JP2009120993A - 伸縮性生地 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、引き締め効果や関節の動きをサポートしたり、マッサージ効果のある衣料、サポーターなどに好ましく用いられる伸縮性布帛を提供する。
【構成】生地の少なくとも一部に緊締部を有してなる伸縮性生地であって、前記緊締部が弾性樹脂と発泡剤からなる弾性発泡樹脂部を有し、前記生地の経方向の引張伸度が100〜300%であり、弾性発泡樹脂の破断伸度が30〜200%かつ30%モジュラスが1〜3N/mm2であり、前記弾性発泡樹脂部の高さが100〜1900μmであり、該樹脂がドット状に2次元状に配置され、1ドットの底面部の直径が1〜3mmであり、かつドット間隔が0.5〜3mmで形成されている伸縮性生地。
【選択図】 なし
【構成】生地の少なくとも一部に緊締部を有してなる伸縮性生地であって、前記緊締部が弾性樹脂と発泡剤からなる弾性発泡樹脂部を有し、前記生地の経方向の引張伸度が100〜300%であり、弾性発泡樹脂の破断伸度が30〜200%かつ30%モジュラスが1〜3N/mm2であり、前記弾性発泡樹脂部の高さが100〜1900μmであり、該樹脂がドット状に2次元状に配置され、1ドットの底面部の直径が1〜3mmであり、かつドット間隔が0.5〜3mmで形成されている伸縮性生地。
【選択図】 なし
Description
本発明は、伸縮性生地に弾性発泡樹脂の突起状のドットを設け、緊締力の自在なコントロールによる引き締め効果、関節の動きのサポートに加え、ソフトなマッサージ効果による血流促進、むくみ改善などの肌刺激の効果も有する伸縮性生地に関するものである。
人体の肌表面を適度に刺激することで、健康増進、疲労回復、血流促進というような効果が得られることが知られており、特に近年、伸縮性生地表面に凹凸状の編み組織や加工を施し、着用時のマッサージ効果により、血流促進、むくみ改善、脂肪燃焼や肌刺激効果を促すサポーター類や下着、シート材が提唱されている。
また、伸縮性生地の編み設計により、部分的に緊締力を強め、着用時の引き締め効果をもたらし、関節の動きのサポート、関節の安定化、むくみ改善を効果的に促すサポーター類や下着も提唱されてきている。
このようなものとしては、特許文献1や特許文献2には、編み設計により、凹凸を付与した足裏刺激材や下着が開示されており、疲労回復、むくみ防止、脂肪燃焼などの効果が得られるとしているが、刺激部の凹凸が編み設計によるものであるため、凹凸の高さ調整や、位置調整の自由度に欠け、狙った場所に狙った強さの肌刺激を与えることが難しく、真に所望する効果を発揮しにくいという欠点を有する。
また、特許文献3には、足裏接触面に小さな突起を数多く施した足用サポーターが開示されており、着装時の体重負荷により指圧効果が得られるとしているが、肌刺激効果がこの指圧だけに頼っており、部分的に緊締力を高めるには至らず、効果が不充分である。
また、伸縮性生地の編み設計により、部分的に緊締力を強め、着用時の引き締め効果をもたらし、関節の動きのサポート、関節の安定化、むくみ改善を効果的に促すサポーター類や下着も提唱されてきている。
このようなものとしては、特許文献1や特許文献2には、編み設計により、凹凸を付与した足裏刺激材や下着が開示されており、疲労回復、むくみ防止、脂肪燃焼などの効果が得られるとしているが、刺激部の凹凸が編み設計によるものであるため、凹凸の高さ調整や、位置調整の自由度に欠け、狙った場所に狙った強さの肌刺激を与えることが難しく、真に所望する効果を発揮しにくいという欠点を有する。
また、特許文献3には、足裏接触面に小さな突起を数多く施した足用サポーターが開示されており、着装時の体重負荷により指圧効果が得られるとしているが、肌刺激効果がこの指圧だけに頼っており、部分的に緊締力を高めるには至らず、効果が不充分である。
本発明は、上記課題を解決し、自在な緊締力コントロールによる引き締め効果、関節の動きのサポートと、柔らかく軽い弾性を有する樹脂突起のソフトなマッサージ効果による血流促進、むくみ改善、さらにそれらの効果と良好な通気性によるムレが改善された快適な着用感をも両立した伸縮性生地を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の性能を満たす生地であれば、十分な引き締め効果、関節の動きのサポートと、適度な血流促進、ソフトなマッサージ効果、むくみ改善、疲労回復効果と快適な着用感を両立した伸縮性生地が得られることを見出した。
即ち、本発明は、(1)、生地の少なくとも一部に緊締部を有してなる伸縮性生地であって、前記緊締部が弾性樹脂と発泡剤からなる弾性発泡樹脂部を有し、前記生地の経方向の引張伸度が100〜300%であり、前記弾性発泡樹脂の破断伸度が30〜200%かつ30%モジュラスが1〜3N/mm2であり、前記弾性発泡樹脂部の高さが100〜1900μmであり、該樹脂がドット状に2次元状に配置され、1ドットの底面部の直径が1〜3mmであり、かつドット間隔が0.5〜3mmで形成されている伸縮性生地である。
そして、(2)、弾性発泡樹脂部のカトーテック社製圧縮試験機KES−G5による圧縮弾性率RC値が30〜70%である(1)記載の伸縮性布帛である。
そしてまた、(3)、弾性発泡樹脂部を有する緊締部の通気度が0.5cc/cm2・s以上である(1)又は(2)記載の伸縮性布帛である。
そしてまた、(4)、伸縮性生地がポリウレタン弾性糸を含む編地である(1)乃至(3)のいずれかに記載の伸縮性生地である。
即ち、本発明は、(1)、生地の少なくとも一部に緊締部を有してなる伸縮性生地であって、前記緊締部が弾性樹脂と発泡剤からなる弾性発泡樹脂部を有し、前記生地の経方向の引張伸度が100〜300%であり、前記弾性発泡樹脂の破断伸度が30〜200%かつ30%モジュラスが1〜3N/mm2であり、前記弾性発泡樹脂部の高さが100〜1900μmであり、該樹脂がドット状に2次元状に配置され、1ドットの底面部の直径が1〜3mmであり、かつドット間隔が0.5〜3mmで形成されている伸縮性生地である。
そして、(2)、弾性発泡樹脂部のカトーテック社製圧縮試験機KES−G5による圧縮弾性率RC値が30〜70%である(1)記載の伸縮性布帛である。
そしてまた、(3)、弾性発泡樹脂部を有する緊締部の通気度が0.5cc/cm2・s以上である(1)又は(2)記載の伸縮性布帛である。
そしてまた、(4)、伸縮性生地がポリウレタン弾性糸を含む編地である(1)乃至(3)のいずれかに記載の伸縮性生地である。
本発明によれば、生地が緊締部を有し、緊締部が着用者の肌の引き締め効果、関節の動きのサポート等をなし得る程度の適度な緊締力(身体拘束力ないしパワー)を有するため、引き締め効果、関節の動きのサポートとソフトなマッサージ効果による適度な血流促進、むくみ改善、さらにそれらの効果と快適な着用感を満足する伸縮性生地を提供することができる。更に、該緊締部が突起形状を有しているので、その突起形状が着用者の血流促進、ソフトなマッサージ効果、むくみ改善等をなし得る程度の柔らかい肌刺激効果を有する。
また、本発明の伸縮性生地は、樹脂がドット状に配されているので、身体に密着して使用された場合も、通気性が失われず、蒸れる虞が少ない。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の伸縮性生地に用いられる繊維は、綿、羊毛や絹などの天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維等が挙げられる。これらは単独で用いても複合して用いてもよい。また、これらの生地にポリウレタン等の弾性糸を混繊、交織や交編などにより複合させたものであってもよいが、これらの中でも肌触り、衣類やサポーター等に適した物性、風合い、染色堅牢度が得られやすいという点で、ナイロン、ポリエステル及びポリウレタン弾性糸からなるものが好ましい。
上記生地の組織は、経編地、緯編地またはストレッチ織物等の、伸縮性があり、且つ伸度が制限されるものであることが好ましい。これらの中でも、経編地であることが更に好ましい。この場合、生地の形状が安定し、繊維の解れが起きにくい。更に、着用者の身体の動きにより追従でき、かつ伸縮を繰り返しても伸縮性をより保持することができる。
本発明の伸縮性生地に用いられる繊維は、綿、羊毛や絹などの天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維等が挙げられる。これらは単独で用いても複合して用いてもよい。また、これらの生地にポリウレタン等の弾性糸を混繊、交織や交編などにより複合させたものであってもよいが、これらの中でも肌触り、衣類やサポーター等に適した物性、風合い、染色堅牢度が得られやすいという点で、ナイロン、ポリエステル及びポリウレタン弾性糸からなるものが好ましい。
上記生地の組織は、経編地、緯編地またはストレッチ織物等の、伸縮性があり、且つ伸度が制限されるものであることが好ましい。これらの中でも、経編地であることが更に好ましい。この場合、生地の形状が安定し、繊維の解れが起きにくい。更に、着用者の身体の動きにより追従でき、かつ伸縮を繰り返しても伸縮性をより保持することができる。
本実施形態においては、上記生地の経方向の引張伸度が100〜300%であり、好ましくは150〜300%である。生地の引張強度が100%未満であると、着用者が動きづらくなったり、後述する突起状の弾性発泡樹脂部の肌への圧着力が強すぎ、痛み等の不快感を生じる虞がある。生地の引張強度が300%を超えると、肌の引き締め効果、関節の動きのサポート性の効果が十分得られない虞がある。なお、上記生地の経方向の引張伸度とは、着用時に想定される荷重時の伸度を意味し、本明細書においては、幅2.5cmの試料に対して22.1Nの荷重をかけて測定した際の伸び率(%)で示される。なお、生地の経方向とは、生地の編立方向をいう。
本発明の生地は、生地の少なくとも一部に緊締部を有する伸縮性生地であり、前記緊締部が弾性樹脂と発泡剤からなる弾性発泡樹脂部を有する。ここで、緊締部とは、直接身体に負荷を与えることによって刺激を与えることが可能な部位をいう。緊締部の樹脂を構成する弾性樹脂には、シリコーン、ウレタン、アクリル、またはナイロン樹脂が用いられるが特に限定されるものではない。
上記樹脂を構成する弾性樹脂がウレタンであると、生地に対する密着性、柔軟性、強度に優れるものとすることができる。また、ポリウレタンは分子内にエーテル結合、またはポリカーボネート結合を有することが好ましい。また、樹脂自体の変色や劣化を抑制するために、ポリウレタンの原料イソシアネートに脂環族イソシーネート、または脂肪族イソシアネートを用いたものが好ましい。
また発泡剤としては、化学発泡剤、物理発泡剤などの公知のものが使用でき、特に限定されるものではない。
上記樹脂を構成する弾性樹脂がウレタンであると、生地に対する密着性、柔軟性、強度に優れるものとすることができる。また、ポリウレタンは分子内にエーテル結合、またはポリカーボネート結合を有することが好ましい。また、樹脂自体の変色や劣化を抑制するために、ポリウレタンの原料イソシアネートに脂環族イソシーネート、または脂肪族イソシアネートを用いたものが好ましい。
また発泡剤としては、化学発泡剤、物理発泡剤などの公知のものが使用でき、特に限定されるものではない。
本発明において使用する弾性発泡樹脂の破断伸度は30〜200%であり、好ましくは50〜200%である。弾性発泡樹脂の破断伸度とは、発泡させた樹脂フィルムに荷重をかけ破断したときの伸度をいい、樹脂の伸びやすさ及び強度を表すものである。弾性発泡樹脂の破断伸度が30%未満であると、緊締部が伸びた場合や肌との擦れにより弾性発泡樹脂部の特に突起先端が損傷して引き締め効果や指圧効果などが損なわれる虞がある。一方、弾性発泡樹脂の破断伸度が200%を超えると、緊締部の引き締め効果やマッサージ効果が十分に得られにくくなる虞がある。
また、弾性発泡樹脂の30%モジュラスは1〜3N/mm2、好ましくは1.5〜2.5N/mm2である。ここで、30%モジュラスとは、30%伸長時の樹脂応力をいい、樹脂の柔らかさを表すものである。30%モジュラスが1N/mm2未満であると、弾性発泡樹脂が柔らかすぎるために、緊締部が伸びた場合や肌との擦れにより弾性発泡樹脂部の特に突起先端が損傷して引き締め効果や指圧効果などが損なわれる虞がある。一方、30%モジュラスが3N/mm2を超えると、緊締部の風合いが著しく硬くなるとともに、緊締部が伸びた場合に樹脂が剥離しやすくなり、引き締め効果が損なわれる虞がある。また後述する突起状の弾性発泡樹脂部の肌への圧着力が強すぎるために痛く不快感を生じる虞がある。
また、弾性発泡樹脂部の高さは100〜1900μm、好ましくは1000〜1900μmである。ここで、弾性発泡樹脂部の高さとは、弾性発泡樹脂部を有する生地の厚みから、生地のみの厚みを引いた値で表されるものをいう。弾性発泡樹脂部の高さが100μm未満であるとほとんどマッサージ効果を得られない虞があり、弾性発泡樹脂部の高さが1900μmを超えると、肌との擦れにより弾性発泡樹脂部の特に突起先端が損傷して引き締め効果や指圧効果などが損なわれる虞がある。
また、弾性発泡樹脂部はドット状に2次元状に配置されてなることが好ましい。該弾性発泡樹脂部を有する緊締部は、緊締部の全面が樹脂部となっている場合と比較して、緊締力を弱くコントロールすることができる。例えば、着用者の身体の動きが大きい関節などの部位に緊締部を設ける場合、当該緊締部の緊締力を弱くすることにより、肌の引き締め効果、関節の動きのサポート等をなし得る程度の緊締力を発揮しつつ、身体が動きにくいという事態を生じることを抑制することができる。
また、この場合の緊締部は方向性を問わず、身体のいろいろな動きに対して緊締部を追従させることが可能となる。
該弾性発泡樹脂部による緊締力は、樹脂の種類、樹脂ドットの直径や、間隔などを目的に応じて適宜設定することができるが、樹脂ドットの1ドットの底面部の直径は1〜3mmであり、好ましくは2〜3mmである。弾性発泡樹脂の樹脂ドットの1ドットの底面部の直径が1mm未満であると、十分なマッサージ効果を得られにくい虞があり、弾性発泡樹脂の樹脂ドットの1ドットの底面部の直径が3mmを超えると、緊締部が伸びたときに、樹脂ドット1個にかかる荷重が大きくなり、突起が損傷して引き締め効果や指圧効果などが損なわれる虞としては。また後述する通気性も阻害され、ムレやすく、快適性も損なわれる虞がある。
また、弾性発泡樹脂のドットは0.5〜3mmの間隔で形成され、好ましくは0.5〜2mmの間隔である。弾性発泡樹脂のドット間隔が0.5mm未満であると後述する通気性が阻害されやすく、ムレにより快適性も損なわれる虞がある。弾性発泡樹脂のドット間隔が3mmを超えると、緊締部による引き締め効果が得られにくい虞がある。
本発明の伸縮性生地を用いて衣類やサポーター等を作成した場合、突起を有する緊締部は着用者の身体に密着する部位に設けられるため、着用者が例えば関節を動かすだけで、密着する部位の動きに突起を有する緊締部が追従し、着用者の引き締め、関節のサポート、ソフトなマッサージ等の刺激を同時に与えることができる。また、上記弾性発泡樹脂からなる樹脂部を生地組織の適所に配置することで、かかる弾性発泡樹脂部と伸縮性生地からなる緊締部を所望の位置に自由に設定することができる。
本発明の伸縮性生地を用いて衣類やサポーター等を作成した場合、突起を有する緊締部は着用者の身体に密着する部位に設けられるため、着用者が例えば関節を動かすだけで、密着する部位の動きに突起を有する緊締部が追従し、着用者の引き締め、関節のサポート、ソフトなマッサージ等の刺激を同時に与えることができる。また、上記弾性発泡樹脂からなる樹脂部を生地組織の適所に配置することで、かかる弾性発泡樹脂部と伸縮性生地からなる緊締部を所望の位置に自由に設定することができる。
上記弾性発泡樹脂部のカトーテック社製圧縮試験機KES−G5による圧縮弾性率RC値は30〜70%であり、より好ましくは40〜60%である。弾性発泡樹脂部の圧縮弾性率RC値が30%未満であると、着用時の肌への圧着により、突起部に著しいつぶれが生じ、マッサージ効果が低下する虞がある。弾性発泡樹脂部の圧縮弾性率RC値が70%を超えると、弾性が強すぎて肌への押圧刺激が過剰になる虞がある。
また、緊締部の弾性発泡樹脂部の通気性は0.5cc/cm2・s以上であることが好ましく、2cc/cm2・s以上であることがより好ましい。通気性が、0.5cc/cm2・s以下であると、着用時の肌面にムレが生じ、着用感が損なわれる。
本発明の伸縮性生地の製造方法においては、まず生地を準備する。当該生地は、経方向の引張伸度が100〜300%であるものを用いる。ここで生地の経方向の引張伸度とは、幅2.5cmの試料に対して22.1Nの荷重をかけて測定した際の伸び率(%)で示される値をいう。
次に、上記生地の一面上の所定位置に、破断伸度が30〜200%、かつ30%モジュラスが1〜3N/mm2である弾性発泡樹脂を形成可能な樹脂液を、生地上にドット状に100〜1900μmの厚みで、かつその樹脂ドットの1ドットの底面部の直径が1〜3mm、かつドット間隔が0.5〜3mmで残存するように塗布する。上記樹脂液は、弾性発泡樹脂を形成する成分、例えば、主剤としての樹脂、発泡剤、架橋剤および触媒などを水や溶剤に分散または溶解させたものが用いられる。樹脂としては、特に水系分散型の樹脂を用いることが好ましい。この場合、安全に作業することができ、作業環境に優れる。樹脂液を塗布した後は熱処理を行い乾燥と発泡させる。具体的には150℃以上の高温で乾燥、発泡させることが好ましい。この場合、樹脂ドットの表面被膜性が向上し、密着性をより向上させることができる。また、樹脂液には、樹脂部の厚みや弾性発泡樹脂の生地への浸透度を調整するために適宣増粘剤を含有させることができる。
また、緊締部の弾性発泡樹脂部の通気性は0.5cc/cm2・s以上であることが好ましく、2cc/cm2・s以上であることがより好ましい。通気性が、0.5cc/cm2・s以下であると、着用時の肌面にムレが生じ、着用感が損なわれる。
本発明の伸縮性生地の製造方法においては、まず生地を準備する。当該生地は、経方向の引張伸度が100〜300%であるものを用いる。ここで生地の経方向の引張伸度とは、幅2.5cmの試料に対して22.1Nの荷重をかけて測定した際の伸び率(%)で示される値をいう。
次に、上記生地の一面上の所定位置に、破断伸度が30〜200%、かつ30%モジュラスが1〜3N/mm2である弾性発泡樹脂を形成可能な樹脂液を、生地上にドット状に100〜1900μmの厚みで、かつその樹脂ドットの1ドットの底面部の直径が1〜3mm、かつドット間隔が0.5〜3mmで残存するように塗布する。上記樹脂液は、弾性発泡樹脂を形成する成分、例えば、主剤としての樹脂、発泡剤、架橋剤および触媒などを水や溶剤に分散または溶解させたものが用いられる。樹脂としては、特に水系分散型の樹脂を用いることが好ましい。この場合、安全に作業することができ、作業環境に優れる。樹脂液を塗布した後は熱処理を行い乾燥と発泡させる。具体的には150℃以上の高温で乾燥、発泡させることが好ましい。この場合、樹脂ドットの表面被膜性が向上し、密着性をより向上させることができる。また、樹脂液には、樹脂部の厚みや弾性発泡樹脂の生地への浸透度を調整するために適宣増粘剤を含有させることができる。
生地に樹脂液を塗布する方法としては、スプレー、転写、グラビア印刷、スクリーン捺染、ロータリー捺染等が挙げられるが、樹脂部の形状および厚みを容易に調整することが可能な点でスクリーン捺染またはロータリー捺染で捺染することが好ましい。具体的には、用いるスクリーン捺染版またはロータリー捺染版に所定形状を設けることで、ドット形状、ドット高さ、ドット間隔等の様々なパターンを有する樹脂部を形成することが可能となる。また、ドット形状は、特に限定されるものではなく、円錐状や半球状など適宣形成使用することができる。
また、このような塗布方法を用いることにより、連続して塗布することができることから、大量生産も可能となり、生産性に優れる。スプレーでは均一に狙った部位に塗布することが困難な傾向にあり、転写では通気性が損なわれる虞がある。
また、このような塗布方法を用いることにより、連続して塗布することができることから、大量生産も可能となり、生産性に優れる。スプレーでは均一に狙った部位に塗布することが困難な傾向にあり、転写では通気性が損なわれる虞がある。
このように作成された伸縮性布帛を用いた衣類、サポーター等は、十分な引き締め効果とソフトなマッサージ効果、快適な着用感を満足するものとなる。
本発明は、上記衣類がタンクトップ、シャツ、タイツ、ストッキング、ガードル、スパッツである衣料に好ましく用いることができる。また上記サポーターとしては、肘、上腕、肩、膝、お腹周り、腰、手首、足首などの部位に使用するものを提供することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
[生地の準備]
ポリエステル(56dtex/24フィラメント)84%とポリウレタン(44dtex)16%とを、32Gトリコットハーフ組織に編み立て、生地を得た。この生地を常法により精練し、190℃で2分間熱処理した。その後、さらに常法にて染色し、乾燥させた。
[生地の準備]
ポリエステル(56dtex/24フィラメント)84%とポリウレタン(44dtex)16%とを、32Gトリコットハーフ組織に編み立て、生地を得た。この生地を常法により精練し、190℃で2分間熱処理した。その後、さらに常法にて染色し、乾燥させた。
[樹脂液の作製]
エーテル系ウレタン樹脂(スーパーフレックスE4000 第一工業製薬株式会社製)100質量部と、ブロックイソシアネート系架橋剤(エラストロンBN11 第一工業製薬株式会社製)5質量部と、有機金属系硬化触媒(エラストロンCAT21 第一工業製薬株式会社製)0.25質量部、化学発泡剤(マツモトマイクロスフェアF85D 松本油脂株式会社製)5質量部とを混合し、混合液を得た。次いで、この混合液に、液の粘度が20000cp/20℃となるようにポリアクリル酸系増粘剤(スーパーフレックスVF 第一工業製薬株式会社製)を添加し、樹脂液とした。
エーテル系ウレタン樹脂(スーパーフレックスE4000 第一工業製薬株式会社製)100質量部と、ブロックイソシアネート系架橋剤(エラストロンBN11 第一工業製薬株式会社製)5質量部と、有機金属系硬化触媒(エラストロンCAT21 第一工業製薬株式会社製)0.25質量部、化学発泡剤(マツモトマイクロスフェアF85D 松本油脂株式会社製)5質量部とを混合し、混合液を得た。次いで、この混合液に、液の粘度が20000cp/20℃となるようにポリアクリル酸系増粘剤(スーパーフレックスVF 第一工業製薬株式会社製)を添加し、樹脂液とした。
[塗布工程]
樹脂を塗布するためにスクリーン捺染版を準備した。このスクリーン捺染版としては700メッシュで、型厚み500μmの厚型版を準備した。この版には写真製版法により所定位置にドットの底面部の直径が1.5mm、ドットとドットの間隔が1.8mmとなるように、ドット柄を作製した。
上記樹脂液を、上記スクリーン捺染版を用いて自動捺染機により、ゴムスキージにて生地上にドット柄で捺染した。捺染後の生地は、120℃で1分間、さらに170℃で1分間、熱風乾燥機により乾燥することにより、弾性発泡樹脂ドット部を形成し、緊締部とした。次いで、後処理として、シリコーン系柔軟剤3質量%と水97質量%とからなる処理液にて絞り率40%でパッディング処理し、120℃で2分間、さらに170℃で1分間熱処理した。これにより実施例の伸縮性生地を得た。
樹脂を塗布するためにスクリーン捺染版を準備した。このスクリーン捺染版としては700メッシュで、型厚み500μmの厚型版を準備した。この版には写真製版法により所定位置にドットの底面部の直径が1.5mm、ドットとドットの間隔が1.8mmとなるように、ドット柄を作製した。
上記樹脂液を、上記スクリーン捺染版を用いて自動捺染機により、ゴムスキージにて生地上にドット柄で捺染した。捺染後の生地は、120℃で1分間、さらに170℃で1分間、熱風乾燥機により乾燥することにより、弾性発泡樹脂ドット部を形成し、緊締部とした。次いで、後処理として、シリコーン系柔軟剤3質量%と水97質量%とからなる処理液にて絞り率40%でパッディング処理し、120℃で2分間、さらに170℃で1分間熱処理した。これにより実施例の伸縮性生地を得た。
(比較例)
スクリーン版のドット柄を、底面部の直径が0.8mm、ドットとドットの間隔が4mmとなるように、ドット柄を作製した以外は実施例と同様にして、比較例の伸縮性生地を得た。
スクリーン版のドット柄を、底面部の直径が0.8mm、ドットとドットの間隔が4mmとなるように、ドット柄を作製した以外は実施例と同様にして、比較例の伸縮性生地を得た。
(評価方法)
[生地の引張伸度]
実施例及び比較例で使用された生地を2.5×15cm(長手方向が生地の経方向)に切り出し、測定試料とした。これらを、インストロン型万能引張試験機(島津製作所製、オートグラフAG−1)に測定間隔10cmでセットし、生地の経方向に22.1Nの荷重をかけた。この荷重時の伸び率(%)を生地の経方向の引張強度とした。結果を表1に示す。
[樹脂破断伸度]
樹脂液を室温にて24時間風乾後、170℃で5分間熱処理して厚さが500μmのフィルムを作製した。このフィルムを2.5×10cmに切り出し、JIS L 1096A(試料巾2.5cm、つかみ間隔5cm、引張速度15cm/min)法によりインストロン型万能引張試験機(島津製作所製、オートグラフAG−1)を用いてフィルムを破断させた。その破断させた時の伸度(伸び率%)を測定し、この値を樹脂の破断伸度とした。結果を表1に示す。
[樹脂のモジュラス]
樹脂液を室温にて24時間風乾後、170℃で5分間熱処理して厚さが500μmのフィルムを作製した。このフィルムを2.5×10cmに切り出し、JIS L 1096 A(試料巾2.5cm、つかみ間隔5cm、引張速度15cm/min)法によりインストロン型万能引張試験機(島津製作所製、オートグラフAG−1)を用いてフィルムを伸張させた。このフィルムを30%伸張させた時の荷重を測定し、この値を樹脂の30%モジュラスとした。結果を表1に示す。
[樹脂ドットの高さ]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部を5枚重ねて、厚み測定機(型式SM−1201、テフロック社製)により押圧力を軽くかけた状態において厚みを測定した。そして、更に実施例及び比較例それぞれで用いた生地の樹脂部がない部分5枚分の厚みを同様にして測定し、これらの値の差に基づいて伸縮性生地1枚当たりにおける樹脂部の厚みを算出した。結果を表1に示す。
[ドット底面部の直径]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部の樹脂ドット上面から、ドット底面部の直径を測長した。結果を表1に示す。
[ドット間隔]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部の樹脂ドット上面から、ドット底面部の直径を測長した。結果を表1に示す。
[圧縮弾性率RC値]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部の樹脂ドット部を試料とし、圧縮弾性率試験機カトーテック株式会社KES−G5型で測定した。結果を表1に示す。
[通気度]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部20cm×20cmを、実着用時に近い伸び率である縦横10%伸張状態にて測定器にセットして、JIS L1096(フラジール形法)に基づいて通気度を測定した。結果を表1に示す。
[引き締め効果]
実施例と比較例で得られた伸縮性生地の緊締部を試料とし、下肢部で評価できるように樹脂ドット部を内側になるように円筒形に縫製し、その肌の引き締め効果を以下の指標にて3段階評価した。結果を表1に示す。
○:引き締め効果が感じられる
△:引き締め効果が弱い
×:引き締め効果が感じられない
[マッサージ効果]
実施例と比較例で得られた伸縮性生地の緊締部を試料とし、下肢部で評価できるように樹脂ドット部を内側になるように円筒形に縫製し、そのマッサージ効果を以下の指標にて3段階評価した。結果を表1に示す。
○:マッサージ効果が感じられる
△:マッサージ効果が弱い
×:マッサージ効果が感じられない
[生地の引張伸度]
実施例及び比較例で使用された生地を2.5×15cm(長手方向が生地の経方向)に切り出し、測定試料とした。これらを、インストロン型万能引張試験機(島津製作所製、オートグラフAG−1)に測定間隔10cmでセットし、生地の経方向に22.1Nの荷重をかけた。この荷重時の伸び率(%)を生地の経方向の引張強度とした。結果を表1に示す。
[樹脂破断伸度]
樹脂液を室温にて24時間風乾後、170℃で5分間熱処理して厚さが500μmのフィルムを作製した。このフィルムを2.5×10cmに切り出し、JIS L 1096A(試料巾2.5cm、つかみ間隔5cm、引張速度15cm/min)法によりインストロン型万能引張試験機(島津製作所製、オートグラフAG−1)を用いてフィルムを破断させた。その破断させた時の伸度(伸び率%)を測定し、この値を樹脂の破断伸度とした。結果を表1に示す。
[樹脂のモジュラス]
樹脂液を室温にて24時間風乾後、170℃で5分間熱処理して厚さが500μmのフィルムを作製した。このフィルムを2.5×10cmに切り出し、JIS L 1096 A(試料巾2.5cm、つかみ間隔5cm、引張速度15cm/min)法によりインストロン型万能引張試験機(島津製作所製、オートグラフAG−1)を用いてフィルムを伸張させた。このフィルムを30%伸張させた時の荷重を測定し、この値を樹脂の30%モジュラスとした。結果を表1に示す。
[樹脂ドットの高さ]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部を5枚重ねて、厚み測定機(型式SM−1201、テフロック社製)により押圧力を軽くかけた状態において厚みを測定した。そして、更に実施例及び比較例それぞれで用いた生地の樹脂部がない部分5枚分の厚みを同様にして測定し、これらの値の差に基づいて伸縮性生地1枚当たりにおける樹脂部の厚みを算出した。結果を表1に示す。
[ドット底面部の直径]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部の樹脂ドット上面から、ドット底面部の直径を測長した。結果を表1に示す。
[ドット間隔]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部の樹脂ドット上面から、ドット底面部の直径を測長した。結果を表1に示す。
[圧縮弾性率RC値]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部の樹脂ドット部を試料とし、圧縮弾性率試験機カトーテック株式会社KES−G5型で測定した。結果を表1に示す。
[通気度]
実施例及び比較例で得られた伸縮性生地の緊締部20cm×20cmを、実着用時に近い伸び率である縦横10%伸張状態にて測定器にセットして、JIS L1096(フラジール形法)に基づいて通気度を測定した。結果を表1に示す。
[引き締め効果]
実施例と比較例で得られた伸縮性生地の緊締部を試料とし、下肢部で評価できるように樹脂ドット部を内側になるように円筒形に縫製し、その肌の引き締め効果を以下の指標にて3段階評価した。結果を表1に示す。
○:引き締め効果が感じられる
△:引き締め効果が弱い
×:引き締め効果が感じられない
[マッサージ効果]
実施例と比較例で得られた伸縮性生地の緊締部を試料とし、下肢部で評価できるように樹脂ドット部を内側になるように円筒形に縫製し、そのマッサージ効果を以下の指標にて3段階評価した。結果を表1に示す。
○:マッサージ効果が感じられる
△:マッサージ効果が弱い
×:マッサージ効果が感じられない
表1から明らかなように、実施例の緊締部は、比較例のものと比べて、十分な引き締め効果、マッサージ効果も有しており、着用感にも優れる衣類やサポーター等が得られることが確認された。
Claims (4)
- 生地の少なくとも一部に緊締部を有してなる伸縮性生地であって、前記緊締部が弾性樹脂と発泡剤からなる弾性発泡樹脂部を有し、
前記生地の経方向の引張伸度が100〜300%であり、弾性発泡樹脂の破断伸度が30〜200%かつ30%モジュラスが1〜3N/mm2であり、
前記弾性発泡樹脂部の高さが100〜1900μmであり、
該樹脂がドット状に2次元状に配置され、1ドットの底面部の直径が1〜3mmであり、かつドット間隔が0.5〜3mmで形成されている伸縮性生地。 - 弾性発泡樹脂部のカトーテック社製圧縮試験機KES−G5による圧縮弾性率RC値が30〜70%である請求項1記載の伸縮性布帛。
- 弾性発泡樹脂部を有する緊締部の通気度が0.5cc/cm2・s以上である請求項1又は2記載の伸縮性布帛。
- 伸縮性生地がポリウレタン弾性糸を含む編地である請求項1乃至3のいずれかに記載の伸縮性生地。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007297135A JP2009120993A (ja) | 2007-11-15 | 2007-11-15 | 伸縮性生地 |
Applications Claiming Priority (1)
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- 2007-11-15 JP JP2007297135A patent/JP2009120993A/ja active Pending
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