JP2009118594A - アキシャルギャップ型モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクリップルやコギングトルクを低減させて安定した滑らかな回転が可能なアキシャルギャップ型モータを提供する。
【解決手段】ステータ12は、周方向に第1の間隔D1毎に形成された複数のティース22を備え、隣り合うティース22間の周方向対向面22aは第1中心線Laに対して平行に形成されている。また、ロータ11は、周方向に第2の間隔D2毎にそれぞれ配置され、磁性材部材42を少なくとも有する複数の磁石極部31を備え、隣り合う磁石極部31の周方向対向面31aが第2中心線Lbに対して平行に形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、アキシャルギャップ型モータに関する。
従来、例えば回転軸方向の両側からロータを挟み込むようにして対向配置された1対のステータを備え、ロータの永久磁石による界磁磁束に対して、1対のステータを介した磁束ループを形成する軸ギャップ型の永久磁石同期機が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
上記特許文献1に係る永久磁石同期機は、両極磁石回転子、または片極磁石と磁性材とを組み合わせて構成した回転子に、ステータを対向配置して永久磁石同期機としてのアキシャルギャップ型モータを構成している。また、上記特許文献2に係る永久磁石同期機は、両極磁石と扇形の突極磁性材を用いた回転子に、ステータを対向配置して永久磁石同期機としてのアキシャルギャップ型モータを構成している。
特開平10−271784号公報 特開2001−136721号公報
ところで、上記従来技術に係る永久磁石同期機においては、回転子の磁石、及び固定子の鉄心(ティース)は、いずれも円周方向側面が半径方向に沿った扇形形状を有しており、回転子側と固定子側の極の切り替わりが外周側と内周側で同時に発生するため、トルクリップルやコギングトルクが大きくなるという問題があった。また、扇形形状の磁石の製造、及びスロット幅が径方向で異なる捲回巻積層構造の固定子の製造は、いずれもコストを増大させる問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、トルクリップルやコギングトルクを低減させて安定した滑らかな回転が可能なアキシャルギャップ型モータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、回転軸周りに回転可能なロータ(例えば、実施形態でのロータ11)と、該ロータを回転軸方向の両側から挟み込むようにして対向配置される一対のステータ(例えば、実施形態でのステータ12)と、を備えるアキシャルギャップ型モータであって、前記各ステータは、略円環板状のヨーク部(例えば、実施形態でのヨーク部21)と、前記ロータに対向する前記ヨーク部の対向面上で周方向に第1の間隔毎に前記ロータに向かって突出する複数のティース(例えば、実施形態でのティース22)と、を有すると共に、スロット(例えば、実施形態での径方向溝38)を画成する隣り合う前記ティース間の周方向対向面が、前記回転軸から半径方向に延びて該周方向対向面の周方向中間位置を通過する第1中間線に対して平行に形成され、前記ロータは、周方向に第2の間隔毎にそれぞれ配置されて、磁性材部材(例えば、実施形態での磁性材部材42)を少なくとも有する複数の極部(例えば、実施形態での磁石極部31)を備え、隣り合う前記極部の周方向対向面が、前記回転軸から半径方向に延びて該周方向対向面の周方向中間位置を通過する第2中間線に対して平行に形成されることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、前記ロータの極部は、主磁石部(例えば、実施形態での主磁石部41)と、前記複数の主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材(例えば、実施形態での第1磁性材部材42A)及び第2磁性材部材(例えば、実施形態での第2磁性材部材42B)、を有する前記磁性材部材と、を備えた磁石極部であり、前記ロータは、前記周方向に前記第2の間隔毎にそれぞれ配置されて、隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間にそれぞれ配置される複数の副磁石部(例えば、実施形態での副磁石部43)をさらに有し、且つ、前記副磁石部は、隣り合う前記第1磁性材部材の周方向対向面と隣り合う前記第2磁性部材の周方向対向面の一方と接触し、該周方向対向面間の幅と略同一の厚さを持った平行な両側面を有することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2の構成に加えて、前記主磁石部は、分割された複数の磁石(例えば、実施形態での第1及び第2主磁石部41C,41D)から構成され、前記複数の磁石の少なくとも一つは前記副磁石部と同一の磁石であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3の構成に加えて、前記主磁石部は、周方向中央に配置される略扇形板状の第1主磁石部(例えば、実施形態での第1主磁石部41C)と、周方向両側に配置され、前記副磁石部と同一の磁石である第2主磁石部(例えば、実施形態での第2主磁石部41D)と、を備え、前記第1主磁石部は、前記第2主磁石部の材料より磁束密度の高い組成の材料が用いられ、且つ、前記副磁石部及び前記第2主磁石部は、前記第1主磁石部の材料より耐減磁性能が高い組成の材料が用いられることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1の構成に加えて、前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備えた磁石極部であり、隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間には、空隙(例えば、実施形態での空隙G)が設けられることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1の構成に加えて、前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備えた磁石極部であり、隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間には、非磁性部材(例えば、実施形態でのロータフレーム33)が配置され、且つ、前記非磁性部材は、隣り合う前記第1磁性材部材の周方向対向面と隣り合う前記第2磁性材部材の周方向対向面の一方と接触し、該周方向対向面間の幅と略同一の厚さを持った平行な両側面を有することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1の構成に加えて、前記ロータの極部は、前記回転軸方向と平行な方向に貫通する極部貫通部(例えば、実施形態でのスリット45)を備えた前記磁性材部材によって構成される磁性材極部(例えば、実施形態での磁性材極部50)であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれかの構成に加えて、前記ステータの各ティースは、前記回転軸方向の先端部において周方向両側に突出する一対の爪部(例えば、実施形態での爪部23)を有し、前記スロットの開口を画成する、前記隣り合うティースに設けられた前記爪部の周方向対向面は前記第1中間線に対して平行に形成されることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、回転軸周りに回転可能なロータと、該ロータを回転軸方向の両側から挟み込むようにして対向配置される一対のステータと、を備えるアキシャルギャップ型モータであって、前記各ステータは、略円環板状のヨーク部と、前記ロータに対向する前記ヨーク部の対向面上で周方向に第1の間隔毎に前記ロータに向かって突出する複数のティースと、を有すると共に、スロットを画成する隣り合う前記ティース間の周方向対向面が、前記回転軸から半径方向に延びて該周方向対向面の周方向中間位置を通過する第1中間線に対して平行に形成され、前記ロータは、周方向に第2の間隔毎にそれぞれ配置される複数の磁性材部材を少なくとも有する極部を備え、隣り合う前記極部の周方向対向面は、該対向面間の幅が半径方向外方から内方に向かうに従って次第に大きくなるように形成されることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項9の構成に加えて、前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備える磁石極部であり、隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間には、空隙が設けられることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項9の構成に加えて、前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備える磁石極部であり、隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間には、非磁性部材が配置され、且つ、前記非磁性部材は、隣り合う前記第1磁性材部材の周方向対向面と隣り合う前記第2磁性材部材の周方向対向面の一方と接触し、幅が半径方向外方から内方に向かうに従って次第に大きくなるテーパ状の両側面を有することを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項9の構成に加えて、前記ロータの極部は、前記回転軸方向と平行な方向に貫通する極部貫通部を備えた前記磁性材部材によって構成される磁性材極部であることを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項9〜12のいずれかの構成に加えて、前記ステータの各ティースは、前記回転軸方向の先端部において周方向両側に突出する一対の爪部を有し、 前記スロットの開口を画成する、前記隣り合うティースに設けられた前記爪部の周方向対向面は前記第1中間線に対して平行に形成されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ロータの回転時における、ステータのティースの周方向対向面と、ロータの極部の周方向対向面との重なり合いは、径方向で同時には起こらず、外周側から内周側へ連続的に起こる。即ち、外周側と内周側とで位相差を持つ。これにより、トルクリップルやコギングトルクを低減させてアキシャルギャップ型モータを安定して滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することができる。
請求項2の発明によれば、所謂、主磁石部及び副磁石部のハルバッハ配列による磁束レンズ効果によって主磁石部及び副磁石部の磁束を収束させることができ、ステータの固定子巻線に鎖交する磁束量を増大させて出力トルクを増大させることができる。また、副磁石部は、直方体形状とすることができ、副磁石部の機能を損なうことなく加工コストの低減が可能となる。
請求項3の発明によれば、渦電流経路を短くして磁束の変化によって発生する渦電流損失を低減することができ、また、ロータに用いられる磁石の種類を増加することがないので製造コストを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、減磁性能に優れ、且つ高トルクを出力することができるロータを提供することができる。
請求項5の発明によれば、ハルバッハ配列されたロータと比較して、副磁石部を削減した分のコストを抑制することができる。また、磁石極部を収容するフレームの軽量化が図られると共に、各磁性材部材の周方向対向面間に金属製(導電体)の該フレームを配置した場合に発生する渦電流損を零または限りなく小さくすることができる。
請求項6の発明によれば、ハルバッハ配列されたロータと比較して、副磁石部を削減した分のコストを抑制することができると共に、より確実に主磁石部及び第1及び第2磁性材部材を保持することができる。
請求項7の発明によれば、磁性材極部に磁気突極性を付与することができ、一対のステータ間において磁性材極部を貫通する磁路が形成される。これにより、各ステータの固定子巻線による電流磁束に所望の磁気方向性を付与することができ、出力可能なトルクを増大させることができると共に、1対のステータ間での磁気抵抗の急激な変化を抑制するようにして、1対のステータの固定子巻線による電流磁束の波形整形を行うことができ、トルクリップルおよび電流磁束波形の高調波の発生を抑制し、鉄損失を低減することができる。
請求項8の発明によれば、固定子巻線をより確実にスロット内に保持することができ、さらに、ロータの回転時における、ティースの爪部の周方向対向面と、ロータの極部の周方向対向面との重なり合いも外周側から内周側へ連続的に起こる。これにより、トルクリップルやコギングトルクを低減させてアキシャルギャップ型モータを安定して滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することができる。
請求項9の発明によれば、ロータの回転時における、ステータのティースの周方向対向面と、ロータの極部の周方向対向面との重なり合いは、径方向で同時には起こらず、外周側から内周側へ連続的に起き、また、重なり合いの位相差を、大きくすることができる。これにより、トルクリップルやコギングトルクを効果的に低減させて、アキシャルギャップ型モータを滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することができる。
請求項10の発明によれば、磁石極部を収容するフレームの軽量化が図られると共に、各磁性材部材の周方向対向面間に金属製(導電体)の該フレームを配置した場合に発生する渦電流損を零または限りなく小さくすることができる。
請求項11の発明によれば、より確実に主磁石部及び第1及び第2磁性材部材を保持することができる。
請求項12の発明によれば、磁性材極部に磁気突極性を付与することができ、一対のステータ間において磁性材極部を貫通する磁路が形成される。これにより、各ステータの固定子巻線による電流磁束に所望の磁気方向性を付与することができ、出力可能なトルクを増大させることができると共に、1対のステータ間での磁気抵抗の急激な変化を抑制するようにして、1対のステータの固定子巻線による電流磁束の波形整形を行うことができ、トルクリップルおよび電流磁束波形の高調波の発生を抑制し、鉄損失を低減することができる。
請求項13の発明によれば、固定子巻線をより確実にスロット内に保持することができ、さらに、ロータの回転時における、ティースの爪部の周方向対向面と、ロータの極部の周方向対向面との重なり合いも外周側から内周側へ連続的に起こる。これにより、トルクリップルやコギングトルクを低減させてアキシャルギャップ型モータを安定して滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することができる。
以下、本発明の各実施形態に係るアキシャルギャップ型モータについて添付図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップ型モータについて図1〜図8を参照して説明する。
第1実施形態のアキシャルギャップ型モータ10は、図1から図3に示すように、このアキシャルギャップ型モータ10の回転軸O周りに回転可能に設けられた略円環状のロータ11と、回転軸Oの軸方向(以後、単に軸方向と言う)の両側からロータ11を挟みこむようにして対向配置され、ロータ11を回転させる回転磁界を発生する複数相の各固定子巻線を有する1対のステータ12,12とを備えて構成されている。
このアキシャルギャップ型モータ10は、例えばハイブリッド車両や電動車両等の車両に駆動源として搭載され、出力軸がトランスミッション(図示略)の入力軸に接続されることで、アキシャルギャップ型モータ10の駆動力がトランスミッションを介して車両の駆動輪(図示略)に伝達されるようになっている。
また、車両の減速時に駆動輪側からアキシャルギャップ型モータ10に駆動力が伝達されると、アキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、例えばハイブリッド車両においては、アキシャルギャップ型モータ10の回転軸が内燃機関(図示略)のクランクシャフトに連結されると、内燃機関の出力がアキシャルギャップ型モータ10に伝達された場合にもアキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
各ステータ12は、略円環板状のヨーク部21と、ロータ11に対向するヨーク部21の対向面上で周方向に第1の間隔D1(例えば、10°、図5参照。)毎にロータ11に向かって突出すると共に径方向に伸びる複数のティース22,…,22と、適宜のティース22,22間に装着される固定子巻線(図示略)とを備えて構成されている。
各ステータ12は、例えば主極が6個(例えば、U+,V+,W+,U−,V−,W−)とされた6N型であって、一方のステータ12の各U+,V+,W+極に対して、他方のステータ12の各U−,V−,W−極が軸方向で対向するように設定されている。例えば軸方向で対向する1対のステータ12,12に対し、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の一方に対応する一方のステータ12の3個のティース22,22,22と、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の他方に対応する他方のステータ12の3個のティース22,22,22とが、軸方向で対向するように設定され、軸方向で対向する一方のステータ12のティース22と、他方のステータ12のティース22とに対する通電状態が電気角で反転状態となるように設定されている。
図5に示すように、隣り合うティース22の周方向対向面22a,22a間には、スロットを画成する径方向溝38が形成されており、これらティース22の周方向対向面22a,22aは、回転軸Oから半径方向に延びて周方向対向面22a,22aの周方向中間位置を通過する第1中間線Laに対して平行に形成されている。なお、径方向溝38の幅、即ち、隣り合うティース22の周方向対向面22a間の幅W1は、4mm、6mm(図5(a)参照。)、或いは8mm(図5(b)参照。)と、固定子巻線に応じて設計される。
図5(a)及び(b)に示すように、回転軸中心OCと、ティース22の外周角部22b及び内周角部22cとを結ぶ線分L1、L2のなす角度α°は、ティース22の周方向対向面22a間の幅W1の幅が増加するにつれて大きくなる。
ロータ11は、図4及び図6に示すように、複数の磁石極部31,…,31と、複数の副磁石部43,…,43と、非磁性部材(例えば、アルミニウム)からなるロータフレーム33とを備えて構成される。複数の磁石極部31と複数の副磁石部43とは、それぞれ周方向に第2の間隔(例えば、30°間隔)毎に、周方向において交互に配置された状態で、ロータフレーム33内に収容されている。尚、ロータフレーム33は、非磁性部材であればよく、アルミニウムの他にも合成樹脂等とすることもできる。
ロータフレーム33は、周方向に第2の間隔D2毎にそれぞれ配置される複数の径方向リブ34,…,34によって接続された内周側筒状部35及び外周側筒状部36と、内周側筒状部35の内周面上から内方に向かい突出する円環板状に形成され、外部の駆動軸(例えば、車両のトランスミッションの入力軸等)に接続される接続部37とを備えて構成されている。径方向リブ34の軸方向幅、及び周方向厚さは一定であり、断面略矩形の角棒状に形成されている。本実施形態では、ロータフレーム33の内周側筒状部35が外部の駆動軸に接続されることから、内周側筒状部35がシャフト部となり、外周側筒状部36がリム部となる。
各磁石極部31は、図4に示すように、厚さ方向(つまり、軸方向)に磁化された略扇形板状の主磁石片である主磁石部41と、この主磁石部41を厚さ方向の両側から挟み込み、1対の第1磁性材部材42A及び第2磁性材部材42Bとを備える磁性材部材42で構成され、周方向で隣り合う磁石極部31,31の各主磁石部41,41は、磁化方向が互いに異方向となるように設定されている。第1磁性材部材42A及び第2磁性材部材42B厚さ方向の側面形状は、主磁石部41の側面形状と同一寸法の略扇形板状である。
周方向で隣り合う磁石極部31,31の周方向対向面31a,31a、即ち、主磁石部41,41の周方向対向面41a、41a、第1磁性材部材42A,42Aの周方向対向面42c、42c、及び第2磁性材部材42B,42Bの周方向対向面42d,42d(図4参照。)はそれぞれ、例えば、8mm、或いは6mmの幅W2を有し、回転軸Oから半径方向に延びて周方向対向面31a,31aの周方向中間位置を通過する第2中間線Lbに対して平行に形成されている。図6に示すように、回転軸中心OCと、磁石極部31の外周角部31b及び内周角部31cとを結ぶ線分L3、L4のなす角度β°は、磁石極部31の周方向対向面31a、31aの幅W2が増加するにつれて大きくなる。
そして、ロータフレーム33内に収容された複数の磁石極部31,…,31は、径方向の両側から内周側筒状部35と外周側筒状部36とにより挟み込まれると共に、径方向リブ34を介して周方向で隣り合うように配置されている。ロータフレーム33内において、各磁石極部31の主磁石部41は2つの径方向リブ34によって周方向の両側から挟み込まれている。主磁石部41、第1磁性材部材42A、及び第2磁性材部材42Bの軸方向の厚さはそれぞれ一定である。
第1磁性材部材42Aの周方向対向面42c,42c間、及び第2磁性材部材42Bの周方向対向面42d,42d間に接触して配置され、ロータフレーム33内において軸方向の両側からの径方向リブ34を挟み込むように対向配置された副磁石片である一対の副磁石部43,43は、それぞれ軸方向および径方向に直行する方向(即ち、略周方向)に磁化され、互いに磁化方向が異方向とされている。
即ち、軸方向の一方側に配置された1対の副磁石部43,43同士は、軸方向に磁化された主磁石部41の一方側の磁極と同極の磁極を対向させ、軸方向の他方側に配置された1対の副磁石部43,43同士は、軸方向に磁化された主磁石部41の他方側の磁極と同極の磁極を対向させるように配置されている。
具体的には、例えば軸方向の一方側がN極かつ他方側がS極とされた主磁石部41に対して、軸方向の一方側において第1磁性材部材42Aを周方向の両側から挟み込む1対の副磁石部43,43は、互いのN極が周方向で対向するように配置され、軸方向の他方側において第2磁性材部材42Bを周方向の両側から挟み込む1対の副磁石部43,43は、互いのS極が周方向で対向するように配置されている。これにより、所謂永久磁石のハルバッハ配置による磁束レンズ効果により、主磁石部41および各副磁石部43,43の各磁束が収束し、各ステータ12,12に鎖交する有効磁束が相対的に増大するようになっている。
各副磁石部43の軸方向の厚さは、径方向の内方から外方に向かい同等であって、かつ、周方向幅は、径方向の内方から外方に向かい同等である。即ち、副磁石部43は、隣り合う磁石極部31の周方向対向面間の幅W2と略同一の厚さを持った平行な両側面を有する略直方体である。
図7に示すように、周方向対向面22a、22a間の幅W1が8mmのティース22(ステータ12)と(図5(b)参照)、周方向対向面31a、31a間の幅W2が6mmの磁石極部31(ロータ11)(図6(b)参照)とが組み合わされたとき、回転軸中心OCとティース22の内周角部22cとを結ぶ線分L2と、回転軸中心OCと磁石極部31の内周角部31cとを結ぶ線分L4のなす角度は、(α+β)°となる(図7参照)。本実施形態におけるステータ12は、主極が6個(例えば、U+,V+,W+,U−,V−,W−)とされた6N型であるので、このときの電気角は(α+β)°×6となる。
周方向対向面22a,22a間の各幅W1(4mm,6mm,8mm)のティース22と、周方向対向面31a,31a間の各幅W2(6mm,8mm)の磁石極部31とが組み合わされたときの、それぞれの電気角を同様にして求めた結果を表1示す。尚、表1には、図8に示すように、磁石極部31の周方向対向面31a、31aが従来のように半径方向に沿って形成されたロータ11と、周方向対向面22a,22a間の各幅W1の各ステータ12との組み合わせにおける電気角も参考として同時に示している。
Figure 2009118594
表1から分かるように、電気角は、磁石極部31の周方向対向面31a、31aを半径方向に形成した従来のロータ11より、周方向対向面31a、31aを第2中間線Lbと平行に形成した本発明のロータ11の方が大きい。また、ティース22の周方向対向面22a,22a間の幅W1、及び磁石極部31の周方向対向面31a,31a間の幅W2が大きくなるに従って、電気角が次第に大きくなることが分かる。
この電気角を大きくすることにより、ロータ11の回転時における、ステータ12のティース22の周方向対向面22aと、ロータ11の磁石極部31の周方向対向面31aとの重なり合いが、電気角に比例した位相差を持ち、外周側から内周側へと連続的に起こる。これにより、トルクリップルやコギングトルクを低減させてアキシャルギャップ型モータ10を安定して滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することが可能となる。
なお、表1は、ティース22に一対の爪部が設けられる場合の周方向対向面間の各幅(2mm,4mm)と、周方向対向面31a,31a間の各幅W2(6mm,8mm)の磁石極部31との各電気角を求めた結果を表したものでもある。即ち、図9に示すように、ステータ11の各ティース22は、回転軸方向の先端部において周方向両側に突出する一対の爪部23,23を有してもよい。この場合、スロットの開口を画成する、隣り合うティース22,22に設けられた爪部23,23の周方向対向面23a,23aは、第1中間線Laに対して平行に形成される。例えば、図9(b)に示すように、ティース22,22の周方向対向面22a,22a間の幅W1は、6mmであり、爪部23,23の周方向対向面23a,23a間の幅W3は、2mmである。これにより、固定子巻線をより確実にスロット38内に保持することができ、さらに、ロータ11の回転時における、ティース22の爪部23の周方向対向面23aと、ロータ11の極部の周方向対向面との重なり合いも外周側から内周側へ連続的に起こる。これにより、トルクリップルやコギングトルクを低減させてアキシャルギャップ型モータを安定して滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することができる。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、ロータ11の隣り合う磁石極部31の周方向対向面31a,31aが、第2中間線Lbに対して平行に形成される。これにより、ロータ11の回転時における、ステータ12のティース22の周方向対向面22aと、ロータ11の磁石極部31の周方向対向面31a、即ち、主磁石部41の周方向対向面41a、及び第1及び第2磁性材部材42A,42Bの周方向対向面42c,42dとの重なり合いは、径方向で同時には起こらず、外周側から内周側へ連続的に起こる。即ち、外周側と内周側とで位相差を持つ。従って、トルクリップルやコギングトルクを低減させてアキシャルギャップ型モータ10を安定して滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することができる。
また、ロータ11は、磁石極部31が主磁石部41と、第1磁性材部材42A及び第2磁性材部材42Bを備えると共に、第1磁性材部材42Aの周方向対向面42c,42c間、及び第2磁性材部材42Bの周方向対向面42d、42d間に複数の副磁石部43を備えた、所謂、主磁石部41及び副磁石部43のハルバッハ配列を構成する。従って、この配列による磁束レンズ効果によって主磁石部41及び副磁石部43の磁束を収束させることができ、ステータ11の固定子巻線に鎖交する磁束量を増大させて出力トルクを増大させることができる。
さらに、副磁石部43は、隣り合う第1磁性材部材42A,42Aの周方向対向面42c,42cと隣り合う第2磁性部材42B,42Bの周方向対向面42d,42dの一方と接触し、該周方向対向面間の幅と略同一の厚さを持った平行な両側面を有することから、直方体形状に形成することができ、外周側と内周側との厚さが同じ厚さであるので、副磁石部43の機能を損なうことなく加工コストの低減が可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るアキシャルギャップ型モータについて図10を参照して説明する。尚、本実施形態は、第1磁性材部材、及び第2磁性材部材の周方向対向面間を空隙とした点において第1実施形態のものと異なる。その他の部分は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図10に示すように、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10では、ロータ11の磁石極部31は、第1実施形態と同様、周方向に第2の間隔D2毎にそれぞれ配置される複数の主磁石部41と、複数の主磁石部41を回転軸方向の両側から挟み込む複数の第1磁性材部材42A及び複数の第2磁性材部材42B、を有する複数の磁性材部材42と、を備える。一方、複数の第1磁性材部材42Aの周方向対向面42c,42c間、及び複数の第2磁性材部材42Bの周方向対向面42d,42d間には、副磁石部43を設けずに空隙Gが設けられる。
従って、第2実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、ハルバッハ配列された第1実施形態のロータと比較して、副磁石部を削減した分のコストを抑制することができる。また、磁石極部31を収容するロータフレーム33の軽量化を図ることができる。さらに、第1磁性材部材42Aの周方向対向面42c,42c間、及び、第2磁性部材42Bの周方向対向面42d、42d間に金属製(導電体)のロータフレーム33を配置した場合には、漏れ磁束の変動分で渦電流が発生することになるが、空隙Gを設けることでこのような渦電流の発生を抑制でき、渦電流損を零または限りなく小さくすることができる。
その他の構成及び効果は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様である。
(第3実施形態)
次に、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの第3実施形態について図11を参照して説明する。尚、本実施形態は、第1磁性材部材、及び第2磁性材部材の周方向対向面間に非磁性部材を配置した点において第1実施形態のものと異なる。その他の部分は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図11に示すように、第3実施形態のアキシャルギャップ型モータ10では、ロータ11の磁石極部31は、第1実施形態と同様、周方向に第2の間隔D2毎にそれぞれ配置される複数の主磁石部41と、複数の主磁石部41を回転軸方向の両側から挟み込む複数の第1磁性材部材42A及び複数の第2磁性材部材42B、を有する複数の磁性材部材42と、を有する。
一方、複数の第1磁性材部材42Aの周方向対向面42c,42c間、及び複数の第2磁性材部材42Bの周方向対向面42d,42d間には、非磁性部材であるロータフレーム33の径方向リブ34が配置されている。
即ち、ロータ11のロータフレーム33は、径方向リブ34がロータフレーム33の軸方向幅の全長に亘って形成されている。径方向リブ34は、隣り合う磁石極部31の周方向対向面31a,31a間の幅、即ち、主磁石部41の周方向対向面41a,41a間、及び第1及び第2磁性材部材42A,42Bの各周方向対向面42c,42c、42d,42d間の各幅と略同一の厚さを持った平行な両側面を有し、各周方向対向面41a,41a,42c,42c,42d,42dと接触する。
従って、第3実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、ハルバッハ配列された第1実施形態のロータと比較して、副磁石部を削減した分のコストを抑制することができると共に、より確実に磁石極部31を保持することができる。
その他の構成及び効果は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様である。
(第4実施形態)
次に、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの第4実施形態について図12を参照して説明する。尚、本実施形態は、ロータが磁性材部材からなる複数の磁性材極部で構成されている点において、第1実施形態のものと異なる。その他の部分は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図12に示すように、第4実施形態のロータ11は、それぞれ磁性材部材42によって構成される複数の磁性材極部50が、周方向に第2の間隔D2(例えば、30°間隔)毎に配置されて、ロータフレーム33に収容されている。磁性材極部50を構成する磁性材部材42は、ロータフレーム33内において、径方向の両側から内周側筒状部35と外周側筒状部36とにより挟み込まれると共に、径方向リブ34を介して周方向で隣り合うように配置されている。径方向リブ34の軸方向幅は、磁性材部材42の軸方向幅より短いので、隣接する磁性材部材42の周方向対向面42e,42e間には、径方向リブ34の軸方向両側に空隙Gが設けられる。隣り合う磁性材部材42の周方向対向面42e,42eは、第1実施形態と同様に、第2中間線Lbに対して平行に形成される。
磁性材極部50を構成する磁性材部材42は、例えば、電磁鋼板を径方向に積層することにより略扇形に形成されており、ロータ11の径方向に沿って形成され、軸方向と平行な方向に貫通する複数のスリット(極部貫通部)45を備える。複数のスリット45は、周方向に所定の間隔毎に配置される。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、磁性材部材42によって構成される磁性材極部50においても、隣り合う磁性材部材42(磁性材極部50)の周方向対向面42e,42eは、第2中間線Lbに対して平行に形成される。従って、第1実施形態と同様、ロータ11の回転時における、ステータ12のティース22の周方向対向面22aと、ロータ11の磁性材部材42の周方向対向面42eとの重なり合いは、径方向で同時には起こらず、外周側から内周側へ連続的に起こる。即ち、外周側と内周側とで位相差を持つ。これにより、トルクリップルやコギングトルクを低減させてアキシャルギャップ型モータ10を安定して滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することができる。
また、軸方向と平行な方向に貫通する複数のスリット45を磁性材極部50に設けることにより、磁性材極部50に磁気突極性を付与することができ、一対のステータ12、12間において磁性材極部50を貫通する磁路が形成される。これにより、各ステータ12の固定子巻線による電流磁束に所望の磁気方向性を付与することができ、出力可能なトルクを増大させることができると共に、1対のステータ12,12間での磁気抵抗の急激な変化を抑制するようにして、1対のステータ12,12の固定子巻線による電流磁束の波形整形を行うことができ、トルクリップルおよび電流磁束波形の高調波の発生を抑制し、鉄損失を低減することができる。
さらに、隣接する磁性材部材42の周方向対向面42e,42e間には、径方向リブ34の軸方向両側に空隙Gが設けられるので、磁石極部31を収容するロータフレーム33の軽量化を図ることができる。また、周方向対向面42e,42e間に金属製(導電体)のロータフレーム33を配置した場合には、漏れ磁束の変動分で渦電流が発生することになるが、空隙Gを設けることでこのような渦電流の発生を抑制でき、渦電流損を零または限りなく小さくすることができる。
その他の構成及び効果は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様である。
尚、図に示す本実施形態においては、それぞれの磁性材極部50に5本のスリット45を形成したが、スリット45の本数は任意である。また、それぞれの磁性材極部50に異なる本数(例えば、4、5、6本)のスリット45を形成すれば、各磁性材極部50に異なる磁気突極性を付与することができ、リランタンストルクの発生位相を異ならせて、トルクリップルやコギングトルクを更に低減させることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの第5実施形態について図13を参照して説明する。尚、本実施形態は、第1磁性材部材、及び第2磁性材部材の周方向対向面間に非磁性部材を配置した点において、第4実施形態のものと異なる。その他の部分は、第4実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図13に示すように、第5実施形態のアキシャルギャップ型モータ10では、第3実施形態と同様、複数の磁性材部材42(磁性材極部50)の周方向対向面42e,42e間には、非磁性部材であるロータフレーム33の径方向リブ34が配置されている。径方向リブ34は、該周方向対向面42e,42e間の幅と略同一の厚さを持った平行な両側面を有する。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、隣接する磁性材極部50を構成する磁性材部材42の周方向対向面42e,42e間で、径方向リブ34の軸方向両側を空隙Gとした第4実施形態のロータと比較して、より確実に磁性材極部50を保持することができる。
その他の構成及び効果は、第3及び第4実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様である。
(第6実施形態)
次に、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの第6実施形態について図14及び図15を参照して説明する。尚、本実施形態は、第1磁性材部材、及び第2磁性材部材の周方向対向面間の幅、及び、ロータフレームの径方向リブの形状において、第2実施形態のものと異なる。その他の部分は、第2実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図14及び図15示すように、第6実施形態のアキシャルギャップ型モータ10では、ロータ11の磁石極部31が、周方向に第2の間隔D2毎にそれぞれ配置される複数の主磁石部41と、複数の主磁石部41を回転軸方向の両側から挟み込む複数の第1磁性材部材42A及び複数の第2磁性材部材42B、を有する複数の磁性材部材42と、を備えて、ロータフレーム33に収容されている。
図15に示すように、隣り合う磁石極部31、31の周方向対向面31a、31a間の幅は、内周側における幅Caのほうが、外周側における幅Cbより広く(Ca>Cb)なっており、半径方向外方から内方に向かうに従って次第に大きくなるように形成されている。即ち、各磁石極部31の周方向対向面31aは、径方向に対して、内方に向かうに従って次第に離間するように傾斜した逆テーパ形状となっている。
また、ロータフレーム33の径方向リブ34は、軸方向幅が主磁石部41の厚さと同じ一定幅である一方、径方向幅が磁石極部31の周方向対向面31aの傾斜に対応して、半径方向外方から内方に向かうに従ってCbからCaへと次第に大きくなるように形成される。これにより、各主磁石部41の周方向対向面が径方向リブ34の周方向側面に接し、隣り合う第1磁性材部材42A、及び第2磁性材部材42Bの周方向対向面間には、空隙Gが設けられる。
磁石極部31の周方向対向面31aが、径方向に対して、内方に向かうに従って次第に離間するように傾斜した逆テーパ形状であることにより、図15に示すように、回転軸中心OCと磁石極部31の外周角部31bとを結ぶ線分L5と、回転軸中心OCと磁石極部31の内周角部31cとを結ぶ線分L6のなす角度は、β°である。
この結果、ステータ12のティース22と、ロータ11の磁石極部31との重なり合いのスキュー角(電気角)は、周方向対向面31aが径方向に対して平行である場合と比較して、更に大きくすることができる。これにより、更に効果的にトルクリップルやコギングトルクを低減させてアキシャルギャップ型モータ10を滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することが可能となる。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、ロータ11の隣り合う磁石極部31の周方向対向面31a,31aは、対向面31a,31a間の幅が半径方向外方から内方に向かうに従って次第に大きくなるように形成される。これにより、隣り合う極部の周方向対向面が平行に形成された場合と比較して、ロータ11の回転時における、ステータ12のティース22の周方向対向面22aと、ロータ11の磁石極部31の周方向対向面31aとの重なり合いの位相差を、更に大きくすることができる。これにより、トルクリップルやコギングトルクを更に効果的に低減させて、アキシャルギャップ型モータを滑らかに回転させると共に、電流磁束波形の高調波の発生を抑制して、鉄損失を低減することができる。
その他の構成及び効果は、第2実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様である。
(第7実施形態)
次に、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの第7実施形態について図16を参照して説明する。尚、本実施形態は、第1磁性材部材、及び第2磁性材部材の周方向対向面間に非磁性部材を配置した点において、第6実施形態のものと異なる。その他の部分は、第6実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図16に示すように、第7実施形態のアキシャルギャップ型モータ10では、第3実施形態と同様、複数の第1磁性材部材42Aの周方向対向面42c,42c間、及び複数の第2磁性材部材42Bの周方向対向面42d,42d間には、非磁性部材であるロータフレーム33の径方向リブ34が配置されている。
即ち、ロータ11のロータフレーム33では、径方向リブ34がロータフレーム33の軸方向幅の全長に亘って形成されている。また、径方向リブ34は、径方向幅が磁石極部31の周方向対向面31aの傾斜に対応して、半径方向外方から内方に向かうに従ってCbからCaへと次第に大きくなるように形成される。これにより、径方向リブ34の周方向側面は、各主磁石部41の周方向対向面41a,41a、第1磁性材部材42A、及び第2磁性材部材42Bの周方向対向面42c,42c,42d,42dと接触する。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、より確実に磁石極部31を保持することができる。
その他の構成及び効果は、第6実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様である。
(第8実施形態)
次に、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの第8実施形態について図17を参照して説明する。尚、本実施形態は、ロータが磁性材部材からなる複数の磁性材極部で構成されている点において、第6実施形態のものと異なる。その他の部分は、第6実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図17に示すように、第8実施形態のロータ11は、第4実施形態と同様、それぞれ磁性材部材42によって構成される複数の磁性材極部50が、周方向に第2の間隔D2(例えば、30°間隔)毎に配置されて、ロータフレーム33に収容されている。ロータフレーム33の径方向リブ34の軸方向幅は、磁性材極部42の軸方向幅より短いので、隣接する磁性材部材42の周方向対向面42e,42e間には、径方向リブ34の軸方向両側に空隙Gが設けられる。
なお、複数の磁性材極部50は、隣り合う磁性材部材42(磁性材極部50)の周方向対向面42a、42a間の幅が、半径方向外方から内方に向かうに従って次第に大きくなるように逆テーパ状に形成される以外は、第6実施形態と同様の構成である。従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、第4実施形態及び第6実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様の効果を奏する。
(第9実施形態)
次に、本発明に係るアキシャルギャップ型モータの第9実施形態について図18を参照して説明する。尚、本実施形態は、第1磁性材部材、及び第2磁性材部材の周方向対向面間に非磁性部材を配置した点において、第8実施形態のものと異なる。その他の部分は、第8実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図18に示すように、第9実施形態のアキシャルギャップ型モータ10では、第3及び第5実施形態と同様、磁性材極部50を構成する、隣り合う磁性材部材42の周方向対向面42e,42e間には、非磁性部材であるロータフレーム33の径方向リブ34が配置されている。径方向リブ34は、ロータフレーム33の軸方向幅の全長に亘って形成され、径方向幅が磁石極部31の周方向対向面31aの傾斜に対応して、半径方向外方から内方に向かうに従ってCbからCaへと次第に大きくなるように形成される。なお、複数の磁性材極部42Bは、第8実施形態のものと同様の構成を有する。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、第3及び第5実施形態及び第8実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様の効果を奏する。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態に係るアキシャルギャップ型モータについて図19〜図21を参照して説明する。尚、本実施形態は、ロータの主磁石部及び副磁石部が分割される点において第1実施形態のものと異なる。その他の部分は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図19に示すように、第10実施形態のアキシャルギャップ型モータ10は、周方向に2分割された互いに同一形状の主磁石部41A、41Bと、径方向に2分割された互いに同一形状の副磁石部43A、43Bと、を有する。
ロータ11の磁石極部31の周方向対向面31a、即ち、主磁石部41A,41Bの周方向対向面41a、及び第1及び第2磁性材部材42A,42Bの周方向対向面42c,42dは、第2中間線Lbと平行に形成される。各副磁石部43A,43Bは、隣り合う磁石極部31の周方向対向面31a間の幅W2と略同一の厚さを持った平行な両側面を有する略直方体である。また、各主磁石部41A、41B、及び各副磁石部43A、43Bの磁化方向は、第1実施形態の主磁石部41及び副磁石部43と同様である。
このように、主磁石部41及び副磁石部43を分割することで、磁束の変化によって発生する渦電流損失を減少することができる。図20及び図21は、磁界の強さ±12.3kA/m(±154Oe)、周波数2kHzの交番磁界中に、50×50×10mmのNd(ネオジウム)磁石を置いた場合の渦電流損失を計算した例である。図20に示すように、磁石を分割しない場合(図20(a))と比較して、6分割した場合(図20(b))には、渦電流経路が細かくなる。渦電流損失は、図21に示すように、磁石の分割数に反比例し、磁石を分割するほど渦電流損失が減少することが分かる(参考文献: 青山,松岡:「交番磁界中の永久磁石における渦電流損失の解析」,電学回転機研資, RM-01-112(2001)、青山,大橋,宮田:「交番磁界中の永久磁石における渦電流損失の解析と実験」,電学回転機研資,RM-02-135 (2002) )。また、この場合、分割することにより磁石形状のアスペクト比が大きくなる相乗効果もあって、磁石の分割数が増えるほど損失の抑制効果が大きくなる。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、主磁石部41及び副磁石部43が、分割された複数の主磁石部41A,41B及び複数の副磁石部43A,43Bから構成されるので、渦電流経路を短くして磁束の変化によって発生する主磁石部41及び副磁石部43における渦電流損失を低減することができる。
その他の構成及び効果については、第1実施形態のものと同様である。
(第11実施形態)
次に、本発明に係る分割された主磁石部を備えるアキシャルギャップ型モータの第11実施形態について図22から図24を参照して説明する。尚、本実施形態は、ロータの主磁石部が分割される点において第1実施形態のものと異なる。その他の部分は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図22に示すように、第11実施形態の主磁石部41は、周方向に3分割されて構成されている。即ち、主磁石部41は、略扇形板状の1個の第1主磁石部41Cと、その周方向両側に配置された直方体形状の一対の第2主磁石部41Dとから構成されている。第2主磁石部41Dは、副磁石部43と同一のものであり、同一形状、同一特性を有する。上記したように、第2主磁石部41Dと副磁石部43とを同一磁石で共用することにより、ロータ11を構成する磁石の種類の増加を最小限に抑えて製造コストを抑制し、且つ渦電流損失の低減を図ることができる。更に、分割することによって各磁石の大きさが小さくなるので、製造時のバレル研磨工程での磁石同士の衝突による欠けや割れの発生が低減し、歩留りが向上する。
また、図22に示すように、第1主磁石部41Cの周方向両側に一対の第2主磁石部41Dを配置する場合、第1主磁石部41Cと第2主磁石部41Dとを仕様が異なる磁石の組み合わせとして、磁石トルクの増大を図ることも可能である。即ち、副磁石部43は、ステータ12の電流磁束に曝されるため高い耐減磁性能(保持力)が要求される。一方、主磁石部41は、副磁石部43近傍の両端部では反磁界が強いものの、中央部では比較的反磁界が弱い。従って、主磁石部41の両端部には、耐減磁性能の優れた磁石を、また中央部には残留磁束密度が高く、高トルクを出力可能な磁石を配置することができる。
具体的には、第1主磁石部41Cとして、図24に示す保持力(耐減磁性能)はそれほど高くないものの、残留磁束密度が高い領域Aに含まれるNd−Fe−B系焼結磁石を用い、第2主磁石部41D及び副磁石部43として、残留磁束密度はそれほど高くないものの保持力(耐減磁性能)が高い領域Bに含まれるNd−Fe−B系焼結磁石を用いることによって、減磁性能に優れ、且つ高トルクを出力することができるロータ11とすることができる。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10によれば、主磁石部41が、分割された複数の主磁石部41C,41Dから構成されるので、渦電流経路を短くして磁束の変化によって発生する渦電流損失を低減することができる。また、分割された一対の第2主磁石部41Dは、副磁石部43と同一の磁石であるので、ロータ11に用いられる磁石の種類を増加することがなく、製造コストを抑制することができる。
また、主磁石部41は、略扇形板状の第1主磁石部41Cと、該第1主磁石部の周方向両側に配置され、副磁石部43と同一の磁石である第2主磁石部41Dと、を備え、前記第1主磁石部41Cは、第2主磁石部41Dの材料より残留磁束密度が高いNd−Fe−B系焼結磁石が用いられ、且つ、副磁石部43及び第2主磁石部41Dは、第1主磁石部41Cの材料より耐減磁性能が高いNd−Fe−B系焼結磁石が用いられるので、減磁性能に優れ、且つ高トルクを出力することができるロータ11とすることができる。
その他の構成及び効果については、第1実施形態のものと同様である。
なお、本実施形態の変形例として、図25に示すロータ11のように、主磁石部41は周方向に3分割され、略扇形板状の2個の第1主磁石部41Cと、該2個の第1主磁石部41Cによって周方向の両側から挟持される直方体形状の第2主磁石部41Dとから構成されてもよい。即ち、第2主磁石部41Dは、副磁石部43と同一のものであり、同一形状、同一特性を有する。
これにより、本実施形態の主磁石部41は、第2主磁石部41Dと副磁石部43とが同一磁石で共用されるので、ロータ11を構成する磁石の種類の増加を最小限に抑えて製造コストを抑制し、且つ渦電流損失の低減を図ることができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
上述した実施形態では、極部は、複数の磁石極部、或いは複数の磁性材極部によって構成されているが、本発明の極部は、図26及び図27に示すように、磁石極部と磁性材極部が交互に配置される構成であってもよい。
即ち、図26に示すように、隣り合う磁石極部31と磁性材極部50の周方向対向面31a,42eが、上述した第2中間線Lbに対して平行に形成されてもよいし、図27に示すように、隣り合う磁石極部31と磁性材極部50の周方向対向面31a,42eが、該対向面間の幅が半径方向外方から内方に向かうに従って次第に大きくなるように形成されてもよい。なお、ロータフレーム33は、図26,27のものに限らず、上述した周方向対向面31a,42e間に空隙Gを設ける形状であってもよい。
本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの全体斜視図である。 図1におけるアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 図1におけるロータ及びステータの側面図である。 図1におけるロータの分解斜視図である。 図1におけるステータの要部断面図である。 図1におけるロータの要部断面図である。 周方向対向面の間隔が8mmのティース22と、対向面の間隔が6mmの磁石極部とが組み合わされたときのスキュー角を示す説明図である。 磁石極部の対向面が径方向に形成された従来のロータの要部側面図である。 (a)は、本発明のステータの変形例を示す拡大斜視図であり、(b)は、(a)の測面図である。 本発明の第2実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第4実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第5実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第6実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 図14に示すロータの要部側面図である。 本発明の第7実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第8実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第9実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第10実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの分解斜視図である。 磁石の分割による効果を説明する説明図である。 磁石の分割数と渦電流損失との関係を示すグラフである。 本発明の第11実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータの分解斜視図である。 図22に示す磁石極部の平面図である。 保持力(耐減磁性能)と残留磁束密度との関係を示すグラフである。 本発明の第11実施形態の変形例に係るアキシャルギャップ型モータのロータの分解斜視図である。 本発明の変形例に係る極部が磁石極部と磁性材極部によって構成されるアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の他の変形例に係る極部が磁石極部と磁性材極部によって構成されるアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。
符号の説明
10 アキシャルギャップ型モータ
11 ロータ
12 ステータ
21 ヨーク部
22 ティース
22a ティースの周方向対向面
23 爪部
23a 爪部の周方向対向面
31 磁石極部
31a 磁石極部の周方向対向面
34 径方向リブ(非磁性部材)
41(41A、41B、41C、41D)主磁石部
41a 主磁石部の周方向対向面
42 磁性材部材
42A 第1磁性材部材
42B 第2磁性材部材
42c 第1磁性材部材の周方向対向面
42d 第2磁性材部材の周方向対向面
42e 磁性材部材の周方向対向面
43(43A、43B)副磁石部
50 磁性材極部
D1 第1の間隔
D2 第2の間隔
G 空隙
La 第1中心線
Lb 第2中心線
O 回転軸

Claims (13)

  1. 回転軸周りに回転可能なロータと、
    該ロータを回転軸方向の両側から挟み込むようにして対向配置される一対のステータと、
    を備えるアキシャルギャップ型モータであって、
    前記各ステータは、略円環板状のヨーク部と、前記ロータに対向する前記ヨーク部の対向面上で周方向に第1の間隔毎に前記ロータに向かって突出する複数のティースと、を有すると共に、スロットを画成する隣り合う前記ティース間の周方向対向面が、前記回転軸から半径方向に延びて該周方向対向面の周方向中間位置を通過する第1中間線に対して平行に形成され、
    前記ロータは、周方向に第2の間隔毎にそれぞれ配置されて、磁性材部材を少なくとも有する複数の極部を備え、隣り合う前記極部の周方向対向面が、前記回転軸から半径方向に延びて該周方向対向面の周方向中間位置を通過する第2中間線に対して平行に形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  2. 前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備えた磁石極部であり、
    前記ロータは、前記周方向に前記第2の間隔毎にそれぞれ配置されて、隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間にそれぞれ配置される複数の副磁石部をさらに有し、且つ、
    前記副磁石部は、隣り合う前記第1磁性材部材の周方向対向面と隣り合う前記第2磁性材部材の周方向対向面の一方と接触し、該周方向対向面間の幅と略同一の厚さを持った平行な両側面を有することを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  3. 前記主磁石部は、分割された複数の磁石から構成され、前記複数の磁石の少なくとも一つは前記副磁石部と同一の磁石であることを特徴とする請求項2に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  4. 前記主磁石部は、周方向中央に配置される略扇形板状の第1主磁石部と、周方向両側に配置され、前記副磁石部と同一の磁石である第2主磁石部と、を備え、
    前記第1主磁石部は、前記第2主磁石部の材料より磁束密度の高い組成の材料が用いられ、且つ、
    前記副磁石部及び前記第2主磁石部は、前記第1主磁石部の材料より耐減磁性能が高い組成の材料が用いられることを特徴とする請求項3に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  5. 前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備えた磁石極部であり、
    隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間には、空隙が設けられることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  6. 前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備えた磁石極部であり、
    隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間には、非磁性部材が配置され、且つ、
    前記非磁性部材は、隣り合う前記第1磁性材部材の周方向対向面と隣り合う前記第2磁性材部材の周方向対向面の一方と接触し、該周方向対向面間の幅と略同一の厚さを持った平行な両側面を有することを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  7. 前記ロータの極部は、前記回転軸方向と平行な方向に貫通する極部貫通部を備えた前記磁性材部材によって構成される磁性材極部であることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  8. 前記ステータの各ティースは、前記回転軸方向の先端部において周方向両側に突出する一対の爪部を有し、
    前記スロットの開口を画成する、前記隣り合うティースに設けられた前記爪部の周方向対向面は前記第1中間線に対して平行に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアキシャルギャップ型モータ。
  9. 回転軸周りに回転可能なロータと、
    該ロータを回転軸方向の両側から挟み込むようにして対向配置される一対のステータと、
    を備えるアキシャルギャップ型モータであって、
    前記各ステータは、略円環板状のヨーク部と、前記ロータに対向する前記ヨーク部の対向面上で周方向に第1の間隔毎に前記ロータに向かって突出する複数のティースと、を有すると共に、スロットを画成する隣り合う前記ティース間の周方向対向面が、前記回転軸から半径方向に延びて該周方向対向面の周方向中間位置を通過する第1中間線に対して平行に形成され、
    前記ロータは、周方向に第2の間隔毎にそれぞれ配置されて、磁性材部材を少なくとも有する複数の極部を備え、隣り合う前記極部の周方向対向面は、該対向面間の幅が半径方向外方から内方に向かうに従って次第に大きくなるように形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  10. 前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備える磁石極部であり、
    隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間には、空隙が設けられることを特徴とする請求項9に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  11. 前記ロータの極部は、主磁石部と、前記主磁石部を前記回転軸方向の両側から挟み込む第1磁性材部材及び第2磁性材部材、を有する前記磁性材部材と、を備える磁石極部であり、
    隣り合う前記磁石極部の前記第1磁性材部材の周方向対向面間、及び前記第2磁性材部材の周方向対向面間には、非磁性部材が配置され、且つ、
    前記非磁性部材は、隣り合う前記第1磁性材部材の周方向対向面と隣り合う前記第2磁性材部材の周方向対向面の一方と接触し、幅が半径方向外方から内方に向かうに従って次第に大きくなるテーパ状の両側面を有することを特徴とする請求項9に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  12. 前記ロータの極部は、前記回転軸方向と平行な方向に貫通する極部貫通部を備えた前記磁性材部材によって構成される磁性材極部であることを特徴とする請求項9に記載のアキシャルギャップ型モータ。
  13. 前記ステータの各ティースは、前記回転軸方向の先端部において周方向両側に突出する一対の爪部を有し、
    前記スロットの開口を画成する、前記隣り合うティースに設けられた前記爪部の周方向対向面は前記第1中間線に対して平行に形成されることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のアキシャルギャップ型モータ。
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