JP2009117940A - 無線ダイバーシティ受信装置および受信方法 - Google Patents

無線ダイバーシティ受信装置および受信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アンテナ障害発生時にも有効な移動局送信電力制御を可能にする。
【解決手段】基地局装置は、移動局から送信され複数のアンテナ102,103で受信したマルチパスの信号をレイク合成する合成部206と、レイク合成に使用されたパスを示す選択結果情報に基づいてアンテナ障害を検出するアンテナ障害検出部207と、アンテナ障害の検出状況に応じてセルの総受信電力値を計算し、計算したセルの総受信電力値が目標総受信電力値と一致するように電力制御情報を出力する移動局制御部208と、電力制御情報を移動局に送信して、この移動局の送信電力制御を行う送受信部202,203とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば移動通信システムにおいてダイバーシティ受信機能を備えた基地局装置などの無線ダイバーシティ受信装置に関し、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)方式における上り高速化技術であるHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)において、移動局毎の送信電力を制御することにより無線ダイバーシティ受信装置における上りの総受信電力を制御し伝送速度を高速化する技術に関するものである。
移動通信システムの基地局装置においては、基地局とアンテナの間の監視対象外の箇所での障害発生時に長期的な統計データにより通信サービスが低下したことが発覚するため、障害を検出するまでに時間がかかり、MTBF(Mean Time Between Failure )が劣化することがあった。
これに対して、特許文献1には、複数のアンテナを有する受信装置において、アンテナの受信信号から障害に関する情報を得る技術が開示されている。
また、特許文献2には、アンテナ受信状態に応じてレイク合成の対象とするアンテナを切り換える技術が開示されている。
特表2002−535915号公報 特許第3095065号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示された技術では、アンテナ障害を検出できたとしても、アンテナ障害発生時には正しい総受信電力測定ができないため、基地局装置で行う移動局電力制御が正しく動作しないという問題点があった。
アンテナ障害により、低い総受信電力値が計算された場合には、移動局送信電力制御により過剰な電力送信を要求してしまい、干渉電力が大きくなるため、基地局装置での受信特性が劣化する結果となる。また、高い総受信電力値が計算された場合には、移動局送信電力制御により過小な電力送信要求しか行わずに、セルとしての有効な電力リソース利用ができない結果、セル内でのスループットが低い結果となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、アンテナ障害をアンテナ受信信号から検出し、アンテナ障害がセルの総受信電力値の計算結果に与える影響を抑制することにより、アンテナ障害発生時にも有効な移動局送信電力制御を可能にすることを目的とする。
本発明の無線ダイバーシティ受信装置は、移動局から送信され複数のアンテナで受信したマルチパスの信号をレイク合成する合成手段と、前記レイク合成に使用されたパスを示す選択結果情報に基づいてアンテナ障害を検出するアンテナ障害検出手段と、前記アンテナ障害の検出状況に応じてセルの総受信電力値を計算し、計算したセルの総受信電力値が目標総受信電力値と一致するように電力制御情報を出力する移動局制御手段と、前記電力制御情報を前記移動局に送信して、この移動局の送信電力制御を行う送信手段とを備えるものである。
また、本発明の無線ダイバーシティ受信装置の1構成例において、前記移動局制御手段は、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生したアンテナの総受信電力値を除いて前記セルの総受信電力値を計算するようにしたものである。
また、本発明の無線ダイバーシティ受信装置の1構成例において、前記移動局制御手段は、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生していないアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数を障害が発生したアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数よりも大きくして、重み付け後の総受信電力値の平均値を前記セルの総受信電力値とするようにしたものである。
さらに、本発明の無線ダイバーシティ受信装置の1構成例において、前記移動局制御手段は、前記アンテナ障害が継続している場合に、障害が発生していないアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数を漸次大きくし、前記アンテナ障害が一定時間以上継続した場合には、障害が発生したアンテナの総受信電力値を除いて前記セルの総受信電力値を計算するようにしたものである。
また、本発明の無線ダイバーシティ受信装置の1構成例において、前記合成手段は、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生したアンテナの受信信号を、前記レイク合成を行う際のアンテナ受信信号の選択から除くようにしたものである。
また、本発明の無線ダイバーシティ受信装置の1構成例において、前記合成手段は、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生していないアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数を障害が発生したアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数よりも大きくして、前記レイク合成を行うようにしたものである。
さらに、本発明の無線ダイバーシティ受信装置の1構成例において、前記合成手段は、前記アンテナ障害が継続している場合に、障害が発生していないアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数を漸次大きくし、前記アンテナ障害が一定時間以上継続した場合には、障害が発生したアンテナの受信信号を、前記レイク合成を行う際のアンテナ受信信号の選択から除くようにしたものである。
また、本発明の無線ダイバーシティ受信装置の1構成例において、前記アンテナ障害検出手段は、前記選択結果情報を積算し、積算した全ての選択結果情報の数に対して一方のアンテナを到着点とするパスを含む選択結果情報の数の割合が所定の閾値を超える場合は、他方のアンテナに障害が発生していると判定し、この判定後に、前記割合が前記閾値以下となった場合は、前記他方のアンテナの障害が復旧したと判定するものである。
また、本発明の無線ダイバーシティ受信装置の1構成例において、前記アンテナ障害検出手段は、前記選択結果情報に含まれるパスをアンテナ毎に積算し、一方のアンテナを到着点とするパスの数に対して他方のアンテナを到着点とするパスの数の比率が所定の閾値を超える場合は、前記一方のアンテナに障害が発生していると判定し、この判定後に、前記比率が前記閾値以下となった場合は、前記一方のアンテナの障害が復旧したと判定するものである。
また、本発明の無線ダイバーシティ受信方法は、移動局から送信され複数のアンテナで受信したマルチパスの信号をレイク合成する合成ステップと、前記レイク合成に使用されたパスを示す選択結果情報に基づいてアンテナ障害を検出するアンテナ障害検出ステップと、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生したアンテナの総受信電力値を除いてセルの総受信電力値を計算し、計算したセルの総受信電力値が目標総受信電力値と一致するように電力制御情報を出力する総受信電力値計算ステップと、前記電力制御情報を前記移動局に送信して、この移動局の送信電力制御を行う送信ステップとを備えるものである。
本発明によれば、レイク合成に使用されたパスを示す選択結果情報に基づいてアンテナ障害を検出し、アンテナ障害の検出状況に応じてセルの総受信電力値を計算するようにしたので、アンテナ障害発生時にも有効な移動局送信電力制御を行うことができる。また、本発明では、アンテナ受信信号の劣化の影響を受けることなく移動局送信電力制御が可能となるので、アンテナ障害発生時でも有効にセルの電力リソース制御を行い、ユーザ及びセルのスループットの最適化を行うことができる。
本発明は、例えば移動通信システムにおいてダイバーシティ受信機能を備えた基地局装置などの無線ダイバーシティ受信装置に関し、符号分割多元接続(CDMA)方式における上り高速化技術であるHSUPAにおいて、移動局毎の送信電力を制御することにより無線ダイバーシティ受信装置における上りの総受信電力を制御し伝送速度を高速化する技術に関する。
基地局装置では、アンテナ位置の異なる2系統またはそれ以上の多系統のアンテナの受信信号を受信してそれぞれのアンテナ受信信号における総受信電力を測定し、アンテナごとの測定結果を用いてセル単位での総受信電力を算出する。しかし、基地局装置とアンテナの間の監視対象外の箇所でアンテナ受信信号に関する障害が発生した場合、総受信電力の測定値が不正となり、セル単位で計算する総受信電力の精度が劣化するため、アンテナ障害検出対策が必要となる。また、レイク合成復号時の利得の劣化を防ぐ対策も必要となる。
そこで、本発明の実施例では、アンテナ受信信号からアンテナ障害を検出し、総受信電力測定時やアンテナ受信信号の合成時に、障害が発生したアンテナの総受信電力値や受信信号を使用するかどうかの選択を可能にすることを特徴としている。
[第1実施例]
以下、本発明を実施するための最良の形態について、W−CDMA標準技術を前提に説明する。W−CDMAの従来技術と同じ点については、適宜説明を簡略にする。なお、この実施例は、本願発明の技術的範囲を制限するものではない。
図1は本発明の第1実施例に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。移動局101は、携帯電話機等の無線通信端末である。アンテナ102,103は、同一の基地局装置106の通信範囲である1つのセル内に設置された2系統のアンテナである。エリア104,105は、それぞれアンテナ102,103がカバーする無線区域である。
図1において、移動局101は、エリア104,105の重複領域に位置している。移動局101と基地局装置106との間では、目標受信品質と実際の受信品質との比較結果に基づいてそれぞれ対向装置(移動局101の対向装置は基地局装置106、基地局装置106の対向装置は移動局101)に対して、電力制御情報を送信し、対向装置の送信電力制御を行っている。
基地局制御装置107は、基地局装置106を制御する装置であり、基地局装置106と通信接続されている。基地局制御装置107は、移動局101の呼び出し、ハンドオーバ等に際してパスの設定・削除等の制御を行う。
交換局108は、図1の移動通信システムによって構成される移動網と例えば公衆電話網などの他の網(不図示)との回線交換を行う装置であり、基地局制御装置107を介して基地局装置106と接続される。基地局装置106および交換局108を介して移動局101と他の網の通信相手とを接続することにより、移動局101と通信相手との間で通信が行われる。
図2は基地局装置106の構成を示すブロック図である。ここでは、2系統のアンテナ受信系を持ち、アンテナ間をレイク合成受信する基地局装置106の受信に関して説明する。
無線ダイバーシティ受信装置である基地局装置106は、送受信部202,203と、合成部206と、アンテナ障害検出部207と、移動局制御部208とを有する。送受信部202,203は、後述する電力制御情報を移動局101に送信する送信手段を構成している。
アンテナ102,103が移動局101から受信した信号は、それぞれ送受信部202,203へ入力される。送受信部202,203は、それぞれアンテナ102,103が受信したアンテナ受信信号をベースバンド帯の信号に変換する。また、送受信部202,203は、それぞれアンテナ102,103が受信した信号の総受信電力値を計算し、計算した総受信電力値を移動局制御部208に通知する。さらに、送受信部202,203は、移動局制御部208から通知された電力制御情報をそれぞれアンテナ102,103から移動局101に送信する。
合成部206は、送受信部202,203によってベースバンド帯に変換された信号を合成し、合成結果の信号を基地局制御装置107に出力する。また、合成部206は、この合成のために使用したパスを示す選択結果情報をアンテナ障害検出部207に出力する。
アンテナ障害検出部207は、合成部206から出力された選択結果情報に基づきアンテナ障害を検出し、移動局制御部208にアンテナ障害情報を通知する。また、アンテナ障害検出部207は、合成部206に対してもアンテナ障害情報を通知する。
移動局制御部208は、アンテナ障害が発生していないと認識した場合、送受信部202,203から通知された総受信電力値を基にセルの総受信電力値を計算する。また、移動局制御部208は、更新されたアンテナ障害情報により、アンテナ障害が発生したと認識した場合、障害が発生したアンテナの総受信電力値を除いてセルの総受信電力値を計算する。そして、移動局制御部208は、計算したセルの総受信電力値が目標総受信電力値と一致するように電力制御情報を送受信部202,203に出力する。
移動局制御部208から出力された電力制御情報は、送受信部202,203からアンテナ102,103を介して移動局101に送信される。こうして、セルの総受信電力値が目標総受信電力値に近づくように移動局101の送信電力制御が行われる。
以上詳細に実施例の構成を述べたが、図1の基地局制御装置107と交換局108は、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成は省略する。
次に、図2の合成部206の動作を、図3に示すレイク合成時の合成処理イメージと図4に示すフローチャートを使用して説明する。図3では横軸が時間、縦軸がアンテナ受信信号の信号強度を示している。実線で示すアンテナ受信信号S102はアンテナ102で受信した信号、点線で示すアンテナ受信信号S103はアンテナ103で信号した信号である。図4は、レイク合成時のパスの選択結果情報を用いてアンテナ障害を検出するアルゴリズムのフローチャートを示している。
アンテナ102,103で受信されるアンテナ受信信号には、電波の伝搬途中のマルチパスによって受信信号強度が変動するフェージング現象が発生し、信号強度の高い部分に時間差が生じる。
合成部206は、この時間差が発生したマルチパスでもレイク合成が可能となるように複数のパスを監視している。ここでは、例として合成対象のパスを5つとし、合成対象のパスは受信信号強度が高い順番に選択されることとする。
図3の例では、丸印が付与されているアンテナ受信信号が、合成部206によって合成対象として選択されたパスの信号である。図3の例では、アンテナ102を到着点とするパスのアンテナ受信信号のみがレイク合成の対象として選択されている。
また、状況によっては、アンテナ103を到着点とするパスのアンテナ受信信号のみがレイク合成の対象として選択される。さらに、アンテナ102を到着点とするパスのアンテナ受信信号とアンテナ103を到着点とするパスのアンテナ受信信号の両方からレイク合成の対象が選択されることもある。
本実施例では、レイク合成のために使用したパスを示す情報を選択結果情報と呼ぶこととする。
合成部206は、選択したパスのアンテナ受信信号を合成して、合成結果の信号を基地局制御装置107に出力する。
選択結果情報の出力からアンテナ障害を検出するまでの合成部206およびアンテナ障害検出部207の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。
合成部206は、レイク合成のために使用したパスを示す選択結果情報をアンテナ障害検出部207に出力する(ステップS401)。
アンテナ障害検出部207は、選択結果情報をセル毎及びサンプリング周期Ts毎に積算する(ステップS402)。ここで、選択結果情報の積算とは、アンテナ102を到着点とするパスを含む選択結果情報、アンテナ103を到着点とするパスを含む選択結果情報、アンテナ102を到着点とするパスとアンテナ103を到着点とするパスの両方を含む選択結果情報の3種類に分類して、選択結果情報を種類毎に数えることを言う。
そして、アンテナ障害検出部207は、一定時間Td(Td>Ts)の選択結果情報の積算結果から、アンテナ障害を検出する(ステップS403)。
アンテナ障害検出部207は、積算した選択結果情報の中に、アンテナ102を到着点とするパスのみを含む選択結果情報と、アンテナ102を到着点とするパスとアンテナ103を到着点とするパスの両方を含む選択結果情報とが存在し、アンテナ103を到着点とするパスのみを含む選択結果情報が存在しない場合において、積算した全ての選択結果情報の数Nallに対してアンテナ102を到着点とするパスを含む選択結果情報の数N102の割合N102/Nallが所定の閾値(x%)を超える場合は、アンテナ103に障害が発生していると判定する(ステップS403)。
また、アンテナ障害検出部207は、積算した選択結果情報の中に、アンテナ103を到着点とするパスのみを含む選択結果情報と、アンテナ102を到着点とするパスとアンテナ103を到着点とするパスの両方を含む選択結果情報とが存在し、アンテナ102を到着点とするパスのみを含む選択結果情報が存在しない場合において、積算した全ての選択結果情報の数Nallに対してアンテナ103を到着点とするパスを含む選択結果情報の数N103の割合N103/Nallが所定の閾値(x%)を超える場合は、アンテナ102に障害が発生していると判定する(ステップS403)。
アンテナ障害検出部207は、ステップS403においてアンテナ障害を検出しなかった場合は、ステップS401に戻り、ステップS401〜S403の処理を一定時間Td毎に繰り返す。また、アンテナ障害検出部207は、ステップS403においてアンテナ障害を検出した場合は、アンテナ障害情報を更新して移動局制御部208に通知し(S404)、ステップS401に戻る。このとき、更新後のアンテナ障害情報は、アンテナ102又は103に障害が発生していることを示している。
また、アンテナ障害検出部207は、アンテナ103に障害が発生していると判定した後に、ステップS401〜S403の処理を繰り返しているときに、一定時間Tdで積算した全ての選択結果情報の数Nallに対してアンテナ102を到着点とするパスを含む選択結果情報の数N102の割合N102/Nallが閾値(x%)以下となった場合は、アンテナ103の障害が復旧したと判定する(ステップS403)。
同様に、アンテナ障害検出部207は、アンテナ102に障害が発生していると判定した後に、ステップS401〜S403の処理を繰り返しているときに、一定時間Tdで積算した全ての選択結果情報の数Nallに対してアンテナ103を到着点とするパスを含む選択結果情報の数N103の割合N103/Nallが閾値(x%)以下となった場合は、アンテナ102の障害が復旧したと判定する(ステップS403)。
アンテナ障害検出部207は、ステップS403においてアンテナ障害の復旧を検出した場合は、アンテナ障害情報を更新して移動局制御部208に通知し(S404)、ステップS401に戻る。このとき、更新後のアンテナ障害情報は、アンテナ102又は103の障害が復旧したことを示している。
以上のようにして、ステップS401〜S404の処理が一定時間Td毎に繰り返される。アンテナ障害検出判定では、特定の区間ごとに単純移動平均または個々の情報に重み付けを行う加重移動平均などが考えられる。移動平均に関しては一般的によく知られているため、その詳細な説明は省略する。
移動局制御部208は、セル毎の総受信電力値を計算する。このとき、移動局制御部208は、当該セルに関係するアンテナ毎の総受信電力値(送受信部202,203から通知される総受信電力値)を平均して当該セルの総受信電力値を計算するが、アンテナ障害検出部207から通知されるアンテナ障害情報が更新された場合には、アンテナ障害情報を考慮して総受信電力値を計算する。
すなわち、移動局制御部208は、更新されたアンテナ障害情報により、アンテナ102又は103に障害が発生したと認識した場合、障害が発生したアンテナ102又は103の総受信電力値を除いてセルの総受信電力値を計算する。例えばセルに関係するアンテナが102,103の2本の状態で、アンテナ102に障害が発生した場合には、アンテナ103の総受信電力値がそのままセルの総受信電力値となる。
また、移動局制御部208は、更新されたアンテナ障害情報により、アンテナ102又は103の障害が復旧したと認識した場合、障害が復旧したアンテナ102又は103の総受信電力値を含めてセルの総受信電力値を計算する。例えばアンテナ102の障害が復旧した場合には、アンテナ102の総受信電力値とアンテナ103の総受信電力値との平均値をセルの総受信電力値とする。
以上説明したように、本実施例においては、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は、基地局装置にて基地局装置とアンテナ間のハードウェアにて障害が検出できない場合に、アンテナ受信信号のパスの信号強度のみからアンテナ障害を検出できることである。
第2の効果は、基地局装置にてアンテナ受信信号のパスの信号強度からアンテナ障害を検出できるので、アンテナ受信信号の劣化の影響を受けることなく、移動局の送信電力制御が可能となることである。
第3の効果は、アンテナ受信信号の劣化の影響を受けることなく移動局の送信電力制御が可能となるので、アンテナ障害発生時でも有効にセルの電力リソース制御を行い、ユーザ及びセルのスループットの最適化を行うことができることである。
第4の効果は、本実施例によりアンテナ障害を検出すれば、通信サービス低下時間を短縮化しMTBF(Mean Time Between Failure )の向上が可能となることである。受信系の障害を検出できないために通信サービスが低下するような現象が発生しうるが、長期的な統計データにより通信サービスが低下したことが発覚するような障害に対しても、本実施例によれば、アンテナ障害を短時間で検出できるので、通信サービス低下時間を短縮化することができる。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について説明する。図5は本発明の第2実施例に係る基地局装置106の構成を示すブロック図であり、図2と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施例は、第1実施例をより具体的に説明するものであり、基地局装置106は、送受信部202,203と、復調部204,205と、合成部206と、アンテナ障害検出部207と、移動局制御部208とを有する。
復調部204,205は、それぞれ送受信部202,203によってベースバンド帯に変換された信号に対して復調処理を行い、復調した信号を合成部206に出力する。
合成部206は、復調部204,205から出力された信号を合成し、合成結果の信号を基地局制御装置107に出力する。また、合成部206は、この合成のために使用したパスを示す選択結果情報をアンテナ障害検出部207に出力する。その他の構成は第1実施例と同じなので、説明は省略する。
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について説明する。本実施例においても、移動通信システムの構成は第1実施例、第2実施例と同様であるので、図1、図2、図5の符号を用いて説明する。
本実施例において、基地局装置106のアンテナ障害検出部207は、合成部206に対してもアンテナ障害情報を通知する。
合成部206は、更新されたアンテナ障害情報により、アンテナ障害が発生したと認識した場合、障害が発生したアンテナの受信信号を、レイク合成を行う際のアンテナ受信信号の選択から除外する。
障害が発生したアンテナの受信信号をレイク合成の対象としてしまうと、レイク合成による利得を得られず劣化が発生するが、本実施例によれば、レイク合成結果が劣化することを抑制することができる。
[第4実施例]
次に、本発明の第4実施例について説明する。第1実施例、第2実施例では、アンテナ102,103の両方からレイク合成した場合はアンテナ障害ではない可能性がある。そこで、本実施例では、両アンテナからレイク合成した結果を除く。
すなわち、基地局装置106のアンテナ障害検出部207は、積算した選択結果情報の中にアンテナ103を到着点とするパスのみを含む選択結果情報が存在しない場合において、積算した全ての選択結果情報の数Nallに対してアンテナ102を到着点とするパスのみを含む選択結果情報の数N’102の割合N’102/Nallが所定の閾値(y%)を超える場合は、アンテナ103に障害が発生していると判定する(ステップS403)。
また、アンテナ障害検出部207は、積算した選択結果情報の中にアンテナ102を到着点とするパスのみを含む選択結果情報が存在しない場合において、積算した全ての選択結果情報の数Nallに対してアンテナ103を到着点とするパスのみを含む選択結果情報の数N’103の割合N’103/Nallが所定の閾値(y%)を超える場合は、アンテナ102に障害が発生していると判定する(ステップS403)。
さらに、アンテナ障害検出部207は、アンテナ103に障害が発生していると判定した後に、ステップS401〜S403の処理を繰り返しているときに、積算した全ての選択結果情報の数Nallに対してアンテナ102を到着点とするパスのみを含む選択結果情報の数N’102の割合N’102/Nallが閾値(y%)以下となった場合は、アンテナ103の障害が復旧したと判定する(ステップS403)。
また、アンテナ障害検出部207は、アンテナ102に障害が発生していると判定した後に、ステップS401〜S403の処理を繰り返しているときに、積算した全ての選択結果情報の数Nallに対してアンテナ103を到着点とするパスのみを含む選択結果情報の数N’103の割合N’103/Nallが閾値(y%)以下となった場合は、アンテナ102の障害が復旧したと判定する(ステップS403)。
こうして、本実施例では、アンテナ障害検出の確実性を増すことができる。
[第5実施例]
次に、本発明の第5実施例について説明する。本実施例は、図4のステップS403で行う判定方法に関して、レイク合成に使用したアンテナ毎のパス数を積算し、アンテナ102と103の比率が所定の閾値(z%)を超えたときにアンテナ障害とするものである。
より、具体的には、基地局装置106のアンテナ障害検出部207は、選択結果情報に含まれるパスをアンテナ毎に積算し(ステップS402)、アンテナ102を到着点とするパスの数NP102に対してアンテナ103を到着点とするパスの数NP103の比率NP103/NP102が閾値(Z%)を超える場合は、アンテナ102に障害が発生していると判定する(ステップS403)。また、アンテナ障害検出部207は、アンテナ103を到着点とするパスの数NP103に対してアンテナ102を到着点とするパスの数NP102の比率NP102/NP103が閾値(Z%)を超える場合は、アンテナ103に障害が発生していると判定する(ステップS403)。
さらに、アンテナ障害検出部207は、アンテナ102に障害が発生していると判定した後に、比率NP103/NP102が閾値(Z%)以下となった場合は、アンテナ102の障害が復旧したと判定する(ステップS403)。また、アンテナ障害検出部207は、アンテナ103に障害が発生していると判定した後に、比率NP102/NP103が閾値(Z%)以下となった場合は、アンテナ103の障害が復旧したと判定する(ステップS403)。
[第6実施例]
次に、本発明の第6実施例について説明する。第1実施例、第2実施例では、障害が発生したアンテナの総受信電力値を除いてセルの総受信電力値を計算し、第3実施例では、障害が発生したアンテナの受信信号を、レイク合成を行う際のアンテナ受信信号の選択から除外している。
これに対して、基地局装置106のアンテナ障害検出部207がアンテナ障害を検出した場合に、移動局制御部208は、障害が発生していないアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数と障害が発生したアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数とを変えて、障害が発生していないアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数の方を大きくし、障害が発生してないアンテナの重み付け後の総受信電力値と障害が発生したアンテナの重み付け後の総受信電力値との平均値をセルの総受信電力値としてもよい。これにより、アンテナ障害が総受信電力値の計算結果に与える影響を少なくすることができる。
また、移動局制御部208は、アンテナ障害が継続している場合、障害が発生していないアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数の方を徐々に大きくしていき、アンテナ障害が一定時間以上継続した場合には、障害が発生したアンテナの総受信電力値をセルの総受信電力値の計算から除くようにしてもよい。
また、合成部206は、アンテナ障害検出部207がアンテナ障害を検出した場合、第1実施例と同様にパスを選択した後、障害が発生していないアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数と障害が発生したアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数とを変えて、障害が発生していないアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数の方を大きくした上で、アンテナ受信信号を合成するようにしてもよい。これにより、アンテナ障害がレイク合成結果に与える影響を少なくすることができる。
また、合成部206は、アンテナ障害が継続している場合、障害が発生していないアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数の方を徐々に大きくしていき、アンテナ障害が一定時間以上継続した場合には、障害が発生したアンテナの受信信号を、レイク合成を行う際のアンテナ受信信号の選択から除くようにしてもよい。
本発明は、ダイバーシティ受信機能を備えた基地局装置などの無線ダイバーシティ受信装置に適用することができる。
本発明の第1実施例に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施例に係る移動通信システムの基地局装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施例に係る基地局装置の合成部におけるレイク合成動作を示す図である。 本発明の第1実施例に係る基地局装置の合成部とアンテナ障害検出部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施例に係る移動通信システムの基地局装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
101…移動局、102,103…アンテナ、104,105…エリア、106…基地局装置、107…基地局制御装置、108…交換局、202,203…送受信部、204,205…復調部、206…合成部、207…アンテナ障害検出部、208…移動局制御部。

Claims (10)

  1. 移動局から送信され複数のアンテナで受信したマルチパスの信号をレイク合成する合成手段と、
    前記レイク合成に使用されたパスを示す選択結果情報に基づいてアンテナ障害を検出するアンテナ障害検出手段と、
    前記アンテナ障害の検出状況に応じてセルの総受信電力値を計算し、計算したセルの総受信電力値が目標総受信電力値と一致するように電力制御情報を出力する移動局制御手段と、
    前記電力制御情報を前記移動局に送信して、この移動局の送信電力制御を行う送信手段とを備えることを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  2. 請求項1記載の無線ダイバーシティ受信装置において、
    前記移動局制御手段は、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生したアンテナの総受信電力値を除いて前記セルの総受信電力値を計算することを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  3. 請求項1記載の無線ダイバーシティ受信装置において、
    前記移動局制御手段は、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生していないアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数を障害が発生したアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数よりも大きくして、重み付け後の総受信電力値の平均値を前記セルの総受信電力値とすることを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  4. 請求項3記載の無線ダイバーシティ受信装置において、
    前記移動局制御手段は、前記アンテナ障害が継続している場合に、障害が発生していないアンテナの総受信電力値に掛ける重み付け係数を漸次大きくし、前記アンテナ障害が一定時間以上継続した場合には、障害が発生したアンテナの総受信電力値を除いて前記セルの総受信電力値を計算することを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線ダイバーシティ受信装置において、
    前記合成手段は、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生したアンテナの受信信号を、前記レイク合成を行う際のアンテナ受信信号の選択から除くことを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線ダイバーシティ受信装置において、
    前記合成手段は、前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生していないアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数を障害が発生したアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数よりも大きくして、前記レイク合成を行うことを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  7. 請求項6記載の無線ダイバーシティ受信装置において、
    前記合成手段は、前記アンテナ障害が継続している場合に、障害が発生していないアンテナの受信信号に掛ける重み付け係数を漸次大きくし、前記アンテナ障害が一定時間以上継続した場合には、障害が発生したアンテナの受信信号を、前記レイク合成を行う際のアンテナ受信信号の選択から除くことを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の無線ダイバーシティ受信装置において、
    前記アンテナ障害検出手段は、前記選択結果情報を積算し、積算した全ての選択結果情報の数に対して一方のアンテナを到着点とするパスを含む選択結果情報の数の割合が所定の閾値を超える場合は、他方のアンテナに障害が発生していると判定し、この判定後に、前記割合が前記閾値以下となった場合は、前記他方のアンテナの障害が復旧したと判定することを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の無線ダイバーシティ受信装置において、
    前記アンテナ障害検出手段は、前記選択結果情報に含まれるパスをアンテナ毎に積算し、一方のアンテナを到着点とするパスの数に対して他方のアンテナを到着点とするパスの数の比率が所定の閾値を超える場合は、前記一方のアンテナに障害が発生していると判定し、この判定後に、前記比率が前記閾値以下となった場合は、前記一方のアンテナの障害が復旧したと判定することを特徴とする無線ダイバーシティ受信装置。
  10. 移動局から送信され複数のアンテナで受信したマルチパスの信号をレイク合成する合成ステップと、
    前記レイク合成に使用されたパスを示す選択結果情報に基づいてアンテナ障害を検出するアンテナ障害検出ステップと、
    前記アンテナ障害が検出された場合に、障害が発生したアンテナの総受信電力値を除いてセルの総受信電力値を計算し、計算したセルの総受信電力値が目標総受信電力値と一致するように電力制御情報を出力する総受信電力値計算ステップと、
    前記電力制御情報を前記移動局に送信して、この移動局の送信電力制御を行う送信ステップとを備えることを特徴とする無線ダイバーシティ受信方法。
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