負荷時のトルク不足を解消して旋回性能を向上させた旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械を提供することを目的とする。
本発明の一局面の旋回駆動制御装置は、電動機で旋回駆動される建設機械の旋回機構を駆動制御する旋回駆動制御装置であって、建設機械の操作手段の操作量に基づき、前記電動機の回転速度を制御するための速度指令を出力する速度指令出力手段と、前記電動機の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記速度指令出力手段から出力される速度指令と、前記回転速度検出手段によって検出される回転速度とに基づき、前記電動機を駆動するための駆動指令を生成する駆動指令生成手段と、前記速度指令出力手段から速度指令が出力されているときに、前記速度指令で表される回転速度と、前記回転速度検出手段によって検出される回転速度との偏差の絶対値が所定速度以上である場合は、前記駆動指令生成手段によって生成される駆動指令の値を絶対値で増大させる駆動指令増大手段とを含む。
また、前記駆動指令増大手段は、前記偏差が所定時間以上にわたって前記所定値以上である場合に、前記駆動指令生成手段によって生成される駆動指令の値を増大させてもよい。
また、前記駆動指令増大手段は、所定の短時間の間、前記駆動指令生成手段によって生成される駆動指令の値を絶対値で増大させてもよい。
また、前記駆動指令生成手段は、前記駆動指令によって前記電動機で発生する駆動トルクが許容値以下になるように前記駆動指令の値を絶対値で制限する制限手段を含み、前記駆動指令増大手段は、前記制限手段の許容値を増大させることにより、前記駆動指令生成手段によって生成される駆動指令の値を絶対値で増大させてもよい。
前記駆動指令増大手段は、前記制限手段の許容値を前記電動機の連続定格トルクを表す駆動指令値よりも大きく、かつ、短時間定格トルクを表す駆動指令値以下の値にまで増大させてもよい。
本発明の一局面の建設機械は、前記いずれかに記載の旋回駆動制御装置を含む。
本発明によれば、電動機及びインバータを大型化することなく、また、損失を増大させることなく、高負荷時のトルク不足を解消して旋回性能を向上させた旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械を提供できるという特有の効果が得られる。
以下、本発明の旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械を適用した実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態の旋回駆動制御装置を含む建設機械を示す側面図である。
この建設機械の下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。また、上部旋回体3には、ブーム4、アーム5、及びバケット6と、これらを油圧駆動するためのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9に加えて、キャビン10及び動力源が搭載される。
「全体構成」
図2は、本実施の形態の旋回駆動制御装置を含む建設機械の構成を表すブロック図である。この図2では、機械的動力系を二重線、高圧油圧ラインを実線、パイロットラインを破線、電気駆動・制御系を一点鎖線でそれぞれ示す。
機械式駆動部としてのエンジン11と、アシスト駆動部としての電動発電機12は、ともに増力機としての減速機13の入力軸に接続されている。また、この減速機13の出力軸には、メインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。
コントロールバルブ17は、本実施の形態の建設機械における油圧系の制御を行う制御装置であり、このコントロールバルブ17には、下部走行体1用の油圧モータ1A(右用)及び1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9が高圧油圧ラインを介して接続される。
また、電動発電機12には、インバータ18を介してバッテリ19が接続されており、また、バッテリ19には、インバータ20を介して旋回用電動機21が接続されている。
旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、及び旋回減速機24が接続される。また、パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続される。
操作装置26には、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及び圧力センサ29がそれぞれ接続される。この圧力センサ29には、本実施の形態の建設機械の電気系の駆動制御を行うコントローラ30が接続されている。
このような本実施の形態の建設機械は、エンジン11、電動発電機12、及び旋回用電動機21を動力源とするハイブリッド型の建設機械である。これらの動力源は、図1に示す上部旋回体3に搭載される。以下、各部について説明する。
「各部の構成」
エンジン11は、例えば、ディーゼルエンジンで構成される内燃機関であり、その出力軸は減速機13の一方の入力軸に接続される。このエンジン11は、建設機械の運転中は常時運転される。
電動発電機12は、力行運転及び回生運転の双方が可能な電動機であればよい。ここでは、電動発電機12として、インバータ20によって交流駆動される電動発電機を示す。この電動発電機12は、例えば、磁石がロータ内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnetic)モータで構成することができる。電動発電機12の回転軸は減速機13の他方の入力軸に接続される。
減速機13は、2つの入力軸と1つの出力軸を有する。2つの入力軸の各々には、エンジン11の駆動軸と電動発電機12の駆動軸が接続される。また、出力軸にはメインポンプ14の駆動軸が接続される。エンジン11の負荷が大きい場合には、電動発電機12が力行運転を行い、電動発電機12の駆動力が減速機13の出力軸を経てメインポンプ14に伝達される。これによりエンジン11の駆動がアシストされる。一方、エンジン11の負荷が小さい場合は、エンジン11の駆動力が減速機13を経て電動発電機12に伝達されることにより、電動発電機12が回生運転による発電を行う。電動発電機12の力行運転と回生運転の切り替えは、コントローラ30により、エンジン11の負荷等に応じて行われる。
メインポンプ14は、コントロールバルブ17に供給するための油圧を発生するポンプである。この油圧は、コントロールバルブ17を介して油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の各々を駆動するために供給される。
パイロットポンプ15は、油圧操作系に必要なパイロット圧を発生するポンプである。この油圧操作系の構成については後述する。
コントロールバルブ17は、高圧油圧ラインを介して接続される下部走行体1用の油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の各々に供給する油圧を運転者の操作入力に応じて制御することにより、これらを油圧駆動制御する油圧制御装置である。
インバータ18は、電動発電機12の力行運転に必要な電力をバッテリ19から電動発電機12に供給するとともに、電動発電機12の回生運転によって発電された電力をバッテリ19に充電するために電動発電機12とバッテリ19との間に設けられたインバータである。
バッテリ19は、インバータ18とインバータ20との間に配設されている。これにより、電動発電機12と旋回用電動機21の少なくともどちらか一方が力行運転を行っている際には、力行運転に必要な電力を供給するとともに、また、少なくともどちらか一方が回生運転を行っている際には、回生運転によって発生した回生電力を電気エネルギーとして蓄積するための電源である。
インバータ20は、上述の如く旋回用電動機21とバッテリ19との間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、旋回用電動機21に対して運転制御を行う。これにより、インバータが旋回用電動機21の力業を運転制御している際には、必要な電力をバッテリ19から旋回用電動機21に供給する。また、旋回用電動機21が回生運転をしている際には、旋回用電動機21により発電された電力をバッテリ19へ充電する。
旋回用電動機21は、力行運転及び回生運転の双方が可能な電動機であればよく、上部旋回体3の旋回機構2を駆動するために設けられている。力行運転の際には、旋回用電動機21の回転駆動力の回転力が減速機24にて増幅され、上部旋回体3が加減速制御され回転運動を行う。また、上部旋回体3の慣性回転により、減速機24にて回転数が増加されて旋回用電動機21に伝達され、回生電力を発生させることができる。ここでは、旋回用電動機21として、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号によりインバータ20によって交流駆動される電動機を示す。この旋回用電動機21は、例えば、磁石埋込型のIPMモータで構成することができる。これにより、より大きな誘導起電力を発生させることができるので、回生時に旋回用電動機21にて発電される電力を増大させることができる。
なお、バッテリ19の充放電制御は、バッテリ19の充電状態、電動発電機12の運転状態(力行運転又は回生運転)、旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づき、コントローラ30によって行われる。
レゾルバ22は、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転位置及び回転角度を検出するセンサであり、旋回用電動機21と機械的に連結することで旋回用電動機21の回転前の回転軸21Aの回転位置と、左回転又は右回転した後の回転位置との差を検出することにより、回転軸21Aの回転角度及び回転方向を検出するように構成されている。旋回用電動機21の回転軸21Aの回転角度を検出することにより、旋回機構2の回転角度及び回転方向が導出される。
メカニカルブレーキ23は、機械的な制動力を発生させる制動装置であり、旋回用電動機21の回転軸21Aを機械的に停止させる。このメカニカルブレーキ23は、電磁式スイッチにより制動/解除が切り替えられる。この切り替えは、コントローラ30によって行われる。
旋回減速機24は、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転速度を減速して旋回機構2に機械的に伝達する減速機である。
旋回機構2は、旋回用電動機21のメカニカルブレーキ23が解除された状態で旋回可能となり、これにより、上部旋回体3が左方向又は右方向に旋回される。
操作装置26は、旋回用電動機21、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6を操作するための操作装置であり、レバー26A及び26Bとペダル26Cを含む。レバー26Aは、旋回用電動機21及びアーム5を操作するためのレバーであり、上部旋回体3の運転席近傍に設けられる。レバー26Bは、ブーム4及びバケット6を操作するためのレバーであり、運転席近傍に設けられる。また、ペダル26Cは、下部走行体1を操作するための一対のペダルであり、運転席の足下に設けられる。
この操作装置26は、パイロットライン25を通じて供給される油圧(1次側の油圧)を運転者の操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換して出力する。操作装置26から出力される2次側の油圧は、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17に供給されるとともに、圧力センサ29によって検出される。
レバー26A及び26Bとペダル26Cの各々が操作されると、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17が駆動され、これにより、油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9内の油圧が制御されることによって、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6が駆動される。
なお、油圧ライン27は、油圧モータ1A及び1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダの駆動に必要な油圧をコントロールバルブに供給する。
圧力センサ29では、レバー26Aの操作による、油圧ライン28内の油圧の変化が圧力センサ29で検出される。圧力センサ29は、油圧ライン28内の油圧を表す電気信号を出力する。この電気信号は、レバー26Aの操作方向(右旋回又は左旋回)と操作量を表す信号であり、コントローラ30に入力される。
「コントローラ30」
コントローラ30は、本実施の形態の建設機械の駆動制御を行う制御装置であり、速度指令変換部31、駆動制御装置32、及び旋回駆動制御装置40を含む。このコントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、速度指令変換部31、駆動制御装置32、及び旋回駆動制御装置40は、コントローラ30のCPUが内部メモリに格納される駆動制御用のプログラムを実行することにより、
実現される装置である。
速度指令変換部31は、圧力センサ29から入力される信号を速度指令に変換する演算処理部である。これにより、レバー26Aの操作量は、旋回用電動機21を回転駆動させるための速度指令(rad/s)に変換される。この速度指令は、駆動制御装置32及び旋回駆動制御装置40に入力される。なお、この速度指令変換部31で用いる変換特性については、図3を用いて説明する。
駆動制御装置32は、電動発電機12の運転制御(力行運転又は回生運転の切り替え)、及び、バッテリ19の充放電制御を行うための制御装置である。この駆動制御装置32は、エンジン11の負荷の状態とバッテリ19の充電状態に応じて、電動発電機12の力行運転と回生運転を切り替える。駆動制御装置32は、電動発電機12の力行運転と回生運転を切り替えることにより、インバータ18を介してバッテリ19の充放電制御を行う。
「操作量/速度指令の変換特性」
図3は、本実施の形態の建設機械の速度指令変換部31において操作レバー26Aの操作量を速度指令(上部旋回体3を旋回させるために旋回用電動機21を回転させるための速度指令)に変換する変換特性を示す図である。この変換特性は、操作レバー26Aの操作量に応じて、不感帯領域、零速度指令領域(左旋回用及び右旋回用)、左方向旋回駆動領域、及び右方向旋回駆動領域の5つの領域に区分される。
ここで、本実施の形態の建設機械の制御系では、旋回用電動機21の回転軸21aが反時計回りに回転する回転方向を「正転」と称し、正転方向の駆動を表す制御量に正の符号を付す。一方、旋回用電動機21の回転軸21aが時計回りに回転する回転方向を「逆転」と称し、逆転方向の駆動を表す制御量に負の符号を付す。正転は、上部旋回体3の右方向への旋回に対応し、逆転は、上部旋回体の左方向への旋回に対応する。
「不感帯領域」
この変換特性に示すように、不感帯領域は、レバー26Aの中立点付近に設けられている。この不感帯領域では、速度指令変換部31から速度指令は出力されず、旋回駆動制御装置40による旋回用電動機21の駆動制御は行われない。また、不感帯領域では、メカニカルブレーキ23によって旋回用電動機21が機械的に停止された状態となる。
従って、レバー26Aの操作量が不感帯領域内にある間は、メカニカルブレーキ23によって旋回用電動機21が機械的に停止され、これにより、上部旋回体3が機械的に停止された状態となる。
「零速度指令領域」
零速度指令領域は、レバー26Aの操作方向における不感帯領域の両外側に設けられている。この零速度指令領域は、不感帯領域における上部旋回体3の停止状態と、左右方向の旋回駆動領域における旋回状態とを切り替える際に操作性を良くするために設けられる緩衝領域である。
操作レバー26Aの操作量がこの零速度指令領域の範囲内にあるときは、速度指令変換部31から零速度指令が出力され、メカニカルブレーキ23は解除された状態となる。
ここで、零速度指令とは、上部旋回体3の旋回速度を零にするために、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転速度を零にするための速度指令であり、後述するPI(Proportional Integral)制御では、回転軸21Aの回転速度を零に近づけるための目標値として用いられる。
なお、メカニカルブレーキ23の制動(オン)/解除(オフ)の切り替えは、不感帯領域と零速度指令領域の境界においてコントローラ30内の旋回駆動制御装置40によって行われる。
従って、レバー26Aの操作量が零速度指令領域内にある間は、メカニカルブレーキ23は解除され、零速度指令により、旋回用電動機21の回転軸21Aは停止状態に保持される。これにより、上部旋回体3は旋回駆動されずに停止状態に保持される。
「左方向旋回駆動領域」
左方向旋回駆動領域は、上部旋回体3を左方向に旋回させるための速度指令が速度指令変換部31から出力される領域である。
この領域内では、レバー26Aの操作量に応じて、速度指令の絶対値が増大するように設定されている。この速度指令に基づいて旋回駆動制御装置40で駆動指令が演算され、この駆動指令によって旋回用電動機21が駆動され、この結果、上部旋回体3が左方向に旋回駆動される。
なお、上部旋回体3の旋回速度をある一定以下に制限するために、左方向旋回駆動領域における速度指令値は、絶対値が所定の値で制限される。
「右方向旋回駆動領域」
右方向旋回駆動領域は、上部旋回体3を右方向に旋回させるための速度指令が速度指令変換部31から出力される領域である。
この領域内では、レバー26Aの操作量に応じて、速度指令の絶対値が増大するように設定されている。この速度指令に基づいて旋回駆動制御装置40で駆動指令が演算され、この駆動指令によって旋回用電動機21が駆動され、この結果、上部旋回体3が右方向に旋回駆動される。
なお、左方向旋回駆動領域と同様に、右方向旋回駆動領域における速度指令値は、絶対値が所定の値で制限される。
「旋回駆動制御装置40」
図4は、本実施の形態の旋回駆動制御装置40の構成を示す制御ブロック図である。
旋回駆動制御装置40は、インバータ20を介して旋回用電動機21の駆動制御を行うための制御装置であり、旋回用電動機21を駆動するための駆動指令を生成する駆動指令生成部50、及び主制御部60を含む。
駆動指令生成部50には、レバー26Aの操作量に応じて速度指令変換部31から出力される速度指令が入力され、この駆動指令生成部50は速度指令に基づき駆動指令を生成する。駆動指令生成部50から出力される駆動指令はインバータ20に入力され、このインバータ20によって旋回用電動機21がPWM制御信号により交流駆動される。
主制御部60は、旋回駆動制御装置40の制御処理に必要な周辺処理を行う制御部である。具体的な処理内容については、関連箇所においてその都度説明する。
なお、旋回駆動制御装置40は、操作レバー26Aの操作量に応じて、旋回用電動機21を駆動制御する際に、力行運転と回生運転の切り替え制御を行うと共に、インバータ20を介してバッテリ19の充放電制御を行う。
「駆動指令生成部50」
駆動指令生成部50は、減算器51、PI制御部52、トルク制限部53、トルク制限部54、減算器55、PI制御部56、電流変換部57、及び旋回動作検出部58を含む。この駆動指令生成部50の減算器51には、レバー26Aの操作量に応じた旋回駆動用の速度指令(rad/s)が入力される。
減算器51は、レバー26Aの操作量に応じた速度指令の値(以下、速度指令値)から、旋回動作検出部58によって検出される旋回用電動機21の回転速度(rad/s)を減算して偏差を出力する。この偏差は、後述するPI制御部52において、旋回用電動機21の回転速度を速度指令値(目標値)に近づけるためのPI制御に用いられる。
PI制御部52は、減算器51から入力される偏差に基づき、旋回用電動機21の回転速度を速度指令値(目標値)に近づけるように(すなわち、この偏差を小さくするように)PI制御を行い、そのために必要なトルク電流指令を演算する。生成されたトルク電流指令は、トルク制限部53に入力される。
トルク制限部53は、レバー26Aの操作量に応じてトルク電流指令の値(以下、トルク電流指令値)を制限する処理を行う。この制限処理は、レバー26Aの操作量に応じてトルク電流指令値の許容値が緩やかに増大する制限特性に基づいて行われる。このようなトルク電流指令値の制限は、PI制御部52によって演算されるトルク電流指令値が急激に増大すると制御性が悪化するため、これを抑制するために行われる。
この制限特性は、レバー26Aの操作量の増大に伴ってトルク電流指令値の許容値(の絶対値)を緩やかに増大させる特性を有し、上部旋回体3の左方向及び右方向の双方向を制限するための特性を有するものである。制限特性を表すデータは、主制御部60の内部メモリに格納されており、主制御部60のCPUによって読み出され、トルク制限部53に入力される。
トルク制限部54は、トルク制限部53から入力されるトルク電流指令によって生じるトルクが旋回用電動機21の許容最大トルク値以下となるように、トルク制限部53から入力されるトルク電流指令値を制限する。このトルク電流指令値の制限は、トルク制限部53と同様に、上部旋回体3の左方向及び右方向の双方向の回転に対して行われる。
ここで、トルク制限部54においてトルク電流指令値を制限するための上限値(右旋回用の最大値)及び下限値(左旋回用の最小値)は、このトルク制限部54によってトルク電流指令値の制限が行われても、バケット6が積み上げられた土砂等に触れて旋回用電動機21の負荷が大きい状態でも、旋回用電動機21を駆動させるための駆動トルクを発生できるような値に設定されている。なお、トルク電流指令値を制限するための特性を表すデータは、主制御部60の内部メモリに格納されており、主制御部60のCPUによって読み出され、トルク制限部54に入力される。
減算器55は、トルク制限部54から入力されるトルク電流指令値から、電流変換部57の出力値を減算して得る偏差を出力する。この偏差は、後述するPI制御部56及び電流変換部57を含むフィードバックループにおいて、電流変換部57から出力される旋回用電動機21の駆動トルクを、トルク制限部54を介して入力されるトルク電流指令値(目標値)によって表されるトルクに近づけるためのPI制御に用いられる。
PI制御部56は、減算器55から入力される偏差に基づき、この偏差を小さくするようにPI制御を行い、インバータ20に送る最終的な駆動指令となる電圧指令を生成する。インバータ20は、PI制御部56から入力される電圧指令に基づき、旋回用電動機21をPWM駆動する。
電流変換部57は、旋回用電動機21のモータ電流を検出し、これをトルク電流指令に相当する値に変換し、減算器55に入力する。
旋回動作検出部58は、レゾルバ22によって検出される旋回用電動機21の回転位置の変化(すなわち上部旋回体3の旋回)を検出するとともに、回転位置の時間的な変化から旋回用電動機21の回転速度を微分演算によって導出する。導出された回転速度を表すデータは、減算器51及び主制御部60に入力される。
このような構成の駆動指令生成部50において、速度指令変換部31から入力される速度指令に基づき、旋回用電動機21を駆動するためのトルク電流指令が生成され、上部旋回体3が所望の位置まで旋回される。
図5は、主制御部60の一機能として実現される許容値切替部61を示す機能ブロック図である。この許容値切替部61は、トルク制限部54の許容値を絶対値で増大させるための手段であり、主制御部60のCPUが内部メモリに格納されるプログラムを実行することによって実現される演算部である。
許容値切替部61は、判定部62と切替スイッチ部63及び64を含む。判定部62には、速度指令と回転速度が入力される。この速度指令は、速度指令変換部31から主制御部60に入力されるものであり、回転速度は、旋回動作検出部58から主制御部60に入力されるものである。
また、切替スイッチ部63は入力端子a及びbを有し、入力端子aには、正転側の通常時用のトルク許容値(100%)が入力され、入力端子bには、正転側の高負荷時用のトルク許容値(200%)が入力される。これらのトルク許容値は、主制御部60のCPUによって内部メモリから読み出されて入力端子a及びbに入力される。
ここで、通常時用のトルク許容値(100%)は、旋回用電動機21の正転側の連続定格トルクを表すトルク電流指令値に対応する。また、高負荷時用のトルク許容値(200%)は、旋回用電動機21の正転側の短時間定格トルクを表すトルク電流指令値に対応する。
高負荷時には、駆動指令生成部50によって最終的に生成されるトルク電流指令の値を絶対値で増大させてトルク不足を補うために、絶対値が通常時用のトルク許容値の倍である短時間定格トルクをトルク制限部54のトルク許容値として設定するためである。
同様に、切替スイッチ部64は入力端子a及びbを有し、入力端子aには、逆転側の通常時用のトルク許容値(−100%)が入力され、入力端子bには、逆転側の高負荷時用のトルク許容値(−200%)が入力される。
ここで、通常時用のトルク許容値(−100%)は、旋回用電動機21の逆転側の連続定格トルクを表すトルク電流指令値に対応する。また、高負荷時用のトルク許容値(−200%)は、旋回用電動機21の逆転側の短時間定格トルクを表すトルク電流指令値に対応する。これらのトルク許容値は、逆転側のトルクを制限するために、正転側のトルク許容値の符号を反転させたものである。
なお、通常時は、切替スイッチ部63及び64は、ともに入力端子aに接続されており、トルク制限部54には連続定格トルクに対応するトルク許容値が入力される。
「判定部62の処理」
図6は、許容値切替部61の判定部62によって実行されるトルク許容値の切り替え処理の手順を示す図である。
判定部62は、速度指令変換部31から入力される速度指令が正又は負のいずれであるかを判定する(ステップS1)。ここで、速度指令が正又は負である場合とは、図3に示す速度指令変換特性において、レバー26Aの操作量が右方向旋回駆動領域、又は左方向旋回駆動領域にある場合に相当する。なお、速度指令が零である場合は、速度指令が正又は負のいずれかになるまでステップS1の処理を繰り返し実行する。この速度指令が零である場合とは、レバー26Aの操作量が図3に示す零速度指令領域にある場合に相当する。
「正転側の処理」
判定部62は、速度指令が正であると判定した場合は、正転側の制御処理を行うために、回転速度が正又は零であるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、レバー26Aの操作量が右方向旋回駆動領域にある場合に、回転速度≧0が成立するか否かを判定する。
判定部62は、回転速度≧0が成立すると判定した場合は、速度指令で表される回転速度と旋回動作検出部58で検出される実際の回転速度との偏差が第1閾値より大きいか否かを判定する(ステップS3)。この第1閾値は、例えば、速度指令で表される回転速度の30%に設定される。
次いで、判定部62は、待機時間をカウントする(ステップS4)。この待機時間は、例えば、0.1秒間に設定される。
さらに、判定部62は、待機後の速度指令が表す回転速度と旋回動作検出部58で検出される実際の回転速度との偏差が依然として第1閾値より大きいか否かを判定する(ステップS5)。
判定部62は、ステップS5において、0.1秒間待機した後の偏差が依然として第1閾値よりも大きいと判定した場合は、切替スイッチ部63を入力端子bに切り替える(ステップS6)。これにより、トルク制限部54の正転側のトルク許容値が通常時のトルク許容値(100%)の倍である高負荷時用のトルク許容値(200%)に増大される。
次いで、判定部62は、ステップS6の処理時間をカウントする(ステップS7)。この処理時間は、例えば、1.0秒間に設定される。
判定部62は、ステップS7において1.0秒をカウントし終えると、切替スイッチ部63を入力端子aに切り替える(ステップS8)。これにより、トルク制限部54の正転側のトルク許容値が高負荷時用のトルク許容値(200%:短時間定格トルク)から通常時のトルク許容値(100%:連続定格トルク)に戻される。旋回用電動機21を短時間定格トルクで駆動するのは短時間に限られるため、トルクを増大させる期間を1.0秒間というごく短い時間に設定したものである。
なお、判定部62は、ステップS2で回転速度が負であると判定した場合は、速度指令が逆転側に切り替えられたと判定し、手順を終了する。終了後は図6に示す手順がステップS1から繰り返し実行される。
また、判定部62は、ステップS3において、偏差が第1閾値以下であると判定した場合は、手順を終了する。終了後は図6に示す手順がステップS1から繰り返し実行される。
また、判定部62は、ステップS5において、偏差が第1閾値以下であると判定した場合は、ステップS4で待機している間に偏差が小さくなって旋回用電動機21の実際の回転速度が速度指令に追いついてきたと判定し、手順を終了する。
また、判定部62は、ステップS1において速度指令が負であると判定した場合は、手順をステップS9に進行させる。これは、レバー26Aの操作量が左方向旋回駆動領域にある場合であり、この場合は、ステップS9以下の逆転側の制御処理を実行する。
「逆転側の処理」
判定部62は、速度指令が負であると判定した場合は、逆転側の制御処理を行うために、回転速度が負又は零であるか否かを判定する(ステップS9)。すなわち、レバー26Aの操作量が左方向旋回駆動領域にある場合に、回転速度≦0が成立するか否かを判定する。
判定部62は、回転速度≦0が成立すると判定した場合は、速度指令が表す回転速度と旋回動作検出部58で検出される実際の回転速度との偏差の絶対値が第1閾値より大きいか否かを判定する(ステップS10)。この第1閾値は、例えば、速度指令で表される回転速度の30%に設定される。
次いで、判定部62は、待機時間をカウントする(ステップS11)。この待機時間は、例えば、0.1秒間に設定される。
さらに、判定部62は、待機後の速度指令が表す回転速度と旋回動作検出部58で検出される実際の回転速度との偏差の絶対値が依然として第1閾値より大きいか否かを判定する(ステップS12)。
判定部62は、ステップS12において、0.1秒間待機した後の偏差の絶対値が依然として第1閾値よりも大きいと判定した場合は、切替スイッチ部63を入力端子bに切り替える(ステップS13)。これにより、トルク制限部54の逆転側のトルク許容値が通常時のトルク許容値(−100%)の倍である高負荷時用のトルク許容値(−200%)に絶対値で増大される。
次いで、判定部62は、ステップS13の処理時間をカウントする(ステップS14)。この処理時間は、例えば、1.0秒間に設定される。
判定部62は、ステップS7において1.0秒をカウントし終えると、切替スイッチ部64を入力端子aに切り替える(ステップS15)。これにより、トルク制限部54の逆転側のトルク許容値が高負荷時用のトルク許容値(−200%:短時間定格トルク)から通常時のトルク許容値(−100%:連続定格トルク)に戻される。旋回用電動機21を短時間定格トルクで駆動するのは短時間に限られるため、トルクを増大させる期間を1.0秒間というごく短い時間に設定したものである。
なお、判定部62は、ステップS9で回転速度が正であると判定した場合は、速度指令が正転側に切り替えられたと判定し、手順を終了する。終了後は図6に示す手順がステップS1から繰り返し実行される。
また、判定部62は、ステップS10において、偏差の絶対値が第1閾値以下であると判定した場合は、手順を終了する。終了後は図6に示す手順がステップS1から繰り返し実行される。
また、判定部62は、ステップS12において、偏差の絶対値が第1閾値以下であると判定した場合は、ステップS11で待機している間に偏差が小さくなって旋回用電動機21の実際の回転速度が速度指令に追いついてきたと判定し、手順を終了する。
以上の処理は、本実施の形態の建設機械が運転されている間は、繰り返し行われる。
「動作説明」
図7は、速度指令変換部31から出力される速度指令、旋回動作検出部58で検出される実際の回転速度、及び旋回用電動機21を駆動するために最終的に駆動指令生成部50から出力されるトルク電流指令の関係を示す特性図であり、(a)は正転側、(b)は逆転側の特性を示す。
図7(a)に示すように、速度指令が零である状態(速度指令変換部31から零速度指令が出力されている状態)からレバー26Aが操作されて右方向旋回領域に入り、速度指令が100%に立ち上がると、駆動指令生成部50からは連続定格トルク(100%)を出力するための値を有するトルク電流指令が出力される。
このとき、判定部62は、速度指令で表される回転速度と旋回動作検出部58で検出される実際の回転速度との偏差が第1閾値(速度指令で表される回転速度の30%)より大きいか否かを判定する(ステップS3の判定)。
図7(a)では、速度指令が100%に立ち上がっても、実際の回転速度は零(0)のままであり、速度指令で表される回転速度と旋回動作検出部58で検出される実際の回転速度との偏差が第1閾値(速度指令で表される回転速度の30%)より大きい状態が生じている。
そして、図7(a)では、この状態が0.1秒間継続した時点において依然として偏差が第1閾値より大きいため(ステップS5の判定)、判定部62は、切替スイッチ部63を入力端子bに切り替え、トルク制限部54の正転側のトルク許容値が通常時のトルク許容値(100%)の倍である高負荷時用のトルク許容値(200%)に増大される(ステップS6の処理)。このため、図7(a)に示すように、駆動指令生成部50から出力されるトルク電流指令の値は2倍に増大され、短時間定格トルク(200%)を出力するための値を有するトルク電流指令が出力される。
このように、トルク電流指令が2倍に増大されると、それまで零(0)であった実際の回転速度が上昇し始める。これにより、土砂等を押し退ける場合のように旋回用電動機21が高負荷の状態においても、上部旋回体3を確実に旋回させることができる。
さらに、トルク制限部54のトルク許容値の増大させる処理は、1.0秒間に限られているため、図7(a)に示すように、トルク電流指令は、増大されてから1.0秒後に増大前の元の値に戻される。これにより、トルク電流指令が連続定格トルク(100%)を出力するための値に戻され(ステップS9の処理)、旋回動作検出部58によって検出される実際の回転速度の上昇率が緩やかになる。
なお、図7(b)に逆転側の特性図を示すが、旋回方向が左方向になることによって制御量の符号が反対になること以外は図7(a)の特性及び動作に準ずるため、その説明を省略する。
以上のように、本実施の形態の旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械によれば、速度指令変換部31から入力される速度指令が表す回転速度と、旋回動作検出部58によって検出される実際の回転速度との偏差が第1閾値よりも大きい時間が0.1秒以上継続すると、トルク制限部54のトルク許容値を絶対値で増大するので、作業中に、上部旋回体を旋回させながらバケット6等の作業要素で土砂や岩石等を押し退けるときにトルク不足を補うことができ、これにより、作業性を各段に良好なものとすることができる。
また、上述のように、必要な状態においてのみトルク制限部54のトルク許容値を増大させるため、旋回用電動機21やインバータ20を大型化する必要がない。このため、電力損失の増大や、大幅なコストアップを生じることなく、作業性を向上させることができる。
以上では、旋回用電動機21がインバータ20によってPWM駆動される交流モータであり、その回転速度を検出するために、レゾルバ22及び旋回動作検出部58を用いる形態について説明したが、旋回用電動機21は直流モータであってもよい。この場合は、インバータ20、レゾルバ22及び旋回動作検出部58が不要となり、回転速度としては直流モータのタコジェネレータで検出される値を用いればよい。
また、高負荷時に旋回用電動機21を駆動するための最終的なトルク電流値を増大させるために、トルク制限部54のトルク許容値を絶対値で短時間定格トルクにまで増大させる形態について説明したが、旋回駆動制御装置及び建設機械の仕様等に応じて、連続定格トルクに対応するトルク許容値よりも大きく、かつ、短時間定格トルクに対応するトルク許容値以下の任意の値に設定してもよい。
また、以上では、トルク電流指令の演算にPI制御を用いる形態について説明したが、これに代えて、ロバスト制御、適応制御、比例制御、積分制御等を用いてもよい。
また、以上では、ハイブリッド型の建設機械を用いて説明したが、旋回機構が電動化されている建設機械であれば、本実施の形態の旋回駆動装置の適用対象は、バイブリッド型に限定されるものではない。
以上、本発明の例示的な実施の形態の旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
本実施の形態の旋回駆動制御装置を含む建設機械を示す側面図である。 本実施の形態の旋回駆動制御装置を含む建設機械の構成を表すブロック図である。 本実施の形態の建設機械の速度指令変換部において操作レバーの操作量を速度指令に変換する変換特性を示す図である。 本実施の形態の旋回駆動制御装置の構成を表す制御ブロック図である。 本実施の形態の旋回駆動制御装置の主制御部の一機能として実現される許容値切替部を示す機能ブロック図である。 本実施の形態の旋回駆動制御装置の許容値切替部の判定部によって実行されるトルク許容値の切り替え処理の手順を示す図である。 本実施の形態の旋回駆動制御装置の速度指令変換部から出力される速度指令、旋回動作検出部で検出される実際の回転速度、及び旋回用電動機を駆動するために最終的に駆動指令生成部から出力されるトルク電流指令の関係を示す特性図であり、(a)は正転側、(b)は逆転側の特性を示す。
符号の説明
1 下部走行体
1A、1B 走行機構
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
11 エンジン
12 電動発電機
13 減速機
14 メインポンプ
15 パイロットポンプ
16 高圧油圧ライン
17 コントロールバルブ
18 インバータ
19 バッテリ
20 インバータ
21 旋回用電動機
23 メカニカルブレーキ
24 旋回減速機
25 パイロットライン
26 操作装置
26A、26B レバー
26C ペダル
27 油圧ライン
28 油圧ライン
29 圧力センサ
30 コントローラ
31 速度指令変換部
32 駆動制御装置
40 旋回駆動制御装置
50 駆動指令生成部
51 減算器
52 PI制御部
53 トルク制限部
54 トルク制限部
55 減算器
56 PI制御部
57 電流変換部
58 旋回動作検出部
60 主制御部
61 許容値切替部
62 判定部
63、64 切替スイッチ部

Claims (6)

  1. 電動機で旋回駆動される建設機械の旋回機構を駆動制御する旋回駆動制御装置であって、
    建設機械の操作手段の操作量に基づき、前記電動機の回転速度を制御するための速度指令を出力する速度指令出力手段と、
    前記電動機の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記速度指令出力手段から出力される速度指令と、前記回転速度検出手段によって検出される回転速度とに基づき、前記電動機を駆動するための駆動指令を生成する駆動指令生成手段と、
    前記速度指令出力手段から速度指令が出力されているときに、前記速度指令で表される回転速度と、前記回転速度検出手段によって検出される回転速度との偏差の絶対値が所定速度以上である場合は、前記駆動指令生成手段によって生成される駆動指令の値を絶対値で増大させる駆動指令増大手段と
    を含む、旋回駆動制御装置。
  2. 前記駆動指令増大手段は、前記偏差が所定時間以上にわたって前記所定値以上である場合に、前記駆動指令生成手段によって生成される駆動指令の値を増大させる、請求項1に記載の旋回駆動制御装置。
  3. 前記駆動指令増大手段は、所定の短時間の間、前記駆動指令生成手段によって生成される駆動指令の値を絶対値で増大させる、請求項1又は2に記載の旋回駆動制御装置。
  4. 前記駆動指令生成手段は、前記駆動指令によって前記電動機で発生する駆動トルクが許容値以下になるように前記駆動指令の値を絶対値で制限する制限手段を含み、
    前記駆動指令増大手段は、前記制限手段の許容値を増大させることにより、前記駆動指令生成手段によって生成される駆動指令の値を絶対値で増大させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の旋回駆動制御装置。
  5. 前記駆動指令増大手段は、前記制限手段の許容値を前記電動機の連続定格トルクを表す駆動指令値よりも大きく、かつ、短時間定格トルクを表す駆動指令値以下の値にまで増大させる、請求項4に記載の旋回駆動制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の旋回駆動制御装置を含む建設機械。
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