JP5017613B2 - 体表面接触装具用複合材料及び体表面接触装具 - Google Patents
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Description
特許文献1には、シリコーン高分子化合物によるゴム状弾性帯状体であって表面に表面相互間の粘着性を付与してなる医療又はスポーツ等の補強帯が開示されている。
また、特許文献2には、生地の裏面にシリコーン樹脂を塗布した膝関節軟性回旋装具が開示されている。
特許文献1及び2の技術によれば、シリコーン樹脂の密着性により、ずれ防止機能は改善される。しかしながら、特許文献1記載の補強帯及び特許文献2記載の装具は、いずれも、通気性が悪く、長時間使用した場合には、汗等による皮膚炎が発生したり、補強帯と皮膚との間に汗が貯留して、これにより皮膚に対するずれ防止機能が損なわれたりすることがあった。
また、特許文献5には、サポーターの上端及び下端にシリコーンゴムを点状に貼着してなる膝用サポーターが開示されている。
特許文献4及び5に記載されている装具は、それ自体の通気性は改善されているが、他方、ずれ防止機能や滑り止めとしての耐久性が低下している。また、装具がずれたときに皮膚にかかるストレスが高くなり不快感を生じる場合がある。
かくして、本発明によれば、表面に複数の空孔を有する繊維基材と、この繊維基材上に形成された、前記空孔に対向する貫通孔を有するシリコーン樹脂層とからなり、通気度が10秒以下である体表面接触装具用複合材料が提供される。
本発明の体表面接触装具用複合材料において、空孔の平均断面積が繊維基材表面において0.04〜2mm2であり、空孔の数が繊維基材表面1cm2当り10〜500個であることが好ましい。
本発明の体表面接触装具用複合材料は、0.5〜30N/25mmの50%伸長時張力及び20〜85%の5N荷重時の伸長率を有することが好ましい。
また、本発明の体表面接触装具用複合材料において、シリコーン樹脂層が重量平均分子量3万〜20万のシリコーンオイルを含有するものであることが好ましい。
本発明の体表面接触装具は、義肢の下巻き用スリーブ状包帯に好適である。
これらの繊維基材は、一種類を単独で使用してもよいし、同一又は異なる種類の形態を有する複数の基材をラミネートした積層構造の基材であってもよい。
編布としては、経編及び緯編の各種編組織が利用できる。特に好適な編布は、平編生地、ゴム編生地、トリコット生地、ラッシェル生地及びダブルラッシェル生地である。
織布は、平織、綾織及び朱子織のいずれであってもよい。
不織布は、フリース形成法として、乾式法、湿式法及びスパンボンド法のいずれを使用したものであってもよく、繊維結合が、スパンレース法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、ポイントシール法、サーマルボンド法等のいずれの方法で形成されたものであってもよい。
ネットは、複数の長繊維を網目が形成されるように適当な間隔をあけて配置し、これを熱融着や接着剤等の結合手段により繊維同士を結合して形成したものを使用できる。
繊維の種類も特に限定されず、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、セルロース系繊維(綿、レーヨン、ポリノジック、リヨセル)、ポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ガラス繊維、カーボンファイバー繊維等が利用できる。
特に好ましい繊維材料は、熱可塑性のポリエステル系繊維、アクリル系繊維及びポリアミド系繊維である。
ここで、空孔とは、その周辺の繊維基材表面から陥没している部分を指すが、繊維基材を貫通する貫通孔であってもよい。
繊維基材がその表面に有する複数の空孔の平均断面積は、繊維基材表面において空孔1つ当たり0.04〜2mm2であることが好ましく、0.04〜1mm2であることが更に好ましい。平均断面積が0.04mm2より小さいと、シリコーン樹脂層を繊維基材上に形成する際、シリコーン樹脂が繊維基材の空孔に浸入してシリコーン樹脂層に貫通孔が形成され難くなり、通気性が悪化する恐れがある。他方、空孔の平均断面積が2mm2より大きいと、繊維基材の強度が低下したり、シリコーン樹脂層と体表面との十分な接触面積が得られず密着性が低下したりする場合がある。
本発明の繊維基材において、空孔の数は、繊維基材表面1cm2当たり10〜500個であることが好ましく、15〜450個であることが更に好ましい。空孔の数が500個より多いと、シリコーン樹脂層を繊維基材上に形成する際、シリコーン樹脂が繊維基材の空孔に浸入しシリコーン樹脂層に貫通孔が形成され難くなり、通気性が悪化する恐れがある。
特に好適な繊維基材は、1つの空孔の面積が0.04〜2mm2であり、且つ、空孔の数が10〜500個/cm2である繊維基材である。
これらの中でも、編布のループによる貫通孔及び編組織(糸の太さ、密度等を含む)のバランスにより布表面に生じる空孔は、繊維基材自体に人体へのフィット性があり、貫通孔を有するシリコーン樹脂層を形成しやすいので、好適である。
このような繊維基材の好適例として、ゴム編による編布やラッシェル生地、ダブルラッシェル生地のような嵩高な編構造をもつ編布を挙げることができる。前者は、生地表面に畝部分を形成することができるので、この畝部分の間に形成される溝部分を線状に配置された空孔として利用でき、また、後者は、その立体構造により形成される凹み部を空孔として利用できる。
シリコーン樹脂層を形成するためのシリコーン樹脂は、特に限定されず、付加反応型、過酸化反応型及び縮合反応型のいずれを使用してもよいが、付加反応型のシリコーンが好ましい。
付加反応型シリコーンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(アルケニル基含有オルガノポリシロキサン)とヒドロシリル基(Si−H)を有するオルガノポリシロキサン(ハイドロジェンオルガノポリシロキサン)とを、塩化白金酸等の白金化合物触媒を用いて、付加反応(ヒドロシリル化反応)させたものである。
付加反応型シリコーンポリマーは、その合成に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの量や、オルガノハイドロジェンポリシロキサン分子内のヒドロシリル基(Si−H)の量を変化させることによって、架橋密度を調整することができる。これにより、本発明で用いるシリコーン樹脂層の硬さやタックを容易に調整することができる。
本発明において、付加反応型シリコーンは、ビニル基置換ポリジメチルシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応物であることが好ましい。
また、シリコーン樹脂は、一種類を単独で使用しても、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
シリコーン樹脂の硬さが上記範囲内にあるときに、体表面への密着性、装着感、耐久性等が良好なものとなる。
シリコーンオイルの含有量は、特に限定されないが、シリコーン樹脂100重量部に対して、1〜45重量部の範囲であることが好ましく、5〜40重量部の範囲であることが特に好ましい。
シリコーンオイルは、特に限定されず、その具体例として、直鎖状、分岐状又は環状のジメチルポリシロキサン等の、シロキサン構造とアルキル基とのみで構成されるシリコーンオイル;フェニル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル等の、アルキル基が各種の官能基で変性されたシリコーンオイル;等を挙げることができる。これらのうち、シロキサン構造とアルキル基とのみで構成されるシリコーンオイルが好ましく、ジメチルポリシロキサンが、より好ましい。
また、シリコーン樹脂層に添加するシリコーンオイルは、その粘度が2,000〜1,000,000mPa・sであることが好ましく、10,000〜1,000,000mPa・sであることが更に好ましい。
シリコーンオイルの粘度及び分子量が上記範囲内にあるとき、硬化前シリコーン樹脂溶液の粘度が適度な範囲となり、シリコーン樹脂が繊維基材から裏抜けすることなく、貫通孔を有するシリコーン樹脂層を繊維基材上に形成するのが容易になる。
また、上記粘度及び分子量範囲を有するシリコーンオイルと硬化後のシリコーン樹脂との相溶性がよいので、シリコーンオイルがシリコーン樹脂層からブリードすることなく、シリコーン樹脂層の感触が良好なものとなり、体表面に対する密着性も優れたものとなる。
シリコーン樹脂層における充填剤の含有量は、特に限定されないが、シリコーン樹脂100重量部に対して、1〜40重量部の範囲であることが好ましく、1〜15重量部の範囲であることが特に好ましい。
シリコーン樹脂層には、更に、各種の薬剤、界面活性剤、粉体、抗菌剤、着色剤等のその他の調整剤を、本発明の目的を損なわない程度において、適宜配合することができる。
薬剤の例としては、保湿、老化防止、美白等の目的で皮膚の生理機能を調整する物質や、傷の治癒を促進する物質等を含むものを示すことができる。その具体例としては、セラミド、ヒアルロン酸ナトリウム、アミノ酸、加水分解ペプチド、尿素、ビタミン類、コエンザイムQ10、ポリフェノール等を挙げることができる。
また、シリコーン樹脂層が、3〜8の表面静摩擦係数を有することが好ましく、また、1〜5の動摩擦係数を有することが好ましい。
シリコーン樹脂層がこれらの特性を有するときに、体表面との密着性が優れたものとなる。
この方法では、まず、硬化前のシリコーン樹脂を剥離シートに塗工し、次いで塗工されたシリコーン樹脂上に空孔を有する繊維基材を貼り合せる。このとき、シリコーン樹脂の組成や粘度を適宜調整することにより、シリコーン樹脂の一部は、繊維基材との接触面から繊維基材に浸透するが、空孔部分の側壁や底部を完全に被覆しないようにする。
次に、シリコーン樹脂と繊維基材とを貼り合せた状態でシリコーン樹脂を加熱硬化させる。その後、剥離シートを除去することにより、空孔部分にはシリコーン樹脂層が転写されず、それ以外の部分にはシリコーン樹脂が転写された繊維基材が得られる。即ち、繊維基材の空孔に対向する部分に貫通孔を有し空孔以外の部分を被覆する面状のシリコーン樹脂層が繊維基材上に形成される。
これにより、表面に複数の空孔を有する繊維基材と、この上に形成された、前記空孔に対向する貫通孔を有するシリコーン樹脂層とからなる、本発明の体表面接触装具用複合材料が得られる。
シリコーン樹脂を剥離シートに塗工する方法は、特に限定されず、コンマダイレクト、ナイフコーター、グラビアダイレクト等の公知の塗工方式を利用して、塗工重量等を制御することができる。
本発明の体表面接触装具用複合材料は、これを装着したときの運動性を過度に抑制せず、皮膚にストレスをかけないように、0.5〜30N/25mmの50%伸長時張力を有することが好ましい。
また、本発明の体表面接触装具用複合材料は、皮膚伸縮時の体表面への密着性を高めるために、5N荷重時の伸長率が20〜85%であることが好ましい。
本発明の体表面接触装具用複合材料は、0.5〜30N/25mmの50%伸長時張力を有し、且つ20〜85%の5N荷重時の伸長率を有することが特に好ましい。
具体的には、体表面接触装具用複合材料を使用して、従来公知の縫製方法等により体表面接触装具を作製することができる。
本発明の体表面接触装具は、体表面の形状に即したスリーブ状、帯状、シート状等の形態にすることができる。その際、シリコーン樹脂層が体表面に接触する表面となるように形成する。
また、装具の体表面への固定の補助手段として、面ファスナーやベルト等を適宜装具に設置してもよい。
本発明の体表面接触装具は、足首、膝、ふくらはぎ、大腿、腰、胸、肩、手首、頚部等の外傷の発生しやすい関節や筋肉等に装着する場合に適する。
本発明の体表面接触装具は、面状のシリコーン樹脂層が体表面皮膚に密着して装具のずれを防止するとともに、シリコーン樹脂層に形成された多数の貫通孔が蒸れや汗による装具のずれを防止する。
本発明の体表面接触装具の具体的な製品例としては、筋肉や関節用のサポーター、義肢、義肢や外固定材用のアンダースリーブ、靴下、ストッキング、タイツ、水着、肌着等を挙げることができる。
体表面接触装具は、上記の製品以外にも装着時のずれ防止機能や緩衝性が求められる各種の装具、例えば、熱傷、潰瘍等の創傷のある体表面に当てる創傷被覆材、吸収パッドのような創傷用手当材等にも好適に適用することができる。
本発明の体表面接触装具は、特に、義肢の下巻き用に片末端を閉鎖したスリーブ状の装具として好適である。義肢は、長時間皮膚をほぼ密閉状態にするため蒸れによる皮膚炎を引き起こし易く、更に義肢による摩擦や衝撃が皮膚に加わるので、通気性、密着性及び衝撃緩衝性に優れた本発明の装具を適用するのが好適である。
また、本発明の装具用複合材料に関する各特性は、以下の方法により測定した。
繊維基材表面を垂直方向真上から25倍に拡大して顕微鏡観察し、5個の空孔の繊維基材表面における断面積を測定して、その平均値を求める。
繊維基材表面を垂直方向真上から顕微鏡下に目視観察し、繊維基材表面の1cm×1cmの範囲に含まれる空孔の数を、任意の5箇所について、計数し、その平均値を求める。
JIS L 1096「一般織物試験方法」に準じて、シリコーン樹脂層を形成する前の繊維基材厚さを測定する。
シリコーン樹脂層を形成する前の繊維基材の重量(W1)及び繊維基材にシリコーン樹脂層を形成した後の体表面接触装具用複合材料の重量(W2)を測定する。この重量差(W2−W1)を繊維基材の表面積で除す。
JIS P 8117「紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法」に準じて、体表面接触装具用複合材料の通気度(透気抵抗度)を測定する。この通気度は、100mlの空気が642mm2の面積の体表面接触装具用複合材料を通過するのに要する秒数である。
JIS Z 0237「引張強さ及び伸び」に準じて、幅25mm×長さ150mmの試験片について、体表面接触装具用複合材料の50%変位時の荷重(N/25mm)を、引張試験機(島津製作所社製 商品名「オートグラフAG−I」)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度100mm/minの条件で測定する。
JIS Z 0237「引張強さ及び伸び」に準じて、幅25mm×長さ150mmの試験片について、体表面接触装具用複合材料の5N荷重時の伸長率(%)を、引張試験機(島津製作所社製 商品名「オートグラフAG−I」)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度100mm/minの条件で測定する。
プローブタック試験機(レスカ社製 商品名「タッキネステスター」)を用いて、シリコーン樹脂層の表面タック力積分値(mN・sec/5mmΦ)及び最大表面タック力(mN/5mmΦ)を測定する。
体表面接触装具用複合材料のシリコーン樹脂層側に直径5mmのプローブを120mm/minの速度で接触させ、98mNの荷重で0.1秒間押込み、120mm/minの速度で引き離す過程でのタック力の最大値を最大表面タック力(mN/5mmΦ)とする。また、引き離し過程全体でのタック力の積分値を表面タック力積分値(mN・sec/5mmΦ)とする。
JIS P 8147「紙 及び 板紙の摩擦係数試験方法−水平方法」及び、JIS K 7125「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法」に準じて行う。
まず、重量1kg、接触面積40cm2のおもりの接触表面に体表面接触装具用複合材料から採取した試験片をシリコーン樹脂層が摩擦係数測定の接触表面となるように両面テープで取り付ける(おもりと接する側に繊維基材層を取り付ける)。発泡ポリエチレン板(龍田化学社製 商品名「ベルポーレン」)上に、おもりに取り付けたシリコーン樹脂層が板に接触するようおもりを置き、引張試験機(インストロン社製、商品名「INSTRON5564」を用いて、引張速度100mm/minでおもりを滑らせ、計測される最大荷重から静摩擦係数を算出する。また、おもりが動き出した後、30mmの移動距離の間に計測される荷重の平均値から動摩擦係数を算出する。
本発明の装具用複合材料1には、繊維基材2上にシリコーン樹脂層3が形成されており、このシリコーン樹脂層3が体表面に接触する面となる。繊維基材2はその表面に多数の空孔4を有しており、シリコーン樹脂は、空孔4部分以外の繊維基材を被覆している。従って、繊維基材表面に多数の貫通孔5を有するシリコーン樹脂層3が形成されている。換言すると、シリコーン樹脂層3の多数の貫通孔5は、繊維基材2の多数の空孔4と対向する部分に、空孔4をシリコーン樹脂で塞ぐことなく形成されている。
なお、図1(b)において、空孔4と貫通孔5との位置及びその区別を明確にするため、空孔4の1つを破線の台形で、貫通孔5の1つを破線の長方形で示している。
ビニル基置換ポリジメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金触媒を主体とする2成分型の付加反応型シリコーンポリマー(ダウコーニング社製、商品名「DOW CORNING 7−9800」。以下、「シリコーン樹脂A」という。)35重量部、ビニル基置換ポリジメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金触媒を主体とする2成分型の付加反応型シリコーンポリマー(ダウコーニング社製、商品名「DOW CORNING C6−540」。以下、「シリコーン樹脂B」という。)35重量部、及び重量平均分子量60,000、粘度12,500mPa・sのジメチルシリコーンオイル(ダウコーニング社製、商品名「SH200 Fluid 12,500 CS」)30重量部を混合した。
得られた混合液を、シリコーン剥離シートに塗工し、次いで、これに、空孔の平均断面積0.25mm2、1cm2当たりの空孔の数28個、1cm2当たりの空孔面積率7%の繊維基材を貼り合せ、この状態で110℃で10分間加熱し、シリコーン樹脂を硬化させた。その後、剥離シートを除去し、繊維基材の空孔に対向する部分に貫通孔を有し空孔以外の部分を被覆する面状のシリコーン樹脂層が繊維基材上に形成された体表面接触装具用複合材料を得た。
このとき用いた繊維基材の拡大写真を図2に、得られた体表面接触装具用複合材料のシリコーン樹脂層側の拡大写真を図3に示す。
この体表面接触装具用複合材料について、各特性を評価した結果を表1に示す。
実施例1で用いた繊維基材とは異なる空孔平均断面積、空孔の数及び空孔面積率(これらを、表1に示す。)を有する繊維基材を用いた他は実施例1と同様にして体表面接触装具用複合材料を得た。この体表面接触装具用複合材料について、実施例1と同様に各特性を評価した結果を表1に示す。
シリコーン樹脂A、シリコーン樹脂B及びシリコーンオイルの比率を表1に示すように変更し、更にシリカ5部を追加混合したほかは、実施例1と同様にして体表面接触装具用複合材料を得た。
この体表面接触装具用複合材料について、実施例1と同様に各特性を評価した結果を表1に示す。
シリコーン樹脂B70重量部とヘキサン30重量部とを混合した。得られた混合液を、シリコーン剥離シートに塗工し、次いで繊維基材を貼り合せ、110℃で10分間加熱し、ヘキサンを蒸発除去すると共にシリコーン樹脂を硬化させた。その後、剥離シートを除去し、繊維基材の表面がシリコーン樹脂層で一様に被覆された体表面接触装具用複合材料を得た。この体表面接触装具用複合材料について、実施例1と同様に各特性を評価した結果を表1に示す。
実施例1に用いたと同じ付加反応型シリコーンポリマー(シリコーン樹脂B)を実施例1で用いたと同様の繊維基材上に滴下し、次いで、110℃で10分間加熱して、繊維基材表面にシリコーン樹脂が散点状に存在する体表面接触装具用複合材料を得た。シリコーン樹脂の1つの点の面積は2mm2であり、散点状のシリコーン樹脂の合計面積の繊維基材全体の面積に対する比率は、30%であった。この体表面接触装具用複合材料について、実施例1と同様に各特性を評価した結果を表1に示す。
従って、本発明の体表面接触装具用複合材料を用いて長時間装着してもずれや蒸れによる不快感を起こさない体表面接触装具を形成することができる。
2 繊維基材
3 シリコーン樹脂層
4 空孔
5 貫通孔
Claims (7)
- 表面に複数の空孔を有する繊維基材と、
該繊維基材上に、前記空孔に対向する貫通孔を有して形成されたシリコーン樹脂層である体表面接触面と、からなり、
100mlの空気が642mm 2 の面積を通過するのに要する秒数をJIS P 8117に準じて測定して得た通気度が10秒以下である体表面接触装具用複合材料。 - 表面に複数の空孔を有する繊維基材上に、
前記空孔に対向する部分に貫通孔を有し、前記空孔以外の部分を被覆する面状のシリコーン樹脂層である体表面接触面が転写塗工により形成され、
100mlの空気が642mm 2 の面積を通過するのに要する秒数をJIS P 8117に準じて測定して得た通気度が10秒以下である体表面接触装具用複合材料。 - 前記空孔の平均断面積が前記繊維基材表面において0.04〜2mm2であり、前記空孔の数が前記繊維基材表面1cm2当り10〜500個である請求項1又は2に記載の体表面接触装具用複合材料。
- 0.5〜30N/25mmの50%伸長時張力及び20〜85%の5N荷重時の伸長率を有する請求項3に記載の体表面接触装具用複合材料。
- 前記シリコーン樹脂層が重量平均分子量3万〜20万のシリコーンオイルを含有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の体表面接触装具用複合材料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の体表面接触装具用複合材料から構成される体表面接触装具。
- 義肢の下巻き用スリーブ状包帯である請求項6に記載の体表面接触装具。
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