JP2009120777A - イソインドリン誘導体、顔料分散剤およびこれを含んだ顔料組成物 - Google Patents

イソインドリン誘導体、顔料分散剤およびこれを含んだ顔料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】C.I.ピグメントイエロー139番等に代表されるイソインドリンおよびバルビツール酸に基づく構造を有する黄色系の顔料を用いた顔料組成物において、分散直後の高粘度化、凝集、沈降、経時的な粘度の増加を伴うことなく、分散組成物中で微粒子化・高濃度化することが可能となり、カラーフィルター用レジストやインクジェット用インクの着色剤として、安定な顔料組成物を提供する。
【解決手段】インドリンおよびバルビツール部位から構成されるスルホン酸またはその金属塩、四級アンモニウム塩およびこれを分散剤として用いる顔料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、イソインドリン誘導体、顔料分散剤、および液晶ディスプレイや撮像素子などの製造に使用されるカラーフィルター用レジストやインクジェット用インクに用いられる微細で流動性、透明性に優れる顔料組成物に関する。
塗料や印刷インキ、近年ではカラーフィルター用レジストやインクジェット用インクの着色剤として、顔料が利用されている。顔料は、耐熱性、耐候性、耐マイグレーション等の諸特性で、染料と比較して堅牢性の面で優れるが、一方で分散組成物化した際の分散直後の高粘度化、凝集、沈降、経時的な粘度の増加、異種顔料と混合した際の色分かれ等の潜在的な問題を有している。
また最近では、液晶ディスプレイの高コントラスト化や撮像素子の微細化、インクジェットインクの高着色・高鮮明化等の要求に伴い、分散組成物中における顔料の微粒子化および高濃度化の要求が高まっているが、粒子径を微細化すればするほど、また顔料濃度を高くすればするほど、凝集を起こしやすくなり、安定な分散組成物を得ることが困難となっている。
こうした問題を解決する為に、顔料自体の改良検討(顔料の表面処理)や顔料に対して良好な吸着性を有する分散剤、界面活性剤の開発、および顔料分散剤等の提案がこれまでに行われてきた。カラーフィルターやインクジェット用インクに用いられる顔料としては、フタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾ系顔料、染料レーキ顔料等が挙げられ、特にフタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料を中心に数々の顔料分散剤が報告されてきた。例えば、顔料のスルホン化物あるいはその金属塩を顔料と混和する方法(特許文献1〜3)、置換アミノメチル誘導体を混和する方法(特許文献4)、フタルイミドメチル誘導体を混和する方法(特許文献5)等が知られている。
これらの方法は、特定骨格の顔料に対しては効果が認められるものの、スルホン基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基などを導入することが難しい骨格の顔料に対しては有用ではない。特にカラーフィルターやインクジェットの分野で現在広く使用されているC.I.ピグメントイエロー139番に対しては、こうした官能基を導入することが難しく、これまで非常に限られた構造の顔料分散剤しか報告されていない。特許文献6では、イソインドリン骨格を有し、酸性基を導入した構造が提案されているが、純度良く製造することが難しく、より簡便により分散安定効果の高い顔料分散剤の提案が求められていた。
特公昭41−2466 特開昭63−172772 特公昭50−4019 特公昭39−16787 特開昭55−108466 特開2005−179489
本発明が解決しようとする課題は、C.I.ピグメントイエロー139番又は185番に代表されるイソインドリン骨格を有する顔料を、分散直後の高粘度化、凝集、沈降、経時的な粘度の増加を伴うことなく、分散組成物中で微粒子化・高濃度化することであり、カラーフィルター用レジストやインクジェット用インクとして、安定な顔料組成物を提供するものである。
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、入手容易なジシアノベンゼンを出発原料とし、種々のピラゾロンおよびバルビツール酸を順次付加させることにより容易に得られる下記式(1)で表される化合物、又は下記式(2)で表されるその塩を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は
(1)下記式(1)
Figure 2009120777
(式(1)中、R1はメチル基、t−ブチル基、カルボキシル基、C1〜C4のカルボキシアルキル基、カルバモイル基およびフェニル基のいずれかを、R2は水素原子、塩素原子、メチル基およびカルボキシル基のいずれかを表す。Mは水素原子、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムおよびアルミニウムのいずれかを、Mn+はn価の陽イオンを表す。mは、1、2又は3の整数を表す。)で表されるイソインドリン誘導体、
(2)下記式(2)
Figure 2009120777
(式(2)中、R3〜R5は互いに独立して水素原子、C1〜C18のアルキル基、アラルキル基、C5又はC6のシクロアルキル基、アリール基およびC5又はC6のシクロアルキル基が置換したC1〜C18のアルキル基のいずれかを表す。R1、R2およびmは式(1)と同じ意味を有する。)で表されるイソインドリン誘導体、
(3)前記(1)又は(2)に記載のイソインドリン誘導体を有効成分とする顔料分散剤、
(4)有機顔料と前記(3)記載の顔料分散剤と樹脂型顔料分散剤を含有する顔料組成物、
(5)樹脂型顔料分散剤がカチオン系である前記(4)に記載の顔料組成物、
(6)有機顔料に対する前記(3)記載の顔料分散剤の添加量が0.1〜50質量%である前記(4)に記載の顔料組成物、
(7)有機顔料がイソインドリンおよびバルビツール酸に基づく構造を有する黄色系の顔料である前記(4)に記載の顔料組成物、
(8)有機顔料がC.I.ピグメントイエロー139番又は185番である前記(7)に記載の顔料組成物、
に関する。
本発明の式(1)及び(2)で示されるイソインドリン誘導体(以下、両者を併せて「本発明の化合物」とする)は極めて容易に製造が可能であり、同誘導体を顔料分散剤として使用することにより、C.I.ピグメントイエロー139番又は185番に代表されるイソインドリンおよびバルビツール酸に基づく構造を有する顔料を、分散直後の高粘度化、凝集、沈降、経時的な粘度の増加を伴うことなく、分散組成物中で微粒子化・高濃度化することが可能となり、カラーフィルター用レジストやインクジェット用インクの着色剤として、安定な顔料組成物を得ることができる。
本発明の化合物の構造上の特徴としては、スルホン酸基を有するピラゾロン骨格およびバルビツール酸に基づく構造を有するイソインドリン誘導体であるということが挙げられる。一般式(1)で表される本発明の化合物は、例えば次のようにして製造することができる。すなわち、1,2−ジシアノベンゼンを塩基の存在下、アルコールと反応させ、下記式(A)又は(B)で示される化合物としたのちに、下記式(C)で示されるスルホン基を有するピラゾロン誘導体と反応させることにより、下記式(D)で示されるイミノーイソインドリン中間体を得る。続いてこの中間体とバルビツール酸を反応させることにより、所望の式(1)で表される化合物を得ることが出来る。
Figure 2009120777
Figure 2009120777
(式(A)および(B)中、RはC1〜C4のアルキル基を表す。式(C)、(D)および(1)中、R1はメチル基、t−ブチル基、カルボキシル基、C1〜C4のカルボキシアルキル基、カルバモイル基およびフェニル基のいずれかを、R2は水素原子、塩素原子、メチル基およびカルボキシル基のいずれかを表す。Mは水素原子、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムおよびアルミニウムのいずれかを、Mn+はn価の陽イオンを表す。mは、1、2又は3の整数を表す。)
さらに(1)で示される化合物を種々のアミンを用いて造塩することにより、下記式(2)で示される所望の化合物を得ることが出来る。
Figure 2009120777
(式(2)中、R3〜R5は互いに独立して水素原子、C1〜C18のアルキル基、アラルキル基、C5又はC6のシクロアルキル基、アリール基およびC5又はC6のシクロアルキル基が置換したC1〜C18のアルキル基のいずれかを表す。R1、R2およびmは式(1)と同じ意味を有する。)
上記式(1)におけるC1〜C4のカルボキシアルキル基としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等が挙げられる。
上記式(1)の化合物を造塩する際に用いられるアミンとしては、例えば、アンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミン、2−エチルへキシルアミン、ラウリルアミン、
オクタデシルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン、ロジンアミン(18−アミノアビエタ−8,11,13−トリエン)等が挙げられる。
上記式(2)におけるC1〜C18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ラウリル基、オクタデシル基、オレイル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
上記式(2)におけるアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
上記式(2)におけるC5又はC6のシクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
上記式(2)におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
次に本発明の式(1)及び(2)で表されるイソインドリン誘導体の具体例を下記式(3)及び(4)に基づき表1及び表2に示す。
Figure 2009120777
Figure 2009120777
Figure 2009120777
Figure 2009120777
本発明の顔料組成物は、例えば次のような方法で調整することができる。すなわち、有機顔料およびアゾ型顔料分散剤の配合の方法としては、従来公知の種々の方法、例えば、それぞれの乾燥粉末やプレスケーキを単に混合する方法、ニーダー、ビーズミル、ディゾルバー、アトライター等の各種分散機により機械的に混合する方法、水又は有機溶剤中に有機顔料を懸濁させ、その中にアゾ型顔料分散剤を添加混合して有機顔料の表面に均一に沈着する方法などが挙げられる。次に、得られた有機顔料およびアゾ型顔料分散剤の混合物に、樹脂型顔料分散剤と必要に応じて各種有機溶剤、樹脂ワニス、各種添加剤等を配合して、サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより、所望の顔料組成物を製造することができる。或いは簡便的には、有機顔料、本発明のアゾ型顔料分散剤及び樹脂型顔料分散剤と必要に応じてその他の成分を、一括で混合及び分散しても構わない。なお、アゾ型顔料分散剤の添加量は、有機顔料に対して0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%である。アゾ型顔料分散剤の配合割合が少なすぎると目的とする分散安定性および顔料の微粒子化が達成されず、また配合割合を増やしすぎても分散安定性の低下が認められるため、配合量の最適化が必要である。
本発明の顔料組成物に用い得る有機顔料としてはカラーインデックスに記載されたものなど従来公知のものであれば特に限定されないが、本発明のイソインドリン誘導体が黄色系の色相を有する為、有機顔料本来の色相を損なわない意味では黄色系の有機顔料を用いる事が好ましい。また、本発明のイソインドリン誘導体の構造部位との親和性に優れるという意味では、構造中にイソインドリンに基づく構造およびバルビツール酸に基づく構造を有する顔料が好ましい。従って、より好ましい有機顔料としては、イソインドリンおよびバルビツール酸に基づく構造を有する黄色系の顔料であるC.I.ピグメントイエロー139番、185番等が挙げられる。
「イソインドリンおよびバルビツール酸に基づく構造を有する顔料」の具体例として、下記式(5)にC.I.ピグメントイエロー139番の構造を、式(6)にC.I.ピグメントイエロー185番の構造をそれぞれ示す。
Figure 2009120777
Figure 2009120777
本発明の顔料組成物に用い得る樹脂型顔料分散剤としては、公知の樹脂型顔料分散剤であれば特に限定されないが、本発明のイソインドリン誘導体のスルホン酸誘導体部位との親和性を考慮した場合、カチオン系の樹脂型分散剤を使用することがより好ましい。カチオン系の樹脂型分散剤としては、例えばビッグケミー社のBYK112、116、140、142、161、162、164、166、182、2000、2001、2050、2070、2150、エフカ社のEFKA4010、4015、4020、4050、4055、4060、4300、4330、4400、4406、ルーブリゾール社のソルスパース24000、32500、味の素ファインテクノ社のアジスパーPB711、821、822などが挙げられ、その中でもBYK2000、2001、アジスパーPB821、822が特に好ましい。
樹脂型顔料分散剤の添加量としては、顔料100質量部に対して、3〜100質量部であり、より好ましくは5〜50質量部である。樹脂型顔料分散剤の添加量が3質量部よりも少ない場合は、良好な分散安定性を得ることができない。
本発明の顔料組成物には必要により有機溶剤を加えることができる。用い得る有機溶剤は特に限定されないが、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、シクロヘキサノン、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。これらは単独で或いは2種類以上を組み合わせて用いても良く、顔料組成物中において90質量%以下を占める量が用いられる。
本発明の顔料組成物には、必要により樹脂ワニスを加えることが出来る。樹脂ワニスとしてはスチレン系(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体、セルロースアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。これらは単独で或いは2種類以上を組み合わせて用いても良く、顔料組成物中において50質量%以下を占める量が用いられる。
本発明の顔料組成物に必要により加えることができるその他の添加剤としては、例えばチクソ付与剤、重合性を持つ樹脂及び重合開始剤や硬化剤、硬化促進剤、重合禁止剤、有機又は無機フィラー、カップリング剤等が挙げられるが、これらは顔料組成物の具体的な目的用途によって選択すれば良く上記に限定されない。またその添加量も、具体的な目的用途に合せて選択すれば良い。
本発明の顔料組成物の用途は、特に限定されず、例えばグラビア印刷インキなどの各種印刷インキ、塗料、電子写真用乾式トナー又は湿式トナー、インクジェット記録用インキ、カラーフィルター用レジスト着色剤などの種々の用途に用いることができる。特に、本発明の顔料組成物は、顔料の微粒子化および高い安定性が要求されるカラーフィルター用レジスト着色剤やインクジェット記録用インキとして有用である。
以下に本発明を実施例によって、より具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。
実施例1 (表1の化合物番号1で示される物質の合成)
1,2−ジシアノベンゼン25.6部を240部のメタノール中に懸濁し、20〜25℃で苛性ソーダ5.4部を加え、同温度で4時間攪拌した。続いて、1−p−スルホフェニル−5−ピラゾロン−3−カルボン酸58.2部を投入した後、40℃に加熱し、同温度で2時間攪拌し、ろ過することにより、式(7)で示される化合物70.0部を得た。次に、式(7)で示される化合物70.0部を20〜25℃で水400部、メタノール300部、酢酸6部中に懸濁させた後、バルビツール酸21.8部を加え、60〜65℃に加熱し、同温度で2時間攪拌し、ろ過することにより、式(8)で示される化合物75.6部を得た。
Figure 2009120777
Figure 2009120777
実施例2 (表1の化合物番号2で示される物質の合成)
実施例1の1−p−スルホフェニル−5−ピラゾロン−3−カルボン酸58.2部の代わりに3−メチル−1−(4−スルホフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン48.3部を用いた以外は、実施例1と同様な方法で合成を行うことにより、表1の化合物番号2で示される化合物70.7部を得た。
実施例3 (表2の化合物番号20で示される物質の合成)
実施例1で得られた化合物50.0部を水1250部中に懸濁させた後、20〜25℃で苛性ソーダを用いてpHを8に調整した。この懸濁液に、18−アミノアビエタ−8,11,13−トリエン33.1部を3.3%酢酸水溶液175部に溶解させた水溶液を20〜25℃で30分間掛けて滴下し、同温度で1時間攪拌した後にろ過を行い、得られたウエットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥させることにより、表2の化合物番号20で示される化合物80.1部を得た。
実施例4 (表2の化合物番号21で示される物質の合成)
実施例1で得られた化合物50.0部の代わりに実施例2で得られた化合物47.1部に変更したこと以外は実施例3と同じ方法で合成を行い、表2の化合物番号18で示される化合物77.1部を得た。
実施例5 (顔料組成物の調製)
有機顔料としてC.I.ピグメントイエロー139番(チバスペシャリティーケミカルズ社製、イエロー2R−CF)16.0部、実施例1で得られた化合物1.6部、樹脂分散剤として、ビッグケミー社製BYK2001(固形分が46%)6.4部、樹脂ワニスとして、アクリル樹脂(メタクリル酸:ベンジルメタクリレート=75:25のモル比で共重合させた分子量10000のもの)3.2部および溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート53.8部、エトキシプロパノール19.0部を配合し、プレミキシングの後、0.3mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散した後、5ミクロンのフィルタでろ過し、顔料分散体を作製した。
実施例6 (顔料組成物の調製)
有機顔料としてC.I.ピグメントイエロー139番(チバスペシャリティーケミカルズ社製、イエロー2R−CF)14.8部、実施例3で得られた化合物1.5部、樹脂分散剤として、味の素ファインテクノ社製アジスパーPB821、3.0部、および溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80.7部を配合し、プレミキシングの後、0.3mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散した後、5ミクロンのフィルタでろ過し、顔料分散体を作製した。
実施例7 (顔料組成物の調製)
実施例6のC.I.ピグメントイエロー139番(チバスペシャリティーケミカルズ社製、イエロー2R−CF)の代わりに、C.I.ピグメントイエロー185番(ビーエーエスエフ社製 パリオトールイエローD1155)に変更したこと以外は実施例6と同じ方法により顔料組成物を作製した。
比較例1 (顔料組成物の調製)
実施例1で得られた化合物を用いないこと以外は実施例5と同じ方法により顔料組成物を作製した。
比較例2 (顔料組成物の調製)
実施例3で得られた化合物を用いないこと以外は実施例6と同じ方法により顔料組成物を作製した。
上記実施例5〜7および比較例1〜2の顔料組成物について、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて顔料組成物の平均粒子径を、またB型粘度計を用い、室温(25℃)10rpmの条件で粘度を測定した。尚、保存安定性を確認する意味で、粘度については初期(作製直後)の他に40℃で3日間及び7日間放置後についても測定を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2009120777
表3から明らかなように、実施例5〜7の顔料組成物は、比較例1〜2の顔料組成物と比較して平均粒径が小さく、より微分散されていることがわかる。また初期粘度も比較例に比べて低く抑えられており、実際に使用する際の作業性を損なわないものである。更に保存安定性についても、非常に良好な結果を示した。
具体的には、有機顔料にC.I.ピグメントイエロー139番を使用した場合、実施例は比較例に比べて初期粒径が20nm小さく、初期粘度は10%程度低かった。また7日後の粘度上昇率についても、比較例1、2では15〜20%程度粘度が上昇したのに対して、実施例5、6は粘度の上昇は見られなかった。
以上の結果から、本発明のイソインドリン誘導体を顔料分散剤として使用することにより、これまで分散が困難だったC.I.ピグメントイエロー139番に代表されるイソインドリンおよびバルビツール酸に基づく構造を有する黄色系の顔料を、分散直後の高粘度化、凝集、沈降、経時的な粘度の増加を伴うことなく、良好な顔料組成物とすることができることは明らかである。以上の点から、本発明のイソインドリン誘導体を使用した顔料組成物は、カラーフィルター用レジストやインクジェット用インクの着色剤として、非常に有用である。

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    Figure 2009120777
    (式(1)中、R1はメチル基、t−ブチル基、カルボキシル基、C1〜C4のカルボキシアルキル基、カルバモイル基およびフェニル基のいずれかを、R2は水素原子、塩素原子、メチル基およびカルボキシル基のいずれかを表す。Mは水素原子、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムおよびアルミニウムのいずれかを、Mn+はn価の陽イオンを表す。mは、1、2又は3の整数を表す。)で表されるイソインドリン誘導体。
  2. 下記式(2)
    Figure 2009120777
    (式(2)中、R3〜R5は互いに独立して水素原子、C1〜C18のアルキル基、アラルキル基、C5又はC6のシクロアルキル基、アリール基およびC5又はC6のシクロアルキル基が置換したC1〜C18のアルキル基のいずれかを表す。R1、R2およびmは式(1)と同じ意味を有する。)で表されるイソインドリン誘導体。
  3. 請求項1又は2に記載のイソインドリン誘導体を有効成分とする顔料分散剤。
  4. 有機顔料と請求項3記載の顔料分散剤と樹脂型顔料分散剤を含有する顔料組成物。
  5. 樹脂型顔料分散剤がカチオン系である請求項4に記載の顔料組成物。
  6. 有機顔料に対する請求項3記載の顔料分散剤の添加量が0.1〜50質量%である請求項4に記載の顔料組成物。
  7. 有機顔料がイソインドリンおよびバルビツール酸に基づく構造を有する黄色系の顔料である請求項4に記載の顔料組成物。
  8. 有機顔料がC.I.ピグメントイエロー139番又は185番である請求項7に記載の顔料組成物。
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