JP2009293668A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】油圧ポンプにおけるエネルギ効率を改善した建設機械を提供することを課題とする。
【解決手段】建設機械は、原動機により駆動される油圧ポンプと、作業要素を油圧駆動するための油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記原動機と前記油圧ポンプとの間に配設される無段変速機と、前記原動機の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記油圧ポンプの回転数を演算するポンプ回転数演算手段と、前記機関回転数検出手段によって検出される機関回転数と、前記ポンプ回転数演算手段によって演算される回転数との比に基づき、前記無段変速機の減速比を制御する減速比制御手段とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】建設機械は、原動機により駆動される油圧ポンプと、作業要素を油圧駆動するための油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記原動機と前記油圧ポンプとの間に配設される無段変速機と、前記原動機の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記油圧ポンプの回転数を演算するポンプ回転数演算手段と、前記機関回転数検出手段によって検出される機関回転数と、前記ポンプ回転数演算手段によって演算される回転数との比に基づき、前記無段変速機の減速比を制御する減速比制御手段とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、油圧ポンプの効率を改善した建設機械に関する。
従来より、建設機械の油圧回路で用いる圧油は、エンジン等の動力源によって駆動される油圧ポンプによって生成されている。このような油圧ポンプとしては、斜板の傾転角を調整することによって吐出流量を制御する可変容量型の油圧ポンプが用いられている(例えば、特許文献1)。
特開平08−296602号公報
ところで、油圧ポンプの回転数はエンジンの回転数によって決まり、建設機械のエンジンは略一定の回転数で運転されため、建設機械の運転中における油圧ポンプの回転数は略一定である。
また、可変容量型の油圧ポンプでは、吐出流量の増減によらず、エネルギ損失は略一定であるため、吐出流量が比較的大きい状態ではエネルギ損失は問題になり難いが、吐出流量が比較的低い状態では吐出流量に対するエネルギ損失の割合が大きくなるため、可変容量型の油圧ポンプの効率が低下するという課題があった。
そこで、本発明は、油圧ポンプにおけるエネルギ効率を改善した建設機械を提供することを目的とする。
本発明の一局面の建設機械は、原動機により駆動される油圧ポンプと、作業要素を油圧駆動するための油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記原動機と前記油圧ポンプとの間に配設される無段変速機と、前記原動機の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記油圧ポンプの回転数を演算するポンプ回転数演算手段と、前記機関回転数検出手段によって検出される機関回転数と、前記ポンプ回転数演算手段によって演算される回転数との比に基づき、前記無段変速機の減速比を制御する減速比制御手段とを備える。
また、前記ポンプ回転数演算手段は、前記原動機の出力と、前記油圧ポンプから吐出される圧油の油圧とに基づいて前記油圧ポンプの回転数を演算してもよい。
また、前記原動機の出力を演算する出力演算手段をさらに備え、前記ポンプ回転数演算手段は、前記出力演算手段によって演算される前記原動機の出力を用いて前記油圧ポンプの回転数を演算してもよい。
また、前記コントロールバルブにおける圧油の油圧を検出する油圧検出手段をさらに備え、前記減速比制御手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧が所定値以上の場合には、前記無段変速機の減速比が徐々に目標値に近づくように前記減速比を制御してもよい。
本発明によれば、油圧ポンプにおけるエネルギ効率を改善した建設機械を提供できるという特有の効果が得られる。
以下、本発明の建設機械を適用した実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の建設機械を示す側面図である。
図1は、実施の形態1の建設機械を示す側面図である。
この建設機械の下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。また、上部旋回体3には、ブーム4、アーム5、及びバケット6と、これらを油圧駆動するためのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9に加えて、キャビン10及び動力源が搭載される。
「全体構成」
図2は、実施の形態1の建設機械の構成を表すブロック図である。この図2では、機械的動力系を二重線、高圧油圧ラインを実線、パイロットラインを破線、電気駆動・制御系を一点鎖線でそれぞれ示す。
図2は、実施の形態1の建設機械の構成を表すブロック図である。この図2では、機械的動力系を二重線、高圧油圧ラインを実線、パイロットラインを破線、電気駆動・制御系を一点鎖線でそれぞれ示す。
機械式駆動部としてのエンジン11と、アシスト駆動部としての電動発電機12は、ともに増力機としての減速機13の入力軸に接続されている。また、この減速機13の出力軸には、CVT(Continuously Variable Transmission)100を介してメインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されており、高圧油圧ライン16には、メインポンプ14から吐出される圧油の油圧を検出する油圧センサ16Aが配設されている。
コントロールバルブ17は、実施の形態1の建設機械における油圧系の制御を行う制御装置であり、このコントロールバルブ17には、下部走行体1用の油圧モータ1A(右用)及び1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9が高圧油圧ラインを介して接続される。
また、電動発電機12には、インバータ18を介してバッテリ19が接続されており、また、バッテリ19には、インバータ20を介して旋回用電動機21が接続されている。
旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、及び旋回減速機24が接続される。また、パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続される。
操作装置26には、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及び圧力センサ29がそれぞれ接続される。この圧力センサ29には、実施の形態1の建設機械の電気系の駆動制御を行うコントローラ30が接続されている。
このような実施の形態1の建設機械は、エンジン11、電動発電機12、及び旋回用電動機21を動力源とするハイブリッド型の建設機械である。これらの動力源は、図1に示す上部旋回体3に搭載される。以下、各部について説明する。
「各部の構成」
エンジン11は、例えば、ディーゼルエンジンで構成される内燃機関であり、その出力軸は減速機13の一方の入力軸に接続される。このエンジン11の運転制御は、コントローラ30によって行われる。このため、コントローラ30は、エンジン11の機関回転数を検知する。なお、エンジン11は、建設機械の運転中は常時運転される。
エンジン11は、例えば、ディーゼルエンジンで構成される内燃機関であり、その出力軸は減速機13の一方の入力軸に接続される。このエンジン11の運転制御は、コントローラ30によって行われる。このため、コントローラ30は、エンジン11の機関回転数を検知する。なお、エンジン11は、建設機械の運転中は常時運転される。
電動発電機12は、力行運転及び回生運転の双方が可能な電動機であればよい。ここでは、電動発電機12として、インバータ20によって交流駆動される電動発電機を示す。この電動発電機12は、例えば、磁石がロータ内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnetic)モータで構成することができる。電動発電機12の回転軸は減速機13の他方の入力軸に接続される。
減速機13は、2つの入力軸と1つの出力軸を有する。2つの入力軸の各々には、エンジン11の駆動軸と電動発電機12の駆動軸が接続される。また、出力軸にはCVT100を介してメインポンプ14の駆動軸が接続される。エンジン11の負荷が大きい場合には、電動発電機12が力行運転を行い、電動発電機12の駆動力が減速機13の出力軸及びCVT100を経てメインポンプ14に伝達される。これによりエンジン11の駆動がアシストされる。一方、エンジン11の負荷が小さい場合は、エンジン11の駆動力が減速機13を経て電動発電機12に伝達されることにより、電動発電機12が回生運転による発電を行う。電動発電機12の力行運転と回生運転の切り替えは、コントローラ30により、エンジン11の負荷等に応じて行われる。
CVT100は、減速機13の出力軸とメインポンプ14の入力軸との間に配設され、入力側(減速機13の出力軸が接続されている側)と出力側(メインポンプ14の入力軸が接続されている側)との減速比(入力側/出力側)を連続的に変化させることのできる動力伝達装置である。このCVT100の減速比は、コントローラ30によって電子的に制御される。
メインポンプ14は、コントロールバルブ17に供給するための圧油を吐出するポンプである。このメインポンプ14は固定容量型のポンプである。固定容量型のポンプは、斜板を備えないためポンプ自体では吐出流量を制御することはできないが、斜板によるエネルギ損失が生じないポンプである。このメインポンプ14から吐出される圧油は、コントロールバルブ17を介して油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9に供給される。
パイロットポンプ15は、油圧操作系に必要なパイロット圧を発生するポンプである。この油圧操作系の構成については後述する。
コントロールバルブ17は、高圧油圧ライン16を介して接続される下部走行体1用の油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の各々に供給する油圧を運転者の操作入力に応じて制御することにより、これらを油圧駆動制御する油圧制御装置である。
インバータ18は、電動発電機12の力行運転に必要な電力をバッテリ19から電動発電機12に供給するとともに、電動発電機12の回生運転によって発電された電力をバッテリ19に充電するために電動発電機12とバッテリ19との間に設けられたインバータである。
バッテリ19は、インバータ18とインバータ20との間に配設されている。これにより、電動発電機12と旋回用電動機21の少なくともどちらか一方が力行運転を行っている際には、力行運転に必要な電力を供給するとともに、また、少なくともどちらか一方が回生運転を行っている際には、回生運転によって発生した回生電力を電気エネルギーとして蓄積するための電源である。
インバータ20は、上述の如く旋回用電動機21とバッテリ19との間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、旋回用電動機21に対して運転制御を行う。これにより、インバータが旋回用電動機21を力行運転している際には、必要な電力をバッテリ19から旋回用電動機21に供給する。また、旋回用電動機21が回生運転をしている際には、旋回用電動機21により発電された電力をバッテリ19へ充電する。
旋回用電動機21は、力行運転及び回生運転の双方が可能な電動機であればよく、上部旋回体3の旋回機構2を駆動するために設けられている。力行運転の際には、旋回用電動機21の回転駆動力の回転力が減速機24にて増幅され、上部旋回体3が加減速制御され回転運動を行う。また、上部旋回体3の慣性回転により、減速機24にて回転数が増加されて旋回用電動機21に伝達され、回生電力を発生させることができる。ここでは、旋回用電動機21として、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号によりインバータ20によって交流駆動される電動機を示す。この旋回用電動機21は、例えば、磁石埋込型のIPMモータで構成することができる。これにより、より大きな誘導起電力を発生させることができるので、回生時に旋回用電動機21にて発電される電力を増大させることができる。
なお、バッテリ19の充放電制御は、バッテリ19の充電状態、電動発電機12の運転状態(力行運転又は回生運転)、旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づき、コントローラ30によって行われる。
レゾルバ22は、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転位置及び回転角度を検出するセンサであり、旋回用電動機21と機械的に連結することで旋回用電動機21の回転前の回転軸21Aの回転位置と、左回転又は右回転した後の回転位置との差を検出することにより、回転軸21Aの回転角度及び回転方向を検出するように構成されている。旋回用電動機21の回転軸21Aの回転角度を検出することにより、旋回機構2の回転角度及び回転方向が導出される。
メカニカルブレーキ23は、機械的な制動力を発生させる制動装置であり、旋回用電動機21の回転軸21Aを機械的に停止させる。このメカニカルブレーキ23は、電磁式スイッチにより制動/解除が切り替えられる。この切り替えは、コントローラ30によって行われる。
旋回減速機24は、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転速度を減速して旋回機構2に機械的に伝達する減速機である。
旋回機構2は、旋回用電動機21のメカニカルブレーキ23が解除された状態で旋回可能となり、これにより、上部旋回体3が左方向又は右方向に旋回される。
操作装置26は、旋回用電動機21、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6を操作するための操作装置であり、レバー26A及び26Bとペダル26Cを含む。レバー26Aは、旋回用電動機21及びアーム5を操作するためのレバーであり、上部旋回体3の運転席近傍に設けられる。レバー26Bは、ブーム4及びバケット6を操作するためのレバーであり、運転席近傍に設けられる。また、ペダル26Cは、下部走行体1を操作するための一対のペダルであり、運転席の足下に設けられる。
この操作装置26は、パイロットライン25を通じて供給される油圧(1次側の油圧)を運転者の操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換して出力する。操作装置26から出力される2次側の油圧は、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17に供給されるとともに、圧力センサ29によって検出される。
レバー26A及び26Bとペダル26Cの各々が操作されると、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17が駆動され、これにより、油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9内の油圧が制御されることによって、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6が駆動される。
なお、油圧ライン27は、油圧モータ1A及び1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダの駆動に必要な油圧をコントロールバルブに供給する。
圧力センサ29は、レバー26A及び26Bとペダル26Cの各々の操作による、油圧ライン28内の油圧の変化を検出し、レバー26A及び26Bとペダル26Cの各々の操作によって変化する油圧ライン28内の油圧を表す電気信号を出力する。圧力センサ29から出力される電気信号は、レバー26Aの操作方向(右旋回又は左旋回)と操作量を表す信号、レバー26Bの操作量(ブーム4及びバケット6の操作量)を表す電気信号、及びペダル26Cの操作量(下部走行体1の操作量)を表す電気信号であり、コントローラ30に入力される。
「コントローラ30」
コントローラ30は、実施の形態1の建設機械の駆動制御を行う制御装置であり、速度指令変換部31、駆動制御装置32、エンジン制御部33、旋回駆動制御装置40、及びCVT制御部110を含む。このコントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、速度指令変換部31、駆動制御装置32、旋回駆動制御装置40、及びCVT制御部110は、コントローラ30のCPUが内部メモリに格納される駆動制御用のプログラムを実行することにより実現される装置である。
コントローラ30は、実施の形態1の建設機械の駆動制御を行う制御装置であり、速度指令変換部31、駆動制御装置32、エンジン制御部33、旋回駆動制御装置40、及びCVT制御部110を含む。このコントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、速度指令変換部31、駆動制御装置32、旋回駆動制御装置40、及びCVT制御部110は、コントローラ30のCPUが内部メモリに格納される駆動制御用のプログラムを実行することにより実現される装置である。
速度指令変換部31は、圧力センサ29から入力される信号を速度指令に変換する演算処理部である。これにより、レバー26Aの操作量は、旋回用電動機21を回転駆動させるための速度指令(rad/s)に変換される。この速度指令は、駆動制御装置32及び旋回駆動制御装置40に入力される。なお、この速度指令変換部31で用いる変換特性については、図3を用いて説明する。
駆動制御装置32は、電動発電機12の運転制御(力行運転又は回生運転の切り替え)、及び、バッテリ19の充放電制御を行うための制御装置である。この駆動制御装置32は、エンジン11の負荷の状態とバッテリ19の充電状態に応じて、電動発電機12の力行運転と回生運転を切り替える。駆動制御装置32は、電動発電機12の力行運転と回生運転を切り替えることにより、インバータ18を介してバッテリ19の充放電制御を行う。
エンジン制御部33は、エンジン11の運転制御を行う制御部である。建設機械のエンジン11は、キャビン10内の運転席の近傍に配設されるスロットルボリュームによって機関回転数が設定される。このため、エンジン制御部33は、スロットルボリュームによって設定される機関回転数を目標値としてエンジン11の駆動制御を行う。なお、エンジン11の実際の機関回転数は、エンジン制御部33によって検知される。
CVT制御部110は、メインポンプ14の回転数nを演算し、また、エンジン11の機関回転数neと、メインポンプ14の回転数nとの比をCVT100の減速比kとして演算し、演算した減速比kを用いてCVT100の減速比の制御を行う。この制御の詳細については後述する。
「操作量/速度指令の変換特性」
図3は、実施の形態1の建設機械の速度指令変換部31において操作レバー26Aの操作量を速度指令(上部旋回体3を旋回させるために旋回用電動機21を回転させるための速度指令)に変換する変換特性を示す図である。
図3は、実施の形態1の建設機械の速度指令変換部31において操作レバー26Aの操作量を速度指令(上部旋回体3を旋回させるために旋回用電動機21を回転させるための速度指令)に変換する変換特性を示す図である。
ここで、図3に示す変換特性は、旋回用電動機21を停止状態から駆動させる際の特性であり、操作レバー26Aの操作量に応じて、不感帯領域、零速度指令領域(左旋回用及び右旋回用)、左方向旋回駆動領域、及び右方向旋回駆動領域の5つの領域に区分される。
ここで、実施の形態1の建設機械の制御系では、旋回用電動機21の回転軸21aが反時計回りに回転する回転方向を「正転」と称し、正転方向の駆動を表す制御量に正の符号を付す。一方、旋回用電動機21の回転軸21aが時計回りに回転する回転方向を「逆転」と称し、逆転方向の駆動を表す制御量に負の符号を付す。正転は、上部旋回体3の右方向への旋回に対応し、逆転は、上部旋回体の左方向への旋回に対応する。
「不感帯領域」
この変換特性に示すように、不感帯領域は、レバー26Aの中立点付近に設けられている。この不感帯領域では、速度指令変換部31から速度指令は出力されず、旋回駆動制御装置40による旋回用電動機21の駆動制御は行われない。また、不感帯領域では、メカニカルブレーキ23によって旋回用電動機21が機械的に停止された状態となる。
この変換特性に示すように、不感帯領域は、レバー26Aの中立点付近に設けられている。この不感帯領域では、速度指令変換部31から速度指令は出力されず、旋回駆動制御装置40による旋回用電動機21の駆動制御は行われない。また、不感帯領域では、メカニカルブレーキ23によって旋回用電動機21が機械的に停止された状態となる。
従って、レバー26Aの操作量が不感帯領域内にある間は、メカニカルブレーキ23によって旋回用電動機21が機械的に停止され、これにより、上部旋回体3が機械的に停止された状態となる。
「零速度指令領域」
零速度指令領域は、レバー26Aの操作方向における不感帯領域の両外側に設けられている。この零速度指令領域は、不感帯領域における上部旋回体3の停止状態と、左右方向の旋回駆動領域における旋回状態とを切り替える際に操作性を良くするために設けられる緩衝領域である。
零速度指令領域は、レバー26Aの操作方向における不感帯領域の両外側に設けられている。この零速度指令領域は、不感帯領域における上部旋回体3の停止状態と、左右方向の旋回駆動領域における旋回状態とを切り替える際に操作性を良くするために設けられる緩衝領域である。
操作レバー26Aの操作量がこの零速度指令領域の範囲内にあるときは、速度指令変換部31から零速度指令が出力され、メカニカルブレーキ23は解除された状態となる。
ここで、零速度指令とは、上部旋回体3の旋回速度を零にするために、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転速度を零にするための速度指令であり、後述するPI(Proportional Integral)制御では、回転軸21Aの回転速度を零に近づけるための目標値として用いられる。
なお、メカニカルブレーキ23の制動(オン)/解除(オフ)の切り替えは、不感帯領域と零速度指令領域の境界においてコントローラ30内の旋回駆動制御装置40によって行われる。
従って、レバー26Aの操作量が零速度指令領域内にある間は、メカニカルブレーキ23は解除され、零速度指令により、旋回用電動機21の回転軸21Aは停止状態に保持される。これにより、上部旋回体3は旋回駆動されずに停止状態に保持される。
「左方向旋回駆動領域」
左方向旋回駆動領域は、上部旋回体3を左方向に旋回させるための速度指令が速度指令変換部31から出力される領域である。
左方向旋回駆動領域は、上部旋回体3を左方向に旋回させるための速度指令が速度指令変換部31から出力される領域である。
この領域内では、レバー26Aの操作量に応じて、速度指令の絶対値が増大するように設定されている。この速度指令に基づいて旋回駆動制御装置40で駆動指令が演算され、この駆動指令によって旋回用電動機21が駆動され、この結果、上部旋回体3が左方向に旋回駆動される。
なお、上部旋回体3の旋回速度をある一定以下に制限するために、左方向旋回駆動領域における速度指令値は、絶対値が所定の値で制限される。
「右方向旋回駆動領域」
右方向旋回駆動領域は、上部旋回体3を右方向に旋回させるための速度指令が速度指令変換部31から出力される領域である。
右方向旋回駆動領域は、上部旋回体3を右方向に旋回させるための速度指令が速度指令変換部31から出力される領域である。
この領域内では、レバー26Aの操作量に応じて、速度指令の絶対値が増大するように設定されている。この速度指令に基づいて旋回駆動制御装置40で駆動指令が演算され、この駆動指令によって旋回用電動機21が駆動され、この結果、上部旋回体3が右方向に旋回駆動される。
なお、左方向旋回駆動領域と同様に、右方向旋回駆動領域における速度指令値は、絶対値が所定の値で制限される。
「旋回駆動制御装置40」
図4は、実施の形態1の建設機械の旋回駆動制御装置40の構成を示す制御ブロック図である。
図4は、実施の形態1の建設機械の旋回駆動制御装置40の構成を示す制御ブロック図である。
旋回駆動制御装置40は、インバータ20を介して旋回用電動機21の駆動制御を行うための制御装置であり、旋回用電動機21を駆動するための駆動指令を生成する駆動指令生成部50、及び主制御部60を含む。
駆動指令生成部50には、レバー26Aの操作量に応じて速度指令変換部31から出力される速度指令が入力され、この駆動指令生成部50は速度指令に基づき駆動指令を生成する。駆動指令生成部50から出力される駆動指令はインバータ20に入力され、このインバータ20によって旋回用電動機21がPWM制御信号により交流駆動される。
主制御部60は、旋回駆動制御装置40の制御処理に必要な周辺処理を行う制御部である。具体的な処理内容については、関連箇所においてその都度説明する。
なお、旋回駆動制御装置40は、操作レバー26Aの操作量に応じて、旋回用電動機21を駆動制御する際に、力行運転と回生運転の切り替え制御を行うと共に、インバータ20を介してバッテリ19の充放電制御を行う。
「駆動指令生成部50」
駆動指令生成部50は、減算器51、PI制御部52、トルク制限部53、トルク制限部54、減算器55、PI制御部56、電流変換部57、及び旋回動作検出部58を含む。この駆動指令生成部50の減算器51には、レバー26Aの操作量に応じた旋回駆動用の速度指令(rad/s)が入力される。
駆動指令生成部50は、減算器51、PI制御部52、トルク制限部53、トルク制限部54、減算器55、PI制御部56、電流変換部57、及び旋回動作検出部58を含む。この駆動指令生成部50の減算器51には、レバー26Aの操作量に応じた旋回駆動用の速度指令(rad/s)が入力される。
減算器51は、レバー26Aの操作量に応じた速度指令の値(以下、速度指令値)から、旋回動作検出部58によって検出される旋回用電動機21の回転速度(rad/s)を減算して偏差を出力する。この偏差は、後述するPI制御部52において、旋回用電動機21の回転速度を速度指令値(目標値)に近づけるためのPI制御に用いられる。
PI制御部52は、減算器51から入力される偏差に基づき、旋回用電動機21の回転速度を速度指令値(目標値)に近づけるように(すなわち、この偏差を小さくするように)PI制御を行い、そのために必要なトルク電流指令を演算する。生成されたトルク電流指令は、トルク制限部53に入力される。
トルク制限部53は、レバー26Aの操作量に応じてトルク電流指令の値(以下、トルク電流指令値)を制限する処理を行う。この制限処理は、レバー26Aの操作量に応じてトルク電流指令値の許容値が緩やかに増大する制限特性に基づいて行われる。このようなトルク電流指令値の制限は、PI制御部52によって演算されるトルク電流指令値が急激に増大すると制御性が悪化するため、これを抑制するために行われる。
この制限特性は、レバー26Aの操作量の増大に伴ってトルク電流指令値の許容値(の絶対値)を緩やかに増大させる特性を有し、上部旋回体3の左方向及び右方向の双方向を制限するための特性を有するものである。制限特性を表すデータは、主制御部60の内部メモリに格納されており、主制御部60のCPUによって読み出され、トルク制限部53に入力される。
トルク制限部54は、トルク制限部53から入力されるトルク電流指令によって生じるトルクが旋回用電動機21の許容最大トルク値以下となるように、トルク制限部53から入力されるトルク電流指令値を制限する。このトルク電流指令値の制限は、トルク制限部53と同様に、上部旋回体3の左方向及び右方向の双方向の回転に対して行われる。
ここで、トルク制限部54においてトルク電流指令値を制限するための上限値(右旋回用の最大値)及び下限値(左旋回用の最小値)は、このトルク制限部54によってトルク電流指令値の制限が行われても、バケット6が積み上げられた土砂等に触れて旋回用電動機21の負荷が大きい状態でも、旋回用電動機21を駆動させるための駆動トルクを発生できるような値に設定されている。なお、トルク電流指令値を制限するための特性を表すデータは、主制御部60の内部メモリに格納されており、主制御部60のCPUによって読み出され、トルク制限部54に入力される。
減算器55は、トルク制限部54から入力されるトルク電流指令値から、電流変換部57の出力値を減算して得る偏差を出力する。この偏差は、後述するPI制御部56及び電流変換部57を含むフィードバックループにおいて、電流変換部57から出力される旋回用電動機21の駆動トルクを、トルク制限部54を介して入力されるトルク電流指令値(目標値)によって表されるトルクに近づけるためのPI制御に用いられる。
PI制御部56は、減算器55から入力される偏差に基づき、この偏差を小さくするようにPI制御を行い、インバータ20に送る最終的な駆動指令となる電圧指令を生成する。インバータ20は、PI制御部56から入力される電圧指令に基づき、旋回用電動機21をPWM駆動する。
電流変換部57は、旋回用電動機21のモータ電流を検出し、これをトルク電流指令に相当する値に変換し、減算器55に入力する。
旋回動作検出部58は、レゾルバ22によって検出される旋回用電動機21の回転位置の変化(すなわち上部旋回体3の旋回)を検出するとともに、回転位置の時間的な変化から旋回用電動機21の回転速度を微分演算によって導出する。導出された回転速度を表すデータは、減算器51及び主制御部60に入力される。
このような構成の駆動指令生成部50において、速度指令変換部31から入力される速度指令に基づき、旋回用電動機21を駆動するためのトルク電流指令が生成され、上部旋回体3が所望の位置まで旋回される。
図5は、実施の形態1の建設機械のコントローラ30によるCVT100の減速比の設定処理の手順を示す図である。この制御処理は、コントローラ30のCVT制御部110によって実行される処理であり、10ミリ秒毎に繰り返し実行される処理である。CVT制御部110は、エンジン11の機関回転数ne(rpm)と出力N(kW)の関係(出力特性)を表すマップを有しており、機関回転数neに基づいてエンジン11の出力Nを演算する。このマップは、コントローラ30内のメモリに格納されている。
建設機械の運転開始によって制御処理が開始されると、まず、CVT制御部110は、油圧センサ16Aで検出される油圧Pを表す情報を取り込む(ステップS1)。
次いで、CVT制御部110は、エンジン制御部33で検知される機関回転数neを取り込む(ステップS2)。
さらに、CVT制御部110は、コントローラ30内のメモリに格納されているマップを用いてステップS2で取り込んだ機関回転数neにおける出力Nを演算する(ステップS3)。
次いで、CVT制御部110は、ステップS1で取り込んだ油圧PとステップS3で演算した出力Nを用いてメインポンプ14の回転数nを演算する(ステップS4)。このメインポンプ14の回転数n(rpm)の演算は、次式(1)を用いて行われる。
n=60×103×η×N/(q×P)・・・(1)
ここで、ηはメインポンプ14の効率、Nはエンジン11の機関回転数neにおける出力(kW)、qはメインポンプ14の押し退け容量(cm3/rev)、Pは油圧センサ16Aで検出される油圧(MPa)である。なお、η及びqは既知の値であり、ηは、例えば、η=0.8である。また、qはメインポンプ14の容量によって定まる値である。
ここで、ηはメインポンプ14の効率、Nはエンジン11の機関回転数neにおける出力(kW)、qはメインポンプ14の押し退け容量(cm3/rev)、Pは油圧センサ16Aで検出される油圧(MPa)である。なお、η及びqは既知の値であり、ηは、例えば、η=0.8である。また、qはメインポンプ14の容量によって定まる値である。
さらに、CVT制御部110は、ステップS4で演算したメインポンプ14の回転数nと、機関回転数neとを用いてCVT100の減速比kを演算する(ステップS5)。この演算は、次式(2)を用いて行われる。
k=ne/n・・・(2)
次いで、CVT制御部110は、ステップS5で演算した減速比kがCVT100の最小減速比k1以上かつ最大減速比k2以下であるか否かを判定する(ステップS6)。演算された減速比kがCVT100の減速比が取り得る範囲内の値であるか否かを判定するためである。
次いで、CVT制御部110は、ステップS5で演算した減速比kがCVT100の最小減速比k1以上かつ最大減速比k2以下であるか否かを判定する(ステップS6)。演算された減速比kがCVT100の減速比が取り得る範囲内の値であるか否かを判定するためである。
CVT制御部110は、ステップS5で演算した減速比kがCVT100の最小減速比k1以上かつ最大減速比k2以下である場合は、CVT100の減速比をステップS5で演算した減速比kに設定する(ステップS7A)。
一方、ステップS5で演算した減速比kがCVT100の最小減速比k1以上かつ最大減速比k2以下でない場合は、CVT100の減速比をk1又はk2に設定する(ステップS7B)。具体的には、ステップS5で演算した減速比kがCVT100の最小減速比k1未満である場合は、CVT制御部110は、CVT100の減速比をk1に設定する。また、ステップS5で演算した減速比kがCVT100の最大減速比k2より大きいときは、CVT制御部110は、CVT100の減速比をk2に設定する。
ここで、エンジン11の機関回転数neが一定であると仮定すると、建設機械の油圧操作系の負荷が大きいときは、メインポンプ14の圧力Pが上昇するため、(1)式より演算されるメインポンプ14の回転数nは低くなり、これにより、(2)式より演算される減速比kは大きくなる。減速比kが大きくなると、CVT100の出力軸の回転数が低下するため、メインポンプ14の回転速度は低下し、吐出流量は低減する。
一方、同様にエンジン11の機関回転数neが一定であると仮定した場合に、建設機械の油圧操作系の負荷が小さいときは、メインポンプ14の圧力Pが低下するため、(1)式より演算されるメインポンプ14の回転数nは高くなり、これにより、(2)式より演算される減速比kは小さくなる。減速比kが小さくなると、CVT100の出力軸の回転数が上昇するため、メインポンプ14の回転速度は上昇し、吐出流量は増大する。
なお、コントローラ30は、圧力センサ29を通じて入力されるパイロット圧に基づいて、いずれの作業要素も操作されることなく建設機械の負荷が小さくなっていることを検知した場合は、吐出流量を増大させる必要がないため、減速比を大きく設定する。
以上で、実施の形態1の建設機械によるCVT100の減速比の設定処理が終了する。この処理は、建設機械の運転中に10ミリ秒毎に繰り返し実行される。
このように、実施の形態1の建設機械によれば、CVT100の減速比を建設機械の作業状態に応じて設定し、これにより固定容量型のメインポンプ14の吐出流量を制御しているので、従来のように可変容量型のメインポンプで傾転角を制御する場合と同様の吐出流量の制御を実現しつつ、可変容量型のメインポンプのような斜板におけるエネルギ損失は生じないため、特に吐出流量が少ない状態において、メインポンプ14におけるエネルギ損失を低減することができる。
なお、ステップS3でエンジン11の出力Nを演算する際に、エンジン11の運転状態を表すパラメータを用いて出力Nを演算してもよい。例えば、エンジン11がディーゼルターボエンジンである場合には、大気圧、ターボのブースト圧、及び水温等のパラメータを用いると出力Nをより正確に求めることができ、より最適な減速機の演算が可能となる結果、吐出流量の制御をより正確に行うことができる。
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2の建設機械のコントローラ30によるCVT100の減速比の設定処理の手順を示す図である。実施の形態2の建設機械は、建設機械にかかっている負荷の大きさによってCVT100の減速比の設定の仕方が変わる点が実施の形態1の建設機械と異なる。
図6は、実施の形態2の建設機械のコントローラ30によるCVT100の減速比の設定処理の手順を示す図である。実施の形態2の建設機械は、建設機械にかかっている負荷の大きさによってCVT100の減速比の設定の仕方が変わる点が実施の形態1の建設機械と異なる。
建設機械の運転開始によって制御処理が開始されると、まず、CVT制御部110は、油圧センサ16Aで検出される油圧Pを表す情報を取り込む(ステップS10)。
次いで、CVT制御部110は、油圧Pが最大許容油圧の50%以上であるか否かを判定する(ステップS11)。このように急激に負荷が増大した場合にはエンジンの負荷を軽減させるために、吐出流量を減少させる。
CVT制御部110は、油圧Pが最大許容油圧の50%以上であると判定した場合は、エンジン制御部33で検知される機関回転数neを取り込む(ステップS12)。
さらに、CVT制御部110は、コントローラ30内のメモリに格納されているマップを用いてステップS2で取り込んだ機関回転数neにおける出力Nを導出する(ステップS13)。
次いで、CVT制御部110は、ステップS1で取り込んだ油圧PとステップS13で導出した出力Nを用いてメインポンプ14の回転数nを演算する(ステップS14)。このメインポンプ14の回転数n(rpm)の演算は、実施の形態1と同様に式(1)を用いて行われる。
さらに、CVT制御部110は、ステップS14で演算したメインポンプ14の回転数nと、機関回転数neとを用いてCVT100の減速比k(目標値)を演算する(ステップS15)。この演算は、実施の形態1と同様に式(2)を用いて行われる。
次いで、CVT制御部110は、減速比を最大に設定する(ステップS16)。このように急激に負荷が増大した場合にはエンジンの負荷を軽減させるために、吐出流量を減少させる。
さらに、CVT制御部110は、減速比が所定の減速比k3以上であるか否かを判定する(ステップS17)。減速比k3は、例えば最大減速比の75%程度に設定される。減速比がある程度高い状態であるか否かを判定するためである。
また、ステップS17において、減速比が所定の減速比k3以上であると判定した場合(S17でYES)は、CVT制御部110は、CVT100の減速比を現在の減速比kpから所定値k2だけ減じた減速比(kp−k2)に設定する(ステップS18B)。
次いで、CVT制御部110は、減速比がステップS15で演算した値k(目標値)と同一であるか否かを判定する(ステップS20)。減速比がk3以上の値から目標値kまで低下したか否かを判定するためである。
CVT制御部110は、ステップS20で減速比がステップS15で演算した値k(目標値)と同一であると判定した場合は、ステップS10にリターンし、すべての処理を繰り返し実行する。
なお、ステップS11において、油圧Pが最大許容油圧の50%未満である(ステップS11でNo)、すなわち急負荷ではないと判定した場合は、CVT制御部110は、手順を図5のステップS2に進める。
また、CVT制御部110は、減速比が所定の減速比k3未満である(S17でNo)と判定した場合は、エンジン11の現在の機関回転数neと機関回転数の目標値ne*との偏差(ne*−ne)が所定値n1以下であるか否かを判定する(ステップS18A)。ここで、機関回転数の目標値ne*はキャビン10内のスロットルボリュームによって設定される値であり、所定値n1は、例えば50(rpm)に設定される。
CVT制御部110は、エンジン11の現在の機関回転数neと機関回転数の目標値ne*との偏差(ne*−ne)が所定値n1以下である(すなわち、偏差が小さい)と判定した場合(ステップS18AでYES)は、CVT100の減速比を現在の減速比kpから所定値k4だけ減じた減速比(kp−k4)に設定する(ステップS19)。所定値k4は、図6に示す処理手順が繰り返し実行される際に一回の処理で減じる減少分であり、例えば、0.06に設定される。このステップS19が終了するとCVT制御部110は、手順をステップS20に進める。
また、ステップS18Aにおいて、エンジン11の現在の機関回転数neと機関回転数の目標値ne*との偏差(ne*−ne)が所定値n1より大きい(ステップS18AでNo)と判定した場合は、CVT制御部110は、手順をステップS20に進める。
また、ステップS20において、減速比がステップS15で演算した値k(目標値)と同一でない(減速比が目標値kまで低下していない)と判定した場合は、所定時間tだけ待機する(ステップS21)。この所定時間は、例えば、10ミリ秒に設定される。10ミリ秒待機することにより、エンジン11の出力Nが変化することを待つためである。ステップS21が終了すると、ステップS17にリターンし、ステップS18A、S18B以下の処理を繰り返し実行する。
以上、実施の形態2の建設機械によれば、建設機械が急激に大きな負荷を受けるようになった場合には、CVT100の減速比を最大に設定することにより、メインポンプ14から吐出される圧油の出力を最小にすることができるので、エンジンの回転数低下を防止できるとともに、実施の形態1の建設機械と同様に、従来のように可変容量型のメインポンプで傾転角を制御する場合と同様の吐出流量の制御を実現しつつ、可変容量型のメインポンプのような斜板におけるエネルギ損失は生じないため、特に吐出流量が少ない状態において、メインポンプ14におけるエネルギ損失を低減することができる。
以上では、ハイブリッド型の建設機械を用いて説明したが、本実施の形態の建設機械は、バイブリッド型に限定されるものではなく、すべての作業要素が油圧駆動される建設機械であってもよい。
以上では、旋回用電動機21がインバータ20によってPWM駆動される交流モータであり、その回転速度を検出するために、レゾルバ22及び旋回動作検出部58を用いる形態について説明したが、旋回用電動機21は直流モータであってもよい。この場合は、インバータ20、レゾルバ22及び旋回動作検出部58が不要となり、回転速度としては直流モータのタコジェネレータで検出される値を用いればよい。
また、以上では、トルク電流指令の演算にPI制御を用いる形態について説明したが、これに代えて、ロバスト制御、適応制御、比例制御、積分制御等を用いてもよい。
以上、本発明の例示的な実施の形態の建設機械について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
1 下部走行体
1A、1B 走行機構
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
11 エンジン
12 電動発電機
13 減速機
14 メインポンプ
15 パイロットポンプ
16 高圧油圧ライン
17 コントロールバルブ
18 インバータ
19 バッテリ
20 インバータ
21 旋回用電動機
23 メカニカルブレーキ
24 旋回減速機
25 パイロットライン
26 操作装置
26A、26B レバー
26C ペダル
27 油圧ライン
28 油圧ライン
29 圧力センサ
30 コントローラ
31 速度指令変換部
32 駆動制御装置
40 旋回駆動制御装置
50 駆動指令生成部
51 減算器
52 PI制御部
53 トルク制限部
54 トルク制限部
55 減算器
56 PI制御部
57 電流変換部
58 旋回動作検出部
60 主制御部
100 CVT
110 CVT制御部
1A、1B 走行機構
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
11 エンジン
12 電動発電機
13 減速機
14 メインポンプ
15 パイロットポンプ
16 高圧油圧ライン
17 コントロールバルブ
18 インバータ
19 バッテリ
20 インバータ
21 旋回用電動機
23 メカニカルブレーキ
24 旋回減速機
25 パイロットライン
26 操作装置
26A、26B レバー
26C ペダル
27 油圧ライン
28 油圧ライン
29 圧力センサ
30 コントローラ
31 速度指令変換部
32 駆動制御装置
40 旋回駆動制御装置
50 駆動指令生成部
51 減算器
52 PI制御部
53 トルク制限部
54 トルク制限部
55 減算器
56 PI制御部
57 電流変換部
58 旋回動作検出部
60 主制御部
100 CVT
110 CVT制御部
Claims (4)
- 原動機により駆動される油圧ポンプと、
作業要素を油圧駆動するための油圧アクチュエータと、
前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブと、
前記原動機と前記油圧ポンプとの間に配設される無段変速機と、
前記原動機の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、
前記油圧ポンプの回転数を演算するポンプ回転数演算手段と、
前記機関回転数検出手段によって検出される機関回転数と、前記ポンプ回転数演算手段によって演算される回転数との比に基づき、前記無段変速機の減速比を制御する減速比制御手段と
を備える、建設機械。 - 前記ポンプ回転数演算手段は、前記原動機の出力と、前記油圧ポンプから吐出される圧油の油圧とに基づいて前記油圧ポンプの回転数を演算する、請求項1に記載の建設機械。
- 前記原動機の出力を演算する出力演算手段をさらに備え、前記ポンプ回転数演算手段は、前記出力演算手段によって演算される前記原動機の出力を用いて前記油圧ポンプの回転数を演算する、請求項2に記載の建設機械。
- 前記コントロールバルブにおける圧油の油圧を検出する油圧検出手段をさらに備え、前記減速比制御手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧が所定値以上の場合には、前記無段変速機の減速比が徐々に目標値に近づくように前記減速比を制御する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建設機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008146075A JP2009293668A (ja) | 2008-06-03 | 2008-06-03 | 建設機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008146075A JP2009293668A (ja) | 2008-06-03 | 2008-06-03 | 建設機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009293668A true JP2009293668A (ja) | 2009-12-17 |
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ID=41542023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008146075A Pending JP2009293668A (ja) | 2008-06-03 | 2008-06-03 | 建設機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009293668A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011077714A1 (ja) * | 2009-12-25 | 2011-06-30 | 株式会社竹内製作所 | 交流電動機駆動制御装置 |
-
2008
- 2008-06-03 JP JP2008146075A patent/JP2009293668A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011077714A1 (ja) * | 2009-12-25 | 2011-06-30 | 株式会社竹内製作所 | 交流電動機駆動制御装置 |
JP2014224453A (ja) * | 2009-12-25 | 2014-12-04 | 株式会社竹内製作所 | 交流電動機駆動制御装置 |
JP5851843B2 (ja) * | 2009-12-25 | 2016-02-03 | 株式会社竹内製作所 | 交流電動機駆動制御装置 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Effective date: 20091014 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 |