JP2009116126A - 異方性拡散媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロジェクションスクリーン用に特に適した異方性拡散媒体の提供。
【解決手段】入射角により拡散性が変化し、該拡散性において散乱中心軸を有する異方性拡散媒体において、該異方性拡散媒体表面上に引いた所定の直線と、その直線から立ち上げた法線とを含む面内にある複数の散乱中心軸の向きが、直線の一端から他端に変位するにつれて次第に変化することを特徴とする異方性拡散媒体。また、複数の散乱中心軸の延長戦が集束する集束領域を形成するように配向している異方性拡散媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、入射角に応じて透過光の拡散性が変化する異方性拡散媒体及びそれを使用したプロジェクタ用スクリーンに関するものである。
光拡散性を有する部材は、古くから照明器具や建材に使われていただけでなく、最近のディスプレイ、特にLCDにおいても広く利用されている。これら光拡散部材の光拡散発現機構としては、表面に形成された凹凸による散乱(表面散乱)、マトリックス樹脂とその中に分散されたフィラー間の屈折率差による散乱(内部散乱)、及び表面散乱と内部散乱の両方によるものが挙げられる。但し、これら光拡散部材は、一般にその拡散性能は等方的であり、入射角度を少々変化させても、その透過光の拡散特性が大きく異なることはなかった。尚、本明細書及び本特許請求の範囲では「拡散」と「散乱」の2つの言葉を同じ意味として区別せずに使用している。
しかしながら、昨今、特定の角度からの入射光だけを選択的に散乱することができるという光制御板なる特殊な光拡散部材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上の光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組成物に、特定方向から紫外線を照射して硬化させたプラスチックシートであり、そのシートに対して特定の角度をなす入射光のみを選択的に散乱させるというものである。
この光制御板を作製するための材料としては、上述の「それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上の光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組成物」以外にも、ウレタンアクリレートオリゴマーを含む組成物が開示されている(例えば、特許文献2〜4参照)。また、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物Aと、このAとの屈折率差が0.01以上である重合性炭素−炭素二重結合を有しない化合物Bとの組み合わせや、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を複数有し、その硬化前後の屈折率差が0.01以上である化合物が列挙されており(例えば、特許文献5参照)、更に、ラジカル重合性化合物とビニルエーテルを官能基に有するカチオン重合性化合物との組み合わせも開示されている(例えば、特許文献6参照)。
この光制御板は、上記の材料をシート状に固定し、その上空から線状光源を用いて平行な光を照射して硬化せしめたものである。そして、シート状の基体内には、図9に示すように、屈折率の異なる板状の領域が互いに平行に形成されているといわれている。特定の角度からの入射光だけを選択的に散乱することができるという散乱特性の入射角依存性は、図10に示すように、図示しない光源と受光器3との間にサンプルを配置し、サンプル表面の直線Lを中心として角度を変化させながらサンプルを直進透過して受光器3に入る直線透過光量を測定することにより得られる。この方法で測定した光制御板の散乱特性の入射角依存性は、図11に示されるように、光制御板作製時にその上空に配置した線状光源を光制御板表面に投影した線が上記の直線Lに相当し、これを中心にして光制御板を回転させた場合に観察されるものである。ここで、図11から分かるように、線状光源の投影線と直交する線(図9のA−A線)を中心に回転した場合は、散乱特性の入射角依存性がほとんど見られないか、先の線状光源の投影線を中心に回転させた場合(図9のB−B線)とは大きく異なる散乱特性の入射角依存性を有するものである(図11中の「長辺軸回転」が図9のA−A線軸回転であり、「短辺軸回転」が図9のB−B線軸回転である)。ここで、図11において散乱特性の入射角依存性を示す曲線を今後「光学プロファイル」と称することにする。尚、この光学プロファイルは、散乱特性を直接表現しているものではないが、直線透過光量が低下することで逆に拡散透過光量が増大していると解釈すれば、概ね拡散特性を示しているといえる。
ところで、本発明者等は、上記の光制御板と同じような材料を用いながら、線状ではなく、点状光源から反射鏡やレンズを使用して平行にした光線を法線方向から照射することで、表面上にいかなる方向の直線Lを設定してこれを中心にして回転させても、散乱特性の入射角依存性がほとんど同じである異方性拡散媒体を作製出来ることを見出し特許出願済みである(特許文献7参照)。この場合、その内部には図12に示すように、法線方向に配向した複数の柱状体が集合した領域が形成されている。
上記の異方性拡散媒体は、直線Lを任意の方向でサンプル上に設けてもほぼ同じ散乱特性の入射角依存性を示すことが出来る、即ち、図13に示すように、その光学プロファイルは入射角の方向に依存性がないものである。ここで、図13の光学プロファイルは、ほぼ0度を中心に対称になっており(散乱中心軸)、内部の柱状体が配向している方向と一致している。したがって、異方性拡散媒体の作製時に平行光線を傾けて照射した場合は、その光線の進行方向に沿って柱状体が配向するため(図14参照)、当然散乱中心軸は0度から外れた値を取る結果、光学プロファイルはボトムが左右のいずれかに移動した形となる。この場合は、光学プロファイル測定時の直線Lの取り方により光学プロファイルは変化するが、大部分の場合、散乱特性は入射角依存性を有しており、先の光制御板とはこの点で異なっている。
この異方性拡散媒体は、液晶パネルのバックライトの拡散フィルムや、液晶パネルの視野角制御用フィルム、プロジェクションスクリーンの拡散部材としての用途展開が考えられる。このうち、特許文献8では、プロジェクションスクリーン用途に対して、上述の内部に柱状体構造を有する異方性拡散媒体を適用することが提案されている。図15は、当該特許の代表図である。ここで、1が柱状レンズシート(柱状体構造の異方性拡散媒体)、2が透明基材、3が光反射層である。プロジェクターからスクリーンへの入射光線の方向と柱状体の配向方向とがほぼ一致した場合、正面方向で極めて高いゲインが得られるとされている。
このことは本特許の発明者も確認しているが、スクリーンが大きい場合は周囲の輝度やコントラストが低下し、またプロジェクター光をスクリーンの上側や下側から照射する場合には、プロジェクターから遠い側の輝度やコントラストが低下するという問題を見出している。これを改良するためには、例えば図13の光学プロファイルをV型(又はW型)と表現すれば、そのボトムを大きく拡げたU型にする、光学プロファイルの異なる(柱状体の配向方向を異にする)複数の異方性拡散媒体を積層する等が考えられるが、製造が困難であったり、コストアップになってしまう問題があった。
そこで、本発明は、以上の従来技術を踏まえて、プロジェクションスクリーン用に特に適した異方性拡散媒体を提供することを目的とする。
特開平1−77001号公報 特開平1−147405号公報 特開平1−147406号公報 特開平2−54201号公報 特開平3−109501号公報 特開平6−9714号公報 特開2005−265915 特開2005−326824
本発明者らは、前記課題の下、鋭意研究の結果、以下の発明(1)〜(5)に到達したものである。即ち、本発明(1)は、入射角により拡散性が変化し、該拡散性において散乱中心軸を有する異方性拡散媒体において、該異方性拡散媒体表面上に引いた所定の直線と、その直線から立ち上げた法線とを含む面内にある複数の散乱中心軸の向きが、直線の一端から他端に変位するにつれて次第に変化することを特徴とする異方性拡散媒体である。
本発明(2)は、前記複数の散乱中心軸の延長線が集束する集束領域を形成するように配向している、前記発明(1)の異方性拡散媒体である。
本発明(3)は、前記発明(1)又は(2)の異方性拡散媒体を有するプロジェクタ用スクリーンである。
本発明(4)は、光硬化性樹脂層上に点光源を配置する工程と、当該点光源から光を照射する工程と、を含むことを特徴とする、その層を貫く方向に配向した複数の散乱中心軸が硬化樹脂層の平面方向に亘って形成されている異方性拡散媒体の製造方法である。
本発明(5)は、光硬化性樹脂層上に線状光源を配置する工程と、当該光硬化性樹脂層と線状光源との間に、当該光源の線状の方向と垂直な方向に複数の遮光平板を配置する工程と、当該線状光源から光を照射する工程と、を含むことを特徴とする、その層を貫く方向に配向した複数の柱状体が硬化樹脂層の平面方向に亘って形成されている異方性拡散媒体の製造方法である。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書における各用語の定義を説明する。「散乱中心軸」とは、従来技術の欄で説明した測定方法(図10参照)に従い得られた光学プロファイルにおいて、直線透過光量が低下した「略対称の谷領域」における、その軸方向を中心として異方散乱特性が略対称性を示す軸のことである。図3は、各種光学プロファイルにおける散乱中心軸を概念的に示した図である。まず、図3(a)は、全体形状が左右対象である光学プロファイル(W型)である場合における散乱中心軸である。次に、図3(b)は、全体形状が左右対象である光学プロファイル(U型)である場合における散乱中心軸である。そして、図3(c)は、全体形状が左右対象でない光学プロファイル(W型)である場合の散乱中心軸である。このように、いずれの場合も、散乱中心軸は、まず略対称となる谷領域に着目した上で、当該谷領域の中心を特定することにより決定される。ここで、図3(a)及び図3(c)の場合、当該谷領域は、左右に極小値を含み、それら極小値間に極大値を含む。そして、この極大値の位置が散乱中心軸となる。図3(b)の場合、当該谷領域は、極大値を含まない略平坦域を含む。そして、この略平坦域の中心位置が散乱中心軸となる。「集束領域」は、散乱中心軸の延長線が集束する、面外に存在する領域を指す限り特に限定されず、一点に集束する場合、一直線に集束する場合、ある平面(例えば円形)に集束する場合、ある空間(例えば球径)に集束する場合、のいずれをも包含する。また、集束領域の位置は、図4(a)に示すように異方性拡散媒体の真上でも、図4(b)に示すように異方性拡散媒体の真上から外れた地点にあってもよい。
また、本発明の最良形態(1)は、硬化樹脂層を有する異方性拡散媒体であって、その層を貫く方向に配向した複数の柱状体が前記硬化樹脂層の平面方向に亘って形成されている異方性拡散媒体において、前記硬化樹脂層の平面上の少なくとも所定の一直線の真下に存在する前記柱状体が有する長軸の前記硬化樹脂層の膜厚方向に対する傾斜角が、前記一直線の一端から他端に変位するにつれて次第に変化することを特徴とする異方性拡散媒体である。
本発明の最良形態(2)は、前記複数の柱状体が、当該柱状体の長軸方向の延長線が集束する集束領域を形成するように配向している、前記最良形態(1)の異方性拡散媒体である。
本発明の最良形態(3)は、前記最良形態(1)又は(2)の異方性拡散媒体を有するプロジェクタ用スクリーンである。
ここで、「集束領域」は、柱状体の長軸の延長線が集束する、面外に存在する領域を指す限り特に限定されず、一点に集束する場合、一直線に集束する場合、ある平面(例えば円形)に集束する場合、ある空間(例えば球径)に集束する場合、のいずれをも包含する。
以下、まず、本発明の特徴である異方性拡散媒体の性質を説明し、次に、当該特徴的性質を実現するための最良形態を詳述する。但し、あくまで最良形態であるので、本発明は以下の最良形態に限定されるものではない。
《異方性拡散媒体の性質》
本発明に係る異方性拡散媒体は、入射角により拡散性が変化し、該拡散性において散乱中心軸を有する異方性拡散媒体において、該異方性拡散媒体表面上に引いた所定の直線と、その直線から立ち上げた法線とを含む面内にある複数の散乱中心軸の向きが、直線の一端から他端に変位するにつれて次第に変化することを特徴とする。ここで、本発明に係る異方性拡散媒体の一例を示した図1を参照しながら、本発明に係る異方性拡散媒体の当該特徴的性質を説明する。尚、図1(a)は、ある異方性拡散媒体の直線X部分での切断図であり、図1(b)は、直線X上の所定領域における光学プロファイルを示した図である。そこで、当該直線X上のある三領域(X、X、X)に着目し、当該点における散乱中心軸及び集束領域を具体的に説明する。まず、図1(b)(1)における、当該直線X上の領域Xにおける光学プロファイルは、図10に示される方法において、光源からの直進光を受ける位置に領域Xを配し、これを線Xと直交する面上の線を中心に回転{図1(a)参照}させることにより測定されたものである。この光学プロファイルから、当該領域Xにおける散乱中心軸は、面の法線(0°)に対してθずれた位置に存在する。即ち、図1(a)の図では、当該領域Xから、面の法線に対して時計回りにθずれた位置に散乱中心軸が延びている。同様に、図1(b)(2)における、当該直線X上の領域Xにおける光学プロファイルは、図10に示される方法において、光源からの直進光を受ける位置に領域Xを配し、これを線Xと直交する面上の線を中心に回転{図1(a)参照}させることにより測定されたものである。この光学プロファイルから、当該領域Xにおける散乱中心軸は、面の法線(0°)と一致する。即ち、図1(a)の図では、当該領域Xから、面の法線と同一の散乱中心軸が延びている。同様に、図1(b)(3)における、当該直線X上の領域Xにおける光学プロファイルは、図10に示される方法において、光源からの直進光を受ける位置に領域Xを配し、これを線Xと直交する面上の線を中心に回転{図1(a)参照}させることにより測定されたものである。この光学プロファイルから、当該領域Xにおける散乱中心軸は、面の法線(0°)に対してθずれた位置に存在する。即ち、図1(a)の図では、当該領域Xから、面の法線に対して反時計回りにθずれた位置に散乱中心軸が延びている。このように、本発明に係る異方性拡散媒体は、図1(a)に示すように、その幅方向で散乱中心軸が徐々に変化する。
次に、本発明に係る異方性拡散媒体は、直線Xと当該直線から立ち上げた法線とを含む面内にある複数の散乱中心軸が所定領域に集束することが好適である。具体的には、図1(a)を参照しながら説明すると、前述の三領域(X、X、X)における、前記面に存在する散乱中心軸を延長した場合、これらの軸は集束領域Rで集束する。このような集束領域Rを有することで、当該領域R近傍に点光源を設置した場合、少なくともこれら領域(X、X、X)においては、散乱中心軸と平行に光が入射する結果、理想的な光拡散性を発揮することが可能となる。
ここで、図1は異方性拡散媒体上の一つの直線Xのみについて説明したが、当該直線X以外にも本発明の特徴的性質を充足する直線が多々存在することが好適である。図2は、他にも当該直線を有する異方性拡散媒体の典型例である。まず、図2(a)は、直線Xの領域Xでの散乱中心軸を通る、面内に存在するすべての線(図ではX〜Xを例示)が、同一の集束領域Rに集束する異方性拡散媒体を示した図である。この場合、当該集束領域R近傍に点光源を設置すれば、異方性拡散媒体の全領域において散乱中心軸とほぼ平行に光が入射する結果、理想的な光拡散性を発揮することが可能となる。次に、図2(b)は、直線Xと平行する、面内に存在する多数の線(図ではX〜Xを例示)が、当該線の真上に存在する集束領域(図ではR〜Rを例示)にそれぞれ集束する異方性拡散媒体を示した図である。この場合、当該集束領域R近傍に線光源を設置すれば、異方性拡散媒体のほぼ全領域において散乱中心軸と平行に光が入射する結果、理想的な光拡散性を発揮することが可能となる。
このように、本発明に係る異方性拡散媒体は、散乱中心軸とほぼ平行に入射した光は強く拡散して透過するが、散乱中心軸とは異なる方向からの入射光はそれほどの拡散を受けずに透過する性質を有する。したがって、当該異方性拡散媒体では、その面外に存在する集束領域近傍から発する入射光に対しては、その面内の全ての部分において強い拡散透過を生じることになる。このような性質はスクリーンの面内輝度の均一化に特に有効である。ここで、図5のA)は、先の特開2005−326824と同じように散乱中心軸が一定の従来の異方性拡散媒体を使用した場合を示した図であり、図5のB)は、散乱中心軸の傾きが連続的に変化する本発明に係る異方性拡散媒体を使用した場合(かつ、その傾きのほぼ延長線上にプロジェクターを配置した場合)を示した図である。A)では、スクリーンの中央部ではプロジェクターからの入射角と散乱中心軸の傾きとがほぼ一致しているため強く拡散されて、観察者の方に反射することになるが、スクリーンの上部や底部では、プロジェクターからの入射角と散乱中心軸の傾き方向とが一致しないため背後の反射層で正反射してしまい観察者側へ届く光量が低下し、結果的に輝度やコントラストが低下することになる。一方、B)の場合、スクリーンの全ての位置において、散乱中心軸の傾きがプロジェクターからの入射角とほぼ一致するため、いずれの場所からも投影光は強く拡散され観察者側へ反射されることになるのである。即ち、スクリーン全面に亘って輝度やコントラストの均一性を向上することが出来るのである。尚、B)の場合、散乱中心軸の傾きがプロジェクターではなく観察者とスクリーンの各点とを結ぶ直線方向に沿ったように並んだ場合も同様の優れた特性を示すことが出来る。
《異方性拡散媒体の構造》
次に、本発明に係る異方性拡散媒体の構造を説明する。前述した本発明の特徴を異方性拡散媒体に付与するには、特許文献7(特開2005−265915)の技術を応用することが好適である。そこで、以下では、この技術を利用して上述の特徴を異方性拡散媒体に付与したものを最良形態として説明する。まず、本最良形態に係る異方性拡散媒体は、硬化樹脂層を少なくとも含有する。「硬化樹脂」とは、光(例えば紫外線)や電子線のようなエネルギー線により硬化した樹脂を指す。そして、当該硬化樹脂層には、その層を貫く方向に配向した複数(無数)の柱状体が平面方向に亘って形成されている。「柱状体」とは、屈折率が周辺領域と僅かに異なる微小な棒状硬化領域を指す。更に、当該硬化樹脂層の平面上の少なくとも所定の一直線の真下に存在する柱状体の向きが、当該一直線の一端から他端に変位するにつれて次第に変化する。そこで、図1(a)を参照しながら、当該構造を詳述する。ここで、硬化樹脂層の当該断面に着目すると、当該断面には、その層を貫く方向に配向した複数(無数)の柱状体(図中のH)が形成されている(尚、当該図における柱状体は図4に示したものと相違するが、いずれも概念図であり、両者は同一視されるべきである)。厳密には、散乱中心軸と柱状体の長軸との関係は屈折の法則により説明することができる。この屈折の法則(Snellの法則)は、屈折率nの媒質から屈折率nの媒質の界面に対して光が入射する場合、その入射角θ、屈折角θの間にnsinθ=nsinθの関係が成立するものである。ここでn=1(空気)、n=1.51(硬化樹脂層)とすると、散乱中心軸の傾き(入射角)が30°の場合、柱状体の長軸の向き(屈折角)は約19°となる。そして、これら柱状体Hの向きは、当該直線Xの一端(図中のX)から他端(図中のX)に移動するにつれて変化する(具体的には、X→中央→Xに移動するにつれて、右上がり→直立→左上がりに変化する)。
《異方性拡散媒体の用途》
本発明に係る異方性拡散媒体は、前述のように、特にプロジェクタ用スクリーン(プロジェクションスクリーン)として有用である。ここで、プロジェクションスクリーンには、プロジェクターと同じ側から見ることになるフロントタイプのスクリーンと、プロジェクターとは反対側から見るリアタイプのスクリーンがあるが、本発明の異方性拡散媒体はそのいずれにも適用可能である。フロントタイプのスクリーンでは、異方性拡散媒体の他に反射性基材が必須であり、これには通常知られている反射シートが使用可能であるが、特には銀やアルミニウムをフィルムに蒸着したり、またアルミニウム箔をフィルムに貼り合わせた鏡面反射性のものが好ましい。この他に適度の等方拡散性を有するフィルムや層(等方性拡散媒体)を積層することが出来、特に好ましい構成は(反射性基材/異方性拡散媒体/等方性拡散媒体)である。尚、これらの積層や貼り合わせには、透明な粘着剤や接着剤が使用されるが、特に好ましいのはアクリル系の粘着剤である。更に、物理的強度や、巻き取り性を持たせるために、上記構成の背面に布や紙、合成樹脂フィルム、金属箔等の屈曲性支持体を貼り合わせたり、板紙や合板、ガラス、プラスチック等で出来た高剛性のボードとの貼り合せも可能である。尚、リアタイプのスクリーンについては、反射性基材は不要で、逆に光線透過率を考慮して等方性拡散媒体や、屈曲性支持体やボードの材質選定を行う必要がある。
ここで、本発明における集束領域は、以上説明した通り光硬化性樹脂層を硬化して柱状構造を形成する際に使用する光源の位置とほぼ一致するが、これにより得られる異方性拡散媒体をプロジェクタ用スクリーンに使用する場合、その集束領域とプロジェクター、観察者の位置関係としては、以下のものが好適である。
(1)集束領域とプロジェクターの位置がほぼ一致する場合
(2)集束領域と観察者の位置がほぼ一致する場合
(3)集束領域が、プロジェクターと観察者のほぼ中央に位置する場合
尚、集束領域とプロジェクター及び観察者の位置が、極めて近接する場合が最も好適であり、この場合はスクリーン全面に亘って均一で極めて高い輝度の画像を観察することが出来る。
《異方性拡散媒体の製造方法》
本発明の異方性拡散媒体は、上記の反射性基材や等方性拡散媒体上に直接塗工等により設けることも可能であるが、通常の加工技術により粘着剤や接着剤を介して貼り合せることも出来る。また、上述の屈曲性支持体やボードとの貼り合せも粘着剤や接着剤を使用することが好ましい。もちろん、屈曲性支持体やボード自体が反射性を有する場合は、その反射面に直接異方性拡散媒体を積層することが出来るのは言うまでもないことである。以下、まず異方性拡散媒体の原料を説明し、次いでプロセスを説明する。
異方性拡散媒体の原料(光硬化性化合物)
本発明の異方性拡散層を形成するのに必須な材料である光硬化性化合物は、ラジカル重合性又はカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマー、モノマーから選択される光重合性化合物と光開始剤とから構成され、紫外線及び/又は可視光線を照射することにより重合・固化する材料である。
ラジカル重合性化合物は、主に分子中に1個以上の不飽和二重結合を含有するもので、具体的にはエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等の名称で呼ばれるアクリルオリゴマーと、2―エチルヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソノルボルニルアクリレート、2―ヒドロキシエチルアクリレート、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―アクリロイロキシフタル酸、ジシクロペンテニルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6―ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変成トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレートモノマーが挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。尚、同様にメタクリレートも使用可能であるが、一般にはメタクリレートよりもアクリレートの方が光重合速度が速いので好ましい。
カチオン重合性化合物としては、分子中にエポキシ基やビニルエーテル基、オキセタン基を1個以上有する化合物が使用出来る。エポキシ基を有する化合物としては、2―エチルヘキシルジグリコールグリシジルエーテル、ビフェニルのグリシジルエーテル、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4―シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールAのPO付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステルやダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類が挙げられる。
更に、3,4―エポキシシクロヘキシルメチル―3’,4’―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2―(3,4―エポキシシクロヘキシル―5,5―スピロ―3,4―エポキシ)シクロヘキサン―メタ―ジオキサン、ジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ(3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキシル―3’,4’―エポキシ―6’―メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4―エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールのジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4―エポキシシクロヘキシルメチル―3’,4’―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、テトラ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)ブタンテトラカルボキシレート、ジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)―4,5―エポキシテトラヒドロフタレート等の脂環式エポキシ化合物も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニルエーテル基を有する化合物としては、例えばジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚ビニルエーテル化合物は、一般にはカチオン重合性であるが、アクリレートと組み合わせることによりラジカル重合も可能である。
またオキセタン基を有する化合物としては、1,4―ビス[(3―エチル―3―オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3―エチル―3―(ヒドロキシメチル)―オキセタン等が使用できる。
尚、以上のカチオン重合性化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。上記光重合性化合物は、上述に限定されるものではない。また、十分な屈折率差を生じさせるべく、上記光重合性化合物には、低屈折率化を図るために、フッ素原子(F)を導入しても良く、高屈折率化を図るために、硫黄原子(S)、臭素原子(Br)、各種金属原子を導入しても良い。また、特表2005−514487に開示されるように、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化錫(SnOx)等の高屈折率の金属酸化物からなる超微粒子の表面に、アクリル基やメタクリル基、エポキシ基等の光重合性官能基を導入した機能性超微粒子を上述の光重合性化合物に添加することも有効である。
異方性拡散媒体の原料(光開始剤)
ラジカル重合性化合物を重合させることの出来る光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2―クロロチオキサントン、2,4―ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2―ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2―ジメトキシ―1,2―ジフェニルエタン―1―オン、2―ヒドロキシ―2―メチル―1―フェニルプロパン―1―オン、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2―メチル―1―[4―(メチルチオ)フェニル]―2―モルフォリノプロパノン―1、1―[4―(2―ヒドロキシエトキシ)―フェニル]―2―ヒドロキシ―2―メチル―1―プロパン―1―オン、ビス(シクロペンタジエニル)―ビス(2,6―ジフルオロ―3―(ピル―1―イル)チタニウム、2―ベンジル―2―ジメチルアミノ―1―(4―モルフォリノフェニル)―ブタノン―1、2,4,6―トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
またカチオン重合性化合物の光開始剤は、光照射によって酸を発生し、この発生した酸により上述のカチオン重合性化合物を重合させることが出来る化合物であり、一般的には、オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等が使用され、これらの対イオンには、BF 、PF 、AsF 、SbF 等のアニオンが用いられる。具体例としては、4―クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4―フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4―フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4―(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド―ビス―ヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4―(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド―ビス―ヘキサフルオロホスフェート、(4―メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4―メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4―t―ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5―イソプロピルベンゼン)(η5―シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
異方性拡散媒体の原料(配合量、その他任意成分)
本発明において、上記光開始剤は、光重合性化合物100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、より好ましくは0.1〜5重量部程度配合される。これは、0.01重量部未満では光硬化性が低下し、10重量部を超えて配合した場合には、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下してしまう弊害、着色、柱状構造の形成の阻害を招くからである。これらの光開始剤は、通常粉体を光重合性化合物中に直接溶解して使用されるが、溶解性が悪い場合は光開始剤を予め極少量の溶剤に高濃度に溶解させたものを使用することも出来る。このような溶剤としては光重合性であることが更に好ましく、具体的には炭酸プロピレン、γ―ブチロラクトン等が挙げられる。また、光重合性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することも可能である。更に光重合性化合物を加熱により硬化させることの出来る熱硬化開始剤を光開始剤と共に併用することも出来る。この場合、光硬化の後に加熱することにより光重合性化合物の重合硬化を更に促進し完全なものにすることが期待できる。
本発明では、上記の光硬化性化合物を単独で、又は複数を混合した組成物を硬化させて、異方性拡散層を形成することが出来る。また、光硬化性化合物と光硬化性を有しない高分子樹脂の混合物を硬化させることによっても本発明の異方性拡散層を形成可能である。ここで使用できる高分子樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン―アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩ビ―酢ビ共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの高分子樹脂と光硬化性化合物は、光硬化前は十分な相溶性を有していることが必要であるが、この相溶性を確保するために各種有機溶剤や可塑剤等を使用することも可能である。尚、光硬化性化合物としてアクリレートを使用する場合は、高分子樹脂としてはアクリル樹脂から選択することが相溶性の点で好ましい。
プロセス
次に本発明の異方性拡散媒体の製造方法(プロセス)について説明する。上述の光硬化性組成物を透明PETフィルムのような適当な基材上に塗布し又はシート状に設け、必要に応じて乾燥して溶剤を揮発させた上でこの光硬化性樹脂層上に点光源を配置して、これから光を照射することで、上記の集束領域が点である異方性拡散媒体を作製することが出来る。この様子は図6に示されているが、光照射中には点光源とその被照射物の相対位置を変化させることが出来ないため、連続生産には不向きである。尚、図6に示した方法は、図2(a)に示した異方性拡散媒体の製造方法に相当する。
一方、線状光源を使用する場合には、光硬化性樹脂層と線状光源との間に、その光源の線状の方向と垂直な方向に複数の遮光平板を配置するという方法で作製され、この場合は線状の集束領域を有する異方性拡散媒体が形成されることになる。その様子を図7に示すが、ここで線状光源はy方向に配置されており、xz面に伸びている遮光平板がy軸方向に一定間隔で並んでいる。これにより、線状光源からの光は遮光平板の間の狭い板状の空間を通って光硬化性樹脂層に入射することになる。したがって、光硬化性樹脂層に入射する光の方向はx軸方向では変化するが、y軸方向ではほとんど変わらず、これがそのまま柱状体の向きを決定することになるのである。この線状光源を使用する製造方法は、光硬化性樹脂層を光源の長軸方向に移動させても、硬化樹脂層中に入射する光の向きは変わらないため、こちらの方法では連続生産が可能である。尚、図7に示した方法は、図2(b)に示した異方性拡散媒体の製造方法に相当する。
尚、本発明の異方性拡散媒体の特徴である柱状体を効率良く形成させるために、光硬化性組成物層の光照射側に密着して光の照射強度を局所的に変化させるマスクを積層することも可能である。マスクの材質としては、カーボン等の光吸収性のフィラーをポリマーマトリックス中に分散したもので、入射光の一部はカーボンに吸収されるが、開口部は光が十分に透過できるような構成のものが好ましい。また、通常の透明フィルムを光硬化性組成物層上に積層するだけでも、酸素障害を防ぎ柱状体の形成を促す上で有効である。
ここで、光硬化性化合物を含む組成物を基体上にシート状に設ける手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。また、組成物が低粘度の場合は、基体の周囲に一定の高さの堰を設けて、この堰で囲まれた中に組成物をキャストすることも出来る。
光硬化性化合物を含む組成物に光照射を行うための光源としては、通常はショートアークの紫外線発生光源が使用され、具体的には高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等が使用可能である。
光硬化性化合物を含む組成物に照射する光線は、該光硬化性化合物を硬化可能な波長を含んでいることが必要で、通常は水銀灯の365nmを中心とする波長の光が利用される。この波長帯を使って本発明の異方性拡散層を作製する場合、照度としては0.01〜100mW/cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20mW/cmの範囲である。照度が0.01mW/cm以下であると硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなり、100mW/cm以上であると光硬化性化合物の硬化が速過ぎて構造形成を生じず、目的の異方性拡散特性を発現できなくなるからである。
<実施例1>
100μmの透明PETフィルム上に、特表2005−514487の実施例3に示されている処方の光硬化性組成物を塗工し、乾燥膜厚50μmの塗工膜を設け、更にこの塗工膜上に、離型PETフィルム38X(38μm厚、リンテック製)をラミネートした。1200×1600mmサイズのこの積層体を水平に置き、1600mmの辺の中央から上空2.5mの高さに配置した3KWのショートアーク超高圧水銀ランプから約40°の拡がりでUV光を照射した。積層体上の照射強度は場所により異なるが、いずれの場所でも1〜3mW/cm2の範囲内になるように投入電力やフィルターを調整した。この照度で、30秒間照射を行い、その後更に光源と積層体との間に拡散体を配置して拡散UV光を照射して、光硬化性組成物を完全に硬化せしめることにより本実施例に係る異方性拡散媒体を作製した。
この異方性拡散媒体の有する散乱中心軸の傾き具合を、1600mmの辺の中央を起点として媒体上に任意の直線を引き、この直線で場所の異なる5点をサンプリングし、図10の方法(特許文献7の特開2005−265915の段落番号0048に記載された方法)に従い光学プロファイルを作成して測定した。その結果、1600mm辺の中央部分では、散乱中心軸はほぼ法線方向に向いていたが、ここから離れるに従い徐々に散乱中心軸の傾斜が増していき、1600mm辺の中央から最も遠くの2つの角部における散乱中心軸の傾斜角は約30度であった。更に、これら散乱中心軸の延長線はUV照射を行った水銀ランプの位置にほぼ集束した。
<実施例2>
実施例1と同じ方法で1200×1600mmサイズの積層体を作製した。この積層体の1600mm幅の中央上空2mの高さに、1200mm辺と平行な向きに長さ800mm長のロングアーク高圧水銀ランプ1灯を線状光源として配置した。線状光源と積層体との間には図7に示されたように線状光源と直交する向きに(すなわち1600mm幅の方向に)遮光平板を配置した。この遮光平板は、1枚が高さ500mm、長さが1600mmの黒色であり、これが25mm間隔で積層体全面に亘ってその直上30mmの位置に固定されているものである。高圧水銀ランプはその長手方向に移動できるようにレールに取り付けられており、160W/cmの電力を投入して発光させた後で、0.5m/分の速度でゆっくりと移動させることでUV露光を行った。更に、遮光平板を外してから、今度は同じ速さで線状光源の長さ方向とは直交する方向に積層体を移動させて光硬化性組成物を完全に硬化せしめることで本実施例に係る異方性拡散媒体を作製した。
この異方性拡散媒体の有する散乱中心軸の傾き具合を、1600mmの辺に平行に任意に引いた直線に沿って同様の方法で測定した。その結果、1600mm辺の中央部分では、散乱中心軸はほぼ法線方向に向いていたが、ここから離れるに従い徐々に散乱中心軸の傾斜が増していき、1600mmの辺の中央から最も遠くの場所における散乱中心軸の傾斜角は約22度であった。更に、各点における散乱中心軸の延長線は、UV照射を行った水銀ランプの位置にほぼ集束することが確認された。
<比較例1>
実施例1において、ショートアークの超高圧水銀ランプを積層体中央の直上に配置し、更に点光源と積層体との間にフレネルレンズを配置して、積層体に平行なUV光が垂直に照射されるようにした以外は、実施例1と同じようにして異方性拡散媒体を作製した。この異方性拡散媒体は、面内の全ての点において、柱状体が法線方向を向いているものであった。
<比較例2>
比較のために、通常一般的なマットタイプのスクリーンを比較例2のスクリーンとした。
<実施例3>
実施例1で作製した異方性拡散媒体の表面の離型PETフィルムを剥離し、こちら側にアクリル系の粘着剤を用いて厚さ55μmで反射率86%のアルミ蒸着フィルムをラミネートした。更に異方性拡散媒体から100μm厚のPETフィルムを剥離して、こちらの側には厚さ40μmでヘイズ83の拡散フイルムを、これまたアクリル系の粘着剤を用いてラミネートし、(反射フィルム/異方性拡散媒体/拡散フィルム)の構成からなる本実施例に係るプロジェクタ用スクリーンを作製した。
このスクリーンを縦1200mm、横1600mmの向きで、拡散フィルム側が表になるように壁に貼り付けた。尚、この時異方性拡散媒体の柱状体の向きは1600mm幅の底辺中央において法線方向と一致するように、スクリーンの向きを調整している。このスクリーンにPLUSデータプロジェクター U3−1100Wを使い、画像を投影した。プロジェクターはスクリーンの底辺中央から約2.5mの距離に配置し、観察者はスクリーンの中央よりも低い目線で、水平方向の拡がりがスクリーンに立てた法線方向から左右20度の範囲内においてスクリーン内の輝度ムラを中心に観察した。なお、観察者のスクリーンからの距離は1〜5mの範囲であった。
図8において、プロジェクターと観察者の位置を記載した水平図を示すが、ここでプロジェクターからスクリーンまでの間の領域Cでは観察できず、観察領域はAとBということになる。スクリーン面内の輝度ムラを、(最高輝度/最低輝度)の比で評価した場合、領域Aでは1.5〜5、領域Bでは3〜20であった。
一方、比較例1のスクリーンを使用した場合は、この輝度ムラは領域Aで2〜10、領域Bでは5〜16であった。また比較例2の通常のマットタイプのスクリーンについても測定を行った。これらの結果を最高輝度と共に下表に示した。
本発明のスクリーンでは散乱中心軸(柱状体の長軸)の方向が集束する領域を持っているため、その集束領域にプロジェクターを配置した場合は比較的狭い領域ではあるが、極めて高い輝度と均一な画像を観察することが出来る。
Figure 2009116126
図1は、本発明に係る異方性拡散媒体上の所定の一直線(図中のX)で切断した、異方性拡散媒体の断面図(模式図)である。 図2は、本発明の特徴を有する複数の直線が存在する異方性拡散媒体の具体例を示した図である。 図3は、本発明に係る「散乱中心軸」の概念を説明した図である。 図4は、本発明に係る異方性拡散媒体の概念図である(集束領域が点)。 図5は、本発明に係る異方性拡散媒体の作用(輝度の均一化)を示した概念図である。 図6は、点光源で本発明に係る異方性拡散媒体を製造した際の様子を示す概念図である。 図7は、線光源で本発明に係る異方性拡散媒体を製造した際の様子を示す概念図である。 図8は、実施例で異方性拡散媒体の輝度を測定する際の、プロジェクターと観察者の位置を記載した水平図である。 図9は、屈折率の異なる板状の領域が互いに平行に形成された、従来の光制御板の概念図である。 図10は、光制御板の入射角に対する散乱特性を測定するための測定系の概念図である。 図11は、図9に係る光制御板の光学プロファイルを示した図である。 図12は、複数の柱状体が法線方向に配向した、従来の異方性拡散媒体の概念図である。 図13は、図12に係る異方性拡散媒体の光学プロファイルを示した図である。 図14は、複数の柱状体が斜め方向に配向した、従来の異方性拡散媒体の概念図である。 図15は、プロジェクションスクリーン用途に対して異方性拡散媒体を適用された、特許文献8に記載の図である。

Claims (5)

  1. 入射角により拡散性が変化し、該拡散性において散乱中心軸を有する異方性拡散媒体において、該異方性拡散媒体表面上に引いた所定の直線と、その直線から立ち上げた法線とを含む面内にある複数の散乱中心軸の向きが、直線の一端から他端に変位するにつれて次第に変化することを特徴とする異方性拡散媒体。
  2. 前記複数の散乱中心軸の延長線が集束する集束領域を形成するように配向している、請求項1記載の異方性拡散媒体。
  3. 請求項1又は2記載の異方性拡散媒体を有するプロジェクタ用スクリーン。
  4. 光硬化性樹脂層上に点光源を配置する工程と、当該点光源から光を照射する工程と、を含むことを特徴とする、その層を貫く方向に配向した複数の散乱中心軸が硬化樹脂層の平面方向に亘って形成されている異方性拡散媒体の製造方法。
  5. 光硬化性樹脂層上に線状光源を配置する工程と、当該光硬化性樹脂層と線状光源との間に、当該光源の線状の方向と垂直な方向に複数の遮光平板を配置する工程と、当該線状光源から光を照射する工程と、を含むことを特徴とする、その層を貫く方向に配向した複数の散乱中心軸が硬化樹脂層の平面方向に亘って形成されている異方性拡散媒体の製造方法。
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