JP2006130598A - はり構造体製作方法およびはり構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステップ部を有するはり構造体をウエットエッチングによって一体的に製作する技術において、そのステップ部のうちの肩部の位置を制御する。
【解決手段】ステップ部160を有するはり構造体144をウエットエッチングによって製作するために、被エッチング材400にマスクパターン450をコーティングする。そのマスクパターンは、(a)被エッチング材が侵食されずに残る予定残存部分500の表面を覆う基本パターン510と、(b)被エッチング材のうちそれの厚さ方向の途中まで侵食される予定半侵食部分504と、被エッチング材のうちそれの厚さ方向に貫通するまで侵食される予定貫通部分502のうちその予定半侵食部分をはり構造体の幅方向両側から挟む両側部分506,506とのうちの少なくとも両側部分506,506の表面を覆う補償パターン512とを有するものとする。
【選択図】図10

Description

本発明は、1次元的に延びるはり構造体をエッチングによって製作する技術に関するものであり、特に、長さ方向における一部分にステップ部を有するはり構造体をエッチングによって一体的に製作する技術に関するものである。
例えば、光によって画像を形成する分野においては、光の走査、または眼を通して観察者によって知覚される虚像の奥行きの制御を目的として、光の進行方向または波面曲率を高精度で変化させるためにはり構造体が使用される場合がある。このはり構造体は例えば、光の走査のために、そのはり構造体に平行な一直線まわりにねじり振動させられ、また、波面曲率の変調のために、そのはり構造体の表面に直角な一直線方向において縦振動させられる。
この種のはり構造体は、光の走査または虚像の奥行きの制御を目的として使用される場合には、例えば、光が入射する反射面を有する板状の反射ミラー部と、その反射ミラー部と同一平面に沿って延びる弾性変形部とを一体的に含むように構成される。この種のはり構造体の一従来例が特許文献1に開示されている。
特許第2981600号公報
本発明者らは、長さ方向における一部分にステップ部を有するはり構造体をウエットエッチングによって一体的に製作する技術について研究を行った。そのステップ部は、(a)はり構造体の基本表面と同一の高さを有する高部と、(b)その基本表面より低い低部であって、はり構造体の厚さ方向において高部から隔たるものと、(c)それら高部と低部との境界に位置してはり構造体を横断する肩部とを有している。
その研究の結果、本発明者らは、ウエハに対してドライエッチングを施す場合には、製作されたはり構造体において、ステップ部のうちの肩部の、そのはり構造体の長さ方向における位置が安定し易いのに対し、ウエハに対してウエットエッチングを従来の手法で施す場合には、製作されたはり構造体において、ステップ部のうちの肩部の、そのはり構造体の長さ方向における位置が安定し難いことに気が付いた。さらに、本発明者らは、従来のウエットエッチングでは、はり構造体の長さ方向における肩部の位置の精度に関する個体間のばらつきを低減することが困難であることにも気がついた。
以上説明した事情を背景として、本発明は、長さ方向における一部分にステップ部を有するはり構造体をエッチングによって一体的に製作する技術において、そのステップ部のうちの肩部の、はり構造体の長さ方向における位置を制御することを課題としてなされたものである。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 長さ方向における一部分にステップ部を有するはり構造体をエッチングによって一体的に製作するはり構造体製作方法であって、
単結晶により構成された板状の被エッチング材の両面にそれぞれ膜状のエッチングマスク材をコーティングするコーティング工程と、
前記被エッチング材の両面にそれぞれコーティングされた2枚のエッチングマスク材に2個のマスクパターンをそれぞれ形成するマスクパターン形成工程と、
そのマスクパターン形成工程において前記2個のマスクパターンがそれぞれコーティングされた前記被エッチング材をエッチング液に浸漬させてウエットエッチングを実行するウエットエッチング工程と
を含み、
前記ステップ部は、(a)前記はり構造体の基本表面と同一の高さを有する高部と、(b)前記基本表面より低い低部であって、前記はり構造体の厚さ方向において前記高部から隔たるものと、(c)それら高部と低部との境界に位置して前記はり構造体を横断する肩部とを有しており、
前記被エッチング材は、(d)前記板状の被エッチング材から前記はり構造体を取り出すために、前記ウエットエッチングの実行時に、前記厚さ方向に貫通するまで侵食される予定貫通部分と、(e)前記高部を形成するために、前記ウエットエッチングの実行時に、侵食されずに残る予定残存部分と、(f)前記低部を形成するために、前記ウエットエッチングの実行時に、前記厚さ方向の途中まで侵食される予定半侵食部分とを有しており、
前記マスクパターンは、(g)前記予定残存部分の表面を覆う基本パターンと、(h)前記予定貫通部分のうち前記予定半侵食部分を前記はり構造体の幅方向両側から挟む両側部分と前記予定半侵食部分とのうちの少なくとも両側部分の表面を覆う補償パターンとを有するはり構造体製作方法。
この方法によれば、マスクパターンが形成された被エッチング材に対してウエットエッチングが施されることにより、ステップ部を有するはり構造体が製作される。ステップ部は、上述のように、高部と低部と肩部とを有している。
被エッチング材は、前述のように、板状の被エッチング材からはり構造体を取り出すための予定貫通部分と、ステップ部のうちの高部を形成するための予定残存部分と、ステップ部のうちの低部を形成するための予定半侵食部分とを含んでいる。
この方法においては、マスクパターンが、予定残存部分の表面を覆う基本パターンを含んでいる。マスクパターンは、さらに、(i)予定貫通部分のうち予定半侵食部分をはり構造体の幅方向両側から挟む両側部分と、(ii)予定半侵食部分とのうちの少なくとも両側部分の表面を覆う補償パターンを含んでいる。
ステップ部のうちの肩部は、被エッチング材のうちの平面部がエッチングされることによって形成される。そのエッチング過程において、被エッチング材には、最終的な肩部に似た形状を有する部分が中間的に生成される。
その中間生成部分は、被エッチング材の基本表面に対して交差する方向に延びている。そのため、その中間生成部分においては、エッチングが、被エッチング材の厚さを減らす向きに進行するのみならず、幅寸法を減らす向きおよび長さ方向位置を後退させる向きにも進行する。そのため、その中間生成部分においては、同じ被エッチング材のうちの基本表面より、エッチングの進行速度が速いうえに、出現する結晶面の構成が複雑化し易い。
そのため、エッチングにより、被エッチング材のうちの平面部から、立体的なステップ部を形成するために被エッチング材に予め付着させられるマスクパターンを、前述の予定残存部分の形状のみを反映する基本パターンと同じ形状にしたのでは、最終的に形成されるはり構造体のうちのステップ部のうちの肩部が、そのはり構造体の長さ方向における位置に関して安定しない。
すなわち、実際のエッチング条件(例えば、エッチング時間)のばらつきに対して肩部の位置がかなり敏感なのであり、その結果、エッチングによって形成された複数のはり構造体間において肩部の位置がばらつき易い。
これに対し、本項に係る方法においては、マスクパターンが、さらに、(a)予定半侵食部分Aと、(b)予定貫通部分のうちその予定半侵食部分をはり構造体の幅方向両側から挟む両側部分Bとのうちの少なくとも両側部分Bの表面を覆う補償パターンを含んでいる。
この補償パターンは、被エッチング材のうち基本パターンによって被覆されている部分においてエッチングが進行することを抑制するように機能する。さらに、この補償パターンの形状次第で、最終的に形成される肩部の表面組成を、エッチングされ難い結晶面が適当な位置に出現するように、制御することが容易である。エッチングされ難い結晶面が肩部の表面に出現することは、実際のエッチング条件のばらつきにもかかわらず、肩部の位置が安定することにつながる。
したがって、本項に係る方法によれば、マスクパターンが基本パターンの他に補償パターンをも含むものとされているため、板状の被エッチング材から、立体的なステップ部を有するはり構造体を一体的にウエットエッチングによって製作する際に、ステップ部のうちの肩部の位置精度を向上させることが容易となる。
(2) 前記マスクパターンは、全体的に均一な厚さを有する(1)項に記載のはり構造体製作方法。
この方法によれば、マスクパターンの厚さが不均一である場合より、マスクパターンを簡単にかつ安定して製作することができる。
(3) 前記被エッチング材は、シリコン単結晶であって、(100)結晶面が露出するものである(1)または(2)項に記載のはり構造体製作方法。
(4) 前記補償パターンは、前記両側部分の表面を覆うことにより、前記予定半侵食部分において前記ウエットエッチングが進行する速度を減速させてそのウエットエッチングが前記予定残存部分に到達しないようにする第1エッチング補償部を含む(1)ないし(3)項のいずれかに記載のはり構造体製作方法。
この方法によれば、マスクパターンの一部である第1エッチング補償部により、被エッチング材のうちの予定半侵食部分を幅方向両側から挟む両側部分の表面が覆われることにより、その予定半侵食部分においてウエットエッチングが進行する速度が減速させられる。
したがって、この方法によれば、被エッチング材のうちの予定残存部分が、それの肩部において正面からウエットエッチングが施される可能性があるにもかかわらず、第1エッチング補償部の存在により、ウエットエッチングが予定残存部分に到達しないようにされる。その結果、この方法によれば、実際のエッチング条件のばらつきにもかかわらず、最終的に形成される肩部の位置の安定性が向上する。
(5) 前記第1エッチング補償部は、前記予定半侵食部分から前記幅方向両側にそれぞれ張り出した状態で前記長さ方向に延びる一対の張り出し部分であって、それら一対の張り出し部分の一端部において前記基本パターンに結合されて閉塞される一方、他端部において開放されることにより、前記基本パターンのうち前記一対の張り出し部分に結合される部分と共同して概してU字状を成すものを含む(4)項に記載のはり構造体製作方法。
(6) 前記第1エッチング補償部は、前記はり構造体の幅方向に平行であり、かつ、前記被エッチング材の[110]結晶方向と直交する直線部を有する(4)または(5)項に記載のはり構造体製作方法。
被エッチング材のうち[110]結晶方向と直交する部分は、エッチングされ難い部分であるため、この部分が出現するように肩部をウエットエッチングによって形成すれば、肩部の位置が安定する。
このような知見に基づき、本項に係る方法においては、前記(4)または(5)項における第1エッチング補償部が、はり構造体の幅方向に平行であり、かつ、被エッチング材の[110]結晶方向と直交する直線部を有するものとされている。
(7) 前記補償パターンは、前記予定半侵食部分の表面を覆うことにより、その予定半侵食部分において前記ウエットエッチングが進行する速度を減速させてそのウエットエッチングが前記予定残存部分に到達しないようにする第2エッチング補償部を含む(1)ないし(6)項のいずれかに記載のはり構造体製作方法。
この方法によれば、マスクパターンの一部である第2エッチング補償部により、被エッチング材のうちの予定半侵食部分の表面が覆われることにより、その予定半侵食部分においてウエットエッチングが進行する速度が減速させられる。
したがって、この方法によれば、被エッチング材のうちの予定残存部分が、それの肩部において正面からウエットエッチングが施される可能性があるにもかかわらず、第2エッチング補償部の存在により、ウエットエッチングが予定残存部分に到達しないようにされる。その結果、この方法によれば、実際のエッチング条件のばらつきにもかかわらず、最終的に形成される肩部の位置の安定性が向上する。
(8) 前記補償パターンは、(4)ないし(6)項のいずれかに記載の第1エッチング補償部と前記第2エッチング補償部とを含んでおり、
その補償パターンは、前記基本パターンのうち前記補償パターンに結合される部分と共同して、4個の角部と4本の辺とを有する菱形状を成し、かつ、各辺は[100]結晶方向と直交しており、かつ、前記4個の角部のうち互いに対向する2個の対向角部のうちの一方において前記基本パターンに結合される一方、他方の対向角部において切り欠かれている形状を成している(7)に記載のはり構造体製作方法。
(9) 前記ウエットエッチング工程において前記被エッチング材を前記エッチング液に1回のみ浸漬させることにより、前記はり構造体を一括して製作する(1)ないし(8)項のいずれかに記載のはり構造体製作方法。
前記(1)ないし(8)項のいずれかに係る方法は、ウエットエッチング工程において同じ被エッチング材をエッチング液に複数回に分けて浸漬させることにより、はり構造体を製作するようにして実施することが可能である。
これに対し、本項に係る方法においては、ウエットエッチング工程において被エッチング材がエッチング液に1回のみ浸漬させられることにより、はり構造体が一括して製作される。したがって、この方法によれば、はり構造体の製作時間が短縮し、製作効率が向上する。
(10) 長さ方向における少なくとも一部分にステップ部を有するはり構造体であって、
前記ステップ部が、(a)前記はり構造体の基本表面と同一の高さを有する高部と、(b)前記基本表面より低い低部であって、前記はり構造体の厚さ方向において前記高部から隔たるものと、(c)それら高部と低部との境界に位置して前記はり構造体を横断する肩部とを有するように、単結晶により構成された板状の被エッチング材に対するウエットエッチングによって製作されたはり構造体。
このはり構造体によれば、長さ方向における少なくとも一部分にステップ部を有するはり構造体であってウエットエッチングによって一体的に製作されたものが提供される。このはり構造体は、前記(1)ないし(9)項のいずれかに係る方法の実施によって好適に製作することが可能である。
(11) 当該はり構造体は、(1)ないし(10)項のいずれかに記載のはり構造体製作方法によって製作されたはり構造体。
(12) 当該はり構造体は、光が入射する反射面を有する板状の反射ミラーと、その反射ミラーと同一平面に沿って延びる弾性変形部であって前記ステップ部が形成されたものとを互いに一体的に含む(10)または(11)項に記載のはり構造体。
(13) 当該はり構造体は、振動させられることにより、前記反射面に入射した光の光学的特性を変化させるために使用される(12)項に記載のはり構造体。
本項においては、「振動」は、例えば、前記反射面に平行な一揺動軸線まわりの揺動として実現したり、前記反射面に直角な一直線方向における往復運動として実現することが可能である。
本項においては、「光学的特性」は、例えば、反射面への入射光がその反射面によって偏向される角度を意味するように解釈したり、反射面からの出射光の波面曲率を意味するように解釈することが可能である。
(14) 前記低部に積層部が、その積層部の上面が前記高部の上面を超えないように形成される(10)ないし(13)項のいずれかに記載のはり構造体。
このはり構造体によれば、積層部(例えば、加振源)をそのはり構造体に、そのはり構造体の基本表面から厚さ方向に突出することなく形成することが可能となる。したがって、このはり構造体によれば、例えば、はり構造体の薄板化が要望される環境において、その要望を満たしつつ、はり構造体に積層部を形成することが可能となる。
本明細書においては、結晶面が(abc)というように表記されるが、この表記が意味する結晶面は、その表記中のa,b,cという各数字の符号を考慮した狭義の結晶面のみならず、それと等価な結晶面をも含んでいる。すなわち、(abc)結晶面は、該当する複数の結晶面を包含する包括的な定義に従って解釈すべきなのである。このことは[abc]というように表記される結晶方向についても同様である。
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に従うはり構造体製作方法によって製作された反射ミラー部を有するはり構造体を光走査のために備えた網膜走査型ディスプレイ(以下、「RSD」と略称する。)が系統的に示されている。
このRSDは、光束としてのレーザビームを観察者の眼10の瞳孔12を経て網膜14に直接投影し、その投影された光束を網膜14上において走査することにより、画像を表示するように設計されている。
図1に示すように、このRSDは光源ユニット20を備えている。この光源ユニット20は、3個のレーザ30,32,34と、3個のコリメータレンズ40,42,44と、3個のダイクロイックミラー50,52,54と、結合光学系56とを備えている。
3個のレーザ30,32,34は、赤色レーザビームを発生させるRレーザ30と、緑色レーザビームを発生させるGレーザ32と、青色レーザビームを発生させるBレーザ34とである。いずれのレーザ30,32,34も、例えば半導体レーザを用いて構成することが可能である。
3個のコリメータレンズ40,42,44は、3個のレーザ30,32,34から出射した3色のレーザビームをそれぞれコリメートするレンズである。3個のダイクロイックミラー50,52,54は、それら3個のコリメータレンズ40,42,44から出射した3色のレーザビームを互いに結合するために、それら3色のレーザビームに対して波長選択的に反射および透過を行う。
それら3色のレーザビームは、ダイクロイックミラー50,52,54を代表する1個の代表ダイクロイックミラーにおいて互いに結合される。本実施形態においては、その代表ダイクロイックミラーとしてダイクロイックミラー50が選定されている。このダイクロイックミラー50において結合されたレーザビームは、合成レーザビームとして結合光学系56に入射して集光される。
図1に示すように、光源ユニット20は、さらに、信号処理回路60を備えている。この信号処理回路60には、外部から映像信号が供給される。その映像信号は、各画素ごとに、赤色、緑色および青色の各色の輝度を表わす輝度信号を含んでいる。
この信号処理回路60は、3個のレーザドライバ70,72,74を経て3個のレーザ30,32,34にそれぞれ電気的に接続されている。この信号処理回路60は、赤色、緑色および青色の各色の輝度信号に基づき、各レーザ30,32,34から出射するレーザビームの強度を、対応するレーザドライバ70,72,74を介して変調する。
図1に示すように、結合光学系56から出射したレーザビームは、光伝送媒体としての光ファイバ82によってコリメータレンズ84に伝送される。そのコリメータレンズ84においてコリメートされて出射したレーザビームは水平走査系100に入射する。
この水平走査系100は、機械的偏向を行うミラーを備えた弾性体の振動によってそのミラーを揺動させる光スキャナ104を備えている。光スキャナ104は、信号処理回路60から供給される水平同期信号に基づいて制御される。
図2には、光スキャナ104が分解斜視図で示されている。図2に示すように、光スキャナ104は、本体部110がベース112に装着されて構成されている。
本体部110は、シリコン等、弾性を有する材料を用いて形成されている。本体部110の厚さは、約100μmとされている。本体部110は、図2の上側に示すように、概略的には、光が通過し得る貫通穴114を有して薄板長方形状を成している。本体部110は、外側には固定枠116を備え、一方、内側には、反射面120が形成された反射ミラー部122を有する振動体124を備えている。その反射面120には、図1に示すコリメータレンズ84からレーザビームが入射する。
このような本体部110の構成に対応して、ベース112は、図2の下側に示すように、本体部110との装着状態において固定枠116が装着されるべき支持部130と、振動体124と対向する凹部132とを有するように構成されている。凹部132は、本体部110をベース112に装着した状態において、振動体124が振動によって変位してもベース112と干渉しない形状を有するために形成されている。
図2に示すように、反射ミラー部122の反射面120は、それの対称中心線でもある揺動軸線134を中心として揺動させられる。振動体124は、さらに、その反射ミラー部122からそれと同一面上に延びて、その反射ミラー部122を固定枠116に結合するはり部140を備えている。本実施形態においては、反射ミラー部122の両側から一対のはり部140,140がそれぞれ互いに逆向きに延び出している。
各はり部140は、1個のミラー側板ばね部142と、一対の枠側板ばね部144,144と、それらミラー側板ばね部142と一対の枠側板ばね部144,144とを互いに接続する接続部146とを含むように構成されている。すなわち、本実施形態においては、各はり部140が、前記(1)項における「はり構造体」の一例を構成し、また、前記(10)項および(11)項に係る「はり構造体」の一例を構成しているのである。
各はり部140においては、ミラー側板ばね部142が、反射ミラー部122のうち揺動軸線134上において互いに対向する一対の縁の一方から、対応する接続部146まで延びている。接続部146は、揺動軸線134と直交する方向に延びている。さらに、各はり部140においては、一対の枠側板ばね部144が、対応する接続部146の端部から、揺動軸線134に対して互いに逆向きにオフセットする姿勢で、揺動軸線134に沿って固定枠116まで延びている。
各はり部140においては、図2に示すように、駆動源150,152,154,156が一対の枠側板ばね部144,144のそれぞれに、固定枠116に及ぶ姿勢で取り付けられている。
図3に示すように、各枠側板ばね部144が、固定枠116に近い側において局部的に薄板化され、それにより、凹部158が形成されている。この凹部158に連続する凹部159が固定枠116に形成されている。それら凹部158および159を利用することにより、各駆動源150,152,154,156が、各枠側板ばね部144と固定枠116とにそれらを跨ぐ姿勢で設置されている。
図3を参照して上述したように、本実施形態においては、はり部140のうちの各枠側板ばね部144の片面部すなわち上面部に凹部158がそれぞれ形成されている。各枠側板ばね部144の上面部に凹部158を形成するために、各枠側板ばね部144がステップ部160を有するものとされている。
図3に示すように、そのステップ部160は、(a)はり部140の基本表面すなわちもとの上面と同一の高さを有する高部162と、(b)もとの上面より低い低部164と、(c)それら高部162と低部164との境界に位置してはり部140を横断する肩部166とを有するように各枠側板ばね部144に形成される。それらのうち、低部164と肩部166とによって凹部158が形成されている。
各駆動源150,152,154,156は、それぞれの上面が、対応する枠側板ばね部144の基本表面と同一の高さの平面を超えない状態で、対応する凹部158、すなわち、対応するステップ部160に装着されている。
各駆動源150,152,154,156は、図3(a)に駆動源154が代表的に示されるように、圧電体170(「圧電振動子」または「圧電素子」ともいう。)を主体として構成されている。圧電体170は、薄板状を成して振動体124の片面に貼り付けられており、その貼付け面と直角な方向において上部電極172と下部電極174とによって挟まれている。
各駆動源150,152,154,156は、薄板状の圧電体170が上部電極172と下部電極174とによってサンドイッチされた積層体として形成されている。各駆動源150,152,154,156は、図3(a)に側面図で示すように、下面において凹部158,159の表面に装着される一方、上面において高部162の表面の高さを超えない厚さ寸法を有している。すなわち、本実施形態においては、各駆動源150,152,154,156が前記(14)項における「積層部」の一例を構成しているのである。
図3に示すように、上部電極172と下部電極174とはそれぞれ、図示しない各リード線により、固定枠116に設置された一対の入力端子178に接続されている。これに対し、上部電極172と下部電極174とがそれぞれ、図示しない各リード線により、同じく図示しない外部端子に接続される態様で本発明を実施することが可能である。
図4から明らかなように、4個の枠側板ばね144にそれぞれ貼り付けられた4個の駆動源150,152,154,156のうち、揺動軸線134に関して一側に位置して反射ミラー部122を挟む一対の駆動源150および152と、他側に位置して反射ミラー部122を挟む一対の駆動源154および156とはそれぞれ、各対に属する2個の圧電体170,170の自由端が互いに同じ向きに変位するように屈曲させられる。
それに対し、反射ミラー部122に関して一側に位置して揺動軸線134を挟む一対の駆動源150および154と、他側に位置して揺動軸線134を挟む一対の駆動源152および156とはそれぞれ、各対に属する2個の圧電体170,170の自由端が互いに逆向きに変位するように屈曲させられる。
その結果、反射ミラー部122には、図4に示すように、その反射ミラー部122を同じ向きに回転させる変位が、揺動軸線134に関して一側に位置する一対の駆動源150および152の一方向の変位と、反対側に位置する一対の駆動源154および156の逆方向の変位との双方によって発生させられる。
以上要するに、各枠側板ばね部144は、それに貼り付けられた圧電体170の直線変位(横変位)を屈曲運動(縦変位)に変換する機能を有し、接続部146は、各枠側板ばね部144の屈曲運動をミラー側板ばね部142の回転運動に変換する機能を有しているのである。そのミラー側板ばね部142の回転運動によって反射ミラー部122が回転させられる。さらに、各枠側板ばね部144は、反射面120と同一平面に沿って延びている。すなわち、本実施形態においては、反射面120が前記(12)項における「反射ミラ」の一例を構成し、はり部140のうちの各枠側板ばね部144が同項における「弾性変形部」の一例を構成しているのである。
したがって、本実施形態においては、4個の駆動源150,152,154,156を制御するために、揺動軸線134に関して一側に位置する2個の駆動源150,152、すなわち、図2において右上の駆動源150と左上の駆動源152とが第1対を成し、反対側に位置する2個の駆動源154,156、すなわち、同図において右下の駆動源154と左下の駆動源156とが第2対を成している。
本実施形態においては、第1対を成す2個の駆動源150,152と、第2対を成す2個の駆動源154,156とを互いに逆向きに変位させて、反射ミラー部122にそれの揺動軸線134まわりの往復回転運動すなわち揺動運動を発生させるために、第1対を成す2個の駆動源150,152に交番電圧(交流のように周期的に変化する電圧)が互いに同位相で印加されるのに対し、それとは逆位相の交番電圧が、第2対を成す2個の駆動源154,156に互いに同位相で印加される。その結果、第1対を成す2個の駆動源150,152がいずれも、図2において下向きに撓んだ場合には、第2対を成す2個の駆動源154,156はいずれも、同図において上向きに撓むこととなる。
上述の制御を実現するために、水平走査系100は、図1に示す水平走査駆動回路180を備えている。この水平走査駆動回路180においては、図5に示すように、発振器182が、信号処理回路60から入力された水平同期信号に基づき、交番電圧信号を生成する。発振器182は、位相シフタ184およびアンプ186を経た第1経路を経て、第1対を成す2個の駆動源150,152に接続される一方、位相反転回路188、位相シフタ190およびアンプ192を経た第2経路を経て、第2対を成す2個の駆動源154,156に接続されている。
位相反転回路188は、発振器182から入力された交番電圧信号を、それの位相を反転させて位相シフタ190に供給する。この位相反転回路188は、第2経路のみに設けられるため、第1対を成す2個の駆動源150,152と、第2対を成す2個の駆動源154,156とでは、対応するアンプ186,192から供給される交番電圧信号の位相が互いに逆となる。
いずれの経路においても、位相シフタ184,190は、前記映像信号と反射ミラー部122の振動とが互いに同期するように、駆動源150,152,154,156に供給されるべき交番電圧信号の位相を変化させるために設けられている。
図1に示すように、このRSDは、ビームディテクタ193を定位置に備えている。ビームディテクタ193は、光スキャナ104によって偏向されたレーザビーム(すなわち、主走査方向において走査されたレーザビーム)を検出することにより、そのレーザビームの主走査方向における位置を検出するために設けられている。ビームディテクタ193の一例は、フォトダイオードである。
ビームディテクタ193は、レーザビームが所定の位置に到達したことを示す信号をBD信号として出力し、その出力されたBD信号は信号処理回路60に供給される。このビームディテクタ193から出力されたBD信号に応答し、信号処理回路60は、ビームディテクタ193がレーザビームを検出した時期から設定時間が経過するのを待って、必要な駆動信号を各レーザドライバ70,72,74に供給する。これにより、各走査線ごとに、画像表示開始タイミングが決定され、その決定された画像表示開始タイミングで画像表示が開始される。よって、画像信号とレーザビーム走査位置との同期が確実化される。
以上説明した光スキャナ104によって水平走査されたレーザビームは、図1に示すように、リレー光学系194によって垂直走査系200に伝送される。
この垂直走査系200は、図1に示すように、機械的偏向を行う揺動ミラーとしてのガルバノミラー210を備えている。ガルバノミラー210には、水平走査系100から出射したレーザビームがリレー光学系194によって集光されて入射するようになっている。このガルバノミラー210は、ガルバノミラー210に入射したレーザビームの光軸と交差する回転軸線まわりに揺動させられる。このガルバノミラー210の起動タイミングおよび回転速度は、信号処理回路60から供給される垂直同期信号に基づいて制御される。この垂直走査系200は、ガルバノミラー210を主体として構成されているが、他の形式で構成することが可能である。
以上説明した水平走査系100と垂直走査系200との共同により、レーザビームが2次元的に走査され、その走査されたレーザビームによって表現される画像が、リレー光学系214を経て観察者の眼10に照射される。
図6には、振動体124の具体的形状が斜視図で示されている。この振動体124のうちの反射ミラー部122は、反射面120の法線方向に反射ミラー部122を投影して得られる投影図形が概して円形を成すように製作される。本実施形態においては、この反射ミラー部122の直径は1mm、その厚さは100μmであり、また、各はり部140の長さは2mmである。
この振動体124のうちの各枠側板ばね部144は、凹部158を形成するためのステップ部160を有するように、反射ミラー部122と一体的に形成される。本実施形態においては、ステップ部160の高さ、すなわち、各枠側板ばね部144の厚さ方向における高部162と低部164との距離は50μmであり、各枠側板ばね部144の長さ方向における凹部158の寸法は1mmである。
図7には、固定枠116および振動体124を含む本体部110をウエットエッチングによって一体的にかつ一括して製作する方法が工程図で示されている。
この製作方法が実施されると、まず、ステップS1において、シリコン単結晶により構成された板状の素材が被エッチング材として準備される。
図8には、その被エッチング材が符号400を付されて示されている。この被エッチング材400は、100μmの厚さを有してシリコンウエーハによって構成されている。この被エッチング材400においては、図14に示すように、最初から(100)結晶面が露出させられている。
図8には、本体部110の製作方法が、その製作方法のうち後述のコーティング工程とマスクパターン形成工程とを代表的に説明するために、図2におけるA−A線とB−B線とについて断面図で示されている。A−A線は、反射ミラー部122の中心を通過して本体部110を横断する切断線であり、一方、B−B線は、凹部158の長さ方向中心を通過して本体部110を横断する切断線である。
次に、ステップS2において、図8(a)に示すように、被エッチング材400の両面に2個のエッチングマスク材410,412がそれぞれコーティングされる。それらエッチングマスク材410,412は、被エッチング材400の両面を加熱することによってその被エッチング材400の両面に形成されたシリコン熱酸化膜である。すなわち、このステップS2が前記(1)項における「コーティング工程」の一例を構成しているのである。
続いて、ステップS3において、図8(b)に示すように、被エッチング材400の両面にそれぞれコーティングされた2個のエッチングマスク材410,412に対してリソグラフィが実行される。具体的には、各エッチングマスク材410,412の表面にそれぞれレジストが塗布され、その後、その塗布された各レジストがそれぞれのパターン光で露光される。続いて、各レジストが、それぞれの露光パターンのもと、必要な薬品を用いて位置選択的に除去される。その結果、上側エッチングマスク材410の表面には上側マスクパターンを有するレジスト420が付着する一方、下側エッチングマスク材412の表面には下側マスクパターンを有するレジスト422が付着する。
このステップS3においては、さらに、2個のエッチングマスク材410,412が、それぞれ予めパターニングされたレジスト420,422のもとに、必要な薬液(例えば、フッ酸)を用いて位置選択的に除去される。その結果、上側エッチングマスク材410には、図9(a)に平面図で示す上側マスクパターン430、下側エッチングマスク材412には、図9(b)に平面図で示す下側マスクパターン432がそれぞれ形成される。
ただし、図9には、上側マスクパターン430および下側マスクパターン432のそれぞれが、振動体124の製作に関連する部分のみについて示されており、固定枠116の製作に関連する部分については、本発明を理解するために不可欠ではないため、省略されている。
図9(a)および(b)にそれぞれ示すマスクパターン430,432においては、それぞれの長さ方向中央位置に、反射ミラー部122を製作するための部分が存在するが、この部分については、本発明を理解するために不可欠ではないため、省略されている。
図9(a)に示す上側マスクパターン430においては、破線の丸で囲まれた部分が、各枠側板ばね部144の上面部のうちのステップ部160の製作に関連する部分450である。これに対し、図9(b)に示す下側マスクパターン432においては、破線の丸で囲まれた部分が、各枠側板ばね部144の下面部のうち、ステップ部160とは反対側に位置する部分の製作に関連する部分452である。
各マスクパターン430,432の形状は、被エッチング材400が図示しないエッチング槽に浸漬された場合に、そのエッチング槽内に収容されているエッチング液が最初に接触してエッチングされる部分の形状を決める。すなわち、このステップS3が、前記(1)項における「マスクパターン形成工程」の一例を構成しているのである。
図9に示すように、部分452は、枠側板ばね部144の基本的な狙い形状(最終製作形状)とほぼ同じ単純な帯状を成して、部分442と、下側マスクパターン432のうち固定枠116に対応する部分454との間をストレートに延びているのに対し、部分450は、複雑な形状を有している。
以下、図10および図11を参照することにより、部分450の形状を詳細に説明する。ただし、図10には、被エッチング材400および枠側板ばね部144が、それらの形状を容易に説明することを目的として簡略化されて示されている。それら被エッチング材400および枠側板ばね部144のより現実的な各形状は、図12ないし図14に示されている。
図10(a)には、上側マスクパターン430のうち、複数の枠側板ばね部144を説明の便宜上代表する1個の枠側板ばね部144(以下、「代表枠側板ばね部」という。)に対応する部分が斜視図で示されている。図10(b)には、被エッチング材400のうち、代表枠側板ばね部144が形成される部分とその周辺部分とが斜視図で示されている。図10(c)には、代表枠側板ばね部144の基本的な狙い形状(最終製作形状)が斜視図で示されている。
図10(b)を参照して被エッチング材400をさらに詳細に説明するに、この被エッチング材400は、その被エッチング材400のうち、この被エッチング材400をエッチング液に浸漬させてウエットエッチングを行うにもかかわらず侵食されずに残る予定残存部分500を備えている。その予定残存部分500は、図10(c)に示す基本的な狙い形状のうちの高部162と同じ形状を有している。この予定残存部分500は、図10(b)において破線で示されている。
この被エッチング材400は、さらに、ウエットエッチングによって被エッチング材400の厚さ方向に貫通するまで侵食される予定貫通部分502を備えている。この予定貫通部分502は、被エッチング材400と、その被エッチング材400のうち代表枠側板ばね部144の基本的な狙い形状と同じ形状を有する同形状部分とを、被エッチング材400の厚さ方向に投影した場合に、被エッチング材400の投影図のうち、同形状部分の投影図を除外した部分である。
この被エッチング材400は、さらに、ウエットエッチングによって被エッチング材400の厚さ方向の途中まで侵食される予定半侵食部分504を有している。その予定半侵食部分504は、図3に示す凹部158と同じ形状を有している。この予定半侵食部分504は、図10(b)において二点鎖線で示されている。被エッチング材400においては、その予定半侵食部分504を、それの幅方向両側から挟む両側部分506,506が存在する。
図10(a)に示すように、上側マスクパターン430のうちの部分450(以下、「ステップ部対応マスクパターン450」という。)は、ウエットエッチングの開始前に予定残存部分500の表面(上面)を覆う基本パターン510を含んでいる。ステップ部対応マスクパターン450は、さらに、ウエットエッチングの開始前に両側部分506,506の表面(上面)を覆う補償パターン512を含んでいる。
補償パターン512は、具体的には、予定半侵食部分504からそれの幅方向両側に張り出した状態でそれの長さ方向に延びる一対の張り出し部分514,514として構成されている。
図11には、代表枠側板ばね部144のうちのステップ部160のうちの高部162の基本的な狙い形状と、ステップ部対応マスクパターン450の形状とが、比較のために共に平面図で並べて示されている。図11から明らかなように、ステップ部対応マスクパターン450は、高部162の表面形状と同じ形状を有する基本パターン510を含んでいる。ステップ部対応マスクパターン450は、さらに、その基本パターン510から幅方向両側に張り出した一対の張り出し部分514,514を補償パターン512として含んでいる。ステップ部対応マスクパターン450は、図11に示すように、一対の張り出し部分514,514の一端部において基本パターン510に結合されて閉塞される一方、他端部において開放されることにより、基本パターン510のうち補償パターン512に結合される部分と共同して概してU字状を成している。
以上説明した形状を有する上側マスクパターン430および下側マスクパターン432は、被エッチング材400の両面にそれぞれ形成される。その後、図7に示すステップS4において、被エッチング材400とエッチングマスク材410,412との積層体が、エッチング液を収容するエッチング槽に浸漬される。本実施形態においては、エッチング液の種類が水酸化カリウム溶液(KOH)に選定され、その濃度が40wt%に選定され、その温度が70℃に選定されている。この条件において、被エッチング材400に対してウエットエッチングが行われる。すなわち、このステップS4が前記(1)項における「ウエットエッチング工程」の一例を構成しているのである。
なお付言するに、エッチング液の種類を水酸化テトラメチルアンモニウム溶液(TMAH)に変更することが可能であるが、この場合には、マスクパターンの形状が図9に示すものから部分的に変更される。
さらに、このステップS4においては、被エッチング材400が予定貫通部分502において貫通したときに、一回のウエットエッチングが終了する。一回のウエットエッチングのために被エッチング材400がエッチング液に一回のみ浸漬される。すなわち、本実施形態においては、一回のウエットエッチングのために、被エッチング材400がエッチング液に複数回に分けて浸漬されるのではなく、一回のみ浸漬されるようになっており、その結果、被エッチング材400に対するウエットエッチングによって本体部110が一括して(一度に)製作されるようになっているのである。
図12(a)および(b)ならびに図13(c)および(d)には、被エッチング材400においてウエットエッチングが進行する様子が段階的に示されている。ただし、それら図には、代表枠側板ばね部144につき、被エッチング材400の侵食が上面から下面に向かって進行する様子が代表的に示されている。
図12(a)に示す段階においては、被エッチング材400のウエットエッチングが、エッチングマスク材410によって被覆されていない部分から開始される。この段階においては、ステップ部対応マスクパターン450により、被エッチング材400に、(100)結晶面および(111)結晶面が出現し始める。
図12(a)に示す段階からウエットエッチングが少し進行し、被エッチング材400の侵食深さも少し増すと、同図(b)に示すように、被エッチング材400のうち一対の張り出し部分514,514によって被覆されている部分において、各張り出し部分514の先端部の両角部から各張り出し部分514の内側に向かう侵食が進行する。ただし、(111)結晶面は残存している。
図12(b)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、図13(c)に示すように、被エッチング材400のうち一対の張り出し部分514,514によって被覆されている部分がほぼ完全に除去される。この段階においてもなお、(111)結晶面が存在している。
図13(c)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、一回のウエットエッチングが終了させられる。このとき、同図(d)に示すように、被エッチング材400は、予定貫通部分502において厚さ方向に貫通させられる。さらに、低部164の表面が形成され、さらに、肩部166の表面も形成される。
図14(a)には、そのウエットエッチングによって形成されたステップ部160が平面図で示され、図14(b)には、斜視図で示されている。肩部166においては、(111)結晶面が出現している。(111)結晶面は、ウエットエッチングの実行中、他の結晶面より侵食される速度が遅い結晶面である。
したがって、(111)結晶面を利用して肩部166を形成すれば、ウエットエッチング時間が実際に多少ばらついても、その終了時に出現している(111)結晶面の、代表枠側板ばね部144の長さ方向における位置がそれほど敏感に変化せずに済む。その結果、肩部166の、長さ方向における位置が、実際のウエットエッチング条件の変動にもかかわらず、安定し、精度が向上する。
本実施形態においては、肩部166に(111)結晶面が出現するようにするために、補償パターン512が、図11に示すように一対の張り出し部分514,514であって、各先端部において各張り出し部分514の長さ方向に直角に延びる矩形部を有し、かつ、その矩形部の各角部ができる限り直角に近いものを有している。
本実施形態においては、それら一対の張り出し部分514,514のそれぞれの先端に、各張り出し部分514,514の長さ方向と直交する直線部520,520が形成されている。各直線部520,520は、被エッチング材400の[110]結晶方向と直交する直線部の一例であり、各直線部520,520の存在により、ウエットエッチングによって肩部166に(111)結晶面が出現する。すなわち、本実施形態においては、各張り出し部514,514の先端に位置する直線部520,520が、前記(6)項における「直線部」の一例を構成しているのである。
すなわち、本実施形態においては、ウエットエッチングが終了させられるときに肩部166に(111)結晶面が出現するように、補償パターン512の形状が一対の張り出し部分514,514を有するように予め設定されているのである。
以上のようにしてウエットエッチング工程が終了すれば、図7に示すように、その後、ステップS5において、エッチングマスク材410が両面にそれぞれコーティングされた被エッチング材400がエッチング槽から取り出される。続いて、ステップS6において、エッチングマスク材410が被エッチング材400の両面から剥離される。
以上で、このはり構造体製作方法の一連の実施が終了する。
図15および図16には、本実施形態との比較例である製作方法によってステップ部160が製作される過程が、図12および図13と同様にして、段階的に斜視図で示されている。この比較例においては、ステップ部対応マスクパターンが、基本パターン510と同じ形状を有するものとして使用される。
この比較例においては、被エッチング材400に対するウエットエッチングが進行するにつれて、被エッチング材400の上面部の形状が、図15(a)に示す段階から同図(b)に示す段階に移行する。ウエットエッチングがさらに継続されると、図16(c)に示すように、被エッチング材400のうち高部162に相当する部分の長さが、その高部162の基本的な狙い形状より短くなる。ウエットエッチングがさらに継続されると、図16(d)に示すように、被エッチング材400のうち高部162に相当する部分の長さが、その高部162の基本的な狙い形状よりかなり短くなるうえに、肩部166が、多様な結晶面によって形成される。
そのため、この比較例においては、肩部166の位置を精度よく管理することが困難であり、肩部166の位置精度に関して個体差を縮減することも困難である。これに対し、本実施形態によれば、前述のように、肩部166の位置を精度よく管理することが容易であり、肩部166の位置精度に関して個体差を縮減することも容易である。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、一対の張り出し部分514,514が互いに共同して前記(4)項および(5)項における「第1エッチング補償部」の一例を構成しているのである。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し、マスクパターンの形状が異なるのみで、他の要素については共通するため、異なる要素についてのみ詳細に説明し、共通する要素については、同一の符号または名称を使用して引用することにより、詳細な説明を省略する。
図17に示すように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、エッチングマスク材410の両面が、上側エッチングマスク材530と下側エッチングマスク材532とによってコーティングされる。
図17(a)には、上側エッチングマスク材530に形成される上側マスクパターン540が、振動体124の製作に関連する部分についてのみ平面図で示されている。図17(b)には、下側エッチングマスク材532に形成される下側マスクパターン542が、振動体124の製作に関連する部分と、固定枠116のうち振動体124と連結する部分の製作に関連する部分とについてのみ平面図で示されている。
図17(a)に示す上側マスクパターン540においては、破線の丸で囲まれた部分が、各枠側板ばね部144の上面部のうちのステップ部160の製作に関連する部分560である。これに対し、図17(b)に示す下側マスクパターン542においては、破線の丸で囲まれた部分が、各枠側板ばね部144の下面部のうち、ステップ部160とは反対側に位置する部分の製作に関連する部分562である。
図17に示すように、下側マスクパターン542の形状は、第1実施形態における下側マスクパターン432と共通するのに対し、上側マスクパターン540の形状は、第1実施形態における上側マスクパターン430とは異なっている。したがって、以下、上側マスクパターン540の形状のみを詳細に説明し、下側マスクパターン542の形状については説明を省略する。
図18には、複数の枠側板ばね部144を代表する1個の枠側板ばね部144のうちのステップ部160のうちの高部162の基本的な狙い形状と、上側マスクパターン540のうちステップ部160に対応する部分560(以下、「ステップ部対応マスクパターン560」という。)の形状とが、比較のために共に平面図で並べて示されている。
図18から明らかなように、ステップ部対応マスクパターン560は、高部162の表面形状と同じ形状を有する基本パターン570を含んでいる。ステップ部対応マスクパターン560は、さらに、予定半侵食部分504(図10参照)の表面と、両側部分506,506(図10参照)の表面とを覆うことにより、特に予定半侵食部分504においてウエットエッチングが進行する速度を減速させる補償パターン572を含んでいる。
その補償パターン572は、具体的には、基本パターン570のうち補償パターン572に結合される部分と共同して、4個の角部と4本の辺とを有する菱形状を成している。補償パターン572の各辺は、[100]結晶方向と直交しており、かつ、補償パターン572の4個の角部のうち互いに対向する2個の対向角部のうちの一方において基本パターン570に結合される一方、他方の対向角部において切り欠かれている。
この補償パターン572は、さらに具体的に説明するに、両側部分506,506(図10参照)の表面を覆う一対の第1エッチング補償部580,580と、予定半侵食部分504(図10参照)の表面を覆う第2エッチング補償部582、すなわち、予定残存部分500(図10参照)の前方に位置する部分とを有している。それら第1エッチング補償部580,580と第2エッチング補償部582との共同により、予定半侵食部分504においてウエットエッチングが進行する速度が減速させられ、その結果、そのウエットエッチングが予定残存部分500に到達しないようになっている。
図19(a)および(b)ならびに図20(c)および(d)には、被エッチング材400においてウエットエッチングが進行する様子が段階的に示されている。ただし、それら図には、代表枠側板ばね部144につき、被エッチング材400の侵食が上面から下面に向かって進行する様子が代表的に示されている。
図19(a)に示す段階においては、被エッチング材400のウエットエッチングが、エッチングマスク材410によって被覆されていない部分から開始される。この段階においては、ステップ部対応マスクパターン560により、被エッチング材400に、(100)結晶面が出現し始める。
図19(a)に示す段階からウエットエッチングが少し進行し、被エッチング材400の侵食深さも少し増すと、同図(b)に示すように、被エッチング材400のうち補償パターン572によって被覆されている部分において、その補償パターン572の複数個の角部のうち、先端に位置する2個の角部と、幅方向に互いに隔たった2個の角部とから、補償パターン572の内側に向かう侵食が進行する。ただし、(100)結晶面は残存している。
図19(b)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、図20(c)に示すように、被エッチング材400のうち補償パターン572によって被覆されている部分が、その補償パターン572の後端部のみ残して除去される。この段階においてもなお、(100)結晶面が存在している。
図20(c)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、一回のウエットエッチングが終了させられる。このとき、同図(d)に示すように、被エッチング材400は、予定貫通部分502において厚さ方向に貫通させられる。さらに、低部164の表面が形成され、さらに、肩部166の表面も形成される。
本実施形態によれば、ウエットエッチング時間が実際に多少ばらついても、肩部166の、代表枠側板ばね部144の長さ方向における位置がそれほど敏感に変化せずに済む。その結果、肩部166の、長さ方向における位置が、ウエットエッチング条件の変動にもかかわらず、安定し、精度が向上する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、補償パターン572が前記(8)項における「補償パターン」の一例を構成し、その補償パターン572のうち、一対の第1エッチング補償部580,580が前記(4)項ないし(6)項および(8)項における「第1エッチング補償部」の一例を構成し、補償パターン572のうち、第2エッチング補償部582が前記(7)項および(8)項における「第2エッチング補償部」の一例を構成しているのである。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
本発明の第1実施形態に従うはり構造体製作方法によって製作された反射ミラー部を光走査のために備えた網膜走査型ディスプレイを示す系統図である。 図1における光スキャナ104を示す分解斜視図である。 図2における駆動源154およびその周辺を示す側面断面図および斜視図である。 図2における振動体124を示す斜視図である。 図1における水平走査駆動回路180を示すブロック図である。 図2における振動体124の具体的形状を示す斜視図である。 前記はり構造体製作方法を示す工程図である。 図7におけるステップS2およびS3を説明するための図2におけるA−A断面図およびB−B断面図である。 図7におけるステップS3において形成される上側マスクパターン430および下側マスクパターン432を示す平面図である。 図2における複数個の枠側板ばね部144を代表する1個の代表枠側板ばね部144の基本的な狙い形状と被エッチング材400と上側マスクパターン430とをそれぞれ示す斜視図である。 図10における代表枠側板ばね部144のうちのステップ部160の基本的な狙い形状とステップ部対応マスクパターン450とをそれぞれ示す平面図である。 図7におけるステップS4において実行されるウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための斜視図である。 図7におけるステップS4において実行されるウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための別の斜視図である。 図13(d)に示す被エッチング材400のうちのステップ部160を拡大して示す平面図および斜視図である。 前記第1実施形態との比較例においてウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための斜視図である。 前記第1実施形態との比較例においてウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための別の斜視図である。 本発明の第2実施形態に従うはり構造体製作方法によってステップ部160を製作するために形成される上側マスクパターン540および下側マスクパターン542をそれぞれ示す平面図である。 図17におけるステップ部対応マスクパターン560と、そのステップ部対応マスクパターン560によって形成されるべきステップ部160の基本的な狙い形状とをそれぞれ示す平面図である。 前記第2実施形態に従うはり構造体製作方法を実施する際にウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための斜視図である。 前記第2実施形態に従うはり構造体製作方法を実施する際にウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための別の斜視図である。
符号の説明
104 光スキャナ
110 本体部
122 反射ミラー部
124 振動体
140 はり部
150,152,154,156 駆動源
158 凹部
160 ステップ部
162 高部
164 低部
166 肩部
400 被エッチング材
410 上側エッチングマスク材
412 下側エッチングマスク材
430 上側マスクパターン
432 下側マスクパターン
450,452,454 部分
500 予定残存部分
502 予定貫通部分
504 予定半侵食部分
506 両側部分
510 基本パターン
512 補償パターン
514 張り出し部分
520 直線部
530 上側エッチングマスク材
532 下側エッチングマスク材
540 上側マスクパターン
542 下側マスクパターン
560,562 部分
570 基本パターン
572 補償パターン
580 第1エッチング補償部
582 第2エッチング補償部

Claims (14)

  1. 長さ方向における一部分にステップ部を有するはり構造体をエッチングによって一体的に製作するはり構造体製作方法であって、
    単結晶により構成された板状の被エッチング材の両面にそれぞれ膜状のエッチングマスク材をコーティングするコーティング工程と、
    前記被エッチング材の両面にそれぞれコーティングされた2枚のエッチングマスク材に1組のマスクパターンをそれぞれ形成するマスクパターン形成工程と、
    そのマスクパターン形成工程において前記1組のマスクパターンがそれぞれコーティングされた前記被エッチング材をエッチング液に浸漬させてウエットエッチングを実行するウエットエッチング工程と
    を含み、
    前記ステップ部は、(a)前記はり構造体の基本表面と同一の高さを有する高部と、(b)前記基本表面より低い低部であって、前記はり構造体の厚さ方向において前記高部から隔たるものと、(c)それら高部と低部との境界に位置して前記はり構造体を横断する肩部とを有しており、
    前記被エッチング材は、(d)前記板状の被エッチング材から前記はり構造体を取り出すために、前記ウエットエッチングの実行時に、前記厚さ方向に貫通するまで侵食される予定貫通部分と、(e)前記高部を形成するために、前記ウエットエッチングの実行時に、侵食されずに残る予定残存部分と、(f)前記低部を形成するために、前記ウエットエッチングの実行時に、前記厚さ方向の途中まで侵食される予定半侵食部分とを有しており、
    前記マスクパターンは、(g)前記予定残存部分の表面を覆う基本パターンと、(h)前記予定貫通部分のうち前記予定半侵食部分を前記はり構造体の幅方向両側から挟む両側部分と前記予定半侵食部分とのうちの少なくとも両側部分の表面を覆う補償パターンとを有するはり構造体製作方法。
  2. 前記マスクパターンは、全体的に均一な厚さを有する請求項1に記載のはり構造体製作方法。
  3. 前記被エッチング材は、シリコン単結晶であって、(100)結晶面が露出するものである請求項1または2に記載のはり構造体製作方法。
  4. 前記補償パターンは、前記両側部分の表面を覆うことにより、前記予定半侵食部分において前記ウエットエッチングが進行する速度を減速させてそのウエットエッチングが前記予定残存部分に到達しないようにする第1エッチング補償部を含む請求項1ないし3のいずれかに記載のはり構造体製作方法。
  5. 前記第1エッチング補償部は、前記予定半侵食部分から前記幅方向両側にそれぞれ張り出した状態で前記長さ方向に延びる一対の張り出し部分であって、それら一対の張り出し部分の一端部において前記基本パターンに結合されて閉塞される一方、他端部において開放されることにより、前記基本パターンのうち前記一対の張り出し部分に結合される部分と共同して概してU字状を成すものを含む請求項4に記載のはり構造体製作方法。
  6. 前記第1エッチング補償部は、前記はり構造体の幅方向に平行であり、かつ、前記被エッチング材の[110]結晶方向と直交する直線部を有する請求項4または5に記載のはり構造体製作方法。
  7. 前記補償パターンは、前記予定半侵食部分の表面を覆うことにより、その予定半侵食部分において前記ウエットエッチングが進行する速度を減速させてそのウエットエッチングが前記予定残存部分に到達しないようにする第2エッチング補償部を含む請求項1ないし6のいずれかに記載のはり構造体製作方法。
  8. 前記補償パターンは、請求項4ないし6のいずれかに記載の第1エッチング補償部と前記第2エッチング補償部とを含んでおり、
    その補償パターンは、前記基本パターンのうち前記補償パターンに結合される部分と共同して、4個の角部と4本の辺とを有する菱形状を成し、かつ、各辺は[100]結晶方向と直交しており、かつ、前記4個の角部のうち互いに対向する2個の対向角部のうちの一方において前記基本パターンに結合される一方、他方の対向角部において切り欠かれている形状を成している請求項7に記載のはり構造体製作方法。
  9. 前記ウエットエッチング工程において前記被エッチング材を前記エッチング液に1回のみ浸漬させることにより、前記はり構造体を一括して製作する請求項1ないし8のいずれかに記載のはり構造体製作方法。
  10. 長さ方向における少なくとも一部分にステップ部を有するはり構造体であって、
    前記ステップ部が、(a)前記はり構造体の基本表面と同一の高さを有する高部と、(b)前記基本表面より低い低部であって、前記はり構造体の厚さ方向において前記高部から隔たるものと、(c)それら高部と低部との境界に位置して前記はり構造体を横断する肩部とを有するように、単結晶により構成された板状の被エッチング材に対するウエットエッチングによって製作されたはり構造体。
  11. 当該はり構造体は、請求項1ないし10のいずれかに記載のはり構造体製作方法によって製作されたはり構造体。
  12. 当該はり構造体は、光が入射する反射面を有する板状の反射ミラーと、その反射ミラーと同一平面に沿って延びる弾性変形部であって前記ステップ部が形成されたものとを互いに一体的に含む請求項10または11に記載のはり構造体。
  13. 当該はり構造体は、振動させられることにより、前記反射面に入射した光の光学的特性を変化させるために使用される請求項12に記載のはり構造体。
  14. 前記低部に積層部が、その積層部の上面が前記高部の上面を超えないように形成される請求項10ないし13のいずれかに記載のはり構造体。
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