JP2009118853A - 真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのinsituハイブリダイゼーション - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハイブリドを形成するように決定すべき特異的な核酸配列にハイブリダイズすることのできる少なくとも一種の結合パートナーと、特異的結合を高め且つ非特異的結合を低めるように前記核酸と前記結合パートナーとの間で形成される融点を下げるのに有効な量のハイブリド不安定化剤とを含んで成るハイブリダイゼーション溶液を利用する方法。
【選択図】なし
Description
各Xは独立してO又はSを表わし、
各Qは天然核塩基(nucleobase)、非天然核塩基、挿入基、核塩基結合基、ラベル又はHを表わし、
uは1〜5の整数であり、
p及びsは独立して0又は1を表わし、
q及びrは独立して0又は1を表わし、
tは0又は1を表わし、
R1 及びR10は独立してH又はC1-4 アルキルを表わし、
R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R8 及びR9 は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わす)を含んで成る方法を提供する。
本方法は真核系起源のサンプル中の核酸配列を検出するために利用できる。本方法は例えば病原性細菌又はウィルスに特異的な核酸配列の存在についてかかるサンプルを分析するために有用な手段を提供し、これにより診断を樹立するための情報が提供される。ヒト又は動物病理学において、染色体異常の検出は遺伝子病又は障害を診断するために臨床学的に重要な情報を供しうる。植物生物学において、本方法は、例えば植物への除草剤耐性遺伝子の移入の効率をモニターするための、又はヒト組織におけるように、一定の細胞構造におけるタンパク質の特異的な合成の樹立(mRNAの検出による)のための有用な手段でありうるものと更に考えられる。
検査すべきサンプルはハイブリダイゼーションの前に前処理し、これによりサンプルの調製品を作製する。当業者は適切な前処理が検査すべきサンプルのタイプに依存するであろうことを容易に理解するであろう。前処理の際、サンプルは固定化に委ねられるであろう。
本方法において利用する結合パートナーは非環式骨格を有する重合成分のポリマー鎖であり、このポリマー鎖が測定すべき核酸配列にハイブリダイズできるものである。
各Xは独立してO又はSを表わし、
各Qは天然核塩基(nucleobase)、非天然核塩基、挿入基、核塩基結合基、ラベル又はHを表わし、
uは1〜5の整数であり、
p及びsは独立して0又は1を表わし、
q及びrは独立して0又は1を表わし、
tは0又は1を表わし、
R1 及びR10は独立してH又はC1-4 アルキルを表わし、
R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R8 及びR9 は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わす)を含んで成る。
R2 ,R5 及びR7 は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わし、そしてR1 及びR10は独立してH又はCH3 を表わす)を含んで成る方法に関する。
R2 ,R5 及びR7 は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わす)を含んで成る方法に関する。
一の態様において、現状最も好適な結合パートナーは式(VII )の重合成分を含んで成るポリマー鎖である。この構造の化合物の合成はWO92/20702号に記載され、そしてこれらの化合物はPNA と命名されている。
ハイブリダイゼーションは上記の通りに調製した固定化、固相化又は懸濁調製品を利用して実施してよい。もし二本鎖標的、例えば染色体又はDNA 配列を検出するなら、2本の鎖を分離する処理が必要でありうる。鎖の分離はハイブリダイゼーション混合物の存在下でサンプルを、鎖を解離するのに十分に高い温度、且つ十分に長い時間加熱することにより成し遂げられうる。一般に、90〜95℃の温度で5〜15分が適当である。
に認識するであろう。
ハイブリダイゼーションの後、この調製品を洗浄して任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去する。下記の条件は単なる例示であり、そして分析すべき調製品のタイプに応じうる。後ハイブリダイゼーション工程の際、任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去するために適当なストリンジェンシー条件を利用すべきである。ストリンジェンシーは形成ハイブリドの解離を優先する反応条件の度合いをいい、そして例えば洗浄温度及びインキュベーション時間を高めることにより強まりうる。核酸プローブとの好適なハイブリダイゼーションのため、ストリンジェンシーを調節するための追加の因子として塩濃度が往々にして利用される。これは式(IV)〜(VII )の重合成分を含んで成る結合パートナーには当てはまらず、なぜならこのタイプのプローブは事実上塩濃度依存性であることが示されているからである(Nature, 365, 566-568 (1993))。
当該調製品をスライドの上に載せる場合、ハイブリダイゼーション結果は結合パートナー上のラベルを検出する周知の免疫組織化学染色法を利用して識別化し得る。蛍光ラベル化結合パートナーを使用するとき、ハイブリドは蛍光ラベルに対する酵素にコンジュゲーションされた抗体を利用して検出し得る。蛍光ラベルは他に蛍光顕微鏡を利用して直接検出することができ、又は結果は蛍光を基礎とするイメージ分析システムで自動分析できうる。
本方法をより完全に例示するため、組織切片(A)、懸濁細胞(B)又は広げた染色体(C)に基づいて実施したin situ ハイブリダイゼーションの基本的な態様を説明する。記載の手順は特定の試験に関してデザインされたものであるが、当業者は原理的な試験手順が真核系起源のサンプル中の数多くのその他の特異的な核酸配列の検出のために適当な結合パートナーを利用して容易に実施できうることを理解するであろう。
パピロマウィルスによる感染は伝統的にはウィルス抗原の検出のためにデザインされた組織学的染色、電子顕微鏡又は免疫組織化学を利用して診断されてきた。しかしながら、これらの方法は全て比較的低感度である。いくつかの異なるHPV の型、例えば6,11,16, 18, 30, 31, 33, 35, 45, 51及び52型のHPV が知られている。これらから、検出の標的として特異的な配列が選定されうる。例えば、型特異性結合パートナーを利用するHPV 感染頸部組織の検出のためのin situ ハイブリダイゼーションプロトコールが記載されてい
る。
子宮頸部組織の鱗状上皮細胞を含む生検を細胞マトリックスの形態学的保全性及び細胞内の核酸の保存のために処理する。生検は可能な限り早く化学固定又は凍結により固定化段階にもっていく。好適な処理は固定剤、例えばホルムアルデヒド、好ましくは中性pHのバッファー中のその4%v/vの溶液の利用にある。典型的な12〜14時間の固定化後、生検をパラフィンの中に包埋する。パラフィン包埋生検は直ちに使用するか、又は室温で何年も保存することができる。パラフィン包埋生検から、典型的には3〜6μmの厚みを有する薄い切片を切り、そしてシラン処理した又はその他の接着剤で処理した顕微鏡スライド上に移す。
HPV 16を検出するため、式(I)−(VII )の重合成分を含んで成る結合パートナーを使用してよい。HPV 16の検出のために特異的であろう核塩基の選択は様々なデーターベースから獲得した公共的に入手できる配列情報に基づく。様々なHPV サブタイプ間の最も可変的な領域の一つは感染細胞の形質転換に関与する2種類のタンパク質(E6及びE7)をコードするE6/E7オープンリーディングフレームである。これらのタンパク質をコードするmRNAと十分に安定なハイブリドを形成することのできる適当な結合パートナーを選び、そして合成する。
スライドを洗浄して任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去する。スライドは典型的にはTBS バッファーの中で40〜65℃の温度で15〜45分洗浄する。非特異的結合はアルカリ洗浄バッファーを使用することにより有意に低めることができうる。8〜10.5のpH値、好ましくは9〜10のpH値を有する洗浄バッファーを使用してよい。
ハイブリダイゼーションの結果は結合パートナー上のラベリングを検出する公知の免疫組織化学的染色方法を利用して目視化することができうる。蛍光ラベル化結合パートナーを使用する場合、ハイブリドは酵素にコンジュゲーションされていることのある蛍光ラベルに対する抗体を利用して検出し得る。蛍光ラベルは他に蛍光顕微鏡を利用して直接検出することができ、又はその結果は蛍光を基礎とするイメージ分析システムに基づいて自動分析できうる。
段階(1):サンプルの調製
静脈血液を抗凝血剤(例えばEDTA、クエン酸塩又はヘパリン)を含む試験管の中に集める。単核細胞を分離媒体での遠心分離により単離するか、又は赤血球を溶解する。単核細胞を合成培養培地RPMI 1640 (Life Technologies)又はリン酸緩衝食塩水(PBS)で2回洗浄する。適当なPBS バッファーは0.01Mのリン酸塩、0.14MのNaCl,pH7.2 である。細胞を固定剤、例えば70%(v/v)のエタノールの中で4℃で15分かけて固定する。細胞の適切な濃度は固定剤1ml当り107 個の細胞である。
細胞(105 〜108 細胞)の懸濁物を、50μlの予備加熱したハイブリダイゼーションバッファー、例えば適量の塩化ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ハイブリド不安定化剤を含んで成るトリス/HCl, pH7.2に、適量の適当な結合パートナー、例えば20〜100nM の濃度における例えばフルオレセインラベルでラベルされた結合パートナーと一緒に加える。適当な結合パートナーの例は実施例1に記載してある。試験管を適温、例えば40〜60℃の温度でインキュベーションする。10〜30分後、ハイブリダイゼーションは、細胞を例えば8000gで2分の遠心分離によりペレット化することにより停止させる。
細胞を例えば3回10分づつ、40℃〜65℃の温度及び適当なバッファー、例えばPBS の中で洗い、次いでPBS 溶液(例えば 500μl,pH8.4)の中に再懸濁させる。細胞を分析するまで例えば4℃で暗所で冷蔵保存する。
フローサイトメトリー:フルオレセインラベル化結合パートナーを使用するなら、細胞はイオンレーザー装置の備ったフローサイトメーター(例えばBecton Dickinson FACScanフローサイトメーター)でモニターすることができうる。Becton Dickinson FACScanフローサイトメーターのレーザー励起波は15mWで 488nMである。リンパ球を固定し、そして前方角光散乱及び右方角光散乱を測定することにより分類する。フルオレセインの緑色蛍光を 530nmのバンドパスフィルターを介して集める。これらのパラメーターは1秒当り約 200個の細胞の率において10,000の事象についてのリストモードにおけるパルス高シグナル(対数スケールで104 )として獲得される。データーは LYSYSIIソフトウェアを利用して分析する。
蛍光顕微鏡:適当な数の細胞の堆積物をガラススライドに載せ、そしてこれらをネールワニッシュで封じ込め、そしてそのスライドを蛍光顕微鏡で観察する。陽性反応は蛍光沈殿物として認められる。
段階(1):サンプルの調製
広がった中期染色体は末梢血液、骨髄、羊水、絨毛膜絨毛サンプル又は腫瘍サンプルから調製できうる。末梢血液から調製する場合、ヘパリン又はその他抗凝血剤を含む。ガラスチューブの中に集めた全血液サンプルを適当な増殖培地と混合する。実施例1の如き、1mlの全血液を20%(v/v)の胎児牛血清、2mMのグルタミン、 100Uのペニシリン/ストレプトマイシン、2%のフィトヘマグルチニン及び5U/mlのヘパリンの添加された8mlのRPMI 1640 培地に加える。このサンプルをCO2 インキュベーターの中で例えば37℃で72hインキュベーションする。染色体は有糸分裂の中期において、例えばコルセミド(0.1μg/ml)を培養物に細胞の回収の約30分前に加えることにより捕獲する。
動原体配列を検出するための結合パートナーは、式(I)〜(VII )の重合成分を含んで成る結合パートナーであってよい。染色体の動原体配列に特異的な核塩基の選択は公共的に入手できる配列情報
に基づく。
スライドをTBS, pH7.4の中に、典型的には40℃〜65℃で15〜45分浸してよい。他方、スライドはTriton X-100(登録商標)を含むSSC バッファー、pH7.0 、例えば 0.1×のSSC (15mM のNaCl, 1.5mMのクエン酸ナトリウム、pH7.0)及び 0.1% Triton X-100(登録商
標)の中に典型的には40〜65℃で5〜15分浸してよい。
形成ハイブリドの検出は組織切片におけるHPV の検出のために上記した通りに実施できる(態様(A)の説明の段階(4)参照)。
実施例1
式(VII )の結合パートナー及びDNA プローブのそれぞれで実施した。イムノグロブリンカッパー軽鎖定常領域をコードするmRNAの測定のためのin situ ハイブリダイゼーション間の比較
カッパー軽鎖発現の決定はリンパ球増殖損傷のクローン能を検出するため、例えば多発性ミエローマ又はB細胞リンパ腫を有する患者のクラス分けのために利用できうる。
正常なヒトの扁桃由来のサンプルを24時間4%v/vのpH中性緩衝ホルムアルデヒドの中で固定した。固定化サンプルをブロック形成用パラフィンの中に包埋し、それから4〜5μmの厚みを有する切片を切り、そしてプレコート化スライド (Super-Frost Plus, Menzel-Glaser, Germany, 041 300)の上に載せた。これらのスライドを65℃で60分インキュベーションした。
式(VII )の重合成分を含んで成る結合パートナーを上記の通りにして合成した。カッパー軽鎖定常領域をコードするmRNAの検出のため、それぞれカッパー軽鎖の定常領域における配列に対して相補性である15個の核塩基を含んで成る3種の結合パートナー(式(VII a,VII b,VII c))を使用した。各結合パートナーに1個のフルオレセインラベルを下記に示すリンカーユニットLを介して結合させた。結合パートナーは通常のペプチド用法を利用してNからC末端へと記載する。即ち、Hは遊離末端アミノ基を表わし、そして−NH2 は末端カルボキサミド基を表わす。結合パートナーの配列は下記の通りに合成した:
DNA プローブ:25〜30個のヌクレオチドを含んで成るDNA オリゴヌクレオチドを、上記の結合パートナー(VII a)〜(VII c)と同じカッパー軽鎖mRNAの定常領域の領域にハイブリダイズするように選定した。DNA オリゴヌクレオチドをABI シンセサイザーを用いて合成し、精製し、そしてラベルした。酵素デオキシリボヌクレオチド末端トランスフェラーゼ(TqT, Boehringer Mannheim) を介するFlu-12-dUTP の組込みはプローブ当り3個のフルオレセインラベルの平均ラベル化を供した。ハイブリダイゼーション工程において、DNA プローブは個別に、又は組合せて、いづれの場合も12nM(0.1ng/μm)の濃度で使用した。
ハイブリダイゼーション後、カバースリップ及びハイブリダイゼーション溶液を除去し、そしてスライドをTBS pH7.6 を含むジャーに移し、そして室温で保存した。スライドを3分間づつ3回洗い、そして洗浄毎にバッファーは新しいものに替えた。
後ハイブリダイゼーション洗浄の後、スライドをTBS の中に室温で浸した。直ちに使用できるウサギ(Fab)抗−FITC/APコンジュゲート(DAKO K0076)を形成ハイブリドの検出のために用いた。スライドを抗体と30分、多湿チャンバー内で室温でインキュベーションした。インキュベーション後、抗体を水道水で落とし、そしてスライドをTBS で2回2分づつ洗い、次いで Milli−Q水で1分づつ2回洗った。抗体を介して結合したアルカリ性ホスファターゼは、1:50のBCIP/NBT 基質(DAKO K0046)を添加し、そしてスライドを多湿チャンバーの中で室温で1時間インキュベーションすることによりモニターした(BCIPは5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートであり、そしてNBT はニトロブル−テトラゾリウムである)。最後に、スライドを水道水で洗い、そしてGlycergel (DAKO, C0563)を用いて載せた。
ハイブリダイゼーション、即ち陽性染色は濃青/黒色として顕微鏡で認識された。独立又は結合した結合パートナー(VII a)〜(VII c)により得られるシグナルは、たとえ数個の検出分子しか結合パートナー(VII a)〜(VII c)上で有用でなかったとしても、均等な独立又は結合したDNA プローブにより得られるシグナルよりも強かった(結合パートナー(VII a)〜(VII c)のそれぞれでは1個のみのラベルであるのに対し、DNA プローブのそれぞれでは平均3個のラベル)。非特異的結合は結合パートナー(VII a)〜(VII c)を利用したとき、特に3種の結合パートナーを組合せて用いたときに観察された。
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるハイブリダイゼーションに対する結合パートナーの濃度、ハイブリダイゼーション及び洗浄温度、並びに時間の変動の影響
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1記載の通りにして調製した。
実施例1に挙げた3種類の結合パートナーを別々に又は組合せて使用した。結合パートナー(VII a)〜(VII c)を実施例1に記載の通りにしてハイブリダイゼーション溶液の中で使用したが、ただし各結合パートナーの濃度はそれぞれ20,50又は 100nMとした。インキュベーションは37℃,45℃,50℃,55℃又は60℃のそれぞれで 1.5時間行った。
後ハイブリダイゼーション洗浄をTBS pH7.6 の中で25分、ハイブリダイゼーションと同じ温度、即ち、37℃,45℃,50℃,55℃又は60℃のそれぞれで実施した。
実施例1に記載の通り。
これらの結果は、20nMより高い濃度の結合パートナー(VII a)〜(VII c)の使用によりシグナル、対、ノイズの比に関する改善は得られないことを示す。これは非特異的な結合の同時増大に基づいた。ハイブリダイゼーション及び後ハイブリダイゼーションの際の温度の上昇は特異的結合を低めることなく非特異的結合を低めた。非特異的結合の低下は結合パートナー(VII a)〜(VII c)を組合せて使用したときに最も明白に観察された。最大のシグナル、対、ノイズ比は3種の結合パートナー(VII a)〜(VII c)のそれぞれを個別に20nMの濃度で使用し、そしてハイブリダイゼーション及び洗浄を55℃の温度で実験することで得られた。個々の結合パートナーについての有意差は認められなかった。
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出における結合パートナーの結合に対する後ハイブリダイゼーション洗浄溶液の変動の効果
3種の結合パートナー(VII a)〜(VII c)の結合の性質を更に調べるため、様々な後ハイブリダイゼーション洗浄溶液を作った。
正常なヒト扁桃の切片を実施例1に記載の通りにして調製した。
ハイブリダイゼーション条件は実施例1に記載の条件と同一としたが、ハイブリダイゼーション温度は55℃とした。実施例1に記載の3種の結合パートナーの組合せを、それぞれ20nMの濃度で使用した。
後ハイブリダイゼーション洗浄は表1に示す溶液を用いて実施した。洗浄は静かに振盪しながら55℃で25分実施した。
実施例1に記載の通り。
これらの結果は約9〜10のpHを有するTBS 含有後ハイブリダイゼーション洗浄溶液の利用が特異的結合の強度を有意に損うことなく非特異的結合を有意に低めることを示す。たとえ50nMの如き高い結合パートナー濃度を利用しても、実施例1記載の非特異的結合はアルカリ洗浄バッファーを利用したときに有意に低まる(実施例6参照)。
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるハイブリダイゼーションに対する様々なハイブリド不安定化剤の影響
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1に記載の通りにして調製した。
ハイブリダイゼーション条件は実施例1に記載の通りだが、ただしハイブリド不安定化剤を変えた。3種のハイブリド不安定化剤、即ち、ホルムアミド、エチレングリコール及びグリセロールを使用した。実施例1由来の3種の結合パートナー(VII a)〜(VII c)の組合せを使用し、そしてハイブリダイゼーションは55℃で60分実施した。各結合パートナーの濃度は20nMとした。
スライドをTBS バッファーpH10の中で55℃で洗浄した。洗浄時間は25分とした。
実施例1に記載の通り。
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるハイブリド不安定化剤及びハイブリダイゼーション時間の双方の変動
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1記載の通りにして調製した。
ハイブリダイゼーション条件は実施例4に記載の通りにし、ただし下記の濃度のハイブリド不安定化剤を使用した:ホルムアミド30%;エチレングリコール65%及びグリセロール50%。ハイブリダイゼーション時間はそれぞれ15,30及び60分とした。
スライドをTBS バッファーpH10の中で55℃で洗い、そして洗浄時間は25分とした。
実施例1に記載の通り。
この結果は、ホルムアミドのそれと比べ、ハイブリド不安定化剤としてエチレングリコール又はグリセロールを使用するとより長いハイブリダイゼーション時間が必要であることを示す。
カッパー軽鎖定常領域内の配列に対する結合パートナーのハイブリダイゼーションに対するTBS 後ハイブリダイゼーション洗浄溶液のpHの変動の効果
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1に記載の通りに調製した。
式(VII )の重合成分を含んで成る式(VII a)〜(VII f)の結合パートナーを上記の通りに合成した。結合パートナーはカッパー軽鎖の定常領域内の配列に対して相補性な15個の核塩基を含んで成る。合成した結合パートナーの配列は下記の通りであった:
後ハイブリダイゼーション洗浄をTBS バッファーpH7.6, 9.0又は10.0の中で55℃で25分実施した。
結果は、非特異的結合が、pH7.6 と比べて高いpHを有する洗浄溶液を利用することにより、特異的な結合を有意に低下することなく除去できることを示す。
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるハイブリダイゼーション性能に対するホルムアミド濃度の変動の効果
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1記載の通りに調製した。
式(VII )の成分を含んで成る下記の結合パートナーを使用した。Flu-L-L-GAC-TTC-GCA-GGC-GTA-NH2(VII a)又はBio-L-L-GAC-TTC-GCA-GGC-GTA-NH2(VII g)。ここでFlu は5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルを表わし、Bio はビオチンラベルを表わし、そして各Lは式−NH(CH2CH2O)2CH2 C(O)−のリンカーユニットを表わす。
後ハイブリダイゼーションはTBS 溶液pH10の中で25分、55℃にて、静かに振盪しながら実施した。
フルオレセインラベル化結合パートナー(VII a)による形成ハイブリドの検出は実施例1に記載の通りにして実施した。ビオチンラベル化結合パートナー(VII g)により形成されたハイブリドの検出はストレプトアビジン/アルカリホスファターゼ(DAKO D 396 1:100) を利用して実施した。室温で30分のインキュベーション後、スライドをすすぎ、そしてアルカリホスファターゼの活性を実施例1に記載の通りにしてBCIP/NBT基質の添加によりモニターした。その結果を表5に示す。評点方法の定義は実施例3に示す。
結果から、本実験において利用する結合パートナー並びに適用したハイブリダイゼーション及び後ハイブリダイゼーション洗浄条件に関し、少なくとも10〜15%のホルムアルデヒドの濃度が特異的な結合を得るために必要なようである。この実験において、30〜50%のホルムアルデヒドの濃度が最良のシグナル、対、ノイズの比を供するようである。
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるアルカリ洗浄pH及び55℃の温度でのハイブリダイゼーション時間及び結合パートナー濃度の変動
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1記載の通りに調製した。
ハイブリダイゼーションは実施例1に記載の通りにして実施したが、ハイブリダイゼーション時間は5〜90分で変え、そしてハイブリダイゼーション時間は55℃に保った。実施例1記載の3種の結合パートナー(VII a)〜(VII c)の組合せを使用した。各結合パートナーの濃度は6,12, 25又は50nMとした。
スライドはTBS バッファーの中でpH10で25分洗った。洗浄温度は55℃とした。
実施例1に記載の通り。
これらの結果は、もしハイブリダイゼーションを5分〜30分の時間実施すると、非特異的な結合が観察されないことを示す。高い特異的結合評点が5分という非常に短いハイブリダイゼーション時間でさえも得られたことは非常に驚くべきことである。この評点は、結合パートナーの濃度を50nMから6nMにまで下げたときにほんのわずかしか下らないことが明らかである。しかしながら、細胞及び細胞間マトリックスに対するかすかで均質な非特異的結合(評点(+))が45分より長いハイブリダイゼーション時間で得られる。表6A及び6Bに示す結果は、本方法がいくつかのパラメーターに関して非常に柔軟性であることを示し、このことは本方法を、迅速なスクリーニングのため、及びより長いハイブリダイゼーション時間がより好都合でありうるより大規模な試験の一部となるための双方に非常に適するものとする。
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出における短いハイブリダイゼーション時間及び洗浄時間の変動
サンプルの調製
正常なヒト扁桃切片を実施例1記載の通りに調製した。
ハイブリダイゼーション条件は実施例1に記載の通りにしたが、ただしハイブリダイゼーション時間は15分とし、そしてハイブリダイゼーション温度は55℃とした。実施例1に記載の3種の結合パートナー(VII a)−(VII c)を組合せて用いた。各結合パートナーの濃度は50nMとした。
スライドをTBS バッファー中でpH10にて55℃で洗い、そして洗浄は下記のようにして3回実施した:それぞれ、1×25分、2×10分、又は3×5分。
実施例1に記載の通り。
様々な量の硫酸デキストランを利用するカッパー軽鎖定常領域内の検出
サンプルの調製
正常なヒト扁桃切片を実施例1記載の通りに調製する。
式(VII )の重合成分を含んで成る式(VII a),(VII b),(VII c)又は(VII m)の結合パートナーを上記の通りに合成した。利用する結合パートナーはカッパー軽鎖内配列に相補性な15個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りとした:
後ハイブリダイゼーション洗浄をTBS バッファーの中でpH10.0で25分実施した。
形成ハイブリドの検出は実施例1に記載の通りにして実施した。その結果を表8A(結合パートナー(VII a),(VII b)及び(VII c)の組合せにより得られた結果)及び8B(結合パートナー(VII m)で得られた結果)に示す。評点方式の定義は実施例3に示している。
様々な量の硫酸デキストランを利用するカッパー軽鎖定常領域内の配列の検出
サンプルの調製
正常なヒト扁桃切片を実施例1記載の通りに調製する。
式(VII )の重合成分を含んで成る式(VII a),(VII b)及び(VII m)の結合パートナーを前記の通りに合成した。使用した結合パートナーはカッパー軽鎖内の配列に相補性な15個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りとした:
後ハイブリダイゼーション洗浄をTBS バッファーpH7.6 又はpH10.0の中で25分実施した。
形成ハイブリドの検出は実施例1記載の通りに実施した。その結果を表9A(後ハイブリダイゼーション洗浄バッファーとしてTBS バッファーpH7.6 を利用して得られた結果)及び9B(後ハイブリダイゼーション洗浄バッファーとしてTBS バッファーpH10.0を利用
して得られた結果)に示す。評点方式の定義を実施例3に示す。
in situ ハイブリダイゼーションを利用するクラミジア−トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の検出
真核起源の臨床サンプルは往々にして様々な細菌又はウィルスで感染されている。例えば、尿道又は頸部由来の多くのサンプルはC.トラコマチス又はネイセッリア・ゴノルロエア(Neisseria gonorrhoea) により感染されている。C.トラコマチス由来の16S及び23SリボソームRNA に特異的な結合パートナーを選別し、そして合成した。結合パートナーは1個の蛍光ラベルでラベルした。
C.トラコマチスのL1 株によるマウス細胞L929の感染は標準の技術により実施した。「完全細胞含有物」を含む細胞をガラス顕微鏡スライドの上に塗った。このサンプル調製品をアセトンの中で10分固定し、風乾し、そしてその後のin situ ハイブリダイゼーションのために用いた。同様にして調製したが、C.ニューモノア(C.pneumoniae) により感染した塗布細胞を含むスライドを結合パートナーの特異性を試験するために用いた。
一つがC.トラコマチス16SリボソームRNA に特異的(VII b)であり、そして三つが23SリボソームRNA に特異的((VII i),(VII j)及び(VII k))である結合パートナーを合成した。結合パートナーは全て下記の一のフルオレセインラベルでラベルした。配列は以下に示す:
スライドをTBS バッファー中でpH7.6 で55℃で25分洗った。
スライドを蛍光検出に適合する装着媒体を用いて装着し、そして蛍光顕微鏡により検査した。
結果からわかる通り、結合パートナーはC.トラコマチスにはハイブリダイズするが、C.ニューモニアにはハイブリダイズしなかった。特異的結合は結合パートナーを組合せ(VII h)−(VII k)で使用したとき高まることもわかる。更に、非特異的結合は観察されなかった。
様々な量の硫酸デキストランを使用するクラミジア・トラコマチスの検出
サンプルの調製
C.トラコマチスの「完全細胞含有物」を含む塗布細胞を実施例12記載の通りにして調製した。
実施例12記載の4種の結合パートナー(VII h)−(VII k)を組合せて利用した。
スライドをTBS バッファーの中でpH7.6 で55℃で25分洗浄した。
このスライドを蛍光検出に適合する装着媒体を利用して装着し、そして蛍光顕微鏡により検査した。
臨床サンプル中のネイセリア・ゴノルロエアの検出
サンプルの調製
N.ゴノルロエア感染症に苦しむ8人の患者の尿道及び頸部から綿棒サンプルを採取した。そのサンプルはメチレンブルー及び/又はグラム染色に基づき陽性と評価された。
式(VII )の重合成分を含んで成る式(VII n)及び(VII p)の結合パートナーを前記の通りに合成した。結合パートナーは16Sリボソームネイセリア・ゴノルロエアに相補性を15個の核塩基を含んで成り、そして下記の通りである:
後ハイブリダイゼーション洗浄はTBS バッファー中でpH7.6 で25分実施した。
スライドを蛍光検出に適合する装着媒体を用いて装着し、そして蛍光顕微鏡により検査した。
8つのサンプルのうちの7つが、N.ゴノルロエアが容易に同定されうる点で明確に陽性であった。更に、これら7つのサンプルのうちの6つにおいて、顆粒球内で明確に細胞内的に典型的な双球菌が認められた。1のサンプルはこの方法により試験したときに陰性であった。
様々な量の硫酸デキストランを利用するネイセリア・ゴノルロエアの検出
サンプルの調製
塗布サンプルを実施例14記載の通りに調製した。
式(VII )の重合成分を含んで成る式(VII n),(VII o)及び(VII p)の結合パートナーを前記の通りに合成した。この結合パートナーは16S N.ゴノルロエアリボソームRNA に配列相補性な15個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りである。
後ハイブリダイゼーション洗浄はTBS バッファー中でpH7.6 で25分実施した。
スライドを蛍光検出に適合する装着媒体を用いて装着し、そして蛍光顕微鏡により検査した。
in situ ハイブリダイゼーションを利用する懸濁調製品中のEBV のフローサイトメトリー検出
サンプルの調製
収穫したばかりのEBV 感染HS−Sultan細胞(5×107 細胞/ml)又は非感染CEM T細胞(陰性コントロール;5×107 細胞/ml)を1%のパラホルムアルデヒドの中で室温(RT)で15分固定した。その細胞懸濁物を 340gで5分遠心分離した。その上清液を除去し、そして内性RNAse 活性をブロッキングするため、細胞ペレットを10%のジエチル−ピロカルボネート(DEPC)10μlの添加された70%のエタノール 2.5ml(10%のDEPCは70%のエタノールで調製)に再懸濁した。細胞懸濁物をRTで15分インキュベーションし、次いで 340gで5分遠心分離した。その上清液を除去し、そして細胞ペレットを70%のエタノール/DEPCに再懸濁した。懸濁調製品は、in situ ハイブリダイゼーションに直ちに使用しないなら、−20℃で保存した。
式(VII )の重合成分を含んで成る式(VII s)の結合パートナーをハイブリダイゼーションのために使用した。この結合パートナーはEBV コードEBER核RNA 内の配列に相補性な15個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りとした:
ハイブリダイゼーションの後、55℃に加熱して1mlのTBSTを加え、そしてそのサンプルを 700gで遠心分離した。その上清液を除去し、そのペレットを55℃に加熱した1mlのTBSTに再懸濁し、そしてそのサンプルを55℃で45分インキュベーションした。このサンプルを 700gで5分遠心分離し、上清液を除去し、そしてペレットを検出工程において用いた。
上記のようにして得たペレットをTBST中の1%のBSA(牛血清アルブミン)中に1:50で希釈した 100μlのストレプトアビジン/FITC(DAKO F0422) に再懸濁した。このサンプルを暗所で30分RTでインキュベーションした。インキュベーションの後、2mlのTBSTを加えて、そしてそのサンプルを 700gで5分遠心分離した。その上清液を除去し、そしてペレットを 0.5mlのTBSTに再懸濁し、そしてBecton Dickinson FACSort装置で分析した。
上記の手順により、104 の対数スケール上で5.79のFITC−蛍光比がEBV 陽性細胞とEBV 陰性CEM 細胞との間で観察された。
広がった中期染色体内の染色体特異的配列の検出のためのin situハイブリダイゼーション
動原体特異的配列の検出は例えば出生前診断又は腫瘍診断における数多くの染色体異常を決定するために利用できうる。
広がった中期染色体は末梢血液から調製した。1mlの女性全血をガラスチューブ内の20%(v/v)の胎児牛血清、2mMのグルタミン、 100Uのペニシリン/ストレプトマイシン、2%のフィコヘマグルチニン及び5U/mlのヘパリンの添加された8mlのRPMI 1640培地に加えた。このサンプルをCO2 インキュベーターの中で37℃で72時間インキュベーションした。染色体は細胞の回収の約30分前に培養物にコルセミド(0.1μg/ml)を添加することによって有系分裂の中期において捕獲した。
式(VII )の重合成分を含んで成る式(VII g)の結合パートナーを上記のようにして調製した。この結合パートナー(VII g)はX染色体の動原体領域HSSATX(データーベースGenebankより獲得)由来の配列に相補性の17個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りとした:
変性及びハイブリダイゼーションの後、カバースリップを外し、そしてスライドを 0.1×のSSC (15mM のNaCl, 1.5mM のクエン酸ナトリウムpH7.0)及び 0.1%のTriton X-100(登録商標)の洗浄バッファーの入ったジャーに移し、そして湯浴の中で静かに撹拌しながら50℃で5分洗浄した。
後ハイブリダイゼーション洗浄の後、検出ハイブリドを多湿チャンバーの中で室温で10分、フルオレセインラベル化ストレプトアビジン(TBS バッファーpH7.6 の中で1:50に希釈したDAKO F0422)とのインキュベーションにより検出した。インキュベーションの後、過剰のコンジュゲートを水道水で流し、そしてスライドを脱イオン水で室温で1分軽く洗った。
2つのX染色体(染色体は赤色蛍光により容易に認識される)に対応する検体中の各広がった染色体において2つの強力な緑色/黄色蛍光スポットが観察され、強力な特異的結合が示唆される。非特異的結合は観察されなかった。
広がった中期染色体内のX染色体特異的配列の検出のためのin situ ハイブリダイゼーション
サンプルの調製
広がった中期染色体を実施例17に記載の通りにして調製した。
式(VII )の重合成分を含んで成る式(VII r)の結合パートナーを上記の通りに合成した。結合パートナー(VII r)はX染色体の動原体領域HSSATX(データーベースGenebankより獲得)由来の配列に相補性な17個の核塩基を含んで成る。この結合パートナーの配列は以下の通りとした:
変性及びハイブリダイゼーションの後、カバースリップを外し、そしてスライドを 0.1×のSSC (15mM のNaCl, 1.5mM のクエン酸ナトリウム、pH7.0)及び 0.1%のTriton X-100(登録商標)の入ったジャーに移し、そして湯浴の中で静かに振盪しながら50℃で5分洗浄した。
後ハイブリダイゼーション洗浄の後、スライドをTBS バッファーpH7.6 の中で室温にて2分洗浄し、次いで脱イオン水で1分、室温で軽く洗浄した。
2つのX染色体(染色体は赤色蛍光により容易に認識される)に対応する検体中の各広がった染色体において2つの強力な緑色/黄色蛍光スポットが観察され、強力な特異的結合が示唆される。非特異的結合は観察されなかった。
Claims (22)
- in situ ハイブリダイゼーションを利用して真核系起源サンプル中の特異的な核酸配列の存在を決定するための方法であって、
(1)前記サンプルの調製品を作る、ここでこのサンプルは固定化に委ねるものとする、
(2)前記調製品を、決定すべき特異的核酸配列にハイブリダイズしてハイブリドを形成することのできる少なくとも一種の結合パートナーと、前記核酸と前記結合パートナーとの間で形成されるハイブリドの融点を下げて特異的結合、対、非特異的結合との比を高めるのに有効な量のハイブリド不安定化剤とを含んで成るハイブリダイゼーション溶液と接触させる、ここで前記結合パートナーは非環式骨格を有する重合成分を含むポリマー鎖であり、このポリマー鎖が決定すべき核酸配列にハイブリダイズすることのできるものである、
(3)任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去する、そして
(4)前記調製品中の結合した結合パートナーの存在を決定する、
段階を含んで成る方法。 - 前記u,p,q,r,s,Y,X及びQが請求項2に記載の通りであり、tが0であり、R1 がH又はCH3 であり、R3 ,R4 ,R6 及びR9 がHであり、そしてR2 ,R5 ,R7 及びR8 が独立してH又は天然アミノ酸の側鎖もしくは非天然アミノ酸の側鎖を表わす、請求項2記載の方法。
- 前記R2 ,R5 及びR7 がH又はAla, Asp, Cys, Glu, His, HomoCys, Lys, Orn, Ser もしくはThr の側鎖を表わし、そしてQがチミン、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル又はヒポキサンチンを表わす、請求項6記載の方法。
- 前記ポリマー鎖が8〜30個の式(I)〜(VII )の重合成分より成る、請求項2〜8のいづれか1項記載の方法。
- 式(IV)〜(VII の重合成分がポリマー鎖の75重量%以上を構成する、請求項9記載の方法。
- 前記ハイブリド不安定化剤の濃度が10%を超える、請求項1〜10のいづれか1項記載の方法。
- 前記ハイブリド不安定化剤がホルムアミド、エチレングリコール、及びグリセロールより成る群から選ばれる、請求項11記載の方法。
- 前記ハイブリド不安定化剤が30〜50%の濃度のホルムアミドである、請求項12記載の方法。
- 前記ハイブリド不安定化剤が50〜65%の濃度のエチレングリコールである、請求項12記載の方法。
- 前記真核系起源のサンプルが組織切片、塗布細胞物、細胞もしくはその一部の懸濁物、又は広がった染色体である、請求項1〜14のいづれか1項記載の方法。
- 前記結合パートナーが相互に同一又は異なり合うことのある1又は複数個のラベルを更に含んで成る、請求項1〜15のいづれか1項記載の方法。
- 前記ラベルが蛍光ラベル、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロ安息香酸、ペプチドラベル、ローダミン、R−フィコエリスリン及びシアニン色素より成る群から選ばれる、請求項16記載の方法。
- 少なくとも1個のラベルが蛍光ラベルである、請求項17記載の方法。
- 段階(3)における前記未結合及び非特異的に結合した結合パートナーをアルカリpHの洗浄バッファーを利用して除去する、請求項18記載の方法。
- 段階(3)における前記洗浄バッファーが8〜10.5のpH値を有する、請求項19記載の方法。
- 真核系起源のサンプル中の特異的な核酸配列の存在の決定のための請求項1〜20のいづれか1項記載の方法において使用するための診断キットであって、重合成分のポリマー鎖であり且つ非環式骨格を有する1又は複数個の結合パートナーを含んで成り、ここでこのポリマー鎖が決定すべき前記核酸配列にハイブリダイズすることのできるものである、前記キット。
- サンプル調製のための試薬、ハイブリド不安定化剤及び任意的に形成ハイブリドの検出のための試薬を更に含んで成る、請求項21記載の診断キット。
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