JP2009120415A - 結晶化ガラス製セッターの再利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスプレイ用ガラス基板等を載置して繰り返し熱処理を行うことにより変形が生じた結晶化ガラス製セッターを廃棄することなく、再びディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして使用できる方法を提供することである。
【解決手段】本発明の結晶化ガラス製セッターの再利用方法は、ディスプレイ用ガラス基板を載置した状態で加熱炉内に送給される結晶化ガラス製熱処理用セッターの再利用方法であって、繰り返し熱処理を行うことで発生する反りを有する結晶化ガラス製熱処理用セッター表面を研磨し、ディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして再び利用することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の結晶化ガラス製セッターの再利用方法は、ディスプレイ用ガラス基板を載置した状態で加熱炉内に送給される結晶化ガラス製熱処理用セッターの再利用方法であって、繰り返し熱処理を行うことで発生する反りを有する結晶化ガラス製熱処理用セッター表面を研磨し、ディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして再び利用することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ディスプレイ用ガラス基板等を載置して繰り返し熱処理を行うことにより変形が生じた結晶化ガラス製セッターの再利用方法に関するものである。
周知のように、近年の表示デバイスの多様化に伴い、大型、薄肉の平面ディスプレイが注目されている。その中でも、プラズマディスプレイパネルは、自己発光型のフラットパネルディスプレイであり、軽量薄型、高視野角等の優れた特性を備えており、また大画面化が可能であることから、急速に市場が拡大している。
プラズマディスプレイパネルは、前面ガラス基板と背面ガラス基板とを一定の間隔で対向させて、その周囲を気密封止することにより作製される。
尚、プラズマディスプレイパネルの作製に使用されるガラス基板は、厚みが2.8mm程度の薄肉平板上のソーダライム系ガラス板から形成されるのが通例である。また、ガラス基板の表面には、電極、誘電体層、隔壁等の回路パターンを形成するためにペーストが塗布されると共に、その塗布されたペーストをガラス基板に定着させるために、加熱炉において500℃〜700℃の温度域で熱処理(焼成)が行われる。
上記の熱処理は、生産効率と省エネルギーの観点から、一般的にローラーハースキルン炉で実施されている。ローラーハースキルン炉は、複数本のローラーをガラス基板の搬送方向に並べて配置することにより構成した搬送手段(ローラーコンベア)を備えている。この際、ガラス基板をローラーコンベア上で搬送すると、ガラス基板に反りや歪みが発生したり、表面に傷が付く虞れがある。そのため、ガラス基板よりも大きいサイズを有する矩形平板状のセッター上に、ガラス基板を載置し、炉内に設置された多数のローラー上をセッターが移動するようにしてガラス基板を搬送するようにしている。
この熱処理に用いられるセッターは、ガラス基板を取り替えて繰り返し何度も使用される。しかも、昇温、焼成、冷却の熱サイクルが短時間の間に繰り返されるため、耐熱衝撃性に優れていることが要求される。
上記の要求特性を満たすものとして、特許文献1に示すような結晶相としてβ−石英固溶体及びβ−スポジュメン固溶体を含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス板からなる熱処理用セッターが提案されている。
特開2006−8488号公報
しかしながら、特許文献1で開示されているLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス製セッター上に、ガラス基板を載置して熱処理を行った場合、短期間の使用では問題ないものの、長期間に亘って繰り返し熱処理を行うと、セッターがガラス基板を載置している面側に凸状に反るという現象が起こる。反りが生じたセッター上にガラス基板を載置して熱処理を行うと、セッターの表面形状に沿ってガラス基板も形状変化し、ガラス基板にも反りが発生して平坦度が低下する。そのため、電極、誘電体層、隔壁等の回路パターンの配置にズレが生じ、表示性能が低下するという問題が生じる。このようなセッターの反りは、ガラス基板とセッターとの接触面積の増大に伴って大きくなるため、複数のガラス基板の並列載置による同時焼成化やガラス基板の大型化に伴い、益々、セッターの反りは大きくなる傾向にある。
尚、反りが発生したセッターは、高い平坦度が要求されるディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとしては使用できないため、廃棄せざるを得なかった。
本発明の目的は、ディスプレイ用ガラス基板等を載置して繰り返し熱処理を行うことにより変形が生じた結晶化ガラス製セッターを廃棄することなく、再びディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして使用できる方法を提供することである。
本発明の結晶化ガラス製セッターの再利用方法は、ディスプレイ用ガラス基板を載置した状態で加熱炉内に送給される結晶化ガラス製熱処理用セッターの再利用方法であって、繰り返し熱処理を行うことで発生する反りを有する結晶化ガラス製熱処理用セッター表面を研磨し、ディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして再び利用することを特徴とする。
本発明の結晶化ガラス製セッターの再利用方法によると、反りが生じたセッターを平坦な形状に復元することができるため、再びディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして利用することが可能となる。また、再利用することで廃棄する必要もなくなるためコストパフォーマンスにも優れている。それ故、ディスプレイ用ガラス基板を熱処理する結晶化ガラス製セッターの再利用方法として好適である。
Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス製セッター上にガラス基板を載置し、長期間に亘って、繰り返し熱処理を行うことで、セッターに反りが発生する原因は、次の様に考えられる。
Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス製セッター上にガラス基板を載置し熱処理を行うことで、セッター及びガラス基板が高温雰囲気に曝される。この時、ガラス基板を載置している側のセッター表面では、セッター中のLi+とガラス基板のアルカリ金属イオン(Na+やK+)のイオン交換が起こる。一回の熱処理でイオン交換される量(深さ)は数nm〜数μmと極微量であるため実用上問題となることはない。しかし、繰り返し熱処理を行うことでイオン交換層が深くなってガラス基板を載置している側のセッター表面には異質層が形成される。その結果、セッターは異質層が形成された面とその反対側の面の表層部の応力量が異なることになり、反りが発生すると考えられる。
反りの発生を抑えるために、熱処理を行うたびにセッターを反転させて、ガラス基板を載置する面を換えることでセッターの両表面の応力量のバランスを均等にすることも考えられる。しかし、セッター上から熱処理を終えたガラス基板を取り出し、熱処理を行う前のガラス基板に置き換える際、いつも同じ位置に同じサイズのガラス基板を載置するとは限らないため、セッターの両表面の応力量のバランスを均等にすることは難しい。また、大型のセッターの場合、重量も大きくなり作業面の点からもセッターの面を反転させることは困難である。
通常、反りが生じたセッターは、高い平坦性が要求されるディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとしては使用できないため廃棄されるが、本発明では、反りが生じたセッター表面を研磨して、平坦な形状に復元している。そのため、反りが生じたセッターを廃棄することなく、再び、ディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして使用することを可能にしている。
尚、本発明においては、セッターの両面を研磨しなくても、ガラス基板を載置した側の表面、即ち、異質層が形成されている側の表面のみを研磨すればよい。反りの原因となる異質層を研磨除去することで、ガラス基板を載置した側のセッター表面が未使用時のような表面状態となるため、ディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして使用しても、数回の熱処理で反りが発生することはなく、未使用時と同じようにして使用することができる。
また、セッター表面の研磨量(研磨深さ)は、表面から100〜300μmの深さまで研磨することが好ましい。研磨量がこの範囲内であれば、研磨コストを著しく上昇させることなく、異質層を除去することができる。セッター表面の研磨量が少なすぎると、セッター表面に形成された異質層を十分に除去できず、再び、ガラス基板と載せて熱処理を行った場合、数回の熱処理で反りが発生する。一方、研磨量が多すぎると、研磨コストが著しく上昇するだけで、セッターを平坦な形状に復元する効果は変わらない。また、研磨することによって再利用できる回数が少なくなる。研磨量のより好ましい範囲は100〜250μmである。
また、セッターとしては、短辺が0.5〜3m、長辺が0.5〜5m、板厚が3〜6mmであることが望ましい。セッターの短辺及び長辺の長さが小さくなりすぎると、大きいサイズのガラス基板を熱処理することができなくなる。一方、セッターの短辺及び長辺の長さが大きくなりすぎると、セッターの製造、成型が難しくなる。また、板厚が小さくなりすぎると、セッターの強度が低下しローラーハースキルン炉内でのローラー搬送で割れやすくなる。一方、板厚が大きくなりすぎると、セッターの重量が大きくなりローラーハースキルン炉内でのローラー搬送が困難となる。
以下、本発明の結晶化ガラス製セッターの再利用方法について、実施例に基づいて詳細に説明する。
表1は本発明の実施例(試料No.1〜3)及び比較例(試料No.4)をそれぞれ示している。
表の各試料は、次のようにして調製した。
まず、短辺を0.7mとし、長辺を1mとし、5mmの板厚を有する矩形状の結晶化ガラス製セッター(日本電気硝子社製 N−0)上に、短辺を0.5mとし、長辺を0.8mとし、で2.8mmの板厚を有する矩形状のガラス基板(日本電気硝子社製 PP−8)を載置し、室温から600℃まで1時間で昇温、600℃で30分間保持、600℃から室温まで1時間で降温の熱処理を行った。次いで、ガラス基板のみを取り替えて、上記の条件で熱処理を行った。この熱処理を300回繰り返し、セッターに反りを生じさせた。
次に、反りが生じたセッターの反り量を測定した後、ガラス基板を載置した側の面について表に示す量の研磨を行って研磨後のセッターの反り量を測定した。
その後、研磨した面にガラス基板を載置し、表に示す回数の上記の熱処理を繰り返し行い、反り量を測定した。
表から明らかなように、実施例である試料No.1〜3は、研磨後の反り量が0.08mm以下と小さかった。また、研磨を行った後、ガラス基板を載置して繰り返し250回の熱処理を行っても、反り量は2.08mm以下と小さく、実用上問題ないものであった。
これに対し、比較例である試料No.4は、研磨後の反り量は2.11mmと大きかった。また、研磨後、ガラス基板を載置して繰り返し熱処理を行うと、50回の熱処理で反り量が2.79mmと大きくなり、実用上問題が生じるものとなった。
尚、反り量については、平坦な定盤上に、ガラス基板を載置した面を下にしてセッターを載置し、隙間ゲージを用いて四辺の中央部及びコーナー部における定盤からセッター表面までの距離を測定し、その平均値を反り量として求めた。
Claims (3)
- ディスプレイ用ガラス基板を載置した状態で加熱炉内に送給される結晶化ガラス製熱処理用セッターの再利用方法であって、繰り返し熱処理を行うことで発生する反りを有する結晶化ガラス製熱処理用セッター表面を研磨し、ディスプレイ用ガラス基板の熱処理用セッターとして再び利用することを特徴とする結晶化ガラス製セッターの再利用方法。
- ガラス基板を載置した側のセッター表面を厚み方向に100〜300μm研磨することを特徴とする請求項1記載の結晶化ガラス製セッターの再利用方法。
- ガラス基板を載置した側のセッター表面に形成された異質層を研磨除去することを特徴とする請求項1または2記載の結晶化ガラス製セッターの再利用方法。
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JP2006021158A (ja) * | 2004-07-09 | 2006-01-26 | Ngk Insulators Ltd | 熱処理用治具の洗浄方法 |
JP2007315703A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Inax Corp | セッターの管理方法及び装置並びに研磨設備 |
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