JP5090862B2 - 異方性拡散媒体及びそれを使用した光源ユニット - Google Patents

異方性拡散媒体及びそれを使用した光源ユニット Download PDF

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Description

本発明は、入射角に応じて透過光の拡散性が変化する異方性拡散媒体及びそれを使用した光源ユニットに関するものである。
光拡散性を有する部材は、古くから照明器具や建材に使われていただけでなく、最近のディスプレイ、特にLCDにおいても広く利用されている。これら光拡散部材の光拡散発現機構としては、表面に形成された凹凸による散乱(表面散乱)、マトリックス樹脂とその中に分散されたフィラー間の屈折率差による散乱(内部散乱)、及び表面散乱と内部散乱の両方によるものが挙げられる。但し、これら光拡散部材は、一般にその拡散性能は等方的であり、入射角度を少々変化させても、その透過光の拡散特性が大きく異なることはなかった。尚、本明細書及び本特許請求の範囲では「拡散」と「散乱」の2つの言葉を同じ意味として区別せずに使用している。
しかしながら、昨今、特定の角度からの入射光だけを選択的に散乱することができるという光制御板なる特殊な光拡散部材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上の光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組成物に、特定方向から紫外線を照射して硬化させたプラスチックシートであり、そのシートに対して特定の角度をなす入射光のみを選択的に散乱させるというものである。
この光制御板を作製するための材料としては、上述の「それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上の光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組成物」以外にも、ウレタンアクリレートオリゴマーを含む組成物が開示されている(例えば、特許文献2〜4参照)。また、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物Aと、このAとの屈折率差が0.01以上である重合性炭素−炭素二重結合を有しない化合物Bとの組み合わせや、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を複数有し、その硬化前後の屈折率差が0.01以上である化合物が列挙されており(例えば、特許文献5参照)、更に、ラジカル重合性化合物とビニルエーテルを官能基に有するカチオン重合性化合物との組み合わせも開示されている(例えば、特許文献6参照)。
この光制御板は、上記の材料をシート状に固定し、その上空から線状光源を用いて平行な光を照射して硬化せしめたものである。そして、シート状の基体内には、図7に示すように、屈折率の異なる板状の領域が互いに平行に形成されているといわれている。特定の角度からの入射光だけを選択的に散乱することができるという散乱特性の入射角依存性は、図8に示すように、図示しない光源と受光器3との間にサンプルを配置し、サンプル表面の直線Lを中心として角度を変化させながらサンプルを直進透過して受光器3に入る直線透過光量を測定することにより得られる(尚、測定方法の詳細は、特許文献7の特開2005−265915号公報の段落番号0048に記載されている)。この方法で測定した光制御板の散乱特性の入射角依存性は、図9に示されるように、光制御板作製時にその上空に配置した線状光源を光制御板表面に投影した線が上記の直線Lに相当し、これを中心にして光制御板を回転させた場合に観察されるものである。ここで、図9から分かるように、線状光源の投影線と直交する線(図7のA−A線)を中心に回転した場合は、散乱特性の入射角依存性がほとんど見られないか、先の線状光源の投影線を中心に回転させた場合(図7のB−B線)とは大きく異なる散乱特性の入射角依存性を有するものである(図9中の「長辺軸回転」が図7のA−A線軸回転であり、「短辺軸回転」が図7のB−B線軸回転である)。ここで、図9において散乱特性の入射角依存性を示す曲線を今後「光学プロファイル」と称することにする。尚、この光学プロファイルは、散乱特性を直接表現しているものではないが、直線透過光量が低下することで逆に拡散透過光量が増大していると解釈すれば、概ね拡散特性を示しているといえる。
特開平1−77001号公報 特開平1−147405号公報 特開平1−147406号公報 特開平2−54201号公報 特開平3−109501号公報 特開平6−9714号公報 特開2005−265915号公報 特開2005−285388号公報 特開2005−302458号公報 特開2007−134281号公報
ところで、本発明者等は、上記の光制御板と同じような材料を用いながら、線状ではなく、点状光源から反射鏡やレンズを使用して平行にした光線を法線方向から照射することで、表面上にいかなる方向の直線Lを設定してこれを中心にして回転させても、散乱特性の入射角依存性がほとんど同じである異方性拡散媒体を作製出来ることを見出し特許出願済みである(特許文献7参照)。この場合、その内部には図10に示すように、法線方向に配向した複数の柱状体が集合した領域が形成されている。
上記の異方性拡散媒体は、直線Lを任意の方向でサンプル上に設けてもほぼ同じ散乱特性の入射角依存性を示すことが出来る、即ち、図11に示すように、その光学プロファイルは入射角の方向に依存性がないものである。ここで、図11の光学プロファイルは、ほぼ0度を中心に対称になっており(散乱中心軸)、内部の柱状体が配向している方向と一致している。したがって、異方性拡散媒体の作製時に平行光線を傾けて照射した場合は、その光線の進行方向に沿って柱状体が配向するため(図12参照)、当然散乱中心軸は0度から外れた値を取る結果、光学プロファイルはボトムが左右のいずれかに移動した形となる。この場合は、光学プロファイル測定時の直線Lの取り方により光学プロファイルは変化するが、大部分の場合、散乱特性は入射角依存性を有しており、先の光制御板とはこの点で異なっている。
この異方性拡散媒体は、液晶パネルのバックライトの拡散フィルムや、液晶パネルの視野角制御用フィルム、プロジェクションスクリーンの拡散部材としての用途展開が考えられる。このうち、液晶パネルのバックライト用途に関しては、導光板の背面側、反射板との間に上述の内部に柱状体構造を有する異方性拡散媒体(柱状レンズシート)を配置することが特許文献8に、また導光板の上側に高屈折率層を介してこの異方性拡散媒体(指向性拡散媒体)を設けたものが特許文献9に提案されている。しかしながら、これらのバックライトは、導光板を有するエッジライト(サイドライト)方式であり、TV等の大画面用途には適用されないものであった。
これに対して、直下型のバックライトは、導光板を用いることなく基板上にLEDや冷陰極管等の点状、線状の光源を一定の規則性を持って配置・固定したものであるため、それらの光源の直上と各光源の間に位置する場所では、輝度が大きく異なり、これを均一化するために板状やフィルム状の拡散媒体が設けられている。ここで、本発明者は、先の特許文献10において、該光源からの光の入射角により直線透過光量が異なる異方性拡散媒体の方が従来の等方性拡散媒体よりも効率的に輝度の均一化を果たすことが出来ることを示している。しかしながら、当該異方性拡散媒体では、その内部に形成されている柱状体の長軸方向は、その面内のいずれの場所においても同一の方向を持ったものであり(法線方向に一様に延在)、局部的にその傾きが変化するものではなく、基板上に取り付けられた点状又は線状の光源の配置には一切考慮していないものであった。そのため、光源の直上部分では光源から発する放射線状に沿っているため強く拡散されるが、2つの光源の中間部分ではお互いの向きが異なってきているため、あまり拡散されずに透過してしまうことになる。
そこで、本発明は、以上の従来技術を踏まえて基板上に取り付けられた点状又は線状の複数光源の配置を異にするそれぞれの(直下型)バックライトに対して、当該配置を考慮して最適化された異方性拡散媒体と、それを使った光源ユニット、更にこれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題の下で鋭意研究の結果、以下の発明(1)〜(5)に到達したものである。
本発明(1)は、一定の規則性を持って配向した複数の柱状体が集合してなる柱状体集合領域が硬化樹脂層の平面方向に亘って複数存在する、前記硬化樹脂層を有する異方性拡散媒体であって、前記複数の柱状体集合領域のいずれについても、当該柱状体集合領域中を、個々の柱状体の長軸方向に透過するそれぞれの光線が、前記硬化樹脂層から出射した先で、前記硬化樹脂層平面から隔離した集束領域に集束するように構成された異方性拡散媒体である。
本発明(2)は、前記発明(1)の異方性拡散媒体と、
複数の光源が配置されている基板と
を含む光源ユニットであって、
前記異方性拡散媒体における前記複数の柱状体集合領域と前記基板における前記複数の光源とが隔離して対向しており、かつ、当該柱状体集合領域上に存在する前記集束領域内及びその近傍に光源がそれぞれ配置されてなることを特徴とする光源ユニットである。
本発明(3)は、複数の光源が配置されている基板と、その基板から一定距離を保って対向する前記発明(1)の異方性拡散媒体とを含む光源ユニットであって、該異方性拡散媒体中の複数の柱状体集合領域は、前記基板上のそれぞれの光源と対向しており、かつ、該異方性拡散媒体は、前記基板又は前記基板と同一の位置関係で配置された複数の別光源を有する別基板を光硬化性樹脂と前記一定距離を保って対向させ、続いて、対向する前記光源又は前記別光源から照射された光により前記光硬化性樹脂を硬化させることにより形成されたものであることを特徴とする光源ユニットである。
本発明(4)は、複数の光源が配置されている基板上に、当該光源で硬化可能な光硬化性樹脂層を配する工程と、前記複数の光源から光を照射する工程と、を含むことを特徴とする、複数の柱状体が集合してなる複数の柱状体集合領域が前記複数の光源と対向する位置に存在する硬化樹脂からなる異方性拡散媒体の製造方法である。
本発明(5)は、複数の光源が配置されている基板と、複数の柱状体が集合してなる複数の柱状体集合領域が前記複数の光源と対向する位置に存在する硬化樹脂からなる異方性拡散媒体とを含む光源ユニットの製造方法であって、前記基板又は前記基板と同一位置に配置された複数の別光源を有する別基板上に、前記光源又は前記別光源で硬化可能な光硬化性樹脂層を配する工程と、前記複数の光源又は前記複数の別光源から光を照射して、前記柱状体集合領域を前記硬化樹脂中に形成させる工程と、前記別基板を使用した場合には、前記柱状体集合領域形成工程後に、前記別基板を前記基板と置換する工程と、を含むことを特徴とする製造方法である。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書における各用語の定義を説明する。「柱状体」とは、屈折率が周辺領域と僅かに異なる微小な棒状硬化領域を指す。「硬化樹脂」とは、光(例えば紫外線)や電子線のようなエネルギー線により硬化した樹脂を指す。「集束領域」は、柱状体集合領域に属する個々の柱状体の長軸方向に透過するそれぞれの光線が硬化樹脂層から出射した先で集束する、硬化樹脂層面外に存在する領域を指す限り特に限定されず、一点に集束する場合、一直線に集束する場合、ある平面(例えば円形)に集束する場合、ある空間(例えば球径)に集束する場合、のいずれをも包含する。図4〜図6は、一の柱状体集合領域(当該領域だけスポット的に切断)における当該集束領域例を概念的に図示したものである。まず、図4及び図5は、個々の柱状体の長軸方向に透過するそれぞれの光線が点状の集束領域(R)に集束した例である。ここで、「1」は異方性拡散媒体の硬化樹脂層、「2」は柱状体、「R」は集束領域を示す。尚、集束領域(R)の位置は、図4に示すように異方性拡散媒体の真上でも、図5に示すように異方性拡散媒体の真上から外れた地点にあってもよい。次に、図6は、個々の柱状体の長軸方向に透過するそれぞれの光線が線状の集束領域(R)に集束した例である。尚、本発明の異方性拡散媒体中に含まれる柱状体集合領域の位置は、当該異方性拡散媒体に平行光線を照射し、その透過光を直視するかスクリーンに投射させることで、あるいは異方性拡散媒体の法線方向からレーザー光線を照射し、このレーザー光線を媒体上を走査してその背面に配置したスクリーンに投影されるレーザースポットの拡散形状変化を調べることにより探し出すことができる。更に一つの柱状体集合領域についてレーザー光を種々の位置や角度から照射して透過光をスクリーンに投射することで、柱状体集合領域の中心や集束領域を特定することが可能である。ここで使用するスクリーンは、特殊なものは必要なく、白い紙でも十分である。
発明を実施するための最良形態
《異方性拡散媒体の構造》
本発明に係る異方性拡散媒体は、基板上で離散した複数光源のそれぞれの配置に対応し、複数の柱状体が集合してなる柱状体集合領域を複数有している(1対1対応)。更に、1対1対応関係にある、ある光源とある柱状体集合領域に着目した場合、当該柱状体集合領域を構成する複数の柱状体の長軸方向の向きは、当該光源の位置に対応して規則的に変化している。そして、当該ある柱状体集合領域に属する個々の柱状体の長軸方向に透過するそれぞれの光線は、硬化樹脂層から出射した先で、硬化樹脂層平面から隔離した集束領域に集束する。ここで、図1は、光源を含む基板と異方性拡散媒体とを含むユニットの断面図である。図1(A)に示すように、本発明の光源ユニットでは、左右それぞれの光源に対して、その直上に配置した異方性拡散媒体中の複数の柱状体は、その直下の光源から発する放射線状の光に沿ってその長軸を変化させており、更に、その柱状体集合領域は左右で分かれて存在している。これにより、個々の離散した光源から発せられた光は、その上に配置する異方性拡散媒体により、極めて効率良く拡散されることになる。尚、柱状体集合領域aとbとの間には、局部的に柱状体の存在しない部分や2つの方向の柱状体が混在する部分が存在することもある(図中のc)。このように、柱状体集合領域は、隣接した柱状体集合領域と相互に重複している場合がある。他方、図1(B)に示すように、従来の光源ユニットでは、左右それぞれの光源に対して、その直上に配置した異方性拡散媒体中の柱状体は、いずれの場所においても同一の方向を持ったものである。そのため、光源の直上部分では光源から発する放射線状に沿っているため強く拡散されるが、2つの光源の中間部分ではお互いの向きが異なってきているため、あまり拡散されずに透過してしまうことになる。但し、光源自体の出射特性、基板上の反射性媒体の特性、他の拡散媒体の位置と拡散特性、光源間の距離と異方性拡散媒体と光源との距離の関係等により、図1(A)(B)のどちらが有効かは一概にはいえず、使用態様を踏まえ、いずれか一方を選択したり、両者を組み合わせればよい。
ここで、図2及び図3を参照しながら、光源の種類と異方性拡散媒体の内部構造との関係を詳述する。まず、図2を参照しながら、LED等の点状光源を用いる場合を詳述すると、ある柱状体集合領域を構成する柱状体は、対応する点状光源の位置する点から最も近い当該硬化樹脂層平面上の点を中心として、中心に位置するものについては膜厚方向に直立して配向しており、当該中心から離れるに従い、傾きが次第に大きくなって配向する。具体的には、当該中心から等距離にある柱状体は、同一角度で当該中心に向けて傾斜しており、それらを集めるとテーパー状の曲面を成す。そして、概念的には、このようなテーパー状の曲面が、当該中心から離れるに従い、スタック状に何重にも重なっている。そして、個々の柱状体の長軸方向に透過するそれぞれの光線は、硬化樹脂層から出射した先で、硬化樹脂層平面から隔離した一点に集束する。他方、図3を参照しながら、冷陰極管のような線状光源を用いる場合を詳述すると、ある柱状体集合領域を構成する柱状体は、対応する線状光源から最も近い当該硬化樹脂平面上の一線を中心として、中心に位置するものについては膜厚方向に垂直に配向しており、当該中心線から離れるに従って、傾きが次第に大きくなって配向している。そして、個々の柱状体の長軸方向に透過するそれぞれの光線は、硬化樹脂層から出射した先で、硬化樹脂層平面から隔離した線に集束する。尚、光源ユニットを構築する際には、この集束領域の位置と光源の位置とが整合していることが理想的であるが、以下で詳述するように、当該光学ユニットの最も簡単な製造手法は、光源が配された基板と異方性拡散媒体の原料である光硬化性樹脂とを組み合わせた後、当該光源から光照射する、というものである。この場合、Snellの法則に則り、当該光硬化性樹脂への光の進入方向が当該光硬化性樹脂による屈折により多少変化してしまうことが想定される。例えば、図1(a)の態様は、この最も簡単な製造手法によって製造したものである。したがって、当該光硬化性樹脂への光の進入方向と柱状体の方向とがずれている。ただし、光の進行を逆に解釈すれば、柱状体の方向に進行して光硬化性樹脂から出射した光線は、光源の位置に集束すると言うことができるのである。
《異方性拡散媒体の製造方法》
本発明の異方性拡散媒体の製造方法は、概略、複数の光源が配置されている基板上に、当該光源で硬化可能な光硬化性樹脂層を当該基板と隔離して配する工程と、当該複数の光源から光を照射する工程と、を含む。以下、まず異方性拡散媒体の原料を説明し、次いでプロセスを説明する。
異方性拡散媒体の原料(光硬化性化合物)
本発明の異方性拡散層を形成するのに必須な材料である光硬化性化合物は、ラジカル重合性又はカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマー、モノマーから選択される光重合性化合物と光開始剤とから構成され、紫外線及び/又は可視光線を照射することにより重合・固化する材料である。
ラジカル重合性化合物は、主に分子中に1個以上の不飽和二重結合を含有するもので、具体的にはエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等の名称で呼ばれるアクリルオリゴマーと、2―エチルヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソノルボルニルアクリレート、2―ヒドロキシエチルアクリレート、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―アクリロイロキシフタル酸、ジシクロペンテニルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6―ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変成トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレートモノマーが挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。尚、同様にメタクリレートも使用可能であるが、一般にはメタクリレートよりもアクリレートの方が光重合速度が速いので好ましい。
カチオン重合性化合物としては、分子中にエポキシ基やビニルエーテル基、オキセタン基を1個以上有する化合物が使用出来る。エポキシ基を有する化合物としては、2―エチルヘキシルジグリコールグリシジルエーテル、ビフェニルのグリシジルエーテル、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4―シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールAのPO付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステルやダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類が挙げられる。
更に、3,4―エポキシシクロヘキシルメチル―3’,4’―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2―(3,4―エポキシシクロヘキシル―5,5―スピロ―3,4―エポキシ)シクロヘキサン―メタ―ジオキサン、ジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ(3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキシル―3’,4’―エポキシ―6’―メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4―エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールのジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4―エポキシシクロヘキシルメチル―3’,4’―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、テトラ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)ブタンテトラカルボキシレート、ジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)―4,5―エポキシテトラヒドロフタレート等の脂環式エポキシ化合物も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニルエーテル基を有する化合物としては、例えばジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚ビニルエーテル化合物は、一般にはカチオン重合性であるが、アクリレートと組み合わせることによりラジカル重合も可能である。
またオキセタン基を有する化合物としては、1,4―ビス[(3―エチル―3―オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3―エチル―3―(ヒドロキシメチル)―オキセタン等が使用できる。
尚、以上のカチオン重合性化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。上記光重合性化合物は、上述に限定されるものではない。また、十分な屈折率差を生じさせるべく、上記光重合性化合物には、低屈折率化を図るために、フッ素原子(F)を導入しても良く、高屈折率化を図るために、硫黄原子(S)、臭素原子(Br)、各種金属原子を導入しても良い。また、特表2005−514487に開示されるように、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化錫(SnOx)等の高屈折率の金属酸化物からなる超微粒子の表面に、アクリル基やメタクリル基、エポキシ基等の光重合性官能基を導入した機能性超微粒子を上述の光重合性化合物に添加することも有効である。
異方性拡散媒体の原料(光開始剤)
ラジカル重合性化合物を重合させることの出来る光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2―クロロチオキサントン、2,4―ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2―ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2―ジメトキシ―1,2―ジフェニルエタン―1―オン、2―ヒドロキシ―2―メチル―1―フェニルプロパン―1―オン、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2―メチル―1―[4―(メチルチオ)フェニル]―2―モルフォリノプロパノン―1、1―[4―(2―ヒドロキシエトキシ)―フェニル]―2―ヒドロキシ―2―メチル―1―プロパン―1―オン、ビス(シクロペンタジエニル)―ビス(2,6―ジフルオロ―3―(ピル―1―イル)チタニウム、2―ベンジル―2―ジメチルアミノ―1―(4―モルフォリノフェニル)―ブタノン―1、2,4,6―トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
またカチオン重合性化合物の光開始剤は、光照射によって酸を発生し、この発生した酸により上述のカチオン重合性化合物を重合させることが出来る化合物であり、一般的には、オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等が使用され、これらの対イオンには、BF 、PF 、AsF 、SbF 等のアニオンが用いられる。具体例としては、4―クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4―フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4―フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4―(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド―ビス―ヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4―(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド―ビス―ヘキサフルオロホスフェート、(4―メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4―メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4―t―ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5―イソプロピルベンゼン)(η5―シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
異方性拡散媒体の原料(配合量、その他任意成分)
本発明において、上記光開始剤は、光重合性化合物100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、より好ましくは0.1〜5重量部程度配合される。これは、0.01重量部未満では光硬化性が低下し、10重量部を超えて配合した場合には、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下してしまう弊害、着色、柱状構造の形成の阻害を招くからである。これらの光開始剤は、通常粉体を光重合性化合物中に直接溶解して使用されるが、溶解性が悪い場合は光開始剤を予め極少量の溶剤に高濃度に溶解させたものを使用することも出来る。このような溶剤としては光重合性であることが更に好ましく、具体的には炭酸プロピレン、γ―ブチロラクトン等が挙げられる。また、光重合性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することも可能である。更に光重合性化合物を加熱により硬化させることの出来る熱硬化開始剤を光開始剤と共に併用することも出来る。この場合、光硬化の後に加熱することにより光重合性化合物の重合硬化を更に促進し完全なものにすることが期待できる。
本発明では、上記の光硬化性化合物を単独で、又は複数を混合した組成物を硬化させて、異方性拡散層を形成することが出来る。また、光硬化性化合物と光硬化性を有しない高分子樹脂の混合物を硬化させることによっても本発明の異方性拡散層を形成可能である。ここで使用できる高分子樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン―アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩ビ―酢ビ共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの高分子樹脂と光硬化性化合物は、光硬化前は十分な相溶性を有していることが必要であるが、この相溶性を確保するために各種有機溶剤や可塑剤等を使用することも可能である。尚、光硬化性化合物としてアクリレートを使用する場合は、高分子樹脂としてはアクリル樹脂から選択することが相溶性の点で好ましい。
《透明基体》
任意層として、透明基体を設けてもよい。透明基体としては、公知の透明なフィルム、ガラス等を使用することができる。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂フィルム及び石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等を好適に使用することができる。PDP、LCDに用いる場合は、PET、TACが好ましい。これら透明基体の透明性は、高いもの程良好であるが、光線透過率(JISC−6714)としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。また、その透明基体を小型軽量の液晶ディスプレイに用いる場合には、透明基体はフィルムであることがより好ましい。透明基体の厚さは、軽量化の観点から薄いほうが望ましいが、その生産性を考慮すると、1〜700μmの範囲のもの、好ましくは25〜250μmを使用することが好適である。また、透明基体に、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、フッ素処理、スパッタ処理等の表面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗布、又はSi蒸着等の表面改質処理を行うことにより、透明基体とハードコート層、又は他の層との密着性を向上させることができる。
尚、本発明の異方性拡散媒体の特徴である柱状体を効率良く形成させるために、光硬化性組成物層の光照射側に密着して光の照射強度を局所的に変化させるマスクを積層することも可能である。マスクの材質としては、カーボン等の光吸収性のフィラーをポリマーマトリックス中に分散したもので、入射光の一部はカーボンに吸収されるが、開口部は光が十分に透過できるような構成のものが好ましい。また、通常の透明フィルムを光硬化性組成物層上に積層するだけでも、酸素障害を防ぎ柱状体の形成を促す上で有効である。
ここで、光硬化性化合物を含む組成物を基体上にシート状に設ける手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。また、組成物が低粘度の場合は、基体の周囲に一定の高さの堰を設けて、この堰で囲まれた中に組成物をキャストすることも出来る。
プロセス
次に本発明の異方性拡散媒体の製造方法(プロセス)について説明する。上述の光硬化性組成物を透明PETフィルムのような適当な基材上に塗布し、必要に応じて乾燥して溶剤を揮発させた上で、目的の光源ユニットに使用する離散する複数の光源を配置した基板をこの光硬化性樹脂層上に配して、これらの光源から光を照射することで、上記の集束領域が点である異方性拡散媒体を作製することが出来る。この様子は図2に示されているが、光照射中には点光源とその被照射物の相対位置を変化させることが出来ないため、連続生産には不向きである。
一方、線状光源を使用する場合には、光硬化性樹脂層と線状光源との間に、その光源の線状の方向と垂直な方向に複数の遮光平板を配置するという方法で作製され、この場合は線状の集束領域を有する異方性拡散媒体が形成されることになる。その様子を図3に示すが、ここで線状光源はy方向に配置されており、xz面に伸びている遮光平板がy軸方向に一定間隔で並んでいる。これにより、線状光源からの光は遮光平板の間の狭い板状の空間を通って光硬化性樹脂層に入射することになる。したがって、光硬化性樹脂層に入射する光の方向はx軸方向では変化するが、y軸方向ではほとんど変わらず、これがそのまま柱状体の向きを決定することになるのである。この線状光源を使用する製造方法は、光硬化性樹脂層を光源の長軸方向に移動させても、硬化樹脂層中に入射する光の向きは変わらないため、こちらの方法では連続生産が可能である。
光硬化性化合物を含む組成物に光照射を行うための光源としては、通常はショートアークの紫外線発生光源が使用され、具体的には高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等が使用可能である。これらの光源からの光を、光源ユニットにおける光源を固定した基板に対応させて離散した位置から出射させるには、基板相当品に開孔やレンズ系を適用したり、光ファイバーを使ったりすることが可能である。また最近開発が進んでいる紫外域に発光波長を有するLEDを光源基板に設置したり、可視光発生の高輝度LEDを使用することも可能である。尚、可視光波長で光硬化を起こすためには、光開始剤や増感剤を工夫する必要がある。
光硬化性化合物を含む組成物に照射する光線は、該光硬化性化合物を硬化可能な波長を含んでいることが必要で、通常は水銀灯の365nmを中心とする波長の光が利用される。この波長帯を使って本発明の異方性拡散層を作製する場合、照度としては0.01〜100mW/cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20mW/cmの範囲である。照度が0.01mW/cm以下であると硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなり、100mW/cm以上であると光硬化性化合物の硬化が速過ぎて構造形成を生じず、目的の異方性拡散特性を発現できなくなるからである。
《光源ユニットの構造》
次に、本最良形態に係る光源ユニットは、異方性拡散媒体と光源を固定している基板とを必須的に有する。ここで、異方性拡散媒体は、柱状体集合領域を有する硬化樹脂層単独であっても、透明基材上にこの硬化樹脂層を設けた構造物であっても、当該拡散媒体の上方又は光源との間に他の拡散媒体(等方性拡散媒体、異方性拡散媒体)を更に配した積層体であってもよい。また、光源を固定している基板はプラスチックや金属を用いて平板状に成型されたものであればいずれも使用可能であり、その基板上には、白色又は金属反射性の反射性媒体が使用され、光の利用効率と均一化を向上するのに寄与している。更にまた上記反射性基体が一定の剛度を有する場合、上記基板は必ずしも完全な平板である必要はなく、上記反射性媒体や光源を固定可能なフレーム状であっても構わない。尚、本発明では以後上記反射性媒体をも含めた意味で基板という言葉を使用する。この他にプリズムシートや反射偏光子等も本発明の光源ユニットに使用可能である。
《用途》
本発明に係る異方性拡散媒体は、点光源又は線光源が複数使用された直下型の光学ユニット(例えばTV等の大画面)の一部品として有用である。また、当該異方性拡散媒体が組み込まれた光学ユニットは、光源の直上部分でも光源間でも輝度が均一化された、光学特性に優れたものである。したがって、ディスプレイや照明器具等として有用である。
<実施例>
100μmの透明フィルム上に、特表2005−514487の実施例3に示されている処方の光硬化性組成物を塗工し、乾燥膜厚50μmの塗工膜を設け、更にこの塗工膜上に、離型PETフィルム38X(38μm厚、リンテック製)をラミネートした。
一方、ひとつが2.1×2.1×0.9mmサイズの表面実装型の白色LED(光度:290mcd、指向特性:110°)を、12mm間隔で一面に配置した対角10インチの基板を準備した。更にこの光源搭載基板の白色LEDの位置と同じ位置に直径1mmの孔を開けた遮光板を準備し、その孔にガラスビーズをはめ込んだマスクを作製し、このマスクから20mm離したところに上記の光硬化性組成物のラミネート品を配置し、マスク越しに平行UV光を照射した(図13参照)。これによりマスクのガラスビーズはLEDと同じ点状の発光体として働き、これにより照射されたラミネート品中の光硬化性組成物には、基板上の光源と対向した複数の柱状体集合領域を有する本実施例の異方性拡散媒体が作製された。
この異方性拡散媒体と前述のLED基板とを、LED各点と異方性拡散媒体中の柱状体集合領域とが20mm離れて対向するようにして固定することで、本実施例の光源ユニットを作製した。この光源ユニットを点灯し、ユニット正面から輝度・色ムラ解析装置(アイ・システム社製)にて、その輝度ムラを測定した。なお、輝度ムラはLEDの直上個所の輝度Aに対してLED中間位置の輝度Bの比であるB/Aで表現することとした。
<比較例1>
上記実施例の異方性拡散媒体として、上記のラミネート品に実施例のようなマスクを使用することなく直接その法線方向から平行UVを照射することで作製したものを使用した他は、実施例と同じとした。
<比較例2>
異方性拡散媒体の代わりに、ヘイズ80の通常の拡散フイルムを使用する以外は実施例と同じとした。
下表にその結果を示すが、実施例の輝度ムラが小さいことが示されている。
Figure 0005090862
図1は、本発明に係る異方性拡散媒体(A)及び従来の異方性拡散媒体(B)上の所定の一直線で切断した、異方性拡散媒体の断面図(模式図)である。 図2は、点光源で本発明に係る異方性拡散媒体を製造した際の様子を示す概念図である。 図3は、線光源で本発明に係る異方性拡散媒体を製造した際の様子を示す概念図である。 図4は、本発明に係る異方性拡散媒体の概念図である(集束領域が点)。 図5は、本発明に係る異方性拡散媒体の概念図である(集束領域が点)。 図6は、本発明に係る異方性拡散媒体の概念図である(集束領域が線)。 図7は、屈折率の異なる板状の領域が互いに平行に形成された、従来の光制御板の概念図である。 図8は、光制御板の入射角に対する散乱特性を測定するための測定系の概念図である。 図9は、図7に係る光制御板の光学プロファイルを示した図である。 図10は、複数の柱状体が法線方向に配向した、従来の異方性拡散媒体の概念図である。 図11は、図10に係る異方性拡散媒体の光学プロファイルを示した図である。 図12は、複数の柱状体が斜め方向に配向した、従来の異方性拡散媒体の概念図である。 図13は、実施例に係る異方性拡散媒体の製造方法の概念図である。

Claims (7)

  1. 一定の規則性を持って配向した複数の柱状体が集合してなる柱状体集合領域が硬化樹脂層の平面方向に亘って複数存在する、前記硬化樹脂層を有する異方性拡散媒体であって、前記複数の柱状体集合領域のいずれについても、当該柱状体集合領域中を、個々の柱状体の長軸方向に透過するそれぞれの光線が、前記硬化樹脂層から出射した先で、前記硬化樹脂層平面から隔離した集束領域に柱状体集合領域ごとに集束するように構成された異方性拡散媒体。
  2. 請求項1記載の異方性拡散媒体と、
    複数の光源が配置されている基板と
    を含む光源ユニットであって、
    前記異方性拡散媒体における前記複数の柱状体集合領域と前記基板における前記複数の光源とが隔離して対向しており、かつ、当該柱状体集合領域上に存在する前記集束領域内及びその近傍に光源がそれぞれ配置されてなることを特徴とする光源ユニット。
  3. 複数の光源が配置されている基板と、その基板から一定距離を保って対向する請求項1記載の異方性拡散媒体とを含む光源ユニットであって、該異方性拡散媒体中の複数の柱状体集合領域は、前記基板上のそれぞれの光源と対向しており、かつ、該異方性拡散媒体は、前記基板又は前記基板と同一の位置関係で配置された複数の別光源を有する別基板を光硬化性樹脂と前記一定距離を保って対向させ、続いて、対向する前記光源又は前記別光源から照射された光により前記光硬化性樹脂を硬化させることにより形成されたものであることを特徴とする光源ユニット。
  4. 複数の光源が配置されている基板上に、その基板から一定距離を保って対向する当該光源で硬化可能な光硬化性樹脂層を配する工程と、前記複数の光源から光を照射する工程と、を含むことを特徴とする、複数の柱状体が集合してなる複数の柱状体集合領域が前記複数の光源と対向する位置に存在し、該柱状体集合領域と該光源とが1対1対応関係にある硬化樹脂からなる異方性拡散媒体の製造方法。
  5. 複数の光源が配置されている基板と、複数の柱状体が集合してなる複数の柱状体集合領域が前記複数の光源と対向する位置に存在し、該柱状体集合領域と該光源とが1対1対応関係にある硬化樹脂からなる異方性拡散媒体とを含む光源ユニットの製造方法であって、前記基板又は前記基板と同一の位置関係で配置された複数の別光源を有する別基板上に、前記光源又は前記別光源で硬化可能な光硬化性樹脂層を配する工程と、前記複数の光源又は前記複数の別光源から光を照射して、前記柱状体集合領域を前記硬化樹脂中に形成させる工程と、前記別基板を使用した場合には、前記柱状体集合領域形成工程後に、前記別基板を前記基板と置換する工程と、を含むことを特徴とする製造方法。
  6. 前記柱状体集合領域の間に、2つの方向の柱状体が混在する部分が存在することを特徴とする請求項1に記載の異方性拡散媒体。
  7. 前記柱状体集合領域は、隣接した柱状体集合領域と相互に重複していることを特徴とする請求項1に記載の異方性拡散媒体。
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