JP2009123410A - 非水電解液電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】二酸化マンガンを正極活物質とし、金属リチウムあるいはその合金を負極活物質とする有機電解液電池において、低率放電末期の急激な放電電圧の降下と、強制放電時の電池の急激な温度上昇とを防止し、優れた放電性能と安全性を備えた有機電解液電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極中の導電剤の比表面積と、正極活物質である二酸化マンガンに対する電解液量を規定することで、放電反応での電解液の利用効率を良好にし、放電末期に電解液を枯渇させて電極体を抵抗体とすることで強制放電の進行を抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、二酸化マンガンを正極活物質とし、金属リチウムあるいはその合金を負極活物質とする非水電解液電池に関するものである。さらに詳しくは、放電末期での放電電圧の安定化と、過放電での急激な温度上昇の防止を両立させることを目的とした非水電解液電池に関する。
金属リチウムあるいはこの合金を負極活物質とし、二酸化マンガンを正極活物質とする二酸化マンガンリチウム電池は、単位体積当りのエネルギー密度が高く、長期保存特性に優れており、カメラの主電源やメモリーバックアップ電源として広く用いられている。
従来のこの種の電池では、帯状の負極と帯状の正極との間にセパレータを介在させ、負極が正極の外側に配されるように、渦巻状に巻回した電極体を備えている。渦巻状の電極体の最外周に位置する負極は、その内側のみが正極と対向しているので、電極体の内側に位置し、両面を正極で挟まれた部分と比較して、放電による消耗割合が少ない。このような電池の放電末期には、電極体の最外周部に負極が残存するが、この状態で残存容量の大きい電池と直列接続され強制的に放電されると、いわゆる過放電が起こり、残存する負極の金属リチウムは電解液に溶解して、正極側に電析することになる。この強制的な放電が続くと、正極側に電析した金属リチウムがセパレータを突き破り、内部短絡に至る。内部短絡が起こると、その短絡した部分に集中して大電流が流れ、急激な温度上昇に至る。
そこで、上記のような不具合を未然に防止するための第1の方法としては、図1に示すように、正極1の最外周端部近傍と、その内側に位置する負極2との間に、絶縁テープ10を貼り付けることで反応抑制層10bを設け、正極1の最外周端部近傍の外側のみが反応促進部として機能するような構成が提案されている(特許文献1)。この構成によれば、正極1は反応抑制層10bと対向する反応促進部において、外側の負極が選択的に反応する。このために、放電末期の段階で反応促進部と対向する負極集電体5近傍の負極2が、他の部分よりも早く消耗し、負極集電体5の接続部が、負極2の本体から切り離されて電極体が抵抗体となり、過放電にともなう急激な温度上昇を防止できるというものである。
また、第2の方法として、電流を担う電解質の移動速度を抑制すべく、分子量を大きなものとし、かつ電解質自体の発火性を抑える観点から、LiCn2n+1SO3(n≧2)で表せる電解質を用いることで、過放電時の急激な温度上昇を防止できるという提案がなされている(特許文献2)。
特開2001−85066号公報 特開平5−94826号公報
しかしながら、特許文献1のように、負極集電体近傍が、他の部分の負極より早く消耗するような構成においては、電流が小さい低率放電の場合には、図2に示したように、放電途中で放電電圧が急激に降下し、放電容量が低下するという課題があった。
低率放電では、高率放電のように負極全面で反応が進行するのでなく、負極集電体近傍などの集電効率のよい部分から放電反応が促進され、負極が消耗される。したがって、特許文献1のように負極集電体近傍が、他の部分の負極より早く消耗するような構成にする
と、より一層負極集電体近傍での負極の消耗が加速されて、放電途中に負極集電体と負極本体が切り離されることにより、放電電圧が急激に降下すると考えられる。
近年、電池を使用した機器には、電池電圧を測定し電池残存容量をチェックする機能を持つものが多いが、上記のように放電電圧が急激に降下すると、このような機能を電池の使用機器に持たせるのが困難になる。
また、特許文献2のように、電解質にLiCn2n+1SO3(n≧2)を用いるのは、この種の電池で一般的に用いられる安価なLiCF3SO3を用いた場合と比較して電池の製造コストが高価になる。
本発明は、上記のような従来の非水電解液電池の課題を解決するものであり、具体的には、低率放電された場合においても、放電電圧が急激に降下することがなく、放電容量に優れており、かつ過放電による電池の急激な温度上昇を防止することができる、安価な非水電解液電池を提供することを目的とする。
本発明は、金属リチウムあるいはその合金からなる負極と、活物質である二酸化マンガンと導電剤と結着剤とからなる正極と、セパレータと、有機電解液と、を具備した非水電解液電池であって、前記導電剤が、少なくとも1種類の黒鉛を含むカーボンからなり、そのBET比表面積が100m2/g以上300m2/g以下であり、かつ前記活物質である二酸化マンガン1gに対する前記有機電解液の体積が0.25ml以上0.28ml以下であることを特徴とするものである。
一般に、放電反応を進行させるには、正極と負極とセパレータとが電解液で濡れている状態を形成する必要があるが、放電反応が進行すれば、電解液が正極中の活物質である二酸化マンガン内に取り込まれていくので、正極と負極との間に遊離する電解液は減少する。従って、電解液の量をバランスよく設計して、放電末期に電解液を枯渇することができれば、電極体が抵抗体となり、過放電による電池の急激な温度上昇を防止することが可能になる。
しかし、電解液を保液しやすい性質であるケッチェンブラックなどの高比表面積のカーボンブラック(BET比表面積が700m2/g)を導電剤に用いた場合、低比表面積の黒鉛を導電剤に用いた場合と比べて、電池内に多量の電解液を注入しないと、正極と負極とセパレータの全体を濡らすことができないので、少量の電解液では放電容量が低下することになる。よって、電池の放電容量を確保しようとすると、多量の電解液を注入する必要があり、そのため放電末期に電解液を枯渇させることができないので、過放電による電池の急激な温度上昇を防止することは困難になる。また、放電容量を犠牲にして電池内に注入する電解液量を少量にしても、導電剤の保液性がよいために、電解液が電池内に均一に分散され難く、電極体最外周の正極に集中して多くの電解液が保液されると、過放電反応の進行を防止することが困難になる。
本発明の非水電解液電池によると、正極導電剤が少なくとも1種類の黒鉛を含むカーボンからなり、そのBET比表面積が100m2/g以上300m2/g以下にすることで、例えば、BET比表面積が700m2/gと高いケッチェンブラックの単体を導電剤に用いた場合と比べて、導電剤中に保液される電解液を低減させることができる。このため電池内への電解液の注入量が少ない場合でも、正極と負極とセパレータとを十分濡らす遊離電解液が存在することになるので、より高い電池容量を得ることができる。加えて、電池内で電解液が均一に分散されるので、正極中のある箇所に集中して多くの電解液が保液され難くなる効果を得る。さらに、正極活物質である二酸化マンガンの充填量1gに対して
電解液の体積を0.25ml以上0.28ml以下にすることで、放電末期に正極と負極間に存在する電解液を枯渇させることができ、放電末期の段階で負極集電体の接続部が、負極の本体から切り離されて、電極体が抵抗体となるような構成にしなくても、過放電反応の進行を防止することが可能になる。よって、放電末期の急激な放電電圧の降下も防止することが可能になる。また、この範囲の電解液量では、放電容量の著しい低下がなく、電池の実用上問題がない。
本発明によると、過放電での急激な温度上昇を防止することができ、かつ放電末期の電池の放電電圧が安定した高容量の非水電解液電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施例にかかる非水電解液電池の断面図であり、この非水電解液電池を下記のように作製した。
本発明は、前記のように、金属リチウムあるいはその合金からなる負極2と、活物質である二酸化マンガンと導電剤と結着剤とからなる正極1と、セパレータ3と有機電解液とを具備する非水電解液電池において、放電末期の段階で、負極集電体5の接続部が負極2の本体から切り離されて、電極体が抵抗体となる図1のような構成にしなくても、前記正極1の導電剤が少なくとも1種類の黒鉛を含むカーボンからなり、そのBET比表面積が100m2/g以上300m2/g以下とし、かつ正極活物質である二酸化マンガンの充填量1gに対して注入する電解液の体積を0.25ml以上0.28ml以下にすることで、強制放電時の急激な温度上昇を防止することが可能になり、放電末期の電池の放電電圧が安定した、安全で高容量の電池を提供できることを見出したものである。
その際、前記導電剤に、少なくとも1種類の黒鉛を含むBET比表面積が100m2/g以上300m2/g以下のカーボンを用いることで、導電剤中に保液される電解液量を低減できるので、電池内に電解液を多量に注入しなくても、正極と負極とセパレータの全体を均一に濡らすことが可能になり、高容量の電池を得ることができる。なお、高い導電性を持つケッチェンブラックを単体で使用した場合と比較して、導電剤の比表面積が小さくなることで、正極内の導電経路が形成され難く、電気抵抗が上がり放電容量が低下することが懸念されるが、この範囲の導電剤を用いれば電池の放電容量への影響はほとんどなく、好ましい。
また、BET比表面積が100m2/g未満では、電池内に電解液を多量に注入しなくても、導電剤中に保液される電解液量を低減でき、正極1と負極2とセパレータ3の全体を均一に濡らすことは可能になるが、導電剤による導電経路が十分に形成されず、導電性が低下し、正極内の電気抵抗が上がり、放電容量が低下するので、好ましくない。
一方、BET比表面積が300m2/gより大きくなると、導電剤の粒子間に保液される電解液量が多くなり、電池内に電解液を多量に注入しないと、正極1と負極2とセパレータ3の全体を均一に濡らすことが困難になるので、好ましくない。
さらに、正極活物質である二酸化マンガンの充填量1gに対して、注入する電解液の体積を0.25ml以上0.28ml以下にすることで、放電末期に電解液を枯渇させることができ、電極体が抵抗体となるので過放電反応を抑制し、強制放電時の急激な温度上昇を防止することが可能になる。なお、電解液量が少ないことで放電反応が進まず、放電容量が低下することが懸念されるが、この電解液量の範囲では電池の放電容量への影響はほとんどなく、好ましい。
また、0.25ml未満では、正極1と負極2とセパレータ3の全体を十分に濡らすことができず放電容量が低下するので、好ましくない。
一方、0.28mlより多くなると、放電末期に電解液を枯渇することができずに過放電反応が進行することになり、強制放電時の急激な温度上昇を防止することが困難になり、好ましくない。
本発明について詳細に説明すると以下の通りである。
まず、正極活物質である二酸化マンガンと導電剤の黒鉛とを混合した後、結着剤と水とを添加して混練を行い正極合剤を得る。活物質の二酸化マンガンとしては、電解二酸化マンガン、化学マンガンなどが挙げられ、BET比表面積が15m2/g〜40m2/gのものが二酸化マンガンの充填量と放電利用率が高くなり、高放電容量が得られるので、好ましい。また、導電剤であるカーボンとしては人造黒鉛、天然黒鉛などの黒鉛粉末、あるいは黒鉛粉末とアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックを混合したものが挙げられ、その配合量は二酸化マンガンの充填量が高く、かつ導電経路が形成されて正極中の電気抵抗が低減される量であればよいが、特に、二酸化マンガン100重量部に対して黒鉛が4〜8重量部であると好ましい。混合および混練機としては、プラネタリミキサーや高速攪拌型ミキサーなどの攪拌型ミキサーが装置例として挙げられる。次に、この正極合剤を、エキスパンドメタル、ネット、パンチングメタルなどの網目状あるいは細孔を有する電極芯材に充填、圧延した後、定寸に裁断し、正極合剤の一部分を剥離し、その部分に正極集電体4を溶接することで帯状の正極1を得る。
負極2は、負極集電体5を溶接または圧着した帯状の金属リチウムあるいはLi−Alなどのリチウム合金が用いられ、その量は極板単位面積あたりの正極の理論放電容量(極板単位面積あたりの二酸化マンガンの質量×308mAh)に対する極板単位面積あたりの負極の理論放電容量(極板単位面積あたりのリチウムの質量×3862mAh)の比(負極/正極)が、0.9〜1.2の範囲であると正負極の放電利用率が高くなり、好ましい。
電解液に用いる溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの高粘度溶媒と、1,2−ジメトキシエタンなどの低粘度溶媒の混合溶媒を使用することができる。また、電解質には、前記のLiCF3SO3の他に分子構造内にイミド結合を有するLiN(CF3SO22、LiN(C25SO2)などを使用することができる。
電極体は、帯状の負極2と帯状の正極1との間にセパレータ3を介在させ、負極2が正極1の外側に配されるように渦巻状に巻回することで得られ、負極缶に収納された後、電解液を注入し封口することで電池が構成される。なお電極体は、放電末期に負極集電体5と負極2の本体を切り離すような構成をとらない。
その他、電池を構成するにあたり、セパレータ3、封口板8、負極ケース9などは公知の材料を使用することができ、その形状や寸法には限定されない。また電池形状は円筒形、角形などの形状を採用でき、その形状に限定されるものではない。
(実施例1)
正極活物質である電解二酸化マンガン100重量部と、導電剤としてBET比表面積が240m2/gである黒鉛6重量部を高速攪拌型ミキサーで乾式混合し、これに結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン5重量部と純水30重量部とを加えて混練して、湿潤
状態の正極合剤を作製した。この湿潤状態の正極合剤を、厚み0.4mmのSUS444製エキスパンドメタルとともに、等速回転を行う2本の回転ロール間に通して、正極合剤をSUS444製エキスパンドメタルに充填後、乾燥、圧延してシートを作製した。得られたシートを、一定寸法に裁断し、中央部には合剤剥離部分を設け、SUS444製正極集電体を溶接し、幅26mm、長さ230mm、二酸化マンガンの充填量が6.5gである正極1を作製した。
次いで、金属リチウムに、エンボス加工を行ったFe−Niクラッドリードを圧着し、幅24mm、長さ240mm、厚み0.16mmの負極2を作製した。
前記正極1、負極2をポリプロピレン製の微多孔膜セパレータ3を介して渦巻き状に巻き取り、これを電池ケース9に挿入した。そして、前記電池ケース9に、プロピレンカーボネートと1,2ジエトキシエタンとの混合溶媒(溶媒容積比;プロピレンカーボネート4:1.2ジエトキシエタン6)に電解質としてのLiCF3SO3を0.7mol/l溶解させた有機電解液を1.7ml注液して、二酸化マンガン1gに対する電解液量を0.26mlとし、その後封口して直径17mm、高さ33.5mmの円筒形電池を作製し、電池1とした。
(実施例2)
導電剤を、BET比表面積240m2/gの黒鉛5.5重量部と、BET比表面積700m2/gのケッチェンブラック0.5重量部によりBET比表面積278m2/gの混合物6重量部とした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池2とした。
(実施例3)
導電剤を、BET比表面積240m2/gの黒鉛4重量部と、BET比表面積70m2/gのアセチレンブラック2重量部によりBET比表面積183m2/gの混合物6重量部とした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池3とした。
(実施例4)
導電剤を、BET比表面積240m2/gの黒鉛2重量部と、BET比表面積15m2/gの黒鉛4重量部によりBET比表面積127m2/gの混合物6重量部とした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池4とした。
(実施例5)
電解液の注入量を1.65mlとして二酸化マンガン1gに対する電解液量を0.25mlとした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池5とした。
(実施例6)
電解液の注入量を1.8mlとして二酸化マンガン1gに対する電解液量を0.28mlとした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池6とした。
(比較例1)
導電剤を、BET比表面積700m2/gのケッチェンブラック6重量部とした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池7とした。
(比較例2)
導電剤を、BET比表面積700m2/gのケッチェンブラック6重量部とし、電解液の注入量を2.0mlとして二酸化マンガン1gに対する電解液量を0.31mlとした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池8とした。
(比較例3)
導電剤を、BET比表面積240m2/gの黒鉛4重量部と、BET比表面積700m2/gのケッチェンブラック2重量部によりBET比表面積393m2/gの混合物6重量部とした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池9とした。
(比較例4)
導電剤を、BET比表面積240m2/gの黒鉛2重量部と、BET比表面積15m2/gの黒鉛4重量部によりBET比表面積90m2/gの混合物6重量部とした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池10とした。
(比較例5)
電解液の注入量を2.0mlとして二酸化マンガン1gに対する電解液量を0.31mlとした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池11とした。
(比較例6)
電解液の注入量を1.5mlとして二酸化マンガン1gに対する電解液量を0.23mlとした以外は、実施例1の電池と同様にして電池を作製し、これを電池12とした。
以上のようにして作製した電池1〜電池12について、1kΩの定抵抗放電で、終止電圧2.0Vまで放電を行った。さらに、放電後の電池と未使用電池を直列に繋いで短絡させ、放電済み電池を強制放電した。それらの試験での放電時間と強制放電時の急激な温度上昇により、過度に発熱した電池の発生率の結果を表1に示す。なお、放電末期に負極集電体5と負極2の本体を切り離すような構成ではないので、何れの電池においても放電途中で急激に放電電圧が降下することはなかった。
Figure 2009123410
導電剤にBET比表面積が700m2/gであるケッチェンブラックを単体で使用した電池7は、導電剤の保液性が良いために、正極1と負極2とセパレータ3の全体を電解液で均一に十分濡らすことができず、導電剤に少なくとも1種類の黒鉛を含んだBET比表
面積が100m2/g以上300m2/g以下であるカーボンを用いた電池1〜電池4に比べて、同じ電解液量でありながら放電時間が短くなった。これは本実施例が、黒鉛を含む低い比表面積の導電剤を使用することで、電解液の分散性が良くなり、少ない電解液量でも高容量の電池を得られることを示している。
また、電池7は電解液の分散性が悪く、局部的に集中して電解液が偏在するために、放電末期に電解液を部分的には十分に枯渇させることができず、強制放電時に急激な温度上昇が発生したと考えられる。さらに、電池8のように、電解液量を多くして電解液の偏在を抑制しても、全体的に電解液量が多いために電解液を枯渇させることができず、強制放電時に急激な温度上昇が発生したと考えられる。
一方、本実施例の電池1〜6は、導電剤の保液性が弱いために、電池内に電解液が均一に分散されるので、電解液量をバランスよく設計することで、放電末期に電解液を枯渇させて強制放電時の急激な温度上昇を防止できることを示している。
なお、電池9のように導電剤のBET比表面積を300m2/gより大きくすると、電池内の電解液の分散性が悪くなり、強制放電時の急激な温度上昇を防止することができないので、好ましくない。一方、電池10のようにBET比表面積を100m2/gより小さくすると、正極内の導電経路が形成され難く、電気抵抗が上がり放電容量が低下するので、好ましくない。よって、導電剤は、少なくとも1種類の黒鉛を含むBET比表面積が100m2/g以上300m2/g以下であるカーボンが好ましい。
しかし、前記の導電剤を用いた場合であっても電池11のように二酸化マンガン1gに対する電解液量が0.28mlより多くすると、放電末期に電解液を枯渇することができず強制放電時の急激な温度上昇を防止することができないので、好ましくない。一方、電池12のように0.23mlより少なくすると、正極1と負極2とセパレータ3とを濡らす遊離電解液が不足して放電容量が低下するので、好ましくない。よって、前記導電剤を用いて二酸化マンガン1gに対する電解液の体積を0.25ml以上0.28ml以下にするのが好ましい。
本発明によって製造された非水電解液電池は、低率放電時においても放電末期での放電電圧を安定化することができ、また強制放電時の急激な温度上昇を防止することができるので、電池電圧を測定し電池残存容量をチェックする機能や、電池の直列使用を必要とする産業機器において有用である。
従来技術に係る非水電解液電池の電極体構成図 従来技術に係る低率放電時の放電カーブの図 本発明の実施例に係る非水電解液電池の断面図
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 正極集電体
5 負極集電体
6 上部絶縁板
7 下部絶縁板
8 封口板
9 電池ケース
10 絶縁テープ

Claims (1)

  1. 金属リチウムあるいはその合金からなる負極と、活物質である二酸化マンガンと導電剤と結着剤とからなる正極と、セパレータと、有機電解液と、を具備した非水電解液電池であって、前記導電剤が、少なくとも1種類の黒鉛を含むカーボンからなり、そのBET比表面積が100m2/g以上300m2/g以下であり、かつ前記活物質である二酸化マンガン1gに対する前記有機電解液の体積が0.25ml以上0.28ml以下であることを特徴とする非水電解液電池。
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