JP2009119556A - 研磨シート及び研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取替作業を不要にできる研磨シートを提供すること。
【解決手段】研磨装置の回転テーブル上に貼り付けて用いられる、研磨シート1であって、円形の第1研磨シート片12と、第1研磨シート片12の表面に同心円状に設けられた、3個の研磨領域11A、21A、31Aと、を備えており、各々の研磨領域11A、21A、31Aは、均一な粒度の研磨材で構成されており、研磨材の粒度は、内側の研磨領域ほど小さくなっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、研磨用の回転テーブル上に貼り付けて用いられる研磨シート、及び、当該研磨シートを用いる研磨装置、に関する。
従前から、半導体ウエハのチップ等を微細加工するために、特許文献1に示されるようなCMP研磨パッドが用いられている。CMPは、Chemical Mechanical Polishingの略である。研磨パッドの研磨面は、均一な粒度の研磨材で構成されている。研磨パッドは、研磨装置の回転テーブル上に貼り付けて用いられる。半導体チップ等の被研磨物は、回転テーブルと一体に回転する研磨パッドに押し付けられることにより、研磨される。
特開2007−180309号公報
ところで、上記のような研磨処理を、被研磨物の微細加工だけでなく、被研磨物の不良解析のためにも、行うことが、提案されている。具体的には、電子部品等の被研磨物を、研磨パッドを用いて研磨することにより切削し、被研磨物の不良部分が露出した端面を形成し、その端面を、電子顕微鏡を用いて検査することにより、不良原因(例えば空隙の存在等)のデータを取得する。
研磨パッドすなわち研磨シートを用いて上記のような不良解析のための研磨処理を行う際には、被研磨物を、粗く且つ多く切削した後に、漸次、細かく切削していくのが、好ましい。そのためには、粒度が異なる複数種類の研磨シートを用意し、研磨シートを取り替えながら研磨作業を行う必要がある。しかしながら、そのような取り替え作業は、面倒であるので、研磨作業の効率を低下させる原因となる。
本発明は、取り替え作業を不要にできる研磨シートを提供すること、及び、作業効率を向上できる研磨装置を提供すること、を目的とする。
本願の第1発明は、研磨用の回転テーブル上に貼り付けて用いられる、研磨シートであって、円形のシート本体と、シート本体の表面上に同心円状に設けられた、複数の研磨領域と、を備えており、各々の研磨領域は、均一な粒度の研磨材で構成されており、研磨材の粒度は、内側の研磨領域ほど小さくなっている、ことを特徴としている。
上記第1発明は、次の構成(A)、(B)を採用するのが好ましい。
(A)シート本体の厚み方向における研磨領域の高さが、内側の研磨領域ほど高くなっている。
(B)大径の研磨シート片の上に、漸次、小径の研磨シート片を同心位置で貼り付けて、構成されており、各研磨シート片は、表面に均一な粒度の研磨材を有する円形シートからなっており、研磨材の粒度は、小径の研磨シート片ほど小さくなっている。
本願の第2発明は、被研磨物を研磨する研磨装置であって、研磨シートと、表面に研磨シートを保持して水平面内で回転する、回転テーブルと、被研磨物を、回転テーブル上にて、水平方向及び垂直方向に自在に移動させる移動装置と、被研磨物上に予め設定された目標端面と、研磨シートにより研磨された被研磨物の端面と、の離間間隔を検出する、間隔検出手段と、移動装置の駆動を制御する制御装置と、を備えており、研磨シートは、円形のシート本体と、シート本体の表面上に同心円状に設けられた、複数の研磨領域と、を備えており、各々の研磨領域は、均一な粒度の研磨材で構成されており、研磨材の粒度は、内側の研磨領域ほど小さくなっており、制御装置は、上記離間間隔が減少して任意の所定値になると、被研磨物を、隣接する内側の研磨領域にて研磨されるように移動させるよう、移動装置を制御するようになっている、ことを特徴としている。
本願の第1発明によれば、研磨用の回転テーブルに使用することによって、次の効果を発揮できる。
(i)被研磨物を、外側の研磨領域にて研磨し、次いで、漸次、内側の研磨領域にて研磨できる。すなわち、被研磨物に、複数段階の研磨処理を施すことができる。しかも、被研磨物を、段階的に、粒度の小さい研磨材で研磨できる。したがって、被研磨物を効率良く研磨できる。
(ii)上記のような複数段階の研磨処理を、複数枚の研磨シートを用いるのではなく、1枚の研磨シートを用いるだけで、実施できる。それ故、段階毎の研磨シートの取り替え作業を不要にできる。したがって、研磨作業の効率を向上できる。
(iii)研磨材の粒度が内側の研磨領域ほど小さくなっているので、被研磨物は、外側の研磨領域にて研磨された後に、内側の研磨領域にて研磨される。一方、研磨によって発生した研磨屑等は、遠心力によって、半径方向外側へ飛ばされるので、外側の研磨領域で発生した研磨屑等が内側の研磨領域に入り込むことは殆どない。したがって、内側の研磨領域にて研磨が行われる際に、研磨性能が研磨屑等によって害されるのを、防止できる。
上記構成(A)によれば、外側の研磨領域で発生した研磨屑等が、より一層、内側の研磨領域に入り込みにくい。したがって、この点からも、内側の研磨領域にて研磨が行われる際に、研磨性能が研磨屑等によって害されるのを、防止できる。
上記構成(B)によれば、上記第1発明の研磨シートを容易に得ることができる。
本願の第2発明によれば、上記第1発明の研磨シートを備えているので、上記第1発明の研磨シートに基づく上述した効果を発揮できる。
[研磨シート]
図1は、本発明の一実施形態の研磨シートの平面図である。図2は、図1の研磨シートの側面図である。図3は、図1のIII−III断面図である。この研磨シート1は、平面視で円形を有しており、側面視で低い階段状の山形を有している。
研磨シート1は、第1研磨シート片10と第2研磨シート片20と第3研磨シート片30とが積層されてなる三層構造を、有している。研磨シート片10、20、30は、それぞれ、平面視で円形を有しており、その直径R1、R2、R3は、R1>R2>R3の関係を有している。
研磨シート片10、20、30は、いずれも、表面に均一な粒度の研磨材を有する円形シートからなっており、すなわち、研磨材層とシート本体片とからなる二層構造を有している。すなわち、第1研磨シート片10は、第1研磨材層11と第1シート本体片12とからなっており、第2研磨シート片20は、第2研磨材層21と第2シート本体片22とからなっており、第3研磨シート片30は、第3研磨材層31と第3シート本体片32とからなっている。
研磨材層11、21、31は、それぞれ、均一な粒度の研磨材で構成されている。すなわち、第1研磨材層11は、粒度D1の研磨材で構成されており、第2研磨材層21は、粒度D2の研磨材で構成されており、第3研磨材層31は、粒度D3の研磨材で構成されている。なお、粒度D1、D2、D3は、D1>D2>D3の関係を有している。
研磨シート1は、第1研磨シート片10の上に第2研磨シート片20が同心に配置され、第2研磨シート片20の上に第3研磨シート片30が同心に配置されて、構成されている。なお、研磨シート片相互は、例えば接着剤によって接合されている。したがって、研磨シート1を製造するには、第1研磨シート片10の上に第2研磨シート片20を同心位置で貼り付け、第2研磨シート片20の上に第3研磨シート片30を同心位置で貼り付けるだけでよい。よって、研磨シート1は、簡単に得ることができる。
したがって、研磨シート1の平面視においては、第1研磨材層11が幅W1だけ環状に露出しており、第2研磨材層21が幅W2だけ環状に露出しており、第3研磨材層31の全面が露出している。これにより、研磨シート1は、第1シート本体片12の表面上に、第1研磨材層11の上記露出部分からなる第1研磨領域11Aと、第2研磨材層21の上記露出部分からなる第2研磨領域21Aと、第3研磨材層31の全面からなる第3研磨領域31Aと、を有している。上述したように、粒度D1、D2、D3は、D1>D2>D3の関係を有しているので、研磨材の粒度は、3つの研磨領域11A、21A、31Aにおいて内側の研磨領域ほど小さくなっている。
また、研磨シート片10、20、30は、それぞれ、厚さT1、T2、T3を有している。したがって、研磨シート1の表面においては、第2研磨領域21Aの高さが第1研磨領域11AよりT2だけ高くなっており、第3研磨領域31Aの高さが第2研磨領域21AよりT3だけ高くなっている。
[研磨装置]
図4は、本発明の一実施形態の研磨装置の正面模式図である。図5は、当該研磨装置の主要部の機能ブロック図である。この研磨装置100は、上記研磨シート1を用いて、被研磨物2を研磨するよう、構成されている。
図6には、研磨装置100で研磨される被研磨物2の斜視模式図を示している。被研磨物2は、半導体チップであって、直方体形状を有しており、内部に不良部分3を有している。不良部分3の例としては、シリコン結晶中に発生した空隙部分、シリコン結晶の変性部分等が、挙げられる。不良部分3の有無や位置は、例えば被研磨物2の導通状態を検査することによって特定できるが、不良部分3の具体的状態や原因を知るためには、不良部分3を外部に露出させて観察する必要がある。そのために、研磨装置100が使用される。被研磨物2においては、不良部分3を切断する一切断面が、研磨によって到達すべき目標端面Pである。目標端面Pは、不良部分3の断面3aを含んでいる。よって、研磨装置100は、被研磨物2を、不良部分3が露出する目標端面Pまで研磨することを予定している。具体的には、被研磨物2を、第1研磨領域11Aにて、目標端面Pからの離間間隔がL2となる端面2bまで、研磨し、更に、第2研磨領域21Aにて、目標端面Pからの離間間隔がL3となる端面2cまで、研磨し、第3研磨領域31Aにて、目標端面Pからの離間間隔がゼロとなる端面(即ち目標端面P)まで、研磨することを、予定している。なお、被研磨物2においては、研磨を始める底面2aから目標端面Pまでの離間間隔はL1である。
なお、研磨装置100は、被研磨物2として、半導体チップに限らず、プリント基板、セラミック、ガラス等も研磨できる。
図4に示されるように、研磨装置100は、研磨シート1と、回転テーブル4と、移動装置6と、撮像装置7と、水ディスペンサー8と、顕微鏡装置9と、支持台15と、エアダンパー16と、制御部13と、を備えている。制御部13は、図5に示されるように、処理手段18と、移動制御手段14と、を備えている。そして、撮像装置7と処理手段18とによって間隔検出手段19が構成されている。
回転テーブル4は、表面に研磨シート1を保持して水平面内で回転するよう設けられている。回転テーブル4は、表面に研磨シート1を保持するテーブル本体41と、テーブル本体41を鉛直軸回りに回転させるテーブル駆動モータ42と、を備えている。
移動装置6は、被研磨物2を、回転テーブル4上にて、水平方向(図中X方向)及び鉛直方向(図中Y方向)に自在に移動させるよう、構成されている。移動装置6は、X方向駆動機61と、Y方向駆動機62と、支持部材63と、第1Z軸回転駆動機64と、アーム65と、第2Z軸回転駆動機66と、ハンド5と、を備えている。
X方向駆動機61は、支持台15に設置されており、Y方向駆動機62をX方向に移動させる。Y方向駆動機62は、X方向駆動機61に支持されており、支持部材63をY方向に移動させる。支持部材63には、第1Z軸回転駆動機64が設けられている。第1Z軸回転駆動機64には、アーム65の基端部65aが、第1Z軸64a回り(図中Z1方向)に回動自在に連結されている。アーム65の先端部65bには、第2Z軸回転駆動機66が設けられている。第2Z軸回転駆動機66には、ハンド5の基端部5aが、第2Z軸66a回り(図中Z2方向)に回動自在に連結されている。なお、第1Z軸64a及び第2Z軸66aは、X軸及びY軸の双方に対して直交する方向に延びている。被研磨物2は、ハンド5の先端部5bに保持される。
撮像装置7は、研磨シート1に接触して研磨されていく被研磨物2を、撮像できるよう、設けられている。撮像装置7によって得られた被研磨物2の画像データは、処理手段18に送信されるようになっている。
水ディスペンサー8は、回転テーブル4上の研磨シート1上に水を供給するよう、設けられている。なお、研磨シート1は、水を介して回転テーブル4表面に貼り付けられるが、その際の水も、水ディスペンサー8によって供給される。
顕微鏡装置9は、研磨されて得られた被研磨物2の端面を拡大して観察できるよう、設けられている。ユーザは、顕微鏡装置9によって被研磨物2の端面を観察することにより、研磨の進捗状況を知ることができる。
支持台15は、基板15aと、基板15a上に固定されたテーブル台15bと、を備えている。基板15aには、移動装置6が設置されており、テーブル台15bには、回転テーブル4が設置されている。
エアダンパー16は、床面17等と支持台15との間に配置されており、回転テーブル4の回転等により発生した振動を吸収するよう機能する。
処理手段18は、撮像装置7で得られた被研磨物2の画像データに基づいて、被研磨物2に予め設定された目標端面と、研磨シート1によって研磨された被研磨物2の端面と、の離間間隔を検出する。具体的には、処理手段18は、撮像装置7で得られた画像情報に基づいて、被研磨物2の輪郭線を特定し、被研磨物2の端面の位置を特定する。輪郭線の特定は、被研磨物2の色と、被研磨物2の外側の色との違いを解析することで、可能である。これにより、撮像装置7及び処理手段18は、間隔検出手段19として機能する。検出された離間間隔は、移動制御手段14に送信される。
移動制御手段14は、検出された上記離間間隔に基づいて、移動装置6を制御する。
次に、上記構成の研磨装置100の作動について説明する。ここでは、図6に示されるような半導体チップである被研磨物2を研磨する場合について、説明する。
まず、研磨装置100の作動に先だって、準備作業を行う。具体的には、ハンド5の先端部5bに被研磨物2を保持させる作業と、回転テーブル4上への研磨シート1の貼り付け作業と、被研磨物2の離間間隔L1、L2、L3(任意の所定値)を処理手段18に設定する入力作業と、を行う。ハンド5への被研磨物2の保持は、接着剤を用いて行う。接着剤としては、例えば、常温で固形化し且つ高温で液化する薬剤が、好ましく用いられる。なお、被研磨物2は、ハンド5に把持される形態で保持されてもよい。回転テーブル4上への研磨シート1の貼り付けは、次のようにして行う。すなわち、テーブル本体41の上面に水を張り、その上から研磨シート1を押し付ける。これにより、研磨シート1とテーブル本体41との間にある水の表面張力によって、テーブル本体41表面に研磨シート1が密着固定される。
そして、研磨装置100を作動させる。図7は、被研磨物2の研磨過程を示す拡大斜視図である。作動が開始すると、回転テーブル4が回転し、撮像装置7による撮影が開始し、水ディスペンサー8から水が供給され、また、移動制御手段14が移動装置6を制御する。
移動制御手段14は、移動装置6を制御して、まず、被研磨物2を、第1研磨領域11Aに接触させるまで、移動させる。第1研磨領域11Aに接触した被研磨物2は、底面2aから研磨され始め、端面2bまで研磨される。被研磨物2が端面2bまで研磨されたことは、間隔検出手段19が離間間隔L2を検出することにより、決定される。この過程において、被研磨物2は、第1研磨領域11Aが最も大きな粒度D1の研磨材で構成されているので、粗仕上げ様に切削される。よって、被研磨物2は、多くの量が効率的に切削される。
被研磨物2が端面2bまで切削されると、移動制御手段14は、移動装置6を制御して、被研磨物2を、第2研磨領域21Aに接触させるまで、移動させる。具体的には、移動制御手段14は、Y方向駆動機62を作動させてアーム65を鉛直方向に上昇させ、これによって被研磨物2を第1研磨領域11Aから引き離し、次いで、X方向駆動機61を作動させてアーム65を水平方向に移動させ、これによって被研磨物2を第2研磨領域21A上に移動させ、そして、Y方向駆動機62を作動させてアーム65を鉛直方向に下降させ、これによって被研磨物2を第2研磨領域21Aに接触させる。第2研磨領域21Aに接触した被研磨物2は、端面2bから研磨され始め、端面2cまで研磨される。被研磨物2が端面2cまで研磨されたことは、間隔検出手段19が離間間隔L3を検出することにより、決定される。この過程において、被研磨物2は、第2研磨領域21Aが2番目に大きな粒度D2の研磨材で構成されているので、中仕上げ様に切削される。よって、被研磨物2は、目標端面Pに近いにも拘わらず、比較的多くの量が効率的に切削される。
被研磨物2が端面2cまで切削されると、移動制御手段14は、移動装置6を制御して、被研磨物2を、第3研磨領域31Aに接触させるまで、移動させる。具体的には、移動制御手段14は、Y方向駆動機62を作動させてアーム65を鉛直方向に上昇させ、これによって被研磨物2を第2研磨領域21Aから引き離し、次いで、X方向駆動機61を作動させてアーム65を水平方向に移動させ、これによって被研磨物2を第3研磨領域31A上に移動させ、そして、Y方向駆動機62を作動させてアーム65を鉛直方向に下降させ、これによって被研磨物2を第3研磨領域31Aに接触させる。第3研磨領域31Aに接触した被研磨物2は、端面2cから研磨され始め、目標端面Pまで研磨される。被研磨物2が目標端面Pまで研磨されたことは、間隔検出手段19が離間間隔ゼロを検出することにより、決定される。この過程において、被研磨物2は、第3研磨領域31Aが最も小さい粒度D3の研磨材で構成されているので、目標端面Pを超えて削り過ぎてしまうことなく、正確に目標端面Pが露出するように切削される。また、細密仕上げ様に切削して、きれいな目標端面Pを得られる。
なお、上記のような研磨作業の途中において、ハンド5に保持されている被研磨物2の端面を顕微鏡装置9に向けて、当該端面を拡大して観察してもよい。これによれば、切削の状況、例えば不良部分3が露出しているか否かを、正確に把握することができる。被研磨物2の端面を顕微鏡装置9に向けるには、移動制御手段14によって移動装置6を制御し、第2Z軸回転駆動機66を作動させて、ハンド5を第2Z軸66a回りに回動させる。
したがって、上記構成の研磨装置100によれば、被研磨物2を目標端面Pまで研磨することができる。
そして、上記構成の研磨装置100によれば、上記構成の研磨シート1を備えているので、次のような効果を発揮できる。すなわち、上記構成の研磨シート1は、研磨装置100に使用することによって、次のような効果を発揮できる。
(a)被研磨物2を、第1研磨領域11Aにて研磨し、次いで第2研磨領域21Aにて研磨し、最後に第3研磨領域31Aにて研磨できる。すなわち、被研磨物2に、3段階の研磨処理を施すことができる。しかも、被研磨物2を、段階的に、粒度の小さい研磨材で研磨できる。したがって、被研磨物2を効率良く研磨できる。特に、被研磨物2を、目標端面Pを超えて削り過ぎてしまうことなく、正確に目標端面Pが露出するように、切削できる。また、不良部分3を細密仕上げの端面に露出させることができるので、不良部分3の不良解析の精度を向上できる。
(b)上記のような3段階の研磨処理を、3枚の研磨シートを用いるのではなく、1枚の研磨シート1を用いるだけで、実施できる。それ故、段階毎の研磨シートの取り替え作業を不要にできる。したがって、研磨作業の効率を向上できる。
(c)研磨領域11A、21A、31Aの粒度D1、D2、D3が、D1>D2>D3の関係を有しているので、被研磨物2は、外側の研磨領域にて研磨された後に、内側の研磨領域にて研磨される。一方、研磨によって発生した研磨屑等は、遠心力によって、半径方向外側へ飛ばされるので、外側の研磨領域で発生した研磨屑等が内側の研磨領域に入り込むことは殆どない。したがって、内側の研磨領域にて研磨が行われる際に、研磨性能が研磨屑等によって害されるのを、防止できる。なお、研磨作業中に、水ディスペンサー8によって、研磨シート1上に水を供給するので、研磨屑等を研磨シート1上から積極的に排除できる。
(d)研磨シート1の表面において、第2研磨領域21Aの高さが第1研磨領域11Aより高くなっており、第3研磨領域31Aの高さが第2研磨領域21Aより高くなっているので、外側の研磨領域で発生した研磨屑等が内側の研磨領域に入り込みにくい。したがって、この点からも、内側の研磨領域にて研磨が行われる際に、研磨性能が研磨屑等によって害されるのを、防止できる。
[研磨シートの別の実施形態]
(1)図3に相当する図8に示されるような研磨シート1でもよい。この研磨シート1では、第1研磨材層11が、第1研磨領域11Aの部分のみに設けられている。また、第2研磨シート片20が、第2研磨材層21のみからなり、第2研磨材層21が、第1研磨シート片10の第1シート本体片12上に設けられ、且つ、第2研磨領域21Aの部分のみに設けられている。更に、第3研磨シート片30が、第3研磨材層31のみからなり、且つ、第1研磨シート片10の第1シート本体片12上に設けられている。なお、この研磨シート1においても、第1シート本体片12の厚み方向における研磨領域の高さは、内側の研磨領域ほど高くなっている。
(2)図3に相当する図9に示されるような研磨シート1でもよい。この研磨シート1では、第1研磨シート片10の第1シート本体片12が、第2研磨シート片20の第2シート本体片22及び第3研磨シート片30の第3シート本体片32を兼ねた形態を、有している。そして、第2研磨材層21及び第3研磨材層31が、第1シート本体片12上に直接設けられている。更に、第1研磨材層11が、第1研磨領域11Aの部分のみに設けられており、また、第2研磨材層21が、第2研磨領域21Aの部分のみに設けられている。なお、この研磨シート1においても、第1シート本体片12の厚み方向における研磨領域の高さは、内側の研磨領域ほど高くなっている。
(3)図3に相当する図10に示されるような研磨シート1でもよい。この研磨シート1では、第1研磨シート片10の第1シート本体片12が、図9とは異なり、平坦なままであり、第2研磨材層21及び第3研磨材層31が、第1シート本体片12上に直接設けられている。そして、第1研磨材層11が、第1研磨領域11Aの部分のみに設けられており、また、第2研磨材層21が、第2研磨領域21Aの部分のみに設けられている。なお、この研磨シート1においては、第1シート本体片12の厚み方向における全ての研磨領域の高さが同じである。
(4)研磨シート1における研磨領域は、内側の研磨領域ほど研磨材の粒度が小さいという構成を少なくとも有していれば、2個又は4個以上でもよい。もちろん、その場合でも、第1シート本体片12の厚み方向における研磨領域の高さは、内側の研磨領域ほど高くなっているのが、好ましい。
・研磨材の素材は、被研磨物が半導体チップである場合には、ダイヤモンドである。なお、素材としては、アルミナ、二酸化ケイ素等を用いてもよい。
・D1、D2、D3は、60μm、30μm、15μm、6μm、5μm、3μm、1μm、0.5μmの8種類の内から、D1>D2>D3となるように任意に選択できる。
・R1は203mm、R2は127mm、R3は100mmである。
本発明の研磨シート1は、研磨シートの取り替え作業を不要にできるので、産業上の利用価値が大である。
本発明の一実施形態の研磨シートの平面図である。 図1の研磨シートの側面図である。 図1のIII−III断面図である。 本発明の研磨装置の正面模式図である。 図4の研磨装置の主要部の機能ブロック図である。 図4の研磨装置で研磨される被研磨物の斜視模式図である。 被研磨物の研磨過程を示す拡大斜視図である。 別の実施形態の研磨シートの側面断面図であり、図3に相当する図である。 別の実施形態の研磨シートの側面断面図であり、図3に相当する図である。 別の実施形態の研磨シートの側面断面図であり、図3に相当する図である。
符号の説明
1 研磨シート 4 回転テーブル 6 移動装置 14 移動制御手段 19 間隔検出手段 100 研磨装置 10 第1研磨シート片 11A 第1研磨領域 12 第1シート本体片(シート本体) 20 第2研磨シート片 21A 第2研磨領域 30 第3研磨シート片 31A 第3研磨領域

Claims (4)

  1. 研磨用の回転テーブル上に貼り付けて用いられる、研磨シートであって、
    円形のシート本体と、
    シート本体の表面上に同心円状に設けられた、複数の研磨領域と、
    を備えており、
    各々の研磨領域は、均一な粒度の研磨材で構成されており、
    研磨材の粒度は、内側の研磨領域ほど小さくなっている、
    ことを特徴とする研磨シート。
  2. シート本体の厚み方向における研磨領域の高さが、内側の研磨領域ほど高くなっている、
    請求項1記載の研磨シート。
  3. 大径の研磨シート片の上に、漸次、小径の研磨シート片を同心位置で貼り付けて、構成されており、
    各研磨シート片は、表面に均一な粒度の研磨材を有する円形シートからなっており、
    研磨材の粒度は、小径の研磨シート片ほど小さくなっている、
    請求項1記載の研磨シート。
  4. 被研磨物を研磨する研磨装置であって、
    研磨シートと、
    表面に研磨シートを保持して水平面内で回転する、回転テーブルと、
    被研磨物を、回転テーブル上にて、水平方向及び鉛直方向に自在に移動させる、移動装置と、
    被研磨物に予め設定された目標端面と、研磨シートにより研磨された被研磨物の端面と、の離間間隔を検出する、間隔検出手段と、
    移動装置の駆動を制御する移動制御手段と、
    を備えており、
    研磨シートは、
    円形のシート本体と、
    シート本体の表面上に同心円状に設けられた、複数の研磨領域と、
    を備えており、
    各々の研磨領域は、均一な粒度の研磨材で構成されており、
    研磨材の粒度は、内側の研磨領域ほど小さくなっており、
    移動制御手段は、上記離間間隔が減少して任意の所定値になると、被研磨物を、隣接する内側の研磨領域にて研磨されるように移動させるよう、移動装置を制御するようになっている、
    ことを特徴とする研磨装置。
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