JP2009122282A - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1基板11の端子領域13を分断せずに第2基板母材32の対向領域のみをレーザー分断する。
【解決手段】第1基板11の外形を形成するための第1分断ライン41に沿って、第1基板母材31及び第2基板母材32を同時にレーザー分断する第1分断工程と、対向領域と第2基板12との境界である第2分断ラインに沿って、第2基板母材32をレーザー分断する第2分断工程とを具備する。第2分断工程では、レーザー光を反射する反射膜14を、第2基板母材32の表面の法線方向から見て第2分断ラインに重なるように、第1基板母材31と第2基板母材32との間に配置した状態で、第2基板母材32をレーザー分断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば液晶表示装置等の表示装置、及びその製造方法に関するものである。
液晶表示装置等の表示装置は、複数のスイッチング素子が形成された第1基板と、それに対向する第2基板と、これら第1基板及び第2基板の間に介装された液晶層等の表示媒体層とを備えている。第1基板及び第2基板は、例えばガラス基板により構成されている。そして、第1基板は、第2基板よりも側方に延出されると共に複数の端子が形成された端子領域を有している。端子領域には、例えばFPC(flexible printed circuit)やICチップ等が実装される。
また、複数の第1基板を有する第1基板母材と、複数の第2基板を有する第2基板母材とが貼り合わされた貼合せ基板母材を分断することによって、複数の液晶表示装置を製造することが知られている。すなわち、貼合せ基板母材には、液晶表示装置となる領域が複数マトリクス状に配置されている。そうして、各領域毎に貼合せ基板母材を分断すると共に、端子領域に対向する第2基板母材の領域(以下、対向領域と称する)を分断することにより、各液晶表示装置を製造する。
上記第1基板母材及び第2基板母材を分断する方法として、分断ラインに沿ってスクライブ溝を形成した後に、その基板に応力を加えることが知られている。特許文献1には、カッターホイールによって上記スクライブ溝を形成することが開示されている。また、特許文献2には、レーザースクライバーによって上記スクライブ溝を形成することが開示されている。
特開2000−219527号公報 特表平8−509947号公報
ところで、波長が200〜1200nmであるレーザーによってガラス基板を分断することが考えられる。上記レーザーを2枚の重ね合わされたガラス基板に照射すると、レーザーのエネルギーは各ガラス基板に数%吸収され、残りのエネルギーはガラス基板を透過する。この特性を利用して、互いに重なっている第1基板母材及び第2基板母材にそれぞれレーザーエネルギーを吸収させることにより、これら第1基板母材及び第2基板母材を同時に分断することが可能である。
レーザーによって分断すれば、上記従来のように、まずスクライブ溝を形成した後に、応力を加えて分断するといった2段階の工程を要しないので、工程数を低減することが可能になる。
しかしながら、上述のように上記レーザーは第1基板母材及び第2基板母材の双方を透過するため、第1基板母材又は第2基板母材の一方のみを上記レーザによって分断することはできない。したがって、第1基板の端子領域を分断せずに、第2基板母材の対向領域のみを分断することができないという問題がある。
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1基板の端子領域を分断せずに第2基板母材の対向領域のみをレーザー分断しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、反射膜を設けることによって、対向領域のみをレーザ分断するようにした。
具体的に、本発明に係る表示装置の製造方法は、複数の第1基板を有する第1基板母材と、該第1基板母材に貼り合わされて対向すると共に、各上記第1基板にそれぞれ対向する複数の第2基板を有する第2基板母材とを備えた貼合せ基板母材を、互いに対向している上記第1基板及び上記第2基板の組毎に分断して複数の表示装置を製造する方法であって、上記第1基板は、複数の端子が形成された端子領域を有する一方、上記第2基板母材は、一部の隣り合う上記第2基板同士の間に、上記端子領域に対向する対向領域を有し、上記第1基板の外形を形成するための第1分断ラインに沿って、上記第1基板母材及び上記第2基板母材を同時にレーザー分断する第1分断工程と、上記対向領域と上記第2基板との境界である第2分断ラインに沿って、上記第2基板母材をレーザー分断する第2分断工程とを具備し、上記第2分断工程では、レーザー光を反射する反射膜を、上記第2基板母材の表面の法線方向から見て上記第2分断ラインに重なるように、上記第1基板母材と上記第2基板母材との間に配置した状態で、上記第2基板母材をレーザー分断する。
上記反射膜は、上記第1基板母材に形成されていてもよい。
上記反射膜は、上記第2基板母材に形成されていてもよい。
上記レーザー光の波長は、200nm以上且つ1200nm以下であることが好ましい。
上記レーザー分断は、Nd:YAGレーザー、Nd:YAG THGレーザー及びNd:YAG FHGレーザーの何れか一つによって行うようにしてもよい。
上記レーザー分断は、Nd:YAGレーザーによって行われ、上記反射膜は、Al、Au、Ag若しくはCuからなる金属膜、又はAl、Au、Ag若しくはCuを含む合金からなる金属膜であってもよい。
上記レーザー分断は、Nd:YAG THGレーザーによって行われ、上記反射膜は、Al若しくはAgからなる金属膜、又はAl若しくはAgを含む合金からなる金属膜であってもよい。
また、本発明に係る表示装置は、複数の端子が形成された端子領域を有する第1基板と、上記第1基板に対向して配置された第2基板と、上記第1基板及び上記第2基板の間に設けられた表示媒体層とを備えた表示装置であって、上記端子領域は、上記第2基板の側端よりも側方に突出した領域に形成され、上記第2基板の表面の法線方向から見て、上記第2基板における上記端子領域側の側端に重なるように、上記第1基板と上記第2基板との間に配置され、レーザー光を反射する反射膜を備えている。
上記反射膜は、上記第1基板に形成されていてもよい。
上記反射膜は、上記第2基板に形成されていてもよい。
上記レーザー光の波長は、200nm以上且つ1200nm以下であることが好ましい。
上記反射膜は、Al、Au、Ag若しくはCuからなる金属膜、又はAl、Au、Ag若しくはCuを含む合金からなる金属膜であってもよい。
上記反射膜は、Al若しくはAgからなる金属膜、又はAl若しくはAgを含む合金からなる金属膜であってもよい。
上記表示媒体層は液晶層であってもよい。
−作用−
次に、本発明の作用について説明する。
表示装置は、第1基板と、第2基板と、これらの間に設けられた表示媒体層とを備えている。第1基板には、第2基板の側端よりも側方に突出した端子領域が形成されている。この表示装置を製造する場合には、第1基板母材と第2基板母材とが互いに貼り合わされた貼合せ基板母材を、分断することによって複数の表示装置を製造する。
すなわち、まず、第1基板母材と、第2基板母材とを互いに貼り合わせる。そのことにより、第1基板母材に含まれる複数の第1基板が、第2基板母材に含まれる複数の第2基板に、それぞれ対向する。
次に、第1分断工程又は第2分断工程を行う。第1分断工程では、第1基板の外形を形成するための第1分断ラインに沿って、第1基板母材及び第2基板母材を同時にレーザー分断する。
第2基板母材に入射したレーザー光は、当該第2基板母材において所定の吸収率でエネルギーが吸収されて透過する。第2基板母材を透過したレーザ光は、第1基板母材に入射して、さらに所定の吸収率でエネルギーが吸収されて透過する。その結果、第1基板母材及び第2基板母材は、それぞれ第1分断ラインにおいて吸熱し、熱応力が発生して同時に分断されることとなる。
一方、第2分断工程では、対向領域と第2基板との境界である第2分断ラインに沿って、第2基板母材をレーザー分断する。この第2分断工程では、レーザー光を反射する反射膜を、第2基板母材の表面の法線方向から見て第2分断ラインに重なるように、第1基板母材と第2基板母材との間に配置した状態で、第2基板母材をレーザー分断する。
すなわち、第2基板母材に入射したレーザー光は、当該第2基板母材において所定の吸収率でエネルギーが吸収される。その後にレーザー光は、反射膜によって反射されるため、第1基板母材に入射されない。その結果、第2基板母材は、第2分断ラインにおいて吸熱し、熱応力が発生して分断される。一方、第1基板母材は、反射膜によって遮光されるために、レーザー光が入射せず、第2分断ライン上で分断されない。したがって、本発明によれば、第1基板の端子領域が分断されずに、第2基板母材の対向領域のみがレーザー分断されることとなる。
反射膜は、第1基板母材に形成することが可能である。この場合には、第2分断ラインにおいて第2基板母材を透過したレーザー光は、第1基板母材上の反射膜によって第2基板母材側へ反射される。また、反射膜は、第2基板母材に形成することが可能である。この場合には、第2分断ラインにおいて第2基板母材に入射したレーザー光は、第2基板母材上の反射膜によって、第2基板母材の第1基板母材とは反対側に反射される。
レーザー光の波長は、例えば200nm以上且つ1200nm以下であることが好ましい。レーザーがNd:YAGレーザーである場合には、レーザー光の波長が1064nmであり、Al、Au、Ag若しくはCuからなる金属膜、又はAl、Au、Ag若しくはCuを含む合金からなる金属膜により構成された反射膜によって、そのレーザー光を好適に反射することが可能である。
また、レーザーがNd:YAG THGレーザーである場合には、レーザー光の波長が355nmであり、Al若しくはAgからなる金属膜、又はAl若しくはAgを含む合金からなる金属膜により構成された反射膜によって、そのレーザー光を好適に反射することが可能である。
本発明によれば、レーザー光を反射する反射膜を、第2基板母材の表面の法線方向から見て、第1基板の端子領域に対向する対向領域と第2基板との境界である第2分断ラインに重なるように、第1基板母材と第2基板母材との間に配置することにより、第1基板の端子領域を分断せずに第2基板母材の対向領域のみをレーザー分断することができる。その結果、貼合せ基板母材の全ての分断ラインをレーザー分断することができるため、従来のように、まずスクライブ溝を形成した後に、応力を加えて分断するといった2段階の工程が不要となり、工程数を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
《発明の実施形態1》
図1〜図5は、本発明の実施形態1を示している。本実施形態1では、本発明に係る表示装置の実施形態として、液書表示装置を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態1における貼合せ基板母材の一部を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態1における貼合せ基板母材の一部を模式的に示す正面図である。図3は、本実施形態1における液晶表示装置の概観を模式的に示す側面図である。図4は、本実施形態1における分断前の貼合せ基板母材を示す平面図である。図5は、本実施形態1における分断後の貼合せ基板を示す平面図である。
液晶表示装置Sは、第1基板であるTFT基板11と、TFT基板11に対向して配置された第2基板である対向基板12と、上記対向基板12及びTFT基板11の間に設けられた表示媒体層である液晶層(図示省略)とを備えている。対向基板12は、ガラス基板22上に、図示省略のカラーフィルタ、共通電極及びブラックマトリクス等が形成されて構成されている。
一方、TFT基板11は、いわゆるアクティブマトリクス基板に構成されている。TFT基板11には、図示省略の画素が複数マトリクス状に配置されている。さらに、TFT基板11は、ガラス基板21上に、図示を省略するが、複数のゲート配線が互いに平行に延びて形成されると共に、複数のソース配線が互いに平行に形成されている。上記ソース配線はゲート配線と直交するように配置されている。そのことにより、TFT基板11には、ゲート配線及びソース配線からなる配線が格子状にパターン形成されている。
各画素には、液晶層を駆動するための画素電極と、画素電極をスイッチング駆動するスイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ)がそれぞれ設けられている。TFTは、上記ゲート配線及びソース配線に接続されている。これらゲート配線及びソース配線の一端は、TFT基板11の一辺側に形成された端子領域13に引き出されており、その先端に端子16が形成されている。
TFT基板11の端子領域13は、例えば図1に示すように、対向基板12の側端よりも側方に突出した領域に形成されている。すなわち、TFT基板11及び対向基板12は、それぞれ矩形板状に形成されると共に、対向基板12の表面の法線方向から見て、その三辺が重なる一方、残りの一辺については、TFT基板11の一辺が対向基板の一辺よりも外側に配置されている。そのことにより、矩形状の端子領域13が、対向基板に重ならないように形成されている。端子領域13には、上述のように、複数の端子16が形成されている。端子領域13には、図示省略の例えばFPC(flexible printed circuit)やICチップ等が実装される。
また、TFT基板11は、図3に示すように、ガラス基板21上に絶縁膜15が形成されると共に、絶縁膜15を覆う高分子樹脂層17が形成されている。上記端子16は、絶縁膜15上に形成されている。
液晶層は、TFT基板11と対向基板12との間において枠状のシール部材10に囲まれて封入されている。この液晶層が封入されている領域に表示領域25が形成される一方、その外側に非表示領域である額縁領域26が形成されている。上記端子領域13は、額縁領域26に含まれている。
そして、本実施形態1の液晶表示装置Sは、対向基板12の表面の法線方向から見て、対向基板12における端子領域13側の側端27に重なるように、TFT基板11と対向基板12との間に配置され、レーザー光を反射する反射膜14を備えている。
本実施形態1における反射膜14は、TFT基板11に形成されている。すなわち、反射膜14は、TFT基板11における高分子樹脂層17の表面に設けられると共に、対向基板12における端子領域13側の側端27に沿って延びる帯状に形成されている。対向基板12の側端27は、図1に示すように、反射膜14の幅方向中央に配置されることが好ましい。反射膜14は、例えば、Al、Au、Ag若しくはCuからなる金属膜、又はAl、Au、Ag若しくはCuを含む合金からなる金属膜により構成されている。
そうして、上記液晶表示装置Sでは、端子領域13に実装されたFPC等から供給される制御信号(例えば走査信号及びデータ信号)が、端子16、上記ゲート配線及びソース配線を介して各画素のTFTに供給される。そのことにより、各画素毎に液晶層を駆動して、所望の表示を行うようになっている。
−製造方法−
次に、上記液晶表示装置Sの製造方法について説明する。
まず、複数のTFT基板11を有する第1基板母材31と、複数の対向基板12を有する第2基板母材32とをそれぞれ形成する。
第1基板母材31は、ガラス基板21の集合体である大判のガラス基板母材上にTFT、配線及び端子16等を形成することにより、TFT基板11となる領域が複数マトリクス状に配置されるように形成する。上記ガラス基板母材には、絶縁膜15及びこれを覆う高分子樹脂層17を形成し、図1〜図3に示すように、その高分子樹脂層17の表面に反射膜14を形成する。反射膜14は、高分子樹脂層17の表面にスパッタリングした例えばAl等の金属膜をフォトリソグラフィによりパターニングし、第1基板母材31の表面の法線方向から見て、端子16を形成した端子領域13と第1基板11の他の領域との境界に沿って延びる帯状に形成する。また、図4に示すように、端子領域13は、第1基板母材31において行方向に連続して並んでいる。
第2基板母材32は、ガラス基板22の集合体である大判のガラス基板母材上に、カラーフィルタ、共通電極及びブラックマトリクス等を形成することにより、対向基板12となる領域が複数マトリクス状に配置されるように形成する。
次に、第1基板母材31と第2基板母材32とをシール部材10を介して貼り合わせることにより、図1及び図2に示すように、貼合せ基板母材30を形成する。
すなわち、第1基板母材31又は第2基板母材32に対し、各液晶表示装置Sとなる領域毎にシール部材を枠状に描画して形成する。一方、第1基板母材31又は第2基板母材32に対し、シール部材10の内側領域、又はそれに対応するシール部材10が形成されていない側の基板母材の領域に、液晶材料を滴下する。
その後、第1基板母材31及び第2基板母材32を貼り合わせて、各シール部材10内に液晶を封入することにより、貼合せ基板母材30を形成する。第1基板母材31及び第2基板母材32は、TFT基板11になる領域と、対向基板12になる領域とがそれぞれ対向するように貼り合わせる。このとき、第1基板母材31の端子領域13に対向する第2基板母材32の領域が、対向領域19となる。すなわち、第2基板母材32は、図4に示すように、一部の隣り合う対向基板12(対向基板12となる領域)同士の間に、端子領域13に対向する対向領域19を有することとなる。
本実施形態1の製造方法では、貼合せ基板母材30を互いに対向しているTFT基板11及び対向基板12の組毎に分断することにより、複数の液晶表示装置Sを製造する。
第1分断工程では、図4に示すように、TFT基板11の外形を形成するための第1分断ライン41に沿って、第1基板母材31及び第2基板母材32を同時にレーザー分断する。レーザー分断は、レーザー光の波長が1064nmであるNd:YAGレーザーによって行う。
第2基板母材32に入射したレーザー光は、この第2基板母材32において所定の吸収率でエネルギーが吸収されて透過する。第2基板母材32を透過したレーザ光は、第1基板母材31に入射して、さらに所定の吸収率でエネルギーが吸収されて透過する。その結果、第1基板母材31及び第2基板母材32は、それぞれ第1分断ライン41において吸熱し、熱応力が発生して同時に分断される。
また、第2分断工程では、図4に示すように、対向領域19と対向基板12(対向基板12となる領域)との境界である第2分断ライン42に沿って、第2基板母材32をレーザー分断する。レーザー分断は上記と同じNd:YAGレーザーによって行う。この第2分断工程では、上記レーザー光を反射する反射膜14を、第2基板母材32の表面の法線方向から見て第2分断ライン42に重なるように、第1基板母材31と第2基板母材32との間に配置した状態で、第2基板母材32をレーザー分断する。
第2基板母材32に入射したレーザー光は、この第2基板母材32において所定の吸収率でエネルギーが吸収されて透過する。透過したレーザー光は、反射膜14によって反射されるため、第1基板母材31に入射されない。その結果、第2基板母材32は、第2分断ライン42において吸熱し、熱応力が発生して分断される。一方、第1基板母材31は、反射膜14によって遮光されるために、レーザー光が入射せず、第2分断ライン42上で分断されない。したがって、本実施形態1によれば、TFT基板11の端子領域13が分断されずに、第2基板母材32の対向領域19のみがレーザー分断されることとなる。
こうして、上記第1分断工程及び第2分断工程を行うことにより、図5に示すように、貼合せ基板母材30を液晶表示装置Sを構成する各領域毎に分断する。その後、点灯検査等の工程を経て、液晶表示装置Sを製造する。
−実施形態1の効果−
したがって、この実施形態1によると、レーザー光を反射する反射膜14を、第2基板母材32の表面の法線方向から見て、TFT基板11の端子領域13に対向する対向領域19と対向基板12との境界である第2分断ライン42に重なるように、第1基板母材31と第2基板母材32との間に配置するようにしたので、TFT基板11の端子領域13を分断せずに第2基板母材32の対向領域19のみをレーザー分断することができる。その結果、貼合せ基板母材30の全ての分断ライン41,42をレーザー分断することができるため、従来のように、まずスクライブ溝を形成した後に、応力を加えて分断するといった2段階の工程が不要となり、工程数を低減することができる。
さらに、Nd:YAGレーザーによって好適に第1基板母材31及び第2基板母材32をレーザー分断できると共に、そのレーザー光を、Al、Au、Ag若しくはCuからなる金属膜、又はAl、Au、Ag若しくはCuを含む合金からなる金属膜によって構成された反射膜14によって、好適に反射することができる。
《発明の実施形態2》
図6及び図7は、本発明の実施形態2を示している。
図6は、本実施形態2における貼合せ基板母材の一部を模式的に示す正面図である。図7は、本実施形態2における液晶表示装置の概観を模式的に示す側面図である。尚、以降の実施形態では、図1〜図5と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
上記実施形態1では、反射膜14を第1基板母材31又はTFT基板11に形成したのに対し、本実施形態2では、反射膜14を第2基板母材32又は対向基板12に形成している。
本実施形態2の液晶表示装置Sは、図6及び図7に示すように、対向基板12におけるTFT基板11側の表面に反射膜14が形成されている。反射膜14は、対向基板12におけるTFT基板11側の側端27に沿って延びている。対向基板12の表面の法線方向から見て、上記側端27は反射膜14の幅方向中央に重なっている。すなわち、反射膜14の一方の側端部は、対向基板12の側端27よりも外側の側方に突出している。
本実施形態2の液晶表示装置Sを製造する場合には、上記実施形態1の製造方法において、第1基板母材31を形成する工程の代わりに、第2基板母材32を形成する工程で、反射膜14を形成する。
すなわち、第2基板母材32を構成する大判のガラス基板母材に対し、上記実施形態1と同様に、カラーフィルタ等を形成すると共に、第2分断ライン42に重なる領域に反射膜14を帯状に形成する。反射膜14は、上記実施形態1と同様に、Al等の金属膜を上記ガラス基板母材上にスパッタリングした後に、これをフォトリソグラフィによってパターニングして形成する。
したがって、第2分断工程では、第2分断ライン42に沿って第2基板母材32を分断するが、このとき、第2基板母材32に入射したレーザー光は、この第2基板母材32において所定の吸収率でエネルギーが吸収される。その後、レーザー光は、第1基板母材31側の第2基板母材32の表面に形成された反射膜14によって反射されるため、第1基板母材31に入射されない。その結果、第2基板母材32は、第2分断ライン42において吸熱し、熱応力が発生して分断される。一方、第1基板母材31は、反射膜14によって遮光されるために、レーザー光が入射せず、第2分断ライン42上で分断されない。したがって、本実施形態2によっても、TFT基板11の端子領域13が分断されずに、第2基板母材32の対向領域19のみがレーザー分断されることとなる。
したがって、この実施形態2によっても、TFT基板11の端子領域13を分断せずに第2基板母材32の対向領域19のみをレーザー分断することができるため、貼合せ基板母材30の全ての分断ライン41,42をレーザー分断することができ、工程数を低減することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1及び2では、レーザー光の波長が1064nmであるNd:YAGレーザーによってレーザー分断する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、レーザー光の波長は、200nm以上且つ1200nm以下であってもよい。また、その波長のレーザー光を好適に反射する金属膜を反射膜14に適用すればよい。
例えば、レーザー光の波長が1064nmであるNd:YAG THGレーザーによってレーザー分断するようにしてもよい。この場合、反射膜14は、Al若しくはAgからなる金属膜、又はAl若しくはAgを含む合金からなる金属膜であることが好ましい。また、Nd:YAG FHGレーザーによって上記レーザー分断することも可能である。このようにしても、上記実施形態1及び2と同様に、対向領域19のみを好適にレーザ分断することができる。
また、上記実施形態1及び2では、液晶表示装置Sを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、表示媒体層が有機EL発光層である有機EL表示装置等の他の表示装置についても、同様に適用できる。
以上説明したように、本発明は、例えば液晶表示装置等の表示装置、及びその製造方法にについて有用であり、特に、第1基板の端子領域を分断せずに第2基板母材の対向領域のみをレーザー分断しようとする場合に適している。
図1は、本実施形態1における貼合せ基板母材の一部を模式的に示す平面図である。 図2は、本実施形態1における貼合せ基板母材の一部を模式的に示す正面図である。 図3は、本実施形態1における液晶表示装置の概観を模式的に示す側面図である。 図4は、本実施形態1における分断前の貼合せ基板母材を示す平面図である。 図5は、本実施形態1における分断後の貼合せ基板を示す平面図である。 図6は、本実施形態2における貼合せ基板母材の一部を模式的に示す正面図である。 図7は、本実施形態2における液晶表示装置の概観を模式的に示す側面図である。
符号の説明
S 液晶表示装置
10 シール部材
11 TFT基板(第1基板)
12 対向基板(第2基板)
13 端子領域
14 反射膜
15 絶縁膜
16 端子
17 高分子樹脂層
19 対向領域
21 ガラス基板
22 ガラス基板
25 表示領域
26 額縁領域
27 側端
30 貼合せ基板母材
31 第1基板母材
32 第2基板母材
41 第1分断ライン
42 第2分断ライン

Claims (14)

  1. 複数の第1基板を有する第1基板母材と、該第1基板母材に貼り合わされて対向すると共に、各上記第1基板にそれぞれ対向する複数の第2基板を有する第2基板母材とを備えた貼合せ基板母材を、互いに対向している上記第1基板及び上記第2基板の組毎に分断して複数の表示装置を製造する方法であって、
    上記第1基板は、複数の端子が形成された端子領域を有する一方、
    上記第2基板母材は、一部の隣り合う上記第2基板同士の間に、上記端子領域に対向する対向領域を有し、
    上記第1基板の外形を形成するための第1分断ラインに沿って、上記第1基板母材及び上記第2基板母材を同時にレーザー分断する第1分断工程と、
    上記対向領域と上記第2基板との境界である第2分断ラインに沿って、上記第2基板母材をレーザー分断する第2分断工程とを具備し、
    上記第2分断工程では、レーザー光を反射する反射膜を、上記第2基板母材の表面の法線方向から見て上記第2分断ラインに重なるように、上記第1基板母材と上記第2基板母材との間に配置した状態で、上記第2基板母材をレーザー分断する
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
    上記反射膜は、上記第1基板母材に形成されている
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  3. 請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
    上記反射膜は、上記第2基板母材に形成されている
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  4. 請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
    上記レーザー光の波長は、200nm以上且つ1200nm以下である
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  5. 請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
    上記レーザー分断は、Nd:YAGレーザー、Nd:YAG THGレーザー及びNd:YAG FHGレーザーの何れか一つによって行われる
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  6. 請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
    上記レーザー分断は、Nd:YAGレーザーによって行われ、
    上記反射膜は、Al、Au、Ag若しくはCuからなる金属膜、又はAl、Au、Ag若しくはCuを含む合金からなる金属膜である
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  7. 請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
    上記レーザー分断は、Nd:YAG THGレーザーによって行われ、
    上記反射膜は、Al若しくはAgからなる金属膜、又はAl若しくはAgを含む合金からなる金属膜である
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  8. 複数の端子が形成された端子領域を有する第1基板と、
    上記第1基板に対向して配置された第2基板と、
    上記第1基板及び上記第2基板の間に設けられた表示媒体層とを備えた表示装置であって、
    上記端子領域は、上記第2基板の側端よりも側方に突出した領域に形成され、
    上記第2基板の表面の法線方向から見て、上記第2基板における上記端子領域側の側端に重なるように、上記第1基板と上記第2基板との間に配置され、レーザー光を反射する反射膜を備えている
    ことを特徴とする表示装置。
  9. 請求項8に記載された表示装置において、
    上記反射膜は、上記第1基板に形成されている
    ことを特徴とする表示装置。
  10. 請求項8に記載された表示装置において、
    上記反射膜は、上記第2基板に形成されている
    ことを特徴とする表示装置。
  11. 請求項8に記載された表示装置において、
    上記レーザー光の波長は、200nm以上且つ1200nm以下である
    ことを特徴とする表示装置。
  12. 請求項8に記載された表示装置において、
    上記反射膜は、Al、Au、Ag若しくはCuからなる金属膜、又はAl、Au、Ag若しくはCuを含む合金からなる金属膜である
    ことを特徴とする表示装置。
  13. 請求項8に記載された表示装置において、
    上記反射膜は、Al若しくはAgからなる金属膜、又はAl若しくはAgを含む合金からなる金属膜である
    ことを特徴とする表示装置。
  14. 請求項8に記載された表示装置において、
    上記表示媒体層は液晶層である
    ことを特徴とする表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014041187A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Japan Display Inc 表示装置の製造方法
CN105137636A (zh) * 2015-09-10 2015-12-09 京东方科技集团股份有限公司 一种显示基板及其制作方法和显示面板
CN107919058A (zh) * 2016-10-07 2018-04-17 三星显示有限公司 显示装置及其制造方法
JP2019179175A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 京セラ株式会社 基板および基板の製造方法

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