JP2009121660A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦板の摩耗等によるエアギャップのばらつきを抑制し、かつ消費電力を低減することのできる装置を提供する。
【解決手段】電流を印加されることにより往復動作する移動部3と磁界を生じるメインコイル5とからなるアクチュエータとを有し、前記移動部3に押されてその移動部3と同方向に移動可能な押圧部材13を有するとともに、前記移動部3と前記押圧部材13との間に充填室14が形成され、その充填室14に流動性を備えかつ選択的に封止状態とされて前記移動部3による押圧力を前記押圧部材13に伝達する充填材24が給排可能に充填されている動力伝達装置において、圧力センサ26を用いて前記充填材24の圧力を検出する圧力検出手段と、この圧力検出手段に基づいて前記移動部3と前記メインコイル5との距離であるエアギャップを算出することを可能とする距離算出手段とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、所定のアクチュエータで発生する推力を受けて移動する押圧部材への動力を伝達する動力伝達装置に関し、油圧センサを取り付けることによりアクチュエータの固定部と移動部とのギャップを検出して、この固定部と移動部との距離を調節することを可能とする動力伝達装置に関するものである。
従来、油圧あるいは電磁力を利用したアクチュエータやボールネジなどの回転力を推力に変換する機構を利用したアクチュエータなどの各種のアクチュエータが知られている。例えば、特許文献1には、磁束量を測定するセンサに基づいてクラッチコアとアーマチュアとの距離を検出する電磁クラッチが記載されている。この電磁クラッチは、検出されたクラッチコアとアーマチュアとの距離に基づいて励磁コイルの通電を制御することができる。したがって、この電磁クラッチは、アーマチュアがクラッチコアに対して吸引されたときの締結力を制御することができる。
また、特許文献2には、コイルをアクチュエータとして利用した電磁クラッチにより車両の駆動輪間の駆動力配分を行う車両の駆動力配分装置が記載されている。この駆動力配分装置は電磁クラッチの締結力を調節することにより各々の車輪の回転数を制御することができる。即ち、アーマチュアをコイルと対峙する方向に前後動させることにより、各々の車輪の回転数を制御することができる。その際、コアとアーマチュアとの距離、即ちエアギャップが減少して、アーマチュアを吸引する磁束密度が増加される時には、駆動力配分装置に基づく制御が中止される。その結果、駆動力配分制御の精度について低下する虞があるときは、不適切な駆動力配分制御の実行を未然に回避することができる。
特開2003−28195号公報 特開2002−225580号公報
上述した特許文献1に記載された装置は、センサによりクラッチコアとアーマチュアとを備える磁気回路の磁束量を感磁する。そのため、クラッチ板の摩耗の程度が異なっていてもクラッチコアとアーマチュアとから感磁される磁束量は一定となり、そのためにプレッシャープレートとクラッチ板との間で伝達されるトルクがクラッチ板の摩耗の程度により変動する可能性がある。
また、特許文献2に記載された装置では、エアギャップが所定値以下の場合に駆動力配分制御を中止しているものの、このエアギャップが所定値以下の場合でも各々のクラッチプレートとプレッシャプレートとが接続されてトルクを伝達している。そのため、エアギャップが小さい時には、エアギャップの変化の割合に対するクラッチプレートを押圧するプレッシャプレートの押圧力の変化の割合が大きいため、プレッシャプレートの押圧力の制御が困難になる。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、摩擦板の摩耗等によるエアギャップのばらつきを抑制すると共に、消費電力を低減することのできる装置を提供することを目的とするものである。
上記の目標を達成するために、請求項1の発明は、電流を印加されることにより往復動作する移動部と磁界を生じるメインコイルとからなるアクチュエータとを有し、前記移動部に押されてその移動部と同方向に移動可能な押圧部材を有するとともに、前記移動部と前記押圧部材との間に充填室が形成され、その充填室に流動性を備えかつ選択的に封止状態とされて前記移動部による押圧力を前記押圧部材に伝達する充填材が給排可能に充填されている動力伝達装置において、圧力センサを用いて前記充填材の圧力を検出する圧力検出手段と、この圧力検出手段に基づいて前記移動部と前記メインコイルとの距離であるエアギャップを算出することを可能とする距離算出手段とを有することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記充填材は磁性流体もしくは磁気粘性流体からなり、前記エアギャップが前記メインコイルの電流値の増大によって変化しない場合と変化する場合とで前記メインコイルまたは前記移動部に取り付けられた磁界を生じるサブコイルの電流を変更する手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載の発明において、前記メインコイルまたは前記移動部に取り付けられた磁界を生じるサブコイルの電流制御を行った結果前記圧力検出手段により検出された圧力があらかじめ定めた目標圧力と異なる場合に、前記押圧部材に加えられるトルクを制限する手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載の発明において、前記圧力検出手段により検出された圧力が目標圧力となるように前記メインコイルの電流を制御する手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1に記載の発明において、前記距離算出手段により算出された前記エアギャップの変化がない場合に前記メインコイルの電流を低下させることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記充填材の圧力を調節可能とする蓄圧機が前記充填室を連通して取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、圧力センサを使用して圧力を検出することによりエアギャップを認識することができる。そのため、アクチュエータの構造によりエアギャップについての視認性が困難な場合においてもエアギャップを容易に把握することができる。
請求項2の発明によれば、メインコイルの電流が増加している状態でエアギャップが一定の値であるときは、エアギャップがゼロであると算出される。そして、エアギャップがゼロと判断される状態でメインコイルとサブコイルの電流を調節することにより、磁性流体もしくは磁気粘性流体からなる充填材の圧力を調節することが可能となる。したがって、エアギャップがゼロと算出されている状態でのトルクの伝達が可能となるため、メインコイルの消費電力を抑えることが可能となる。
請求項3の発明によれば、充填材の圧力が所定の圧力値と異なる時は、移動部から充填材を介して押圧部材へと伝達されるトルクが十分に伝達されない可能性を有する。これは、充填材の粘度が低いことに起因する。そのため、充填材の粘度に応じて伝達されるトルクを減少させる制御を実行することにより、移動部から押圧部材へと伝達されるトルクが十分に伝達される。
請求項4の発明によれば、エアギャップを小さくする制御を実行することにより、充填材の圧力を制御することができる。換言すれば、エアギャップを小さくする制御を実行することにより、押圧部材が係合部に係合されている場合における充填材の圧力が増加する。
請求項5の発明によれば、エアギャップの変化がない場合、すなわち押圧部材が係合部に係合されているときには、メインコイルの電流を低下させることによりエアギャップを小さくすることができる。そのため、トルク伝達時のメインコイルの消費電力を抑えることができる。
請求項6の発明によれば、充填材の圧力を調節可能とする蓄圧機が充填室を連通して取り付けられているため、充填材の温度等による圧力のばらつきを抑制することができる。また、エアギャップが確保できている状態で充填材の温度の変化に伴う充填材の体積が変化した場合でも、蓄圧機により圧力のばらつきを抑制することができる。したがって、圧力のばらつきの抑制により、エアギャップの変化を抑制することができる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。この発明の動力伝達装置は、アクチュエータが発生する推力を押圧部材に伝達し、この押圧部材によって摩擦板などの所定の対象物を押圧するように構成され、そのアクチュエータのストローク量もしくは範囲を一定に維持し、また押圧部材のストローク位置を対象物に応じて調整するように構成されている。その調整のために、アクチュエータと押圧部材との間に、間隔調整のため、および推力の伝達のための介在物もしくは充填材が配置されている。
そのアクチュエータは推力を発生できる構成のものであり、電磁力を利用した電磁アクチュエータであって前後動作する推進機構からなる。電磁アクチュエータは、コイルに流す電流と発生する推力との関係が、コイルもしくはこれと一体のヨークとアーマチュアとの間のエアギャップによって変化するので、そのエアギャップを所定値もしくは所定範囲に維持するためには、この発明の動力伝達装置が有効である。
また、押圧部材は、対象物に直接当接して対象物に押圧力を加える部材であり、アーマチュアなどの可動部とは相対移動可能に配置されている。その可動部の推力を押圧部材に伝達するための介在物は、要は、加圧されても変形したり、流出したりしない物質であればよく、流体あるいは固体のいずれでもよい。しかし、推力を伝達する必要のない状態ではその体積を減じ、あるいは反対に増大させることにより、可動部と押圧部材との間の間隔、言い換えれば、押圧部材のストローク位置を変化させ得るものであることが好ましく、圧油や磁性流体もしくは磁気粘性流体などが採用される。したがってその介在物もしくは充填材を可動部と押圧部材との間に封止した状態に設定する手段は、介在物もしくは充填材として使用する物質によって異なることになる。例えば圧油の場合には、封止弁によって圧油の流動を阻止することになり、また磁性流体もしくは磁気粘性流体の場合には、電磁石によってその流動性を低下させ、もしくは実質的に固化させてその流動を阻止することになる。
図2には、電磁クラッチ機構もしくは電磁ブレーキ機構にこの発明を適用した例を示してある。ここに示す例におけるアクチュエータ1は、電磁石2とこれに吸引されるアーマチュア3とによって推力を発生するように構成されている。その電磁石2は、全体として環状を成しかつ周辺部分の断面が、軸線方向に開いたコ字状を成すヨーク4と、通電することにより磁界を発生する電磁コイル(以下、仮にメインコイルと記す)5とを備えている。そのメインコイル5はヨーク4の内部に嵌め込まれた状態になっている。
アーマチュア3は、ヨーク4に対向するリング状の平板部6と、その平板部6の外周端に一体化させられているシリンダ部7とを備えている。このアーマチュア3がこの発明の移動部に相当している。そのシリンダ部7は、内筒部7aとそれより大径の外筒部7bとを備え、全体として環状を成し、かつ周辺部分が中空形状を成している。
このシリンダ部7は、ヨーク4の外周側の少なくとも一部を被うように配置されており、その先端部に薄板状のリテーナ8が取り付けられている。このリテーナ8に対向する他のリテーナ9が、電磁石2を保持している所定の固定部10に固定されている。そして、これらのリテーナ8,9の間にリターンスプリング11が配置されている。このリターンスプリング11は、アーマチュア3が電磁石2によって吸引されて前進された場合に圧縮され、電磁石2による吸引力(アーマチュア3の推力)がなくなった場合にアーマチュア3を元の初期位置に押し戻す弾性力を発生するように構成されている。
前記シリンダ部7の内部で軸線方向でのほぼ中央部に電磁石12が固定されている。この電磁石12は、前記内筒部7aの外周面に固定したベースリング12aと、その外周側に嵌合させた電磁コイル(以下、仮にサブコイルと記す)12bと、そのサブコイル12bを被うフレーム部材12cとを備えている。なお、ベースリング12aとサブコイル12bおよびフレーム部材12cとの間には僅かな隙間が開いていて、この隙間が後述する磁性流体もしくは磁気粘性流体のための流路を形成している。
上記のシリンダ部7の内部で前記電磁石12を挟んだ一方(図2の右側)には、この発明における押圧部材に相当する第1ピストン13が液密状態を維持して前後動するように嵌め込まれている。それに伴って電磁石12と第1ピストン13との間に第1ピストン室14が形成されている。また、上記のシリンダ部7の内部で前記電磁石12を挟んだ他方(図2の左側)には、第2ピストン15が液密状態を維持して前後動するように嵌め込まれている。それに伴って電磁石12と第2ピストン15との間に第2ピストン室16が形成されている。この第1ピストン室14と第2ピストン室16とが充填室に相当する。
第1ピストン13は、シリンダ部7の内部に嵌合する部分から軸線方向に延び出ている部分を備え、そのいわゆる延出部分が、ブレーキ機構17を構成している摩擦板18に接近して対向している。この摩擦板18は、ケーシング19の内周面にスプライン嵌合されたブレーキプレートと、ブレーキドラム20の外周面にスプライン嵌合されかつブレーキプレートに対して交互に配置されたブレーキディスクとを含み、第1ピストン13によって厚さ方向(軸線方向)に押圧されることにより互いに摩擦接触してトルクを伝達するように構成されている。図2に示す例では、遊星歯車機構21のサンギヤ22にブレーキドラム20が一体化され、そのサンギヤ22を選択的に制動するように構成されている。
また、第2ピストン15は、シリンダ部7の内部に嵌合する部分から軸線方向(図2における左方向)に延び出ている部分を備え、そのいわゆる延出部分が、ケーシング19に取り付けられているストッパー23に当接するように構成されている。このストッパー23は、第2ピストン15をシリンダ部7の内部に押し戻すためのものであり、したがって第2ピストン15に前記延出部分を形成する替わりに、第2ピストン15に向けて突出した部分をストッパー23に設けてもよい。
そして、上記の各ピストン室14,16の内部に、この発明における充填材に相当する磁性流体もしくは磁気粘性流体(以下、仮にこれらを磁性流体と記す)24が封入されている。この磁性流体24は、従来知られているものであり、磁気を印加することによりその流動性が低下し、もしくは固化する流体である。また、上記の第1ピストン室14と連通するように図示しないアキュムレータが取り付けられている。そのため、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の圧力を調節することができる。このアキュムレータが蓄圧機25に相当する。この蓄圧機25の設定荷重はエアギャップを保持する油圧において中間位置となり、油温等の変化により油圧のばらつきが生じた場合においてトルク伝達に必要な最低限の油圧を確保することができる。また、油温等のばらつきで第1ピストン室14の体積が変化した場合において、エアギャップの変化を抑制することができる。
つぎに上述した装置の作用について説明する。図2に示す状態は、メインコイル5がオフ状態であって押圧作用を行っていない状態であり、アーマチュア3はリターンスプリング11によって、各ピストン13,15と共に後退側の初期位置に押し戻されている。この状態では、サブコイル12bもオフ状態となっており、したがって磁性流体24は磁気が印加されていないことにより流動性を保持している。また、第2ピストン15がストッパー23に当接して第2ピストン室16内に相対的に押し込まれている。そのため、第2ピストン室16の容積が小さくなっているので、磁性流体24の多くは第1ピストン室14の内部に移動している。したがって、第1ピストン室14の容積が大きく、あるいはその内部の磁性流体24の量が多いことにより、第1ピストン13がアーマチュア3から相対的に大きく突出した状態となっており、そのストローク調整が押圧方向での前方側になっている。
この状態で、メインコイル5に通電をすることでメインコイル5をオン状態にして押圧作用を行う状態にする。これにより、アーマチュア3がメインコイル2に吸引されて、第1ピストン13が摩擦板18に近接する方向に移動する。この第1ピストン13はリターンスプリング11により押し戻される力を受けているが、アーマチュア3がメインコイル5に引きつけられている力よりも弱いときは、第1ピストン13が摩擦板18の方向に移動する。また、このときはサブコイル12bは通電されており、このために磁性流体24は一定の流動性すなわち粘度を有している。
第1ピストン13と摩擦板18とが当接した状態で、トルクが伝達されるまでの動作を示したフローチャートを図1に記す。このときは、第1ピストン13と摩擦板18とが当接された状態で、サブコイル12bへ通電する電流の指令が実行される(ステップS11)。このとき、サブコイル12bへの通電の指令は電流を低くする方向に実行されるため、摩擦板18に伝達されるトルクのうち最大トルクに対応する磁性流体24の油圧Peを保持可能とするようにサブコイル12bの電流が減少される。そのため、当接前にサブコイル12bに通電されていた電流の影響により、固化されていた磁性流体24が流動性を有し、あるいは磁性流体24の流動性が高くなる。このため、メインコイル5もしくはこれと一体のヨーク4とアーマチュア3との間のエアギャップが小さくなる。また、この油圧Peは、アーマチュア3から第1ピストン13を経由して摩擦板18へと伝達されるトルクを伝達することを可能とする油圧であり、この油圧が低いときは、アーマチュア3から第1ピストン13へのトルクの伝達が十分に実行されない。
サブコイル12bに印加された電流を変更した後に、メインコイル5へ通電する電流の指令が実行される(ステップS12)。この指令はメインコイル5へ通電する電流を増大するように実行されるため、メインコイル5で生じる磁束密度が増大し、アーマチュア3がメインコイル5に吸引されて、軸線方向の推力が発生する。このため、この吸引力すなわち推力に基づいて、メインコイル5もしくはこれと一体のヨーク4とアーマチュア3との間のエアギャップが小さくなる。
ステップS12で記されているメインコイル5に印加される電流の指令が実行された後に、第1ピストン室14の内部に充填されている磁性流体24の油圧Pが圧力センサ26により検出される(ステップS13)。この検出が圧力検出手段に相当する。この油圧Pはアーマチュア3の推進力と磁性流体24の粘度とリターンスプリング11と各ピストン室14,16に流入されている磁性流体24の流入量とにより変動する。ステップS13では第1ピストン13と摩擦板18とが係合されているため、アーマチュア3がメインコイル5と近接する方向に移動することにより、磁性流体24の油圧が上昇する。また、磁性流体24の粘度はサブコイル12bの電流の増加に伴い増加し、磁性流体24の油圧もこの電流の増加に伴い増加する。そして、この油圧Pを圧力センサ26により測定することで、メインコイル5もしくはこれと一体のヨーク4とアーマチュア3との間のエアギャップδを算出することができる(ステップS14)。このエアギャップδの算出が距離算出手段に相当する。
エアギャップδの算出は、次の関係式に基づいて実行される。
PA−kx=(NI)*S*μ /(8πδ(x))
この式において、Pは第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧、Aは第1ピストン室14の一面を形成している第1ピストン13の面積、kはリターンスプリング11のバネ定数、xはリターンスプリング11の自然長に対する変位、Nはメインコイル5の巻数、Iはメインコイル5に印加される電流、Sはアーマチュア作用面積、μは透磁率、δ(x)は算出されるエアギャップである。したがって、エアギャップδは油圧Pと電流Iを調節することにより制御することが可能である。
このエアギャップδが所定値δtとなるときは、予定されているエアギャップδに到達されたとして、次の制御が実行される(ステップS15)。また、このエアギャップδが所定値δtでないときは、エアギャップδを所定値δtに到達させるために、ステップS12に戻りメインコイル5の電流が調節される。
エアギャップδが所定値δtのときは、磁性流体24の油圧がPeの状態の時にメインコイル5の電流をI1からI2へ低下させる制御が実行される(ステップS16)。この電流の減少の指令はメモリなどの記憶装置に入力されているマップからの指令により実行される。これにより、第1ピストン13と摩擦板18とが当接した状態で、アーマチュア3をメインコイル5と近接する方向に移動させることが可能となる。そして、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の一部が流路を経由して第2ピストン室16に流入される。この場合に、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧がPeと異なる場合には、この油圧が目標圧力にあたるPeとなるようにメインコイル5の電流の指令が再度実行される(ステップS17)。
この測定により、この磁性流体24の油圧PがPeの時は、アーマチュア3とメインコイル5とを当接させてエアギャップδをゼロとするためにメインコイル5の電流が増加される(ステップS18)。この電流の増加により、メインコイル5から生じる磁束密度が増大して、アーマチュア3がメインコイル5と近接する方向に移動する。このときのエアギャップδが第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧Pの検出により算出される。この油圧の検出が圧力検出手段に相当する。
メインコイル5に印加される電流が増加されて油圧Pが増加する場合は、エアギャップδがゼロでないため、メインコイル5とサブコイル12bの通電により摩擦板18にトルクを伝達する制御が実行される(ステップS19,S110)。このときは、サブコイル12bの電流を増加することにより、第1ピストン室14の内部に充填されている磁性流体24の粘度が上昇して、磁性流体24の流通する流路が封止される。そして、第1ピストン13から摩擦板18へのトルクの伝達が実行される。
また、メインコイル5に印加される電流が増加されているにも関わらず油圧Pが変化しない場合は、エアギャップδがゼロであるると推測される。これは、エアギャップδがゼロの時は、アーマチュア3とメインコイル5とが当接されているため、メインコイル5に対して近接する方向にアーマチュア3を移動させることができないからである。このときは、磁性流体24の油圧Peを保持可能とするメインコイル5とサブコイル12bの電流が制御される(ステップS111)。また、サブコイル12bを通電することによりサブコイル12bの周囲に磁界が発生し、この磁界の影響により第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の流動性が調節される(ステップS111)。
磁性流体24の流動性の変更により、圧力検出手段に基づいて検出された磁性流体24の油圧Pが目標圧力にあたるPeに保たれている場合は、摩擦板18に伝達されるトルクを制限することなく、メインコイル5とサブコイル12bとに印加される電流の制御が実行される(ステップS112)。そして、メインコイル5とサブコイル12bとの電流を印加している状態で、摩擦板18へのトルクの伝達が実行される。そして、磁性流体24の粘度の変更により磁性流体24の油圧Pが目標圧力にあたるPeと異なる場合には、摩擦板18に伝達されるトルクの制限を変更する制御が実行される(ステップS113)。そして、トルクの制限が実行されている状態で、摩擦板18へのトルクの伝達が実行される。
前述したステップS110,S113におけるトルクの伝達に際しては、磁性流体24の油圧を一定に制御する必要があるため、蓄圧機25が第1ピストン室14に取り付けられている。このため、磁性流体24の温度の変化に伴う体積膨張または体積収縮が生じた場合でも、蓄圧機25を用いることにより磁性流体24の圧力の変動を抑制することができる。
図3(a),(b)には、図1に記したフローチャートにおけるメインコイル5の電流を制御するためのマップが記載されている。このマップでは、横軸にエアギャップδ、縦軸に油圧が記載され、前述した計算式を用いることによりエアギャップδのマイナス2乗と電流値の2乗とから油圧を求めることができる。
メインコイル5の電流がI1からI2へと減少されることにより、あるエアギャップδtに対しての第1ピストン室14の油圧が小さくなる。このとき、メインコイル5への指令としては、図3(a)に記すようにエアギャップδtを保った状態でメインコイル5の電流がI1からI2へと減少する指令が出されて、これにより磁性流体24の油圧が減少する。この時、メインコイル5の電流の変化に伴いアーマチュア3を引っ張るメインコイル5の力が減少するため、図3(b)に記すようにアーマチュア3とメインコイル5との距離がδtから変動する可能性を有している。そのため、前述したステップS16においてメインコイル5の電流をI1からI2とする指令を送り、前出したステップS17においてメインコイル5の電流I2における磁性流体24の油圧がPeとならない場合には、再度ステップS16に戻りメインコイル5に印加される電流が増大または減少される。
次に、トルクの伝達のために係合されていた第1ピストン13と摩擦板18についてトルクの伝達から解放するためのフローチャートを図4に記す。摩擦板18にトルクが伝達されている状態からクラッチを解放するために、クラッチ解放の指示がサブコイル12bの電流を制御しているメモリ等の集積回路に入力される。そして、この入力された指示に基づいて、サブコイル12bの電流が減少するように設定される(ステップS21)。したがって、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の粘度が減少して圧力が減少する。
この圧力は圧力センサ26により測定され、この圧力がPeに到達している場合は、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の圧力が十分に減少したとして、クラッチを解放するための制御が終了したか否かが判断される(ステップS22,S23)。また、測定された圧力がPeに到達していない場合は、ステップS21に戻ってサブコイル12bの電流を減少させる設定をすることにより、磁性流体24の圧力を減少させる(ステップS22)。
前述したステップS23において、クラッチを解放するための制御が終了していないと判断された場合は、再度ステップS21に戻り、サブコイル12bの電流が設定される。そして、ステップS23でクラッチを解放するための制御が終了していると判断された場合は、トルクが解放されたとして、メインコイル5の電流が減少される(ステップS24)。そして、このメインコイル5の電流が減少されることにより、第1ピストン13と摩擦板18との係合が解除される。
次に、第1ピストン13と摩擦板18とが接触する際のエアギャップ量により制御方法を変更する一連の操作に関するフローチャートを図5に記す。先ず、第1ピストン13と摩擦板18との当接前に、サブコイル12bに電流が印加される(ステップS31)。この電流の印加により、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の流動性が低下する。そのため、アーマチュア3の移動と共に第1ピストン13が移動する。
この第1ピストン13の移動により、パッククリアランスが詰まった状態、すなわち係合力が僅かに増大することにより直ちに伝達トルク容量を生じるスタンバイ状態に設定することができる(ステップS32)。そして、このスタンバイ状態でアーマチュア3がメインコイル5に吸引されることにより、第1ピストン13と摩擦板18とが当接する(ステップS33)。このときのエアギャップは油圧を検出することにより算出される(ステップS34)。
算出されるエアギャップが所定値よりも小さい時は、アーマチュア3の推力が十分に得られて、この推力が摩擦板18に伝達されているため、エアギャップを調節することなく、メインコイル5の電流が増加する(ステップS35)。そして、第1ピストン13から摩擦板18へのトルクの伝達が実行される(ステップS36)。また、算出されるエアギャップが所定値よりも大きい時は、アーマチュア3の推力が十分に得られない状態で、この推力が摩擦板18に伝達されている。そのため、サブコイル12bへ印加される電流を減少させて、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の流動性を低下させる(ステップS37)。この磁性流体24の流動性の低下により、アーマチュア3がメインコイル5に吸引される。そのため、第1ピストン13が摩擦板18に押されて、エアギャップδが小さくなる(ステップS38)。そして、この状態で第1ピストン13から摩擦板18へのトルクの伝達が実行される(ステップS36)。このため、第1ピストン13から摩擦板18へのトルクの伝達に際して、メインコイル5に印加する電流を減少させることが可能となり、消費電力の低減を図ることができる。
図5に記したフローチャートの詳細を図6に記す。先ず、第1ピストン13と摩擦板18との係合に際して、メインコイル5に印加する電流が算出される(ステップS41)。また、サブコイル12bの電流を増加させることにより、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の流動性が低下し、あるいは磁性流体24が固化する(ステップS42)。このステップS42が前述したステップS31に該当する。この磁性流体24の流動性を調節することにより、第1ピストン13と摩擦板18との接触の際に生じる振動が低減される。この磁性流体24の粘度は油温に依存するため、温度センサなどにより磁性流体24の温度が測定されて、この温度を考慮してサブコイル12bの電流が調節される。
ステップS42の次に、メインコイル5に印加される電流がステップS41で算出された電流値に基づいて指示される(ステップS43)。この指示により、アーマチュア3がメインコイル5に吸引される。この吸引が前述したステップS32に対応する。次に、アーマチュア3がメインコイル5に吸引される際の、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧が圧力検出手段に基づいて圧力センサ26により検出される(ステップS44)。
第1ピストン13と摩擦板18とが当接されておらず、第1ピストン室14に流入されている磁性流体24が押圧されていない時はこの油圧がゼロとなるため、ステップS43に戻り、メインコイル5に印加される電流値の指令が変化される(ステップS45)。また、ステップS44で測定された油圧が所定の圧力を有するときは、第1ピストン13と摩擦板18とが当接されて第1ピストン室14に流入されている磁性流体24が押圧されている。この磁性流体24の油圧はエアギャップδが小さくなるにつれて上昇する。そして、この油圧Pとエアキャップδとの関係から、エアギャップδを油圧Pにより測定することが可能となる。したがって、エアギャップδがゼロとなる時の磁性流体24の油圧をPtとして、圧力検出手段に基づいて測定された油圧がPtに該当するか否かが判断される(ステップS46)。
ステップS46において、油圧の測定値がPtとなる場合は、エアギャップがゼロであると判断されて、第1ピストン13と摩擦板18との係合に関する制御の終了の可否が判断される(ステップS47)。ステップS47において第1ピストン13と摩擦板18との係合に関する制御を終了する場合には、エアギャップδをゼロとするときの制御が実行される(ステップS48)。この制御は、前述したステップS111〜S113に該当する。
一方で、ステップS47において、第1ピストン13と摩擦板18との係合に関する制御を終了しない場合、すなわちエアギャップδが変化する場合には、エアギャップδと磁性流体24の油圧とに基づいて、第1ピストン13と摩擦板18とアーマチュア3との位置についての制御が実行される。このときは、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧を測定することにより、距離算出手段に基づいてエアギャップδが算出される(ステップS49)。そして、この算出されたエアギャップδが所定値δtよりも大きいか否かが判断される(ステップS410)。このときのエアギャップδの大きさがδtよりも大きいときはエアギャップδが大きいため、アーマチュア3のメインコイル5方向に対する推進力が十分に得られない可能性を有している。そのために、次のステップにおいて圧力検出手段に基づいて検出された油圧の大きさが判断される(ステップS411)。
また、このステップS49において、算出されたエアギャップδがδtであるときは、ステップS42において増加させているサブコイル12bの電流を増加する制御を行う。具体的には、図3(c)に記したマップに記載されているようにサブコイル12bの電流を増加することにより、エアギャップδが短くなる。このエアギャップδは、図3(d)に記されているマップに記載されているように、サブコイル12bの電流の増加により上昇した磁性流体24の油圧Pを測定することにより、エアギャップδが算出される。
第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧について、エアギャップδのもとでメインコイル5に最大の電流を印加させたときに生じるアーマチュア3の最大推力から、ある油圧値Pmaxが求められる。この油圧値Pmaxが所定値Ptよりも小さい時は、第1ピストン室14に封入されている磁性流体24の流動性に基づいてトルクが十分に伝達されないとして、エアギャップδを小さくするためにサブコイル12bの電流を減少させる制御が実行される(ステップS412)。そのため、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の流動性が上昇する。したがって、第1ピストン室14に封入されている磁性流体24の一部が第2ピストン室16に流入して、第1ピストン室14が圧縮されるため、エアギャップδが小さくなる。そして、サブコイル12bの電流が減少している時に、メインコイル5の電流を増加させることにより、エアギャップδの時間に対する変化率が大きくなる。
このサブコイル12bの電流の制御が実行されて、磁性流体24の油圧Pが制御された後に、再度メインコイル5に印加させる電流が算出される(ステップS413)。また、前述したステップS410において、エアギャップが所定値δt以下のときは、アーマチュア3からのトルクが第1ピストン13を介して摩擦板18へと十分に伝達される。そのため、サブコイル12bの電流を制御せずにメインコイル5の電流が算出される(ステップS413)。さらに、前述したステップS411において、圧力値PmaxがPt以上のときは、第1ピストン室14に封入されている磁性流体24の流動性に基づいてトルクが十分に伝達されるとして、サブコイル12bの電流を制御することなくメインコイル5の電流が算出される(ステップS413)。
前述したステップS45で測定された油圧がゼロでないときには、この油圧に基づいてエアギャップδintが算出される(ステップS414)。そして、この算出されたエアギャップδintがメモリ等の記憶装置に記憶されて、この算出されたエアギャップδintと記憶装置に記憶されているエアギャップδintとを比較することにより、メインコイル5の電流が再度算出される(ステップS415,S41)。
また、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の目標油圧Ptは、車速やスロットル開度やエンジントルクにより定められる(ステップS416,S417)。そして、この目標油圧Ptに基づいて、メインコイル5に印加される電流が算出される(ステップS41,S413)。
次に、第1ピストン室13と摩擦板18との係合からトルク伝達までの制御の一例のフローチャートを図7に記す。ステップS51からS54までは、前述したステップS31からS34までと同一であるため、符号を付してその説明を省略する。ステップS54においてエアギャップδが算出された後に、ステップS54において検出された磁性流体24の油圧とこの油圧から算出されたエアギャップδに基づいて、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧が制御される(ステップS55)。
ステップS55における油圧の制御は、摩擦板18に対する第1ピストン13のトルク伝達開始の指示や、エアギャップδの目標値への到達の有無や、第1ピストン13と摩擦板18との接触時間について実測された制御時間と設定されている接触時間との長短や、第1ピストン室14に充填される磁性流体24の測定油圧と設定油圧との高低により実行される。そして、この制御に基づいて、第1ピストン13と摩擦板18との係合に伴うトルク伝達が開始される(ステップS56)。
前述したステップS55についての詳細を示したフローチャートを図8に記す。このフローチャートでは、前述した図7に記載されているステップS55とステップS56との間についての詳細が記載されている。図8のフローチャートでは、第1ピストン13と摩擦板18とが接触した後に、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧が検出されて、この検出された油圧に基づいてエアギャップδが算出された後に実行される制御について記載されている。
前述したエアギャップδの算出の後に、第1ピストン13から摩擦板18へのトルクの伝達について開始されているか否かが判断される(ステップS61)。このトルクの伝達が開始されているときは、第1ピストン13から摩擦板18へのトルクの伝達が引き続き実行される(ステップS62)。また、このトルクの伝達が開始されていないときは、第1ピストン13と摩擦板18との接触時間と設定時間との長短が判断される(ステップS63)。このステップS63において、第1ピストン13と摩擦板18との制御時間が摩擦板18の焼損について予測される設定時間以上の場合は、第1ピストン13から摩擦板18へのトルクの伝達が実行される(ステップS62)。これにより、第1ピストン13と摩擦板18との接触時間の増大による第1ピストン13と摩擦板18との焼損を防止することが可能となる。
前述した制御時間が設定時間よりも短いときは、メインコイル5に印加される電流が制御される(ステップS64)。そして、このメインコイル5の電流の制御により、エアギャップδが調節される。この電流が所定の設定電流I1以上のときはメインコイル5の電流が過剰に多いため、メインコイル5から生じる磁界が過剰に多い状態に該当する。そのため、アーマチュア3の推進力が増大して、摩擦板18を押圧する第1ピストン13の押圧力が過剰に増大している。そのため、サブコイル12bの電流を減少させる制御が実行されて、これによりサブコイル12bから生じる磁界が減少する(ステップS66)。そして、この磁界の減少により、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の流動性が上昇する。
一方で、メインコイル5に印加される電流が所定の設定電流I2以下のときはメインコイル5の電流が少ないため、メインコイル5から生じる磁界が過剰に少ない状態に該当する。そのため、アーマチュア3の推進力が減少して、摩擦板18を押圧する第1ピストン13の押圧力が減少している。そのため、サブコイル12bの電流を増大する制御が実行されて、これによりサブコイル12bから生じる磁界が増大する(ステップS68)。そして、この電流の増大により、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の流動性が減少し、あるいは磁性流体24が固化する。そして、メインコイル5の電流がI1よりも小さく、かつI2よりも大きいときは、ステップS66,S68でのサブコイル12bでの電流調節は行われない。
メインコイル5の電流Iの制御の次に、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の油圧Pが圧力検出手段に基づいて検出される(ステップS69)。そして、この油圧Pから前述した計算式を用いた距離算出手段に基づいてエアギャップδが算出される(ステップS610)。そして、このエアギャップδが所定の設定値であるか否かが判断される(ステップS611)。このエアギャップδが所定の設定値である場合は、サブコイル12bの電流が増加されて、サブコイル12bから生じる磁界が増加する(ステップS612)。そのため、第1ピストン室14に充填されている磁性流体24の流動性が減少し、あるいは磁性流体24が固化する。そして、磁性流体24の流動性の変化により、摩擦板18を押圧する第1ピストン13の押圧力が増大する。そして、この状態でクラッチ係合制御として第1ピストン13から摩擦板18へのトルクが伝達される(ステップS62)。
一方で、前述したエアギャップδが設定値でない場合は、前述した磁性流体24の油圧Pが所定の設定油圧未満であるか否かが判断される(ステップS613)。この磁性流体24の圧力が所定の設定油圧以上のときは、この油圧の状態で第1ピストン13から摩擦板18へのトルクが伝達される(ステップS614)。また、前述したエアギャップδが設定値でない場合において、前述した磁性流体24の圧力が所定の設定油圧未満のときは、サブコイル12bの電流を増加させることにより、サブコイル12bから生じる磁界が増加される(ステップS615)。そして、前述した磁性流体24の流動性が低下し、あるいは磁性流体24が固化した状態で、第1ピストン13から摩擦板18へのトルクが伝達される(ステップS62)。
トルク伝達のためのメインコイルおよびサブコイルの電流の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の一例を模式的に示す部分的な断面図である。 図1及び図6及び図8の制御例で用いるマップの一例を示す図である。 クラッチ解放のためのメインコイルおよびサブコイルの電流の制御例を説明するためのフローチャートである。 トルク伝達のためのメインコイルおよびサブコイルの電流の他の制御例を説明するためのフローチャートである。 トルク伝達のためのメインコイルおよびサブコイルの電流の他の制御例を説明するためのフローチャートである。 トルク伝達のためのメインコイルおよびサブコイルの電流の他の制御例を説明するためのフローチャートである。 トルク伝達のためのメインコイルおよびサブコイルの電流の他の制御例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…アクチュエータ、 2,12…電磁石、 3…アーマチュア、 5…メインコイル、 11…リターンスプリング、 12b…サブコイル、 13…第1ピストン、 14…第1ピストン室、 15…第2ピストン、 16…第2ピストン室、 17…ブレーキ機構、 18…摩擦板、 24…磁性流体。

Claims (6)

  1. 電流を印加されることにより往復動作する移動部と磁界を生じるメインコイルとからなるアクチュエータとを有し、前記移動部に押されてその移動部と同方向に移動可能な押圧部材を有するとともに、前記移動部と前記押圧部材との間に充填室が形成され、その充填室に流動性を備えかつ選択的に封止状態とされて前記移動部による押圧力を前記押圧部材に伝達する充填材が給排可能に充填されている動力伝達装置において、
    圧力センサを用いて前記充填材の圧力を検出する圧力検出手段と、この圧力検出手段に基づいて前記移動部と前記メインコイルとの距離であるエアギャップを算出することを可能とする距離算出手段とを有することを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記充填材は磁性流体もしくは磁気粘性流体からなり、前記エアギャップが前記メインコイルの電流値の増大によって変化しない場合と変化する場合とで前記メインコイルまたは前記移動部に取り付けられた磁界を生じるサブコイルの電流を変更する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記メインコイルまたは前記移動部に取り付けられた磁界を生じるサブコイルの電流制御を行った結果前記圧力検出手段により検出された圧力があらかじめ定めた目標圧力と異なる場合に、前記押圧部材に加えられるトルクを制限する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  4. 前記圧力検出手段により検出された圧力が目標圧力となるように前記メインコイルの電流を制御する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  5. 前記距離算出手段により算出された前記エアギャップの変化がない場合に前記メインコイルの電流を低下させることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  6. 前記充填材の圧力を調節可能とする蓄圧機が前記充填室を連通して取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の動力伝達装置。
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