JP5251925B2 - 油圧制御装置および油圧制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機用の油圧制御装置および油圧制御方法に関する。
自動変速機は、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素を選択的に係合または開放して変速を行う。このとき、摩擦要素に供給される油圧が適切でないと変速ショックを生じたり、変速遅れを生じたりする。そこで、従来、出力油圧の制御精度を高める油圧制御装置または油圧制御方法が提案されている。例えば、特許文献1には下記(a)〜(d)の構成を含む油圧制御方法が開示されている。
(a)ソレノイドの個体毎に「電気信号(ソレノイド駆動電流)」に対する「出力圧(クラッチ締結圧)」のデータを実測する。
(b)「電気信号」と「信号圧(ソレノイド圧)」との関係は「基本マップ」として既知である。
(c)上記(a)および(b)から「信号圧(ソレノイド圧)」と「出力圧(クラッチ締結圧)」との関係を求めてコントローラ内に格納しておく。
(d)変速を行う際、「出力圧要求値」から上記(c)の関係に基づき「信号圧要求値」を求め、さらに上記(b)の基本マップをもとに「電気信号(電流値)」を求めてソレノイドに供給する。
特開2001−116130号公報
特許文献1の上記(b)に示される「電気信号(電流値)」と「信号圧」との関係は、電流値を横軸、信号圧を縦軸に表したとき、負の勾配を持つ曲線で示される。すなわち、電流値が小さいとき信号圧が大きく、電流値が増加するにつれ信号圧は減少する。また、小電流域および大電流域において電流値の変化に対する信号圧の変化が小さく、中電流域において電流値の変化に対する信号圧の変化が大きい。すなわち、電流値に対する信号圧は「逆S字形」の波形で示される。この特性は、上記(a)に示される「電気信号(電流値)」と「出力圧」との関係においても同様である。
また、上記(a)にて出力圧を実測する際、電流値を変化させたときに出力圧の変化が遅れるという「出力圧の応答遅れ」が問題となり得る。つまり、充分な時間が経過してから検出しない限り、電流値を小さい値から大きい値へ増やすときは出力圧が真の値よりも大きめに検出され、逆に電流値を大きい値から小さい値へ減らすときは出力圧が真の値よりも小さめに検出される傾向がある。
特に中電流域では、電流値の変化に対する信号圧の変化が大きいため、所定の電流値を変化させたときの出力圧の応答遅れによる検出誤差が増大する。
電流値を変化させてから充分な時間が経過してから出力圧を実測するという方法は現実的でなく、現実には所定の時間内に検出を行わざるを得ない。したがって、特許文献1の油圧制御方法では、ソレノイドの個体毎の出力圧の実測データに検出誤差を含むことが避けられない。よって、実使用時における制御精度を充分に向上することができない。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、電磁油圧制御手段の個体差によるばらつきを低減し、制御精度を向上する油圧制御装置および油圧制御方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、複数の摩擦要素の係合と開放とにより車両の自動変速を行う油圧制御装置に係る発明である。この油圧制御装置は、油圧指令手段、電流指令手段、電流発生手段および電磁油圧制御手段を備える。
油圧指令手段は、出力油圧目標値を設定する。電流指令手段は、あらかじめ作成された指令電流対指令油圧マップに基づき出力油圧目標値を指令電流値に変換する。電流発生手段は、指令電流値に基づき駆動電流を発生する。電磁油圧制御手段は、駆動電流が通電されることにより電磁吸引力を発生し、複数の摩擦要素へ供給する出力油圧を制御する。
ここで、指令電流対指令油圧マップは、次のようにして作成される。まず、電磁油圧制御手段の設計仕様をもとに作成される規範マップに基づき、電磁油圧制御手段の個体毎に、指令油圧が時間に対して直線的に変化するように指令電流を変化させたときの実出力油圧を検出する。そして、規範マップに対し、検出した実出力油圧と前記規範マップに基づく指令油圧との差分を補正する。
これにより、油圧制御装置は、電磁油圧制御手段の個体毎に規範マップを補正して作成された「指令電流対指令油圧マップ」に基づき自動変速を行うため、電磁油圧制御手段の個体差によるばらつきを低減し、制御精度を向上することができる。
また、実出力油圧の検出段階で、指令油圧が時間に対して直線的に変化するように指令電流を変化させる。すなわち、「指令電流の変化に対する指令油圧の変化が小さい領域」では時間に対して指令電流を大きく変化させ、「指令電流の変化に対する指令油圧の変化が大きい領域」では時間に対して指令電流を小さく変化させる。これにより、実出力油圧と指令油圧との差分は、指令電流によらずほぼ一定の値となる。よって、出力油圧の応答遅れによる検出誤差の影響を最小限とすることができる。
なお、特許文献1に記載の用語を本発明の用語と対比すると、特許文献1に記載の「電気信号」、「信号圧」、「出力圧」、「出力圧要求値」が、それぞれ本発明の「指令電流」、「指令油圧」、「出力油圧」、「出力油圧目標値」に相当する。
請求項2に記載の発明によると、電磁油圧制御手段は、スリーブ、スプールおよび電磁駆動部を備えるリニアソレノイド弁である。
スリーブは、複数の摩擦要素に連通するポート、及び、油圧供給源に連通するポートを有する。スプールは、スリーブに摺動可能に収容され、スリーブとの相対位置によって油圧供給源から複数の摩擦要素へ供給される出力油圧を調圧する。電磁駆動部は、通電される電流値に応じた電磁吸引力を発生しスプールを駆動する。
以上の構成によるリニアソレノイド弁は、前記電磁吸引力、及び、油圧により前記電磁吸引力と反対向きに前記スプールに作用する推力を釣り合わせることにより出力油圧を制御する
これにより、電磁油圧制御手段の構成が具現化される。
請求項3に記載の発明は、複数の摩擦要素の係合と開放とにより車両の自動変速を行う油圧制御方法に係る発明である。この油圧制御方法は、請求項1に記載の油圧制御装置を用いて実行される。この油圧制御方法では、変速制御処理は、油圧指令段階、電流指令段階、電流発生段階および電磁油圧制御段階を含む。
油圧制御段階では、油圧指令手段が出力油圧目標値を設定する。
電流指令段階では、あらかじめ作成された指令電流対指令油圧マップに基づき電流指令手段が出力油圧目標値を指令電流値に変換する。
電流発生段階では、電流発生手段が前記指令電流値に基づき駆動電流を発生する。
電磁油圧制御段階では、前記駆動電流が通電されることにより電磁油圧制御手段が電磁吸引力を発生し、前記複数の摩擦要素へ供給する出力油圧を制御する。
さらに、指令電流対指令油圧マップを作成するマップ作成処理は、検出段階、差分算出段階および補正段階を含む。
検出段階では、前記電磁油圧制御手段の設計仕様をもとに作成される規範マップに基づき、前記電磁油圧制御手段の個体毎に、指令油圧が時間に対して直線的に変化するように指令電流を変化させたときの実出力油圧を検出する。
差分算出段階では、前記検出段階で検出した実出力油圧と前記規範マップに基づく指令油圧との差分を算出する。
補正段階では、前記規範マップに対し、前記差分算出段階で算出した差分を補正する。
これにより、請求項1に記載の油圧制御装置と同様の効果が得られる。
請求項4に記載の発明によると、検出段階は、指令油圧が時間に対して直線的に上昇するように実行する昇圧検出段階と、指令油圧が時間に対して直線的に下降するように実行する降圧検出段階とを含む。
続く差分算出段階において、昇圧検出段階および降圧検出段階で検出した出力油圧と規範マップに基づく指令油圧との差分を算出することで、昇圧用の指令電流対指令油圧マップおよび降圧用の2つの指令電流対指令油圧マップを作成する。
これにより、電磁油圧制御手段の個体毎に、昇圧用の指令電流対指令油圧マップと降圧用の指令電流対指令油圧マップが作成される。これらのマップは、指令電流の変化方向に対する出力油圧の応答遅れを反映したものとなっている。したがって、変速制御処理の電流指令段階で目標指令油圧値を指令電流値に変換する際、例えば2速から3速へのシフトアップの際には昇圧用の指令電流対指令油圧マップを使用し、3速から2速へのシフトダウンの際には降圧用の指令電流対指令油圧マップを使用することで、制御精度を向上することができる。
請求項5に記載の発明によると、検出段階は、指令油圧が時間に対して直線的に上昇するように実行する昇圧検出段階と、指令油圧が時間に対して直線的に下降するように実行する降圧検出段階とを含む。
続く差分算出段階において、昇圧検出段階および降圧検出段階で検出した出力油圧の平均値と前記規範マップに基づく指令油圧との差分を算出することで、昇圧用および降圧用を兼ねる1つの指令電流対指令油圧マップを作成する。
これにより、電磁油圧制御手段の個体毎に、昇圧用と降圧用を兼ねる1つの指令電流対指令油圧マップが作成される。電流指令手段が格納するデータベース容量が少なくなり、また、電流指令段階で油圧増減方向を識別して指令電流対指令油圧マップを選択する必要がないため、電流指令手段の演算量を軽減することができる。
請求項6に記載の発明によると、検出段階において、指令油圧を低圧側から高圧側へ上昇させる前に、指令油圧を一時的に所定の初動圧にするように指令電流を変化させる。
電磁油圧制御手段は、摺動部の摩擦等により、停止時からの初動時において所定値以上の油圧がかからないと作動しない場合がある。したがって、指令油圧を一時的に所定の初動圧にして確実に初動させた後に低圧に戻し、低圧側から高圧側へ上昇させることで検出精度が向上する。
本発明の一実施形態による油圧制御装置が適用される自動変速機の模式図。 本発明の一実施形態によるリニアソレノイド弁の断面図。 図2のリニアソレノイド弁の調圧部を示す要部拡大断面図。 本発明の一実施形態によるリニアソレノイド弁の(a):プランジャ位置と電磁吸引力との関係を示す特性図、(b)、(c):スプール位置と推力との関係を示す特性図。 本発明の一実施形態によるリニアソレノイド弁の指令電流と出力油圧との関係を示す特性図。 本発明の第1実施例による変速制御処理のフローチャート。 本発明の第1実施例によるマップ作成処理のフローチャート。 本発明の第1実施例によるマップ作成処理で作成される指令電流対指令油圧マップ。 本発明の第1実施例によるマップ作成処理の検出段階で使用される検出装置の模式図。 本発明の第1実施例によるマップ作成処理の検出段階を説明する説明図。 本発明の一実施形態による油圧制御装置の作動例を説明する説明図。 本発明の第2実施例によるマップ作成処理のフローチャート。 本発明の第3実施例によるマップ作成処理の検出段階を説明する説明図。 本発明の第4実施例によるマップ作成処理の検出段階を説明する説明図。 比較例のマップ作成処理の検出段階を説明する説明図。
以下、本発明の実施形態による油圧制御装置および油圧制御方法を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による油圧制御装置を図1〜図5に示す。
まず、本発明の一実施形態による油圧制御装置が適用される自動変速機の油圧制御システムを図1に示す。油圧制御装置10は、自動変速機11とともに車両に搭載され、自動変速機11を制御する。図1に示す自動変速機11は、いわゆる多段自動変速機であり、複数の歯車を使用して力を伝え変速比を段階的に変化させる。
自動変速機11には、油圧制御装置10から供給される作動油の出力油圧に応じて作動する摩擦要素としての複数のクラッチ12が設けられている。図1では、便宜上、1つのクラッチ12のみを示している。
クラッチ12は、油圧制御装置10からピストン室13へ導入される作動油の出力油圧によりクラッチピストン15が作動することで、クラッチ板14が係合または開放されるものである。出力油圧が所定の閾値以上のときクラッチ板14が係合する。また、出力油圧が所定の閾値未満のときクラッチ板14が開放される。このように、複数のクラッチ12のクラッチ板14の係合または開放の組み合わせ、及び、図示しないブレーキの係合または開放の組み合わせを変えることにより、自動変速機11のレンジおよび変速比を変えることができる。
油圧制御装置10は、リニアソレノイド弁20およびTCU(トランスミッションコントロールユニット)60を備えている。ここで、リニアソレノイド弁20は、複数のクラッチ12にそれぞれ対応するように複数設けられる。また、TCU60は、複数のリニアソレノイド弁20と電気的に配線される。図1では、便宜上、1つのリニアソレノイド弁20のみを示している。
リニアソレノイド弁20は、特許請求の範囲に記載の「電磁油圧制御手段」に相当し、TCU60は、特許請求の範囲に記載の「油圧指令手段」、「電流指令手段」、「電流発生手段」に相当する。
リニアソレノイド弁20は、クラッチ12のピストン室13へ導入される作動油の出力油圧を制御する。リニアソレノイド弁20は、調圧部21および電磁駆動部40から構成されている。調圧部21は、電磁駆動部40により駆動され、出力油圧を調整する。調圧部21は、流路50を経由してオイルポンプ54に接続され、流路51を経由してクラッチ12のピストン室13と接続されている。また、調圧部21は、流路52を経由してオイルパン55に接続されている。
オイルポンプ54は、オイルパン55に蓄えられている作動油を吸引および加圧し、所定のライン圧に調整して、流路50を経由して調圧部21に供給する。油圧供給源としてのオイルポンプ54から供給された作動油は、調圧部21にて目標の出力油圧に調整され、流路51を経由してピストン室13に供給される。調圧部21にて油圧を調整する際に発生する余剰油は、流路52を経由してオイルパン55に戻される。
電磁駆動部40は、調圧部21における油圧の調圧動作を制御する。電磁駆動部40は、TCU60から指令電流値に基づく駆動電流が供給され、電磁吸引力を発生する。調圧部21は、電磁駆動部40が発生する電磁吸引力によって制御される。
TCU60は、マイクロコンピュータおよび駆動回路等から構成され、後述する変速制御処理を実行する。TCU60には、変速制御処理を実行する上で必要な各種運転情報を取得するためのスロットル開度センサ61、エンジン回転数センサ62、タービン回転数センサ63、レンジセンサ64、車速センサ65、油温センサ66等が接続されている。油温センサ66は、流路51を流れる作動油の油温を検出している。
TCU60内に設けられるマイクロコンピュータは、メモリ60aに記憶された種々の制御プログラムを実行することにより、目標出力油圧値を算出し、さらに、指令電流値を算出する。駆動回路は、算出された指令電流値に基づき電磁駆動部40を駆動するための駆動電流を発生する。
次に、リニアソレノイド弁20について図2に基づいて説明する。
電磁駆動部40は、リニアソレノイドであり、ステータ41、プランジャ44、コイル45等から構成される。
ステータ41は鉄等の磁性材料で筒状に形成されており、収容部42および吸引部43を有している。収容部42は、プランジャ44を径方向内側に収容している。吸引部43は、収容部42に対して調圧部21側に設けられており、プランジャ44を吸引する電磁吸引力をプランジャ44との間に発生する。プランジャ44は、鉄等の磁性材料で柱状に形成され、収容部42内に軸方向に往復移動可能に収容される。
コイル45は、収容部42の径方向外側に設置されている。TCU60からの指令電流は、ターミナル46を経由してコイル45に供給される。コイル45に指令電流が供給されると、指令電流に応じた磁束が発生する。磁束は、ステータ41およびプランジャ44を通過し、吸引部43とプランジャ44との間に電磁吸引力が発生する。そして、プランジャ44は、シャフト47とともに調圧部21側に移動する。
調圧部21は、いわゆるスプール弁であり、スリーブ22、スプール30、コイルスプリング34等から構成される。
スリーブ22は、ステータ41と同軸上に筒状に形成されている。スリーブ22は、径方向の外側と内側とを連通する複数の流体ポートを有している。複数の流体ポートとしてのフィードバックポート26、入力ポート23、出力ポート24および排出ポート25は、電磁駆動部40側からこの順に配置されている。スリーブ22の電磁駆動部40と反対側の端部には、調整ねじ35が設けられている。
入力ポート23は、流路50が接続され、所定のライン圧に調整された作動油がオイルポンプ54から供給される。排出ポート25は、入力ポート23に供給された作動油を出力油圧に調整する際に発生する余剰油をオイルパン55に排出する。
出力ポート24は、流路51が接続され、出力油圧に調整された作動油をピストン室13に出力する。フィードバックポート26は、流路51から分岐した流路53が接続され、出力ポート24から出力された作動油の一部がスリーブ22の内側に戻される。
スリーブ22には、電磁駆動部40とフィードバックポート26との間に第一支持部27が形成され、入力ポート23と排出ポート25との間に第二支持部28が形成される。また、排出ポート25と調整ねじ35側の端部との間に第三支持部29が形成される。
スプール30は、スリーブ22の径方向内側に、軸方向に往復移動可能に収容される。以下、スプール30が電磁駆動部40側(図2の右側)に移動することを「後退」といい、スプール30が電磁駆動部40(図2の左側)と反対側に移動することを「前進」という。
スプール30は、電磁駆動部40のシャフト47に当接する側からフィードバックランド31、入力ランド32、排出ランド33をこの順に設けている。フィードバックランド31は、スリーブ22の第一支持部27に摺動可能に支持される。入力ランド32は、第一支持部27および第二支持部28に摺動可能に支持される。排出ランド33は、第二支持部28および第三支持部29に摺動可能に支持される。
スプール30の往復移動によって、入力ランド32と第二支持部28とが軸方向に重なる支持長さA、及び、排出ランド33と第二支持部28とが軸方向に重なる支持長さBが変化する。次に説明するように、この支持長さAおよび支持長さBに応じて、出力ポート24から出力される作動油の出力油圧が変化する。
図3(a)に示すスプール30の後退時の位置では、支持長さAが短く支持長さBが長い。このとき、入力ポート23から「入力ランド32の外壁と第二支持部28の内壁との隙間(破線A部)」を通って「入力ランド32と排出ランド33との間隙の空間C」へ流入する作動油の量は増加する。また、空間Cから「排出ランド33の外壁と第二支持部28の内壁との隙間(破線B部)」を通って排出ポート25より流出する作動油の量は減少する。そのため、出力ポート24より出力される出力油圧Poが上昇する。
一方、図3(b)に示すスプール30の前進時の位置では、支持長さAが長く支持長さBが短い。このとき、入力ポート23から空間Cへ流入する作動油の量が減少し、空間Cから排出ポート25へ流出する作動油の量が増加するため、出力ポート24より出力される出力油圧Poが下降する。
このように、スリーブ22に対するスプール30の相対位置によって調圧部21の出力油圧が変化する。
コイルスプリング34は、一端が調整ねじ35に当接し、他端がスプール30の電磁駆動部40と反対側の端面に当接して設けられている。コイルスプリング34は、スプール30、シャフト47およびプランジャ44を電磁駆動部40側すなわち後退側に付勢している。これにより、電磁駆動部40への通電または非通電によって、スプール30とプランジャ44とは一体に往復移動する。なお、スプール30の移動方向を示す「後退」および「前進」をプランジャ44の移動方向にも同様に適用する。
調整ねじ35は、スリーブ22へのねじ込み深さを調整することでコイルスプリング34の付勢力を調整する。
次に、図4(a)を参照して、プランジャ位置と電磁吸引力との関係を説明する。「プランジャ位置」は、収容部42におけるプランジャ44の位置を示している。位置S0は、プランジャ44の最後退位置を示す。位置Seは、プランジャ44が吸引部43と接触する最前進位置を示す。
図4(a)に示すように、電磁吸引力は、プランジャ位置にかかわらず、コイル45に供給される指令電流Iが大きいほど増大する。また、特に指令電流Iが大きいときにはプランジャ位置の後退側で電磁吸引力が低下する傾向がある。
次に、図2、図4(b)を参照して、スプール30に発生する推力について説明する。「スプール位置」は、スリーブ22に対するスプール30の相対位置を示している。また、スプール30とプランジャ44とが一体に往復移動するため、スプール位置は、図4(a)のプランジャ位置に対応する。すなわち、位置S0は、スプール30の最後退位置を示し、位置Seは、スプール30の最前進位置を示す。
出力ポート24から出力された作動油の出力油圧は、フィードバックポート26に入力され、フィードバックランド31および入力ランド32の端面に作用する。ここで、入力ランド32の直径d2は、フィードバックランド31の直径d1より大きい(図3参照)ため、入力ランド32の端面の受圧面積は、フィードバックランド31の端面の受圧面積より大きい。そのため、フィードバックポート26に入力された油圧により、入力ランド32とフィードバックランド31との受圧面積差に応じた推力Ffbがスプール30を前進させる方向(図2、図3の左向き)に発生する。
また、スプール30には、コイルスプリング34の付勢力による推力Fspがスプール30を後退させる方向(図2の右向き)に発生する。ここで、推力Fspは、スプール30の移動位置全域において推力Ffbよりも大きく設定されるため、推力Fspと推力Ffbの差の推力(Fsp−Ffb)がスプール30の後退方向に発生することとなる。
一方、電磁駆動部40が発生する電磁吸引力は、スプール30の前進方向(図2の左向き)の推力Fmgとなる。前述したとおり、推力Fmgは、コイル45に供給される指令電流に応じて変化する(図4(a)参照)。
図4(c)は、図4(a)と図4(b)を重ね合わせた特性図である。各指令電流値における推力Fmgと推力(Fsp−Ffb)との交点となるスプール位置で、推力Fmgと推力(Fsp−Ffb)とが釣り合う。例えば、コイル45に供給される指令電流が0.6Aのときのスプール位置はS2である。同様に、指令電流が0.2Aのときのスプール位置はS1であり、指令電流が0.9Aのときのスプール位置はS3である。なお、指令電流が0Aのとき、すなわち電磁駆動部40の非通電時のスプール位置はS0となる。
このように、指令電流Iとスプール位置とには相関がある。また、スプール位置と調圧部21の出力油圧Poとには相関がある。よって、これらの相関から、図5に示すような指令電流Iと出力油圧Poとの関係を導くことができる。
指令電流Iと出力油圧Poとの関係は、指令電流Iを横軸に取り、出力油圧Poを縦軸に取ると負の勾配を持つ曲線となる。すなわち、指令電流Iが小さいとき出力油圧Poが大きく、指令電流Iが増加するにつれ出力油圧Poが小さくなる。
後述するように、自動変速機の変速制御処理では、変速後の出力油圧目標値Pxを設定し、指令電流対出力油圧との関係から出力油圧目標値Pxを出力するための指令電流Ixを算出し、リニアソレノイド弁20を駆動して出力油圧Poを制御する。
本発明の油圧制御装置10は、この変速制御処理の制御精度を向上するものである。
次に、油圧制御装置10を用いる油圧制御方法の変速制御処理について図6を参照して説明する。
TCU60は、図示しないイグニッションスイッチがオンのとき、各種センサ61〜65によるスロットル開度、エンジン回転数、タービン回転数、レンジ信号、車速等の情報に基づき変速段の切り換えが必要か否かを判断する。変速段の切り換えが必要である場合は、第何速から第何速へ切り換えるかという変速種を決定し、変速制御処理を開始する。以下、フローチャートの説明では、記号Sは、ステップを示す。
S01の油圧指令段階では、TCU60は、決定した変速種にしたがい、その変速種に該当するクラッチ12のピストン室13に供給する作動油の出力油圧目標値Pxを設定する。
S02の電流指令段階では、TCU60は、後述する「マップ作成処理」によってリニアソレノイド弁20の個体毎に作成された「指令電流対指令油圧マップ」に基づき、S01で設定した出力油圧目標値Pxを指令電流値Ixに変換する。
S03の電流発生段階では、TCU60は、S02で変換された指令電流値に基づき駆動電流を発生する。
S04の電磁油圧制御段階では、S03で発生した駆動電流を通電することにより、リニアソレノイド弁20の電磁駆動部40が電磁吸引力を発生し、調圧部21がクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素へ供給する出力油圧を調圧する。
その後、変速種に応じてギア比が変化したことを確認し、変速制御処理を終了する。
次に、S02の油圧指令段階で使用される「指令電流対指令油圧マップ」を作成する「マップ作成処理」について複数の実施例を説明する。
(第1実施例)
「マップ作成処理」の第1実施例について図7を参照して説明する。マップ作成処理は、検出段階、差分算出段階および補正段階を含み、リニアソレノイド弁20の個体毎に「指令電流対指令油圧マップ」を作成する。
S21の検出段階では、まず、TCU60に格納されている「規範マップ」を参照する。規範マップは、図8に示すように、指令電流対指令油圧の関係を示すものである。規範マップは、リニアソレノイド弁20の各構成部品の寸法等の諸元値(ノミナル値)すなわち設計仕様を基に作成される。
ところで、現実に製造されるリニアソレノイド弁20の特性は、各構成部品の寸法公差や組み立てのばらつき等により、規範マップに対しある幅を持った範囲に分布する。そのため、S02の電流指令段階で、一律に規範マップに基づいて出力油圧目標値Pxを指令電流値Ixに変換すると、リニアソレノイド弁20の個体差によって出力油圧目標値Pxと実出力油圧Poとの誤差が大きくなる場合があり、自動変速機の変速ショックを生じるおそれがある。
そこで、S21〜S23でリニアソレノイド弁20の個体毎に「マップ作成処理」を実行し、リニアソレノイド弁20の個体毎に「指令電流対指令油圧マップ」を作成する。
S21の検出段階では、規範マップを参照後、リニアソレノイド弁20の実出力油圧Poを検出する。この検出段階で使用される検出装置を図9に示す。検出装置80には油圧制御装置10が設置される。油圧制御装置10は、バルブボディ18に複数のリニアソレノイド弁20が装着されている。バルブボディ18には作動油の流路が形成されている。
複数のリニアソレノイド弁20は、それぞれTCU60と導線69で接続されており、TCU60から駆動電流を供給される。また、TCU60は、検出された出力油圧Poのデータをメモリ60aに格納する。
検出装置80は、油圧制御装置10を流れる作動油の油温を常に約80℃に維持している。油圧制御装置10の通常運転時における作動油の油温が約80℃であるため、検出段階での作動油温度条件を、例えば80±20℃とすることが好ましい。
第1実施例の検出段階で実行される実出力油圧Poの検出について図10を参照して説明する。図10(b)は、時間に対する指令電流Iの変化を示している。指令電流Iは規範マップにより指令油圧Pnと関係づけられる。したがって、「時間に対する指令油圧Pnの変化」(図10(c))を決めることにより、対応する指令電流Iの変化が決まる。なお、図10(b)では、指令電流Iの変化を模式的に折れ線で表示しているが、厳密には連続的な曲線波形を描く。
まず、時刻t1〜t4では、「指令油圧Pnが時間に対して高圧値Hからゼロまで直線的に下降するように」指令電流Iをゼロから最大値Imaxまで増加方向にスイープする。すなわち、規範マップの小電流域(図8参照)に対応する時刻t1〜t2では指令電流Iを相対的に速く変化させ、中電流域に対応する時刻t2〜t3では指令電流Iを相対的に遅く変化させ、大電流域に対応する時刻t3〜t4では指令電流Iを相対的に速く変化させる。すると、出力油圧Poは高圧値Hからゼロまで直線的に下降する。
時刻t4〜t5で指令油圧Pnをゼロに維持した後、さらに、時刻t5〜t8で「指令油圧Pnが時間に対してゼロから高圧値Hまで直線的に上昇するように」指令電流Iを最大値Imaxからゼロまで減少方向にスイープする。すなわち、時刻t1〜t4と逆の要領で電流値を減少させることで、出力油圧Poはゼロから高圧値Hへ直線的に上昇する。
時刻t1〜t4の検出段階が特許請求の範囲に記載の「降圧検出段階」に相当し、時刻t5〜t8の検出段階が特許請求の範囲に記載の「昇圧検出段階」に相当する。このように、S21の検出段階では、指令電流Iに対して「降圧時の出力油圧Pod」および「昇圧時の出力油圧Pou」の2通りのデータが得られる。
また、指令油圧Pnを変化させる速度は、実使用条件に近い条件である±0.1MPa/sec〜1.0MPa/secとすることが好ましい。実使用条件に近い条件で検出することで制御精度をより向上することができる。
S22Aの差分算出段階では、検出した「降圧時の出力油圧Pod」および「昇圧時の出力油圧Pou」について、それぞれ、指令油圧Pnとの差分ΔPd、ΔPuを算出する。図10(a)に示すように、時刻t1〜t4の降圧時には、出力油圧Poの変化が指令油圧Pnの変化に対して所定時間遅れる分、出力油圧Poは指令油圧Pnに対してプラスとなり、差分ΔPdは、指令電流Iによらずほぼ一定の値となる。また、時刻t5〜t8の昇圧時には、出力油圧Poは指令油圧Pnに対してマイナスとなり、差分ΔPuは、指令電流Iによらずほぼ一定の値となる。
S23Aの補正段階では、「規範マップ」の指令油圧値Pnに対して、S22Aで算出した差分ΔPd、ΔPuを補正する。そして、図8に示すように、リニアソレノイド弁20の個体毎に、降圧用および昇圧用の2とおりの「指令電流対指令油圧マップ」を作成する。これらのマップは、指令電流Iの変化方向に対する出力油圧Poの応答遅れを反映したものである。
以上で、図7に示すマップ作成処理を終了する。なお、S21、S22A、S23Aの各段階は、全検出範囲についての各段階終了後に次の段階に移行するのではなく、検出ポイント毎に順次、次の段階に移行してもよい。
(作動例)
次に、図11を参照して自動変速機の作動例を説明する。図11は、2速から3速への変速波形を示している。図11(a)は、トルクコンバータの出力であるタービン回転数を示す。言い換えれば、自動変速機の入力を示す。図11(b)は、自動変速機の出力としての出力軸トルクを示す。図11(c)は、油圧制御装置の出力油圧であるクラッチ圧を示す。
変速が開始されると摩擦要素の切り換えが実行される。具体的には、「2−4ブレーキ」を開放し、「ハイクラッチ」を係合する。期間<1>では「2−4ブレーキ」の係合が維持されている。期間<2>で「2−4ブレーキ」を開放するとともに、期間<2>〜<3>で「ハイクラッチ」を係合する。このとき、出力軸トルクの急激な変化による変速ショックを低減するため、出力軸トルクにイナーシャトルク(エンジン慣性トルク)が加わるように期間<3>のクラッチ圧が制御される。変速が完了すると、期間<4>では、タービン回転数および出力軸トルクは、3速に対応する値に移行する。
ここで、期間<2>〜<3>でクラッチ圧を上昇させるときの油圧変化速度は、一般に0.1MPa/sec〜1.0MPa/secである。また、指令油圧Pnの変化に対して出力油圧Poの変化に応答遅れが生じる。さらに、リニアソレノイド弁20の個体差により指令油圧Pnに対する出力油圧Poの特性にばらつきが生じる可能性がある。
しかし、本発明の油圧制御方法によると、リニアソレノイド弁20は個体毎に補正された「指令電流対指令油圧マップ」に基づいて出力油圧Poを出力するため、リニアソレノイド弁20の個体差によるばらつきを小さくすることができる。
(効果)
次に、本発明の第1実施例による油圧制御方法の効果を説明する。
(1)油圧制御装置10は、リニアソレノイド弁20の個体毎に規範マップを補正して作成された「指令電流対指令油圧マップ」に基づき自動変速を行うため、リニアソレノイド弁20の個体差によるばらつきを低減し、制御精度を向上することができる。
(2)実出力油圧Poの検出段階で、指令油圧Pnが時間に対して直線的に変化するように指令電流Iをスイープする。これにより、実出力油圧Poと指令油圧Pnとの差分ΔPdは、指令電流Iによらずほぼ一定の値となる。よって、出力油圧Poの応答遅れによる検出誤差の影響を最小限とすることができる。
(3)「指令電流対指令油圧マップ」は、昇圧用および降圧用の2とおりのマップが作成される。これらのマップは、指令電流Iの変化方向に対する出力油圧Poの応答遅れを反映したものとなっている。したがって、S02の電流指令段階で目標指令油圧値Pxを指令電流値Ixに変換する際、例えば2速から3速へのシフトアップの際には昇圧用の指令電流対指令油圧マップを使用し、3速から2速へのシフトダウンの際には降圧用の指令電流対指令油圧マップを使用することで、制御精度を向上することができる。
(比較例)
次に、比較例の油圧制御方法の検出段階を図15に基づいて説明する。
比較例では、時間に対して指令電流Iを直線的に変化させて出力油圧Poを検出する。すなわち、「規範マップ」により指令油圧Pnと指令電流Iとの関係を参照することなく検出を実行する。したがって、図15(a)に示すように、出力油圧Poは、規範マップと同様の「逆S字」または「S字」の波形で示される。
ここで、時刻t1〜t4の降圧時には出力油圧Poが指令油圧Pnに対してプラスとなり、時刻t5〜t8の昇圧時には出力油圧Poが指令油圧Pnに対してマイナスとなる点は、本発明の第1実施例(図10参照)と類似する。
しかしながら、本発明の第1実施例と異なり、出力油圧Poと指令油圧Pnとの差分ΔPは指令電流Iによって一定でなく、特に中電流域において出力油圧Poと指令油圧Pnとの差分ΔPが増大する。そのため、比較例の検出段階では、変速時に変速ショック等が生じるおそれがある。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例によるマップ作成処理を図12のフローチャートに基づいて説明する。第2実施例は、S21の検出段階は、第1実施例(図7参照)と同様であり、差分算出段階および補正段階が第1実施例と異なる。
S22Bの差分算出段階では、時刻t1〜t4に検出した降圧時の出力油圧Podと、時刻t5〜t8に検出した昇圧時の出力油圧Pouとの平均出力油圧Poaを算出し、平均出力油圧値Poaと指令油圧値Pnとの平均差分ΔPaを算出する。
S23Bの補正段階では、「規範マップ」の指令油圧値Pnに対して、S22Bで算出した平均差分ΔPaを補正し、リニアソレノイド弁20の個体毎に、昇圧用と降圧用を兼ねる1つの「指令電流対指令油圧マップ」を作成する。
第2実施例によると、リニアソレノイド弁20が格納するデータベース容量が少なくなり、また、電流指令段階で油圧増減方向を識別して指令電流対指令油圧マップを選択する必要がないため、TCU60の演算量を軽減することができる。
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例による検出段階を図13に基づいて説明する。第3実施例では、出力油圧を検出する際、第1実施例とは逆に、指令油圧Pnをゼロから開始し、時刻t1〜t4で「指令油圧Pnが時間に対してゼロから高圧値Hまで直線的に上昇するように」指令電流Iを最大値Imaxからゼロまで減少方向にスイープする。
時刻t4〜t5で指令油圧Pnを高圧値Hに維持した後、さらに、時刻t5〜t8で「指令油圧Pnが時間に対して高圧値Hからゼロまで直線的に下降するように」指令電流Iをゼロから最大値Imaxまで増加方向にスイープする。
このように、昇圧時の出力油圧Pouの検出と降圧時の出力油圧Podの検出とのどちらを先に実行してもかまわない。
なお、検出段階後、第1実施例のように昇圧時および降圧時の2とおりの「指令電流対指令油圧マップ」を作成してもよく、あるいは、第2実施例のように平均出力油圧の「指令電流対指令油圧マップ」を作成してもよい。
(第4実施例)
次に、本発明の第4実施例による検出段階を図14に基づいて説明する。第4実施例では、出力油圧を検出する際、最初に、時刻t0にて指令油圧Pnを一時的に所定の初動圧値Sとするように、指令電流値Isを流し、時刻t1まで維持する。時刻t1で指令電流値Iを最大値Imaxとして指令油圧Pnをゼロに戻す。その後は第3実施例と同様、先に昇圧時の出力油圧Poを検出し、後で降圧時の出力油圧Poを検出する。
リニアソレノイド弁20は、摺動部の摩擦等により、停止時からの初動時において所定以上の圧力がかからないと駆動できない場合がある。したがって、指令油圧Pnを一時的に所定の初動圧Sとして確実に初動させた後にゼロに戻し、ゼロから高圧値Hへ上昇させることで検出精度が向上する。
(その他の実施例)
(ア)上記の実施例では、マップ作成処理の検出段階において、昇圧時の検出および降圧の検出を実行する。しかし、実使用時の要求等に応じて一方の検出のみを実行することで簡易的にマップを作成してもよい。
(イ)上記の実施例では、マップ作成処理の検出段階において、低圧側の油圧をゼロまで検出しているが、検出範囲の下限油圧として所定の低圧値を設定してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10 ・・・油圧制御装置
11 ・・・自動変速機
12 ・・・クラッチ(摩擦要素)
13 ・・・ピストン室
14 ・・・クラッチ板、
15 ・・・クラッチピストン
20 ・・・リニアソレノイド弁(電磁油圧制御手段)
21 ・・・調圧部
22 ・・・スリーブ
23 ・・・入力ポート
24 ・・・出力ポート
25 ・・・排出ポート
26 ・・・フィードバックポート
30 ・・・スプール
31 ・・・フィードバックランド
32 ・・・入力ランド
33 ・・・排出ランド
40 ・・・電磁駆動部
41 ・・・ステータ
43 ・・・吸引部
44 ・・・プランジャ
47 ・・・シャフト
54 ・・・オイルポンプ(油圧供給源)
60 ・・・TCU(油圧指令手段、電流指令手段、電流発生手段)
80 ・・・検出装置

Claims (6)

  1. 複数の摩擦要素の係合と開放とにより車両の自動変速を行う油圧制御装置であって、
    出力油圧目標値を設定する油圧指令手段と、
    あらかじめ作成された指令電流対指令油圧マップに基づき前記出力油圧目標値を指令電流値に変換する電流指令手段と、
    前記指令電流値に基づき駆動電流を発生する電流発生手段と、
    駆動電流が通電されることにより電磁吸引力を発生し、前記複数の摩擦要素へ供給する出力油圧を制御する電磁油圧制御手段と、
    を備え、
    前記指令電流対指令油圧マップは、
    前記電磁油圧制御手段の設計仕様をもとに作成される規範マップに基づき、前記電磁油圧制御手段の個体毎に、指令油圧が時間に対して直線的に変化するように指令電流を変化させたときの出力油圧を検出し、前記規範マップに対し、検出した出力油圧と前記規範マップに基づく指令油圧との差分を補正して作成されることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記電磁油圧制御手段は、
    前記複数の摩擦要素に連通するポート、及び、油圧供給源に連通するポートを有するスリーブと、
    前記スリーブに摺動可能に収容され、前記スリーブとの相対位置によって前記油圧供給源から前記複数の摩擦要素へ供給される出力油圧を調圧するスプールと、
    通電される電流値に応じた電磁吸引力を発生し前記スプールを駆動する電磁駆動部と、
    を備え、
    前記電磁吸引力、及び、油圧により前記電磁吸引力と反対向きに前記スプールに作用する推力を釣り合わせることにより出力油圧を制御するリニアソレノイド弁であることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 複数の摩擦要素の係合と開放とにより車両の自動変速を行う油圧制御方法であって、
    自動変速を制御する変速制御処理は、
    油圧指令手段が出力油圧目標値を設定する油圧指令段階と、
    電流指令手段があらかじめ作成された指令電流対指令油圧マップに基づき前記出力油圧目標値を指令電流値に変換する電流指令段階と、
    電流発生手段が前記指令電流値に基づき駆動電流を発生する電流発生段階と、
    駆動電流が通電されることにより電磁油圧制御手段が電磁吸引力を発生し、前記複数の摩擦要素へ供給する出力油圧を制御する電磁油圧制御段階と、
    を含み、
    前記指令電流対指令油圧マップを作成するマップ作成処理は、
    前記電磁油圧制御手段の設計仕様をもとに作成される規範マップに基づき、前記電磁油圧制御手段の個体毎に、指令油圧が時間に対して直線的に変化するように指令電流を変化させたときの出力油圧を検出する検出段階と、
    前記検出段階で検出した出力油圧と前記規範マップに基づく指令油圧との差分を算出する差分算出段階と、
    前記規範マップに対し、前記差分算出段階で算出した差分を補正する補正段階と、
    を含むことを特徴とする油圧制御方法。
  4. 前記検出段階は、指令油圧が時間に対して直線的に上昇するように実行する昇圧検出段階と、指令油圧が時間に対して直線的に下降するように実行する降圧検出段階とを含み、
    前記差分算出段階において、前記昇圧検出段階および前記降圧検出段階で検出した出力油圧と前記規範マップに基づく指令油圧との差分を算出することで、昇圧用の指令電流対指令油圧マップおよび降圧用の指令電流対指令油圧マップを作成することを特徴とする請求項3に記載の油圧制御方法。
  5. 前記検出段階は、指令油圧が時間に対して直線的に上昇するように実行する昇圧検出段階と、指令油圧が時間に対して直線的に下降するように実行する降圧検出段階とを含み、
    前記差分算出段階において、前記昇圧検出段階および前記降圧検出段階で検出した出力油圧の平均値と前記規範マップに基づく指令油圧との差分を算出することで、昇圧用および降圧用を兼ねる指令電流対指令油圧マップを作成することを特徴とする請求項3に記載の油圧制御方法。
  6. 前記検出段階において、指令油圧を低圧側から高圧側へ上昇させる前に、指令油圧を一時的に所定の初動圧にするように指令電流を変化させることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の油圧制御方法。
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