JP2009122520A - 異方性エッチングによる構造体の作製方法、及びエッチングマスク付きシリコン基板 - Google Patents

異方性エッチングによる構造体の作製方法、及びエッチングマスク付きシリコン基板 Download PDF

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Abstract

【課題】構造体の最終形状が目標形状と異なる形状にエッチングされることを防止して、構造体の不良品率を低減することができる異方性エッチングによる構造体の作製方法を提供する。
【解決手段】異方性エッチングによる構造体の作製方法では、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板100上に、凸部コーナを有する第1の構造体と該第1の構造体と開口部を介して隣接する第2の構造体とを少なくとも有する目標形状に対応する基本エッチングマスクと、第1の構造体のエッチングマスク103の凸部コーナから伸びて第2の構造体のエッチングマスク101と連結する補正エッチングマスク107a〜107dを形成する。更に、基本エッチングマスクと補正エッチングマスクを有する単結晶シリコン基板を異方性エッチングし目標形状を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、異方性エッチングによる構造体の作製方法、エッチングマスク付きシリコン基板などに関する。より詳細には、エッチングマスク付き単結晶シリコン基板、これを用いた光偏向器などのマイクロ構造体等の構造体の作製方法、この作製方法により作製された光偏向器等に関する。この光偏向器は、例えば、光の偏向走査によって画像を投影するプロジェクションディスプレイや、電子写真プロセスを有するレーザビームプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置に好適に利用されるものである。
従来、半導体プロセスによってシリコン基板から製造される微小機械部材は、マイクロメータオーダの加工が可能であり、これらを用いて様々な微小機能素子が実現されている。特に、この様な技術によって形成される光偏向器は、ポリゴンミラー等の回転多面鏡を使用した光走査光学系に比べ、次の様な特徴がある。すなわち、光偏向器を小型化することが可能であること、消費電力が少ないこと、等の特徴がある。
この種の提案例として、半導体プロセスの一つである異方性ウェットエッチング技術を用いて作製した光偏向器がある(特許文献1参照)。他方、異方性ウェットエッチング技術によってシリコン基板をエッチングして、所望の目標形状(基本エッチングマスクに対応する形状)にするための技術として、補正エッチングマスクを用いる提案例がある(特許文献2及び特許文献3参照)。
特開2002−321196号公報 特開平6−163511号公報 特開平7−58345号公報
しかしながら、シリコンの異方性ウェットエッチングにより目標形状を作製する場合、エッチング中やエッチング後に、基本エッチングマスクに繋がる補正エッチングマスクが剥がれたり、破壊されたりすることがある。そして、壊れた補正エッチングマスクが、形成されつつある目標形状に付着すると、最終形状が所望の目標形状と異なる形状になる可能性がある。
上記課題に鑑み、本発明の異方性エッチングによる構造体の作製方法は次の工程を有する。
(100)面を主面とする単結晶シリコン基板上に、凸部コーナを有する第1の構造体と該第1の構造体と開口部を介して隣接する第2の構造体とを少なくとも有する目標形状に対応する基本エッチングマスクと、前記第1の構造体のエッチングマスクの凸部コーナから伸びて前記第2の構造体のエッチングマスクと連結する補正エッチングマスクと、を形成する工程。
前記基本エッチングマスクと前記補正エッチングマスクを有する前記単結晶シリコン基板を異方性エッチングし前記目標形状を形成する工程。
また、上記課題に鑑み、本発明のエッチングマスクが形成された(100)面を主面とする単結晶シリコン基板は次の特徴を有する。
即ち、上記エッチングマスクは、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板上に、凸部コーナを有する第1の構造体と該第1の構造体と開口部を介して隣接する第2の構造体とを少なくとも有する目標形状に対応する基本エッチングマスクと、前記第1の構造体のエッチングマスクの凸部コーナから伸びて前記第2の構造体のエッチングマスクと連結する補正エッチングマスクである。
また、上記課題に鑑み、本発明の揺動体装置は次の特徴を有する。
即ち、揺動体装置は、支持体と、上記支持体に対して可動に支持された可動部と、上記支持体と上記可動部とをねじり軸回りに弾性的に連結する弾性支持部と、上記可動部を駆動する駆動手段とを有し、上記の構造体の作製方法により作製されることを特徴とする。
また、上記課題に鑑み、本発明の光偏向器は、上記揺動体装置と、上記可動部に設けられた光偏向素子とを有することを特徴とする。
また、上記課題に鑑み、本発明の画像形成装置などの光学機器は、上記光偏向器を有し、該光偏向器は、光源からの光ビームを反射・偏向し、該光ビームの少なくとも一部を感光体などの光照射対象物に入射させることを特徴とする。
本発明によれば、上記の如き補正エッチングマスクを用いるので、基本エッチングマスクに繋がる補正エッチングマスクが剥がれたり、破壊されたりする可能性が少なくなる。よって、エッチングで形成される構造体の最終形状が所望の目標形状と異なる形状になる可能性を低減でき、構造体の不良品率を低減することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
本発明の異方性エッチングによる構造体の作製方法や本発明のエッチングマスクが形成された(100)面を主面とする単結晶シリコン基板においては、基本的に、次の要件が満たされる必要がある。まず、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板上に以下のようなエッチングマスクを形成する。凸部コーナを有する第1の構造体と該第1の構造体と開口部を介して隣接する第2の構造体とを少なくとも有する目標形状に対応する基本エッチングマスク。前記第1の構造体のエッチングマスクの凸部コーナから伸びて前記第2の構造体のエッチングマスクと連結する補正エッチングマスク。そして、前記基本エッチングマスクと前記補正エッチングマスクを有する前記単結晶シリコン基板を異方性エッチングし前記目標形状を形成する。この際、前記補正エッチングマスクを形成した部分の単結晶シリコン基板はエッチングにより除去される。
また、補正エッチングマスクは屈折部を有する形状としてもよい。また、補正エッチングマスクは、[110]方向に伸びる形状を少なくとも有する形状としてもよい。また、補正エッチングマスクは、[100]方向に伸びる形状を少なくとも有する形状としてもよい。尚、本実施形態では凸部コーナを有する第1の構造体として図2に示す可動部203、第1の構造体と開口部を介して隣接する第2の構造体として図2に示す支持部201を実施形態として示すが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、本発明は凸部コーナを有する第1の構造体と該第1の構造体と開口部を介して隣接する第2の構造体とを少なくとも有するマイクロ構造体であれば、どのようなものにも適用することができる。例えば、マイクロマシン技術を用いて作製した加速度センサや角速度センサ等のマイクロ構造体にも適用することができる。
図1(a)は、本発明の一実施形態のマイクロ構造体などの構造体のエッチングマスクを示す上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−B断面図である。また、図2−1は、異方性エッチング溶液によって単結晶シリコン基板をエッチングして作製するマイクロ構造体などの構造体を示す上面図であり、図2−2はその断面図である。また、図3は、本実施形態の補正エッチングマスクの一部の拡大上面図であり、補正エッチングマスクの下の単結晶シリコン基板が異方性エッチング溶液によってどの様にエッチングされるかを説明するための図である。
本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、支持体201(第2の構造体)と、弾性支持部202a、202bと、ねじり軸207回りに揺動可能な可動部203(第1の構造体)とを有する図2−1に示す様なマイクロ揺動体が目標形状である。このマイクロ構造体は、反射面204を有し、図2−2に示す様な磁性体205及びコイル206を有するので、反射面204で入射光を反射偏向する光偏向器として利用することができる。本実施形態の適用範囲は、微小なマイクロ構造体に限らないが、以下の説明ではマイクロ構造体として説明する。
本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板を異方性ウェットエッチングすることによって、目標形状が形成される。異方性ウェットエッチングとは、特定の結晶方位に対してエッチングが進まない性質を有するエッチング液を用いるエッチングであり、特定の結晶面を基準とした微細構造、即ちこうした結晶面で画された構造体を非常に高い加工精度で作製することができる。異方性エッチング液には、KOH(水酸化カリウム)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)、EDP(エチレンジアミンピロカテコール+水)、NaOH(水酸化ナトリウム)、ヒドラジン等がある。
異方性エッチング溶液で単結晶シリコン基板をエッチングする場合、目標形状に忠実な形状にシリコン基板をエッチングするために、目標形状に対応する基本エッチングマスクと共に、目標形状の凸部コーナを保護するための補正エッチングマスクが用いられる。つまり、補正エッチングマスクは、シリコン基板を目標形状に加工するまでエッチングしている間、目標形状の凸部コーナがエッチングされてしまうのを防止する。このために、凸部コーナと連結される補正エッチングマスクの端部は、凸部コーナの形状が無くなる様に凸部コーナと連結される。図1の実施形態において、基本エッチングマスクは、支持体201、弾性支持部202a、202b、可動部203に夫々対応する部分101、102a、102b、103(以下において、こうしたマスク部分を支持体101などと記すこともある)を含む。また、補正エッチングマスクは、部分107a、107b、107c、107dを含む(以下において、部分107aなどを補正エッチングマスクなど107aと記すこともある)。こうして、図2−1に示す支持部201、弾性支持部202a、202b、可動部203が作製されるまで、図1の補正エッチングマスク107a、107b、107c、107dが可動部203の凸部コーナがエッチングされるのを防止する。
本実施形態のマイクロ構造体の作製方法を説明する。まず、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板100の両面に、マスク材料を成膜する。マスク材料は、シリコン基板が異方性エッチング溶液でエッチングされている間、消失しない材料であればよい。例えば、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等である。マスク材料をフォトリソグラフィ及びパターニングすることによって、図1(a)及び図1(b)に示す様なマスクパターンを形成することができる。マスクパターン形成後、シリコン基板100を異方性エッチング溶液に浸すことによって、図2−1に示す様な最終形状を形成することができる。この際、シリコン基板100の側面がエッチング溶液に晒される場合には、側面にもマスク材料を成膜しておく。なお、マスクパターンは単結晶シリコン基板100の片面だけに形成し、その他の面はマスク材料を成膜しておいて、エッチングを実行することもできる。ただし、この場合は、エッチングのされ方が図10に示すものとは異なる。また、一枚のシリコン基板上に、マイクロ構造体を複数並べて作製することができる。その場合、各マイクロ構造体は隣接しているので、シリコン基板の側面にもマスク材料を成膜しておけばよい。
本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、補正エッチングマスク107a、107b、107c、107dは、基本エッチングマスクである可動部103及び支持部101と連結する。このうち、補正エッチングマスク108a、108b、108c、108dは、一端部が可動部の基本エッチングマスク103の凸部コーナと連結し、且つ[110]方向に伸びている長方形の形状を有する。補正エッチングマスク108a、108b、108c、108dの他端部は、屈折部110a、110b、110c、110dとなっていて、補正エッチングマスク109a、109b、109c、109d、109e、109f、109g、109hと連結する。補正エッチングマスク109a、109b、109c、109d、109e、109f、109g、109hは、[100]方向に伸びており、支持部の基本エッチングマスク101と連結する。本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、補正エッチングマスクは屈折部ないし分岐部を有していればよく、屈折部から[100]方向に伸びたエッチングマスクでなくともよい。例えば、[100]方向と[110]方向の間の方向に伸びていてもよい。なお、結晶方位120について、結晶の等価方位、等価面は同じ表記をする。例えば、[001]方向も[100]方向と表記する。
この様に、補正エッチングマスク107a、107b、107c、107dは、夫々、目標形状の開口部中を伸びて複数(ここでは三つ)の端部を有し、そのうちの少なくとも二つの端部は、開口部を挟む両側において、基本エッチングマスクに連結される。そして、各補正エッチングマスクの一端部は基本エッチングマスクの凸部コーナと連結されている。
本実施形態のマイクロ構造体の作製方法における補正エッチングマスクの作用・効果を説明する。図3は、図1の補正エッチングマスクの部分107aにおけるエッチング過程を拡大して示し、図1の対応する部分を3百番台の数字で示す図である。図3(a)に示す様に、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板300上に可動部の基本エッチングマスク303と支持部の基本エッチングマスク301が形成される。更に、補正エッチングマスク308、309a、309bが形成され、可動部303と支持部301と連結している。
図3(b)に示す様に、シリコン基板300を異方性ウェットエッチング溶液に浸すと、紙面垂直方向[100]方向にエッチングが進むと共に、主に、補正エッチングマスク309a、309b下のシリコンもエッチングされていく(破線で示す)。更にエッチングが進むと、図3(c)に示す様に、マスク部分309a、309b下のシリコン基板はエッチングされてしまい、補正エッチングマスク308下のシリコン部分がエッチングされる(破線で示す)。最終的に、図3(d)に示す様に、可動部の基本エッチングマスク303下のシリコン部分が残り、最終形状となる。最終形状では、補正エッチングマスク下のシリコンを完全にエッチングする間に、サイドエッチングが進み、凸部が僅かにエッチングされて図3(d)の破線で示すサイドエッチング部311が形成される。補正エッチングマスクは、基本エッチングマスクに連結されているので、最終形状が作製されて補正エッチングマスクの下にシリコンがなくなっても、補正エッチングマスクの両端部は基本エッチングマスクと連結している。
一方、比較例として、マイクロ構造体の最終形状を作製するために図8に示すエッチングマスクを用いるとする。図8に示す補正エッチングマスク707a、707b、707c、707dの一端部は、基本エッチングマスク703の凸部コーナと連結している。他方、補正エッチングマスク707a、707b、707c、707dの他端は、どこにも連結していない。図9は、図8の補正エッチングマスクの一部の拡大図である。なお、図8において、図1の対応する部分を7百番台の数字で示す。
こうして、比較例では、図9(a)に示す様に、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板上に可動部の基本エッチングマスク703と補正エッチングマスク707aが形成されている。補正エッチングマスク707aの一端は基本エッチングマスク703の凸部コーナと連結しているが、他端は基本エッチングマスクと連結していない。図9(b)、(c)に示す様に、シリコン基板700を異方性ウェットエッチング溶液に浸すと、紙面垂直方向[100]方向にエッチングが進むと共に、補正エッチングマスク707a下のシリコンもエッチングされていく(破線で示す)。最終的に、図9(d)に示す様に、可動部の基本エッチングマスク703下のシリコン部分が残り、最終形状となる。
図10は、図8のA−B断面図である。図10(a)は、エッチングマスクが形成されたシリコン基板700の断面図であり、図10(b)は、エッチングが終了した時のシリコン基板700の断面図である。この比較例では、図10(b)に示す様に、エッチング終了時の補正エッチングマスク707a、707b、707e、707f下のシリコンがエッチングされて、補正エッチングマスクが片支持状になっている。従って、補正エッチングマスクは非常に壊れやすい。また、補正エッチングマスクは、その下のシリコンがエッチングされてシリコン基板がないと共に、補正エッチングマスクの厚みは、サブミクロンオーダーであり非常に薄いため、非常に壊れやすくなっている。また、成膜時にマスク材料には残留応力があるために、シリコン基板がエッチングされた後は、応力によって補正エッチングマスクが変形しやすい。なお、図10において、701a、701b、703a、703bは、シリコン基板700の上下面上の基本エッチングマスクを示す。
こうした理由で、図9(c)の様に、補正エッチングマスク707a、707b、707e、707fがエッチング途中に壊れて、エッチングされるシリコン部分に付着した場合、付着されたシリコンはエッチングされなくなる。また、他のエッチングマスク上に付着した場合は、付着した部分の厚みは二倍になってしまう。従って、エッチングマスクを剥離する工程において、付着した部分にマスク材料が残ってしまったり、剥離工程時間を二倍にしたりする必要がある。剥離時間を長くした場合、シリコン部分も削れてしまうことがある。この様に、最終形状が所望の目標形状と異なる形状になり易くなる。
これに対して、本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、補正エッチングマスクが基本エッチングマスクに連結されて壊れ難くなっている。よって、最終形状を作製した後の補正エッチングマスクは強固であり、補正エッチングマスクの破壊の可能性を低減することができる。こうして、マイクロ構造体が目標形状と異なる形状となる不良品率を低減することができる。
また、本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、補正エッチングマスクは少なくとも一箇所の屈折部を有し、[110]方向に伸びた長方形部分を有している。
例えば、補正エッチングマスクが屈折部を有さず、[100]方向に伸びた長方形のみで形成される場合、補正エッチングマスク下のシリコンがエッチングされて消失する時間は補正エッチングマスクの幅に依存する。従って、シリコンを最終形状に加工する時間(エッチング時間)が長い場合は、補正エッチングマスクの幅を太くする必要がある。幅が太い補正エッチングマスクは、基本エッチングマスク(目標形状)が小さい場合には適用することが難しい。また、補正エッチングマスクの幅を太くして長さが短い場合、エッチング途中でエッチング速度の非常に遅い(111)面が露出しエッチングが進まなくなったり、エッチングが不安定になったりする可能性がある。従って、シリコンを目標形状に加工するためには、補正エッチングマスクの長さも長くしなければならなくなり易い。これによって、一枚のシリコンウェハから作製できる最終形状のマイクロ構造体の数が減少するため、コスト上昇を招き易い。更に、補正エッチングマスク下のシリコンが完全にエッチングされずに残る可能性もある。ただし、目標形状に依っては、こうした[100]方向に基本エッチングマスクの凸部コーナから伸びた長方形のみで形成された壊れ難い補正エッチングマスクを用いることもできるので、本発明はこうした形態を排除するものではない。
一方、補正エッチングマスクが屈折部を有さず、[110]方向に伸びた長方形のみから構成される場合、エッチング速度の遅い(111)面が露出して、補正エッチングマスクの下のシリコンがエッチングされなくなる可能性がある。従って、シリコンを最終形状に加工することが難しいので、補正エッチングマスクとして機能することが困難である。[110]方向に伸びた補正エッチングマスクをシリコンウェハの両面に形成し、シリコンウェハの両面からエッチングした場合のみ、補正エッチングマスクの下のシリコンをエッチングすることができることがある。しかし、その場合でも、エッチング中に様々な結晶面が露出するため、エッチングが不安定になり易い。更に、補正エッチングマスクが機能する時間を長くすることができないので、エッチング時間が長い場合、補正エッチングマスクとして機能しない可能性がある。従って、こうした形態も好ましいものではないが、伸張方向を[110]方向から僅かでも傾ける場合は補正エッチングマスクとして使用できる場合もあり得る。よって、場合に依っては、この様な形態の壊れ難い補正エッチングマスクを用いることもできるので、本発明はこうした形態も排除するものではない。
上述した様に、本実施形態では、補正エッチングマスクは少なくとも一箇所の屈折部ないし分岐部を有し、[110]方向に伸びた長方形部分を有している。従って、最初に、[110]方向に伸びた長方形部分以外の屈折した箇所より、先端部分の補正エッチングマスク下のシリコンがエッチングされる。その後、[110]方向に伸びた長方形部分がエッチングされ、目標形状が実現される。
つまり、本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、補正エッチングマスクの両端部が基本エッチングマスクに連結しており、シリコン基板を目標形状に加工できると共に、マイクロ構造体の不良品率を低減できる。従って、マイクロ構造体の製造コストを大幅に低減することができる。更に、補正エッチングマスクの大きさを小さくすることができるので、シリコン基板を小さな最終形状に加工することもできると共に、一枚のウェハから作製できるマイクロ構造体の数を増やすことができる。
更に、本実施形態は、補正エッチングマスクの他端部が、[100]方向に伸びている形状を有し、且つ基本エッチングマスクと連結されているマイクロ構造体の作製方法である。図3に示す様に、本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、[110]方向に伸びた長方形部分の屈折した部分より先の部分からエッチングが進む。この部分が[100]方向に伸びていれば、エッチング方向は[100]方向となり、補正エッチングマスクとして機能する時間は、幅のみで決まる。一方、この部分が、他の方向([100]方向と[110]方向の間)の場合、様々な面がエッチング中に現われ易いため、安定したエッチングを行うことができずエッチング時間が不安定になり易い。従って、本実施形態のマイクロ構造体の作製方法では、安定したエッチングが可能となる。更に、[100]方向に伸びた長方形部分の幅を太くして、[110]方向に伸びた長方形部分の長さを短くすることによって、補正エッチングマスクの大きさを小さくすることもできる。
また、補正エッチングマスクは、第1の構造体(可動部)のマスク103の凸部コーナから[110]方向に伸びると共に、[100]方向に分岐したそれぞれの補正エッチングマスクが第2の構造体(支持部)のマスク101と連結したY字形状を有してもよい。すなわち、補正エッチングマスクは少なくとも三つの端部を有し、端部の全てが基本エッチングマスクと連結されているマイクロ構造体の作製方法とすることもできる。本実施形態では、図1に示す様に、補正エッチングマスクの形状を三つの端部を有するY字形状にし、全ての端部を基本エッチングマスクに連結している。こうした基本エッチングマスクを用いる作製方法によって、エッチング中やエッチング後に補正エッチングマスクが剥がれたり、破壊されたりすることを、より確実に防止することができる。よって、マイクロ構造体の不良品率を更に低減することができる。なお、例えば、図1の破線で示す様に、更に屈折部を設けて四つ以上の端部を有する補正エッチングマスクとした場合、補正エッチングマスクが更に破壊され難くなる。
また、補正エッチングマスクの凹部に曲率(すなわち丸み)を付与するマイクロ構造体の作製方法とすることもできる。この作製方法によって、補正エッチングマスクの凹部への応力集中を緩和することができるので、より一層、補正エッチングマスクが破壊されるのを防止することができる。
また、基本エッチングマスク及び補正エッチングマスクを単結晶シリコン基板の両面に形成するマイクロ構造体の作製方法とすることもできる。この作製方法によって、両面に同じ形状のマイクロ構造体を作製することができる。両面に補正エッチングマスクが存在し、補正エッチングマスクが壊れる可能性は多少増えるが、従来例よりは不良品率を低減することができる。
更に、本実施形態のマイクロ構造体の作製方法により、支持体と、可動部と、支持体と可動部とをねじり軸回りに弾性的に連結する弾性支持部と、可動部を駆動させる駆動手段とを有するマイクロ揺動体を作製することができる。図2−2に示す様な磁性体205及びコイル206が駆動手段を構成する。この作製方法により作製されるマイクロ揺動体の不良品率を低減することができるので、比較的安価なマイクロ揺動体を提供することができる。
また、上記マイクロ揺動体の可動部上に光偏向素子を設けて光偏向器を作製することもできる。光偏向器では、図2−2に示す様な反射面204で入射光を反射偏向する。ここでも、光偏向器の不良品率を低減できるので、安価な光偏向器を提供することができる。
更に、光源と、上記光偏向器と、感光体などの光照射対象物とを有し、光偏向器は光源からの光を偏向し、光の少なくとも一部を感光体などの光照射対象物上に入射させる画像形成装置などの光学機器を作製することもできる。ここでも、安価な光偏向器を用いているので、比較的安価な光学機器を提供することができる。
以下、図に沿って、本発明の具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1の光偏向器の構成、駆動方法、作製方法を図1、図2−1、図2−2を用いて説明する。図1(a)は、本実施例の光偏向器のエッチングマスクを示す上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−B断面図である。また、図2−1、図2−2は、異方性エッチング溶液によって、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板をエッチングして作製する光偏向器を説明する図である。
図2−1、図2−2に示す様に、本実施例の光偏向器は、支持体201と、可動部203と、弾性支持部202a、202bを有する。弾性支持部202a、202bは、可動部203を支持部201に対して、ねじり軸207回りに弾性的に連結している。可動部203上には、反射面204が形成されている。本実施例では、反射面204の材料はアルミニウムであり、真空蒸着により形成されている。しかし、反射面204は別の材質、例えば金、銅等でもよく、更に保護膜或いは誘電体多層膜を形成してもよい。例えば、可動部203は、ねじり軸207に垂直な方向の長さが1.3mm、ねじり軸207に平行な方向の長さが1.5mm、厚さが0.2mmである。光偏向器のチップ全長は、例えば、10mmである。
本実施例の光偏向器の駆動原理について説明する。図2−2に示す様に、可動部203は、硬磁性体205を有しており、ねじり軸207に対して垂直方向に磁化されている。コイル206に印加する電流は交流であり、交流の周波数に応じた磁場が発生し、この磁場が可動部203の硬磁性体205に力を及ぼす。こうして、可動部203にトルクが印加され、ねじり振動で光偏向器を駆動することができる。更には、本実施例の光偏向器が有する共振周波数と同じ交流電流をコイル206に流すことによって、低消費電力でねじり振動させることができる。
本実施例の作製方法を図1を用いて説明する。(100)面を主面とする単結晶シリコン基板100の両面に、窒化シリコン膜をLPCVD(Low Pressure CVD)によって約2000Å成膜する。窒化シリコン膜は、水酸化カリウム溶液に対して高い耐性を有するため、シリコン基板100が異方性エッチング溶液でエッチングされている間、消失しない。次に、図1に示すエッチングマスクパターンになる様に、フォトリソグラフィによって単結晶シリコン基板100の両面をパターニングする。その後、110℃に加熱した異方性エッチング溶液である水酸化カリウム溶液(30%重量濃度)によって、パターニングしたシリコン単結晶基板100をエッチングする。エッチング終了後、エッチングマスクである窒化シリコン膜をドライエッチングにより剥離する。最後に反射面となるアルミニウムを成膜することによって、図2−1に示す様な最終形状を形成することができる。
本実施例のマイクロ構造体の作製方法では、補正エッチングマスク107a、107b、107c、107dは、夫々、基本エッチングマスクである可動部103及び支持部101に連結している。補正エッチングマスク108a、108b、108c、108dの一端部は、夫々、可動部の基本エッチングマスク103の凸部コーナと連結し、且つその部分は[110]方向に伸びている長方形状を有する。更に、補正エッチングマスクの屈折部110a、110b、110c、110dから分岐した部分109a、109b、109c、109d、109e、109f、109g、109hは、夫々、支持部の基本エッチングマスク101と連結している。こうして、基本エッチングマスクである可動部103及び支持部101は、可動部103の凸部コーナを画する開口部を挟んで両側にあり、その間を補正エッチングマスクが架橋している。
本実施例のエッチング過程は、上述の実施形態の説明で図3を参照しつつ述べた通りである。
以上の様な補正エッチングマスクのパターンであるので、本実施例では次の如き効果が得られる。例えば、エッチング途中に補正エッチングマスクが破壊され、形成されつつある弾性支持部202a、202bに付着した場合、弾性支持部の形状が悪化し、弾性支持部が壊れやすくなってしまう。また、形成されつつある可動部203上に付着した場合、反射面に段差が発生してしまい、光偏向器の光学特性を劣化させる。本実施例では、エッチングマスクの上記開口部を横切るY字形状の補正エッチングマスクの全ての端部(ここでは三つ)が基本エッチングマスクに連結している。そのため、エッチング中或いはエッチング後の洗浄工程において、補正エッチングマスクが破壊することを確実に低減できる。従って、90%以上の歩留まりを実現できる。
(実施例2)
実施例2のマイクロ構造体の作製方法を図4を用いて説明する。図4は、本実施例のマイクロ構造体のエッチングマスクを示す上面図である。実施例2のマイクロ揺動体の構成は、実施例1の光偏向器の構成と略同様である。本実施例のマイクロ構造体の作製方法の特徴は、補正エッチングマスクの凹部に曲率(丸み)が付与されていることである。
本実施例のマイクロ構造体の作製方法では、鉤形状の補正エッチングマスク407a、407b、407c、407dは、夫々、基本エッチングマスクである可動部403及び支持部401に連結している。基本エッチングマスクは、支持体に対応する部分401と、可動部に対応する部分403と、弾性支持部に対応する部分402a、402bを有する。
補正エッチングマスク408a、408b、408c、408dは、夫々、可動部の基本エッチングマスク403の凸部コーナと連結し、且つ[110]方向に伸びている長方形状を有する。また、補正エッチングマスク409a、409b、409c、409dは、支持部の基本エッチングマスク401と連結している。補正エッチングマスクのこれらの端部も、[110]方向に伸びている形状を有して、前記凸部コーナに対する基本エッチングマスク401と連結している。更に、補正エッチングマスクの凹部には、曲率半径100μmのRが設けられている。
本実施例のエッチング過程は、次の様になる。シリコン基板400を異方性ウェットエッチング溶液に浸すと、紙面垂直方向[100]方向にエッチングが進むと共に、補正エッチングマスクの屈折部410a、410b、410c、410dの凸部コーナからエッチングが進む。更にエッチングが進むと、補正エッチングマスク407a、407b、407c、407d下のシリコン基板はエッチングされてしまい、最終的に、基本エッチングマスク下のシリコン部分が残り、最終形状となる。最終形状では、補正エッチングマスク下のシリコンを完全にエッチングする間に、サイドエッチングが進み、可動部403の凸部コーナが僅かにエッチングされてサイドエッチング部が形成される。ここでも、補正エッチングマスクの両端部は、基本エッチングマスクに連結されているので、最終形状が作製されて補正エッチングマスクの下にシリコンがなくなっても、補正エッチングマスクの両端は基本エッチングマスクと連結している。
本実施例の作製方法によって、補正エッチングマスクの凹部への応力集中を緩和することができるので、補正エッチングマスクが破壊されるのをより確実に防止することができる。
(実施例3)
実施例3のマイクロ構造体の作製方法及びマイクロ構造体を図5、図6、図7を用いて説明する。図5は、本実施例のマイクロ構造体のエッチングマスクを示す上面図であり、図6は、本実施例の補正エッチングマスクを説明するための上面図である。図7は、本実施例のマイクロ構造体の作製方法により作製した光偏向器の上面図である。実施例3のマイクロ揺動体の構成も、実施例1の光偏向器の構成と略同様である。
本実施例のマイクロ構造体の作製方法では、補正エッチングマスク507a、507b、507c、507dは、夫々、基本エッチングマスクである可動部503及び支持部501に連結している。また、補正エッチングマスク508a、508b、508c、508dは、可動部の基本エッチングマスク503の凸部コーナと連結し、且つ[110]方向に伸びている長方形状を有する。更に、[110]方向に対して斜めに伸びた補正エッチングマスク509a、509b、509c、509dは、支持部の基本エッチングマスク501と連結している。
この様に、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板500上に、凸部コーナと該凸部コーナを画する開口部とを有する目標形状の基本エッチングマスク501、503、502a、502b、及び補正エッチングマスクが形成されている。また、補正エッチングマスクは、上記目標形状の開口部中を伸びて、上記凸部コーナと連結された端部と、上記凸部コーナに対する基本エッチングマスクの部分501と連結された端部とを含む、
一部を示す図6を用いて説明すると、図6(a)に示す如く、(100)面を主面とする単結晶シリコン基板500上に、可動部の基本エッチングマスク503と支持部の基本エッチングマスク501が形成される。更に、補正エッチングマスク508a、509aが形成され、可動部の基本エッチングマスク503と支持部の基本エッチングマスク501とを連結している。
こうしたシリコン基板500を異方性ウェットエッチング溶液に浸すと、図6(b)に示す様に、紙面垂直方向[100]方向にエッチングが進むと共に、主に、補正エッチングマスク509a下のシリコンもエッチングされていく。そして、部分508aの凸部も僅かにエッチングされる(破線で示す)。更に、エッチングが進むと、図6(c)に示す様に、部分509a下のシリコン基板はエッチングされてしまい、補正エッチングマスク508a下のシリコン部分がエッチングされる。その際、補正エッチングマスク508a下のシリコン先端部512(破線で示す)は、可動部503の外周方向(紙面右側)になる。最終的に、図6(d)に示す様に、可動部の基本エッチングマスク503下のシリコン部分が残り、最終形状となる。最終形状では、補正エッチングマスク下のシリコンを完全にエッチングする間に、サイドエッチングが進み、凸部が僅かにエッチングされる(破線で示す)。このサイドエッチング量511は、補正エッチングマスク508a下のシリコン先端部512が、可動部503の外周方向(紙面右側)になるため、小さくなっている。従って、可動部の利用面積を大きくすることができる。
上記エッチング過程で、補正エッチングマスクは、基本エッチングマスクに連結されている。よって、最終形状が作製され、補正エッチングマスクの下にシリコンがなくなっても、補正エッチングマスクの両端部は基本エッチングマスクと連結している。従って、本実施例でも、上記実施例と同様な効果が得られる。
更に、上記の補正エッチングマスクを用いることによって、図7に示す様に可動部603の凸部コーナのサイドエッチング量を少なくすることができる。従って、反射面604として利用できる領域を増やすことができる。本実施例の光偏向器も、支持体601と、可動部603と、弾性支持部602a、602bを有する。弾性支持部602a、602bは、可動部603を支持部601に対して、ねじり軸回りに弾性的に連結している。
本実施例において、補正エッチングマスクの屈折部510a、510b、510c、510dには、直角を成す凸部が形成されているが、図6(c)の一点鎖線で示す様な鈍角的な凸部が形成された屈折部としてもよい。ただし、この場合は、シリコン先端部512が図示の位置より多少図6(c)の左側に寄ってエッチングが進行するので、補正エッチングマスク508a下の図6(d)に示すシリコン先端部512も、多少、可動部503の内周方向(紙面左側)になる。
(実施例4)
図11は上記光偏向器を用いた光学機器の実施例を示す図である。ここでは、光学機器として画像形成装置を示している。図11において、803は本発明による光偏向器であり、本実施例では入射光を1次元に走査する。801はレーザ光源である。802はレンズ或いはレンズ群であり、804は書き込みレンズ或いはレンズ群である。805は感光体、806は走査軌跡である。
レーザ光源801から射出されたレーザ光は、光の偏向走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けて、光偏向器803により1次元的に走査される。この走査されたレーザ光は、書き込みレンズ804により、感光体805上へ画像を形成する。感光体805は図示しない帯電器により一様に帯電されており、この上に光を走査することでその部分に静電潜像が形成される。次に、図示しない現像器により静電潜像の画像部分にトナー像が形成され、これを例えば図示しない用紙に転写・定着することで用紙上に画像が形成される。低い不良品率で作製できる本発明の光偏向器を利用した画像形成装置であるので、比較的安価に画像形成装置を提供できる。
本発明の光偏向器は、他の光学機器にも使用できて、これらの装置において、光源からの光ビームを反射・偏向し、該光ビームの少なくとも一部を光照射対象物に入射させる。こうした光学機器としては、レーザビームプリンタなどの画像形成装置の他に、画像表示装置、バーコードリーダー等の光ビームを走査する機械装置などがある。
(a)は本発明の実施形態及び実施例1におけるエッチングマスクを説明するための上面図であり、(b)は(a)のA−B断面図である。 本発明のマイクロ構造体の作製方法により作製した実施例1のマイクロ揺動体ないし光偏向器の上面図である。 図2−1の断面図である。 (a)は本発明の実施例1における補正エッチングマスクの一部を説明するための上面図であり、(b)は補正エッチングマスクの一部での初期のエッチング過程を説明するための上面図であり、(c)は補正エッチングマスクの一部での中期のエッチング過程を説明するための上面図であり、(d)は補正エッチングマスクの一部での終期のエッチング過程を説明するための上面図である。 本発明の実施例2におけるエッチングマスクを説明するための上面図である。 本発明の実施例3におけるエッチングマスクを説明するための上面図である。 (a)は本発明の実施例3における補正エッチングマスクの一部を説明するための上面図であり、(b)は補正エッチングマスクの一部での初期のエッチング過程を説明するための上面図であり、(c)は補正エッチングマスクの一部での中期のエッチング過程を説明するための上面図であり、(d)は補正エッチングマスクの一部での終期のエッチング過程を説明するための上面図である。 本発明のマイクロ構造体の作製方法により作製した実施例3のマイクロ揺動体ないし光偏向器の上面図である。 比較例を説明するためのエッチングマスクの上面図である。 比較例を説明するための補正エッチングマスクの一部でのエッチング過程を説明する上面図である。 比較例を説明するための図8のA−B断面図である。 本発明の画像形成装置を説明するための斜視図である。
符号の説明
100、300、400、500 単結晶シリコン基板
101、301、401、501 支持部の基本エッチングマスク
102a、102b、402a、402b、502a、502b 弾性支持部の基本エッチングマスク
103、303、403、503 可動部の基本エッチングマスク
107a〜107d、407a〜407d、507a〜507d 補正エッチングマスク
108a〜108d、308、408a〜408d、409a〜409d、508a〜508d [110]方向に伸びた補正エッチングマスク
109a〜109h、309a、309b、509a〜509d [100]方向に伸びた補正エッチングマスク
110a〜110d、310a、410a〜410d、510a〜510d 補正エッチングマスクの屈折部
201、601 支持部(第2の構造体)
202a、202b、602a、602b 弾性支持部
203、603 可動部(第1の構造体)
204、604 光偏向素子(反射面)
205 駆動手段(永久磁石)
206 駆動手段(コイル)
207 ねじり軸
801 光源(レーザ光源)
803 本発明の光偏向器
805 光照射対象物(感光体)

Claims (11)

  1. (100)面を主面とする単結晶シリコン基板上に、凸部コーナを有する第1の構造体と該第1の構造体と開口部を介して隣接する第2の構造体とを少なくとも有する目標形状に対応する基本エッチングマスクと、前記第1の構造体のエッチングマスクの凸部コーナから伸びて前記第2の構造体のエッチングマスクと連結する補正エッチングマスクと、を形成する工程と、
    前記基本エッチングマスクと前記補正エッチングマスクを有する前記単結晶シリコン基板を異方性エッチングし前記目標形状を形成する工程と、
    を有する構造体の作製方法。
  2. 前記基本エッチングマスクと前記補正エッチングマスクを有する前記単結晶シリコン基板を異方性エッチングし目標形状を形成する工程は、前記補正エッチングマスクを形成した部分の単結晶シリコン基板を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の構造体の作製方法。
  3. 前記補正エッチングマスクは、屈折部を有することを特徴とする請求項1または2記載の構造体の作製方法。
  4. 前記補正エッチングマスクは、[110]方向に伸びる形状を少なくとも有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の構造体の作製方法。
  5. 前記補正エッチングマスクは、[100]方向に伸びる形状を少なくとも有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の構造体の作製方法。
  6. 前記補正エッチングマスクは、前記第1の構造体のエッチングマスクの凸部コーナから[110]方向に伸びると共に、[100]方向に分岐したそれぞれの補正エッチングマスクが前記第2の構造体のエッチングマスクと連結するY字形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の構造体の作製方法。
  7. 前記補正エッチングマスクの凹部は曲率を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の構造体の作製方法。
  8. (100)面を主面とする単結晶シリコン基板上に、凸部コーナを有する第1の構造体と該第1の構造体と開口部を介して隣接する第2の構造体とを少なくとも有する目標形状に対応する基本エッチングマスクと、前記第1の構造体のエッチングマスクの凸部コーナから伸びて前記第2の構造体のエッチングマスクと連結する補正エッチングマスクと、を有することを特徴とするエッチングマスク付きシリコン基板。
  9. 支持体と、前記支持体に対して可動に支持された可動部と、前記支持体と前記可動部とをねじり軸回りに弾性的に連結する弾性支持部と、前記可動部を駆動する駆動手段とを有する揺動体装置であって、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の構造体の作製方法により作製されることを特徴とする揺動体装置。
  10. 請求項9に記載の揺動体装置と、前記可動部に設けられた光偏向素子と、を有することを特徴とする光偏向器。
  11. 請求項10に記載の光偏向器を有し、
    前記光偏向器は、光源からの光ビームを反射・偏向し、該光ビームの少なくとも一部を光照射対象物に入射させる、
    ことを特徴とする光学機器。
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