JP2009120138A - 電源遮断制御システムおよび電源遮断制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】過電流が流れ続けることを確実に防止することが可能な信頼性が高い電源遮断制御システムを提供する。
【解決手段】電源遮断制御コントローラ7は、衝突予測手段である衝突軽減システム8から自車両前方または自車両後方の障害物との衝突の発生を予測する衝突予測信号を受信した際に、電源回路の電線5に流れる電流の電流値を監視する電流センサ2を駆動し、しかる後、あらかじめ定めた電流閾値を超えた電流値の電流が電線5に流れていることを検知した旨を示す過電流検知信号を電流センサ2から受信した場合、回路開閉器4に対して、電線5を開放するための制御信号を送出して、回路開閉器4にて電線5を開放状態に設定することによって、電源供給動作を遮断する。衝突軽減システム8は、少なくとも、自車両の前方または後方の障害物との間の距離および相対的な速度差に基づいて、自車両の衝突の発生を予測する。
【選択図】図1
【解決手段】電源遮断制御コントローラ7は、衝突予測手段である衝突軽減システム8から自車両前方または自車両後方の障害物との衝突の発生を予測する衝突予測信号を受信した際に、電源回路の電線5に流れる電流の電流値を監視する電流センサ2を駆動し、しかる後、あらかじめ定めた電流閾値を超えた電流値の電流が電線5に流れていることを検知した旨を示す過電流検知信号を電流センサ2から受信した場合、回路開閉器4に対して、電線5を開放するための制御信号を送出して、回路開閉器4にて電線5を開放状態に設定することによって、電源供給動作を遮断する。衝突軽減システム8は、少なくとも、自車両の前方または後方の障害物との間の距離および相対的な速度差に基づいて、自車両の衝突の発生を予測する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電源遮断制御システムおよび電源遮断制御方法に関し、特に、車両搭載の電源について電源回路の遮断を制御する電源遮断制御システムおよび電源遮断制御方法に関する。
一般の車両用の電源回路においては、車両用の負荷側に対する電源供給が、主電源のバッテリの下流に設けられた安全器を介して行われるように構成されており、車両衝突事故などが万一発生した場合に、安全器の下流に接続されている電源回路の電線の断線や短絡が発生して、該電線にその許容量を超えるような過電流が流れた場合には、該電線が異常な温度に加熱されるまでに、安全器が溶断されるように対策されている。
しかし、一般に、電源回路の電線が完全に断線や短絡するまでの間には、該電線が断線状態や短絡状態になったり接続状態になったりする状況が繰り返される場合が多く、かかる場合には、過電流が断続的に発生することになる可能性があるため、安全器の応答性の悪さから、安全器の溶断以前に電線が異常な温度に加熱されてしまうケースが生じかねない。
かくのごとき事態を防止するために、特許文献1の特開平10−066248号公報「車両用電源供給装置」においては、エアバッグシステムの衝突検知信号によって、自車両の衝突が検知された場合には、電源回路に流れる電流を電流センサ等によって監視し、あらかじめ定めた電流閾値を超える過電流が流れていることが検出された場合には、電源回路の遮断を強制的に行う技術が提案されている。
特開平10−066248号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のような従来の技術においては、エアバッグシステムの衝突検知信号によって、自車両の衝突が検知された後に、はじめて、電源回路に流れている電流が過電流になっているか否かを検知するという制御を行っており、例えば、電源回路の遮断を制御する制御部に対してエアバッグシステムの衝突検知信号を伝送する信号線が、自車両の衝突によって、断線してしまった場合は、該制御部への衝突検知信号が途絶してしまい、電源回路の遮断を行うことができなくなり、過電流が流れ続けることを防止することが不可能になるという問題がある。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、自車両衝突時に、信号線等の断線や短絡が発生して、電源回路の制御に必要とする信号の途絶が生じるような場合であっても、過電流が流れ続けることを確実に防止することが可能な信頼性が高い電源遮断制御システムおよび電源遮断制御方法を提供することを、その目的としている。
本発明は、前述の課題を解決するために、自車両の衝突の発生が予測された場合であって、かつ、電源回路に流れている電流値として、あらかじめ定めた電流閾値を超えていることを検知した場合には、電源回路を遮断することを特徴としている。
本発明の電源遮断制御システムによれば、自車両が衝突する前の、自車両の衝突の発生が予測された段階で、電源回路に流れている電流として、あらかじめ定めた電流閾値を超えた過電流が流れているか否かを検知する動作を起動して、電源回路に過電流が流れていることを検知した場合には、ただちに、電源回路を遮断することを可能としているので、車両衝突時に信号線等の断線や短絡が発生して、電源回路の制御に必要とする信号の途絶が生じるような場合であっても、電源回路に過電流が流れ続けることを確実に抑止し、電源回路が異常な温度に上昇することを確実に防止することが可能な信頼性が高い制御を行うことができるという効果を奏することができる。
以下に、本発明による電源遮断制御システムおよび電源遮断制御方法の最良の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、車両に搭載した電源の制御に関するものであり、電源から供給される電流として過電流が流れ続けないように、自車両の衝突の発生が予測され、かつ、あらかじめ定めた電流閾値を超えた電流値の過電流が電源から電源回路に流れたことを検知した場合に、電源回路をただちに遮断することを特徴としている。
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、車両に搭載した電源の制御に関するものであり、電源から供給される電流として過電流が流れ続けないように、自車両の衝突の発生が予測され、かつ、あらかじめ定めた電流閾値を超えた電流値の過電流が電源から電源回路に流れたことを検知した場合に、電源回路をただちに遮断することを特徴としている。
例えば、電源回路に流れる電流の電流値を監視する電流センサと、電源回路を閉成したり開放したりする開閉動作を電気的に行う回路開閉器と、前記電流センサが検知した電流値に基づいて、前記回路開閉器の開閉動作を制御する電源遮断制御手段である電源遮断制御コントローラとを、電源遮断回路として、少なくとも備えている。該電源遮断回路において、前記電源遮断制御手段の電源遮断制御コントローラが、自車両の衝突の発生を予測する衝突予測手段例えば衝突軽減システム(プリクラッシュシステム)からの衝突予測信号を受信した場合であって、かつ、前記電流センサが検知した電流値があらかじめ定めた電流閾値を超えて流れていることを検知した場合には、ただちに、前記回路開閉器を制御して、電源回路を遮断することを特徴としている。
また、前記電源遮断回路を、1台だけ、例えば車両用の電源であるバッテリ直下の電源分配器内に集中的に配置するように構成しても良いし、あるいは、複数台の電源遮断回路を、制御対象や制御目的などに応じて、車両内に分散して配置するように構成しても良い。
而して、自車両が衝突する前の衝突予測段階から、電源回路の遮断を制御する動作を開始することによって、前記特許文献1のような従来技術の場合に比して、自車両の衝突発生時から電源回路に流れる電流の監視を開始するまでに要する処理時間を不要とし、例えば自車両が衝突した直後に電源回路の電線の断線や短絡が発生して、あらかじめ定めた電流閾値を超える過電流が流れ始めた場合には、過電流が流れ始めた時点から電源回路を遮断するまでに要する処理時間を、例えば160ミリ秒程度短縮することが可能となり、従来技術の場合に比し、電源回路を遮断するまでの処理時間を約85%短縮することができる。
また、自車両の衝突が発生する前の、衝突の発生が予測される段階から電源回路の遮断を制御するための動作を開始しているので、自車両の衝突によって、万一、車両衝突信号や電流センサの監視動作を駆動するための制御信号などを伝達する信号線の断線や短絡が発生して、車両衝突信号などの伝達が途絶してしまうような事態が発生したとしても、電源回路にあらかじめ定めた電流閾値を超える過電流が流れた際に、迅速かつ確実に、電源回路を遮断する制御を実施させることができ、機能停止状態を回避し、高い信頼性の制御を行うことができる。
さらには、自車両が衝突することが予測された場合に限って、電源回路に流れる電流の電流値があらかじめ定めた電流閾値を超えているか否かを監視する動作を有効にする(例えば、電流センサそのものの電流値の監視動作を実行させるか、あるいは、電流センサからの過電流検知信号を電源遮断制御コントローラが受け付ける動作を有効な状態に設定する)ことを特徴としている。
而して、通常の走行状態において、車両操作などによって、例えば、モータがロックする状態が一時的に発生したために、ロック電流などが複数重畳して、あらかじめ定めた電流閾値を超えた過電流が流れる状態が発生した場合のように、一時的に過電流が流れることがあったとしても、電源回路を誤って遮断することがなく、かくのごときロック電流などに伴う一時的な過電流による制御の外乱を排除して、通常の走行状態における車両操作上に支障を及ぼすような誤動作を確実に排除することを可能としている。
(第1の実施形態のシステム構成例)
まず、本発明による電源遮断制御システムの第1の実施形態について説明する。図1は、本発明による電源遮断制御システムに関するシステム構成の第1の実施形態を示すシステム構成図である。図1に示す電源遮断制御システムは、車両に搭載された電源のバッテリ1から電力を負荷群6に供給する電源回路において、電源線である電線5、該電線5に介挿された電流センサ2、安全器3、回路開閉器4、および、電源遮断制御コントローラ7を、電源回路を遮断するための電源遮断回路として、少なくとも備えて構成されており、車両内のバッテリ1の直上に搭載されている電源分配器9内に該電源遮断回路が集中的に配置されている例を示している。
まず、本発明による電源遮断制御システムの第1の実施形態について説明する。図1は、本発明による電源遮断制御システムに関するシステム構成の第1の実施形態を示すシステム構成図である。図1に示す電源遮断制御システムは、車両に搭載された電源のバッテリ1から電力を負荷群6に供給する電源回路において、電源線である電線5、該電線5に介挿された電流センサ2、安全器3、回路開閉器4、および、電源遮断制御コントローラ7を、電源回路を遮断するための電源遮断回路として、少なくとも備えて構成されており、車両内のバッテリ1の直上に搭載されている電源分配器9内に該電源遮断回路が集中的に配置されている例を示している。
電流センサ2は、電源のバッテリ1から電源回路の電線5を介して負荷群6に対して流れる電流の電流値を監視するセンサであり、電源遮断制御コントローラ7からの駆動制御に基づいて、例えば、自車両の衝突が予測された段階で、電流値の監視動作を駆動するように制御することが可能である。電流センサ2は、電源回路の電線5に流れる電流の電流値が、あらかじめ定めた電流閾値を超えていることを検知した場合、過電流検知信号を、電流センサ2の出力回路から電源遮断制御コントローラ7に対して通報する。
安全器3は、電源回路の電線5に許容量を超えるような過大な電流が流れた際に溶断するヒューズを内蔵している。また、回路開閉器4は、電気的に開閉制御が可能なスイッチを内蔵しており、電源遮断制御コントローラ7からのスイッチ開閉用の制御信号を、回路開閉器4の制御回路が受信した際に、該制御回路によって、該スイッチ開閉用の制御信号に応じて、回路開閉器4のスイッチの開閉制御を行うことによって、該スイッチが介挿されている電源回路の電線5を開放したり閉成したりする動作を行う。
電源遮断制御コントローラ7は、電流センサ2が検知した電流値に基づいて回路開閉器4を制御する電源遮断制御手段を提供するものであり、自車両の衝突の発生を予測する衝突予測手段例えば衝突軽減システム8からの衝突予測信号を受信する手段も備えている。電源遮断制御コントローラ7は、衝突軽減システム8からの衝突予測信号を受信した場合に、電流センサ2による電流値の監視動作を開始し、電源回路の電線5に流れる電流の電流値があらかじめ定めた電流閾値を超えたことを検知した旨を示す過電流検知信号を電流センサ2から受信した場合に、回路開閉器4を制御して、電源回路の電線5を遮断する機能を有している。電源遮断制御コントローラ7は、ハードウェア論理に基づいて電源回路の電線5の遮断に関する制御を行うようにしても良いし、あるいは、マイクロプロセッサを内蔵してプログラム論理により電源回路の電線5の遮断に関する制御を行うようにしても良い。
以上のような各構成部品からなる電源遮断回路において、車両用の電源は、バッテリ1から、安全器3を介して、その下流に接続された電線5を伝わって負荷群6に電力を分配する。この電源を伝送する電源回路の電線5には、流れている電流の電流値をモニタリングする電流センサ2と電気的に開閉動作が制御される回路開閉器4とが介在しており、電流センサ2の出力回路と回路開閉器4の制御回路とは電源遮断制御コントローラ7に接続されている。
また、電源遮断制御コントローラ7は、自車両前方や自車両後方の障害物の接近を検知する衝突軽減システム8からの入力回路を備えており、自車両の衝突の発生を予測する衝突予測信号を入手することが可能である。衝突軽減システム8は、自車両前方や自車両後方の障害物の接近を検知し、衝突の発生を予測する。衝突軽減システム8は、自車両と自車両前方や自車両後方の障害物との衝突が不可避となった状況を検知した際には、ただちに、衝突の発生が予測される旨を示す衝突予測信号を、電源遮断制御コントローラ7に対して発信する。該衝突予測信号を受信した電源遮断制御コントローラ7は、電源遮断用の制御動作を起動し、電流センサ2による電源電流の電流値の監視動作を開始する。以降、電流センサ2は、電源回路の電線5に流れる電流の電流値があらかじめ定めた電流閾値を超えているか否かを監視する過電流待機状態に移行する。
衝突軽減システム8によって自車両の衝突の発生の予測がなされた後、実際に車両の衝突が発生して、例えば電源回路の電線5の断線や短絡が生じた場合には、電線5上の断線・短絡箇所10の上流側の電線5に過電流が通電されることがあり得る。電源回路の電線5にあらかじめ定めた電流閾値を超える電流が流れ始めた際には、過電流待機状態に設定されている電流センサ2にて、ただちに、過電流が流れていることが検知されて、電流センサ2の出力回路から電源遮断制御コントローラ7に対して過電流検知信号が通知される。
電源遮断制御コントローラ7は、電流センサ2の出力回路からの過電流検知信号を受信して、電源回路の電線5に過電流が流れていることを検知すると、ただちに、回路開閉器4の制御回路に対して電源回路の電線5を遮断するためのスイッチ開放用の制御信号を送出する。電源遮断制御コントローラ7からスイッチ開放用の制御信号を受信した回路開閉器4の制御回路は、回路開閉器4内のスイッチの開放制御を行って、電源回路の電線5を遮断して、バッテリ1からの通電を停止させることによって、過電流の連続通電による電線5の異常な発熱を未然に防止する動作を行う。
かくのごとき構成において、電源遮断制御コントローラ7が自車両の衝突発生を予測する衝突予測信号を入手する手段としては、前述の衝突軽減システム8の他に、急ブレーキをかけたことや急ハンドルを切ったことを検知する急ブレーキ・急ハンドル検知システム11を用いるようにしても良いし、あるいは、路車間通信や車々間通信等のインフラ協調システム12などといった予防安全関連のシステムとの連携によって入手するようにしても良いし、これらの各システムを併用するように構成しても良い。
ここで、衝突軽減システム8は、自車両に搭載されており、電波レーダセンサなどの手段によって、自車両前方または自車両後方などの障害物との間の距離や相対的な速度などを測定して、少なくとも、自車両前方または自車両後方などの障害物との間の距離があらかじめ定めた距離閾値以内になっており、かつ、自車両と当該障害物との相対的な速度差が、あらかじめ定めた閾値を超えていることを検知した場合には、自車両と当該障害物との衝突が不可避になったものと判定して、衝突予測信号を発出して、運転者への警告を音声や画面表示によって通報すると同時に、関連する制御機器例えば電源遮断制御コントローラ7に対して衝突予測信号を送信する。
また、急ブレーキ・急ハンドル検知システム11は、運転者の車両操作状況の一つとして、自車両のブレーキ操作があらかじめ定めた閾値を超える速度で操作された場合、および/または、自車両のハンドル操作があらかじめ定めた閾値を超える速度で操作された場合には、ブレーキの操作速度および/またはハンドルの操作速度を、関連する制御機器例えば電源遮断制御コントローラ7に対して送信するものである。
電源遮断制御コントローラ7は、急ブレーキ・急ハンドル検知システム11にて検知される、自車両のブレーキの操作速度および/またはハンドルの操作速度に基づいて、自車両が衝突を避けるための急ブレーキ操作および/または急ハンドル操作がなされているか否かを判定するための閾値を参照して、該閾値を超えていた場合には、自車両の衝突の発生を予測する衝突予測信号を受信した場合と等価であるものと判断して、電源回路の電線5に流れる電流の電流値があらかじめ定めた電流閾値を超えていないか否かを監視する過電流待機状態に移行する。
また、インフラ協調システム12の路車間通信システムとの連携を図って、衝突の予測情報を入手する場合は、路側や路上に設けられた無線通信手段からの無線信号つまりビーコンを受信することによって、自車両前方や自車両後方の車両との距離や相対的な速度差に関する情報を取得して、自車両の衝突の可能性を予測するものであり、インフラ協調システム12の車々間通信システムとの連携を図って、衝突の予測情報を入手する場合は、IVC(Inter-Vehicle Communication)ネットワークを介して、走行中の近接車両間の情報交換を行う通信の一つとして、相互の車両の速度情報や車両操作情報を交換し合うことによって、自車両前方や自車両後方の車両との距離や相対的な速度差に関する情報を取得して、自車両の衝突の可能性を予測する。
次に、図1に示す電源遮断制御システムの動作について、図2に示すフローチャートを用いてさらに説明する。図2は、図1に示す電源遮断制御システムの動作の一例について説明するためのフローチャートであり、本発明による電源遮断制御方法の一例を示している。なお、図2は、電源遮断制御コントローラ7における動作の一例を示しているが、ステップS7に破線の枠で示している動作については、回路開閉器4の動作を示している。
図2のフローチャートにおいて、電源遮断制御コントローラ7は、衝突軽減システム8から、自車両の衝突の発生を予測する衝突予測信号を受信したか否かを常時監視している(ステップS1)。衝突軽減システム8から衝突予測信号を受信していない場合は(ステップS2のNO)、ステップS1に戻って衝突予測信号を受信の監視動作を継続する。
一方、衝突軽減システム8から衝突予測信号を受信した場合は(ステップS2のYES)、電源回路の電線5に介挿された電流センサ2のモニタリング動作を駆動して、電源回路の電線5に流れる電流の電流値があらかじめ定めた電流閾値を超えた過電流状態になっているか否かを監視する過電流検知待機状態に設定する(ステップS3)。なお、電流センサ2の監視動作そのものを制御する代わりに、電流センサ2のモニタリング動作を常時実施する状態に設定して、自車両の衝突が予測されていない通常時においては、電源遮断制御コントローラ7は、電流センサ2からの過電流検知信号を受け付ける動作を無効にし、電源遮断制御コントローラ7が衝突軽減システム8から衝突予測信号を受信して過電流検知待機状態に設定することによって、電源遮断制御コントローラ7が電流センサ2からの過電流検知信号を受け付ける動作を有効に設定するという動作を行うようにしても良い。
電流センサ2があらかじめ定めた電流閾値を超えた過電流が流れていることを検知していない場合は(ステップS4のNO)、ステップS1に戻って、まだ、自車両の衝突の発生を予測する衝突予測信号を継続して受信し続けているか否かを確認し(ステップS1)、自車両の衝突が予測される状況が継続している限り(ステップS2のYES)、電源回路の電線5に流れる電流の電流値の監視動作を継続する(ステップS3)。
一方、例えば、自車両の衝突事故に伴って、電源回路の電線5の断線や短絡が発生して、電流センサ2があらかじめ定めた電流閾値を超えた過電流が流れていることを検知した場合(ステップS4のYES)、過電流検知信号を電流センサ2から受信した電源遮断制御コントローラ7は、ただちに、電源回路の電線5を遮断するために、回路開閉器4のスイッチを開放する制御信号を生成して(ステップS5)、回路開閉器4の制御回路に対して送出する(ステップS6)。
電源遮断制御コントローラ7から回路開閉器4のスイッチを開放する制御信号を受信した回路開閉器4の制御回路は、該制御信号に応じて、回路開閉器4のスイッチを開放することによって、電源回路の電線5を遮断する(ステップS7)。
以上のように、本発明による電源遮断制御方法においては、自車両の衝突の発生が予測された段階で、電流センサ2を駆動して過電流検知待機状態に設定することによって、電源回路の電線5に流れている電流値として、あらかじめ定めた電流閾値を超えた過電流が流れているか否かを検知して、過電流が流れていることを検知した場合には、ただちに、電源回路の電線5を遮断するように動作しているので、電源回路の電線5に過電流が流れ続けて、異常な温度に発熱する事態を未然に防止することができる。
(第2の実施形態のシステム構成例)
本発明による電源遮断制御システムは、前述した図1に示すようなシステム構成のみに限るものではない。例えば、電源遮断回路を、図1の場合のように、車両内のバッテリ1の直上に搭載されている電源分配器9内に集中して配置するのではなく、図3に示すように、制御対象や制御目的に応じて、1ないし複数の電源遮断回路を、車両内に分散して配置するようにしても良い。図3は、本発明による電源遮断制御システムに関するシステム構成の第2の実施形態を示すシステム構成図であり、本発明による電源遮断制御システムの構成として、電流センサ2、安全器3、回路開閉器4、電源遮断制御コントローラ7を少なくとも含む電源遮断回路を、制御対象・制御目的に応じて分散配置している例を示している。
本発明による電源遮断制御システムは、前述した図1に示すようなシステム構成のみに限るものではない。例えば、電源遮断回路を、図1の場合のように、車両内のバッテリ1の直上に搭載されている電源分配器9内に集中して配置するのではなく、図3に示すように、制御対象や制御目的に応じて、1ないし複数の電源遮断回路を、車両内に分散して配置するようにしても良い。図3は、本発明による電源遮断制御システムに関するシステム構成の第2の実施形態を示すシステム構成図であり、本発明による電源遮断制御システムの構成として、電流センサ2、安全器3、回路開閉器4、電源遮断制御コントローラ7を少なくとも含む電源遮断回路を、制御対象・制御目的に応じて分散配置している例を示している。
つまり、電源遮断制御システムの構成として、電流センサ2、安全器3、回路開閉器4、電源遮断制御コントローラ7を少なくとも含む電源遮断回路は、バッテリ1の直上の電源分配器9に集中して配置されている必要はなく、制御対象や制御目的に応じて、図3に示すように、単数ないしは複数、車両内の各部位ごとの電源分配器に分散して配置することも可能である。
ここに、図3においては、バッテリ1の真上の電源分配器9には、1個の電源遮断回路内に、n系統(n:整数)の部品が、つまり、1台の電源遮断制御コントローラ7の他に、電源の供給系統別に、n系統(図3の例では4系統)の電流センサ2、安全器3、回路開閉器4が設置されており、第1室内電源分配器13には、1個の電源遮断回路内に、1系統の部品が、つまり、1台の電源遮断制御コントローラ7の他に、1系統の電流センサ2、安全器3、回路開閉器4が設置されており、また、第2室内電源分配器14には、1個の電源遮断回路内に、2系統の部品が、つまり、1台の電源遮断制御コントローラ7の他に、電源の供給系統別に、2系統の電流センサ2、安全器3、回路開閉器4が設置されている例を示している。
また、図3のシステム構成例においては、バッテリ1の真上の電源分配器9の電源遮断回路内の電流センサ2、安全器3、回路開閉器4の各給電系統を介して、第1室内電源分配器13、第2室内電源分配器14の電源遮断回路が接続されている構成を示しているが、電源分配器9の電源遮断回路内の電流センサ2、安全器3、回路開閉器4の各給電系統を介することなく、バッテリ1から、直接、第1室内電源分配器13や第2室内電源分配器14の電源遮断回路へ接続するように構成してもかまわない。
また、図3のシステム構成例においては、電源遮断回路内に、1ないし複数組、電流センサ2、安全器3、回路開閉器4を電源の給電系統別に接続する例を示しているが、場合によっては、安全器3を削除して、少なくとも、電流センサ2、回路開閉器4を、1ないし複数組、電源の給電系統別に接続するように構成しても良い。
また、第1室内電源分配器13や第2室内電源分配器14の電源遮断回路に分散する単位として、原則として、制御対象や制御目的に応じて、分散する例を示しているが、場合によっては、制御対象や制御目的が異なっている場合であっても、近傍に配置されているそれぞれの負荷群への給電を行う電源回路の電線5の系統を纏めて1個の電源遮断回路を構成するようにしても良い。
なお、図3のシステム構成例においても、電源分配器9、第1室内電源分配器13、第2室内電源分配器14それぞれの電源遮断回路内の電源遮断制御コントローラ7にて、第1の実施形態にて説明した図2のフローチャートのような電源遮断制御動作が実施される。
(電源遮断制御システムの一動作例)
次に、図1、図3に示す電源遮断制御システムの具体的な動作の一例について、図4のタイムチャートを用いてさらに説明する。図4は、本発明による電源遮断制御システムについて車両衝突発生時における電源遮断シーケンスの一例を示すタイムチャートである。以下の説明においては、図1に示す電源遮断制御システムの動作について説明するが、図3に示す電源遮断制御システムの場合も全く同様の動作となる。
次に、図1、図3に示す電源遮断制御システムの具体的な動作の一例について、図4のタイムチャートを用いてさらに説明する。図4は、本発明による電源遮断制御システムについて車両衝突発生時における電源遮断シーケンスの一例を示すタイムチャートである。以下の説明においては、図1に示す電源遮断制御システムの動作について説明するが、図3に示す電源遮断制御システムの場合も全く同様の動作となる。
なお、図4には、本発明における効果をより明確に示すために、従来技術についても対比した形式で示しており、図4(A)には、図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムの動作例を、図4(B)には、従来技術の電源遮断制御システムの動作を示している。
図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、図4(A)に示すように、電源の遮断を実施するための制御条件は、衝突予測と過電流検知との双方の条件が成立する場合である。つまり、図4(A)に示すように、自車両が障害物に接近して、時刻t0において、障害物との衝突を避けられない事態が発生した場合、例えば衝突軽減システム8にて、若干遅れたタイミングの後の例えば時刻t1において、障害物との衝突を避けられないものと認識し、衝突を避けることができないことが予測される旨を示す衝突予測信号が、衝突軽減システム8から電源遮断制御コントローラ7に衝突警告通知として送信される。
しかる後、電源遮断制御コントローラ7にて、例えば時刻t2において、衝突軽減システム8から衝突予測信号が送信されてきていることを認識すると、ただちに、衝突発生の危険性がある旨を警告する警告音を発出すると同時に、警告灯を点滅させて、運転者に対して衝突警告通知を通報する。さらに、電源遮断制御コントローラ7は、バッテリ1から供給される電流が、あらかじめ定めた電流閾値を超えたか否かを電流センサ2の計測結果によって監視する過電流検知待機状態に移行する。
しかる後、例えば時刻t3において、障害物との衝突が発生して、該衝突の衝撃によって、例えば時刻t4において、バッテリ1からの電源供給用の電線5に断線や短絡が発生して、あらかじめ定めた電流閾値を超える過電流が流れ始めた場合、電流センサ2が過電流が流れ始めたことを検知すると、ただちに、過電流を検知した旨を示す過電流検知信号が、電流センサ2の出力回路から電源遮断制御コントローラ7に送信されてくる。
電源遮断制御コントローラ7にて、衝突が発生して、過電流が流れ始めた例えば時刻t4から第1の経過時間T1(例えば10ミリ秒)が経過した例えば時刻t5において、電流センサ2から過電流検知信号が送信されてきていることを認識すると、ただちに、回路開閉器4を開放させるための制御信号を生成して、回路開閉器4の制御回路に送信する。回路開閉器4の制御回路は、開放用の制御信号が送信された例えば時刻t5から第2の経過時間T2(例えば15モリ秒)が経過した例えば時刻t6において、電源遮断制御コントローラ7から開放用の制御信号が送信されてきていることを認識すると、ただちに、送信されてきた制御信号に応じて、回路開閉器4を開放する動作を行う。
この結果、過電流が流れ始めた例えば時刻t4から第1の経過時間T1(例えば10ミリ秒)と第2の経過時間T2(例えば15モリ秒)とが経過した例えば時刻t6において、バッテリ1の電源からの電力供給用の電線5つまり電源回路が遮断されて、過電流が電線5の下流側に流れ続けることを防止することができる。
したがって、例えば時刻t4において過電流が流れ始めてから或る程度の時間(例えば数百ミリ秒)が経過した例えば時刻t7に至るまで過電流が流れ続けた場合、最悪、発煙事故が発生しかねないほど、車内温度が異常な温度に上昇してしまう恐れがあるが、図1に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、時刻t7に至る遥か手前の時刻t6において、過電流が流れ続けることを抑止することが可能となっている。
つまり、図1に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、障害物との衝突が発生する前の衝突予測時点から、電流遮断のための制御を開始しているので、過電流が流れ始めた時点で、ただちに、過電流の発生を検知することができ、車内温度が異常な温度に上昇する前に、電源のバッテリ1からの電力供給を遮断させることが可能となっている。
一方、前記特許文献1に記載されたような従来技術の電源遮断制御システムにおいては、図4(B)に示すように、電源の遮断を実施するための制御条件は、衝突検知と過電流検知との双方の条件が成立する場合である。つまり、自車両の衝突が発生するまでは、電源遮断のための制御は一切実施されない。このため、図4(B1)に示すように、例えば時刻t3において、障害物との衝突が発生した場合に、初めて、衝突検出装置が、若干遅れたタイミングの例えば時刻t11において、衝突が発生したことを検知して、ただちに、衝突発生通知信号を生成して、電源遮断を制御するコントローラに通報することになる。
該コントローラにて、例えば時刻t12において、衝突検出装置から衝突発生通知信号が送信されてきていることを認識すると、ただちに、電源から供給される電流が、あらかじめ定めた電流閾値を超えたか否かを電流センサの計測結果によって監視する過電流検知動作を開始する。
ここで、一般の車両制御用システムにおいては、通常、車両衝突が発生した時刻t3から前記コントローラが過電流を検知するための制御を開始する時刻t12に達するまでの経過時間として、最大160ミリ秒必要としている。この結果、例えば時刻t4において、バッテリ1からの電源供給用の電線5に断線や短絡が発生して過電流が流れ始めたとしても、ただちには、過電流が流れ始めたことを検知することができず、電源の電流供給を遮断する制御動作が、遅延時間Tdだけ、遅延してしまう。
つまり、図4(B1)に示すように、断線または短絡によって過電流が流れ始めた例えば時刻t4から遅延時間Tdだけ例えば時刻t12において、前記コントローラにて、漸く、電流センサの計測結果によって過電流が流れているか否かを検知する動作が開始される。
しかる後、前記コントローラにて、過電流検知の動作を開始した例えば時刻t12から若干遅れたタイミング分を示す第1の経過時間T1(例えば10ミリ秒)が経過した例えば時刻t13において、電流センサから過電流検知信号が送信されてきていることを認識すると、ただちに、電源からの電力供給を遮断させるための制御信号を、回路開閉用の制御回路に送信する。
回路開閉用の制御回路は、遮断用の制御信号が送信された例えば時刻t13から第2の経過時間T2(例えば15ミリ秒)が経過した例えば時刻t14において、前記コントローラから制御信号が送信されてきていることを認識すると、ただちに、送信されてきた制御信号に応じて、電源からの電力供給を遮断する動作を行う。しかし、遅延時間Tdに示すような制御の遅延が発生している結果、例えば時刻t4において過電流が流れ始めてから電源からの電力供給を遮断する時刻t14に至るまで過電流が流れ続けてしまうため、車内温度が異常に上昇してしまう恐れがある。
これに対して、図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、図4(A)として前述したように、衝突が発生する前の衝突予測時点で、衝突予測信号を、衝突軽減システム8から電源遮断制御コントローラ7に送信して、電源遮断用の制御動作を起動しているので、衝突発生時において過電流が流れ始めた時点つまり例えば時刻t4において、ただちに、過電流を検知して、電源遮断の制御を速やかに実施することが可能であり、車内温度が異常に上昇してしまう事態を確実に防止することができる。
つまり、自車両が衝突した時点で、電源回路の電線5に断線や短絡が発生して、過電流が流れ始めた場合には、図4(B)の従来技術の場合と比較して、衝突発生から電源遮断までの所要時間を最大で160ミリ秒短縮することができる。
さらに、従来技術の電源遮断制御システムにおいては、図4(B2)に示すように、自車両の衝突が発生した以降において、漸く、電源遮断用の制御を開始させる制御信号として、衝突発生通知信号が、衝突検出装置から電源遮断を制御するコントローラに対して通知されるように構成されているため、該衝突発生通知信号を伝送する信号ラインが、車両衝突直後に断線してしまった場合、衝突発生通知信号そのものを、前記コントローラに通知することが不可能になり、電源遮断の制御動作を起動させることができなくなるという場合も発生しかねない。
図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、前述のように、衝突が発生する前の衝突予測時点で、衝突予測信号を、衝突軽減システム8から電源遮断制御コントローラ7に送信して、電源遮断用の制御動作を起動しているので、図4(B2)の従来技術のような信号線が断線してしまうことに伴って電源遮断の制御動作を起動することが不可能になるという事態を確実に避けることができる。つまり、衝突の発生を予測する衝突予測信号が、車両の衝突が発生する前に電源遮断制御コントローラ7に送信されるため、車両の衝突によって、たとえ、信号回路が断線したり、故障したりした場合であっても、電源遮断を行う制御には影響が及ばなく、過電流発生時の電源遮断の制御を確実に実施させることができる。
さらに説明すると、図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、自車両の衝突が予測される時点つまり自車両の衝突前の時点から、電源遮断に関する制御動作を開始している。したがって、自車両が衝突したことに伴って、電源遮断に関連する制御信号例えば過電流検知動作を起動するための制御信号などの伝送が途絶するような信号線の断線や短絡が万一発生したとしても、機能停止を回避して、電源遮断の制御動作に影響を及ぼすことがない信頼性が高いシステムを実現することができる。
さらには、前記特許文献1のような従来技術においては、自車両の衝突が発生した後に、はじめて衝突が発生したことを通知して、電源遮断の制御動作を起動するようにしているため、制御を開始するまでに、前述したように、最大で160ミリ秒の遅延が発生してしまう。これに対して、図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、自車両の衝突が予測される時点つまり自車両の衝突前の時点から、電源遮断に関する制御動作を開始して、過電流の検知動作を起動しているので、従来技術とは異なり、最大160ミリ秒の遅延を伴うこともない。この結果、衝突発生直後に電源回路の電線5の断線または短絡が発生して過電流が流れ始めた場合には、過電流が流れ始めた時点から電源回路の開放動作を実行するまでの処理時間を、従来技術に比し、約85%短縮することが可能となっている。
(電源遮断制御システムの他の動作例)
次に、図1、図2に示す電源遮断制御システムの具体的な動作の図4とは異なる例について、図5のタイムチャートを用いてさらに説明する。図5は、本発明による電源遮断制御システムについてロック電流発生時における電源遮断シーケンスの一例を示すタイムチャートであり、車両衝突による電線5の断線や短絡以外の要因によって一時的な過電流が発生した場合の電源遮断シーケンスの一例を示している。以下の説明においては、図1に示す電源遮断制御システムの動作について説明するが、図2に示す電源遮断制御システムの場合も全く同様の動作となる。
次に、図1、図2に示す電源遮断制御システムの具体的な動作の図4とは異なる例について、図5のタイムチャートを用いてさらに説明する。図5は、本発明による電源遮断制御システムについてロック電流発生時における電源遮断シーケンスの一例を示すタイムチャートであり、車両衝突による電線5の断線や短絡以外の要因によって一時的な過電流が発生した場合の電源遮断シーケンスの一例を示している。以下の説明においては、図1に示す電源遮断制御システムの動作について説明するが、図2に示す電源遮断制御システムの場合も全く同様の動作となる。
なお、図5には、本発明における効果をより明確に示すために、従来技術についても対比した形式で示しており、図5(A)には、図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムの動作例を、図5(B)には、前記特許文献1とは異なる従来技術の電源遮断制御システムの動作を示している。つまり、図5(B)の従来技術の電源遮断制御システムとしては、前述した図4(B)に示した制御条件の場合とは異なり、電源遮断の動作を行う制御条件として、車両衝突または過電流のいずれか一方でも検知された場合に、電源の遮断を実施する場合を例に採って示している。
図1に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、図4(A)にて前述したように、電源遮断の制御動作を実施する制御条件は、車両の衝突が予測される状態が検知されて、かつ、過電流が検知された場合であり、図5(A)に示すように、例えば時刻t21において、通常の走行状態において、ユーザの車両操作やモータのロックによって大きな電流(ロック電流)が複数重畳して発生して、あらかじめ定めた電流閾値を超える過電流が一時的に流れたとしても、しかる後、引き続き、該過電流が流れ続けるものではなく、ごく短い或る時間が経過すれば、過電流状態から脱するものとして、電源遮断の制御動作を起動する状態には移行しない。
つまり、図5(A)において、ロック電流がなくなって過電流状態から脱した後の例えば時刻t22において、自車両前方あるいは自車両後方の障害物との衝突が予測される事態が発生した際には、図4(A)の場合と同様、まず、例えば時刻t23において、衝突軽減システム8から電源遮断制御コントローラ7に対して衝突予測信号が衝突警告通知として送信される。しかる後、電源遮断制御コントローラ7にて、若干遅れたタイミングの例えば時刻t24において、衝突軽減システム8からの衝突予測信号を認識して、電流センサ2によって過電流の発生を監視する過電流検知待機状態に移行したとしても、電源回路の電線5に流れる電流は、ロック電流等に起因する過電流状態から既に脱しているので、電源回路の遮断の動作を起動することにならない。
一方、従来技術の電源遮断制御システムとして、衝突の発生または過電流の発生のいずれかを検知した場合に、電源を遮断する動作を起動するように構成している場合には、図5(B)に示すように、常時、過電流検知待機状態に設定されており、例えば時刻t21において、ロック電流などが複数重畳して発生して、あらかじめ定めた電流閾値を超える電流が流れた場合、電流センサから、電源遮断を制御するコントローラに対して、過電流検知信号が送信されてくる。
該コントローラは、図4(B1)の場合と同様に、過電流が発生した例えば時刻t21から前記第1の経過時間T1が経過した例えば時刻t31において、電流センサから過電流検知信号が送信されてきていることを認識すると、ただちに、電源からの電力供給を遮断させるための制御信号を、回路開閉用の制御回路に送信する。
回路開閉用の制御回路は、遮断用の制御信号が送信された例えば時刻t31から前記第2の経過時間T2が経過した例えば時刻t32において、前記コントローラから制御信号が送信されてきていることを認識すると、ただちに、送信されてきた制御信号に応じて、電源からの電力供給を遮断する動作を行う。
つまり、通常の走行状態における一時的な過電流の発生の場合であって、電源回路すなわち電源供給用の電線の断線や短絡により過電流が継続して流れ続けるような場合でなくても、図5(B)に示すような従来技術においては、電源回路すなわち電源供給用の電線を誤って遮断してしまうため、通常の走行状態における車両操作上に支障を及ぼしてしまう。
一方、図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、前述のように、過電流の検知を行う動作を、車両衝突の予測があった場合に限定しているので、従来技術のような、通常の走行状態における車両操作上に支障を及ぼすような誤動作を確実に排除することが可能である。
さらに説明すると、図5(B)に示す従来技術においては、検知した過電流が、電源回路の電線の断線や短絡によるものか否かを識別可能とする機能を有していないため、車両操作上の一時的な外乱によって、電源回路の遮断制御を誤って行う可能性があるが、図1の実施形態に示す本発明の電源遮断制御システムにおいては、自車両の衝突の予測があった場合にのみ、電流センサ2における過電流の検知動作を行うようにしているので、車両衝突によって電源回路の電線の断線や短絡が生じ、過電流が流れ続ける可能性があることを識別可能としており、一時的なロック電流等の外乱による誤った電源回路の遮断動作を確実に防止することができる。
1…バッテリ、2…電流センサ、3…安全器、4…回路開閉器、5…電線、6…負荷群、7…電源遮断制御コントローラ、8…衝突軽減システム、9…電源分配器、10…断線・短絡箇所、11…急ブレーキ・急ハンドル検知システム、12…インフラ協調システム、13…第1室内電源分配器、14…第2室内電源分配器。
Claims (7)
- 車両の電源回路の遮断を制御する電源遮断制御システムにおいて、電源回路に流れる電流の電流値を監視する電流センサと、電源回路を閉成または開放する回路開閉器と、前記電流センサが検知した電流値に基づいて前記回路開閉器の開閉を制御する電源遮断制御手段とを、電源遮断回路として、少なくとも備え、前記電源遮断制御手段が、自車両の衝突の発生を予測する衝突予測手段からの衝突予測信号を受信した場合であって、かつ、電源回路に流れる電流の電流値としてあらかじめ定めた電流閾値を超えていることを検知した旨を示す過電流検知信号を前記電流センサから受信した場合に、前記回路開閉器を制御して、電源回路を遮断することを特徴とする電源遮断制御システム。
- 請求項1に記載の電源遮断制御システムにおいて、車両の衝突の発生を予測した場合にのみ、前記電流センサにおける電流値の監視動作を駆動するか、あるいは、前記電流センサからの前記過電流検知信号を前記電源遮断制御手段にて受信する動作を有効な状態に設定することを特徴とする電源遮断制御システム。
- 請求項1または2に記載の電源遮断制御システムにおいて、前記衝突予測手段は、少なくとも、自車両の前方または後方の障害物との間の距離および相対的な速度差に基づいて、自車両の衝突の発生を予測することを特徴とする電源遮断制御システム。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の電源遮断制御システムにおいて、前記衝突予測手段は、自車両のブレーキの操作速度および/またはハンドルの操作速度に基づいて、自車両の衝突の発生を予測することを特徴とする電源遮断制御システム。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の電源遮断制御システムにおいて、前記電源遮断回路内に、少なくとも、前記電流センサと前記回路開閉器とを、電源の供給系統別に、1ないし複数組、備えていることを特徴とする電源遮断制御システム。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の電源遮断制御システムにおいて、1個の前記電源遮断回路を車両内に集中して配置するか、あるいは、複数個の前記電源遮断回路を車両内に分散して配置することを特徴とする電源遮断制御システム。
- 車両の電源回路の遮断を制御する電源遮断制御方法であって、車両の衝突の発生を予測した場合であって、かつ、電源回路に流れる電流の電流値があらかじめ定めた電流閾値を超えていることを検知した場合に、電源回路を遮断することを特徴とする電源遮断制御方法。
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-
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- 2007-11-19 JP JP2007298998A patent/JP2009120138A/ja active Pending
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